特許第5901385号(P5901385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901385
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】消火器
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/76 20060101AFI20160324BHJP
【FI】
   A62C13/76 G
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-73298(P2012-73298)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-202168(P2013-202168A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100088052
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 文彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 恵理子
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−215965(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/062731(WO,A1)
【文献】 特開2011−081321(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3069984(JP,U)
【文献】 仏国特許出願公開第02849606(FR,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0139934(US,A1)
【文献】 英国特許出願公告第671956(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/00−13/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、
操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、
前記操作方法表示ラベルは、前記消火剤容器の肩部の形状に合った切頭半球状をなすように形成され、前記消火器の肩部に設けられていることを特徴とする消火器。
【請求項2】
所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、
操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、
前記操作方法表示ラベルは、操作手順毎に分割して作製され、前記消火剤容器の肩部に設けられていることを特徴とする消火器
【請求項3】
所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、
操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、
前記操作方法表示ラベルは、前記操作方法の表示面が上向きになるように、前記消火剤容器の肩部に設けられており、前記操作方法の手順が上方から見て時計回りに記載されていることを特徴とする消火器
【請求項4】
前記操作方法表示ラベルは、着脱自在に設けられるものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の消火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災の初期消火のために用いられる消火器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災の消火のための装置として消火器が用いられている。通常、消火器の操作方法は消火剤が貯蔵された容器の側面に貼り付けられたラベルに示されており、消火器に近づくことでその操作方法を確認することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−96946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消火器は床面に設置されていることが多く、火災時に消火器を利用して消火をする際には、利用者は消火器を上方から見て操作することが多い。しかしながら、従来の消火器の場合、操作方法が示されたラベルが容器の側面に貼り付けられているので、操作方法を確認するのに消火器を側方から一度見なければならないため、操作方法を確認しながら直ちに操作することができず、消火作業が遅れるという問題があった。
【0005】
この発明は、前記の事情に鑑み、操作方法を確認しながら操作することができる消火器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、前記操作方法表示ラベルは、前記消火剤容器の肩部の形状に合った切頭半球状をなすように形成され、前記消火器の肩部に設けられていることを特徴とする消火器である。
【0007】
又、この発明は、所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、前記操作方法表示ラベルは、操作手順毎に分割して作製され、前記消火剤容器の肩部に設けられていることを特徴とする消火器である。
【0008】
又、この発明は、所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器と、前記消火剤容器とホースを介して接続され、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤の供給を開始させる操作部とを有し、前記操作部による供給開始の操作が行われることで、前記放出口から前記消火剤が放出されるように構成された消火器において、操作方法の表示面が消火器上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベルを前記消火剤容器の上部に設けたものであり、前記操作方法表示ラベルは、前記操作方法の表示面が上向きになるように、前記消火剤容器の肩部に設けられており、前記操作方法の手順が上方から見て時計回りに記載されていることを特徴とする消火器である。
【0009】
又、この発明は、前記操作方法表示ラベルは、着脱自在に設けられるものであることを特徴とする消火器である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、操作方法の表示面が消火器上方から視認することができるので、利用者は操作方法を確認しながら消火器を操作をすることができる。
【0012】
即ち、この発明によれば、操作方法を確認しながら操作することができる消火器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態に係る消火器全体の側面図である。
図2】同上の消火器の拡大平面図である。
図3】同上の消火器に設けられる着脱自在の操作方法表示ラベルの一例を示し、(a)がその表示部の詳細を示した斜視図で、(b)がその接合部の詳細を示した斜視図である。
図4】同上の着脱自在の操作方法表示ラベルの他の例を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態を図1乃至図4に基き説明する。
【0015】
消火器1は、図1に示したように、所定の消火剤が貯蔵された消火剤容器2と、消火剤容器1とホース3を介して接続され、消火剤を放出する放出口4と、消火剤容器2の上部に設けられ、消火剤容器2から放出口4に消火剤の供給を開始させる操作部の一例としての操作レバー5とを有しており、操作レバー5が開操作されることで、消火剤が消火剤容器2から放出口4に供給されて、放出口4から放出されるようになっている。尚、操作レバー5には不用意に開操作されるのを防止するための安全ピン5aが設けられている。
【0016】
そして、消火器1は、図1及び図2に示したように、その操作方法が示された表示面6aが上方から視認可能となるように、操作方法表示ラベル6が消火剤容器2の上部(操作レバー5の外周側)に設けられており、具体的には、表示面6aが上向きになるように、消火剤容器2の肩部2aに設けられている(図示の便宜上、図1では操作方法表示ラベル6を塗りつぶして表してある)。尚、ここで言う上向きとは、利用者が操作レバー5を操作する際の視線方向(図1及び2の矢視A線方向)に対して表示面6aに記載された文字が上向きであることを意味している。
【0017】
より詳しく述べると、操作方法表示ラベル6の表示面6aを上方から見ると、操作レバー5を中心として左右に、イラストと文書が記載されている。操作方法は上方から見て時計回りに手順が記載され、各操作方法の大きさは、適宜設定される。
【0018】
従って、消火器1によれば、操作方法表示ラベル6が前記の配置で設けられていることで、広い面積にイラストを記載でき、利用者は上方から操作方法表示ラベル6の表示面6aに示されている操作方法のイラストと文字を一度に視認することができ、操作方法を確認しながら機器の操作をすることができる。
【0019】
尚、消火器1において、操作方法表示ラベル6は貼り付けにより固定的に消火剤容器2に設けられたものとしてもよいが、着脱自在に設けられるものとしてもよく、着脱自在に設けられるものとすることで、既存の消火器にも取り付けることができる。
【0020】
操作方法表示ラベル6を着脱自在のものとする場合、例えば、図3(a)に示したように、消火剤容器2の肩部2aの形状に沿って切頭半球状をなすように形成されたカバー体7の表面7aに操作方法表示ラベル6を貼り付けたものとすることができる。このカバー体7は、組み立て式のものとすることができ、組み立て式のものとすることで、消火剤容器2の肩部2aとの着脱を容易にすることができる。カバー体7を組み立て式のものにする場合、例えば、図3(b)に示したように、弧状の帯体の両端を接合部7bで接離可能な構成のものとすることができ、その接合部7bは帯体の両端を互い違いに重ねて係脱部材(例えばスナップボタン等)で係脱可能な構成のものとすることができる。このカバー体7には、図3(c)に示したように、裏面7cの適宜の位置にマグネット7d(例えば3箇所)を設けるようにすることができ、そのようにすることで、消火剤容器2と着脱自在でありながら、その位置がずれないにすることができる。
【0021】
更に、操作方法表示ラベル6を着脱自在のものとする場合、例えば、図4に示したように、マグネットシート8に操作方法表示ラベル6を貼り付けたものとすることができ(マグネットシート8に操作方法を直接印刷したものとしてもよい)、マグネットシート8から操作方法表示ラベル6を含む部分を切り取って、消火剤容器2の肩部2aに貼り付けるものとすることができる。このようにすることで、消火剤容器2の肩部2aの大きさや形状に合うように適宜調整した大きさや形状で操作方法表示ラベル6を含む部分を切り取って、消火剤容器2の肩部2aに貼り付けることができる。
【0022】
尚、消火器1において、操作方法表示ラベル6は操作手順ごとに分割して作製されたものとしてもよい。このようにすることで、例えば、忘れがちな手順(ホースを構える等の手順)を示したものだけを消火剤容器2の肩部2aに貼り付けて、その手順に対し特に注意を喚起させるようにすることができる。又、操作方法表示面6aが消火器1の操作レバー5等の上部構造に隠れないようにしつつ、操作手順毎に適宜の配置で消火剤容器2の肩部2aに貼り付けることができる(図2参照)。
【0023】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基いた適宜の変更が可能である。例えば、操作レバー5に放出口4が設けられた消火器1に用いても良く、この場合、操作方法表示ラベル6の操作方法を二分割にしても良い。又、ホース保持の手順を省略し、操作前の消火器の持ち方等としても良い。更に必要に応じて、利用者が要望すると思われる各種表記を複数組み合わせることもできる様にしても良い。
【符号の説明】
【0024】
1:消火器 2:消火剤容器 2a:肩部 3:ホース 4:放出口
5:操作レバー 5a:安全ピン 6:操作方法表示ラベル 6a:表示面
7:カバー体 7a:表面 7b:接合部 7c:裏面 7d:マグネット
8:マグネットシート
図1
図2
図3
図4