【氏名又は名称】ハー マジェスティ ザ クイーン イン ライト オブ カナダ アズ リプリゼンテド バイ ザ ミニスター オブ ヘルス
【氏名又は名称原語表記】HER MAJESTY THE QUEEN IN RIGHT OF CANADA as represented by THE MINISTER OF HEALTH
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
抗原に対する免疫反応を刺激する又は抗原に対する免疫反応を増強するための薬物を調合する方法であって、該方法は、アミノ酸配列KYMCW(SEQ ID No.12)からなる有効な量のアジュバントペプチドと、適切な賦形剤とを混合する工程を含んでいることを特徴とする方法。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によると、抗原に対する免疫反応を刺激する方法が与えられる。該方法は、そのような処置を必要とする固体に、有効量の組成物を同時投与する工程を含むものである。前記組成物は、前記抗原と、表1に述べられるような少なくとも1つのアミノ酸配列を含むペプチドと、を含む。
【0006】
本発明の第2態様によると、表1に述べられるようなペプチドから成る免疫刺激性ペプチド配列が与えられる。
【0007】
本発明のさらなる態様によると、有効な量のアジュバントペプチド及び所望の抗原を含む組成物が与えられる。前記アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)とから成る群から選択されたアミノ酸配列を含む。
【0008】
本発明の別の態様によると、有効な量のアジュバントペプチドをそのような処置を必要とするまたは望む固体へ投与する工程を含む、抗原に対する免疫反応を刺激または免疫反応を増強する方法が与えられる。前記アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。
【0009】
本発明の別の態様によると、アジュバントペプチドの使用が与えられる。前記アジュバントペプチドは、そのような処置を必要とするまたは望む固体の抗原に対する免疫反応を刺激し、又は免疫反応を増強するために、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。
【0010】
本発明のさらなる態様によると、有効な量のアジュバントペプチドと適切な賦形剤とを混合する工程を含む、抗原に対する免疫反応を刺激するまたは抗原に対する免疫反応を増強するために薬剤を調製する方法が与えられる。前記アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】免疫処置後に酵素をリンクした免疫吸着剤スポット(ELISPOT)T細胞反応。BALB/cマウスは、以下のいずれかのものを含んでいるpCAGα-HA DNAワクチン50μgの予防注射を筋肉内に受けた。ワクチンは、HAのカルボキシル−末端部に融合した外来ペプチドの5量体l(CHKWD(SEQ ID No.1))、5量体2(WHKCE(SEQ ID No.2)、5量体3(CKWRC(SEQ ID No.3))、5量体4(KWCEC(SEQ ID No.4))、5量体5(DCWMD(SEQ ID No.5))、9量体1(CWKCWCMFE(SEQ ID No.6))、9量体3(WNWCMHWDC(SEQ ID No.7))、9量体4(WHWCMMCWD(SEQ ID No.8))、13量体1(HEHWCMMWHCCMI(SEQ ID No.9))、13量体3(HMMCHWMCWCDMH(SEQ ID、No.10)、または13量体4(CHMMCHWMWCCMD(SEQ ID No.11))の、何れかを含んでいる。pCAGα−HA(50μg)は、基線T細胞反応を表わす。ハノイ 2005 HAタンパク質全体にわたるオーバーラップペプチドは、プール(10ペプチド/プール)され、脾細胞を新たに刺激するために使用された。脾細胞は、予防接種の10日後に採取され、HAから導き出したペプチドプールを使用して、再度刺激された。データは、100万の脾細胞あたりのスポット頻度を表わす。4匹のマウスが1つのグループあたり分析された。データから、全ての疎水性ペプチドが同じ免疫反応を示すものでなかったことが理解される。
【
図2】免疫処置後の中和抗体反応は、感染に対抗すると予想される血清内の抗体の存在を検出するために行われた。BALB/cマウスは、50μgのpCAGα-HA DNAワクチンの予防注射を筋肉内に受けた。前記ワクチンは、外来ペプチドおよびHAの、5量体1(SEQ ID No.1)、5量体2(SEQ ID No.2)、5量体3(SEQ ID No.3)、5量体4(SEQ ID No.4)、5量体5(SEQ ID No.5)、9量体1(SEQ ID No.6)、9量体3(SEQ ID No.7)、9量体4(SEQ ID No.8)、13量体1(SEQ ID No.9)、13量体3(SEQ ID No.10)または13量体4(SEQ ID No.11)の、何れかを含む。免疫化されたマウスから集められた血清は、中和アッセイによって評価された。中和アッセイのために、血清は、受容体破壊酵素(RDE)により37℃で一晩処理され、次に、45分間56℃で不活性化された。各サンプルの二倍希釈は、1:10稀釈液から始め、ウィスル希釈剤で調合され、免疫処置(ウェルあたり、100の溶菌斑形成単位[PFU])に使用され、また60分間37℃でインキュベートされた、同じ量の同族のインフルエンザウィルス分離株と混合された。その後、その混合物は、96のウェルの平底プレート中のサブコンフルエントなMDCK細胞上に転送され、室温で5−10分間インキュベートされた。対照ウェルは、追加の血清を伴わずに、または、免疫性のない対照血清を伴って、同量のウィスルベクターに感染された。2.0μg/mlのTPCK-トリプシンで補われた100μlのウィスル希釈剤は、その後、各々に適切に加えられ、プレートは、48時間、5%のCO
2で、37℃でインキュベートされた。セルは、次に、光学顕微鏡下で細胞変性効果(CPE)の存在または非存在を記録された。CPEを示さない最も高い血清稀釈は、中和抗体に対して陽性を記録し、中和力価には、この希釈の相反的なものとして報告された。高いT細胞反応を生成したペプチドは、また高い中和抗体反応を生成した。
【
図3】外来ペプチド組換DNAワクチンでの免疫処置に続く免疫細胞反応および予防効果。BALB/cマウスは、HAのカルボキシル末端部に融合された外来ペプチドの、5量体4(KWCEC(SEQ ID No.4))または5量体7(KYMCW(SEQ ID No.12))のいずれかを含んでいるpCAGα-HA DNAワクチンにより、1マウス当たり50μgの予防注射を筋肉内に受けた。5量体4(SEQ ID No.4)は、高いT細胞と中和抗体反応のために選択された。5量体7(SEQ ID No.12)は、5量体4との配列類似により選択された。赤血球凝集阻止。血清は、予防接種後25日目に集められた。段階希釈は、予防注射を受けたBALB/cマウスから得られた血清上で行なわれた。また、4倍のウィスル凝集投与が、各々ウェルに加えられた。血清とウィスルは、七面鳥赤血球細胞によりインキュベートされた。そして、赤血球凝集阻止(高力価)は、赤血球の凝集を妨げなかった血清の最も高い稀釈の相反的なものとして報告された。対照マウスは、燐酸緩衝食塩水(PBS)により予防注射を受けた。エラーバーは、データの標準偏差を表わす。データから、類似のペプチドがアッセイでは違った風に作用したことは驚くべきことである。それ故、ペプチドの配列は、重要である。
【
図4】外来ペプチド組換DNAワクチンでの免疫処置に続く免疫細胞反応および予防効果。BALB/cマウスは、HAのカルボキシル末端部に融合された外来ペプチドの、5量体4(SEQ ID No.4)または5量体7(SEQ ID No.12)の、何れかを含むpCAGα−HA DNAワクチンにより、1マウス当たり50μgの予防注射を筋肉内に受けた。pCAGα―HA−5量体4またはpCAGα―HA−5量体7のための中和抗体(NAB)力価は、マウスに予防注射された。実験は、3回繰り返された。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたり、1μgのpCAGα―HA−5量体4、1μgのpCAGα―HA−5量体7、1μgのpCAGα−HA、5μgのpCAGα−HAまたは10μgのpCAGα−HAの何れかの1回投与で、予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジ(challenge)された。対照マウスは、燐酸緩衝食塩水(PBS)により予防注射を受けた。エラーバーは、データの標準偏差を表わす。このことは、発生した反応において、ウィスルを中和できる抗体生成時に有効であることを示している。
【
図5】外来ペプチド組換DNAワクチンによる免疫処置後の免疫細胞反応および予防効果。BALB/cマウスは、HAのカルボキシル末端部に融合された外来ペプチドの、5量体4(SEQ ID No.4)または5量体7(SEQ ID No.12)の何れかを含んでいるpCAGα−HA DNAワクチンによって、1マウスあたり50μgの予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジされ、生存率を測定した。対照マウスは、燐酸緩衝食塩水(PBS)により予防注射を受けた。エラーバーは、データの標準偏差を表わす。このデータは、アジュバントとしてペプチドを使用する予防接種が、抗原だけよりも高いレベルの保護を与えたことを実証する。また、アジュバントによって得られた用量反応が存在し、アジュバントは、低いレベルの抗原による、より強い免疫反応を結果として生じ得る。
【
図6】外来ペプチド組換DNAワクチンによる免疫処理後の免疫細胞反応および予防効果。BALB/cマウスは、HAのカルボキシル末端部に融合する外来ペプチドの、5量体4(SEQ ID No.4)または5量体7(SEQ ID No.12)の何れかを含むpCAGα-HA DNAワクチンによる、1マウスあたり50μgの予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジされ、重量を測定した。対照マウスは、燐酸緩衝食塩水(PBS)により予防注射を受けた。エラーバーは、データの標準偏差を表わす。これは、インフルエンザ感染の症状である体重の減少から、ペプチド抗原組み合わせによる予防接種が動物を保護することを実証する。
【
図7】同族のチャレンジ用に遊離(外因)外来ペプチドによる免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたり、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα-HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたもの、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα-HAに、5μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたもの、または1μgのpCAGα-HAに、ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えたものの、何れかの1回投与によって予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジされた。データは、生存率を表わす。対照マウスは、PBSにより予防注射を受けた。このデータは、緩衝液による予防接種は、単独でインフルエンザ投与効果を誘発しないことと、ペプチドアジュバントの増量を伴う用量効果があることと、を実証した。
【
図8】同族のチャレンジ用の遊離(外因)外来ペプチドによる免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1つのマウスあたり、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα-HAに、5μgの5量体4(SEQ ID No.4))を加えたもの、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα-HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたもの、または1μgのpCAGα-HAに、ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えたもの、の何れかの1回投与で予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジされた。データは、時間の経過にわたる体重を表わす。対照マウスは、PBSによる予防注射を受けた。これは、抗原を加えたペプチドによる予防接種がインフルエンザ感染の症状である体重の減少から動物を保護することを実証する。
【
図9】同族のチャレンジ用の遊離(外因)外来ペプチドでの免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα-HAに、5μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたもの、遊離ペプチドとして1μgのpCAGα−HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたもの、または1μgのpCAGα-HAに、ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えたものの、何れかの1回投与によって予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらはH5N1型A/ハノイ/30408/2005の100LD50によりチャレンジされた。データは、生存率を表わす。対照マウスは、PBSによる予防注射を受けた。このデータは、緩衝液での予防接種が単独でインフルエンザに対する保護を誘発せず、ペプチドアジュバントの量の増加という投与効果があることを実証する。
【
図10】遊離ペプチド5量体4(SEQ ID No.4)の異なる用量による免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたりに、遊離ペプチドとして、100μgのpCAGα―HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)または100μgの5量体4(SEQ ID No.4)のいずれかを加えたものの1回投与による予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらは同族のハノイ2005ウィスルの100LD50によりチャレンジされた。データは、時間の経過にわたる体重を表わす。対照マウスは、PBSまたは50μgの遊離ペプチドにより予防注射を受けた。これは、抗原とペプチドでの予防接種が、インフルエンザ感染の症状である体重の減少から動物を保護することを実証する。
【
図11】遊離ペプチド5量体4の異なる用量による免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたりに、遊離ペプチドとして、100μgのpCAGα-HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)または100μgの5量体4(SEQ ID No.4)のいずれかを加えたものの1回投与による予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらは同族のハノイ2005ウィスルの100LD50によりチャレンジされた。データは、生存率を表わす。対照マウスは、PBSまたは50μgの遊離ペプチドによる予防注射を受けた。これは、効果が、特異的免疫反応を上げるのに有効である、抗原とアジュバントの両方を必要とすることを実証する。
【
図12】異種のチャレンジ用の遊離した外来ペプチドによる免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたりに、遊離ペプチドとして、100μgのpCAGα-HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたものの1回投与による予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらは、マウスに適用されたH5N1型A/香港/483/1997の100LD50によりチャレンジされた。データは、時間の経過にわたる体重の減少を表わす。対照マウスは、PBSによる予防注射を受けた。これは、抗原を加えたペプチドによる予防接種がインフルエンザ感染の症状である体重の減少から動物を保護することを実証する。
【
図13】異種のチャレンジ用に遊離した外来ペプチドによる免疫処置に続く予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたりに、遊離ペプチドとして、100μgのpCAGα-HAに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えたものの1回投与による予防注射を筋肉内に受けた。28日後に、それらは、マウスに適用したH5N1型A/香港/483/1997の100LD50によりチャレンジされた。データは、生存率を表わす。対照マウスは、PBSによる予防注射を受けた。これは、異種のウィスルに対する予防接種処置の効果を実証する。
【
図14】B型肝炎ワクチン(Engerix−B)による予防接種に続く酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)。BALB/cマウスは、(A)50μgの遊離ペプチドを伴いまたは(B)対照としてペプチドを伴わない、1μgのB型肝炎ワクチン均等物により予防接種を筋肉内に受けた。血清は、予防接種後、第2、4、6および8週でのマウスから得られた。全ての抗HBS抗体は、市販のELISAキットを用いて検出された。このデータは、抗原だけのものよりもペプチドを加えた抗原の存在している状況で、非常に強い免疫反応が生成されることを示す。免疫反応の時間的経過は、予測通りである。
【
図15】季節性インフルエンザ(Fluvirai 2008−2009)ワクチンによる予防接種後の酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)。BALB/cマウスは、(A)50μgの遊離ペプチドを伴う又は(B)対照としてペプチドを有していない、5μgのFluviraiワクチンの均等物による予防注射を筋肉内に受けた。血清は、予防接種後、第2、4、6および8週でのマウスから得られた。全ての抗インフルエンザIgG抗体は、市販のELISAキットを用いて検出された。このデータは、高レベルの抗原がある状態でさえ、ペプチドが免疫反応を高めるということを実証する。
【
図16】免疫処置後の、酵素リンク免疫吸着剤スポット(ELISPOT)T細胞反応。BALB/cマウスは、50μgのpCAGα-HA DNAワクチンに、50μgの5量体4(SEQ ID No.4)、CpG-ODN(10μg)、ミョウバン(アルハイドゲル(Alhydrogel)、450μg)、前記3つの全ての組み合わせ、またはHAだけ、を加えたものによる予防注射を筋肉内に受けた。脾細胞は、予防接種の10日後に採取され、HAから導き出したペプチドプールを使用して、再度刺激された。データは、100万の脾細胞あたりの、スポット頻度を表わす。1グループあたりに、4匹のマウスが分析された。このデータは、ペプチドを使用する時生成された免疫反応が、ミョウバンにより単独で生成された免疫反応より強く、CpGによって生成された免疫反応に匹敵することを示す。また、アジュバントが組み合わせられるとき、明らかな相加効果がある。
【
図17】免疫処置後に、酵素リンク免疫吸着剤スポット(ELISPOT)T細胞反応。BALB/cマウスは、50μgのpCAGα-HA DNAワクチン単体、または10の5量体のペプチドプールと組み合わせによって、予防注射を筋肉内に受けた。脾細胞は予防接種の10日後に採取され、HAから導き出したペプチドプールを使用して、再度刺激された。データは、100万の脾細胞あたりの、スポットの頻度を表わす。バーは、全てのプールの合計を表わす。1グループあたりに、4匹のマウスが分析された。この手法は、密接に関係するペプチドの急速なスクリーニングを可能にした。
【
図18】免疫処置後の、酵素リンク免疫吸着剤スポット(ELISPOT)T細胞反応。BALB/cマウスは、50μgのpCAGα-HA DNAワクチンのみによって、または、免疫のプールからの50μgの5量体の組み合わせによって、予防注射を筋肉内に受けた。脾細胞は、予防接種の10日後に採取され、HAから導き出したペプチドプールを用いて、再度刺激された。データは、100万の脾細胞あたりの、スポット頻度を表わす。バーは、すべてのプールの合計を表わす。1グループあたりに、4匹のマウスが分析された。このデータは、ペプチド配列内で単一のアミノ酸が変化するにもかかわらず、生成されたT細胞反応の強さに大きな違いがあり得ることを示す
。選択されたペプチド間のT細胞反応の比較。免疫処置後の、酵素リンク免疫吸着剤スポット(ELlSPOT)T細胞反応。BALB/cマウスは、50μgのpCAGα-HA DNAワクチンのみによって、または、免疫プールからの50μgの5量体と組み合わせたものによって、予防注射を筋肉内に受けた。脾細胞は予防接種の10日後に採取され、HAから導き出したペプチドプールを用いて、再度刺激された。データは、100万の脾細胞あたりの、スポットの頻度を表わす。バーは、すべてのプールの合計を表わす。1グループあたりに、4匹のマウスが分析された。データは、全ての選択されたペプチドが、抗原に対する強いT細胞反応を生成したこと、および配列内の比較的小さな変化が、免疫反応の異なるレベルを導き得る、ことを示している。これは、抗原に依存し得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<好ましい実施形態の詳細な説明>
他に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているこれらのものと類似又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験で用いることができるが、好ましい方法と材料が、これより記載される。以下に記載される全ての刊行物は、引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0013】
同時投与された抗原の免疫反応を強めるために、抗原送達システム及び/又は免疫刺激性核酸配列などの免疫刺激性分子と組み合わせた特異的5量体ポリペプチドを含むアジュバント組成物が、記載される。本発明は、抗原と組み合わせて選択された疎水性ペプチドの使用は、そのような送達システムを用いず、または従来のアジュバントを用いて得られるものに比べて、同時投与された抗原に対して非常に高い抗体力価を与える、という驚くべき発見に一部基づく。そのような組み合わせの使用は、予防的及び治療上の組成物で使用するための、様々なワクチン抗原の免疫性を強めるために、安全で有効な手法を与える。本発明の実施では、特に示されない限り、当業者の考え得る範囲内で、従来の、化学的、生化学的、組換DNA技術および免疫学的手法を採用する。そのような技術は、文献に完全に説明されている。例えば、下記文献を参照。即ち、「Fundamental Virology」、第2版、vol. I & II (B. N. Fields と D. M. Knipeによる編集)と、「Handbook of Experimental immunology」、vols. I-IV (D. M. Weir と C. C. Blackwellによる編集, Blackweil Scientific 出版社)と、「T. E. Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties」 (W. H. Freeman and Company, 1993)と、「A. L. Lehninger, Biochemistry」、(Worth 出版社、現行版) Sambrook等による、「Molecular Cloning」と、「A Laboratory Manual 」(第2版、1989年)と、「Methods In Enzymology」(S. Colowick と N. Kaplan による編集、Academic 出版社)と、である。
【0014】
上記、下記によらず本明細書で引用している、全ての出版物、特許および特許出願は、それらの全てを引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0015】
本明細書及び添付の請求項内で用いられる通り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、内容物が明確に示されない限り、複数の参照物を含む。したがって、例えば、「抗原」への言及は、2つ以上の抗原の混合物などを含む。
【0016】
以下のアミノ酸略号が、テキストの全体にわたって使用される。アミノ酸略号は、アラニン:Ala (A)、アルギニン:Arg (R)、アスパラギン:Asn (N)、アスパラギン酸:Asp (D)、システイン:Cys (C)、グルタミン:Gln (Q)、グルタミン酸:Glu (E)、グリシン:Gly (G)、ヒスチジン:His (H)、イソロイシン:Ile (I)、ロイシン: Leu (L) 、リジン: Lys (K) 、メチオニン:Met (M)、フェニルアラニン:Phe (F)、プロリン:Pro (P)、セリン:Ser (S)、トレオニン:Thr (T)、トリプトファン:Trp (W)、チロシン:Tyr (Y)、バリン:Val (V)、である。
【0017】
<定義>
本発明を記載する際、以下の用語が使用され、以下の用語は、後述するように定義されることを意図される。
【0018】
「ポリペプチド」、「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指し、製品の最小長さに限定的なものではない。したがって、ペプチド、オリゴペプチド、二量体、多量体などは、定義に含まれている。省略のないタンパク質およびそのフラグメントの両方は、定義に包まれている。用語は、またポリペプチドの(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、同種の)発現後修飾を含む。更に、本発明の目的のために、タンパク質が所望活性を維持する限り、「ポリペプチド」は固有の配列に、(自然界で一般に控えめな)削除、追加および置換などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的変異誘発を通じて行われる、計画的なものでもよいし、またはPCR増幅に起因してタンパク質またはエラーをもたらす宿主の変化を通じて行われる、偶発性のものでもよい。
【0019】
「抗原」によって、抗原が提示されるときにセル状抗原特異的免疫反応を作り、又は、液性抗体反応を作る宿主の免疫系を刺激する、1つ以上のエピトープを含んでいる、分子が意味される。本明細書で使用された用語「抗原」は、両方のサブユニット抗原、即ち、殺され、弱められ、不活性化された、細菌、ウィルス、寄生生物、他の微生物と同様に、抗原が自然界で関係つけられている全ての生体から離れ及び離散しているタンパク質を意味する。抗イディオタイプ抗体などの抗体、またはそのフラグメントおよび合成ペプチドミモトープ(それらは抗原または抗原決定基を模倣することができる)は、また、本明細書に使用されるような抗原の定義の下でとえられる。同様に、治療上または免疫原のタンパク質を表現するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、または、遺伝子療法と核酸の免疫処置用途でのように、インビボでの抗原決定基は、また、本明細書での抗原の定義に含まれている。さらに、本発明の目的のため、任意の様々な腫瘍抗原と同様に、抗原は、任意の幾つかの既知のウィスル、細菌、寄生生物と菌類から得られる。
【0020】
選択された抗原または組成物に対する「免疫学的反応」は、所望の組成物に存在する分子に対する液性及び/又は細胞免疫反応の被検体内の進展である。本発明の目的のために、「液性免疫反応」は、「細胞性免疫反応」がT-リンパ球及び/又は他の白血球によって媒介されている間に、抗体分子によって媒介された免疫反応を指す。細胞性免疫の重要な1つの観点は、細胞溶解性のT細胞(「CTL」)による抗原特異的反応を含んでいる。CTLは、主な組織適合性複合体(MHC)によってコード化され、セルの表面上で発現されたタンパク質に関与して提示されるペプチド抗原用特異性も有している。CTLは、細胞内の微生物の細胞内の死滅、またはそのような微生物に感染した細胞の溶解を誘発および促進するのを助ける。細胞性免疫の別の態様は、ヘルパーT細胞による抗原特異的反応を含んでいる。ヘルパーT細胞は、それらの表面上にMHC分子に関与するペプチド抗原を表示する細胞に対して非特異的効果細胞の、機能を刺激しかつ活性を集中させることを支援するように働く。「細胞性免疫反応」は、また、CD4+およびCD8+T細胞から得られたものを含む、活性T細胞及び/又は他の白血球によってもたらされた、サイトカイン、ケモキネスおよび他のそのような分子を指す。細胞性免疫反応を誘発する組成物またはワクチンは、細胞表面でMHC分子に関与する抗原の提示によって脊椎のある被験体を感作する役目をすることができる。細胞媒介免疫反応は、その表面で抗原を提示している細胞のところ、あるいはその近くに、配向づけられる。更に、抗原特異的Tリンパ球は、免疫化された宿主の今後の保護を可能にするために生成することができる。細胞媒介免疫反応を刺激する特定の抗原の能力は、フィンフォカイン増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞毒細胞アッセイ、または感作化された被検体の抗原に特異的なT-リンパ球をアッセイすること等、多くのアッセイによって測定し得る。そのようなアッセイは、当該技術分野においてよく知られたものである。例えば、Erickson等による論文、「J. Immunol」、(1993) 151 :4189-4199、Doe et等による論文、「Eur. J. Immunol」、 (1994) 24:2369-2376を、参照。
【0021】
本明細書で与えられるように、アジュバント組成物及び抗原の「有効な量」、「薬学的に有効な量」という用語は、免疫学的反応等の所望の反応、および随意に、対応する治療効果を与える組成物の無毒であるが十分な量、または治療上のタンパク質の送達の場合、以下に定義されるように、被験体を有効に処置するのに十分な量を指す。以下に指摘されるように、要求される正確な量は、被検体毎に、被検体の性別、年齢、一般条件、処置されるべき状態の重症度、所望の特定の高分子、投与モード、および同様のものに依存して、変わる。任意の個々の場合での適切な「有効な」量は、ルーチン実験を用いる1の当業者によって測定され得る。
【0022】
「抗原送達システム」は、アジュバント組成物と、抗原と、他の緩衝液と、組み合わせのための担体として安定しまたは機能するように使用される物質と、を含む。
【0023】
第1の実施形態では、ペプチドを抗原と同時投与することによって感染症を防ぐことを目的として、液性及び細胞反応を生成するため、ペプチドは抗原と共に用いられる。
【0024】
また別の実施形態では、本発明は、脊椎のある被検体の免疫反応を刺激する方法を対象としている。該方法は、選択された抗原と、本明細書に記載のペプチドを含むアジュバント組成物と、の有効量または治療上有効な量を被検体に投与する工程を含む。当業者に明らかなように、抗原とアジュバントペプチドは、様々な手段によって、および本発明の様々な状態下において、投与され得る。例えば、抗原送達システム及び/又は免疫刺激性分子を与えられてもよい。ここで、アジュバント組成物は、選択された抗原に対する免疫反応を増加させる能力を有している。抗原は、アジュバント組成物の中にあってもよいし、または別々の組成物で投与されてもよい。抗原は、別々に送達されるとき、同じ又は異なる部位に送達され、およびアジュバント組成物の前後又は同時に送達されてもよい。
【0025】
本明細書に記載されているように、例えば抗原に対して刺激された免疫反応を必要又は所望する固体にアジュバントペプチドの投与をすることは、例えば、本明細書に記述されているように、および当業者に知られているように、アジュバントペプチドと抗原とを一緒に、別々に、さらには異なる場所で、投与する等、種々の手段によって行うことができるということに注意することは重要である。アジュバントペプチドは、精製され又は分離されたペプチドとして投与されてもよいし、抗原に化学的にまたは遺伝学的の何れか(すなわちペプチド抗原およびアジュバントペプチドの両方を含む遺伝子組み換えのペプチド)融合されてもよい。あるいは、アジュバントペプチドが固体に依然投与されるように、投与後に発現するように配合されているアジュバントペプチドを含む核酸として投与されてもよい。
【0026】
関係する実施形態では、本発明は、伝染因子からタンパク質を発現させることができる、選択されたペプチドおよび1つ以上のDNA配列を同時投与することによって、感染症を防ぐ方法を対象にしている。これらの薬剤は、C型肝炎、HIV、出血熱(hemoragghic fevers)およびそのようなもの等のウィスルまたは強いT細胞反応が所望される他の抗原を含むことができた。当業者に認識されているように、同時投与に適切な薬剤は、DNA、RNAまたはタンパク質ワクチン、ウィスル抽出、また不活性化されたウィスルまたは細菌、を含むがこれらにけっして限定されない。
【0027】
本発明の1つの態様では、有効な量のアジュバントペプチド及び所望の抗原を含む組成物が与えられる。前記アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。
【0028】
本発明の別の態様によると、有効な量のアジュバントペプチドをそのような処置を必要とするまたは望む固体に投与する工程を含む抗原に対する免疫反応を刺激するまたは免疫反応を増強する方法が与えられる。前記アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列を含む。そのような処置を必要としているまたは望んでいる固体は、本明細書に記述されているように免疫化された固体でもよい。
【0029】
1つの好ましい実施形態では、アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、から成るグループから選択される。別の好ましい実施形態では、アジュバントペプチドは、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、から成るグループから選択される。
【0030】
別の好ましい実施形態では、アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、から成るグループから選択される。
【0031】
別の好ましい実施形態では、アジュバントペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)である。
【0032】
好ましい実施形態では、「有効な量」または「治療上有効な量」のアジュバントペプチドは、1投与量、または1投与当たり、約50μgと約5mgの間にある。より好ましい実施形態では、投与量は、約50μg乃至約500μgの間である。当業者に明らかなように、有効な量は、投与される固体の年齢、体重および状態に従って変わり得る。
【0033】
本明細書に議論されるように、本発明のアジュバントペプチドは、「遊離」ペプチドとして投与される。すなわち、前記ペプチドは、KWCEC(SEQ ID No.4)と、KYMCW(SEQ ID No.12)と、CYWWW(SEQ ID No.14)と、EHWCM(SEQ ID No.15)と、FCCWW(SEQ ID No.16)と、TCCMW(SEQ ID No.17)と、TCWWH(SEQ ID No.18)と、TCYWW(SEQ ID No.19)と、WMICM(SEQ ID No.20)と、YWHMW(SEQ ID No.21)と、から成るグループから選択されたアミノ酸配列から成る分離ペプチドでもよい。代わりに、アミノ酸配列は、技術分野で既知の手段を用いて抗原ペプチドまたは担体ペプチドに取り付けられるか、またはその中に組み込まれ得る。他の実施形態では、そのような構造は、アジュバントペプチドが本明細書で述べられているような投与後に発現するように、固体に投与され得る核酸分子によってコード化され得る。
【0034】
当業者に明らかなように、任意の適切な抗原は、本発明のアジュバントペプチドと組み合わせて使用され得る。特に好ましい実施形態では、抗原は、例えば、非活性化され又は弱毒化されたウィルス又は細菌、ウィスルまたは細菌抽出、または細菌又はウィスルのペプチド等、感染症からの抗原である。
【0035】
本発明の別の態様では、そのような処置を必要とする固体の免疫反応を、誘発し、刺激し、または増強するために、上記のアジュバントペプチドの使用が与えられる。上述されたように、アジュバントペプチドは、抗原と一緒に投与されてもよいし、または別々に投与されてもよいし、異なる部位で投与されてもよい。
【0036】
本発明の別の態様では、個体の免疫反応を刺激するための薬物または組成物を調合する方法が与えられている。前記方法は、本明細書に記載されているようなアジュバントペプチドと、適切な賦形剤(例えば適切なワクチン賦形剤、担体、希釈剤)とを混合する工程を含んでいる。他の実施形態では、薬物または組成物、またはワクチンは、上記のアジュバントペプチドと所望の抗原とを混合することによって調合されてもよい。
【0037】
本明細書に議論されるように、アジュバントペプチドは、任意の脊椎動物に投与され得るが、好ましくは、例えば、ヒトまたは獣医学用途で動物に投与される。従って、本発明のいくつかの態様では、「固体」は非ヒト動物または非ヒトの脊椎動物である。代わりに、アジュバントペプチドは、研究用に使用され得る。
【0038】
<実施例>
下記は、本発明を実行するための特定の実施形態の実施例である。該実施例は、説明目的のためにのみ提示されたもので、どのような方法においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0039】
<実施例1>
ペプチドの確認。プロテオーム・データベースは、一度、最大のものを生じるアミノ酸配列の短鎖5量体ペプチドを探すコンピュータアルゴリズムを使用してふるいにかけられた。この解析は、全ての既知のプロテオームから一度だけ発見された、5量体ペプチドの、決して得られなかった417と、固有の1288と、の配列を生成した。9および13量体の配列は、既知のプロテオームに欠けている、事前に417と同定された5量体配列からコンピュータによって生成されたものであった。6つの5量体、3つの9量体および3つの13量体の様々な予想された疎水性値が、関数解析に任意に選択された。免疫反応に対する各短鎖ペプチドの影響は、Balb/cマウス中のpCAGベースDNAワクチンから発現されたハノイ2005鳥インフルエンザウィスルの赤血球凝集素(HA)抗原に対するT細胞反応の評価により最初に分析された。各5量体、9量体および13量体の配列は、発現を促進し、可変純度の独立したペプチドの調合から生じる潜在的な実験の偏差を最小限にするために、HA抗原のC末端でフレームのクローン化が行われた。4匹のマウスのグループは、各短鎖ペプチド配列を伴うフレーム内のHAをコード化する各プラスミドDNAの、1マウス当たり50μgによって予防注射を筋肉内(I.M.)に受けた。そして、T細胞反応は、10日経過後の脾細胞からモニタされた。追加の配列(pCAG−HA)を伴わない同じプラスミドDNAコード化HAは、基準対照(benchmark control)として含まれていた。HAタンパク質全体を包含するオーバーラップペプチドのライブラリは、脾細胞を再刺激するのに使用され、およびIFN-g生成は、T細胞反応の測定値としてELISPOTによって評価された。
図1は、pCAG−HA−5量体#4(SEQ ID No.4)および#6(DMCKW(SEQ ID No.13))が、他の修飾済のpCAG−HA−5、9または13量体と、または修飾されていないpCAG−HA対照によって比較された時、HAライブラリからのいくつかの個々のペプチドで刺激した後のIFNg生成を増加したことを示す。データから、T細胞反応の生成時、5量体が9量体または13量体よりよく機能したことが結論付けられ得る。データから、非常に驚くほどのT細胞反応の増加を導く疎水性または配列に関する任意のパターンは現われなかった。様々なペプチドの疎水性は、表1に列挙されている。
【0040】
さらに、赤血球吸着(HA)ウィルスに対する中和抗体は測定された。そして、5量体4と5量体7は、中和抗体反応の著しい増加を引き起こしたペプチドであると確認された。更なるペプチドが、同様のプロセスを使用して確認された(
図17、18を参照)。
図18(表2の配列)に示されるように、驚くべきことに、非常に似ているペプチドが観察された反応に対して劇的に異なる効果を有し得ることが見出された。中和抗体は有効性のためのマーカーであり、アジュバントとしての5量体4(SEQ ID No.4)および5量体7(SEQ ID No.12)による予防接種が、かなりの抗体反応を生じたことをあらわす一方で、他の5量体(5量体1(SEQ ID No.1)、5量体2(SEQ ID No.2)、5量体3(SEQ ID No.3))および9または13量体は、
図2に示されたように、強い中和抗体反応を生じなかったことをあらわす。それ故、免疫反応の増加をもたらす更なるペプチドを求めるために、10の任意に選択されたペプチドのグループは、上述されたT細胞アッセイでふるいにかけられた。基線の上のT細胞反応を実証したグループについては、個々のペプチドはアッセイでふるいにかけられた。データから、密接に関連する配列がT細胞反応の生成に非常に異なる効果を有していたことは、驚くべきことである。例えば、ペプチド配列CYWWW(91、SEQ ID No.14)は、かなりのT細胞反応を生成した。しかし、たった1つのアミノ酸の異なるペプチドCYYWC(92、SEQ ID No.22)は、HA単体の基線に満たないT細胞反応を生成した。同様の違いは、1対のEHWCM(93、SEQ ID No.15)およびEMWCM(94、SEQ ID No.23)等の他のペプチドで見出された。前者は、大きなT細胞反応を生成したが、後者は、そうではなかった。このアッセイ中に強いT細胞反応を生成したペプチドは、拡張動物研究で5量体4(KWCEC、SEQ ID No.4))および5量体7(KYMCW(SEQ ID No.12))によって生成された反応に基づいたよいアジュバントであると予想される。高いT細胞反応を生成したペプチドが、生存研究で効果的な反応を導くと予想される高い中和抗体反応を生成することが、データからも、認められ得る。
【0041】
ヒトのアジュバントペプチドの予期される投与量は、抗原の性質に依存して、50μgと5mg間にあると予想される。ほとんどのアジュバントは、50μgと500μg間で使用され、このことは、同様に、選択されたペプチドに当てはまると予想される。現在まで、重大な毒性は、選択されたペプチドの高投与量に認められていない。
【0042】
<実施例2>
予防接種後の防御免疫反応の生成。誘発された、より高いT細胞反応に基づいて、5量体4(SEQ ID No.4)または5量体7(SEQ ID No.12)の、何れかへ融合されたpCAG−HAは、Balb/cマウスで更に研究された。抗体反応は、対照として、修飾されていないHAを含む各DNAワクチンによって筋肉内に予防接種された25日後の血清の、赤血球凝集阻止(HI)および中和(NAB)滴定アッセイによってモニタされた。pCAG−HA−5量体4および5量体7、又はpCAG−HAそれぞれに対し、平均のHIの相互の稀釈力価は、85±40、55±35または25±20である一方で、NABの力価は、25±30、22±10、あるいは検出できなかった。より高いTおよびB細胞反応が強化された保護によって相互に関連付けられるか否かを評価するために、Balb/cマウスは、各々HA−5量体4および5量体7によって筋肉内に予防接種された28日後にハノイ05の致死量投与によりチャレンジされた。選択されたDNAワクチン投与量は、生存率30%を誘発すると試験された最小量であることが見出された、修飾されていない1μgのpCAG−HAの投与量に基づいた。1μgのpCAG−HA-5量体7による予防接種は、5%の体重の減少を伴う死から80%の動物を保護した一方で、pCAG―HA−5量体#4は、統計的に有意な体重の減少および疾患の臨床徴候を何ら伴わず100%の生存率を誘発した。このことは、アジュバントとして抗原に取り付けられたペプチドを使用することで有効な免疫反応が生成されることを可能にし、インフルエンザ感染上で典型的には見出される影響から保護を与える、ことを実証する。
【0043】
<実施例3>
予防接種後の防御免疫反応の生成。誘発されたより高いT細胞反応に基づいて、5または50μgの遊離ペプチド5量体4(SEQ ID No.4)と組み合わせたpCAG−HAは、Balb/cマウスで更に研究された。抗体反応は、対照として、修飾されていないHAを含む各DNAワクチンによって筋肉内に予防接種された25日後の血清の、赤血球凝集阻止(HI)および中和(NAB)滴定アッセイによってモニタされた。より高いTおよびB細胞反応が強化された保護によって相互に関連付けられるか否かを評価するために、Balb/cマウスは、5または50μgの 5量体4(SEQ ID No.4)を加えた各HAによって筋肉内に予防接種された28日後にハノイ05の致死量投与によりチャレンジされた。選択されたDNAワクチン投与量は、製造率30%を誘発すると試験された最小量であると見出された、修飾されていない1μgのpCAG−HAの投与量に基づいた。5μgの5量体4(SEQ ID No.4)を加えた1μgのpCAG−HAによる予防接種は、最小の体重の減少を伴う死から動物を50%保護した一方で、50μgの5量体4を加えたpCAG―HAは、統計的に有意な体重の減少および疾患の臨床徴候を何ら伴わず90%の生存率を誘発した。処置されたワクチン接種をしていない対照動物は、100%死んだ。このことは、抗原と併用してアジュバントとして遊離ペプチドを使用することは、有効な免疫反応が生成されることを可能にし、インフルエンザ感染で典型的には見出される影響から保護を与える、ことを実証する。このデータは、異なるレベルのアジュバントに応じた投与量があることを、また実証する。
【0044】
<実施例4>
異種のチャレンジ用の遊離外来ペプチドによる免疫処置後の予防効果。10匹のBALB/cマウスのグループは、1マウスあたりの遊離ペプチドとして、50または100μgの5量体4(SEQ ID No.4)の何れかを加えた100μgのpCAGα-HAの1回投与によって、予防注射を筋肉内に受けた。対照マウスは、50μgの5量体4又はPBSのみによって免疫化された。28日後、それらは、100LD50の、マウスに適用されたH5N1型A/香港/483/1997によってチャレンジされた。50または100μgの5量体4(SEQ ID No.4)の何れかを加えたpCAGα-HAにより免疫化されたマウスのグループは、両方が100%の生存を示した一方で、対照PBSグループは、チャレンジ後18日で100%死んだ。このことは、抗原と共にアジュバントとして遊離ペプチドを使用することは、有効な免疫反応が生成されることを可能にし、関連ウィスルを使用するインフルエンザ感染上で典型的には見出される影響から保護を与える、ことを実証する。このことは、強く広範囲にわたる防御免疫反応が生成されたことを示唆する。
【0045】
<実施例5>
多数の抗原と共に機能するアジュバント。作用がインフルエンザワクチンに限定されないことを実証するために、BALB/cマウスは、50μgの遊離ペプチドと共に、または対照としてペプチドを伴わない、1μgのB型肝炎ワクチン(Engerix−B)Engerix−Bワクチンの均等物によって予防注射を筋肉内に受けた。血清は、予防接種後、第2、4、6および8週にマウスから得られた。抗HBS抗体の全ては、市販のELISAキットを用いて検出された。反応率は、かなり劇的であり、対照Engerix Bグループは、免疫処置後第8週では非常に小さな反応を示し、50μgのペプチドを加えたEngerix Bは、免疫処置後第6週、第8週の両方で強い反応を示した。免疫処置後、第6週乃至第8週での抗体反応の生成は、予防接種により生成された特有の反応タイプである。これは、遊離ペプチドは、広範囲の抗原タイプにより機能することを、実証する。
【0046】
<実施例6>
多数の抗原により機能するアジュバント。作用がインフルエンザワクチンに限定されないことを実証するために、BALB/cマウスは、5μgのfiuviraiワクチンの相当物により予防注射を筋肉内に受けた。Fluviralワクチンは、(A)50μgの遊離ペプチドを備えているもの、または(B)対照としてペプチドを備えていないもの、がある。血清は、予防接種後に、第2、4、6および8週でマウスから得られた。抗HBS抗体の全ては、市販のELISAキットを用いて検出された。反応率は、かなり劇的であり、対照fiuviralグループは、免疫処置後第8週では小さな反応を示し、50μgのペプチドを加えたfiuviralは、免疫処置後第6週、第8週の両方でより強い反応を示した。この研究が比較的高いレベルの抗原により実行されたので、要求される抗原の量が典型的には強い免疫反応を生成することが予想されたものよりも、より少ないかもしれないことを示唆する。これは、また遊離ペプチドが広範囲の抗原タイプによって機能することを実証する。
【0047】
本発明の好ましい実施形態が上述されたが、様々な修正がその中で作られることと、添付された請求項は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、全てのそのような変形を含むことを意図していることとが認識され、かつ、理解される。
表1:選択された配列
表1 (
図18からの)5量体91-99の配列