(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明におけるマッチング予約システムの一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本実施形態で提案するマッチング予約システム1の全体構成図である。当該マッチング予約システム1は、複数の会員が利用対象を予約するのを支援するためのものである。ここでは一例として、SNS(Social Networking Service)のサイト上で提供される特定の会員を対象としたゴルファー向けのマッチング予約システム1を取り上げる。
【0015】
本実施形態のマッチング予約システム1は、予め登録したSNSの各会員が所持保有する端末装置2と、利用対象であるゴルフ場のプレーの予約を管理すると共に、ゴルフ場の管理者が運営するゴルフ場サーバ4と、通信網として機能するインターネット5とを備える。ここでは、n台の端末装置2−1〜2−nと1台のゴルフ場サーバ4をインターネット5に接続した状態を示しているが、これらの端末装置2やゴルフ場サーバ4の接続台数は特に限定されない。
【0016】
端末装置2−1〜2−nは、インターネット5を介した双方向の通信が可能であり、ブラウザ機能や電子メール機能を備え、好ましくはGPS受信機のような位置検出手段を内蔵する携帯可能なスマートフォンの他に、パーソナルコンピュータ,携帯電話機,タブレット端末,腕時計,携帯型情報処理端末などで構成される。また、ゴルフ場サーバ4は、マッチング予約システム1の管理装置として設けられ、本システムの会員用に提供する予約枠に関する情報を記憶保持する機能を有する。因みにゴルフ場では、当該ゴルフ場の利用権を有するメンバーからの予約を、電話,FAX,メール,ゴルフ場サーバ4などを用いて受け付けており、こうしたメンバー用の予約枠を予め確保した上で、その他の予約枠についての募集を、本システムの会員用としてゴルフ場サーバ4が管理する構成となっている。
【0017】
ゴルフ場サーバ4は、予約ファイルRFを記憶するための記憶部12を備えている。予約ファイルRFには、メンバー用に確保された予約枠に関する情報と、本システムの会員用に確保された予約枠に関する情報、すなわち会員用予約枠情報が各々記録されており、例えばプレー日、プレーの開始時刻、予約が可能な人数、料金などの、少なくとも利用対象であるゴルフ場のプレーの利用開始時刻と予約可能人数を含んだ一つの予約枠に関する情報が、共通するレコードに関連付けられる。また、本実施形態におけるゴルフ場サーバ4は、上記会員用予約枠情報だけでなく、同じゴルフ場内で走行可能な複数台のゴルフカート(図示せず)から送信された位置情報を記憶する位置情報ファイルPFを備えている。したがって、各ゴルフカートには、少なくとも現在位置を測位データとして出力するGPS受信機などの位置検出部と、この位置検出部からの測位データを、ゴルフ場サーバ4に位置情報として送出する通信部が装備される。こうしてゴルフ場サーバ4は、会員用予約情報と位置情報により、本システムの会員向けにどの予約枠が予約可能であるのかということと、ゴルフカートの現在位置を一元的に把握管理できる。
【0018】
その他、記憶部12は、SNSの会員を対象とした各種の会員向け情報を格納するために、情報格納手段としての機能を備えている。各端末装置2−1〜2−nは、インターネット5を介してゴルフ場サーバ4にアクセスし、記憶部12に格納される各種情報の中から、必要な情報を読み出して閲覧できるようにするために、無料のアプリケーションが予めダウンロードされる。ここで、記憶部12に格納する各種情報とは、具体的には前述した会員用予約枠情報やゴルフカートの位置情報だけでなく、例えば各会員の性別,年齢(世代),住所(地域),平均スコア,最寄りのゴルフ場,メールアドレスなどを含むプロフィール情報や、ゴルフ場のコース景観を示した地図情報や、プレー中に各端末装置2−1〜2−nから会員が入力し、ゴルフ場サーバ4に送信されるスコア入力情報などを含んでいる。
【0019】
図2は、ゴルフ場サーバ4の構成を示している。同図において、ゴルフ場サーバ4は、当該ゴルフ場サーバ4の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御部11に、前述の各種情報やプログラムを記憶するハードディスクなどの記憶部12や、キーボードやマウスなどを含む操作可能な入力部13や、画像を表示するディスプレイなどの表示部14や、インターネット5を介して外部の装置と通信を行う通信インターフェース部15を接続したハードウェア構成を有する。また、制御部11は、記憶部12に記録されるプログラムを読み取ることで機能するソフトウェア構成として、マッチング予約システム1の実質的な処理手段21となる募集設定処理手段22や、マッチング処理手段23や、キャンセル待ち処理手段24の他に、運行管理処理手段25と、安全管理処理手段26と、エンタメ機能処理手段27を、それぞれ備えている。これらの各手段21〜27は、各端末装置2−1〜2−nにインストールされたアプリケーションと連携して動作することで、各端末装置2−1〜2−nとゴルフ場サーバ4との間で、インターネット5を介して様々な情報を含むデータのやり取りを行なう構成となっている。
【0020】
図3は、前記処理手段21により実現するマッチング予約システム1の概要を示したものである。同図において、ここに示す端末装置2は会員が携帯可能なスマートフォンであり、周知のように、扁平状の外装体31の内部に、前述のアプリケーションをインストールした制御処理部32が配設され、外装体31の表側に、LCDユニットとタッチパネルとを組み合わせた表示操作部33が配設される。
【0021】
処理手段21を構成する募集設定処理手段22は、他の会員を募ってプレーを主催する会員、すなわち幹事となる端末装置(例えば端末装置2−2)から、表示操作部33を利用してメンバー募集の依頼が操作入力されたときに、記憶部12に格納される会員用予約枠情報に基づき、マッチング処理手段23による募集処理を開始するか否かを判断するものである。特に本実施形態の募集設定処理手段22は、端末装置2−2の表示操作部33から、メンバー募集の条件として、例えばプレーの募集日(応募日),ゴルフ場名,地域,性別,年代,平均スコアなどの応募・募集条件が入力されると、その条件に一致するプレーの募集日に、予約が可能な人数が1以上の空いている予約枠が存在するか否かを記憶部12の予約ファイルRFに格納される会員用予約枠情報から検索し、空いている予約枠が存在した場合に、当該記憶部12に記憶されるプロフィール情報の中から、地域,性別、年代,平均スコアなどが一致する会員のメールアドレスを抽出し、そのメールアドレスに対応する別な会員の端末装置(例えば端末装置2−1)に、メンバー募集があることをメールで通知し、参加人数のカウンタ値m(但し、mは1以上の自然数)を1にして、前記空いている予約枠に幹事の予約を割り当てると共に、マッチング処理手段23による募集処理を開始するマッチング勧誘手段としての機能を備えている。
【0022】
図3は、上記募集設定処理手段22のマッチング勧誘機能によって、端末装置2−1の表示操作部33にメンバー募集を表示した状態が示されている。ここでの表示操作部33には、プレーを主催する会員(幹事)を特徴付ける画像と、その会員のテキストメッセージとを並べたメンバー募集ボタン34が表示される。こうした画像やテキストメッセージのデータは、予め記憶部12に会員のプロフィール情報として登録されている。また、ここには図示しないが、メンバー募集ボタン34の対応する部分に指を触れて操作すると、例えばプレーの募集日などの端末装置2−2から入力した応募・募集条件が、端末装置2−1の表示操作部33に表示される。
【0023】
マッチング処理手段23は、募集設定処理手段22でマッチングした会員の端末装置2から、表示操作部33を利用して参加申込みの入力があると、カウンタ値mを1ずつ増加させ、このカウンタ値mを前記予約枠の収容可能な合計人数で割った余りaが1である場合は、記憶部12に格納される会員用予約枠情報を検索して、プレーの募集日に別な新しい組の予約枠が空いていれば、その新しい空いている予約枠に幹事の予約を移動させて割り当てると共に、直前に参加を申込んだ人の予約を割り当てる一方で、前記余りaが1以外である場合は、予約可能人数が0ではない新しい空いている予約枠若しくはその一つ前の空いている予約枠の何れかに、直前に申し込んだ人の予約を割り当てて、その結果を参加申込みの入力がなされた端末装置2にメールで通知する機能を備えている。
【0024】
キャンセル待ち処理手段24は、前記マッチング処理手段23がプレーの募集日に別な新しい予約枠が空いていないと判断した時に、別な会員の参加申込みに対するキャンセル待ち処理を行なうもので、既に予約枠に割り当てられた特定の会員の端末装置2から、表示操作部33を利用してキャンセルの入力があると、キャンセル待ちとなった会員の端末装置2に対して、その旨をメールで通知する機能を備えている。
【0025】
図4や
図5は、ゴルフ場でのプレー中に、端末装置2(例えば端末装置2−1)の表示操作部33で行われる表示例をあらわしたものである。これらの各図において、ゴルフ場サーバ4の運行管理処理手段25は、端末装置2−1に組み込まれる位置検出手段からの測位データを取り込んで、端末装置2−1の現在位置を特定し、その現在位置を含む地図情報を記憶部12から読み出して端末装置2−1に送信する。これにより端末装置2−1のアプリケーションは、ゴルフ場サーバ4から送信された地図情報に対応して、表示操作部33に景観を再現するための地図表示部40を表示させると共に、位置検出手段から測位データを取得して、携帯端末10の現在位置に対応する座標点41を、地図表示部40と重ね合わせて表示させる。
【0026】
また、スマートフォンのような端末装置2−1は、位置検出手段だけでなく、端末装置2−1の向いている方位角を、内蔵する方向検出手段から方位データとして取得できる。そこで、端末装置2−1のアプリケーションは、方向検出手段から方位データを取得して、端末装置2−1ひいてはプレーヤーの向いている方向に対応する方向表示部42を、座標点41を起点にして表示させ、さらには、座標点41から方向表示部42の向かう方向へ一定間隔毎に描かれた複数の円弧線43と、円弧線43の左右両端の範囲内で、座標点41から円弧線43に向けて直線状に、且つ一定時間毎に左右に移動しながら描かれる境界線44と、プレーヤーの視界範囲を特定するために、円弧線43の左右両端の範囲内で、移動する境界線44の後方では濃い色で描かれ、境界線44が離れるにしたがって薄い色に描かれ、さらには地図表示部40を可視できるように半透明に描かれる半透明領域部45などが表示される。
【0027】
このように、本実施形態の端末装置2−1には、当該端末装置2−1の向いている方位角を方位データとして方向検出手段から取得し、スポット状に表示される座標点41を中心として、携帯端末2−1の向いている方向に決められた距離で、表示操作部33に円弧状の距離情報としての円弧線43を表示させるような円弧表示決定部を、アプリケーションとして備えているといえる。そのため、表示操作部33には、座標点41から決められた方向にではなく、携帯端末2−1ひいてはユーザーの向いている方向に、所定の距離で円弧状の距離情報が表示されるので、その距離情報を視認することで、ユーザーがその場で知りたい対象物までの距離を正しく把握できる。
【0028】
ゴルフ場サーバ4の運行管理処理手段25は、前述した端末装置2−1の現在位置と、位置情報ファイルPFに記憶される各ゴルフカートの位置情報から、端末装置2−1が保有する会員が、どのゴルフカートを利用してプレーを行なっているのかを特定する。そして、この特定したゴルフカートが、記憶部12に記憶されたゴルフカートの予想されるコース周回時間に対して、どの程度遅れて進行しているのかを、ゴルフ場サーバ4の運行管理処理手段25または端末装置2−1にインストールされたアプリケーションによって、当該端末装置2−1の表示操作部33にカート遅れ表示部46として表示させると共に、任意に設定された遅れ時間以上に、特定したゴルフカートの位置が留まっているときに、端末装置2−1の使用を控えるようなアラート表示部47を自動的に表示させるようになっている(
図5を参照)。これらのカート遅れ表示部46やアラート表示部47は、遅延プレーをプレーヤーに告知するスロープレー対策となり、ゴルフ場の効率化を促進することが可能になる。
【0029】
図4に示す座標点41,方向表示部42,円弧線43,境界線44によるショットレーダーは、プレーヤー位置から向かう方向を針状の方向表示部42で表示し、飛距離や誤差角度を地図表示部40と重ね合わせた状態でレーダー感覚で表示するもので、プレー時におけるクラブの選択やショットポイントの目安に役立てることができる。
【0030】
その他、例えば設定画面や、ホールマップ画面や、スコア入力画面や、リーダーズボード画面や、ローカルルール画面や、使い方画面に切替ができるように、表示操作部33には画面切替表示部48が設けられる。これらの表示画面については、後程別な図面と共に説明する。
【0031】
図6は、ゴルフ場サーバ4の構成を示すもので、ここに示すゴルフ場サーバ4は据置型コンピュータの形態を有するが、例えばタブレット型コンピュータの形態を有するものでも構わない。ここでは、安全管理処理手段26が、記憶部12からゴルフ場の全コースの景観をあらわした地図情報を読み出して、ゴルフ場サーバ4の表示部14に全コース地図表示部51として表示させ、記憶部12の位置情報ファイルPFから全てのゴルフカートの位置情報を読み出して、全コース地図表示部51に重ねてカート位置表示部52として表示させる。これにより、ゴルフ場の運営者は、コース全体でどのゴルフカートひいてはプレーヤーがどの位置にあるのかを、リアルタイムに把握してアクシデントに対応することができる。例えば安全管理処理手段26は、入力部13からの操作入力によって、一乃至複数のゴルフカートに対してカミナリ警告などの最重要な警告発信を無線で通知し、その通知したゴルフカートに対応するカート位置表示部52を、異なる色で表示させる。その他、安全管理処理手段26によってさまざまな安全管理の体制を構築することで、思いがけないアクシデントに対応可能になる。
【0032】
また、運行管理処理手段25によってカート遅れ表示部46やアラート表示部47を表示させる前述の専用ロジックは、予想されるコース周回時間に基づき、任意に設定された時間以上で、自動的に遅延プレー警告を表示させる端末装置2側の運行管理システムとして、制御部11に内蔵されているが、同時にゴルフ場サーバ4側の運行管理システムとしては、制御部11に内蔵された安全管理処理手段26が、各ゴルフカートの位置情報から遅延プレーヤーを常時監視して補完するようになっている。
【0033】
図7〜
図10は、画面切替表示部48の所定箇所をタップ操作したときにあらわれる端末装置2(例えば端末装置2−1)の表示例をそれぞれ示している。
【0034】
図7は、端末装置2−1の表示操作部33に表示されるスコア入力画面である。ここでは、各ホールでスコア入力を可能にするスコア表示部61が設けられる。プレーヤーは、使い慣れたスマートフォンである端末装置2−1のテンキー表示部(図示せず)を利用して、軽くタッチ入力することで、素早くスコア入力の操作を完了できる。各ホールのスコア入力を完了する毎に、ゴルフ場サーバ4に組み込まれたエンタメ機能処理手段27は、その値を端末装置2−1からインターネット5を介して取込んでいる。
【0035】
図8は、端末装置2−1の表示操作部33に表示されるリーダーズボード画面である。ここでは、各プレーヤーの名前,スコアおよびホールを一覧にしたリーダーズボード表示部62が設けられる。エンタメ機能処理手段27は、端末装置2−1に各プレーヤーのスコアとホールに関する最新の情報を随時送信して、これをリーダーズボード表示部62に表示させる。従って、会員であるプレーヤーが、
図8に示すリーダーズボード画面に適宜切替えることで、コースのベストスコアを確認できる。また、コンペでは、刻々と変わる順位にトーナメント中継さながらの興奮が味わえる。
【0036】
図9は、端末装置2−1の表示操作部33に表示されローカルルール画面である。ここでは、ローカルルールを示すローカルルール表示部63が設けられる。
【0037】
図10は、端末装置2−1の表示操作部33に表示されホールマップ画面である。ここでは、各ホールの特徴を地図であらわしたホールマップ表示部64が設けられる。
【0038】
エンタメ機能処理手段27は、これらのローカルルールやホールマップに関する情報を端末装置2−1に送信して、ローカルルール表示部63やホールマップ表示部64として表示させる機能を有する。これにより、ゴルフコース独自のローカルルールやホール案内を、プレー前の自宅などで確認したり、楽しんだりすることができる。
【0039】
ところで、スマートフォンのような端末装置2−1では、GPS受信機のような位置検出手段や、ジャイロセンサーのような方向検出手段を内蔵しており、ポータブルゴルフナビとしての性能を発揮させるには十分な機能を有している。つまり会員であるユーザーは、既に高性能なポータブルゴルフナビを自身で保有しており、わざわざ専用で単機能の汎用ゴルフナビを購入する必要がない。スマートフォンというユーザーの資産を活用することで、導入費用を格段に抑えることができる。
【0040】
図4で示したショットレーダーや、
図8で示したリーダーズボードをはじめとする魅力的なエンターテイメント機能は、汎用ゴルフナビを導入した他のコースを圧倒するもので、こうしたプレーヤーを虜にする魅力的な機能も、全て効率化のために提供される。例えば、前述のショットレーダーでは、素早い距離とピン方向を知るためのいわばスロープレー対策の一環となっており、端末装置2−1の使い過ぎには、
図5で示したアラート表示部47で警告を表示することもできる。
【0041】
次に、
図11〜
図13のフローチャートを参照しながら、前述した処理手段21の動作について説明する。
【0042】
図11は、特に募集設定処理手段22の動作手順をフローチャートで示したものである。ステップS1では、プレーを主催する幹事となる会員が、端末装置2により応募・募集条件を入力してメンバー募集を設定すると、募集設定処理手段22はステップS2の手順に移行して、その応募・募集条件に一致するプレーの募集日に、予約枠の組が空いているか否かを、記憶部12の予約ファイルRFに格納される会員用予約枠情報により判断する。ここで、会員予約枠情報の中に、誰もメンバーを割り当てておらず、予約可能人数が4であるような空いている予約枠が存在すれば、募集設定処理手段22はステップS3に移動して、別な会員からのメンバー募集に関する処理を開始する。
【0043】
この処理は、先ずステップS4において、他の会員にメンバー募集があることをメールで通知することから始まる。具体的には、募集設定処理手段22は、記憶部12に予め記憶されるプロフィール情報の中から、端末装置2により幹事が入力した応募・募集条件に含まれる地域や、性別や、年代や、平均スコアなどが一致する別な会員のメールアドレスを抽出し、そのメールアドレスに対応する別な会員の端末装置2に、プレーの募集日などの応募・募集条件や、幹事の画像およびテキストメッセージを含んだメンバー募集の情報を送信する。次に、募集設定処理手段22はステップS5の手順に移行し、参加メンバーの全人数に相当するカウント値mを1に設定して記憶部12に記憶させ、且つ前述の空いていた予約枠に幹事に対応するデータを割り当てて、この新たに作成した予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させた上で、マッチング処理手段23による募集処理をスタートさせる。
【0044】
一方、前述のステップS2で、会員予約枠情報の中に空いている予約枠が存在しなければ、募集設定処理手段22はステップS6に移動して、別な会員からのメンバー募集に関する処理を行なわず、そのまま終了する。
【0045】
図12は、特にマッチング処理手段23の動作手順をフローチャートで示したものである。これは前述したように、募集設定処理手段22によって、別な会員からのメンバー募集に関する一連の処理を終了した後に行われる。
【0046】
先ずマッチング処理手段23は、ステップS11において、制御部11に内蔵してカウントされる現在時刻が、予め設定記憶された時刻(例えばプレーの募集日の前日24:00)を過ぎて、募集期間を終了しているか否かを判断する。ここで、募集期間を終了していないと判断すると、マッチング処理手段23はステップS12に移行して、募集設定処理手段22でマッチングさせた別な会員の端末装置2から、表示操作部33を利用して参加申込みが入力されるのを監視する。一方、募集期間を終了すると、そこでマッチング処理手段23による処理手順は終了する。
【0047】
ステップS12において、別な会員の端末装置2から参加申込みを入力すると(ステップS13)、マッチング処理手段23はステップS14に移行して、記憶部12に記憶されるカウント値mを1つ増加(インクリメント)させ、次のステップS15で、カウント値mをステップS2で取得した予約枠の収容人数(この場合はk=4とする)で割った余りaを算出する。この余りaに応じて、マッチング処理手段23はステップS16、ステップS17、若しくはステップS18,S19の何れかの手順を実行する。
【0048】
このステップS16〜S19による予約枠に対する割り当ての手順について、別な
図14をも参照しながら説明する。
図14は、予約ファイルRFに記憶される予約枠の情報の遷移を示している。例として、ここでは開始時刻が9:00,9:15,9:30に、それぞれ一組の予約枠が空いているものとする。また数字は、幹事を含む参加メンバーに対応したデータで、最初に参加メンバーとなった幹事は「1」となり、以後、参加メンバーとなった人の順に、数字がインクリメントされる。
【0049】
ステップS14で、カウント値mが2になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が2人である場合、予約枠W1の予約可能人数は3となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは2となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS16の手順に移行し、前述のステップS5で一番新しく作成した例えば9:00が開始時刻の予約枠W1に、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「2」を追加して割り当て、その予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。この通知には、どの時間帯の予約枠でプレーを開始するのかという開始時刻の情報が含まれている。
【0050】
ステップS14で、カウント値mが3になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が3人である場合、予約枠W1の予約可能人数は2となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは3となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS17の手順に移行し、この時点では一組しかない予約枠W1に対して、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「3」を追加して割り当て、その予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。
【0051】
ステップS14で、カウント値mが4になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が4人である場合、予約枠W1の予約可能人数は1となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは0となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS16の手順に移行し、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「4」を、予約枠W1に追加して割り当て、その予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。
【0052】
ステップS14で、カウント値mが5になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が5人である場合、予約枠W1の予約可能人数は0となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは1となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS18の手順に移行し、予約ファイルRFに誰もメンバーを割り当てていない別な空いている予約枠が存在するか否かを判断する。ここで、空いている予約枠W2が存在すれば、ステップS19の手順に移行し、この予約枠W2を予約枠の情報として新たに作成し、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「5」を、新しい予約枠W2に追加して割り当てる。また、一つ前に作成した予約枠W1から、事に対応するデータ「1」を移動させて割り当て、これらの予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。
【0053】
ステップS14で、カウント値mが6になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が6人である場合、予約枠W1,W2の予約可能人数は3となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは2となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS16の手順に移行し、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「6」を、一番新しく作成した予約枠W2に追加して割り当て、その予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。
【0054】
ステップS14で、カウント値mが7になった場合、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が7人である場合、予約枠W1,W2の予約可能人数は2となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは3となる。このときマッチング処理手段23は、ステップS16の手順に移行し、ステップS13で直前に入力した会員に対応するデータ「7」を、一番新しく作成した予約枠W2の一つ前である予約枠W1に追加して割り当て、その予約枠の情報を予約ファイルRFに上書き記憶させると共に、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールで受付けたことを通知し、ステップS11の手順に戻る。
【0055】
以後、カウント値mが8以上の場合は、前述したカウント値mが4〜7の各手順を繰り返し行なうことになり、カウント値mが12になると、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が12人になると、開始時刻が9:15である予約枠W2には、5,6,8,11人目の参加メンバーとなった参加申込みの会員に対応して、「5」,「6」,「8」,「11」の各データが割り当てられ、開始時刻が9:30である予約枠W3には、1人目の参加メンバーである幹事と、9,10,12人目の参加メンバーとなった参加申込みの会員に対応して、「1」,「9」,「10」,「12」の各データが割り当てられ、これらの予約枠W1〜W3に関する情報が、記憶部12の予約ファイルRFに上書き記憶される。
【0056】
カウント値mが13となり、すなわち幹事を含む参加メンバーの全員数が13人に達すると、予約枠W1,W2,W3の予約可能人数は0となっており、マッチング処理手段23で算出される余りaは1となる。マッチング処理手段23はステップS18の手順で、空いている予約枠がこれ以上存在しないと判断し、ステップS20の手順に移行する。このステップS20では、マッチング処理手段23に代わってキャンセル待ち処理手段24が、参加申込みの入力がなされた新たな会員の端末装置2に対して、メールでキャンセル待ちを通知し、ステップS21の手順に移行して、記憶部12に記憶されるカウント値mを1つ減少(デクリメント)させて12にし、キャンセル待ちがいるとのキャンセル待ち情報を記憶部12に記憶させて、ステップS11の手順に戻る。
【0057】
図13は、特にキャンセル待ち処理手段24の動作手順をフローチャートで示したものである。ここでのキャンセル処理は、
図12に示すステップS21の手順に引き続いて行われるもので、ステップS31では、前述のステップS11と同様にキャンセル待ち処理手段24が募集期間を終了しているか否かを判断し、募集期間を終了していないと判断するとステップS32に移行して、募集設定処理手段22でマッチングさせた別な会員の端末装置2から、表示操作部33を利用してキャンセル入力されるのを監視する。一方、募集期間を終了すると、そこでキャンセル待ち処理手段24による処理手順は終了する。
【0058】
ステップS32において、既に参加メンバーとなった会員の端末装置2からキャンセルの入力があると(ステップS33)、キャンセル待ち処理手段24はステップS14に移行して、その入力した端末装置2に対応する参加メンバーの予約を、予約枠からキャンセルして、予約ファイルRFにその旨を上書き記憶し、キャンセルの受付を完了する。また、このキャンセルの受付完了は、キャンセル入力を行なった会員の端末装置2にメールで通知される。
【0059】
キャンセル待ち処理手段24は、次のステップS35の手順で、記憶部12に記憶されるカウント値mをデクリメントさせ、ステップS36に移行して、キャンセル待ちとなっている別な会員がいるか否かを検索する。ここで、記憶部12にキャンセル待ち情報が存在しなければ、そのままステップS31の手順に戻るが、キャンセル待ち情報が存在すれば、ステップS37の手順に移行して、全てのメンバーを割り当てていない予約枠の空きが存在するか否かを検索する。ステップS37で、予約枠の空きが見つからなければ、そのままステップS31の手順に戻るが、予約枠の空きが見つかれば、ステップS38に移行して、キャンセル待ちをしていたグループ(会員)の端末装置2に、空きが出たことをメールで通知する。これにより、キャンセル待ちの会員が端末装置2を利用して、改めて参加の申込みを入力すれば、マッチング処理手段23が前述したステップS12以下の手順に従って、空いている予約枠にキャンセル待ちの会員に対応するデータを追加して割り当てることが可能になる。
【0060】
このように、本実施形態のマッチング予約システム1では、空いている予約枠が存在することを事前に確認してから、地域、性別、世代や平均スコアなどの条件をマッチングさせて、同伴を希望する会員の端末装置2にメンバー募集を通知するので、ゴルフ場側の手を煩わせることなく、一人からのプレー希望をグループにまとめた予約として実現でき、SNSの特性を最大限に生かした予約獲得が可能になる。
【0061】
また、ステップS15〜ステップS19の各手順では、参加メンバーの人数が増えるに従って、幹事は開始時刻の遅い予約枠に移動する一方で、幹事以外の参加メンバーは、一度決定した予約枠からは変更せず、できるだけ早い開始時刻の予約枠に割り当てられることになる。例えば、
図14に示す例では、開始時刻が9:00の予約枠W1に、2,3,4,7人目の参加メンバーとなった会員が割り当てられ、開始時刻が9:15の予約枠W2に、5,6,8,11人目の参加メンバーとなった会員が割り当てられ、開始時刻が9:30の予約枠W3に、1人目の参加メンバーである幹事と、9,10,12人目の参加メンバーとなった会員が割り当てられる。こうすることで、参加メンバーの人数に拘らず、参加を申し込んだ会員が、できるだけ早い時刻から予定変更なくプレーを開始することが可能になると共に、幹事は参加メンバー全員のプレーを時間的に後方で監視することが可能になる。
【0062】
以上のように、本実施形態のマッチング予約システム1は、会員が所持する端末装置2と通信手段であるインターネット5を介して通信可能に接続するサーバ装置としてのゴルフ場サーバ4を備え、このゴルフ場サーバ4は、少なくとも利用開始時刻と予約可能人数とを関連付けた予約枠の情報や、事前に登録した各会員を特徴付けるプロフィール情報などを記憶する記憶部12と、各端末装置2からの入力を受け付けて、記憶部12からの予約枠の情報を読出し及び書込みが可能な制御部11とを備えており、制御部11は、前記端末装置2からメンバー募集の条件が入力されると、その条件に見合うような予約可能人数が1以上の空いている予約枠が存在するか否かを、記憶部12に記憶する予約枠の情報から検索し、空いている予約枠が存在した場合にのみ、記憶部12に記憶するプロフィール情報の中から、メンバー募集の条件に見合う会員のメールアドレスを抽出し、そのメールアドレスに対応する同伴希望の会員の端末装置2に対して、メンバー募集の情報を送信する募集設定処理手段22を備えている。
【0063】
この場合、募集設定処理手段22は、特定の会員から端末装置を利用してメンバー募集の条件が入力されると、空いている予約枠が存在するか否かを、記憶部12に記憶する予約枠の情報から検索して確認した上で、予め登録された各会員のプロフィール情報の中で、例えば地域,性別、世代や平均スコアなどの条件をマッチングさせて、同伴を希望する会員の端末装置2にのみ選択的にメンバー募集を通知するので、同伴を希望する会員は、わざわざどのようなメンバー募集が行われているのかを検索することなく、通知を受けた予約枠に予約を申込んでおけば、その予約枠で確実にプレーを行なうことが可能になる。したがって、一人からのメンバー募集をグループにまとめた予約としてマッチングさせて、希望する予約枠で確実にプレーを行なえるようにし、且つ同伴希望者の参加意欲を失わせないマッチング予約システム1を提供できる。
【0064】
また、本実施形態における募集設定処理手段22は、前記メンバー募集の条件を入力した端末装置2に対応する会員を幹事としたときに、前記予約枠に幹事の予約を割り当てて、予約枠の情報を記憶部12に上書き記憶させるものであり、制御部はさらにマッチング処理手段23を備えていて、このマッチング処理手段23は、メンバー募集の情報が送信された端末装置2から参加申込みが入力されると、前記予約枠の予約可能人数が0であるか否かを、記憶部12に記憶する予約枠の情報から検索し、予約枠の予約可能人数が0であれば、別な予約可能人数が1以上の空いている予約枠を、予約枠の情報から抽出して、その空いている予約枠に、幹事の予約を割り当て直すと共に、参加申込みを入力した別な端末装置2に対応する会員(同伴希望者)の予約を割り当てて、その予約枠の情報を記憶部12に上書き記憶させる一方で、予約枠の予約可能人数が0でなければ、予約可能人数が0ではない空いている予約枠に、同伴希望者の予約を割り当てて、その予約枠の情報を記憶部12に上書き記憶させる構成を有している。
【0065】
この場合のマッチング処理手段23は、端末装置2から参加申込みを入力する数が増えたとしても、幹事以外の同伴希望者は、一度決定した予約枠からは変更せず、空いている予約枠が新たに増える毎に、その新たな空いている予約枠に幹事の予約が移動するので、効率的な予約処理を自動的に実現することが可能になる。
【0066】
以上のように、本発明の一実施形態について説明したが、当該実施形態はあくまでも例として提示したに過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。ここに提示したれ実施形態は、その他の様々な形態で実施可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更が可能である。例えば、予約枠の割り当て可能な人数は、上記実施形態のような4人に限定されることはなく、マッチング処理手段23がステップS18で新たな予約枠を取得する毎に、割り当て可能な人数が異なっていてもよい。また、複数のゴルフ場サーバ4を一括管理する管理装置を、インターネット5に別に接続する構成としてもよい。