【文献】
松岡宣,“Androidスマートフォンで困ったときに開く本”,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2012年 1月20日,第1版,p.56−57
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記確定手段で確定された前記文字の上端と下端とを軸とした前記補助線を前記入力領域に表示させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理端末。
前記表示制御手段は、前記確定手段で最初に確定した文字の描画位置に応じた前記補助線を表示させるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理端末。
前記表示制御手段は、前記入力領域に前記最初に確定した文字が表示されていない際にも、前記補助線を表示するように制御することを特徴とする請求項3に記載の情報処理端末。
前記表示制御手段は、前記確定手段で文字を確定した場合に前記文字を前記入力領域の中央位置に表示されないように表示制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理端末。
前記表示制御手段は、前記文字をスライドさせることで、前記確定手段で確定した文字が前記入力領域の中央位置に表示されないように表示制御することを特徴とする請求項5に記載の情報処理端末。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の情報処理端末100のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態における情報処理端末100は、タッチパネルを備える装置である。例えば、タブレット端末やスマートフォン、タッチパネル付きのパーソナルコンピュータ等である。タッチパネルを備えていれば、どのような装置であってもよい。
【0018】
CPU101は、システムバス104に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0019】
また、ROM102あるいはフラッシュメモリ110(記憶手段)には、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、当該情報処理端末が実行する機能を実現するために必要な、後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
CPU101は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM103にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0021】
また、入力コントローラ105は、タッチパネル109からの入力を制御する。ビデオコントローラ106は、タッチパネル109等の表示器への表示を制御する。表示器はタッチパネル109を想定するが、これに限らない。
【0022】
タッチパネル109は、ユーザからのタッチ操作を検知すると共に、前述したビデオコントローラ106から送られた映像を表示する。タッチパネル109は、表示器と位置入力装置とが一体となった部品である。複数の箇所に対するタッチ操作(以下、マルチタッチ)も検知可能である。
【0023】
メモリコントローラ(MC)107は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するフラッシュメモリ110へのアクセスを制御する。本実施形態においては、フラッシュメモリとして説明を行うが、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の記憶媒体であってもよい。
【0024】
通信I/Fコントローラ108は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0025】
尚、CPU101は、例えばRAM103内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、タッチパネル109上での表示を可能としている。
【0026】
本発明の情報処理端末100が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等はフラッシュメモリ110に記録されており、必要に応じてRAM103にロードされることによりCPU101によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルはフラッシュメモリ110に格納されている。
【0027】
図2は、情報処理端末100の機能構成の一例を示す図である。尚、
図2の機能構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0028】
情報処理端末100は、記憶部201、画面表示部202、入力受付部203、署名描画部204、座標取得部205、待機時間決定部206、待機部207、スライド部208、署名保存部209を備える。
【0029】
記憶部201は、情報処理端末100のRAM103やフラッシュメモリ110等の記憶媒体に各種データを記憶する機能である。また、必要に応じて、記憶した各種データを取得する。
【0030】
画面表示部202は、記憶部201に記憶された各種データをタッチパネル109に表示する機能である。例えば、後述する同意画面400や署名入力画面700を表示する。同意画面400や署名入力画面700については、後述する。
【0031】
入力受付部203は、ユーザからの入力を受け付ける機能である。本実施形態では特に、タッチパネル109に対するユーザからのタッチ操作により、署名の入力を受け付けるための領域(以下、入力領域)に対する文字入力を受け付ける。また、入力されたタッチ操作の種別も特定する。タッチ操作の種別は様々あるが、例えば、1本指でタッチする、スライドする、2本指でタッチする、タッチした2本の指の間隔を広げる(ピンチアウト)または狭める(ピンチイン)等がある。本実施形態におけるタッチパネル109は、複数本の指によるタッチ操作(マルチタッチ)を検知可能である。尚、指でなくても、タッチパネル109で入力を受け付け可能であればよい。例えば、タッチペンなどでもよい。
【0032】
署名描画部204は、入力受付部203で受け付けた入力に応じて、署名を描画する機能である。ユーザがタッチパネル109をなぞった軌跡を入力受付部203から受け取り、その軌跡を所定の色で描画する。こうすることで、ユーザがタッチ操作によりなぞった署名を描画する。
【0033】
座標取得部205は、入力受付部203で受け付けた入力の座標位置や、画面表示部202で各種画面の情報が表示されている座標位置を取得する機能である。
【0034】
待機時間決定部206は、画面表示部202で表示された画面に含まれる入力領域を後述するスライド部208でスライドを開始するまでの待機時間を決定する機能である。本発明は、ユーザから所定の文字数の署名がタッチ操作で入力されると、自動的にスライドする仕組みである。自動的にスライドさせるためには、入力が終了したかどうかを判定する必要がある。そこで本実施形態では、入力が終了したかどうかを、入力後に所定時間経過したかどうかによって判定する。そのため、待機時間決定部206が入力状況に応じて、待機時間を決定している。そして、待機部207は、待機時間決定部206で決定された待機時間を待機する。待機が完了したら、後述するスライド部208にスライドの指示を出す。
【0035】
スライド部208は、入力受付部203で受け付けた文字入力に応じて、入力領域をスライドさせる機能である。本実施形態では、署名を入力するにあたって、所定の文字数ごとに入力していく形態を想定している。よって、署名を構成するすべての文字列を入力するためには、何度か入力領域を切り替える必要がある。そこで、本実施形態では、所定の文字数が入力されると、次の文字を入力するための入力領域を表示すべく、入力済みの入力領域をスライドする。詳細は後述する。
【0036】
署名保存部209は、署名描画部204で描画された署名を保存する機能である。描画された署名は、画像データとして保存する。画像データは、ベクター形式でもよいし、ビットマップ形式でもよい。
【0037】
次に、本発明の実施形態における情報処理端末100によって行われる一連の処理について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず、ステップS301では、情報処理端末100のCPU101は、ユーザからの指示に応じて、フラッシュメモリ110に記憶された署名アプリケーションを起動する。署名アプリケーションは、タッチパネル109を用いて電子的な署名(サイン)を受け付けるアプリケーションである。すなわち、契約書等にペンで署名する代わりに、タッチパネル109上でユーザの指を使って署名をするものである。
【0039】
ステップS302では、情報処理端末100のCPU101は、画面表示部202を用いて、
図4に示すような同意画面400をタッチパネル109に表示する。同意画面400は、契約内容等を確認するための画面である。同意画面400には、契約者の名前や契約内容を含む文書データが表示される。同意画面400は記憶部201によってフラッシュメモリ110等に記憶されており、ここから取得してタッチパネル109に表示する。尚、本実施形態においては契約の署名を一例にして説明を行うため、
図4に示すような同意画面400を表示しているが、署名を受け付ける画面であれば、これに限らない。
【0040】
ステップS303では、情報処理端末100のCPU101は、入力受付部203を用いて、ユーザからのタッチ操作を受け付ける。そして、ステップS304では、情報処理端末100のCPU101は、入力受付部203を用いて、ステップS303で受け付けたタッチ操作の内容を特定する。すなわち、ユーザからどのような指示がなされたのかを特定する。
【0041】
ステップS305では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS304で特定した操作内容が、同意画面400で表示した文書データの拡大または縮小の指示であるか否かを判定する。より具体的には、前述したピンチアウトまたはピンチインの操作を受け付けたか否かを判定することになる。拡大または縮小の指示であると判定した場合には、ステップS306に処理を進める。そうでない場合には、ステップS307に処理を進める。
【0042】
ステップS306では、情報処理端末100のCPU101は、画面表示部202を用いて、ステップS302で表示した文書データを拡大または縮小する。ピンチアウトであれば、文書データを拡大し、ピンチインであれば、文書データを縮小する。本実施形態では、このようにするがピンチアウトとピンチインとが逆でもよい。拡大または縮小が終わったら、ステップS303に処理を戻す。
【0043】
ステップS307では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS304で特定した操作内容が、署名欄401に対する入力の指示であるか否かを判定する。より具体的には、同意画面400が備える署名欄401がユーザからタッチされたか否かを判定する。署名入力の指示であると判定された場合には、ステップS308に処理を進める。そうでない場合には、ステップS309に処理を進める。
【0044】
ステップS308では、情報処理端末100のCPU101は、ユーザから署名の入力を受け付けて、署名を描画する処理を実行する。署名入力処理の詳細は、後述する
図5及び
図6で説明する。署名入力処理が終了したら、ステップS303に処理を戻す。
【0045】
ステップS309では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS304で特定した操作内容が、終了の指示であるか否かを判定する。より具体的には、不図示の終了ボタンが押下されたら、終了の指示がなされと判定する。終了の指示であると判定された場合には、ステップS310に処理を進める。そうでない場合には、ステップS303に処理を戻す。
【0046】
ステップS310では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS301で起動した署名アプリケーションを終了する。以上が、本実施形態の一連の流れである。
【0047】
次に、署名入力処理について
図5及び
図6を用いて説明する。
【0048】
署名入力処理は、タッチパネル109に対して、署名を記入するようにタッチパネル109上をユーザがなぞり、なぞった軌跡を描画する処理である。署名を入力する際には、所定の文字数ごとに入力を受け付けて、入力が終了したとみなされた場合に、自動的に署名の入力を受け付ける入力領域をスライドする。こうすることで、ユーザの署名入力を補助することができる。
【0049】
まず、ステップS501では、情報処理端末100のCPU101は、画面表示部202を用いて、
図7に示すような署名入力画面700を表示する。署名入力画面700は、ユーザから署名の入力を受け付けるための画面である。署名入力画面700には、署名の入力を受け付けるための入力領域701と、入力領域701で入力がなされた署名の文字を閲覧可能な入力済み領域702と、キャンセルボタン703と、クリアボタン704と、完了ボタン705とが表示される。入力領域701では、入力領域701に対する文字入力を所定の文字数ごとに受け付ける。そのため、入力領域701において、「画面をなぞって、1文字ずつ入力してください。」等のメッセージを表示し、ユーザに入力すべき文字数を認識させる。署名入力画面700は記憶部201によってフラッシュメモリ110等に記憶されており、ここから取得してタッチパネル109に表示する。
【0050】
ステップS502では、情報処理端末100のCPU101は、入力受付部203を用いて、ユーザからのタッチ操作を受け付ける(入力受付手段)。そして、ステップS503では、情報処理端末100のCPU101は、入力受付部203を用いて、ステップS502で受け付けたタッチ操作の内容を特定する。すなわち、ユーザからどのような指示がなされたのかを特定する。
【0051】
ステップS504では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS503で特定した操作内容が、署名を入力する指示であるか否かを判定する。より具体的には、入力領域701に対してタッチ操作がなされたか否かを判定する。署名を入力する指示であると判定された場合には、ステップS505に処理を進める。そうでない場合には、
図6のステップS513に処理を進める。
【0052】
ステップS505では、情報処理端末100のCPU101は、署名描画部204を用いて、ユーザからの入力操作(タッチ操作)に応じて、署名を描画する。より具体的には、入力領域701上でタッチ操作がなされると、そのタッチ操作がなされた箇所を所定の色で描画する。すなわち、ユーザはタッチ操作で署名を記入するようになぞることで、そのなぞった軌跡が所定の色で描画されるので、署名が入力できる。
【0053】
ステップS506では、情報処理端末100のCPU101は、座標取得部205を用いて、ステップS505で描画した署名の最終描画点座標を取得する。最終描画点座標とは、ユーザがなぞった軌跡の終点の座標値を示す。画数ごとに軌跡は途切れるため、その画数ごとに終点が存在する。1画が描画ごとに、ステップS506乃至ステップS511が実行される。
【0054】
ステップS507では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS506で取得した最終描画点座標が、
図8の終了領域テーブル800に示す終了領域の範囲内であるか否かを判定する。終了領域テーブル800は、情報処理端末100のフラッシュメモリ110等に記憶されているテーブルであり、署名の入力が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合にどの程度待機するのかを決めるための基準となるテーブルである。終了領域テーブル800は、終了領域名801、終了領域座標802、待機時間803から構成される。終了領域名801は、終了領域ごとに割り振られた名称である。終了領域座標802は、署名入力画面700においてどの部分が終了領域であるのかを示す座標である。待機時間803は、最終描画点座標が終了領域に含まれていた場合に、待機する時間を示す。
【0055】
本実施形態では、
図8の終了領域テーブル800に示すように、3つの終了領域がある。これらが示す終了領域は、
図9に示す通りである。「領域1」から「領域3」まで設けて、それぞれに異なる待機時間を設定することにより、仮に署名を入力中であっても、誤って入力領域701がスライドすることのないようにしている。
【0056】
ステップS507では、この終了領域にステップS505で描画した1画の線分が含まれるか否かを判定する。最終描画点座標が終了領域の範囲内であると判定された場合には、ステップS508に処理を進める。最終描画点座標が終了領域の範囲内でないと判定された場合には、次の画を描画するために、ステップS502に処理を戻す。
【0057】
ステップS508では、情報処理端末100のCPU101は、いずれの終了領域の範囲に最終描画点座標が含まれているのかを特定する。より具体的には、最終描画点座標が終了領域座標802のいずれに含まれるのかを検索し、該当したレコードの終了領域名801を特定する。例えば、
図10に示すような文字を描画した場合を想定する。「久」という字は、3画からなる漢字である。1画目の最終描画点座標は、描画点1000に示す箇所である。ここは終了領域ではない。また、2画目の最終描画点座標は、描画点1001に示す箇所であるが、ここも終了領域ではない。最後の3画目の最終描画点座標は、描画点1002に示す箇所である。ここは、
図9に示す「領域3」の終了領域である。よって、ステップS508では、最終描画点座標が含まれている終了領域は、「領域3」であると特定する。
【0058】
ステップS509では、情報処理端末100のCPU101は、待機時間決定部206を用いて、ステップS509で特定した終了領域に応じて、待機時間を決定する(決定手段)。すなわち、入力受付部203で受け付けた文字入力(署名入力)のうち、最後に受け付けた入力位置に応じて、待機時間を決定する。本実施形態では、終了領域ごとに待機時間803が設定されているので、これを待機時間とする。
【0059】
ステップS510では、情報処理端末100のCPU101は、待機部207を用いて、ステップS509で決定した待機時間が経過するまで待機し、待機中は、後述するステップS511の処理を繰り返す(待機手段)。
【0060】
ステップS511では、情報処理端末100のCPU101は、更に署名の入力がユーザから指示されたか否かを判定する。より具体的には、入力領域701に対するタッチ操作を入力受付部203が検知したか否かによって判定する。描画した線分の終点が終了領域に重なったら、すぐにスライドするようにしてしまうと、署名を記入中であるにも関わらず、スライドされてしまう可能性がある。そのため、一時的に待機している。この待機中に入力が継続されるのであれば、まだ署名の入力が継続しているので、スライドせず、ステップS505に処理を戻す。署名の入力がユーザから指示された場合には、ステップS505に処理を戻す。署名の入力がユーザから指示されたと判定された場合には、ステップS505に処理を戻す。署名の入力がユーザから指示されていないと判定された場合には、ステップS510に処理を戻して、待機時間の間、ステップS510及びステップS511をループさせる。
【0061】
ステップS512では、情報処理端末100のCPU101は、次の所定の文字数分の文字の署名が入力可能となるよう、入力領域701をスライドさせる処理を実行する。入力領域スライド処理の詳細は、後述する
図11に示す。入力領域スライド処理が終了したら、ステップS502に処理を戻す。
【0062】
ステップS513では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS503で特定した操作内容が、キャンセルする指示であるか否かを判定する。より具体的には、署名入力画面700のキャンセルボタン703が押下されたか否かを判定する。キャンセルする指示であると判定された場合には、ステップS521に処理を進める。そうでない場合には、ステップS514に処理を進める。
【0063】
ステップS514では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS503で特定した操作内容が、描画した署名をクリアする指示であるか否かを判定する(再入力指示受付手段)。すなわち、入力領域701に対する再入力の指示を受け付けたか否かを判定する。より具体的には、署名入力画面700のクリアボタン704が押下されたか否かを判定する。クリアする指示であると判定された場合には、ステップS515に処理を進める。そうでない場合には、ステップS517に処理を進める。
【0064】
ステップS515では、情報処理端末100のCPU101は、署名描画部204を用いて、描画した署名をクリア(削除)する。現在入力中の文字に限らず、入力済みでステップS512においてスライドされた文字もクリアする。
【0065】
ステップS516では、情報処理端末100のCPU101は、スライド部208を用いて、ステップS515で描画した署名がクリアされたので、最初の1文字目から入力できるよう、入力領域701をスライドする。スライドが完了したら、ステップS502に処理を戻す。
【0066】
ステップS517では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS503で特定した操作内容が、署名を完了する指示であるか否かを判定する。より具体的には、署名入力画面700の完了ボタン705が押下されたか否かを判定する。完了する指示であると判定された場合には、ステップS518に処理を進める。そうでない場合には、ステップS502に処理を戻す。
【0067】
ステップS518では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS505で描画した署名の外接矩形を特定する。ここでいう署名は、署名の入力と入力領域のスライドを繰り返すことによってできた一連の文字列から成る、完成した署名である。例えば、「久野太輔」という署名を記入する場合に、本実施形態のように1文字ずつ入力を受け付けて、「久」と「野」と「太」と「輔」を描画したとする。ステップS518では、この1文字ずつ入力を受け付けた一連の署名である「久野太輔」の外接矩形を特定する。
【0068】
ステップS519では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS518で特定した外接矩形に応じて、描画した署名を拡大または縮小する。ユーザごとに、記入する署名の文字の大きさは異なる。大きく記入してくれれば、署名欄401にも大きく表示されるが、小さく記入されてしまうと、署名欄401に小さく表示されてしまう問題がある。そこで、描画した署名の外接矩形の大きさに応じて、描画された署名を拡大または縮小する。こうして、適切な大きさに整えることで、署名欄401に表示する場合でも見やすく表示できる。
【0069】
ステップS520では、情報処理端末100のCPU101は、署名保存部209を用いて、描画された署名をフラッシュメモリ110等に保存する。保存するファイルの形式はどのような形式でもよい。例えば、ベクター形式またはビットマップ形式の画像データが考えられる。
【0070】
ステップS521では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS501で表示した署名入力画面700を閉じる。そうすると、同意画面400がタッチパネル109に表示される。
【0071】
ステップS522では、情報処理端末100のCPU101は、描画した署名があれば、署名欄401に表示する。ここで表示する署名は、ステップS519で拡大または縮小した署名である。ステップS522の処理が終了したら、署名入力処理を終了し、呼び出し元に処理を戻す。
【0072】
次に、入力領域スライド処理について
図11を用いて説明する。
【0073】
入力領域スライド処理は、入力受付部203で受け付けた署名の文字入力に応じて、入力領域701をスライドする処理である。本実施形態では、入力領域701で受け付ける署名は、所定の文字数ごとに受け付けることになっている。つまり、署名を完成させるためには、入力領域701で所定の文字数の入力を何度か受け付けることになる。そこで、既に入力が済んだ入力領域701をスライドし、未入力の入力領域701を表示することで、複数回に分けて署名の入力を受け付けることが可能となる。
【0074】
まず、ステップS1101では、情報処理端末100のCPU101は、座標取得部205を用いて、スライド基準幅を取得する。スライド基準幅とは、入力領域701をスライドする際の基準となる幅である。
図12の上部に示す署名入力画面700を例に説明する。
図12の上部に示す署名入力画面700では、「久」という文字が描画されている。次の文字の記入を受け付けるために、入力領域701をスライドする必要があるので、ステップS1101でスライド基準幅を取得する。スライド基準幅は、本実施形態では、最終描画点座標と入力済み領域702の左辺とを結ぶ最短距離である。つまり、
図12では幅A1200である。
【0075】
ステップS1102では、情報処理端末100のCPU101は、座標取得部205を用いて、ステップS1101で取得したスライド基準幅に応じて、スライド幅を算出する。より具体的には、スライド基準幅に対する所定の割合の幅がスライド幅となる。例えば、
図12では、スライド基準幅が幅A1200であるので、この幅A1200の所定の割合の幅、例えば70%の幅をスライド幅とする。幅B1201は、幅A1200の70%程度を示す幅であり、この幅B1201の分がスライドされることになる。通常であれば、スライド基準幅が示す幅だけスライドすればよいのだが、描画した文字が見られなくなると、一連の署名として見たときに文字同士のバランスが悪くなってしまう可能性が高い。よって、描画済みの文字の一部が閲覧できるようスライドすることにより、記入済みの文字を閲覧しながら署名を記入できる。
【0076】
スライド幅の算出は、これに限らない。例えば、
図12の下部の署名入力画面700では、別の算出方法を示している。描画した署名をスライドした後に、入力済み領域702に入力済みの文字が一部表示されればよい。よって、幅F1205から入力済み領域702の幅(幅C1202)と同じ幅である幅D1203を差し引いた幅(幅E1204)だけ、スライドすればよい。よって、スライド幅は、幅E1204となる。このようにして算出してもよい。
【0077】
ステップS1103では、情報処理端末100のCPU101は、初回のスライドか否かを判定する。スライドが初回か否かは、後述するステップS1108でスライドがなされた場合に、スライドがなされた旨を示すフラグを立てておいてもよいし、それ以外の方法でもよい。初回のスライドであると判定された場合には、ステップS1104に処理を進める。初回のスライドでないと判定された場合には、ステップS1106に処理を進める。
【0078】
ステップS1104では、情報処理端末100のCPU101は、座標取得部205を用いて、描画した署名の文字に基づいて、上端と下端の座標を取得する。そして、ステップS1105では、情報処理端末100のCPU101は、画面表示部202を用いて、ステップS1104で取得した署名の上端と下端の座標を軸とした補助線を描画する(補助線表示手段)。
【0079】
描画された署名の文字の一部が入力済み領域に表示されていたとしても、文字の種類によってはバランスよく記入できない場合がある。そのため、描画された署名の上端と下端を通る補助線を表示することで、続いて記入する文字を入力しやすくしている。
図14の上部に示す署名入力画面700には、上端補助線1400と下端補助線1401とが表示されている。このように、「久」という漢字が記入されると、この漢字の上端と下端を通る水平な直線を補助線として表示する。そして、後述するステップS1108でスライドがなされても、この補助線は表示されるため、
図14の下部に示す署名入力画面700に示すような状態となる。このような補助線が存在すれば、ユーザは所定の文字数ごとに署名を入力する場合であっても、バランスの良い署名を記入できる。
【0080】
ステップS1106では、情報処理端末100のCPU101は、未入力の入力領域を生成する。そして、ステップS1107では、情報処理端末100のCPU101は、ステップS1106で生成した入力領域と、署名を描画済みの入力領域701とを結合する(入力領域結合手段)。
図13にこの処理の概要を示す。署名を描画済みの入力領域701が1300であり、未入力の入力領域が1301である。これらを結合した新たな入力領域が1302である。このようにして、入力領域701を増やす。所定の文字数ずつ入力する場合、ユーザの名前が何文字であるのかは、情報処理端末100のCPU101はわからない。よって、スライドする際に都度入力領域を増やしていく必要がある。そこで、ステップS1107のように、未入力の入力領域を追加していくことで、この問題を解決している。
【0081】
ステップS1108では、情報処理端末100のCPU101は、スライド部208を用いて、ステップS1102で算出されたスライド幅分、ステップS1107で結合した入力領域701をスライドする(スライド手段)。すなわち、入力受付部203で受け付けた署名の入力に応じて、次の所定の文字数分の文字が入力可能となるように、入力領域701をスライドすることになる。ここでスライドするのは、ステップS1102で算出されたスライド幅であるので、入力受付部203で入力を受け付けた文字の一部をユーザが閲覧できるようにスライドすることになる。より具体的には、
図14の下部の署名入力画面700の1402に示す通り、スライド前に入力していた文字の一部が入力済み領域702に表示される。このようにすれば、次の文字を記入する時に、前の文字の大きさを参考にすることができる。ステップS1108の処理が完了したら、入力領域スライド処理を終了し、呼び出し元に処理を戻す。
【0082】
このように、タッチパネルを備える情報処理端末において、ユーザからのタッチ操作により入力領域に対する文字入力を受け付けて、その受け付けた文字入力に応じて、入力領域をスライドさせることができる。つまり、ユーザが次に文字を入力する指示をせずとも、自動的に入力領域がスライドするので、ユーザの手間を省くことができる。
【0083】
また、入力を受け付けた文字の一部をユーザが閲覧できるように、入力領域をスライドするので、署名のバランスを考慮して入力することができる。更には、入力を受け付けた文字の上端と下端に文字入力を補助する補助線を表示するので、更にバランスを考慮して入力することができる。
【0084】
本実施形態では、1文字ずつ入力する形態を例にとって説明をしたが、複数文字ごとに入力してもよい。例えば、
図15の上部に示す署名入力画面700のように、まずは姓名のうち、姓の入力を受け付けるようにしてもよい。この時には、署名入力画面700に「画面をなぞって、姓を入力してください」といった旨のメッセージを表示させておき、ユーザに何を入力すべきかを通知するのがよい。
【0085】
そして、前述した仕組みによって最終描画点座標が終了領域に含まれている場合に、所定時間待機し、何も入力がなく所定時間が経過した場合には、入力領域701をスライドする。すると、
図15の下部に示す署名入力画面700のようになる。前述した実施形態と同様に補助線が表示されたまま、スライドすることになる。スライドすると、姓の最後の文字の一部が1500に示すように表示される。これを見ながら、次の名を入力すればバランス良く記入できる。また、スライドした後の署名入力画面700には、「画面をなぞって、名を入力してください」といった旨のメッセージを表示いさせておき、次に名を入力しなければならないことをユーザに通知するのがよい。
【0086】
また、本実施形態では、漢字の署名について説明を行ったが、英語であってもよい。更には、本実施形態では、横書きの場合について説明を行ったが、縦書きであってもよい。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、入力領域に対する文字入力を補助することが可能となる効果を奏する。
【0088】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0089】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0090】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0091】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0093】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0094】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0095】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0096】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0097】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0098】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。