特許第5901076号(P5901076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5901076過酸化水素又は過酸化水素遊離物質を安定化するためのヒドロキシピリドン類又はそれらの塩の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901076
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】過酸化水素又は過酸化水素遊離物質を安定化するためのヒドロキシピリドン類又はそれらの塩の使用
(51)【国際特許分類】
   C01B 15/037 20060101AFI20160324BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20160324BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20160324BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20160324BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20160324BHJP
   A61Q 11/02 20060101ALI20160324BHJP
【FI】
   C01B15/037 E
   A61K8/22
   A61K8/49
   A61Q5/10
   A61Q5/08
   A61Q11/02
【請求項の数】22
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-521004(P2013-521004)
(86)(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公表番号】特表2013-535391(P2013-535391A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】EP2011003537
(87)【国際公開番号】WO2012019689
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年6月24日
(31)【優先権主張番号】102010054865.0
(32)【優先日】2010年12月17日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010032371.3
(32)【優先日】2010年7月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398056207
【氏名又は名称】クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】クルック・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ピルツ・モーリス・フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】バック・ウーテ
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−056846(JP,A)
【文献】 特表2008−510834(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/026433(WO,A1)
【文献】 特表2007−503409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0254001(US,A1)
【文献】 特表2012−512855(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0232667(US,A1)
【文献】 特開平04−349109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B15/00−23/00
A61K8/00−8/99
A61Q1/00−90/00
C11D1/00−19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸化水素及び過酸化水素遊離物質からなる群から選択される一種又は多種の物質(成分a))の水性組成物中における貯蔵性を安定化するための、ヒドロキシピリドン類及びそれらの塩からなる群から選択される一種又は多種の物質(成分d))の使用。
【請求項2】
前記成分a)の一種又は多種の物質が、過酸化水素、過酸化尿素、過ホウ酸塩、過硫酸塩及びそれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記成分a)の物質が過酸化水素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記成分d)の一種又は多種の物質が、次の式(I)の化合物及びそれらの塩から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の使用。
【化1】
(式中、R1は、H又はC−Cアルキル残基であり、そしてR2は、H、置換されていていないか、又はハロゲンで置換された、分岐状又は非分岐状のC−C20−アルキル残基、置換されていないか、又はハロゲンで置換されたC−Cシクロアルキル残基、置換されていないか、又はハロゲンで置換されたC−C10アリール残基又は置換されていないか、又はハロゲンで置換された、分岐状又は非分岐状のC−C20アラルキル残基である。)
【請求項5】
前記成分d)の一種又は多種の化合物が、酸の形態か又はそれのアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアミン塩の形態か、又は高分子対イオンを有するそれの塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の使用。
【請求項6】
前記式(I)の一種又は多種の化合物における、又はそれらの塩におけるR1がメチルであり、そしてR2がシクロヘキシル又は2,4,4−トリメチルペンチルであることを特徴とする、請求項に記載の使用。
【請求項7】
前記安定化が、水性組成物中で遂行されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の使用。
【請求項8】
前記成分a)の物質が過酸化水素であり、そして該過酸化水素が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記成分d)の一種又は多種の物質が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.1ppm〜2重量%の量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の使用。
【請求項10】
前記成分d)の一種又は多種の物質が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.5〜100ppmの量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記水性組成物が2〜11のpH値を有することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一つに記載の使用。
【請求項12】
前記水性組成物が7〜11のpH値を有することを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
過酸化水素及び過酸化水素遊離物質からなる群から選択される一種又は多種の物質(成分a))及び4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩、4−メチル−6−(シクロヘキシル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン及び4−メチル−6−(シクロヘキシル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩からなる群から選択される一種又は多種の物質(成分d))を含むことを特徴とする水性組成物。
【請求項14】
前記成分a)の一種又は多種の物質が、過酸化水素、過酸化尿素、過ホウ酸塩、過硫酸塩及びそれの混合物から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の水性組成物。
【請求項15】
前記成分a)の物質が過酸化水素であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の水性組成物。
【請求項16】
前記成分d)の一種又は多種の化合物が、酸の形態か又はそれのアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアミン塩の形態か、又は高分子対イオンを有するそれの塩の形態で存在することを特徴とする、請求項13〜15のいずれか一つに記載の水性組成物。
【請求項17】
前記成分a)の物質が過酸化水素であり、そして該過酸化水素が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか一つに記載の水性組成物。
【請求項18】
前記成分d)の一種又は多種の物質が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.1ppm〜2重量%の量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項13〜17のいずれか一つに記載の水性組成物。
【請求項19】
前記成分d)の一種又は多種の物質が、前記水性組成物の全重量に基づいて、0.5〜100ppmの量で該水性組成物中に含有されることを特徴とする、請求項18に記載の水性組成物。
【請求項20】
前記水性組成物が2〜11のpH値を有することを特徴とする、請求項13〜19のいずれか一つに記載の水性組成物。
【請求項21】
前記水性組成物が7〜11のpH値を有することを特徴とする、請求項13〜20のいずれか一つに記載の水性組成物。
【請求項22】
前記水性組成物が、毛髪又は歯のための漂白組成物、酸化性染毛剤、過酸化水素又は過酸化水素遊離物質をパーマネント調合剤のための定着成分として使用するための組成物、ハウスクリーナー、酸化性洗浄調合物、繊維又はテキスタイルの酸化性漂白のための組成物、予洗スプレー、染み抜き剤、表面洗浄剤又はトイレ洗浄剤であることを特徴とする、請求項13〜21のいずれか一つに記載の水性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化水素又は過酸化水素遊離物質を安定化するためのヒドロキシピリドン類又はそれらの塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素を含有する組成物、及びとりわけ水性組成物は様々な用途において利用されている。それら組成物は、例えば、毛髪用漂白組成物、毛髪着色剤における展色成分として、あるいはパーマネント調合剤における毛髪を定着させるための成分としても、化粧品の剤において使用されている。それ以外の用途は、例えば、歯の漂白組成物である。さらに、工業用クリーニングにおいて、及びハウスクリーニングにおいて、及びテキスタイル漂白においても、過酸化水素含有組成物は存在している。
【0003】
ただし、過酸化水素又は過酸化水素遊離物質の組成物中での安定化は、しばしば、不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1347736号明細書
【特許文献2】ドイツ国特許第2234009号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、過酸化水素及び過酸化水素遊離物質のための新規な安定剤を提供するという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、上記の課題は、ヒドロキシピリドン類又はそれらの塩の使用によって解決されることが今や見出された。
【0007】
したがって、本発明の対象は、過酸化水素及び過酸化水素遊離物質(成分a))からなる群から選択される一種又は多種の物質を安定化するための、ヒドロキシピリドン類及びそれらの塩(成分d))からなる群から選択される一種又は多種の物質の使用である。
【0008】
以下では、ヒドロキシピリドン類及びそれらの塩からなる群から選択される一種又は多種の物質は、成分d)の物質としても特徴づけられる。
【0009】
過酸化水素及び過酸化水素遊離物質からなる群から選択される一種又は多種の物質は、以下では、成分a)の物質としても特徴づけられる。
【0010】
本発明の使用によれば、例えば、対応する組成物の貯蔵安定性を高めることによって、過酸化水素及び/又は過酸化水素遊離物質が安定化される。それらの組成物中における過酸化水素及び/又は過酸化水素遊離物質の高められた安定性によって、含有成分の効果、例えば、その洗浄力や漂白力を増大できるか、あるいはそのような調合物の耐用寿命を増大させることができる。
【0011】
欧州特許第1347736号明細書(特許文献1)には、ピロリン酸塩、スズ酸塩、フェナセチン又はオキシキノリン又はそれの組み合わせをベースとする、過酸化水素のための安定剤を含有する、毛髪を処理するための酸化性組成物が開示されている。
【0012】
好ましくは、成分a)の一種又は多種の物質は、過酸化水素、過酸化尿素、過ホウ酸塩、過硫酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましくは、成分a)の物質は過酸化水素である。
【0013】
好ましくは、成分d)の一種又は多種の物質は、次の式(I)の化合物及びそれらの塩から選択される。
【0014】
【化1】
【0015】
式中、R1は、H又はC−Cアルキル残基であり、そしてR2は、H、置換されていていないか、又はハロゲンで置換された、分岐状又は非分岐状のC−C20−アルキル残基、置換されていないか、又はハロゲンで置換されたC−Cシクロアルキル残基、置換されていないか、又はハロゲンで置換されたC−C10アリール残基、又は置換されていないか、又はハロゲンで置換された、分岐状又は非分岐状のC−C20アラルキル残基である。
【0016】
好ましくは、残基R2はハロゲンで置換されていない。
【0017】
本発明の好ましい一実施形態において、成分d)の一種又は多種の化合物は、酸の形態(式(I)の化合物)で、又はそれらのアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアミン塩又は高分子対イオンを有するそれらの塩の形態で存在する。
【0018】
一種又は多種の式(I)の化合物又はそれらの塩において、R1は、好ましくはメチルであり、そしてR2は好ましくはシクロヘキシル又は2,4,4−トリメチルペンチルである。
【0019】
特に好ましくは、式(I)の化合物は、それらのアルカノールアミン塩の形態で、そして就中、それらのモノエタノールアミン塩の形態で存在する。そのような塩の例は、ドイツ国特許第2234009号明細書(特許文献2)中で言及されている。
【0020】
その際に、特に好ましいのは、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩(Octopirox(登録商標)、Clariant)並びに4−メチル−6−(シクロヘキシル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン及び−メチル−6−(シクロヘキシル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩(Ciclopirox(登録商標)、Sanofi−Aventis)である。
【0021】
これらの物質は、文献公知の方法に基づいて得ることができ、これに関してドイツ特許第2234009号明細書(特許文献2)に挙げられた参考物質が参照される。
【0022】
好ましくは、本発明の使用は水性組成物中で遂行される。
【0023】
好ましくは、水は、水性組成物の全重量に基づいて、40重量%以上の量で、そして特に好ましくは50重量%以上の量で水性組成物中に含有される。
【0024】
成分a)の過酸化水素及び過酸化水素遊離物質からなる群から選択される一種又は多種の物質は、水性組成物の全重量に基づいて、好ましくは、0.5〜20重量%の量、より好ましくは1〜10重量%の量、特に好ましくは、1.5〜7重量%の量、そして就中2〜7重量%の量で該水性組成物中に含有される。これらの中では、成分a)の物質は過酸化水素であるのが好ましく、これは、好ましくは、0.5〜20重量%の量、より好ましくは1〜10重量%の量、特に好ましくは、1.5〜7重量%の量、そして就中2〜7重量%の量で該水性組成物中に含有される。
【0025】
水性組成物中、成分d)の一種又は多種の物質は、該水性組成物の全重量に基づいて、好ましくは、0.1〜20,000ppm(0.00001〜2重量%)の量、より好ましくは、0.5〜1,000ppm(0.00005〜0.1重量%)の量、そして特に好ましくは、0.5〜100ppm(0.00005〜0.01重量%)の量で含有される。
【0026】
ヒドロキシピリドン類又はそれらの塩は、本発明による使用の際に更なる安定剤と組み合わせることができる。更なる適した安定剤は、例えば、ポリリン酸塩又はそれのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、アルカリ金属スズ酸塩又はアルカリ土類スズ酸塩、フェナセチン及びそれの酸性塩並びにオキシキノリン及びそれの酸性塩である。
【0027】
水性組成物は、更なる助剤及び添加剤として、油体、シリコーンオイル、ワックス、界面活性剤、乳化剤、共乳化剤、可溶化剤、カチオン性ポリマー、塗膜形成剤(Filmbildner)、過脂肪化剤(Ueberfettungsmittel)、再脂肪化剤(Reuckfetter)、抗菌作用物質、湿潤剤、溶剤、着色剤、香料、真珠光沢剤及び/又は乳白剤を含むことができる。
【0028】
水性組成物は有機溶剤を含むことができる。原則的には、有機溶剤として、全ての一価又は多価アルコールが挙げられる。1〜4個の炭素原子を有するアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、グリセリン、1,2−プロパンジオール及び1,3−プロパンジオール、及び前述のアルコール類の混合物を使用するのが好ましい。その他に好ましいアルコールは、2,000未満の相対分子質量を有するポリエチレングリコールである。とりわけ、200〜600の相対分子質量を有するポリエチレングリコール、かつ、45.0重量%までの量での使用、及び400〜600の相対分子質量を有するポリエチレングリコール、かつ、5.0〜25.0重量%の量での使用が好ましい。その他の適した溶剤は、例えば、トリアセチン(グリセリントリアセテート)及び1−メトキシ−2−プロパノールである。
【0029】
水性組成物は、例えば、水性界面活性組成物又は水性アルコール性組成物又はエマルションであることができる。
【0030】
水性組成物のpH値を調整するための酸又はアルカリ液として、好ましくは、鉱酸、特に、HCl、無機塩基、特に、NaOH又はKOH、及び有機酸、特に、クエン酸が使用される。
【0031】
好ましくは、水性組成物は、2〜11、より好ましくは7〜11、特に好ましくは8〜11、そして就中8.5〜11のpH値を有する。
【0032】
本発明の、過酸化水素又は過酸化水素遊離物質の安定化は、例えば、次の用途、すなわち、毛髪又は歯のための漂白組成物において、酸化性染毛剤において、過酸化水素又は過酸化水素遊離物質を、パーマネント調合剤のための定着成分として使用する場合に、ハウスクリーナーにおいて、酸化性洗浄調合物において、繊維又はテキスタイルの酸化性漂白のための組成物において、予洗スプレー、染み抜き剤、表面洗浄剤又はトイレ洗浄剤において、利用することができる。
【0033】
以下の例及び使用は、本発明を、それらに限定することなくより詳細に説明する。全ての百分率は、別途明確に示さない限り重量%(Gew.−%)を意味する。
【実施例】
【0034】
例1:
Solvayの過酸化水素溶液(水中35重量%)、及び/又は、Merckの過酸化水素溶液(水中35重量%)を、約6.0重量%の過酸化水素含有量にまで精製水で希釈し、そして、苛性ソーダ溶液(20重量%)で9.0のpH値に調整した。その他の溶液として、調整されたそれぞれの溶液に、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン(添加剤A、プロピレングリコール中に溶解)8ppmを添加した(additivert)。それら溶液を、室温(20℃)及び40℃のそれぞれで1週間貯蔵し、そして、貯蔵前及び貯蔵後における過酸化水素含量を測定した(表1参照)。
【0035】
【表1】
【0036】
例2:
Solvayの過酸化水素溶液(水中35重量%)、及び/又は、Merckの過酸化水素溶液(水中35重量%)、第二C14−17アルキルスルホン酸ナトリウム(Sodium C14−17 Alkyl sec. Sulfonate、アルキル(C14−17)スルホン酸Na)の溶液(Hostapur(登録商標)SAS 30)、及び精製水を、過酸化水素含有量が約6.0重量%、かつ、第二C14−17アルキルスルホン酸ナトリウムの含有量が5.0重量%となるように混合した。その後、苛性ソーダ(20重量%)により、9.0のpH値に調整した。その他の溶液として、調整されたそれぞれの溶液に、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン(添加剤Aプロピレングリコール中に溶解)7ppmを添加した(additivert)。それら溶液を、室温及び40℃のそれぞれで1週間貯蔵し、そして貯蔵前及び貯蔵後の過酸化水素含有量を測定した(表2参照)。
【0037】
【表2】
【0038】
例1及び例2の結果は、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドンが、室温においても、40℃においても、高いpH値における過酸化水素溶液の貯蔵安定性を著しく高めることができることを示している。
例3:スルホナートポリマーで濃厚化された過酸化水素ゲル
【0039】
【表3】
【0040】
調合物を、高分子増稠剤の水への溶解により、そして引き続く過酸化水素溶液の配合(Einmischen)により製造した。それぞれの場合における開始pH値を、その後、10重量%濃度の水性苛性ソーダで調整した。調合物は、4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン8.1ppm(0.00081重量%)の添加ありと、添加なしのそれぞれを製造した。
【0041】
このために、プロピレングリコール中の安定剤0.1重量%濃度溶液10mlを水1リットル中に溶解し、そしてこの溶液を水相として使用した。プロピレングリコールによる対照試験(Blindversuch)により、溶剤の影響を除外した。同時に、それぞれの過酸化水素含有量を、ヨードメトリー的に測定した(表3を参照)。
【0042】
【表4】
【0043】
表3から、安定剤を有さない溶液の過酸化水素含有量は、開始値6.0重量%から0.4重量%にまで減少するが、一方、安定剤を有する場合には出発値の6.0重量%に依然として維持される。
【0044】
4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1−ヒドロキシ−2−ピリドン、モノエタノールアミン塩(Octopirox(登録商標))10ppmの使用時にも、例1〜3におけるような同様の結果が得られた。