【実施例1】
【0019】
実施例1に係る切断可能な照明装置につき、
図1から
図6を参照して説明する。
【0020】
図1の符号1は、本発明が適用された切断可能な照明装置の外観図である。この切断可能な照明装置1は、複数の発光体11を有する複数のユニット50A〜50Fが備えられ、複数のユニット全体を折り曲げ可能な樹脂等で一体的に覆う表皮付の絶縁チューブ80を備えている。ユニット50A〜50Fのそれぞれは、複数の発光体11を備えており、複数のユニットが連続して接続されている。ユニットの構成については後述する。ユニット50と、隣接するユニット50間が、切断可能線76の部分で切断可能となっている。表皮付の絶縁チューブ80の外周には、切断可能な部分が目視可能なように目印となる切断可能線76が付されている。切断可能な照明装置1は、主に建築物や植物などの外面に這わせるように配置して、複数の発光体11を点灯させて、発光体の発光により装飾を行うイルミネーション装置であり、表皮付の絶縁チューブ80を自由に折り曲げて、自由な形状にして装飾させることができる。切断可能な照明装置1は、必要な長さ分のユニットを残し、不要なユニットを切断して利用することができ、また、複数の発光体が切れた場合には、その発光体があるユニットを切断して取り除くことができる。
【0021】
図1に示すように、照明装置1は、その一方側の端部にコンセント等に差し込むための差込プラグ73が設けられている。差込プラグ73から延設される電力線77には、整流器72が設けられている。整流器72は、交流電力を直流電力に変換(整流)する電力変換装置であり、コンセントを介して供給される交流電力を、発光体を駆動させるための直流電力に変換する。
【0022】
この整流器72から延設される直流電力線78は、アダプタ71を介して、表皮付の絶縁チューブ80に接続される。直流電力線78は、内部に電源用電線20Aと電源用電線20Bの二本の電源用電線を備え、一方が正極線で他方がグランド線である。直流電力線78は、ユニット50の二本の電源用電線にそれぞれ接続され、各ユニット50A〜ユニット50Fに電力が供給され、内部の複数の発光体11が発光し、点灯する。必要に応じてマルチバイブレータ回路等を備えて発光体11を点滅させることや、タイマー回路等を備えて点灯時間を制御することができる。
【0023】
また、照明装置1の他方側の端部には、カバー74が設けられている。このカバー74は、切断されたユニット50の端部を保護するものであり、樹脂などの弾性変形可能な絶縁体によりユニット50の端部を覆うように、また、ユニット50の表皮付の絶縁チューブ80を挿入できるように構成されている。カバー74には、表皮付の絶縁チューブ80の外周にねじ溝又はねじ山を設ける場合には、それに係合するようなねじ山又はねじ溝をカバー74の内部に備えてもよい。また、カバー74の代わりに、後述するような連結アダプタ75を装着することで、ユニット50を、他のユニット50や他の照明装置1に接続させるようにすることができる。アダプタ71の構成も、直流電力線78内の二本の電源用電線の接続端子をさらに備えるだけで、材質等はカバー74と同じように構成できる。
【0024】
次に、ユニット50の構成を説明する。
図2に、本発明における切断可能な照明装置のユニットの構成を示す説明図を示す。切断可能な照明装置1の複数のユニット50A〜50Fの構成は、それぞれ同じである。ユニット50は、二本の電源用電線20A・20Bにそれぞれ接続され、ユニット50と、隣接するユニット50間が切断可能となっている。発光体11としては、LEDや電球を用いることができ、一つのユニット50には、少なくとも四つの発光体11を備えていればよいが、必要に応じて発光体11の数を増やしてもよい。
【0025】
ユニット50は、複数の発光体11が並列に接続された複数の発光体群60A〜60Hを備える。本実施例においては、二つの発光体11を並列に接続させて発光体群を構成しているが、三つ以上の発光体11を並列に接続させて発光体群60を構成してもよい。二つ以上の発光体11を並列に接続させておくことで、並列に接続されているいずれかの発光体が切れて発光しなくなっても、他の発光体11は発光することができ、また、この他の発光体を介して隣接する発光体群に電流が流れ、他の発光体群の発光体を発光させることができる。
【0026】
発光体群60Aは、発光体群60Bに直列に接続され、同様に、発光体群60どおしが直列に接続される。直列に接続された端に位置する発光体群60Aが二本の電源用電線の一方(
図2においては電源用電線20A)に接続され、直列に接続された他端に位置する発光体群60Hが二本の電源用電線の他方(
図2においては電源用電線20B)に接続される。また、各ユニットに流れる電流値を調整するために、抵抗30をユニットの発光体群に直列に接続することができる。
図2においては、抵抗30Aを、直列に接続された端に位置する発光体群60Aと電源用電線20Aとの間に接続している。抵抗30Aにより、電流量が制御され、直列に接続されている発光体群60A〜60Hに調整された電流量の電流が供給される。
【0027】
また、発光体群60Aの複数の発光体11A、発光体11Bが並列に接続された接続点と、発光体群60Aと発光体群60Bが直列に接続された接続点とを同じ接続点12Aとしている。発光体群60Bも、複数の発光体11C、発光体11Dが並列に接続された接続点を有しており、この接続点を、発光体群60Aと発光体群60Bが直列に接続された接続点と同じ接続点12Aとしている。すなわち、接続点12Aで、発光体11A、発光体11B、発光体11C、発光体11Dの四つの発光体を、一箇所で接続することができるとともに、四つの発光体の端子又は接続線をはんだ付け等で接続することで、一度の作業で接続を行え、また、接続強度も増すことができる。これにより、発光体をそれぞれ接続する際に、発光体を並列に接続させた(並列接続作業を二度行った)後に直列に接続すると、接続作業が三度必要になるのを、一度に四つの発光体の端子を一箇所で接続するだけで、簡単に接続作業を行うことができる。さらに、接続点を減らすことができるので、接触不良が起こりやすい箇所を削減することができ、接触不良を起こしにくくすることができる。
【0028】
また、三つ以上の発光体11を並列に接続させておく場合には、隣接する二つの発光体群の発光体どおしをすべて一箇所の接続点で接続させれば、接続作業がより簡単で、接触不良が起こりやすい箇所を削減することができ、接触不良を起こしにくくすることができる。
【0029】
他の接続点12B〜12Gについても同様に接続させて、
図2に示す例では発光体群60A〜発光体群60Hまでを一つのユニットとしている。ユニット内の発光体群60の数は、二つ以上にすることができる。
切断可能な部分(切断可能線76Bにより示す)は、隣接するユニット50Cの直列に接続された端に位置する発光体群60Jの二本の電源用電線の一方(
図2においては電源用電線20A)の接続点63Aと、当該ユニット50Cに隣接するユニット50Aの直列に接続された他端に位置する発光体群60Hの二本の電源用電線の他方(
図2においては電源用電線20B)の接続点62Bとの間となる。これにより、各ユニットは、二本の電源用電線にそれぞれ接続されるので、他のユニットが切断されても、他のユニットの影響を受けずに電力が供給され、発光体を発光させることができる。
【0030】
次に、切断可能な照明装置1の製造方法を説明する。
図3〜
図5に、本発明における切断可能な照明装置の製造方法を示す説明図を示す。
【0031】
製造工程は、(1)〜(4)までの工程があり、
図3に、工程(1)における説明図(a)と、工程(2)における説明図(b)を示し、
図4に、工程(3)における説明図(a)と、工程(4)における説明図(b)を示す。また、
図5に、工程(2)における変形例を説明図(a)、(b)として示す。
図3〜
図5では、図面左側に、各工程において製造する絶縁チューブ90を長手方向側面から見た場合を模式的に示した側面図を示し、図面右側に、各工程において製造する絶縁チューブ90の切断線A−A〜F−Fで切断した場合を模式的に示した円形断面図を示している。
【0032】
(1)
図3に、工程(1)における説明図(a)を示すように、まず、芯となる絶縁チューブ90を製造する。絶縁チューブ90は、折り曲げ可能な中実の管状のチューブであり、熱可塑性の樹脂であるパラフィンやポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)等の材質で形成され、適切な溶融温度、例えば45〜90℃で溶融され、溶融温度以下で固化された状態で、折り曲げ可能となるような軟性を有する材質となっている。絶縁チューブ90を形成するための管状の型内に、等間隔に平行に、2本の電源用電線20A・20Bを配置し、まわりにPVCを適切な溶融温度で溶かして流しいれ、絶縁チューブ90を作成する。なお、
図3〜
図5の側面図においては、模式的に、電源用電線20A・20Bを上下に配置しているが、断面図に示すように、電源用電線20A・20Bが並行に並ぶように、配置する。電源用電線20A・20Bの配置位置は、後で、発光体の接続線と接続する場合に、部分的に絶縁チューブ90の樹脂を剥いで電源用電線20A・20Bをむき出しにして接続するため、むき出し作業が容易となるように、絶縁チューブ90の外周縁に近い部分か、配線用溝に近い部分に配置することが望ましい。また、実際に、配置する場合には、電源用電線20A・20Bのそれぞれが絶縁チューブで周囲を被覆されて絶縁されていれば、並行に並んでいなくともよい。これにより、電源用電線20A・20Bのそれぞれを簡単に絶縁させることができる。
この工程により、電源用電線20A・20Bが配置された絶縁チューブ90が形成される。絶縁チューブ90の長さは、所定のユニット数に応じて適宜設定することができる。例えば、1ユニットの長さを1メートルとした場合には、100ユニットの切断可能な照明装置1を作成する場合には、100メートルの長さで形成しておく。
【0033】
(2)つぎに、工程(1)で製造した絶縁チューブ90に、発光体11を入れるための発光体用穴10を所定の間隔で開ける。発光体用穴10は、
図3(b)に示すように、絶縁チューブ90の外周に貫通するような貫通孔でもよいし、貫通しないように底を有した穴でもよい。発光体用穴10は、挿入する発光体11のLED等の形状に合わせ、円柱状や角柱状などの形状にしておく。発光体の寸法より少し小さめにした寸法の穴にしておくことで、内部の発光体用穴10に発光体11を装着したときに、絶縁チューブ90の弾性により動かないように保持しておくことができる。
【0034】
また、
図3(b)に示すように、絶縁チューブ90の外周の長手方向に沿って、発光体11を接続させるための配線用溝40、41を、絶縁チューブ90の外周を彫ることで形成する。配線用溝は、絶縁チューブ90の外周の異なる位置に二つ形成する。
図3(b)においては、絶縁チューブを側面から見ているので、配線用溝40、41は、重なった位置に図示されているが、断面図に示すように、絶縁チューブの図面上左右両側の位置にそれぞれ配置されている。配線用溝40、41は、後述するように、絶縁チューブ90の長手方向に配置される発光体11を一つおきに接続させた接続線の一部を、それぞれ装着するための二条の溝であり、絶縁チューブ90の外周から、挿入する接続線の太さに合わせ、円柱状や角柱状などの形状にしておく。接続線の径寸法より少し小さめにした幅の溝にしておくことで、配線用溝40、41に接続線を装着したときに、絶縁チューブ90の弾性により動かないように保持しておくことができる。また、配線用溝40と配線用溝41とを貫通するような貫通孔として、一つ設け、絶縁チューブの図面上左右両側から、それぞれ接続線を装着させるようにしてもよい。また、配線用溝40と配線用溝41とは、異なる位置に設ければよく、必ずしも左右対称な位置に設けなくてもよい。
【0035】
また、発光体用穴と配線用溝の構成は、さまざまなバリエーションが考えられるが、発光体及び接続線を装着・保持し易いような配置位置と寸法にしておくことができる。
例えば、
図5(a)及び(b)に示すように、絶縁チューブ90の外周の長手方向に沿って、発光体11を接続させるための配線用溝43を、絶縁チューブ90を削って形成する。配線用溝43は、絶縁チューブ90外周部分の配線挿入口は、通常、絶縁チューブの外周が閉じるような狭い寸法にしておき、接続線を挿入する際に手で配線挿入口を広げながら接続線を挿入し、挿入後は、配線挿入口が閉じるようにしておくことができる。配線用溝43は、絶縁チューブ90の長手方向に沿って、管状に形成しておく。さらに、その配線用溝43の一部に連通させて、発光体用穴10Bを所定の間隔で形成しておく。発光体用穴10Bは、横向きに発光体11を配置することができるような形状としておく。配線用溝43の配線挿入口から発光体11を挿入することができる。
【0036】
また、
図5(b)に示すように、絶縁チューブ90の外周の長手方向に沿って、発光体11を接続させるための配線用溝44を、絶縁チューブ90を管状に削って形成するようにしてもよい。配線用溝44の配線挿入口は、
図5(a)と同様にしておくことができる。さらに、その配線用溝44の一部に連通させて、発光体用穴10Cを所定の間隔で形成しておく。発光体用穴10Cは、縦向きに発光体11を配置することができるような形状としておく。発光体用穴10Cは、貫通孔としてもよいし、図面上の絶縁チューブ上部の部分が閉じた穴として形成しておき、配線用溝44の配線挿入口から発光体を挿入するようにしてもよい。
【0037】
このようにして、絶縁チューブ90に複数の発光体用穴10と配線用溝とを形成する。配線用溝40、41、43、44を、絶縁チューブ90に管状に、空間として形成しておくため、配線用溝に接続線を配線することで、配線用溝内では、接続線が、しなって絶縁チューブの長手方向と溝の幅方向および深さ方向とに動くことが可能な空間があるので、切断可能な照明装置を折り曲げたときに、接続線が折り曲げに応じてしなりやすく曲げやすくなるので、切断可能な照明装置の折り曲げが容易になる。配線用溝40、配線用溝41の場合には、接続線を二つに分けるので、配線用溝43、44より空間を狭くすることができ、溝内の空間で接続線が保持されやすく、接続線を空間内で偏りにくくすることができる。
【0038】
(3)つぎに、工程(2)で製造した絶縁チューブ90に、前述したユニット50の構成に示したような、複数の発光体群60A〜60Hを備えるユニット50の複数の発光体11とその接続線を、それぞれ装着する。ユニット50の複数の発光体11とそれらの接続は、前述したような構成で事前に配線しておく。発光体11どうしを接続した接続線の長さは、あらかじめユニットの発光体用穴10の所定間隔にあわせて、所定の長さとしておく。また、配線用溝40、41に各発光体間を接続する接続線を配置するので、絶縁チューブの外周に引き回しが可能なように、その接続線の長さは、あらかじめ十分な長さを確保しておくようにしてもよい。
【0039】
ユニット50の複数の発光体群60の複数の発光体11のそれぞれを、複数の発光体用穴10Aに挿入し、配線用溝40、41に、発光体11を接続した接続線の一部をそれぞれを配置する。
【0040】
具体的には、発光体群60の並列に接続された複数の発光体11A、発光体11Bは、絶縁チューブの発光体用穴10Aに順番に一つずつ配置することで、一列に並べることができる。例えば、
図4(a)に示すように、発光体11の配置は、発光体11A、発光体11B、発光体11C、発光体11D・・・のように、発光体群60Aの並列に接続された発光体11A、発光体11Bを配置し、次に発光体群60Bの発光体11C、発光体11Dを配置し、同様に、他の発光体群の発光体も配置する。その場合、絶縁チューブ90の長手方向に配置される発光体を一つおきに接続させた接続線の一部を、二つの配線用溝40、41に、それぞれ装着する。
図4(a)に示すように、発光体11Aの端子に接続される接続線13B(端子が長い場合には、接続線を用いずに、端子どおしを直接接続させてもよい)は、一つおいた発光体11Cの端子に接続される接続線13Eと、接続点12Aで接続されており、さらに、発光体11Cの他の端子に接続される接続線13Fは、一つおいた発光体11Eの端子に接続される接続線13Iと、接続点12Bで接続されており、さらに、発光体11Eの他の端子に接続される接続線13Jは、一つおいた発光体11Gの端子に接続される接続線13Mと、接続点12Cで接続されている。これらの接続点は、前述したように、四つの接続線が一度の接続作業で接続されている。これらの接続線13B、接続線13E、接続線13F、接続線13I、接続線13J、接続線13M及び接続線Nの一部は、直列に接続された発光体の接続線として配線用溝41に挿入されて、接続線が保持される。すなわち、これらの一つおきの発光体は、直列に接続されており、これらの直列に接続された接続線(
図4(a)及び(b)においては、実線で示す接続線)が、配線用溝41に挿入されて、接続線が保持される。なお、
図4(a)及び(b)の側面図及び断面図においては、模式的に示しているので、並行する接続線を側面図上で上下に示し、側面図上の配線用溝40、41の幅も、断面図の幅より広げて、接続線が内部に配置されていることを明示している。
同様に、
図4(a)に示すように、発光体11Bの端子に接続される接続線13Dは、一つおいた発光体11Dの端子に接続される接続線13Gと、接続点12Aで接続されており、さらに、発光体11Dの他の端子に接続される接続線13Hは、一つおいた発光体11Fの端子に接続される接続線13Kと、接続点12Bで接続されており、さらに、発光体11Fの他の端子に接続される接続線13Lは、一つおいた発光体11Hの端子に接続される接続線13Oと、接続点12Cで接続されている。これらの接続線13C、接続線13D、接続線13G、接続線13H、接続線13K及び接続線13Lの一部は、直列に接続された発光体の接続線として配線用溝41に挿入されて、接続線が保持される。すなわち、これらの一つおきの発光体は、直列に接続されており、これらの直列に接続された接続線(
図4(a)及び(b)においては、破線で示す接続線)が、配線用溝40に挿入されて、接続線が保持される。発光体群の並列に接続された複数の発光体を一つずつ一列に並べ、その一列の端に位置する発光体の隣には、隣接する発光体群の並列に接続された複数の発光体を一つずつ一列に並べていく場合ことで、発光体群を一つの纏まりとして一列に配線するため、発光体間を接続する接続線を、最短の長さで配線させることができる。また、発光体を一つおきに接続させた接続線は、直列に接続される配線となるので、発光体間を接続する接続線を、最短の長さで配線させることができる。
このように、ユニット内の直列に接続された発光体の接続線の一部は、配線用溝41に挿入されて、接続線が保持される。また、その発光体のそれぞれに並列関係にある、直列に接続された発光体の接続線の一部は、配線用溝40に挿入されて、接続線が保持される。この場合、
図4(a)の断面図に示すように、発光体の接続線が、発光体用穴10の絶縁チューブ90の外周部分から、配線用溝までの間は、絶縁チューブ90の外周に沿って接続線が引き回される。接続線の長さは、この引き回しを考慮して調整されている。また、直列に接続された発光体の各接続線(実線と破線)は、接続点においては、互いに接続されているので、各接続線の一部を配線用溝41と配線用溝40とに保持させるために、配線用溝41から配線用溝40まで、絶縁チューブ90の外周に沿って引き回して配線を行う。その引き回しの長さ分を考慮して、接続線を長くしておく。接続点の部分は、いずれかの配線用溝内に配置されるようにしてもよいし、絶縁チューブ90の外周部分に配置してもよい。さらに、後述するように、表皮付の絶縁チューブ80で、絶縁チューブ90及び接続線の外側を覆って保護する。絶縁チューブ90の外周に沿って引き回しされた配線を表皮付の絶縁チューブ80の樹脂で固めることで、配線が移動することなく、固定され、配線がずれることがないので、接触不良を起こしにくくすることができる。
【0041】
このようにして、発光体が発光体用穴10にそれぞれ挿入され、接続線の一部が配線用溝40、41にそれぞれ挿入される。この場合、ユニット内の直列に接続された発光体の接続線と、その発光体のそれぞれに並列関係にある、直列に接続された発光体の接続線とを、別々の配線用溝40と配線用溝41とに配置するので、接続線が適度に保持され、接続線どうしが絡みづらく、接続線の引き回し作業が簡単になるという効果がある。
【0042】
また、
図5(a)又は
図5(b)に示すように、配線用溝が一つの場合には、発光体11をそれぞれ発光体用穴10に挿入し、接続線をまとめて配線用溝に収納すれば、配置作業が簡単になる。
【0043】
その後、直列に接続された端に位置する発光体群60Aを、絶縁チューブ90の一部を剥いで電源用電線20Aに接続し、直列に接続された他端に位置する発光体群60Dを、絶縁チューブ90の一部を剥いで電源用電線20Bに接続して一つのユニットの配置が完了する。
【0044】
なお、電源用電線20への接続は、発光体及び接続線を発光体穴と配線用溝に配置する前でもよい。
【0045】
他のユニットについても同様に発光体と接続線を配置して、電源用電線に接続させ、すべてのユニットを配置する。
【0046】
この段階で、すべてのユニットが配置された絶縁チューブの電源用電線を、整流器72を介して電源コンセントに接続して、発光体11の点灯試験を行う。発光体が切れていれば、この段階で交換しておき、すべての発光体が点灯することを確認する試験を行う。
【0047】
(4)その後、すべてのユニットが配置された絶縁チューブ90の外周を、絶縁材でさらに被覆する。この工程では、絶縁チューブ90のまわりにPVCを適切な溶融温度で溶かして流しいれ、絶縁チューブ90に表皮の絶縁材を被せ、表皮付の絶縁チューブ80とする。その後、表皮付の絶縁チューブ80は水で冷却される。クリア色の切断可能な照明装置(チューブライト)の場合には、透明なPVCの表皮を被せる。また、PVC自体を着色しておくこともできる。例えば、PVC自体を赤で着色しておくことで、赤のチューブライトを製造することができる。
【0048】
その後、目視でのチェックを経て、表皮付の絶縁チューブ80の表面へ、カットマーク等の切断可能線76の印字をする。
【0049】
表皮付の絶縁チューブ80は、例えば、100メートル分の長さを1ロット(1ユニット1メートルとした場合、100ユニットが1ロット)として製造しておくことで、ロープ状に巻いておき、販売時又は使用時に、必要な長さに切断し、前述したカバー74と、アダプタ71、整流器72及び差込プラグ73とを装着することで、使用することが可能である。
【0050】
また、
図6に示すような、連結アダプタ75を用意しておくことで、切断したユニットと、ユニットとを接続することができる。
【0051】
連結アダプタ75は、切断されたユニット50の端部を保護するとともに他のユニット50に接続されるようになっており、樹脂などの弾性変形可能な絶縁体によりユニット50の端部を覆うように装着できる装着部751Aと751Bを両側に有し、装着部751Aと751Bの間に、電源用電線20Aと電源用電線20Bの二本の電源用電線にそれぞれ接続する二つの端子を備える接続部752を有する。装着部751Aにユニット50Aの端部が差し込まれ、装着部751Bに他のユニット50の端部が差し込まれ、接続部752の一つの端子により、ユニット50の電源用電線20Aが、他のユニット50の電源用電線20Aと接続され、接続部752の他の端子により、ユニット50の電源用電線20Bが、他のユニット50の電源用電線20Bと接続される。接続部752により、その両側の電源用電線がそれぞれ接続され、両側のユニットの電源が接続される。これにより、複数のユニット50を連結アダプタ75で連結して使用することができる。連結アダプタ75の装着部751は、前述したカバー74と同様な構成で、表皮付の絶縁チューブ80の外周にねじ溝又はねじ山を設ける場合には、それに係合するようなねじ山又はねじ溝を装着部751の内部に備えてもよい。これによりねじ溝とねじ山が係合して、強固に接続することができる。また、装着部751Aと751Bとを、接続部752から取り外せるような構成にしてもよい。この場合、ユニット50Aの端部が差し込まれた装着部751Aを、接続部752に取り付け、他のユニット50の端部が差し込まれた装着部751Bを、接続部752に取り付け、接続部752により、その両側の電源用電線がそれぞれ接続され、両側のユニットの電源が接続されるようにする。
【0052】
この連結アダプタ75により、ユニットどうしの接続が可能となり、切断したユニットを接続することで、必要な長さに相当する複数のユニットを接続して使用することができる。
【0053】
本実施例によれば、ユニットは、複数の発光体が並列に接続された発光体群を複数備えているので、発光体群の発光体の一つが切れて発光しなくなっても、発光体群の他の並列に接続された発光体は発光することができる。また、ユニットは、複数の発光体群が直列に接続され、直列に接続された端に位置する発光体群が前記二本の電源用電線の一方に接続され、直列に接続された他端に位置する発光体群が前記二本の電源用電線の他方に接続されている直列に接続されるので、発光体群の発光体の一つが切れて発光しなくなっても、他の並列に接続された発光体を介して電流が流れるので、隣接する発光体群や、他の発光体群には影響を与えることなく、他の発光体群のすべての発光体を発光させ続けることができる。さらに、他のユニットについても、それぞれ、同様の構成になっているので、切れた発光体を有するユニット以外の、他のユニットについても影響を与えることなく、すべての発光体を発光させ続けることができる。
従って、ユニット中の発光体の一つが切れても、ユニット内の切れた発光体以外の発光体は、引き続き発光させ続けることができ、さらに、他のユニットのすべての発光体を発光させ続けることができる。また、ユニット間で切断が可能であるので、ユニット中の発光体が複数切れた場合や、長さ調節を行いたい場合には、不要となったユニットを切断することができる。また、連結アダプタ75を介して、複数のユニットを接続することで、長さ調節を行うことができる。
【0054】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0055】
例えば、前記実施例では、樹脂材に熱可塑性の樹脂であるPVC等の材質が用いられているが、シリコン等を用いて、単に発光体及び接続線を被覆するようにしてもよい。また、被覆する材質は、絶縁材であれば、熱可塑性の樹脂でなくてもよい。さらに、あらかじめ長手方向に2分割した形状の絶縁材を作成後、絶縁材の2分割した一方側に発光体及び接続線を配置し、絶縁材の他側から包み込むようにして構成してもよい。
【0056】
また、絶縁材による被覆した場合の形状も、円管状のチューブに限らず、角型や発光体の形状に合わせた形にできる。さらに、発光体と接続線とを別々に絶縁材で被覆するようにしてもよい。例えば、発光体の部分は、発光体一つ一つを球状、角型または円筒状等にして絶縁材で被覆しおき、接続線の部分は、接続線に沿った形で被覆するようにしてもよい。また、接続線の一本一本が絶縁被覆されている場合には、接続線の部分は、絶縁材で被覆しないようにしてもよい。
【0057】
前記実施例では、絶縁材で被覆する場合を示しているが、絶縁材で被覆せず、前述した、
図2に示すような発光体どおしの配線だけのユニットとしてもよい。この場合は、絶縁材で被覆していないので、発光体の光が、絶縁材を介さずにそのまま放射されるので、より明るいイルミネーションを構成できる。この場合も、接続線の一本一本は、絶縁被覆しておいてもよい。
【0058】
また、前記実施例では、二つの発光体11を並列に接続させて発光体群を構成しているが、三つ以上の発光体11を並列に接続させて発光体群60を構成する場合には、配線用溝40、41は、並列接続する数に応じて、3条以上の溝を形成するようにしてもよい。