(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触しない状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第1の平面に接触した状態となる請求項1に記載の電磁リレー。
前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触した状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第1の平面に接触しない状態となる請求項1に記載の電磁リレー。
前記第1の平面と同一平面上にある第3の面を有する第3の接点を設けた導電性の第3の端子を更に備え、前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触した状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第3の平面に接触した状態となる請求項1に記載の電磁リレー。
前記第1の接点と前記第2の接点のうちの少なくとも一方は、前記第1の平面又は前記第2の平面に対する傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記第2の平面が前記第1の平面に接触する際に前記第1の接点又は前記第2の接点に当接する請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の電磁リレー。
【背景技術】
【0002】
鉄心、ボビン、コイル、継鉄、接極子及びヒンジばねからなる電磁石を用いた電磁リレーは、各種産業機器において広く用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
図1は、従来の電磁リレーの一部切欠き斜視図である。
【0003】
図1において、電磁リレー1は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子4,5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、カード10と、可動端子11と、固定端子12と、ベース13と、カバー14と、を備える。
【0004】
ボビン2には、コイル3が巻回されるとともに、コイル3の両端をからげて接続されるコイル端子4,5が設けられる。また、ボビン2は、鉄心6が挿入される孔を有する。継鉄7は、鉄心6の一端に固定される。接極子8は、鉄心6の他端に対向して設けられ、ヒンジばね9によって継鉄7に接続される。電流源(図示せず)からコイル端子4,5を通じてコイル3に電流が供給されると、電磁力により接極子8が鉄心6の他端に吸引される。
【0005】
接極子8にはカード10の一端が嵌め込まれ、カード10の他端には、可動端子11の一端が嵌め込まれる。可動端子11は、導電性であり、可動平面15aを有する可動接点15が設けられている。固定端子12は、導電性であり、可動平面に対向する固定平面16aを有する固定接点16が設けられている。ベース13は、ボビン2、可動端子11の一端及び固定端子12の一端を支持する。カバー14は、電磁リレー1の上部をカバーする。
【0006】
図2は、
図1の電磁リレーの動作を説明するための図である。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、可動平面15aは、
図2Aに示すように、ギャップΔを以って固定平面16aに対向した状態、すなわち、固定平面16aに接触しない状態となる。
【0007】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面15aは、固定平面16aに垂直な平面に沿うように矢印A1(
図2A)方向に移動して固定平面16aに正面から接触する。したがって、可動平面15aは、
図2Bに示すように、固定平面16aに接触した状態となる。なお、コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面15aは、固定平面16aに垂直な平面に沿うように矢印B1(
図2B)方向に移動し、
図2Aに示すように、固定平面16aに接触しない状態となる。
【0008】
このように可動平面15aが固定平面16aに正面から接触すると、可動平面15aと固定平面16aとの間のワイピングが困難となり、可動平面15a及び固定平面16aの汚れやごみの付着を十分に除去することができなくなるので、電磁リレー1が動通不良となる場合がある。また、可動平面15aと固定平面16aとの間に発生するアークの位置と可動平面15aが移動する軌跡が同一であるため、可動平面15aが固定平面16aに溶着し、接点不良が生じる場合がある。
【0009】
一方、コイルの中空に配置した鉄心の一端にコイルばねを取り付け、コイルの中空方向に垂直な方向に正面を向けた可動接点を有するブロックを鉄心の他端に取り付け、可動接点の到達位置に固定接点を配置した電磁リレーも提案されている(例えば、特許文献4)。この場合、鉄心を電磁力とコイルばねの復帰力によりコイルの中空方向に進退させることによって、接点の開閉を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、可動接点の到達位置に固定接点を配置した従来の電磁リレーでは、可動接点を有するブロック及び固定接点を支持する端子のいずれもが、構造上の理由によりばね性を有することができないので、接点接触が不安定になるという不都合がある。
【0012】
本発明の目的は、接点接触を不安定にすることなく接点同士のワイピングを十分に確保し、かつ、接点同士の溶着を回避することができる電磁リレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による電磁リレーは、鉄心と、前記鉄心が挿入される孔を有するボビンと、前記ボビンに巻回されたコイルと、前記鉄心の一端に固定された継鉄と、前記鉄心の他端に対向して設けられ、前記コイルに流れる電流によって生じた電磁力により前記鉄心の他端に吸引される接極子と、前記継鉄と前記接極子とを接続するヒンジばねと、前記ボビンを支持するベースと、前記ベースに支持され、第1の平面を有する第1の接点を設けた導電性の第1の端子と、前記ベース又は前記継鉄に支持され、第2の平面を有する第2の接点を設けた導電性の第2の端子と、を備え、前記第1の端子と前記第2の端子のうちの少なくとも一方がばね性を有し、前記第2の平面は、前記吸引に伴う前記接極子の移動により前記第1の平面に平行な平面に沿って移動することによって、前記第1の平面に接触した状態から前記第1の平面に接触しない状態又は前記第1の平面に接触しない状態から前記第1の平面に接触した状態となることを特徴とする。
【0014】
好適には、前記接極子と前記第2の端子との間に介在するカードを更に備え、前記第2の端子が前記カードに嵌め込まれている。
【0015】
好適には、前記接極子と前記第2の端子との間に介在するカードを更に備え、前記カードが前記接極子に嵌め込まれている。
【0016】
好適には、前記接極子と前記第2の端子との間に介在するカードを更に備え、前記第2の端子と前記接極子のうちの少なくとも一方及び前記カードがインサート成形されている。
【0017】
好適には、前記接極子と前記第2の端子との間に介在するカードを更に備え、前記第2の端子は、前記接極子の移動に伴う前記カードの移動に応じて回動する矩形片を有する。
【0018】
好適には、前記第2の端子は、かしめ、溶接又はインサート成形によって前記接極子に接続されている。
【0019】
好適には、前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触しない状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第1の平面に接触した状態となる。
【0020】
好適には、前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触した状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第1の平面に接触しない状態となる。
【0021】
好適には、前記第1の平面と同一平面上にある第3の面を有する第3の接点を設けた導電性の第3の端子を更に備え、前記第2の平面は、前記コイルに電流が流れていないときには前記第1の平面に接触した状態となり、前記コイルに電流が流れているときには前記第3の平面に接触した状態となる。
【0022】
好適には、前記第2の端子は、前記ベース又は前記継鉄に支持された第1の矩形片と、前記第1の矩形片に接続され、前記第2の接点が設けられた第2の矩形片と、を有する。
【0023】
好適には、前記第1の接点と前記第2の接点のうちの少なくとも一方は、前記第1の平面又は前記第2の平面に対する傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記第2の平面が前記第1の平面に接触する際に前記第1の接点又は前記第2の接点に当接する。
【0024】
好適には、前記第1の接点を、溶接又はかしめによって前記第1の端子に設け、前記第2の接点を、溶接又はかしめによって前記第2の端子に設ける。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第2の平面は、吸引に伴う接極子の移動により第1の平面に平行な平面に沿って移動することによって、第1の平面に接触した状態から第1の平面に接触しない状態又は第1の平面に接触しない状態から第1の平面に接触した状態となるので、接点同士のワイピングを十分に確保することができる。また、第2の平面は、吸引に伴う接極子の移動により第1の平面に平行な平面に沿って移動するようにしているので、アークが発生する位置は、移動平面が移動する軌跡と異なるようになり、接点同士の溶着を回避することができる。さらに、第1の端子と第2の端子のうちの少なくとも一方がばね性を有するので、接点をたわませながら第1の平面と第2の平面とを接触させることができ、接点接触を安定にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による電磁リレーの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、本発明による電磁リレーの第1の実施の形態の一部切欠き斜視図である。
図3において、
図1と共通する部分に同一符号を付す。電磁リレー20は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子4,5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、カード10と、第2の端子としての可動端子21と、第1の端子としての固定端子22と、ベース13と、カバー14と、を備える。なお、電磁リレー20のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、ベース13及びカバー14は、
図1に示した電磁リレー1のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、ベース13及びカバー14と同一構成を有するので、これらの説明を省略する。
【0028】
可動端子21は、導電性であり、ベース13に支持された第1の矩形片としての矩形片21aと、矩形片21aに接続され、可動平面23aを有する第2の接点としての可動接点23が溶接又はかしめによって設けられた第2の矩形片としての矩形片21bと、を有する。可動端子21は、矩形片21aと矩形片21bとの間の接続部がカード10に嵌め込まれ又はインサート成形されている。
【0029】
固定端子22は、導電性であり、ベースに支持された矩形片22aと、矩形片22aに接続され、固定平面24aを有する固定接点24が溶接又はかしめによって設けられた矩形片22bと、を有する。本実施の形態では、可動端子21と固定端子22のうちの少なくとも一方がばね性を有する。
【0030】
図4は、
図3の電磁リレーの動作を説明するための図である。なお、
図4Aは、オフ状態の電磁リレー30の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応し、
図4Bは、オン状態の電磁リレー30の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応する。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、可動平面23aは、
図4Aに示すように、可動接点23の中心と固定接点24の中心との間の距離がL1である状態、すなわち、固定平面24aに接触しない状態となる。
【0031】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面23aは、固定平面24aに平行な平面に沿うように矢印A2(
図4A)方向(この場合、水平方向)に移動して固定平面24aに横方向から接触する。したがって、可動平面23aは、
図4Bに示すように、固定平面24aに接触した状態となる。
【0032】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。この場合、可動平面23aは、可動端子21の復帰力及びヒンジばね9の力を利用して、固定平面24aに平行な平面に沿うように矢印B2(
図4B)方向(この場合、水平方向)に移動し、
図4Aに示すように、固定平面24aに接触しない状態となる。
【0033】
上述したように、電磁リレー20は、コイル3に電流が流れない場合に可動平面23aが固定平面24aに接触しない状態となり、コイル3に電流が流れる場合に可動平面23aが固定平面24aに接触した状態となるので、メーク接点として機能する。
【0034】
本実施の形態によれば、可動平面23aは、吸引に伴う接極子8の移動により固定平面24aに平行な平面に沿って移動することによって、固定平面24aに接触した状態から固定平面24aに接触しない状態又は固定平面24aに接触しない状態から固定平面24aに接触した状態となるので、接点同士のワイピングを十分に確保することができる。また、可動平面23aは、吸引に伴う接極子8の移動により固定平面24aに平行な平面に沿って移動するようにしているので、アークが発生する位置は、可動平面23aが移動する軌跡と異なるようになり、接点同士の溶着を回避することができる。さらに、可動端子21と固定端子22のうちの少なくとも一方がばね性を有するので、可動接点23と固定接点24のうちの少なくとも一方をたわませながら第1の平面と第2の平面とを接触させることができ、接点接触を安定にすることができる。
【0035】
図5は、
図1の電磁リレーの変形例の動作を説明するための図である。
図5に示す変形例において、電磁リレー20は、可動接点23の代わりに、可動平面23a’及びそれに対する傾斜面23b’を有する可動接点23’を使用し、固定接点24の代わりに、固定平面24a’及びそれに対する傾斜面24b’を有する固定接点24’を使用する。
【0036】
コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、
図5Aに示すように、可動平面23aは、可動接点23’の中心と固定接点24’の中心との間の距離がL2である状態、すなわち、固定平面24a’に接触しない状態となる。
【0037】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面23a’は、固定平面24a’に平行な平面に沿うように矢印A3(
図5A)方向(この場合、水平方向)に移動し、傾斜面23b’が傾斜面24b’に当接する(
図5B)。その後、傾斜面23b’が傾斜面24b’の上をスライドし(
図5C)、可動平面23a’は、
図5Dに示すように、固定平面24a’に接触した状態となる。
【0038】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面23aは、固定平面24aに平行な平面に沿うように矢印B3(
図5D)方向(この場合、水平方向)に移動し(
図5C)、傾斜面23b’が傾斜面24b’に当接し(
図5B)、
図5Aに示すように、固定平面24aに接触しない状態となる。
【0039】
このように傾斜面23b’が傾斜面24b’を設けることによって、可動平面23a’の固定平面24a’への接触を更に円滑に行うことができる。
【0040】
図6は、本発明による電磁リレーの第2の実施の形態の一部切欠き斜視図である。
図6において、
図1及び
図3と共通する部分に同一符号を付す。電磁リレー30は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子4,5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、カード10と、第2の端子としての可動端子31と、第1の端子としての固定端子32と、ベース13と、カバー14と、を備える。なお、電磁リレー30のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、ベース13及びカバー14は、
図1に示した電磁リレー1及び
図3に示した電磁リレー20のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、ベース13及びカバー14と同一構成を有するので、これらの説明を省略する。
【0041】
可動端子31は、導電性であり、ベース13に支持された第1の矩形片としての矩形片31aと、矩形片31aに接続され、
図3の可動接点23と同一構成を有する可動接点33が溶接又はかしめによって設けられた第2の矩形片としての矩形片31bと、を有する。可動端子31は、矩形片31bに嵌め込まれ又はインサート成形されている。
【0042】
固定端子32は、導電性であり、ベースに支持された矩形片32aと、矩形片32aに接続され、
図3の可動接点24と同一構成を有する固定接点34が溶接又はかしめによって設けられた矩形片32bと、を有する。本実施の形態では、可動端子31と固定端子32のうちの少なくとも一方がばね性を有する。
【0043】
図7は、
図6の電磁リレーの動作を説明するための図である。なお、
図7Aは、オン状態の電磁リレー30の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応し、
図7Bは、オフ状態の電磁リレー30の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応する。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、
図7Aに示すように、可動端子33の可動平面33aは、固定端子34の固定平面34aに接触した状態となる。
【0044】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面33aは、固定平面34aに平行な平面に沿うように矢印A3(
図7A)方向(この場合、水平方向)に移動して固定平面34aから横方向に離間する。したがって、可動平面33aは、
図7Bに示すように、可動接点33の中心と固定接点34の中心との間の距離がL2である状態、すなわち、固定平面34aに接触しない状態となる。
【0045】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面33aは、可動端子31の復帰力及びヒンジばね9の力を利用して、固定平面34aに平行な平面に沿うように矢印B3(
図7B)方向(この場合、水平方向)に移動し、
図7Aに示すように、固定平面34aに接触した状態となる。
【0046】
上述したように、電磁リレー30は、コイル3に電流が流れない場合に可動平面33aが固定平面34aに接触した状態となり、コイル3に電流が流れる場合に可動平面33aが固定平面34aに接触しない状態となるので、ブレイク接点として機能する。
【0047】
本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、接点同士のワイピングを十分に確保し、接点同士の溶着を回避し、かつ、接点接触を安定にすることができる。
【0048】
図8は、本発明による電磁リレーの第3の実施の形態の一部切欠き斜視図である。
図8において、
図6と共通する部分に同一符号を付す。電磁リレー40は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子4,5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、カード10と、可動端子31と、固定端子32と、固定端子41と、ベース13と、カバー14と、を備える。なお、電磁リレー20のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、可動端子31、固定端子32、ベース13及びカバー14は、
図6に示した電磁リレー30のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、カード10、可動端子31、固定端子32、ベース13及びカバー14と同一構成を有するので、これらの説明を省略する。
【0049】
固定端子41は、導電性であり、ベースに支持された矩形片41aと、矩形片41aに接続され、固定接点32と同一構成を有する固定接点42が溶接又はかしめによって設けられた矩形片42bと、を有する。本実施の形態では、固定端子41はばね性を有してもよい。
【0050】
図9は、
図8の電磁リレーの動作を説明するための図である。なお、
図9Aは、一方のオン状態の電磁リレー40の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応し、
図9Bは、他方のオフ状態の電磁リレー40の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応する。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、
図9Aに示すように、可動端子33の可動平面33aは、固定端子34の固定平面34aに接触した状態となる。
【0051】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面33aは、固定平面34aに平行な平面に沿うように矢印A4(
図7A)方向(この場合、水平方向)に移動して固定平面34aに正面から離間し、固定端子42の固定平面42aに接触する。したがって、可動平面33aは、
図9Bに示すように、固定平面42aに接触しない状態となる。
【0052】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面33aは、可動端子31の復帰力及びヒンジばね9の力を利用して、固定平面34aに平行な平面に沿うように矢印B4(
図9B)方向(この場合、水平方向)に移動し、
図9Aに示すように、固定平面34aに接触した状態となる。
【0053】
上述したように、電磁リレー30は、コイル3に電流が流れない場合に可動平面33aが固定平面34aに接触した状態となり、コイル3に電流が流れる場合に可動平面33aが固定平面42aに接触した状態となるので、トランスファー接点として機能する。
【0054】
本実施の形態によれば、上記第1及び第2の実施の形態と同様に、接点同士のワイピングを十分に確保し、接点同士の溶着を回避し、かつ、接点接触を安定にすることができる。
【0055】
図10は、本発明による電磁リレーの第4の実施の形態の一部切欠き斜視図である。
図10において、
図1及び
図3と共通する部分に同一符号を付す。電磁リレー50は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子4,5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、カード10’と、第2の端子としての可動端子51と、第1の端子としての固定端子52と、ベース13と、カバー14と、を備える。なお、電磁リレー50のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、ベース13及びカバー14は、
図1に示した電磁リレー1及び
図3に示した電磁リレー20のボビン2、コイル3、コイル端子4,5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、ベース13及びカバー14と同一構成を有するので、これらの説明を省略する。また、カード10’は、可動端子51の一端がカード10’の一端に挿入された点を除いては、
図1に示した電磁リレー1及び
図3に示した電磁リレー20のカード10と同一であるので、その説明を省略する。
【0056】
可動端子51は、導電性であり、接極子8の移動に伴うカード10’の移動に伴ってカバー14に回動自在に支持される矩形片51aを有する。可動端子51の他端には、
図3の可動接点23と同一構成を有する可動接点53が溶接又はかしめによって設けられている。
【0057】
固定端子52は、導電性であり、ベースに支持された矩形片52aを有し、
図3の固定接点24と同一構成を有する固定接点34が溶接又はかしめによって設けられている。本実施の形態では、可動端子51と固定端子52のうちの少なくとも一方がばね性を有する。
【0058】
図11は、
図10の電磁リレーの動作を説明するための図である。なお、
図10Aは、オフ状態の電磁リレー50の一部切欠き斜視図の一部を拡大したものに対応し、
図10Bは、オフ状態の電磁リレー50の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応し、
図10Cは、オン状態の電磁リレー50の一部切欠き斜視図の一部を拡大したものに対応し、
図10Dは、オン状態の電磁リレー50の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応する。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、
図10A及び
図10Bに示すように、可動接点53の可動平面53aは、可動接点53の中心と固定接点54の中心とが所定の円弧距離だけ離間している状態、すなわち、固定接点54の固定平面54aに接触しない状態となる。
【0059】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面53aは、可動端子51に固定され及びカバー14に回動自在に設けられた回動軸55を中心として、固定平面54aに平行な平面に沿うように矢印A5(
図11A)方向(この場合、垂直方向)に所定の角度だけ回動して固定平面54aに正面から接触する。したがって、可動平面53aは、
図11C及び
図11Dに示すように、固定平面54aに接触した状態となる。
【0060】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面53aは、可動端子51の復帰力及びヒンジばね9の力を利用して、固定平面54aに平行な平面に沿うように矢印B5(
図11C)方向(この場合、垂直方向)に移動し、
図11A及び
図11Bに示すように、固定平面24aに接触しない状態となる。
【0061】
上述したように、電磁リレー50は、コイル3に電流が流れない場合に可動平面53aが固定平面54aに接触しない状態となり、コイル3に電流が流れる場合に可動平面53aが固定平面54aに接触した状態となるので、メーク接点として機能する。
【0062】
本実施の形態によれば、上記第1〜3の実施の形態と同様に、接点同士のワイピングを十分に確保し、接点同士の溶着を回避し、かつ、接点接触を安定にすることができる。
【0063】
図12は、本発明による電磁リレーの第5の実施の形態の一部切欠き斜視図である。
図12において、
図1及び
図3と共通する部分に同一符号を付す。電磁リレー60は、ボビン2と、コイル3と、コイル端子5と、鉄心6と、継鉄7と、接極子8と、ヒンジばね9と、第2の端子としての可動端子61と、第1の端子としての固定端子62と、ベース13と、カバー14と、を備える。なお、電磁リレー60のボビン2、コイル3、コイル端子5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、ベース13及びカバー14は、
図1に示した電磁リレー1及び
図3に示した電磁リレー30のボビン2、コイル3、コイル端子5、鉄心6、継鉄7、接極子8、ヒンジばね9、ベース13及びカバー14と同一構成を有するので、これらの説明を省略する。
【0064】
可動端子61は、導電性であり、継鉄7に支持された第1の矩形片としての矩形片61aと、矩形片61aに接続され、
図1の可動端子23と同一構成を有する可動接点63が溶接又はかしめによって設けられた第2の矩形片としての矩形片61bと、を有する。
【0065】
固定端子62は、導電性であり、ベースに支持され、
図1の固定端子24と同一構成を有する固定接点64が溶接又はかしめによって設けられた矩形片62bを有する。本実施の形態では、可動端子61がばね性を有する。
【0066】
図13は、
図12の電磁リレーの動作を説明するための図である。なお、
図13Aは、オフ状態の電磁リレー60の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応し、
図13Bは、オン状態の電磁リレー60の一部切欠き側面図の一部を拡大したものに対応する。コイル3に電流が流れない場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引されない場合、
図13Aに示すように、可動接点63の可動平面63aは、可動接点63の中心と固定接点64の中心との間の距離がL3である状態、すなわち、固定接点64の固定平面64aに接触しない状態となる。
【0067】
それに対し、コイル3に電流が流れる場合、すなわち、接極子8が鉄心6の他端に吸引される場合、可動平面63aは、固定平面64aに平行な平面に沿うように矢印A6(
図13A)方向(この場合、水平方向)に移動して固定平面64aに横方向から接触する。したがって、可動平面63aは、
図13Bに示すように、固定平面64aに接触した状態となる。
【0068】
コイル3への電流の供給を停止すると、接極子8が鉄心6の他端に吸引されなくなる。その後、可動平面63aは、可動端子61の復帰力及びヒンジばね9の力を利用して、固定平面64aに平行な平面に沿うように矢印B6(
図13B)方向(この場合、水平方向)に移動し、
図13Aに示すように、固定平面64aに接触しない状態となる。
【0069】
上述したように、電磁リレー60は、コイル3に電流が流れない場合に可動平面63aが固定平面64aに接触しない状態となり、コイル3に電流が流れる場合に可動平面63aが固定平面64aに接触した状態となるので、メーク接点として機能する。
【0070】
本実施の形態によれば、上記第1〜4の実施の形態と同様に、接点同士のワイピングを十分に確保し、接点同士の溶着を回避し、かつ、接点接触を安定にすることができる。
【0071】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、カードを有しない電磁リレーがメーク接点を構成する場合について説明したが、カードを有しない電磁リレーがブレイク接点又はトランスファー接点を構成する場合についても本発明を適用することができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、傾斜面を可動接点と固定接点の両方に設ける場合について説明したが、傾斜面を可動接点と固定接点のいずれか一方に設ける場合についても本発明を適用することができる。