(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の振子型の球均し機構において、振子すなわち球均し子は、シュート本体に対して支軸を挿通し、この支軸を支点に揺動するようになっていた。すなわち、振子の頂点付近に孔を開け、この孔に釘などの金属棒を通して支持軸としていた。したがって、組立・設置に手間が掛かるものとなっていた。
【0008】
また、特許文献2に記載された球補給シュートの場合には、支持軸と振子本体との間に弾性を与え、この弾性を利用してシュート本体に軸着するようになっていた。このため、組立の際に、振子本体が変形してしまい、この振子本体を破損したり、あるいはプラスチックで成型したシュート本体の両壁部の間隔を拡幅しようとして、シュート本体を破損してしまうことがあった。それゆえ、経年劣化や摩耗等によって振子が破損した場合には、これを交換する必要があるが、その際手間が掛かったり、破損の危険があるなど、組立・設置の場合と同様の問題が発生していた。
【0009】
加えて、従来の球均し機構で、両壁部の軸孔を利用して振子を軸支するものにあっては、軸孔の中心位置を合わせて組み立てるのが繁雑で容易ではなかった。そして、中心位置がずれていると、振子が円滑に揺動できないので、充分な球均し機能が得られないという問題点が生じていた。さらに、球通路を備えるシュート本体や振子を複数の部品から構成したものは、コスト高が避けられなかったり、支持軸として耐摩耗性や剛性の高い金属製のものが要求されるなど、これらの点でもコストの増加を招いていた。
【0010】
それに対して、複数の部品を用いずに、球を整列させる重錘を用いるものもあるが、この場合には、成型のための金型が複雑になることが避けられず、金型を製作できる業者が限定されてしまうという問題があった。
【0011】
ゆえに、従来の球均し機構では、振子をシュート本体に取り付ける際に、慎重な調整が必要であり、熟練技術が必要になっていた。
【0012】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、熟練技術を必要とすることなく、誰でも容易に取り付けることが可能であり、面倒な調整も必要がなく、振子の交換も容易な球均し機構を備える遊技機島の球補給シュートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、複数の遊技機を列設してなる遊技機島の上部に配設された球補給樋から球を各遊技機に分配して補給する遊技機島の球補給シュートであって、前記球補給シュートは、
前面基板部及び中間基板部を備えるとともに入口部から出口部にかけて球を整列させるための球通路を形成したシュート本体と、前記球通路に臨ませて球均し機構を構成する球均し部材とからなり、前記球均し部材は、上方部分に軸部を備えるとともに下方部分に重錘を備える振子と、前記軸部と軸心を一致させた状態で前記振子を揺動自在に軸支するビームシュートとからなり、前記ビームシュートには、前記振子の軸部を受け入れて軸着する軸受部と、当該ビームシュートを前記シュート本体に着脱可能に取り付けるための取付部とを形成し、前記シュート本体
の前記前面基板部の背面及び前記中間基板部の前面には、前記取付部を受け入れ
、前記取付部に係止される係止腕が設けられた受入部を形成し、前記ビームシュートの前記取付部を前記受入部に装着することによって、前記ビームシュートを前記シュート本体に着脱可能に取り付け
、前記ビームシュートは、前記受入部に当接される突起が、端面に突設された対向する一対の立板部と、該立板部の上方を繋ぐ上板部とにより、下向きのコの字形状に形成され、前記立板部の側縁部分により前記取付部を構成し、前記シュート本体の前記受入部には、上方が開放する受入溝を形成し、前記立板部は、前記シュート本体の前記球通路側に対面することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、球均し部材をシュート本体に容易かつ確実に取り付けることが可能になり、球通路内において球が重なり合うことがなく、球を確実に整列させることが可能な球補給シュートを提供することができる。そして、球均し部材の交換もきわめて容易である。
【0016】
また、本発明によれば、ビームシュートを構成する上板部によって、圧縮方向の力に対抗するとともに、立板部の側縁を受入溝に挿入して係止させることにより、引張方向の力に対抗しているので、シュート本体の変形を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
<遊技機島>
図1は、遊技機島の概略を示す説明図である。遊技機島100は、一般に、列設した各遊技機110へ補給するための球を貯留しておく上部タンク120と、この上部タンク120から各遊技機110へ球を補給するための球補給樋200と、遊技者が獲得した球を計数する球計数装置130と、各遊技機110を通過した球および球計数装置130を通過した球を回収する球回収樋140と、この球回収樋140の球を上部タンク120へ揚送する球揚送装置150と、を備えている。また、図示していないが、遊技機110の間には、台間玉貸機やプリペイドカードにより遊技を行なうためのいわゆるCRユニットが配置されることがある。
【0019】
このような遊技機島100は、床部160に設置したフレーム170に、上部タンク120や球補給樋200、あるいは球回収樋140等の諸部材を取り付けて構成してある。なお、図示していないが、フレーム170の上段部分には、幕板が開閉可能に設けてあり、この幕板を閉止して球補給樋200を覆い隠すとともに、保守点検時には幕板を開放して作業する。また、フレーム170の下段部分には、遊技機110を載置する膳板や球回収樋140を覆い隠す腰板が設けてある。一方、フレーム170の左右の端部には、妻板が設けてある。
【0020】
球揚送装置150は、通常、遊技機島100の中央部分に配置してあるが、端部に配置することもある。球揚送装置150は、一般にモータを駆動源として、ベルトやスクリューによって、下方の球を上部タンク120へ揚送する。なお、揚送しながら球を洗浄する機能を合わせ持つ球揚送装置もある。
【0021】
球揚送装置150の上方には、揚送した球を貯留しておくための上部タンク120が設けてある。この上部タンク120には、各遊技機110に球を補給分配するための球補給樋200が接続してある。なお、この球補給樋200は、適宜な傾斜を設けて設置してあり、流下する球を後述する球補給シュート400を介して各遊技機110に分配する。すなわち、球補給シュート400と球補給カウンタ180とをジャバラ190で接続し、球補給カウンタ180から遊技機110の補給タンク111へ球を補給する。
【0022】
<球補給樋>
球補給樋200は、上部タンク120から遊技機島100の端部へ向って緩く下り傾斜するように配設される長尺の部材であり、球が転動流下する底板部211と、この底板部211の側縁から球が溢れ落ちることのないように、側縁から起立する側板部220とを備えている。
【0023】
この球補給樋200は、例えばアルミニウム等の軽量な金属材を使用して、所望形状の底板部211を備える樋本体210を得ている。また、起立状の側板部220は、どのように形成してもよいが、プラスチック製の板材を樋本体210に形成した装着溝に挿入して固定している。
【0024】
側板部220の所望の位置には切欠部221を形成し、この切欠部221に後述する球補給シュート400を取り付ける(
図2参照)。そして、球補給樋200を流下する球が、切欠部221から球補給シュート400を介して各遊技機110に分配される。
【0025】
<球補給シュート>
次に、球補給樋200の所望の位置に形成した切欠部221に取り付けて、球を各遊技機110に分配する球補給シュート400について説明する。この球補給シュート400は、入口部から出口部にかけて球を整列させるための球通路を形成したシュート本体420を備え、球通路には球均し機構を構成する球均し部材500を臨ませている。なお、球通路は一般に流入路411と排出路412と曲折路413とを折り返し状に形成することが多い。
【0026】
ここで、球補給シュート400の外観の一例を
図3および
図4に示す。また、後述する球均し部材500を外した状態のシュート本体420を三方向から観た斜視図を
図5に示す。なお、図示の実施例では、
図6および
図7に示すように、このシュート本体420を、樋側部材430と、中間部材440と、台側部材450と、からなる分割構造としている。また、各部材を、組付爪4713や環状組付受部4714等とからなる組付手段によって組み付けている(
図7、
図14等参照)。
【0027】
次に、球補給シュート400の各部材について説明する。なお、球補給シュート400は、球の流れ方向に向いて球補給樋200の左右両側に取り付けるため、左側に取り付ける球補給シュート400−Lと、右側に取り付ける球補給シュート400−Rとが存在し、両者は球補給樋200を挟んで対称な構造となっている。そこで、本明細書では左側の球補給シュート400−Lについて説明し、球補給シュート400と略記する。
【0028】
図示の実施例における球補給シュート400は、
図6および
図7に示すように、基本的には6つのパートからなる。すなわち、球補給樋200の樋本体210に取り付ける樋側部材430と、遊技台側になる台側部材450と、中間に位置する中間部材440と、所定幅の球通路によって一列に整列させた球をさらに一段に均すための、振子510およびこの振子510を揺動自在に軸支するビームシュート520とからなる球均し部材500と、球通路内における球圧の影響を受けるなど、何らかの原因により競り上がろうとする球を押え込んで一段に整列した状態を保持するための球崩し部材600と、球の補給を停止させる球止め部材700とからなる。
【0029】
樋側部材430は、球の入口部を形成する開口部(球補給樋200に取り付けた場合に球補給樋200の切欠部221に連通する)4311を開設した板状の後方基板部431を中心に構成されている。この後方基板部431には、球通路の一部となる流入路411を形成する傾斜樋底部4312と、入口部側の側壁部を形成する側方壁板部4313と、曲折部側の側壁部を形成する側方傾斜壁板部4314および該側方傾斜壁板部4314の先端から延出する側方平壁板部4314′とが設けてある。また、後方基板部431の下縁には、球補給シュート400を球補給樋200に取り付けるために弾性を有した、止着腕4315が延設してある。
【0030】
後方基板部431には、後述する中間部材440と組み合わされて傾斜状の流入路411を形成する傾斜樋底部4312が棚状に設けてある。また、この傾斜樋底部4312の下流端には、前記した側方傾斜壁板部4314および側方平壁板部4314′の底を形成するように折返底部4316が連設してあり、曲折路413の片半部分となる。さらに、側方壁板部4313や傾斜樋底部4312や側方平壁板部4314′の縁部には、組付手段を形成するための組付爪4713または環状組付受部4714、位置決めボス4715または位置決め孔部4716が適宜に設けてある。
【0031】
中間部材440は、樋側部材430と向き合う板状の部材であり、中間基板部441を備えている。この中間基板部441の一側には、樋側部材430の側方壁板部4313に当接する側方閉止板片4411が設けてある。また、
図7に示すように、中間基板部441の背面には、樋側部材430の傾斜樋底部4312と組み合わされて傾斜状の流入路411を形成する傾斜樋底片4412が棚状に突設してあり、この傾斜樋底片4412には、ゴミ落としのために切欠きが設けてある。
【0032】
中間基板部441の一端部には、円筒形の球出口を形成する排出筒414の片半部分442が形成してある。また、中間基板部441の前面側で、かつ排出筒414の上方には、後述する球崩し部材600が当接する当接部443が球出口の方向へ向う片V字形で棚状に突設してある。さらに、中間基板部441の下縁には、後述する球止め部材700を回動自在に軸着するための軸孔4441を開設した軸受舌片444が突設してあり、軸受部を形成している。なお、この軸孔4441に対応する軸孔4551が後述する台側部材450に設けた軸受舌片455に開設してある。
【0033】
一方、中間基板部441の他端付近の前面側には、後述する球均し部材500を着脱自在に装着するための受入部として装着受入溝482が形成してある。なお、図示の実施例では、板厚を若干薄くした装着凹陥部481が形成してあり、この装着凹陥部481の縁に、前記した装着受入溝482が設けてある。また、装着凹陥部481の下縁には、後述するビームシュート520が下降しないように支えるストッパーとして機能する突条部483が突設してある。
【0034】
なお、図示の実施例においては、中間基板部441の下縁に、排出路412の一部を形成するように傾斜底板445が前面側へ向けて棚状に突設してある。
【0035】
また、台側部材450は、
図6および
図7に示すように、樋側部材430と向き合うとともに、間に中間部材440を挟み込む部材で、平板状の前面基板部451を備えるとともに、この前面基板部451の一端部には、円筒形の球出口を形成する排出筒414の片半部分452が形成してある。一方、前面基板部451の他端部には、球通路の一部となる曲折路413を形成する底部4531および前面傾斜壁板部4532ならびに前面平壁板部4532′が形成してある。これらの前面傾斜壁板部4532および該前面傾斜壁板部4532の先端から延出する前面平壁板部4532′と、前記した側方傾斜壁板部4314および側方平壁板部4314′とが組み合わされて、曲折路413の側壁部分を形成する。
【0036】
さらに、前面基板部451の下縁には、排出路412を形成する底板454が排出筒414へ向うように下り傾斜して棚状に設けてある。加えて、この底板454の先端側には、中間部材440に設けた組付爪4713あるいは位置決め孔部4716に対応する環状組付受部4714および位置決めボス4715等の組付手段が設けてある。
【0037】
そして、前面基板部451の背面には、後述する球均し部材500を着脱自在に装着するための受入部が形成してある。この受入部は、先ず、前面基板部451の一隅に窓部461を開設し、この窓部461の中には、下方から係止腕462を突入させている。係止腕462の先端には、係止段部4621が形成してある。また、この係止腕462は、弾性を備えており、後述する球均し部材500を装着する際に、弾性変形して球均し部材500に設けた取付係合口551に係合することができる。なお、図示の実施例では、窓部461の周辺の肉厚を若干薄くして一段低くなる受入凹陥部4611を形成している。このように形成することによって、球均し部材500の幅を大きくして取付性の向上を図っている。
【0038】
加えて、窓部461の左右の側縁には、球均し部材500の側辺を受け入れる受入溝463が対向状に突設してある。また、窓部461の下縁には、球均し部材500の底辺を支える支持片464が突設してある。すなわち、支持片464は、前記した突条部483と同様に、ビームシュート520の下降を防止するストッパーとして機能している。そして、一対の受入溝463および支持片464も、受入部の一部を構成する。一方、球均し部材500の側辺は、当該球均し部材500をシュート本体420へ取り付けるための取付部を形成する。
【0039】
さらに、前面基板部451と底板454とが交差する角部には、後述する球止め部材700の停止片720が突入する受入開口窓部4541が開設してある。なお、図示の実施例では、この受入開口窓部4541の上流側に、内部の球を確認したり、ゴミを排出したりするための開口窓部4542が開設してある。
【0040】
<球均し機構>
球均し機構を構成する球均し部材500は、上方部分に軸部511を備えるとともに下方部分に重錘512を備える振子510と、断面形状が下向きコの字状のビームシュート520とからなる。このビームシュート520は、振子510の軸部511を受け入れて軸着する軸受部と、シュート本体420に着脱可能に取り付けるための取付部とを備えている。
【0041】
ビームシュート520は、具体的には、
図8に示すように、対向する一対の立板部530と、これらの立板部530の上方を繋ぐ上板部540とにより、下向きのコの字形状に形成してある。各立板部530の下方部分には、後述する振子510の軸部511を受け入れる軸孔531がそれぞれ開設してあり、これらの軸孔531が軸受部を形成している。
【0042】
一方、立板部530の上方部分には、取付部としての取付係合口551を開設する。すなわち、この取付係合口551の中にシュート本体420の係止腕462の係止段部4621が嵌入するとともに、取付係合口551の下縁に係止段部4621の下縁が係合するように構成してある。
【0043】
立板部530の端面には、台側部材450の受入溝463の内面または中間部材440の装着受入溝482の内面に当接する小さな突起571が突設してある。この突起571は、例えば上流側の端面には2箇所に、下流側の端面には1箇所に設けてあり、ビームシュート520を3点で支持することにより、対向する立板部530の間隔と直角方向のガタ付きを防止することが可能となる。なお、4点以上で支持する場合には、突起571の高さに精度が要求されるため、製造に困難が伴い、コストの上昇を招いてしまう。
【0044】
また、
図8に示す実施例では、立板部530の内側面の側縁付近に沿って、リブ572が縦方向に突設してある。このリブ572は、対向する立板部530の間隔方向のガタ付きを防止するためのものである。なお、このリブ572は、立板部530の外側面に設けることもできる。
【0045】
さらに、台側部材450に設けた窓部461の左右の縁には2本の受入溝463が設けてあり、中間部材440の装着凹陥部481の上流側の縁には1本の装着受入溝482が設けてある。これらの受入溝463および装着受入溝482は、ビームシュート520を着脱可能に取り付けるための受入部を構成し、ガタ付きを防止するとともに、製造を容易にする。
【0046】
係止段部4621を有する係止腕462は、台側部材450の窓部461内に1本設けている。これにより、球均し部材500を確実に止着することが可能である。
【0047】
ところで、一対の立板部530の上縁は、上板部540で繋がっている。このため、ビームシュート520をシュート本体420に装着した状態では、上板部540が中間部材440と台側部材450との間の間隔を保持する機能を果すことになる。すなわち、ビームシュート520がシュート本体420の変形を防止する梁の役割を果している。具体的には、上板部540によって、圧縮方向の力に対抗し、立板部530の側縁を受入溝463および装着受入溝482に挿入して係止させることにより、引張方向の力に対抗している。
【0048】
上記した構成により、球均し部材500をシュート本体420に容易かつ確実に取り付けることが可能になる。したがって、球補給シュート400内において、球が重なり合うことがなく、確実に整列させることが可能となり、動作が安定する。しかも、球均し部材500の交換も、きわめて容易になる。
【0049】
一方、振子510は、上方部分に軸部511を備えるとともに下方部分に重錘512を備えている。具体的には、
図9に示すように、上方部分に軸部511を突設するとともに、下方部分に重錘取付部513を設けて水滴型に形成した振子本体514と、前記重錘取付部513に取り付ける重錘512とからなる。
【0050】
重錘取付部513は円筒形に開口する孔部であり、重錘512はこの孔部に取り付ける金属製のおもりである。一方、軸部511は、振子本体514の上端部分に、重錘取付部513が開口する方向と同じ方向に突出している。そこで、この軸部511をビームシュート520の立板部530に開設した軸孔531に挿入して軸支すると、振子510が鉛直方向に安定して垂下することになる。
【0051】
なお、振子510のビームシュート520に対する取り付けは、対向する立板部530の間隔を若干拡げて、振子510の軸部511を立板部530の内側から軸孔531に挿入すればよい。そして、立板部530が復帰すれば、立板部530が振子510の軸部511を両側から支えることになる。
【0052】
このようにして組み立てた振子510とビームシュート520とからなる球均し部材500は、きわめて簡単な作業でシュート本体420に取り付けることができる。具体的には、球均し部材500を、シュート本体420に形成した受入部の上方に臨ませる。すなわち、球均し部材500を、中間部材440の装着受入溝482および台側部材450の受入溝463の上方に臨ませる。次に、立板部530の側縁を受入溝463および装着受入溝482に挿入させる。次いで、立板部530をさらに下降させると、係止腕462が変形し、先端の係止段部4621が立板部530の表面をスライドし、係止段部4621が取付係合口551に嵌入する。そして、係止段部4621の下縁が、取付係合口551の下縁に係合する。一方、前面基板部451に突設した支持片464に立板部530の下縁が当接して、これを支える。
【0053】
したがって、この球均し部材500を、シュート本体420に取り付ける場合は、シュート本体420を変形させる必要がない。すなわち、中間部材440と台側部材450との間隔を拡げる必要がない。このため、取り付けにガタやズレが生じることがない。しかも、従来のように、取付時にシュート本体420を破損する虞れもない。また、開放した上方から作業ができ、シュート本体420の内部に指を入れて作業する必要もない。
【0054】
このようにして、振子510を球通路である排出路412に臨ませると、重なって流下してきた上段の球が振子510に当接する。このとき、振子510には重錘512の重力が掛かっているので、重なった上段の球に押圧されても、この上段の球を押し返して一段に整列させることができる。
【0055】
そして、前記したようにしてビームシュート520に軸着した振子510を備える球均し部材500は、軸部511と軸孔531の軸心が一致した状態でシュート本体420に取り付けることができる。このため、振子510は、軸部511を支点にして円滑に揺動することができる。したがって、球が流下する際に、流下勢の抵抗となることなく、確実に球を整列させることが可能になる。
【0056】
<球止め機構>
次に、
図10ないし
図14を用いて球止め機構について説明する。この球止め機構は、シュート本体420に形成した球通路である排出路412における球の流下を停止させて、球の排出を中止するためのものである。そこで、図示の実施例においては、シュート本体420の排出路412に球止め部材700を設けて構成している。
【0057】
この球止め部材700は、
図13に示すように、一端にシュート本体420に回動自在に軸着するための突出軸710を有するとともに、他端にシュート本体420に設けた受入開口窓部4541から排出路412に突入可能な停止片720を有している。すなわち、シュート本体420である台側部材450に設けた受入開口窓部4541、およびシュート本体420である中間部材440に設けた受入開口窓部4541に、一対の停止片720が突入可能である。また、各停止片720には、両受入開口窓部4541の縁、すなわち、この受入開口窓部4541によって幅狭になった底板454の側縁に係止可能な係止突起721がそれぞれ設けてある。そこで、球止め部材700を上向きに回動させると、停止片720が受入開口窓部4541から排出路412に突入し、この状態を、係止突起721が底板454の縁に係止して保持することになる。
【0058】
具体的には、
図13に示すように、回動杆730の上端に拡径部731を設け、この拡径部731の側面から突出軸710をそれぞれ突設する一方、他端に停止片720を起立状に突設する。なお、図示の実施例では、回動杆730の他端である下半部分を二又に分岐させて、一対の分岐杆740、740を形成し、これらの分岐杆740の先端をほぼ直角に屈曲させて、対向する一対の停止片720、720を形成している。また、回動杆730の中間部分、すなわち、分岐杆740の基端部分には、当該球止め部材700を回動させる際に指を掛ける操作片750が、停止片720の延出方向とは逆方向に突設している。
【0059】
対向する停止片720の両内側面には、排出路412を形成する底板454に開設した受入開口窓部4541の縁に係止する係止突起721が、それぞれ突設してある。この係止突起721は、停止片720の先端側へ向けて緩く傾斜する誘導傾斜面7211と、停止片720の基端側へ向けて急激に傾斜する係止傾斜面7212とを備える山型に形成してある。また、停止片720の先端部分の対向する内側面には、面取したガイド面722がそれぞれ形成してあり、受入開口窓部4541への挿入、すなわち底板454の側縁の受け入れを容易にしている。
【0060】
そこで、球止め部材700を、操作片750に指を掛けてあるいは操作片750を摘んで、突出軸710を支点に上向きに回動させると、一対の停止片720を受入開口窓部4541、4541から排出路412内に突入させることができる。このとき、停止片720が底板454の側縁を通過する際には、分岐杆740が弾性変形して停止片720の間隔が開き、係止突起721の頂点が底板454の側縁を乗り越え、係止傾斜面7212が底板454の側縁に係止することになる。
【0061】
したがって、球止め部材700を上方へ回動させた状態、すなわち停止片720が排出路412に突入した状態を保持することができる。そして、排出路412に突入した停止片720には、排出路412を流下する球が係止する。このため、排出路412における球の流下を停止させることができ、球の補給を中止することができる。このとき、図示の実施例では、一対の停止片720が球の周面を2点で支えるので、球が側方へ逃げることがなく、球の流下を確実に停止させることができる。なお、球止め部材700を上方へ回動させるときに、操作片750を用いることなく、停止片720の基端あるいは分岐杆740の先端を上方へ向けて直接押圧するようにしてもよい。
【0062】
このような球止め部材700によれば、簡単な操作で確実に球の補給を中止することができる。すなわち、球止め部材700を突出軸710を支点に回動させるという単純な操作により、停止片720を球通路としての排出路412内に突入させることができ、停止片720の突入位置は常に一定である。したがって、停止片720を突入させる位置を捜す必要がない。このため、遊技機島100内の暗がりであっても、停止片720を確実に球通路である排出路412に突入させることができ、確実に球の補給を中止することができる。
【0063】
しかも、球止め部材700を上向きに回動させる操作のみにより、停止片720を球通路である排出路412へ突入させている。すなわち、球補給シュート400の下側から操作することができるので、例えば小柄な女性従業員であっても、容易に操作することができる。
【0064】
そして、球止め部材700の停止片720が左右に振れることもないので、操作時に、これらを破損する恐れがない。また、球と球の間に停止片720を挿入させるために形成する挿入傾斜面723を、停止片720の下流側端面に設け、上流側端面を鉛直面としている。このため、傾斜面に球圧が加わった場合には、この傾斜によって球が傾斜方向へ誘導されることがあるが、この球止め部材700によれば、球圧によって球が上方に誘導されて停止片720の上端を乗り越える恐れがない。
【0065】
<球崩し機構>
排出筒414が形成する排出口の上方には、球崩し機構を構成する球崩し部材600が揺動自在に臨んでいる。この球崩し部材600は、
図6および
図7、あるいは
図10ないし
図12に示すように、膨出状の頭部610と先細状の脚部620とを備え、脚部620の先端付近に設けた揺動軸630によって、揺動自在に支えられている。すなわち、球崩し部材600は、揺動軸630の両端を、中間部材440に設けた軸孔4413と、台側部材450に設けた軸受腕片456の軸孔4561とに挿入して軸着されている。そして、通常は、脚部620の下面640において、揺動軸630よりも上流側の部分が中間基板部441に設けた当接部443の上流側先端面4431に当接して、底板454に対して所定の傾斜角度を維持している。
【0066】
一方、予想外の球圧がかかり、球均し部材500で一段に整列されなかった場合には、盛り上がった球が球崩し部材600を上方へ押し上げるため、当該球崩し部材600の頭部610側が上向きに回動する。ところが、球崩し部材600は、直ぐに脚部620の下流側の下面640が排出筒414を形成する片半部分442の上端面4422に当接するため、それ以上回動することができずに、盛り上がった球を押し戻すことになる。このとき、下段で整列している球は、順番に排出筒414から排出されて流れているので、押し戻された球は流れに合流することができる。したがって、再び、球を一段に整列させて、排出口から排出することができる。
【0067】
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、シュート本体を三分割構造としているが、一体に形成してもよいし、さらに細分化した構造としてもよい。また、組付爪や環状組付受部等の組付手段によって各部材を組み付けているが、ねじ止めや接着等、他の固定手段によって組み立てるようにしてもよい。