特許第5901394号(P5901394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルパイン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5901394-放送受信機 図000002
  • 特許5901394-放送受信機 図000003
  • 特許5901394-放送受信機 図000004
  • 特許5901394-放送受信機 図000005
  • 特許5901394-放送受信機 図000006
  • 特許5901394-放送受信機 図000007
  • 特許5901394-放送受信機 図000008
  • 特許5901394-放送受信機 図000009
  • 特許5901394-放送受信機 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901394
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】放送受信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20160324BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20160324BHJP
   H04H 60/58 20080101ALI20160324BHJP
【FI】
   H04B1/16 M
   H04H60/37
   H04H60/58
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-83471(P2012-83471)
(22)【出願日】2012年4月2日
(65)【公開番号】特開2013-214850(P2013-214850A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】千葉 雅俊
【審査官】 野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−214983(JP,A)
【文献】 特開平04−156192(JP,A)
【文献】 特開2001−128078(JP,A)
【文献】 特開平11−103281(JP,A)
【文献】 特開2011−217211(JP,A)
【文献】 特開2008−172699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04H 60/37
H04H 60/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号に含まれるサービスに対応する音声を出力するとともに、前記放送信号に一時的に挿入されたアナウンスメントに対応する音声に切り替えて出力する放送受信機において、
前記放送信号を受信して前記サービスおよび前記アナウンスメントを抽出する受信手段と、
前記受信手段によって抽出された前記サービスおよび前記アナウンスメントのそれぞれに対応する音声信号を出力する音声出力手段と、
前記受信手段によって抽出されたアナウンスメントについて、前回抽出されたアナウンスメントと内容比較を行い、内容が同一であるか否かを判定するアナウンスメント比較手段と、
前記アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、アナウンスメントの音声信号を前記音声出力手段から出力する切替指示を行うアナウンスメント切替手段と、
を備え、前記アナウンスメント比較手段は、アナウンスメントに対応する圧縮音声データに基づいてアナウンスメントの内容比較を行い、
前記圧縮音声データには、音声波形を示す第1のデータと、前記音声波形について複数の周波数帯域のそれぞれに対応する信号の有無を示す第2のデータと、前記音声波形について複数の周波数帯域のそれぞれに対応する信号レベルを示す第3のデータとが含まれており、
前記アナウンスメント比較手段は、前記第2および第3のデータの少なくとも一方に基づいてアナウンスメントの内容比較を行うことを特徴とする放送受信機。
【請求項2】
請求項1において、
前記アナウンスメント比較手段は、音声波形を示すデータに基づいてアナウンスメントの内容比較を行うことを特徴とする放送受信機。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記アナウンスメント比較手段は、アナウンスメントの内容比較を行う前に、比較対象となる2つのアナウンスメントの時間的なずれを調整することを特徴とする放送受信機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記アナウンスメントには、このアナウンスメントが同じ内容について再送されたものであるか否かを示す識別情報が対応付けられており、
前記受信手段によって抽出されたアナウンスメントが、再送されていない新しい内容を有するものであることが前記識別情報に基づいて検出されたときに、前記アナウンスメント切替手段は、このアナウンスメントの音声信号を前記音声出力手段から出力する切替指示を行い、前記アナウンスメント比較手段はアナウンスメントの内容比較動作を行わないことを特徴とする放送受信機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記受信手段によって抽出されたアナウンスメントのデータを格納するアナウンスメント格納手段をさらに備え、
前記アナウンスメント切替手段は、前記アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、前記アナウンスメント格納手段に格納されたアナウンスメントのデータを読み出してこのアナウンスメントの音声信号を前記音声出力手段から出力する切替指示を行うことを特徴とする放送受信機。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記受信手段によって抽出されたアナウンスメントのデータの中から、アナウンスメントの内容比較に必要な一部のデータを格納するアナウンスメント格納手段をさらに備え、
前記アナウンスメント切替手段は、前記アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、前記受信手段によって次に抽出されるアナウンスメントの音声信号を前記音声出力手段から出力する切替指示を行うことを特徴とする放送受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DAB(Digital Audio Broadcasting)/T−DMB(Terrestrial-digital media broadcasting)放送規格にしたがった番組データ等を受信する放送受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル変調された放送信号を受信するDAB受信機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このDAB受信機では、通常のサービスに付加される一時的なアナウンスメントを受信したときに、通常のサービスに対応する音声の出力を中断してアナウンスメントに対応する音声に切り替えて出力している。このアナウンスメントは、同じ内容のものが複数回繰り返し送信されており、ニューフラグ(New flag)の内容を調べることにより、そのアナウンスメントが新規のものであるか2回目以降のものであるかを知ることができる。上述したDAB受信機では、ニューフラグが“1”のアナウンスメントのみを再生対象とすることで、繰り返し同じ内容のアナウンスメントが送られてくる場合であっても1回だけ聴くようにすることができ、聴取済みのアナウンスメントを繰り返し再生して通常のサービスの音声出力が頻繁に中断されることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−295126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたDAB受信機では、車両に搭載した場合に以下に示す問題があった。
【0005】
停車中にDAB受信機の電源が切断された場合や、電波が届きにくいトンネル等の場所を走行している場合に、その間にニューフラグが“1”に設定されたアナウンスメントが送信されてもこのアナウンスメントを受信することができない。したがって、その後に同じ内容のアナウンスメントを受信しても、ニューフラグが“0”に設定されているため再生対象から除外してしまい、未再生のアナウンスメントを受信しても聴き逃すことになる。一方、電源投入直後やトンネル等から離脱直後に受信したアナウンスメントについてはニューフラグの設定内容にかかわらず再生対象とすることによりこのような聴き逃しは回避することができるが、電源切断時間やトンネル等の走行時間が短い場合にはこの短い時間の間にニューフラグが“1”のアナウンスメントが送信されるとは限らないため、同じ内容のアナウンスメントを2回再生してしまうことになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、未再生のアナウンスメントの聴き漏らしや同じ内容のアナウンスメントの重複した再生を防止することができる放送受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の放送受信機は、放送信号に含まれるサービスに対応する音声を出力するとともに、放送信号に一時的に挿入されたアナウンスメントに対応する音声に切り替えて出力する放送受信機において、放送信号を受信してサービスおよびアナウンスメントを抽出する受信手段と、受信手段によって抽出されたサービスおよびアナウンスメントのそれぞれに対応する音声信号を出力する音声出力手段と、受信手段によって抽出されたアナウンスメントについて、前回抽出されたアナウンスメントと内容比較を行い、内容が同一であるか否かを判定するアナウンスメント比較手段と、アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、アナウンスメントの音声信号を音声出力手段から出力する切替指示を行うアナウンスメント切替手段とを備えている。
【0008】
放送信号に含まれるアナウンスメントを受信したときに、このアナウンスメントの内容が既に受信したアナウンスメントの内容と同じであるか否かが判定されるため、新規のアナウンスメントのみを出力対象にすることができ、未再生のアナウンスメントの聴き漏らしや同じ内容のアナウンスメントの重複再生を防止することができる。
【0009】
また、上述したアナウンスメント比較手段は、アナウンスメントに対応する圧縮音声データに基づいてアナウンスメントの内容比較を行う。アナウンスメントの比較に圧縮音声データを用いることにより、少ないデータ量で比較を行うことが可能になり、処理の負担を軽減することができる。
【0010】
また、上述した圧縮音声データには、音声波形を示す第1のデータと、音声波形について複数の周波数帯域のそれぞれに対応する信号の有無を示す第2のデータと、音声波形について複数の周波数帯域のそれぞれに対応する信号レベルを示す第3のデータとが含まれており、アナウンスメント比較手段は、第2および第3のデータの少なくとも一方に基づいてアナウンスメントの内容比較を行う。音声波形のデータそのものではなくその特徴を示す第2および第3のデータを用いて比較を行うことにより、さらに少ないデータ量で比較を行うことが可能になり、処理の負担を軽減することができる。
【0013】
また、上述したアナウンスメント比較手段は、音声波形を示すデータに基づいてアナウンスメントの内容比較を行うことが望ましい。音声波形を示すデータを用いることにより、データの圧縮形式や音声信号の変調方式(デジタル/アナログ)にかかわらず確実にアナウンスメントの比較を行うことができる。
【0014】
また、上述したアナウンスメント比較手段は、アナウンスメントの内容比較を行う前に、比較対象となる2つのアナウンスメントの時間的なずれを調整することが望ましい。これにより、例えばアナウンスメントの送信が開始された後実際に受信機においてそのアナウンスメントを受信、蓄積して内容解析を行うまでの時間的なずれをなくすことができ、時間的なずれに起因してアナウンスメントが同一でないとする誤判定を防止することができる。
【0015】
また、上述したアナウンスメントには、このアナウンスメントが同じ内容について再送されたものであるか否かを示す識別情報が対応付けられており、受信手段によって抽出されたアナウンスメントが、再送されていない新しい内容を有するものであることが識別情報に基づいて検出されたときに、アナウンスメント切替手段は、このアナウンスメントの音声信号を音声出力手段から出力する切替指示を行い、アナウンスメント比較手段はアナウンスメントの内容比較動作を行わないことが望ましい。これにより、識別情報に基づいてアナウンスメントが新規のものであることがわかっているときにアナウンスメントの内容比較動作を省略することができるため、その分処理負担を軽減することが可能となる。
【0016】
また、上述した受信手段によって抽出されたアナウンスメントのデータを格納するアナウンスメント格納手段をさらに備え、アナウンスメント切替手段は、アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、アナウンスメント格納手段に格納されたアナウンスメントのデータを読み出してこのアナウンスメントの音声信号を音声出力手段から出力する切替指示を行うことが望ましい。これにより、受信したアナウンスメントが未再生であった場合にそのアナウンスメントの聴き漏らしを確実に防止することができる。
【0017】
また、上述した受信手段によって抽出されたアナウンスメントのデータの中から、アナウンスメントの内容比較に必要な一部のデータを格納するアナウンスメント格納手段をさらに備え、アナウンスメント切替手段は、アナウンスメント比較手段によって同一でない旨の判定がなされたときに、受信手段によって次に抽出されるアナウンスメントの音声信号を音声出力手段から出力する切替指示を行うことが望ましい。アナウンスメント格納手段はアナウンスメントの内容比較に必要な最小限の容量を備えればよいため、アナウンスメント格納手段の容量を少なくすることができ、部品コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態のデジタル放送受信機の構成を示す図である。
図2】DAB/T−DMB放送規格にしたがった放送信号のフレーム構成を示す図である。
図3】MP2データのフレーム構造を示す図である。
図4】受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順を示す流れ図である。
図5】MP2データの位置合わせの説明図である。
図6】MP2データを用いた音声波形の比較動作の説明図である。
図7】受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の変形例を示す流れ図である。
図8】受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の他の変形例を示す流れ図である。
図9】受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の他の変形例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用した一実施形態のデジタル放送受信機について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態のデジタル放送受信機の構成を示す図である。このデジタル放送受信機は、主に欧州で用いられているDAB/T−DMB放送規格にしたがったデジタル放送信号を受信するためのものである。また、例えば、このデジタル放送受信機は車両に搭載されている。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のデジタル放送受信機は、RF部10、FE(フロントエンド)部20、BE(バックエンド)部30、出力処理部32、アンプ34、スピーカ36、主制御部40、表示装置50、操作部52、メモリ60を備えている。
【0021】
本実施形態のデジタル放送受信機は、変調方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いたマルチキャリア方式で放送されたデジタル放送信号を受信して復調処理および復号化処理を行って音声データを再生する。RF部10は、高周波回路であって、アンテナ12を介して受信した放送信号を中間周波信号に変換する。FE部20は、RF部10から出力される中間周波信号に対して復調処理と復号化処理を行ってサービス毎の圧縮音声データや、サービスとは別に挿入された各種アナウンスメントの圧縮音声データを出力する。例えば、圧縮音声データとして、MP2(MPEG1 Audio Layer2とMPEG2 Audio Layer2)形式の圧縮音声データが出力される。
【0022】
図2は、DAB/T−DMB放送規格にしたがった放送信号のフレーム構成を示す図である。図2に示すように、フレームは、同期チャネル、ファースト・インフォメーション・チャネルFIC、メイン・サービス・チャネルMSCによって構成されている。
【0023】
同期チャネルは、NULLシンボルと位相基準シンボルPRS(Phase Reference Symbol)からなり、フレームの先頭部分を検出してフレーム同期をとるために用いられる。ファースト・インフォメーション・チャネルFICは、メイン・サービス・チャネルMSCの内容を説明する領域であり、時間/日付データ、サービス(番組)の配列データ、サービスのラベル(名称)、サービス識別コードSID(Service Identification Code)などが含まれる。複数個のFIG(ファースト・インフォメーション・グループ)がエネルギ拡散されて、所定の情報単位である1個のFIB(ファースト・インフォメーション・ブロック)を構成している。また、各FIBは、畳み込み符号化され、この畳み込み符号化された3個のFIBが1個のFICを構成している。メイン・サービス・チャネルMSCは、複数のサービスのそれぞれに対応する主に音楽データが含まれる。このメイン・サービス・チャネルMSCは、エネルギ拡散され、畳み込み符号化され、タイムインターリーブされた複数個のサブ・チャネル(SubCh)を含んでいる。
【0024】
本実施形態では、各種のサービスの音声出力からアナウンスメントの音声出力に切り替える方法に特徴がある。受信中の放送信号(アンサンブル)についてアナウンスメントサポートを特定するためにFIG(0/18)が用いられる。このFIG(0/18)には、アナウンスメントサポートフラグ、クラスタ数、クラスタIDが含まれている。アナウンスメントサポートフラグは、先頭のサービス識別コードSIDで特定されるサービスがサポートしているアナウンスメントタイプを示すフラグである。アナウンスメントタイプとしては、緊急放送、道路交通情報放送、ニュース放送、天気予報放送などがある。また、クラスタ数は、続くクラスタIDの数を示しており、最大23となっている。クラスタIDは、サービス識別コードSIDで示されるサービスがサポートしているアナウンスメントのグループ(アナウンスメントクラスタ)を識別するための識別子である。
【0025】
また、受信中の放送信号についてアナウンスメントへの切り替えを行うためにFIG(0/19)が用いられる。このFIG(0/19)には、クラスタID、アナウンスメントスイッチングフラグ、ニューフラグ、リージョンフラグ、サブチャネル識別が含まれる。アナウンスメントスイッチングフラグは、各クラスタIDで示されるアナウンスメントクラスタの放送状況を示すものである。そのクラスタIDに属しているアナウンスメントが放送されている場合には、このフラグの内、放送中のアナウンスメントタイプに対応するビットが“1”にセットされ、アナウンスメントが放送されていない場合にはそのクラスタIDに対応するアナウンスメントスイッチングフラグの各ビットが全て“0”にリセットされる。ニューフラグは、着目しているアナウンスメントが初めて放送されたものであるか(フラグは“1”)、以前に放送されたものを再送したものであるか(フラグは“0”)を示すものである。
【0026】
図3は、MP2データのフレーム構造を示す図である。図3に示すように、MP2データには、ビットアロケーションデータ(Bit Alloc.)とスケールファクタ(ScF)と音声データとエラー検出用ワード(ScF−CRC(Cyclic Redundancy Check、巡回冗長検査))とが含まれている。ビットアロケーションデータは、音声データに含まれる音声波形データが示す音声の帯域(20Hz〜20KHz)を32のサブバンドに分割してそれぞれのサブバンドに音声成分が存在するか否かを示す周波数情報である。例えば、左右の音声に関して、各サブバンドに1ビット、合計で64ビットがビットアロケーションデータに割り当てられている。スケールファクタは、各サブバンド毎の音声レベルを示す各周波数の振幅情報である。例えば、−96dBから0dBのDレンジ96dBで、ステップ0.25dBとすると各サブバンドについて4×96=384(512として9ビット)が必要になり、左右32のサブバンドでは32×2×9=576ビット(72バイト)が必要になる。エラー検出用ワードは、スケールファクタに含まれるエラーの有無を検出するためのものであり、これらのデータに基づいて計算されたCRC値とエラー検出用ワードに格納されたCRC値とが一致しない場合に、これらのデータが破損しているものと判定される。例えば、エラー検出用ワードとして2バイトが割り当てられている。上述した音声データが第1のデータに、ビットアロケーションデータが第2のデータに、スケールファクタが第3のデータに、エラー検出用ワードが第4のデータにそれぞれ対応する。
【0027】
BE部30は、FE部20から出力される圧縮音声データ(MP2データ)が入力されており、出力対象となるサービスやアナウンスメントの切り替えや、切り替えられたサービス等に対応する圧縮音声データに対する展開処理などを行う。展開処理によって、例えばI2S(The Inter-IC Sound Bus)フォーマットの音声データが出力される。出力処理部32は、BE部30から出力される音声データが入力されており、アナログの音声信号に変換するとともに、音量の可変制御や他の音(例えば操作音)の重ね合わせ処理などを行う。アンプ34は、出力処理部32から出力される音声信号を増幅してスピーカ36から増幅後の音声を出力する。
【0028】
主制御部40は、デジタル放送受信機全体の受信動作を制御するとともに、新規内容を有するアナウンスメントを受信したときにこのアナウンスメントの音声出力に切り替える制御を行う。この切替制御を行うために、主制御部40は、比較部42と切替部44を備えている。なお、本発明におけるアナウンスメントの切替制御以外の通常の受信動作の制御に関する構成(受信対象となるサービスを選択する動作や受信中のサービスについて受信内容を表示する動作、受信を希望するアナウンスメントタイプを指定する動作などに必要な構成)については図示が省略されている。
【0029】
比較部42は、受信した放送信号から抽出されたアナウンスメントについて、前回抽出されたアナウンスメントと内容比較を行い、内容が同一であるか否かを判定する。切替部44は、比較部42によって比較対象の2つのアナウンスメントの内容が同一でない旨の判定がなされたときに、今回抽出されたアナウンスメントについて音声を出力する切替指示を行う。
【0030】
表示装置50は、デジタル放送受信機の動作状態を示す動作画面や各種操作を行うための操作画面などを表示する。操作部52は、利用者が操作指示を行うためのものであり、各種の操作キーや操作つまみなどが含まれる。利用者による音量の変更指示や受信対象となるサービスやアナウンスメントタイプの切替指示などが操作部52を用いて行われる。
【0031】
メモリ60は、比較対象となる2つのアナウンスメントのデータを格納する。格納対象となるデータは、2つのアナウンスメントデータの比較に必要なデータのみを格納対象にする場合や、この比較に必要なデータに加えて後に取得したアナウンスメントの内容を再生(音声出力)するために必要なデータを含んで格納対象にする場合が考えられる。いずれの格納対象を採用するかによって処理手順が異なり、その詳細については後述する。また、このメモリ60は、デジタル放送受信機の電源が切断された場合にもその格納内容が保持される。例えば、メモリ60として不揮発性メモリや電源バックアップ付きのRAM等が用いられている。
【0032】
上述したRF部10、FE部20、BE部30が受信手段に、出力処理部32、アンプ34、スピーカ36が音声出力手段に、比較部42がアナウンスメント比較手段に、切替部44がアナウンスメント切替手段に、メモリ60がアナウンスメント格納手段にそれぞれ対応する。
【0033】
本実施形態のデジタル放送受信機はこのような構成を有しており、次に、受信中のサービスの音声出力中にアナウンスメントを受信してこのアナウンスメントの音声出力に切り替える動作について説明する。
【0034】
図4は、受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順を示す流れ図である。図4に示す動作手順は、比較対象となる2つのアナウンスメントデータについて、比較に必要なデータとともに音声出力に必要なデータがメモリ60に格納されることを前提としており、メモリ60に格納されたアナウンスメントデータを用いて比較処理を行った後に、この格納されたアナウンスメントデータが読み出されて対応する音声出力が行われる。
【0035】
デジタル放送受信機が起動されてサービスの受信を開始すると(ステップ100)、主制御部40は、受信対象のサービスに対応する音声出力を出力処理部32に指示してスピーカ36から音声出力を行う(ステップ102)。
【0036】
このようなサービス受信動作と並行して、比較部42は、アナウンスメントを受信したか否かを判定する(ステップ104)。判定対象となるアナウンスメントは、予め指定されたアナウンスメントタイプに一致するアナウンスメントであり、全てのアナウンスメントタイプを含むようにしてもよい。アナウンスメントを受信していない場合や受信したが指定されたアナウンスメントタイプと異なる場合にはステップ104の判定において否定判断が行われ、ステップ100に戻ってサービスの受信動作を継続する。
【0037】
また、指定されたアナウンスメントタイプのアナウンスメントを受信するとステップ104の判定において肯定判断が行われる。次に、比較部42は、受信したアナウンスメントに含まれるMP2データの全体をメモリ60に格納する(ステップ108)。
【0038】
また、比較部42は、前回受信したアナウンスメントのMP2データがメモリ60に格納されているか否かを判定する(ステップ110)。この判定は、アナウンスメントタイプ毎に行われる。すなわち、1つのアナウンスメントタイプのみが指定されている場合には、単に前回受信したアナウンスメントのMP2データが格納されているか否かが判定される。また、複数のアナウンスメントタイプが指定されている場合には、今回受信したアナウンスメントのアナウンスメントタイプに着目して、前回受信したアナウンスメントのMP2データが格納されているか否かが判定される。格納されている場合には肯定判断が行われ、次に、比較部42は、MP2データの内容が同一か否かを判定する(ステップ112)。2つのMP2データの内容(アナウンスメントの内容)が同一か否かを判定する具体例については後述する。同一の場合には肯定判断が行われ、ステップ104に戻ってアナウンスメント受信の有無判定以降が繰り返される。
【0039】
また、2つのMP2データの内容が同一でない場合にはステップ112の判定で否定判断が行われる。次に、あるいは、前回受信したアナウンスメントのMP2データがメモリ60に格納されておらずステップ110の判定において否定判断が行われた場合にはその後、切替部44は、今回受信したアナウンスメントの内容(MP2データ)をメモリ60から読み出してBE部30に入力するとともに、この入力したMP2データに対応する音声出力に変更する切替指示をBE部30に送る。以後、BE部30からは、切替部44によって入力されたMP2データに対応するI2Sフォーマットの音声データが出力され、スピーカ36からはこの音声データに対応する音声が出力される(ステップ114)。
【0040】
その後、切替部44は、アナウンスメントに対応する音声出力が終了したか否かを判定する(ステップ116)。終了していない場合には否定判断が行われ、ステップ114に戻ってアナウンスメントの音声出力が継続される。また、アナウンスメントに対応する音声出力が終了するとステップ116の判定において肯定判断が行われる。次に、切替部44は、サービスの音声出力に変更する切替指示をBE部30に送る。以後、BE部30からは、アナウンスメントに切り替える前のサービスのMP2データに対応するI2Sフォーマットの音声データが出力され、スピーカ36からはこの音声データに対応する音声が出力される(ステップ118)。その後、ステップ104に戻ってアナウンスメント受信の有無判定以降が繰り返される。
【0041】
次に、2つのアナウンスメントが同一であるか否かを判定する図4のステップ112の動作について説明する。具体的には、(1)時間的な同期の確立、(2)音声波形の比較の順で処理が行われる。なお、これらの処理を行う際に、比較対象となる2つのアナウンスメントのデータに誤りがないことが前提となる。したがって、例えば図3に示したフレーム構造を有するMP2データにおいてエラー検出用ワード(ScF−CRC)に基づいてエラーを検出した場合(スケールファクタを用いて計算したCRC値とエラー検出用ワードのCRC値とが一致しない場合)には、このMP2データを判定対象から除外し、エラーのないMP2データのみを用いて判定を行うことが望ましい。
【0042】
(1)時間的な同期の確立
各アナウンスメントの送信が開始された後に本実施形態のデジタル放送受信機において各アナウンスメントを受信、蓄積して内容解析を行うまでの時間的なずれが生じる場合があり、この場合には同じ内容の2つのアナウンスメントであってもMP2データの先頭位置が最大で数フレーム分ずれてしまうことが考えられる。したがって、音声波形を比較する前に、このずれを調整してMP2データの位置合わせを行う必要がある。
【0043】
図5は、MP2データの位置合わせの説明図である。図5に示す例では、前回のアナウンスメントに対応してMP2データA、B、C、D、・・・がメモリ60に格納されており、今回のアナウンスメントに対応してMP2データa、b、c、d、・・・がメモリ60に格納されているものとする。
【0044】
比較部42は、今回のアナウンスメントのMP2データの中から1つを選択し、前回のアナウンスメントの同位置および前後位置の複数のMP2データのそれぞれとの間で一致/不一致を調べる。図5に示す例では、今回のアナウンスメントのMP2データの中からMP2データaを選択し、前回のアナウンスメントの4つのMP2データA、B、C、Dのそれぞれとの間で比較が行われる。この比較の結果、例えば、MP2データaとMP2データBとが一致したとすると、この一致したMP2データaとMP2データBの各フレームの位置を合わせることで時間的な同期が確立する。
【0045】
ところで、上述したMP2データの比較は、図3に示すビットアロケーションデータを用いる場合、スケールファクタを用いる場合、エラー検出用ワードを用いる場合、音声データを用いる場合、これらを組み合わせる場合などが考えられる。音声データは、音声波形を示すデータであり、これを用いるということは音声波形の形状が一致するように位置合わせを行うことを意味する。また、ビットアロケーションデータやスケールファクタは、音声波形の特徴である周波数情報や各周波数の振幅情報を示すものであり、音声波形の形状が同じであればこれらの周波数情報や各周波数の振幅情報も同じとなるはずであるため、音声データを用いた場合と同様に音声波形の形状が一致するように位置合わせを行うことができる。さらに、エラー検出用ワード(CRC値)は、スケールファクタが同じであれば同じ値を有するため、スケールファクタを用いた場合と同様に音声波形の形状が一致するように位置合わせを行うことができる。
【0046】
なお、データ量は、エラー検出用ワードを用いる場合が最も少なく、ビットアロケーションデータやスケールファクタを用いる場合が次に少なく、音声データを用いる場合が最も多くなる。したがって、処理負担を軽減するためには、データ量が少ないエラー検出用ワードを用いることが望ましい。また、上述した例では、同じ内容を有する2つのアナウンスメントの位置合わせを行う方法を説明したが、異なる内容を有する2つのアナウンスメントについては一致するMP2データが存在しない場合もあり(内容が異なっても先頭部分に共通の効果音等を挿入している場合もあるため、内容が異なるからといって必ずしもMP2データが不一致になるとは限らない)、この場合には比較対象の2つのアナウンスメントは同一でないことになって、図4のステップ112において否定判断が行われる。
【0047】
(2)音声波形の比較
比較部42は、比較対象の2つのアナウンスメントについて上述した位置合わせを行った後、音声波形の一致/不一致を調べる。図6は、MP2データを用いた音声波形の比較動作の説明図である。図6に示す例では、MP2データaとMP2データBを用いて位置合わせが行われた場合について、比較対象となるMP2データの組み合わせが示されている。このようにして各組み合わせ毎にMP2データを比較し、2つのアナウンスメントの音声波形が同じであるか否かが判定される。なお、アナウンスメントの全部(例えば、アナウンスメントの再生時間を30秒としたときに30秒に対応するMP2データ)について比較を行ってもよいが、一部のMP2データを用いるようにしてもよい。また、このようにして音声波形を比較する場合に、図3に示す音声データを用いるようにしてもよいが、音声波形の特徴を表しているビットアロケーションデータやスケールファクタあるいはエラー検出用ワードのいずれかを用いるようにしてもよい。この点は、上述した「(1)時間的な同期の確立」の場合と同じであり、処理負担を軽減するためにはデータ量が少ないエラー検出用ワードを用いることが望ましい。
【0048】
ところで、上述した比較対象となる2つのアナウンスメントの内容が同一か否かの判定(図4のステップ112)は、圧縮データであるMP2データを用いて行ったが、展開後の非圧縮データであるI2Sフォーマットの音声データを用いるようにしてもよい。この場合に、「(1)時間的な同期の確立」と「(2)音声波形の比較」の両方においてI2Sフォーマットの音声データを用いるようにしてもよいが、いずれか一方についてI2Sフォーマットの音声データを用い、他方についてMP2データを用いるようにしてもよい。
【0049】
なお、図1では、I2Sフォーマットの音声データを用いる場合の音声データの入出力経路が点線で示されている。また、図4において、ステップ108では、比較部42は、受信したアナウンスメントに対応するI2Sフォーマットの音声データをメモリ60に格納し、ステップ114では、切替部44は、今回受信したアナウンスメントに対応するI2Sフォーマットの音声データをメモリ60から読み出して出力処理部32に入力するとともに、この入力した音楽データに対応する音声出力に変更する切替指示を入力処理部32に送る。以後、出力処理部32からは、切替部44によって入力されたI2Sフォーマットの音声データが出力され、スピーカ36からはこの音声データに対応する音声が出力される。
【0050】
図7は、受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の変形例を示す流れ図である。図4に示した動作手順では、新たにアナウンスメントを受信したときに、前回のアナウンスメントのデータが未格納の場合を除いて前回のアナウンスメントとの比較動作(ステップ112)を行っているが、新たに受信したアナウンスメントに対応してニューフラグがオン(値が“1”)に設定されている場合には、このアナウンスメントを比較動作の対象から除外して対応する音声出力を行うようにしてもよい。図7に示す動作手順では、図4に示した動作手順に対してステップ108とステップ110の間にステップ109の動作が追加されている。なお、上述したニューフラグが、アナウンスメントが同じ内容について再送されたものであるか否かを示す識別情報に対応している。
【0051】
このステップ109では、比較部42は、受信したアナウンスメントに対応するニューフラグがオンに設定されているか(値が“1”に設定されているか)否かを判定する。ニューフラグがオンに設定されている場合には肯定判断が行われる。この場合には、ステップ110、112の動作を経ずにステップ114に移行してアナウンスメントに対応する音声出力が行われる。一方、ニューフラグがオンに設定されていない場合にはステップ109の判定において否定判断が行われる。この場合には、図4に示した動作手順と同様にステップ110、112の判定動作が行われる。
【0052】
図8は、受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の他の変形例を示す流れ図である。図4に示した動作手順では、比較対象となる2つのアナウンスメントデータについて、比較に必要なデータとともに音声出力に必要なデータがメモリ60に格納され、このメモリ60に格納されたアナウンスメントデータを用いて比較処理を行った後に、この格納されたアナウンスメントデータが読み出されて対応する音声出力が行われる。すなわち、メモリ60に格納されたアナウンスメントデータを読み出して音声出力を行うことが前提となっていたが、2つのアナウンスメントデータの比較に必要なデータのみをメモリ60に格納した場合には、このデータを読み出してもアナウンスメントの音声出力を行うことはできない。図8には、2つのアナウンスメントデータの比較に必要なデータのみをメモリ60に格納した場合の動作手順が示されている。図8に示す動作手順では、図4に示した動作手順に対して、ステップ108、114をステップ108A、114Aに置き換えるとともにステップ120、122が追加されている。以後、これらの各ステップに着目して説明を行うものとする。
【0053】
ステップ104の判定(アナウンスメントの受信判定)において肯定判断が行われると、比較部42は、受信したアナウンスメントに含まれるMP2データの中からアナウンスメントの比較に必要な一部のデータ(ビットアロケーションデータ、スケールファクタ、エラー検出用ワードあるいは音声データの一部)をメモリ60に格納する(ステップ108A)。次に、比較部42は、今回受信したアナウンスメントが再生対象に指定(指定する動作は後述するステップ122において行われる)されているか否かを判定する(ステップ120)。再生対象に指定されていない場合には否定判断が行われ、図4に示した動作手順と同様にステップ110、112の判定動作が行われる。再生対象に指定されている場合にはステップ120の判定において肯定判断が行われる。次に、切替部44は、再生対象として指定されたアナウンスメントに対応するMP2データを出力する切替指示をFE部20に送る。以後、FE部20からは、放送信号に含まれるMP2データが出力され、BE部30からはこのMP2データに対応するI2Sフォーマットの音声データが出力され、スピーカ36からはこの音声データに対応する音声が出力される(ステップ114A)。
【0054】
また、2つのMP2データの内容が同一でない場合であってステップ112の判定で否定判断が行われた後、あるいは、前回受信したアナウンスメントのMP2データがメモリ60に格納されておらずステップ110の判定において否定判断が行われた後に、切替部44は、今回受信したアナウンスメントとアナウンスメントタイプが同じである次回のアナウンスメントを再生対象に指定する(ステップ122)。すなわち、図8に示した変形例では、前回受信したアナウンスメントと内容が異なるアナウンスメント等を受信したときに、次回同じアナウンスメントタイプのアナウンスメントを受信した際に内容比較を行わずに音声出力が行われる。
【0055】
図9は、受信したアナウンスメントの音声に切り替える動作手順の他の変形例を示す流れ図である。図9に示す動作手順は、図8に示した動作手順に対してステップ108Aとステップ120の間にステップ109の動作が追加されている。このステップ109は、図7において追加されたステップ109と同じであり、受信したアナウンスメントに対応するニューフラグがオンに設定されているかが比較部42によって判定される。ニューフラグがオンに設定されている場合には肯定判断が行われ、ステップ120の動作を経ずにステップ114Aに移行してアナウンスメントに対応する音声出力が行われる。
【0056】
このように、本実施形態のデジタル放送受信機では、放送信号に含まれるアナウンスメントを受信したときに、このアナウンスメントの内容が既に受信したアナウンスメントの内容と同じであるか否かが判定されるため、新規のアナウンスメントのみを出力対象にすることができ、未再生のアナウンスメントの聴き漏らしや同じ内容のアナウンスメントの重複再生を防止することができる。
【0057】
また、圧縮音声データであるMP2データを用いてアナウンスメントの内容比較を行うことにより、少ないデータ量で比較を行うことが可能になり、処理の負担を軽減することができる。あるいは、音声波形を示すI2Sフォーマットの音声データ等を用いてアナウンスメントの内容比較を行うことにより、データの圧縮形式等にかかわらず確実にアナウンスメントの比較を行うことができる。
【0058】
また、アナウンスメントの内容比較を行う前に、比較対象となる2つのアナウンスメントの時間的なずれを調整(同期を確立)することにより、例えばアナウンスメントの送信が開始された後実際に受信機においてそのアナウンスメントを受信、蓄積して内容解析を行うまでの時間的なずれをなくすことができ、時間的なずれに起因してアナウンスメントが同一でないとする誤判定を防止することができる。
【0059】
また、ニューフラグに基づいてアナウンスメントが新規のものであることがわかっているときにアナウンスメントの内容比較動作を省略する場合には、その分処理負担を軽減することが可能となる。
【0060】
また、メモリ60に、2つのアナウンスメントデータの比較に必要なデータとともにアナウンスメントの内容再生(音声出力)に必要なデータを格納することにより、受信したアナウンスメントが未再生であった場合にそのアナウンスメントのデータをメモリ60から読み出して再生することで聴き漏らしを確実に防止することができる。あるいは、メモリ60に、2つのアナウンスメントデータの比較に必要なデータのみを格納することにより、メモリ60の容量を少なくすることができ、部品コストを低減することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、DAB/T−DMB放送規格にしたがった放送信号を受信するデジタル放送受信機について説明したが、受信中のサービス(番組)と並行して配信されるアナウンスメントを受信する他の放送受信機についても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上述したように、本発明によれば、放送信号に含まれるアナウンスメントを受信したときに、このアナウンスメントの内容が既に受信したアナウンスメントの内容と同じであるか否かが判定されるため、新規のアナウンスメントのみを出力対象にすることができ、未再生のアナウンスメントの聴き漏らしや同じ内容のアナウンスメントの重複再生を防止することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 RF部
20 FE(フロントエンド)部
30 BE(バックエンド)部
32 出力処理部
34 アンプ
36 スピーカ
40 主制御部
42 比較部
44 切替部
50 表示装置
52 操作部
60 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9