(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る広告配信管理装置、広告配信システム、広告配信管理方法および広告情報管理プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る広告配信管理装置、広告配信システム、広告配信管理方法および広告情報管理プログラムが限定されるものではない。
【0013】
[1.広告配信処理]
まず、実施形態に係る広告配信処理について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る広告配信処理の説明図であり、本実施形態においては広告配信システムにより広告配信処理が実行される。なお、以下においては、広告媒体の一例としてウェブページを説明するが、広告媒体は、ウェブページ以外の広告媒体であってもよい。例えば、広告媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。
【0014】
図1Aに示すように、実施形態に係る広告配信システム1は、ウェブサーバ2と、広告配信管理装置3と、第1の広告配信装置4と、第2の広告配信装置5とを有し、これらの装置は、通信ネットワークを介して通信可能に接続される。ウェブサーバ2、広告配信管理装置3および第1の広告配信装置4は、例えば、媒体社CAにより管理および運用され、第2の広告配信装置5は、例えば、広告配信業者CBにより管理および運用される。
【0015】
ウェブサーバ2は、複数のウェブページを記憶しており、かかるウェブページには広告枠が設定される。ウェブサーバ2は、端末装置6から送信されたページリクエスト(Step1)を受け付けると、ページリクエストに応じたウェブページ8を端末装置6へ送信する(Step2)。
【0016】
端末装置6は、ウェブサーバ2からウェブページ8を受信すると、広告リクエストを広告配信管理装置3へ送信する(Step3)。かかる広告リクエストは、ウェブページ8に設定された広告枠9に表示する広告コンテンツの配信要求である。
【0017】
広告配信管理装置3の制御部12は、端末装置6から広告リクエストを受け付けると、広告リクエストに対して第1の広告配信装置4で広告コンテンツを配信した場合の収益期待値を予測する。収益期待値は、例えば、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信により期待されるeCPM(effective Cost Per Mille)である。
【0018】
eCPMは、1000インプレッション当たりの収益であり、広告配信管理装置3の制御部12は、例えば、ユーザUの属性、広告枠9の属性、過去の広告コンテンツのクリック頻度やインプレション頻度などからeCPM期待値を予測する。eCPM期待値は、例えば、「Zone1」から「Zone5」までの5段階に設定される。
【0019】
広告配信管理装置3の記憶部11には、広告リクエストに対する広告コテンツの配信元を選択するための価格条件テーブルが記憶される。
図1Bは、記憶部11に記憶される価格条件テーブルによる価格条件の一例を示す図である。
図1Bに示すように、価格条件テーブルによる価格条件では、第1の広告配信装置4での収益期待値と第2の広告配信装置5に提示する価格ランクとの関係が示される。
【0020】
図1Bに示す例では、収益期待値が「Zone1」であれば、「Rank1」の価格ランクが設定され、収益期待値が「Zone2」であれば、「Rank2」の価格ランクが設定される。また、収益期待値が「Zone3」であれば、「Rank3」の価格ランクが設定され、収益期待値が「Zone4」であれば、「Rank4」の価格ランクが設定され、収益期待値が「Zone5」であれば、「Rank5」の価格ランクが設定される。なお、「Rank1」〜「Rank5」のように価格ランクを段階的に設けるのではなく、収益期待値に対して比例するように価格ランクを設けるようにしてもよい。例えば、収益期待値に所定の係数を乗算した結果を価格ランクとしてもよい。
【0021】
広告配信管理装置3の制御部12は、第1の広告配信装置4での収益期待値から広告リクエストに対して割り当てる価格ランク(以下、提供価格ランクと記載する場合がある)を決定する。例えば、制御部12は、第1の広告配信装置4での収益期待値が「Zone2」であれば、「Rank2」以上の価格ランクを提供価格ランクとして広告リクエストに対して割り当てる。
【0022】
提供価格ランクは、媒体社CAが広告枠在庫の販売によって広告配信業者CBから得ることができる収益が第1の広告配信装置4による収益期待値と同等以上の収益になるように価格条件テーブルに設定されることが望ましい。例えば、提供価格ランクに対して広告配信業者CBから得た収益の50%が媒体社CAへ提供される場合、広告配信業者CBで得られる収益の50%が第1の広告配信装置4による収益期待値と同等以上であることが望ましい。
【0023】
広告配信管理装置3の制御部12は、広告リクエストに対して割り当てた提供価格ランクで広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を行うか否かの問い合わせを第2の広告配信装置5に対して行う(Step4)。かかる問い合わせに対して、第2の広告配信装置5から配信可否を示す応答(以下、配信可否応答と記載する)を受信する(Step5)。広告配信管理装置3の制御部12は、配信可否応答に基づき、広告リクエストに対する広告コンテンツを配信する広告配信装置を選択し、選択した広告配信装置から広告コンテンツを配信させる(Step6)。
【0024】
具体的には、制御部12は、第2の広告配信装置5から受信した配信可否応答が配信可を示す場合、第2の広告配信装置5から広告リクエストに対する広告コンテンツを配信させる。一方、第2の広告配信装置5から受信した配信可否応答が配信不可を示す場合、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を提供価格ランクで行う第2の広告配信装置5がない。そのため、制御部12は、第1の広告配信装置4から広告リクエストに対する広告コンテンツを配信させる。
【0025】
このように、広告配信管理装置3は、第1の広告配信装置4の収益期待値と同等以上の収益を得ることができる提供価格ランクで第2の広告配信装置5での広告配信ができる場合には、第2の広告配信装置5からの広告配信を実行させる。一方、第2の広告配信装置5が提供価格ランクで広告配信を行わない場合、第1の広告配信装置4からの広告配信を実行させる。
【0026】
これにより、第1の広告配信装置4による広告配信と第2の広告配信装置5による広告配信とでどちらが広告配信による収益が高いか分からない場合であっても、第1の広告配信装置4の収益期待値と同等以上の収益を得ることが可能であり、広告枠による収益を向上させることができる。
【0027】
[2.広告配信システム1]
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信システム1の構成例について説明する。なお、以下においては、複数の広告配信業者がそれぞれ第2の広告配信装置を有する場合の例について説明する。なお、広告配信業者および第2の広告配信装置の数は2つに限られず、3以上であってもよい。
【0028】
図2に例示するように、実施形態に係る広告配信システム1は、ウェブサーバ2と、広告配信管理装置3と、第1の広告配信装置4と、第2の広告配信装置5A、5B(以下、第2の広告配信装置5と総称する場合がある)とを備える。これらの装置は、通信ネットワーク7を介して互いに通信可能に接続される。通信ネットワーク7は、例えば、インターネットなどである。
【0029】
端末装置6は、例えば、ユーザUによって利用されるPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどであり、ブラウザアプリケーション(以下、ブラウザと記載する)がインストールされている。
【0030】
ウェブサーバ2は、広告枠が設定された複数のウェブページを記憶している。ウェブサーバ2の制御部は、通信ネットワーク7を介して端末装置6のブラウザからのアクセスがあると、端末装置6によって指定されたURL(Uniform Resource Locator)に対応するウェブページを提供する。
【0031】
端末装置6のブラウザは、ウェブサーバ2からウェブページを受信すると、ウェブページに設定された広告枠に対応する広告リクエストを広告配信管理装置3へ送信する。広告リクエストは、広告枠に表示する広告コンテンツの配信要求であり、例えば、端末装置6のユーザUの識別情報(以下、ユーザIDと記載する)や広告枠の識別情報(以下、広告枠IDと記載する)を含む。ユーザIDは、例えば、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、Bクッキーと記載する)である。かかるBクッキーには、ユーザID以外にユーザUの年齢、性別などのユーザ情報を含むこともできる。
【0032】
広告配信管理装置3は、広告リクエストに対応する広告コンテンツを第1および第2の広告配信装置4、5A、5Bのいずれかから配信させる。第1の広告配信装置4は、媒体社CAによって管理および運用され、第2の広告配信装置5Aは、広告配信業者CB1によって管理および運用され、第2の広告配信装置5Bは、広告配信業者CB2によって管理および運用される。
【0033】
第2の広告配信装置5は、広告配信管理装置3からの広告配信の問い合わせがあった場合、広告配信を行うかどうかを判定する。そして、第2の広告配信装置5は、広告配信を行うと判定した場合、配信可を示す応答を広告配信管理装置3へ送信する。一方、第2の広告配信装置5は、広告配信を行わないと判定した場合、配信不可を示す応答を広告配信管理装置3へ送信する。
【0034】
広告配信管理装置3は、第2の広告配信装置5からの配信可否を示す応答に基づき、広告配信装置4、5A、5Bの中から、広告リクエストに対応する広告コンテンツを配信させる広告配信装置を決定し、決定した広告配信装置から広告コンテンツを配信させる。
【0035】
[3.広告配信管理装置3]
図3は、広告配信管理装置3の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告配信管理装置3は、通信部10と、記憶部11と、制御部12とを有する。
【0036】
通信部10は、通信ネットワーク7との間で情報の送受信を行う通信インタフェースであり、通信ネットワーク7との接続を有線または無線で行う。制御部12は、通信部10および通信ネットワーク7を介して、第1の広告配信装置4、第2の広告配信装置5A、5Bおよび端末装置6との間で各種の情報を送受信することができる。
【0037】
記憶部11は、ユーザ情報DB(Data Base)21、広告枠情報DB22および価格情報DB23を有する。ユーザ情報DB21、広告枠情報DB22および価格情報DB23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
【0038】
制御部12は、広告配信管理処理を行う。制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。制御部12は、内部のCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)によって内部の記憶装置に記憶されたプログラム(広告配信プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることで、受付部31、予測部32、割当部33、問い合わせ部34および選択部35として機能する。
【0039】
なお、制御部12の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、広告配信管理装置3は不図示の読取装置を備えており、制御部12は、読取装置を経由して記録媒体に記録されているプログラムを内部の記憶装置に読み込んだ後、かかるプログラムを実行することにより、上述した制御部12の機能を実現することができる。なお、記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0040】
[3.1.受付部31]
受付部31は、端末装置6からの広告リクエストを受け付ける。広告リクエストには、Bクッキーの情報や広告枠IDが含まれる。Bクッキーには、ユーザUのユーザIDが含まれる。受付部31は、受け付けた広告リクエストの情報を予測部32へ出力する。
【0041】
[3.2.予測部32]
予測部32は、広告リクエストに対して第1の広告配信装置4で広告コンテンツを配信した場合の収益期待値(以下、収益期待値RAと記載する)を予測し、予測した収益期待値RAの情報を割当部33へ出力する。予測部32は、収益期待値RAを、例えば、ユーザUの属性や広告枠などの情報から予測モデルを用いた統計的手法により予測する。
【0042】
ユーザUの属性は、例えば、ユーザUの年齢、性別、場所、嗜好などである。広告枠の情報は、例えば、広告枠の種類、サイズ、ページ内の位置、クリック頻度、表示頻度、平均表示時間などである。クリック頻度は、広告枠の広告コンテンツが直前の所定期間にクリックされた頻度である。表示頻度は、広告枠に広告コンテンツが直前の所定期間に表示された頻度である。平均表示時間は、広告枠が設定されたウェブページの過去の平均表示時間である。
【0043】
ユーザ情報DB21には、ユーザIDに対し、ユーザUの年齢、性別、場所、嗜好などの属性情報が対応付けられて記憶されており、予測部32は、広告リクエストに含まれるユーザIDに基づき、ユーザ情報DB21からユーザUの属性情報を取得する。なお、Bクッキーにユーザ属性が含まれる場合には、予測部32は、Bクッキーに含まれるユーザ属性を収益期待値RAの予測に用いることができる。
【0044】
また、広告枠情報DB22には、広告枠IDに対し、広告枠の種類、サイズ、ページ内の位置、クリック頻度、表示頻度、平均表示時間などの情報が対応付けられて記憶される。予測部32は、広告リクエストに含まれる広告枠IDに基づき、広告枠情報DB22から広告枠の情報を取得する。
【0045】
予測部32は、例えば、収益期待値RAをeCPM期待値とする場合、CTR(Click Through Ratio)期待値とCPC(Cost Per Click)期待値とを求め、CTR期待値とCPC期待値とを掛け合わせて収益期待値RAを求める。
【0046】
CTR期待値は、広告リクエストに対するCTRの期待値である。予測部32は、広告枠の広告コンテンツへのクリックを従属変数とし、上述したユーザUの属性情報や広告枠の情報を独立変数(説明変数)として、例えば、SVM(Support Vector Machine)とシグモイドフィッティングによりCTR期待値を求める。また、予測部32は、例えば、ロジスティック回帰分析によりCTR期待値を求めることもできる。
【0047】
また、CPC期待値は、広告リクエストに対するCPCの期待値である。予測部32は、広告リクエストに対する配信候補の広告コンテンツの配信単価(例えば、CPCやCPA(Cost Per Action))を従属変数とし、上述したユーザUの属性情報や広告枠の情報を独立変数(説明変数)として、例えば、重回帰分析またはポアソン回帰分析によりCPC期待値を求める。広告リクエストに対する配信候補の広告コンテンツは、受付部31で受け付けた広告リクエストに対して第1の広告配信装置4により配信される広告コンテンツである。予測部32は、広告リクエストに対する配信候補の広告コンテンツの配信単価を、例えば、第1の広告配信装置4に問い合わせ、第1の広告配信装置4から取得する。
【0048】
なお、eCPM期待値は、1000インプレッション当たりの収益期待値であるが、インプレッションの単位数は1000インプレッションに限定されない。予測部32は、例えば、1インプレッション当たりの収益期待値や10インプレッション当たりの収益期待値を収益期待値RAとして求めることもできる。
【0049】
また、予測部32は、複数の予測モデルを選択的に用いた統計的手法により広告リクエストに対する収益期待値RAを求めることもできる。例えば、予測部32は、予測モデルA、予測モデルB、手動で最適化したモデル(以下、手動モデルと記載する)Cの中から、Bクッキーに応じたモデルにより広告リクエストに対する収益期待値RAを求めることができる。
【0050】
なお、予測モデルAは、例えば、CTR期待値をSVMとシグモイドフィッティングにより予測し、かつ、CPC期待値を重回帰分析により予測する予測モデルである。また、予測モデルBは、例えば、CTR期待値をロジスティック回帰分析により予測し、かつ、CPC期待値をポアソン回帰分析により予測する予測モデルである。
【0051】
また、予測部32は、例えば、Bクッキーを所定のハッシュ関数により演算してハッシュ値を求め、かかるハッシュ値の下一桁が1〜3の場合には予測モデルAを適用し、4〜7の場合には、予測モデルBを適用し、それ以外の場合には手動モデルCを適用する。なお、モデルの振り分け方法は、上記方法に限られず、例えば、ハッシュ値の下二桁の数や上一桁の数などで振り分けてもよく、また、ユーザIDの文字や数字によって振り分けてもよい。また、予測部32は、モデルの振り分けを行わないこともできる。
【0052】
[3.3.割当部33]
割当部33は、予測部32から収益期待値RAの情報を取得し、広告リクエストに対し収益期待値RAに応じた価格ランクを割り当てる。価格情報DB23には、価格条件テーブルが記憶されており、割当部33は、かかる価格条件テーブルに基づいて広告リクエストに対し収益期待値RAに応じた価格ランクを割り当てる。
【0053】
図4は、価格情報DB23に記憶される価格条件テーブルの一例を示す図である。
図4に示す価格条件テーブルは、収益期待値RAの範囲と価格ランクを関連付けた情報であり、収益期待値RAの範囲に応じて、第1価格ランク「Rank1」から第5価格ランク「Rank5」まで段階的に関連付けられる。
【0054】
価格条件テーブルが
図4に示す状態である場合、割当部33は、例えば、予測部32から取得した収益期待値RAが0.1未満の範囲の場合、広告リクエストに対して第1価格ランク「Rank1」を割り当てる。また、割当部33は、予測部32から取得した収益期待値RAが0.1以上0.2未満の範囲の場合、広告リクエストに対して第2価格ランク「Rank2」を割り当てる。
【0055】
また、割当部33は、予測部32から取得した収益期待値RAが0.2以上0.3未満の範囲の場合、広告リクエストに対して第3価格ランク「Rank3」を割り当てる。また、割当部33は、予測部32から取得した収益期待値RAが0.3以上0.4未満の範囲の場合、広告リクエストに対して第4価格ランク「Rank4」を割り当てる。また、割当部33は、予測部32から取得した収益期待値RAが0.4以上の範囲の場合、広告リクエストに対して第5価格ランク「Rank5」を割り当てる。
【0056】
なお、予測部32は、収益期待値RAを数値で求めるのではなく、収益期待値RAの範囲を示す情報(例えば、「Zone1」〜「Zone5」)を求め、割当部33に出力することもできる。例えば、Zone1は収益期待値RAが0.1未満の範囲、Zone2は収益期待値RAが0.1以上0.2未満の範囲、Zone3は収益期待値RAが0.2以上0.3未満の範囲である。また、Zone4は収益期待値RAが0.3以上0.4未満の範囲、Zone5は収益期待値RAが0.4以上の範囲である。
【0057】
図4に示す価格条件テーブルには、収益期待値RAの範囲を示す情報(以下、Zone情報と記載する)も価格ランクに割り当てられる。したがって、予測部32がZone情報を出力する場合も、割当部33は、Zone情報に対応する価格ランクを価格条件テーブルから抽出することができる。
【0058】
ここで、価格条件テーブルの求め方について説明する。価格ランクは、媒体社CAが広告配信業者CB1、CB2から得ることができる収益が第1の広告配信装置4による収益期待値RAと同等以上の収益になるように価格条件テーブルに設定されることが望ましい。広告配信業者CB1、CB2から媒体社CAが得ることができる収益は、広告配信業者CB1、CB2に提示する価格ランクに対応する収益のうち所定割合TACの収益であり、以下、かかる利益を示す値を収益値RBと記載する。
【0059】
図5は、収益期待値RAと収益値RBとの関係を示す図である。
図5では、収益期待値RAをX軸にとり、収益値RBをY軸にとり、所定割合TACを0.5としている。この場合、収益期待値RAと収益値RBとの関係が、RA≦RBであれば、媒体社CAが広告配信業者CB1、CB2から得ることができる収益が第1の広告配信装置4による収益期待値RAと同等以上の収益になる。
【0060】
図5に示す例では、収益期待値RAの範囲毎に、収益期待値RAの平均値RAavが収益値RBと同等になるように価格ランクが設定される。すなわち、平均値RAavと収益値RBとの関係が、RAav=RBとなるように価格ランクが設定される。
【0061】
例えば、「Zone1」では、平均値RAavが0.05であり、収益値RB「0.05」に対応する価格ランクとして「Rank1」が設定される。また、「Zone3」では、平均値RAavが0.25であり、収益値RB「0.25」に対応する価格ランクとして「Rank3」が設定される。これにより、複数の広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を広告配信業者CB1、CB2に行わせた場合に、媒体社CAが広告配信業者CB1、CB2から得ることができる収益を第1の広告配信装置4による収益期待値RAと同等以上の収益にすることが可能である。
【0062】
なお、平均値RAavと収益値RBとの関係は、RAav=RBではなく、RAav<RBとなるように価格ランクを設定してもよい。また、
図5に示す例では、収益期待値RAの範囲毎に価格ランクが段階的に設定されるが、個々の広告リクエストに対し、収益期待値RAと収益値RBとの関係がRA≦RBとなるように、収益期待値RA毎に異なる価格ランクを設定することもできる。
【0063】
また、広告配信業者CB1、CB2のそれぞれの収益期待値を推測し、推測した収益期待値(以下、収益期待値RC1、RC2と記載する)に基づいて、広告配信業者CB1、CB2のそれぞれに優先順位を付与することもできる。
【0064】
図6は、収益期待値RAと収益期待値RC1、RC2との関係例を示す図であり、複数の広告リクエストに対して収益期待値RAと収益期待値RC1、RC2との関係が示される。
図6に示す例では、広告配信業者CB2の収益期待値RC2よりも広告配信業者CB1の収益期待値RC1の方が全体的に高い。
【0065】
そこで、広告配信業者CB1に対応する第2の広告配信装置5Aを広告配信業者CB2に対応する第2の広告配信装置5Bよりも高い優先順位にする。かかる優先順位は、問い合わせ部34によって広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を問い合わせる順番である。
【0066】
図7は、第2の広告配信装置5A、5Bのそれぞれに優先順位を付与した場合の価格条件テーブルの一例を示す図である。
図7に示す価格条件テーブルでは、例えば、収益期待値RAの範囲「Zone1」〜「Zone3」に対し、第2の広告配信装置5Aに優先順位「1」が第2の広告配信装置5Bに優先順位「2」が設定される。また、収益期待値RAの範囲「Zone4」、「Zone5」に対しては、第2の広告配信装置5Aに優先順位「1」が設定されるが、第2の広告配信装置5Bには優先順位が設定されない。
【0067】
なお、第2の広告配信装置5A、5Bに対して同一の価格ランクを適用するのではなく、第2の広告配信装置5A、5Bのそれぞれに対して異なる価格ランクを適用することもできる。
【0068】
図8は、第2の広告配信装置5A、5Bのそれぞれに対して異なる価格ランクを適用する場合の価格条件テーブルの一例を示す図である。
図8に示す価格条件テーブルでは、収益期待値RC1、RC2に基づいて価格ランクが設定される。
【0069】
例えば、価格ランク「Rank1」に対し、第2の広告配信装置5Aには収益期待値RAが0.1未満の範囲が割り当てられ、第2の広告配信装置5Bには収益期待値RAが0.08未満の範囲が設定される。また、例えば、価格ランク「Rank2」に対し、第2の広告配信装置5Aには収益期待値RAが0.1以上0.2未満の範囲が割り当てられ、第2の広告配信装置5Bには収益期待値RAが0.08以上0.16未満の範囲が設定される。
【0070】
このようにすることで、同じ収益期待値RAでもより高い価格ランクを設定した広告配信装置5が広告配信を行えば、媒体社CAが広告配信業者CB1、CB2から得ることができる収益を向上させることができる。
【0071】
割当部33は、広告リクエストに対して割り当てた価格ランクを問い合わせ部34へ出力する。割当部33は、
図7に示す価格条件テーブルを用いた場合、優先順位の情報も問い合わせ部34へ出力する。また、割当部33は、
図8に示す価格条件テーブルを用いた場合、広告配信業者CB1、CB2毎の価格ランクを問い合わせ部34へ出力する。
【0072】
なお、割当部33は、広告リクエストに対して最低価格ランクと最高価格ランクを割り当てることもできる。例えば、価格条件テーブルが
図4に示す状態であり、収益期待値RAの範囲が「Zone3」である場合、最低価格ランクを価格ランク「Rank3」とし、最高価格ランクを価格ランク「Rank5」とする。この場合、割当部33は、最低価格ランクと最高価格ランクの情報を問い合わせ部34へ出力する。
【0073】
[3.4.問い合わせ部34]
問い合わせ部34は、割当部33によって割り当てられた価格ランクである提供価格ランクで広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を行うか否かの問い合わせを1以上の第2の広告配信装置5に行う。
【0074】
具体的には、問い合わせ部34は、問い合わせを行う第2の広告配信装置5を決定し、決定した第2の広告配信装置5に配信クエリを送信する。配信クエリには、例えば、割当部33によって割り当てられた価格ランク(提供価格ランク)の情報の他、ユーザUの属性情報、広告枠の情報などを含めることができる。第2の広告配信装置5は、配信クエリに含まれる情報に基づいて、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を行うか否かを決定する。
【0075】
問い合わせ部34は、配信クエリに対して第2の広告配信装置5から配信可を示す応答を受信すると、選択部35に対して配信可を示す応答を行った第2の広告配信装置5の情報を通知する。一方、配信クエリに対して第2の広告配信装置5から配信不可を示す応答を受信すると、問い合わせ部34は、配信クエリを送信していない第2の広告配信装置5があれば、かかる第2の広告配信装置5に対して配信クエリを送信する。かかる配信クエリに対して第2の広告配信装置5から配信可を示す応答を受信すると、問い合わせ部34は、選択部35に対して配信可を示す応答を行った第2の広告配信装置5の情報を通知する。
【0076】
配信クエリの送信先となった1以上の第2の広告配信装置5がいずれも配信不可を示す応答を行った場合、問い合わせ部34は、問い合わせ処理を終了し、第2の広告配信装置5がいずれも配信不可であることを示す情報を選択部35に対して通知する。
【0077】
なお、
図5に示す価格条件テーブルに基づいて提供価格ランクが割り当てられる場合、問い合わせ部34は、例えば、予め設定された順位またはランダムに問い合わせを行う第2の広告配信装置5を決定し、決定した第2の広告配信装置5に配信クエリを送信する。
【0078】
また、
図7に示す価格条件テーブルに基づいて提供価格ランクが割り当てられる場合、問い合わせ部34は、割当部33から出力される優先順位に従って配信クエリが送信される第2の広告配信装置5を決定し、決定した第2の広告配信装置5に配信クエリを送信する。なお、問い合わせ部34は、優先順位が設定されていない第2の広告配信装置5には配信クエリを送信しない。
【0079】
図6に示すように、広告配信業者CB2に対応する収益期待値RC2は、収益期待値RAの範囲「Zone1」〜「Zone3」に集中しており、価格ランク「Rank4」、「Rank5」で広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を行う可能性が少ない。したがって、広告コンテンツの配信を行う可能性が少ない価格ランクでは、問い合わせ部34による問い合わせを行わないように優先順位を設定しない。これにより、選択部35による広告配信装置の選択を迅速に行うことができる。
【0080】
また、
図8に示す価格条件テーブルに基づいて提供価格ランクが割り当てられる場合、問い合わせ部34は、割当部33から出力される価格ランクに従って第2の広告配信装置5を決定し、決定した第2の広告配信装置5に配信クエリを送信する。例えば、収益期待値RAが「0.25」である場合、第2の広告配信装置5Aの価格ランクは「Rank3」であり、第2の広告配信装置5Bの価格ランクは「Rank4」である。この場合、問い合わせ部34は、第2の広告配信装置5Bから優先して配信クエリを送信する。
【0081】
また、割当部33によって最低価格ランクと最高価格ランクが割り当てられた場合、問い合わせ部34は、まず、最高価格ランクを提供価格ランクとして配信クエリに含めて問い合わせを行う。そして、問い合わせ部34は、配信可を示す応答が第2の広告配信装置5から取得できない限り、提供価格ランクを1段階ずつ下げて配信クエリを送信し、かかる処理を提供価格ランクが最低価格ランクになるまで行う。
【0082】
例えば、最高価格ランクが価格ランク「Rank5」であり、最低価格ランクが価格ランク「Rank3」である場合、問い合わせ部34は、提供価格ランクを「Rank5」→「Rank4」→「Rank3」の順に下げて配信クエリを送信する。なお、第2の広告配信装置5A、5Bにそれぞれ最高価格ランクと最低価格ランクが設定される場合、問い合わせ部34は、提供価格ランクが最も高い第2の広告配信装置5から順に配信クエリを送信する。
【0083】
[3.5.選択部35]
選択部35は、問い合わせ部34から通知される情報に基づき、広告配信装置4、5A、5Bの中から、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信元となる広告配信装置(以下、配信元広告配信装置と記載する)を決定する。
【0084】
具体的には、選択部35は、問い合わせ部34から配信可を示す応答を行った第2の広告配信装置5の情報を取得した場合、配信可を示す応答を行った第2の広告配信装置5を、配信元広告配信装置として決定する。また、選択部35は、問い合わせ部34から第2の広告配信装置5がいずれも配信不可であることを示す情報を取得した場合、第1の広告配信装置4を、配信元広告配信装置として決定する。
【0085】
選択部35は、配信元広告配信装置を決定すると、決定した配信元広告配信装置から広告リクエストに対する広告コンテンツを配信させる。例えば、選択部35は、配信元広告配信装置に対して広告コンテンツの送信要求を行い、配信元広告配信装置から広告リクエストに対応する広告コンテンツを取得し、広告リクエストを行った端末装置6へ送信する。
【0086】
また、選択部35は、例えば、広告リクエストを行った端末装置6に対して配信元広告配信装置のURLを送信し、端末装置6から配信元広告配信装置に対して広告リクエストを送信させることもできる。また、選択部35は、例えば、配信元広告配信装置に対して広告コンテンツの送信要求を行い、配信元広告配信装置から広告リクエストを行った端末装置6に対して広告リクエストに対応する広告コンテンツを送信させることもできる。
【0087】
このように、選択部35は、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を提供価格ランクで行う第2の広告配信装置5がない場合に、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信元として第1の広告配信装置4を選択する。したがって、第1の広告配信装置4での収益期待値RAと同等以上の収益を得ることができる価格ランクを設定することで、広告枠による収益を向上させることができる。
【0088】
[4.広告配信管理装置3の処理フロー]
次に、実施形態に係る広告配信管理装置3の情報処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る広告配信管理装置3の情報処理の一例を示すフローチャートである。かかる動作は、広告配信管理装置3の制御部12によって繰り返し実行される処理である。
【0089】
図9に示すように、広告配信管理装置3の制御部12は、まず、端末装置6からの広告リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS10)。広告リクエストを受信したと判定すると(ステップS10;Yes)、制御部12は、広告リクエストを受け付け、かかる広告リクエストに対する収益期待値RAを予測する(ステップS11)。
【0090】
次に、制御部12は、価格情報DB23に記憶された価格条件テーブルに基づき、収益期待値RAに対応する価格ランクを判定し、収益期待値RAに対応する価格ランクを提供価格ランクとして広告リクエストに割り当てる(ステップS12)。
【0091】
次に、制御部12は、配信クエリの宛先を決定し、決定した宛先に対し、提供価格ランクを含む配信クエリを送信する(ステップS13)。具体的には、制御部12は、第2の広告配信装置5Aを宛先として決定した場合、第2の広告配信装置5Aに配信クエリを送信し、第2の広告配信装置5Bを宛先として決定した場合、第2の広告配信装置5Bに配信クエリを送信する。
【0092】
次に、制御部12は、ステップS13において送信された配信クエリに対し、第2の広告配信装置5から配信可を示す応答を受信したか否かを判定する(ステップS14)。配信可を示す応答を受信したと判定すると(ステップS14;Yes)、制御部12は、配信元広告配信装置として、第2の広告配信装置5を選択する(ステップS15)。
【0093】
具体的には、制御部12は、第2の広告配信装置5Aから配信可を示す応答を受信した場合、第2の広告配信装置5Aを配信元広告配信装置として選択し、第2の広告配信装置5Bから配信可を示す応答を受信した場合、第2の広告配信装置5Bを配信元広告配信装置として選択する。
【0094】
一方、ステップS14において、配信不可を示す応答を受信したと判定すると(ステップS14;No)、制御部12は、配信クエリを送信すべき宛先があるか否かを判定する(ステップS16)。例えば、第2の広告配信装置5A、5Bが配信クエリの送信対象であり、第2の広告配信装置5Bへ配信クエリが送信されていない場合、制御部12は、配信クエリを送信すべき宛先として第2の広告配信装置5Bがあると判定する。
【0095】
配信クエリを送信すべき宛先があると判定すると(ステップS16;Yes)、制御部12は、処理をステップS13に戻す。一方、配信クエリを送信すべき宛先がないと判定すると(ステップS16;No)、制御部12は、配信元広告配信装置として、第1の広告配信装置4を選択する(ステップS17)。
【0096】
ステップS15、S17の処理が終了した場合、または、ステップS10において、広告リクエストを受信していないと判定した場合(ステップS10;No)、制御部12は処理を終了する。
【0097】
[5.その他の実施形態]
上述の実施形態では、第1の広告配信装置4は、媒体社CAにより管理および運用されるものとして説明したが、第1の広告配信装置4による収益期待値RAを取得することができれば、第1の広告配信装置4は、媒体社CA以外の広告配信業者によって管理および運用されてもよい。
【0098】
また、上述の実施形態では、広告配信管理装置3の制御部12は、配信元広告配信装置に対して広告コンテンツの送信要求を行うようにしたが、結果的に、配信元広告配信装置から広告リクエストに対する広告コンテンツが送信されればよい。
【0099】
また、上述の実施形態では、広告配信管理装置3から第2の広告配信装置5への情報としてユーザUの属性情報や広告枠の情報などを含めるようにしたが、これらの情報は他の方法で第2の広告配信装置5によって取得することもできる。例えば、広告媒体であるウェブページにウェブビーコン(web beacon)が第2の広告配信装置5に送られるように設定してもよい。この場合、第2の広告配信装置5は、ウェブビーコンに含まれるBクッキーからユーザUの属性情報を取得する。また、広告リクエストに広告枠のサイズやページ内位置の情報を含めるようにウェブページにウェブビーコンを設定することで、第2の広告配信装置5は、ウェブビーコンから広告枠の情報を取得することができる。
【0100】
また、上述の実施形態では、優先順位を付加する場合と、第2の広告配信装置5毎に価格ランクを設定する場合とに分けて説明したが、優先順位を付加し、かつ、第2の広告配信装置5毎に価格ランクを設定してもよい。この場合、価格ランクが大きい第2の広告配信装置5を優先し、価格ランクが同じである場合、優先順位が高い第2の広告配信装置5を優先する。
【0101】
また、広告配信管理装置3の制御部12は、広告配信業者CB1、CB2から定期的(例えば、1月ごと)に提供される実績収益報告書データに基づいて第2の広告配信装置5A、5Bによる収益期待値を算出し、価格条件テーブルを生成することもできる。
【0102】
[6.効果]
実施形態にかかる広告配信管理装置3は、受付部31と、予測部32と、割当部33と、問い合わせ部34と、選択部35とを有する。受付部31は、広告コンテンツの配信を要求する広告リクエストを受け付ける。予測部32は、広告リクエストに対して第1の広告配信装置4で広告コンテンツを配信した場合の収益期待値RAを予測する。割当部33は、収益期待値RAに基づき、広告リクエストに対して提供価格ランクを割り当てる。問い合わせ部34は、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を提供価格ランクで行うか否かの問い合わせを1以上の第2の広告配信装置5(5A、5B)に行う。選択部35は、問い合わせに対し、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を提供価格ランクで行う第2の広告配信装置5(5A、5B)がない場合に、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信元として第1の広告配信装置4を選択する。
【0103】
これにより、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を提供価格ランクで行う第2の広告配信装置5がある場合に、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信元として第2の広告配信装置5を選択することができる。したがって、第1の広告配信装置4での収益期待値RAと同等以上の収益を得ることができる価格ランクを設定することで、広告枠による収益を向上させることができる。
【0104】
また、提供価格ランクは、収益期待値RAの大きさに応じて第1の価格ランクから第nの価格ランク(nは2以上の整数)まで段階的に設定される。割当部33は、第1の価格ランクから第nの価格ランクのうち、収益期待値RAの大きさに対応する価格ランクを広告リクエストに対して割り当てる。
【0105】
これにより、価格ランクの設定が複雑にならず、広告配信業者CB1、CB2への価格設定を単純化することができる。また、収益期待値RAの精度がよくない場合であっても、平均化することによりばらつきを吸収することができ、広告枠による収益を安定して向上させることができる。
【0106】
また、広告配信管理装置3は、複数の異なる第2の広告配信装置5A、5Bに対して価格ランク毎に割り当てられた優先順位の情報を記憶する価格情報DB23(優先順位記憶部の一例)を有する。問い合わせ部34は、複数の異なる第2の広告配信装置5A、5Bのうち優先順位が高い第2の広告配信装置5から優先して、問い合わせを行う。
【0107】
これにより、配信可を示す応答を送信する可能性が高い第2の広告配信装置5の優先度を高くすることで、広告リクエストに対する広告コンテンツの配信を平均的に早くすることができる。
【0108】
また、広告配信管理装置3は、複数の第2の広告配信装置5A、5Bのそれぞれに対して収益期待値RAと価格ランクとの関係を規定した情報を記憶する価格情報DB23(価格情報記憶部の一例)を有する。割当部33は、広告リクエストに対し収益期待値RAに応じた提供価格ランクを複数の第2の広告配信装置5A、5Bのそれぞれに対して割り当てる。問い合わせ部34は、複数の異なる第2の広告配信装置5A、5Bのうち提供価格ランクが相対的に高い第2の広告配信装置5から優先して、問い合わせを行う。
【0109】
これにより、同じ収益期待値RAでもより高い価格ランクを設定した広告配信装置5が広告配信を行えば、媒体社CAが広告配信業者CB1、CB2から得ることができる収益を向上させることができる。
【0110】
また、予測部32は、収益期待値RAを予測する複数種類の予測モデルを有し、広告リクエストを行う端末装置6(クライアントの一例)に応じて予測モデルを変更して収益期待値RAを予測する。
【0111】
これにより、複数の予測モデルに振り分けて収益期待値RAを予測することができ、予測モデルによる収益期待値RAの予測のばらつきを平均化することができる。
【0112】
[7.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0113】
上述した広告配信管理装置3は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。また、広告配信管理装置3および第1の広告配信装置4を一つのサーバコンピュータで実現してもよい。