特許第5900246号(P5900246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5900246
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】光学的情報読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/00 20060101AFI20160324BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20160324BHJP
【FI】
   G06K7/00 065
   G06K7/10 412
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-186660(P2012-186660)
(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公開番号】特開2014-44570(P2014-44570A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(72)【発明者】
【氏名】深谷 量崇
【審査官】 岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−207085(JP,A)
【文献】 特開2007−102624(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3159976(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00224996(EP,A1)
【文献】 実用新案登録第3139978(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00 − 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードからの反射光を読取口を介して受光する受光手段と、
前記受光手段が収容されて、載置される面を下方とするとき前記読取口が上方に設けられるハウジングと、
を備える定置式の光学的情報読取装置であって、
前記ハウジングには、当該ハウジングの下面を除く上面および側面の少なくとも一部に対して、前記読取口に前記情報コードを誘導するための誘導情報と所定の情報とを表示するための表示部材を着脱可能に保持するための保持部材が、設けられることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記ハウジング内には、照明光を前記読取口を介して前記情報コードに照射する光源が設けられ、
前記保持部材により保持された前記表示部材により覆われる前記ハウジングの部位の少なくとも一部は、前記照明光の少なくとも一部が透過可能な部材から形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記表示部材は、前記照明光の少なくとも一部が透過可能な部材から形成されることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記光源の照射状態を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記光源を、前記情報コードに前記照明光を照射するタイミングと異なるタイミングで点滅させることを特徴とする請求項2または3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記ハウジング内には、前記ハウジングの部位の少なくとも一部を透過する照明光を照射可能な第2の光源が設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る定置式の光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報コードを光学的に読み取る定置式の光学的情報読取装置では、読取口に情報コードを誘導するための誘導情報など所定の情報を利用者に対して容易に視認させるように表示する場合が多く、このように所定の情報を表示する光学的情報読取装置として、下記特許文献1に示す情報読取装置が知られている。この情報読取装置には、読取口にこれをほぼ覆うように液晶表示器が設けられており、情報コードの読み取り時には、液晶表示器が透明状態にされて読取口からの受光量に応じた受光信号が受光光学系から出力され、情報の表示時には、液晶表示器に所定の情報が表示される。これにより、所定の情報を表示するための表示器を別途配設するスペースが不要となり、読取装置の小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−102624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、定置式の光学的情報読取装置では、通常、読取口が上方に開口するように配置されている。このため、上述のように読取口に液晶表示器が設けられる構成では、例えば、利用者が読取口を見下ろしにくい高さに光学的情報読取装置が載置されていると、液晶表示器の表示内容が利用者の視線に入りにくくなるという問題がある。特に、視線の高さが低い利用者にとっては、この問題が顕著となる。また、読取口に設けられる液晶表示器を利用して情報を表示する構成であることから、液晶の偏光フィルター等のために読取口を介して取り込まれる情報コードからの反射光の透過率が大きく下がってしまい、読取精度が低下するという問題がある。さらに、表示器だけでなくこの表示器を制御する制御手段も必要となり、電力消費量が増大するだけでなく部品点数が増大して低コスト化を図ることが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、利用者に対して情報を簡易な構成にて容易に視認させ得る定置式の光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、情報コード(C)からの反射光(Lr)を読取口(13)を介して受光する受光手段(28)と、前記受光手段が収容されて、載置される面(11b)を下方とするとき前記読取口が上方に設けられるハウジング(11,60)と、を備える定置式の光学的情報読取装置(10,10a,10b)であって、前記ハウジングには、当該ハウジングの下面(11b)を除く上面(11a)および側面(11c〜11f)の少なくとも一部に対して、前記読取口に前記情報コードを誘導するための誘導情報(S1)と所定の情報(S2)とを表示するための表示部材(50)を着脱可能に保持するための保持部材(16)が、設けられることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、読取口が上方に設けられるハウジングには、当該ハウジングの下面を除く上面および側面の少なくとも一部に対して、読取口に情報コードを誘導するための誘導情報と所定の情報とを表示するための表示部材を着脱可能に保持するための保持部材が、設けられている。これにより、誘導情報が表示された表示部材を保持部材を用いてハウジングに装着することで、ハウジングの側面に誘導情報が表示されることとなり、利用者に対して誘導情報を簡易な構成にて容易に視認させることができる。特に、所定の情報として、例えば、当該装置が配置される店舗で実施されるキャンペーン情報等を誘導情報とともに表示部材に表示することで、利用者に対して誘導情報だけでなく所定の情報を含めた情報を簡易な構成にて容易に視認させることができる。
【0008】
請求項2の発明では、保持部材により保持された表示部材により覆われるハウジングの部位の少なくとも一部(以下、ハウジング透過部という)は、ハウジング内に設けられる光源から照射される照明光の少なくとも一部が透過可能な部材から形成されている。光学的情報読取装置としては、通常、読取口を介して情報コードに照射する光源がハウジング内に設けられている。このため、光源から照射された照明光がハウジング透過部を透過して表示部材を照射することとなり当該表示部材が視覚的に強調されるので、表示部材の視認性向上用の光源を別途採用することなく、利用者に対して表示部材に表示される情報をより容易に視認させることができる。
【0009】
請求項3の発明では、表示部材は、照明光の少なくとも一部が透過可能な部材から形成されるため、ハウジング透過部を透過した照明光が表示部材も透過することで当該表示部材がより視覚的に強調されることとなり、利用者に対して表示部材に表示される情報をさらに容易に視認させることができる。
【0010】
請求項4の発明では、制御手段により、光源が、情報コードに照明光を照射するタイミングと異なるタイミングで点滅される。これにより、所望のタイミングで光源を点滅させることで、情報コードに照明光が照射されるタイミングだけでなく、所望のタイミングで表示部材が視覚的に強調されることとなり、利用者に対する誘導情報等の情報の視認性を制御することができる。
【0011】
請求項5の発明では、ハウジング内には、ハウジング透過部を透過する照明光を照射可能な第2の光源が設けられる。第2の光源を、読取口を介した情報コードの位置を考慮することなく表示部材強調用の光源としてハウジング内に配置できるため、利用者に対して表示部材に表示される情報を容易かつ確実に視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に示す斜視図である。
図2図1のハウジングを説明する説明図である。
図3】光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】シートを説明する説明図である。
図5】第2実施形態における光学的情報読取装置の要部を示す説明図である。
図6】第2実施形態の変形例における光学的情報読取装置の要部を示す説明図である。
図7】第3実施形態における光学的情報読取装置の要部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置10を概略的に示す斜視図である。図2は、図1のハウジング11を説明する説明図であり、図2(A)は、上面11a側から見た図を示し、図2(B)は、左面11e側から見た図を示し、図2(C)は、後面11d側から見た図を示す。
【0014】
図1に示す光学的情報読取装置10は、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードなどの情報コードを光学的に読み取る定置式の読取装置であって、ABS樹脂等の合成樹脂からなる箱状のハウジング11によって外郭が構成され、このハウジング11の内部には、情報コードの読み取りを行う回路部20が収容されている。
【0015】
図2(A)〜(C)に示すように、ハウジング11は、その外面が略矩形状の上面11aおよび下面11bとこれら上面11aおよび下面11bの四辺をそれぞれ連結する4つの側面とから箱状に形成されている。下面11bは、光学的情報読取装置10が載置されるときに下方に位置する載置される面である。これら4つの側面は、上面11aおよび下面11bの短辺が連結する前面11cおよび後面11dと、上面11aおよび下面11bの長辺が連結する左面11eおよび右面11fとから構成される。
【0016】
前面11cおよび左面11eは縁部12aを介して略直角に連結され、前面11cおよび右面11fは縁部12bを介して略直角に連結され、後面11dおよび左面11eは縁部12cを介して略直角に連結され、後面11dおよび右面11fは縁部12dを介して略直角に連結されている。
【0017】
上面11aの中央には、矩形状に形成される読取口13が形成されるとともに、この読取口13内を保護するように当該読取口13を覆う保護部材として防塵プレート14が設けられている。この防塵プレート14は、内部から出射される照明光や情報コードからの反射光を透過可能な透明のアクリル樹脂やガラス等から形成されている。また、防塵プレート14をハウジング11に設けることにより、ハウジング11内部への塵や埃などの異物の侵入を防止している。
【0018】
後面11dには、その下方に電源コード等の配線を引き出すための引き出し穴15が形成されている。また、各側面11c〜11fには、後述するシート50を着脱可能に保持するための保持部材16が側面全体をほぼ一周するように設けられており(図2(A)参照)、この保持部材16は、上面11a近傍に設けられて各側面11c〜11fの上縁近傍から下方に向けてL字状に延出する上側爪部17と、下面11b近傍に設けられて各側面11c〜11fの下縁近傍から上方に向けてL字状に延出する下側爪部18とを備えている。
【0019】
次に、光学的情報読取装置10の回路部20の電気的構成について、図3を用いて説明する。図3は、光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ハウジング11の内部に収容される回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0020】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、白色のLEDとこのLEDからの光を読取口13に向けて出射する光学部材等とから構成されている。なお、図3では、照明光Lfを情報コードCが付された物品Rに向けて読取口13を介して照射する例を概念的に示している。
【0021】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を二次元に配列したエリアセンサであってカメラモジュールとして構成されるものであり、情報コードに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当し得る。
【0022】
結像レンズ27は、外部から防塵プレート14を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コードにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aに情報コードの像を結像させている。
【0023】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心として構成され、上述した光学系によって撮像された情報コードの画像信号をハードウェア的及びソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0024】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力され所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0025】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、読取処理、解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0026】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、制御回路40には、LEDなどからなる発光部43や通信インタフェース48等が接続されている。
【0027】
これにより、制御回路40は、例えば、情報コードの読み取り等に関する情報を通知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯や、外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0028】
次に、保持部材16に保持されるシート50について、図4を用いて詳細に説明する。図4は、シート50を説明する説明図である。
シート50は、所定の情報をハウジング11の側面に表示するための矩形状の用紙である。なお、シート50は、意匠性の向上や強度確保などを目的に透明の樹脂シート等により保護されてもよい。また、シート50は、特許請求の範囲に記載の「表示部材」の一例に相当し得る。
【0029】
図4に示すように、シート50は、その表示面が、長手方向中央に位置する前側表示面51と、前側表示面51の左右に連結する左側表示面52および右側表示面53とを有するように構成されている。また、シート50は、保持部材16の上側爪部17および下側爪部18により保持可能に、その上下方向の高さと厚みが設定されている。
【0030】
前側表示面51、左側表示面52および右側表示面53は、当該シート50が保持部材16により保持されるとき、ハウジング11の前面11c、左面11eおよび右面11fを保護するように形成されている(図1参照)。このように形成される前側表示面51には、読取口13に情報コードを誘導するための情報(以下、誘導情報S1という)として、上向きの矢印と「QRコードをタッチ!!」という文字とが印刷されている。また、左側表示面52および右側表示面53には、例えば、当該装置が配置される店舗で実施されるキャンペーン情報を告知するための所定の情報(以下、告知情報S2という)として、「XXXXXXXXキャンペーン実施中!」という文字がそれぞれ印刷されている。
【0031】
そして、上述のように構成されるシート50を、左側表示面52側または右側表示面53側から保持部材16の上側爪部17と下側爪部18との間に挿入して、前側表示面51と左側表示面52との境界が縁部12aを覆い、前側表示面51と右側表示面53との境界が縁部12bを覆うように、保持部材16に保持させる。これにより、前面11cが前側表示面51により覆われ、左面11eが左側表示面52により覆われ、右面11fが前側表示面51により覆われるように、ハウジング11がシート50により覆われる(図1参照)。このとき、後面11dでは、シート50の両端部54,55が保持部材16の上側爪部17および下側爪部18により保持されている。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、読取口13が上方に設けられるハウジング11には、当該ハウジング11の上面11aおよび下面11bを除く側面である前面11c、左面11eおよび右面11fに対して、読取口13に情報コードを誘導するための誘導情報S1と告知情報S2とを表示するためのシート50を着脱可能に保持するための保持部材16が、設けられている。
【0033】
これにより、誘導情報S1が表示されたシート50を保持部材16を用いてハウジング11に装着することで、ハウジング11の前面11cに誘導情報S1が表示されることとなり、利用者に対して誘導情報S1を簡易な構成にて容易に視認させることができる。特に、キャンペーン情報等の告知情報S2を誘導情報S1とともにシート50に表示することで、利用者に対して誘導情報S1だけでなく告知情報S2を含めた情報を簡易な構成にて容易に視認させることができる。
【0034】
その後、店頭にて告知情報S2を異なる情報に変更する場合には、変更したい内容の情報が左側表示面52および右側表示面53に表示されたシート50を用意して、保持部材16を用いて付け替えることで、シート50を利用した表示内容の変更を実施することができる。
【0035】
なお、店頭でのシート50の付け替えを説明したが、これに限らず、例えば、製品出荷時に顧客(出荷先)が要求する所定の情報が誘導情報S1とともに表示されたシート50を保持部材16を用いてハウジング11に保持させることで、シート50を利用した表示内容の変更を実施してもよい。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る光学的情報読取装置について、図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態における光学的情報読取装置10aの要部を示す説明図である。なお、図5および後述する図6図7では、説明の便宜上、シート50をその外形のみ二点鎖線にて図示し、保持部材16の図示を省略している。
本第2実施形態では、シート50を視覚的に強調するため、ハウジング11に代えてハウジング60を採用する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。したがって、第1実施形態の光学的情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
本実施形態に係る光学的情報読取装置10aは、ハウジング11に代えてハウジング60を備えている。このハウジング60は、ハウジング11と同じ形状であって、前面11c、左面11eおよび右面11fのうち保持部材16により保持されたシート50により覆われる部位(以下、ハウジング透過部という)が、ハウジング60内に設けられる照明光源21からの光が透過可能な部材、例えば、透明な樹脂部材から形成されている。そして、ハウジング60内には、図5に示すように、照明光源21からの光を拡散して読取口13を介して外部へ照射するための光拡散プレート61が配置されている。なお、この光拡散プレート61は、上記光学的情報読取装置10でもハウジング11内に配置されて使用されている一般的な光拡散プレートである。
【0038】
光学的情報読取装置としては、通常、読取口13を介して情報コードに照射する照明光源21などの光源がハウジング内に設けられている。このため、照明光源21から照射された照明光が上記ハウジング透過部を透過してシート50を照射することとなり当該シート50が視覚的に強調されるので、シート50の視認性向上用の光源を別途採用することなく、利用者に対してシート50に表示される誘導情報S1や告知情報S2などの情報をより容易に視認させることができる。
【0039】
なお、前面11c、左面11eおよび右面11fのうち保持部材16により保持されたシート50により覆われる部位が上記ハウジング透過部として構成されることに限らず、シート50により覆われるハウジング60の側面の少なくとも一部が上記ハウジング透過部として構成されてもよい。
【0040】
また、シート50を、照明光の少なくとも一部が透過可能な部材、例えば、透明の薄板状の樹脂部材から形成することができる。これにより、上記ハウジング透過部を透過した照明光がシート50も透過することで当該シート50がより視覚的に強調されることとなり、利用者に対してシート50に表示される情報をさらに容易に視認させることができる。
【0041】
また、制御回路40は、照明光源21の照射状態を制御可能なので、制御回路40により、照明光源21を、情報コードに照明光を照射するタイミングと異なるタイミングで点滅させることができる。これにより、所望のタイミングで照明光源21を点滅させることで、情報コードに照明光が照射されるタイミングだけでなく、所望のタイミングでシート50が視覚的に強調されることとなり、利用者に対する誘導情報S1等の情報の視認性を制御することができる。なお、制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「制御手段」の一例に相当し得る。
【0042】
図6は、第2実施形態の変形例における光学的情報読取装置の要部を示す説明図である。
図6に示すように、照明光源21および光拡散プレート61に代えて面照明装置62を採用してもよい。この面照明装置62は、複数のLED63と各LED63からの光を表面全体で照射する略平板状の導光板64とを備えており、導光板64は、その上縁が後面11dの上縁近傍に固定され、その下縁が前面11cの下縁近傍に固定されている。また、各LED63は、導光板64の下縁に一体に組み付けられている。そして、受光センサ28は、読取口13を介して入射する情報コードからの反射光を受光するように、導光板64の下縁中央に形成される凹部から露出して配置されている。
【0043】
このように面照明装置62を採用する構成でも、導光板64から面照射された照明光が上記ハウジング透過部を透過してシート50を照射することとなり当該シート50が視覚的に強調されるので、シート50の視認性向上用の光源を別途採用することなく、利用者に対してシート50に表示される誘導情報S1や告知情報S2などの情報をより容易に視認させることができる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る光学的情報読取装置について、図7を参照して説明する。図7は、第3実施形態における光学的情報読取装置10bの要部を示す説明図である。
本第3実施形態では、シート50を視覚的に強調するため、第2の光源70を新たに採用する点が、上記第2実施形態に係る光学的情報読取装置と主に異なる。したがって、第2実施形態の光学的情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
図7に示すように、ハウジング60内には、上述した面照明装置62が照明光源21および光拡散プレート61に代えて採用されており、さらに、上記ハウジング透過部を透過する照明光を照射可能な第2の光源70が新たに設けられている。これにより、第2の光源70を、読取口13を介した情報コードの位置を考慮することなく、シート50の強調用の光源としてハウジング11内に配置できるため、利用者に対してシート50に表示される情報を容易かつ確実に視認させることができる。なお、図7に示す例では、第2の光源70は、特にシート50の前側表示面51を強調するために前面11cの下端近傍に2つ配置されているが、これに限らず、例えば、上記ハウジング透過部を構成する各面の近傍にそれぞれ配置されてもよい。
【0046】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)誘導情報S1は、前側表示面51のみに表示されることに限らず、各表示面51〜53の少なくともいずれかに表示されればよい。なお、誘導情報S1は、上向きの矢印と「QRコードをタッチ!!」という文字とにより構成されることに限らず、読取口13に情報コードを誘導するための文字や図形等からなる情報であればよい。
【0047】
(2)告知情報S2は、左側表示面52および右側表示面53の双方にそれぞれ表示されることに限らず、各表示面51〜53の少なくともいずれかに表示されればよい。なお、告知情報S2は、キャンペーン情報を告知するための所定の情報であることに限らず、当該光学的情報読取装置10が配置される場所にて告知すべき所定の情報であればよい。
【0048】
(3)誘導情報S1および告知情報S2を表示するための表示部材として、保持部材16により各側面11c〜11fを覆うように保持されるシート50を採用することに限らず、各側面11c〜11fの少なくとも一部と読取口13を除く上面11aの一部とを覆うように保持部材により保持される表示部材を採用してもよい。この場合、上記上面11aの一部に誘導情報S1および告知情報S2の少なくともいずれか一方を表示することで、その情報を上方からであっても容易に視認させることができる。
【符号の説明】
【0049】
10…光学的情報読取装置
11,60…ハウジング
11a…上面 11b…下面 11c…前面 11d…後面 11e…左面 11f…右面
13…読取口
16…保持部材
28…受光センサ(受光手段)
50…シート(表示部材)
51…前側表示面 52…左側表示面 53…右側表示面 54,55…端部
70…第2の光源
C…情報コード
S1…誘導情報
S2…告知情報(所定の情報)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7