(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5900955
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】電子機器ユニット及びその防塵方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20160324BHJP
【FI】
G06F3/02 310A
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-55663(P2012-55663)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-190917(P2013-190917A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
【審査官】
西田 聡子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−035585(JP,A)
【文献】
特開2007−079835(JP,A)
【文献】
特開昭58−176837(JP,A)
【文献】
特開2000−231424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載した冷却ファンによって取り込んだ冷却用の空気を、排気接続孔を介して外部に排気する電子機器と、
前記排気接続孔と接続され、前記排気接続孔から排出される排気を、キーボードの吸気接続孔に引き込む排気ケーブルと、
前記排気ケーブルと、前記吸気接続孔を介して接続され、前記キーボードのフレーム内に取り入れた排気を、キートップの周囲から排出するキーボードと、を有する電子機器ユニット。
【請求項2】
前記排気ケーブルは、前記電子機器と、前記キーボードとを通信可能に接続する、通信コードと一体化されている、請求項1記載の電子機器ユニット。
【請求項3】
前記排気ケーブルは、
前記電子機器の排気接続孔と接続される、排気接続端子と、
前記キーボードの吸気接続孔と接続される、吸気接続端子と、
前記排気接続端子から取り入れた排気を、前記吸気接続端子を介して前記キーボードのフレーム内に取り入れるための排気管と、を有し、
前記通信コードは、
前記電子機器と電気的に接続するための電子機器接続端子と、
前記キーボードと電気的に接続するためのキーボード接続端子と、を有し、
前記排気管及び前記通信コードは、前記排気接続端子及び前記電子機器接続端子と、前記吸気接続端子及び前記キーボード接続端子とが、それぞれ前記電子機器及び前記キーボードに接続可能であるように、二股に分かれて構成されている、請求項2記載の電子機器ユニット。
【請求項4】
外部から冷却ファンによって電子機器の内部に冷却用の空気を取り込み、
前記取り込んだ空気を、前記電子機器に接続された排気ケーブルを介して、キーボードのフレーム内に取り入れ、
前記キーボードのフレーム内に取り入れた空気を、キートップの周囲から排出する、電子機器ユニットの防塵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器ユニット及びその防塵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、キートップとキートップとの隙間に自然に蓄積する埃や、汚れに気づいて拭き取った際に隙間に落ちる埃などが溜まりやすい。また、キートップとキートップとの間は凹型になっている為、クリーニングしにくいのが現状である。また、キーボードにほこりが溜まることにより、接触不良の原因になる恐れがある。
【0003】
特許文献1には、ファンを有するキーボードが記載されている。特許文献1に記載の技術では、ファンによりキーボードの筐体内部を加圧状態にして、埃等の侵入を防止するとともに、キーボード筐体内部から、キーボードの隙間を介して外部に送風されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−79835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、キーボードにファンを設けるため、キーボードが大型化してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、キーボードの大きさは変更せず、かつ防塵機能を有する電子機器ユニット及びその防塵方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる電子機器ユニットは、取り込んだ空気を、排気孔を介して外部に排気する電子機器と、排気孔と接続され、排気孔から排出される排気を、キーボードの吸気孔に引き込む排気ケーブルと、排気ケーブルと、吸気孔を介して接続され、キーボードのフレーム内に取り入れた排気を、キートップの周囲から排出するキーボードと、を有するものである。
【0008】
本発明にかかる電子機器ユニットの防塵方法は、外部から電子機器の内部に空気を取り込み、取り込んだ空気を、電子機器に接続された排気ケーブルを介して、キーボードのフレーム内に取り入れ、キーボードのフレーム内に取り入れた空気を、キートップの周囲から排出するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キーボードの大きさは変更せず、かつ防塵機能を有する電子機器ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態にかかる電子機器ユニットを示す図である。
【
図2】実施の形態にかかる排気ケーブルが、通信コードを有する場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる電子機器ユニット1を示す図である。電子機器ユニット1は、電子機器10と、電子機器10と排気接続孔103を介して接続された排気ケーブル11と、排気ケーブルに吸気接続孔121を介して接続されたキーボード12と、ディスプレイ20とを有する。
【0012】
電子機器10は、一般的ないわゆるデスクトップコンピュータであって、所定の機能を実現するための処理装置等を有する。さらに、電子機器10は、筐体100と、筐体100に形成された、外部から空気を取り入れるための吸気孔101と、筐体100内に搭載され、外部から吸気孔101を介して筐体100の内部に取り込み、処理装置等を冷却するための冷却ファン102と、筐体100に形成され、吸気孔101から取り込んだ空気を、排気ケーブル11を介して外部に排出するための排気接続孔103とを有する。
【0013】
排気ケーブル11は、筐体100の排気接続孔103と接続するための排気接続端子111と、キーボード12の吸気接続孔121と接続するための吸気接続端子112と、排気接続端子111と吸気接続端子112とに接続された、排気が通過可能な管である、排気管113とを有する。
【0014】
キーボード12は、排気ケーブル11と接続するための吸気接続孔121と、複数のキートップ122とを有する。吸気接続孔121は、キーボード12のフレーム内部に排気を取り入れ、キートップ122の周囲から排気する。
【0015】
キーボード12は、キートップ122の周囲の溝から排気するため、キーボード12の溝に埃がたまりにくい。
【0016】
実施の形態においては、冷却ファン102により取り込まれた空気は、排気接続孔103を介して排気ケーブル11の排気管113に排出され、排気管113を通った排気は、吸気接続孔121からキーボード12のフレーム内部に取り入れられる。キーボード12の内部に取り入れられた排気は、キートップ122の周囲から排出される。
【0017】
これにより、キーボード12のキートップ122の周囲は、キーボード12のフレーム内部から風が吹き出す構成となり、キートップ122の周囲の溝に埃がたまることを防止することができる。
【0018】
また、本実施の形態においては、筐体100の排気を利用するため、キーボード12にファン等を設ける必要がなく、一般のキーボードと比較して、大型化することがない。
【0019】
埃等の汚れがキートップ122の周囲の隙間に蓄積しにくいので、キーボード12のクリーニングが不要になり、キーボード12の接触不良等のトラブルが減る。例えば、公共の場にあるキーボード12に本実施の形態を適用すれば、公共の場にあるキーボード12の定期的なクリーニングを減らすことができる。
【0020】
なお、排気ケーブル11は、さらに、筐体100と、キーボード12とを電気的に接続するための通信コードと一体化された構成としてもよい。
図2は、排気ケーブル11が、通信コード116と一体化された場合を示す図である。
【0021】
実施の形態においては、排気管113と、通信コード116とをまとめて1本の接続コード17とする。通信コード116は、筐体100と電気的に接続するための筐体接続端子114と、キーボード12と電気的に接続するためのキーボード接続端子115と接続されている。
【0022】
図2(a)は、接続コード17が筐体100に接続された状態を示す図である。排気接続端子111と、筐体接続端子114とが、それぞれ筐体100と接続可能であるよう、排気接続端子111及び筐体接続端子114の付近では、接続コード17は、排気管113と、通信コード116とが二股に分かれている。ちなみに、排気ケーブル11内に通信コード116を収めて一体化してもよく、排気ケーブル11と通信コード116とを並べて一体化してもよい。
【0023】
図2(b)は、接続コード17が、キーボード12に接続された状態を示す図である。吸気接続端子112と、キーボード接続端子115とが、それぞれがキーボード12と接続可能であるよう、吸気接続端子112及びキーボード接続端子115の付近では、接続コード17は、排気管113と、通信コード116とが二股に分かれている。
【0024】
排気ケーブル11と、通信コード116とをまとめた接続コード17により、省スペースで電子機器ユニット1を提供することができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、電子機器10とキーボード12とが一体となっている場合には、電子機器10に取り入れられた空気を、キーボード12のキートップの周囲から排出するように構成すればよい。
【符号の説明】
【0026】
1 電子機器ユニット
10 電子機器
11 排気ケーブル
12 キーボード
17 接続コード
20 ディスプレイ
100 筐体
101 吸気孔
102 冷却ファン
103 排気接続孔
111 排気接続端子
112 吸気接続端子
113 排気管
114 筐体接続端子
115 キーボード接続端子
116 通信コード
121 吸気接続孔
122 キートップ