特許第5900999号(P5900999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5900999
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A63C 17/02 20060101AFI20160324BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20160324BHJP
   A47C 7/00 20060101ALI20160324BHJP
   A47C 4/02 20060101ALI20160324BHJP
【FI】
   A63C17/02
   A47C13/00 Z
   A47C7/00 A
   A47C4/02 A
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-206864(P2015-206864)
(22)【出願日】2015年10月21日
【審査請求日】2015年10月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009846
【氏名又は名称】中野 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中野 智裕
【審査官】 青山 玲理
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3182946(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3191499(JP,U)
【文献】 特表2002−529211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 1/00−19/12
A01K 97/00−99/00
A44B 99/00
A45C 1/00−15/08
A45F 3/00− 3/12
A47B 1/00−97/08
A47C 4/02
A47C 7/00
A47C 13/00
A61G 1/00− 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケートボードのT字状ハンガーの両端部に車輪が装備されたトラックが、足を乗せるデッキの下面の前後に所定距離隔てて取り付けられているスケートボードと、該スケートボードの前側の前記トラックと後側の前記トラックにそれぞれ着脱自在に取り付けられる各2本の脚とを備えた椅子であって、前側の前記2本の脚と、後側の前記2本の脚は、それぞれの上端部において連結されており、それらの連結部分が前記デッキの下面にそれぞれ接した状態で、それらの連結部分から伸びる各2本の脚が、前記トラックの付け根を挟みながら前記ハンガーと前記デッキとの間を潜り抜けて前記デッキから離れる方向に反り返って下方に伸びており、前記各脚の下端を接地させてスケートボードに荷重を掛けると、前後の各脚が前記ハンガーと接する部分を支点とし、前後の各連結部分が力点又は作用点となって、前記スケートボードを支持することを特徴とする椅子。
【請求項2】
前側の前記2本の脚は、下部において、水平連結部によって連結され、後側の前記2本の脚も、下部において、水平連結部によって連結されて、それぞれ一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前側の前記水平連結部と、後側の前記水平連結部とは、着脱可能な連結具で連結されていることを特徴とする請求項2に記載の椅子。
【請求項4】
前側の前記2本の脚と、後側の前記2本の脚は、末広がりに形成され、前記各2本の脚で挟まれる間には、前記ハンガーと、その両端部に装備される車輪とが潜り抜けることのできるスペースが形成されている請求項1〜3の何れかに記載の椅子。
【請求項5】
前記連結具は、スケートボードに似せた細長い板と、その板の下面の前後に取り付けられて、前記各水平連結部を保持するグリッパーとを備えたものである請求項1〜4の何れかに記載の椅子。
【請求項6】
前記連結具は、連結棒の両端部に前記各水平連結部と噛み合ってそれを保持するグリッパーを備え、前記連結棒の中央には、ターンバックルが設けられている請求項1〜4の何れかに記載の椅子。
【請求項7】
前記連結具は、前記各水平連結部間に掛け渡される着脱自在なベルトである請求項1〜4の何れかに記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケートボードを利用した椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
スケートボードは、遊びからスポーツとして発展し、競技人口も増加しつつあるが、ボードが80cm余りあるため、競技を観戦するにしても、スケートボードの置き場所に困る問題がある。
【0003】
そこで、こうしたスケートボードを使用した椅子の先行技術を調べたが、何れも車輪を支持するトラックを除去し、そこに脚を取り付けて椅子に仕立てたものに過ぎず、スケートボード自体が椅子にもなるというものは、見つかっていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】キーワードを(スケートボード、椅子)で検索したときに現れるサイトのURLは、https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89+%E6%A4%85%E5%AD%90&biw=1366&bih=617&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&sqi=2&ved=0CBsQsARqFQoTCP6Kl6DtxcgCFSRQpgodYhkCWA
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この現状を変えるために発明したもので、スケートボードとして使用できるだけでなく、それが椅子にもなる新たなスケートボードを利用した椅子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る椅子は、スケートボードのT字状ハンガーの両端部に車輪が装備されたトラックが、足を乗せるデッキの下面の前後に所定距離隔てて取り付けられているスケートボードと、該スケートボードの前側のトラックと後側のトラックにそれぞれ着脱自在に取り付けられる各2本の脚とを備えた椅子であって、前側の前記2本の脚と、後側の前記2本の脚は、それぞれの上端部において連結されており、それらの連結部分が前記デッキの下面にそれぞれ接した状態で、それらの連結部分から伸びる各2本の脚が、前記トラックの付け根を挟みながら前記ハンガーと前記デッキとの間を潜り抜けて反対側に反り返って下方に伸びており、前記各脚の下端を接地させてスケートボードに荷重を掛けると、前後の各脚が前記ハンガーと接する部分を支点とし、前後の各連結部分が力点又は作用点となって、前記スケートボードを支持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スケートボードの前後のトラックにそれぞれ着脱自在に装着された各2本の脚でスケートボードが水平に支持されるから、スケートボードを椅子として使用することができるし、各2本の脚は、スケートボードから簡単に取り外せるから、スケートボードとしても使用することができる。したがって、スケートボードでありながら、椅子としても使用できるので、これまでのスケートボードの用途を広げることができる。しかも、競技を観戦する場合自宅で保管する場合にも、スケートボードが椅子になってその置き場所に困らないから、一石二鳥の便利なスケートボードとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スケートボードに脚を装着するときの第一ステップの操作説明図。
図2】上記第一ステップに続く第二ステップの操作説明図。
図3】上記第二ステップに続く第三ステップの操作説明図。
図4】脚がトラックに装着された状態の部分断面斜視図。
図5】脚が装着されたスケートボードを椅子として使用するときの外観斜視図。
図6】スケートボードを椅子として使用するときの別な外観斜視図。
図7】前後の各脚の下端部を連結する連結具の外観斜視図。
図8】上記連結具の他の一実施例の外観斜視図。
図9図6の連結具をベルトに変えて時の外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
図1において、椅子N-41は、スケートボードBと、そのボードBに着脱自在に装着される前側と後側の各2本の脚Lとを備えている。スケートボードBは、足を乗せるデッキ1と、そのデッキ1の下面に固定される前側トラック2と後側トラック2とを備える。各トラック2は、T字状のハンガー3と、そのハンガー3を傾倒自在に支持するベースプレート4で構成され、T字状のハンガー3の両端には、車輪5が取り付けられている。
【0011】
こうしたスケートボードBのデッキ1には、種々の形状のものがあるが、前後の各トラック2は、ほぼ共通の構成であるから、どのようなスケートボードBであっても、本発明の椅子N-41にすることができる。
【0012】
椅子N-41を支える各2本の脚Lは、鉄製の丸棒で作られ、前側のトラック2に装着される2本の脚Lと、後側のトラック2に装着される2本の脚Lは、それぞれの上端部において、それらと直交する1本の鉄棒10で連結されて、鳥居形のような連結部分11が形成されている。なお、スケートボードBは、基本的には前側と後側の区別がないので、図では左側を前とし、右側を後ろとしている。
【0013】
これらの連結部分11から伸びる各脚Lは、それぞれの下端部において末広がりに広がり、それらは下端部の水平連結部12で互いに連結されて一体化されている。これにより、図1に示すように、それぞれの脚Lの間には、ハンガー3と、その両端部の車輪5とが潜り抜けることのできるスペースSが形成されている。
【0014】
また、図1に示す各脚Lを、図2に示すように、デッキ1の長手方向に沿うように回転させると、一体化された各脚Lがトラック2の根元を間に挟みながらハンガー3とデッキ1との間を潜り抜け、その状態で脚Lを起すと、図3に示すように、ハンガー3の車軸に沿って反対側に反り返る形状に形成されている。なお、図2図3では、一方の脚Lしか示していないが、左右の脚Lは、対称形であるから、ここでは一方の脚Lのみを示している。
【0015】
図4は、脚Lを起こしたときに、その脚Lがハンガー3と接する部分Pを支点とし、連結部分11がベースプレート4とデッキ1の下面とに当たり、そこが力点又は作用点となって、スケートボードB全体を支える構造を示している。したがって、脚Lが装着されたスケートボードBを上に向けて起こすと、図5に示すような椅子N-41になる。即ち、脚Lがハンガー3と接する部分Pを支点とし、連結部分11がボード1に当たって力点又は作用点となるから、ボード1に腰掛けると、該ボード1が前後の各脚Lで支持される。
【0016】
なお、このままでは、両側の脚Lが不安定であるから、図5に示す各脚Lの水平連結部12間に、図6に示すように連結具6を掛け渡して連結すると、両方の脚Lを安定させることができる。これにより、大人二人がスケートボードBに乗っても、各脚Lはその姿勢を維持して、椅子として機能を維持することができる。もちろん、この連結具6を取り付けなくても、スケートボードBに腰を掛けることは可能である。またカップホルダー68は椅子として使用中にカップを置くことや連結棒6を持ち歩く際の持ち手にもなる。
【0017】
図7は、連結具6の一実施例を示したもので、スケートボードBに似せた細長い板61に各脚Lの水平連結部12に嵌って噛み合うグリッパー62を取り付けたものである。このグリッパー62は、板ばねで形成され、棒状の水平連結部12に嵌る複数の山と谷を備え、それを板61の前後に所定距離離して取り付けている。また、山と谷は、水平連結部12を保持する瓢箪型に形成されているが、これに代えて、矩形の凹部を連ねたものであっても良い。この左右のグリッパー62を両脚Lの水平連結部12に嵌め込めば、図6の椅子N-41とすることができる。
【0018】
図8は、連結具6の他の実施例を示したもので、この実施例では、連結棒63の両端部に各脚Lの水平連結部12と噛み合ってそれを保持するC型のグリッパー64を備え、連結棒63の中央には、ターンバックル65が設けられて、両端のグリッパー64間の長さが自在に調整できるようにしたものである。
【0019】
図9はこれらの連結具6に代えて、着脱自在に連結できるベルトを使用しても良い。この場合には、各水平連結部12にベルトを掛け渡してループ状に形成し、そのベルトの両端をバックル等で連結してベルトを締め付けるようにする。そうすれば、両方の脚Lの広がりを拘束して、椅子N-41として安定させることができる。また、このベルトは、図2に示すように、両脚LをスケートボードB上に折りたたんだ状態にし、その状態で、各脚LとスケートボードBにベルトを巻きつけて締め付ければ、各脚Lがスケートボードに固定されて、持ち運びに便利な状態にすることもできる。
【符号の説明】
【0020】
B スケートボード
L 脚
1 デッキ
2 トラック
3 ハンガー
4 ベースプレート
5 車輪
6 連結具
11 連結部分
12 水平連結部
62 グリッパー
63 連結棒
64 グリッパー
65 ターンバックル
68 カップホルダー 持ち手
N-41 椅子

【要約】
【課題】競技用のスケートボードが椅子にもなるし、競技にも使用できる新たなスケートボードを利用した椅子を提供することを課題とする。
【解決手段】スケートボードのトラックが、足を乗せるデッキの下面前後に取り付けられているスケートボードと、該スケートボードの各トラックに着脱自在に取り付けられる各2本の脚とを備えた椅子である。一方の2本の脚と、他方の2本の脚は、それぞれの上端部において連結され、その連結部分が前記デッキの下面に接し、そこから伸びる各2本の脚が、前記ハンガーと前記デッキとの間を潜り抜け、さらに前記ハンガーに沿って反対側に反り返って下方に伸びている。これにより、スケートボードに荷重がかかると、各2本の脚がハンガーと接する部分を支点とし、各連結部分が力点又は作用点となる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9