(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記握り部よりも下方における軸杆部分は、前記リストレストの上面よりも下方側で、その上部が下部よりも前方側に位置するように屈曲されている請求項1記載の収穫機。
前記指操作部の上面は、前記中立位置で前記指操作部の上面に沿って後方に向かう方向の延長線が前記リストレストの上面と交差するように後下がりの傾斜面に形成されている請求項3記載の収穫機。
前記運転座席は運転キャビン内に配設してあり、前記運転キャビンのフロントガラスは、その運転キャビンの屋根部から前記運転座席の座面よりも下方にわたる範囲に設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載の収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]に記載の構造を有したコンバインでは、運転座席の前部に配備されたパワステレバーを把持する手を載置可能なハンドレストを備えて、パワステレバーを安定良く把持し易いようにした点では有用なものである。
しかしながら、この構造のものでは、パワステレバーを前後揺動させたとき、パワステレバーを把持する手を動き易くするように、ハンドレストの上面に弾性材からなる複数のパッドを設けたり、ハンドレストの全体を前後揺動可能に構成するなどしている。このため、ハンドレストの構造が複雑になりやすい傾向がある。
また、ハンドレスト自体が可動のものでない場合には、中立位置でほぼ直立しているパワステレバーを手前側へ引き寄せたとき、パワステレバーが後傾姿勢となり、これを把持する手の手首は上側へ反るように曲げられるため、楽に把持し難くなる傾向がある。
【0005】
本発明は、リストレスト自体の構造を簡素なもので構成しながら、操作レバーの操作を安定良く行い易いリストレストを備えた収穫機を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために講じた本発明における収穫機の技術手段では、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
【0007】
〔解決手段1〕
運転座席の前方側に配備した操作レバー、及びその操作レバーを把持する手の手首部分を載置可能なリストレストを設けた収穫機であって、前記操作レバーは、上端側に握り部を備え下端側に揺動支点を備えて、前記揺動支点回りで中立位置を挟む前後に揺動操作自在に構成されているとともに、前記操作レバーの前記揺動支点に連なる下端側に、前記中立位置で前記揺動支点を通る鉛直線に沿うように立設された軸杆部分を備え、かつ前記リストレストの上面よりも上方側に位置する部位で、前記握り部の軸線が前記鉛直線に沿う軸杆部分の延長線よりも前方側に傾倒するように構成さ
れ、前記操作レバーは、前記中立位置よりも前記運転座席に近い後方側に後端側操作位置を備えるとともに、前記中立位置よりも前記運転座席から離れる前方側に前端側操作位置を備え、前記中立位置と前記後端側操作位置とは、前記操作レバーの揺動方向で、前記揺動支点を通る鉛直線の前後に振り分けられた位置にあり、前記前端側操作位置は、前記中立位置よりも前記鉛直線から前方側に離れた位置にあることを特徴とする。
【0008】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した特徴構成によると、リストレストの上面よりも上方側に位置する部位の握り部は、中立位置で揺動支点を通る鉛直線に沿うように立設された軸杆部分の延長線よりも前方側に傾倒するように握り部の軸線が形成されている。これにより、操作レバーを中立位置に位置させた状態、及び、その前後に位置させた状態で、リストレストに支えられた手を楽な姿勢に維持して、長時間に及ぶ作業中での操作レバーの操作を疲労の少ない状態で行い易いという利点がある。
すなわち、操作レバーの握り部における揺動支点回りでの軌跡をみると、例えば、中立位置で揺動支点を通る鉛直線に沿った直杆状の操作レバーを採用した場合には、中立位置に位置させたときよりもリストレストに近い後方側に揺動させると、操作レバーの握り部の軸線が後傾姿勢となり、握り部を把持する手の手首が上側へ反るように曲げられるため、手首の楽な姿勢での操作が行い難くなる。
【0009】
これに対して解決手段1にかかる発明のものでは、中立位置で揺動支点を通る鉛直線に沿う軸杆部分に対して、握り部の軸線が前方側に傾倒しているので、その中立位置よりもリストレストに近い後方側に揺動させても、操作レバーの握り部の軸線が後傾姿勢となる虞が少ない。このため、握り部を把持する手の手首が上側へ反るように曲げた不自然な姿勢での操作を要することなく、楽な姿勢での操作を行い易い。
また、中立位置よりも前方側へ操作した場合には、握り部の前方側への傾倒度合いは大きくなるが、リストレストからの離間距離も大きくなるので、操作レバーの揺動に伴って前腕部を含めて全体的に上下動させやすくて、手首の角度を大きく変更するような操作を要さず、この場合にも比較的楽な姿勢での操作が可能となる。
したがって、操作レバー自体の構造を利用して不自然な手首の角度変更などを要さず、楽な姿勢で安定した操作可能な操作レバーを得ることでき、リストレスト自体は所定位置に固定された構造簡単なもので構成することがき、構造の簡素化を図り得たものである。
【0010】
さらに、操作レバーの下端側の軸杆部分は、揺動支点を通る鉛直線に沿うように立設されたものであるから、その操作レバーによって操作される機構としては、前述したような、中立位置で揺動支点を通る鉛直線に沿った直杆状の操作レバーを採用した場合の操作機構と同様な操作機構を採用することができ、関連する操作機構の兼用化によるコスト低減を図り得る点でも有利である。
【0011】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記握り部よりも下方における軸杆部分は、前記リストレストの上面よりも下方側で、その上部が下部よりも前方側に位置するように屈曲されていることである。
【0012】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段2で示した特徴構成によると、操作レバーの握り部の軸線が鉛直線に沿う軸杆部分の延長線よりも前方側に傾倒するようにするための構造を、軸杆部分の曲がりによって構成するものであるから、握り部の形状を工夫するなどの特別な加工を要さず構造簡単に構成し易いという利点がある。
【0013】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記握り部の上端部に、その握り部を把持する手の指で上方側から操作可能な位置に操作スイッチを配備した指操作部が設けられているということである。
【0014】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3で示した構成によると、操作レバーを、揺動操作に伴う操作指令だけではなく、指操作での操作指令を出力する手段としても活用でき、操作性に優れた操作レバーを得やすい利点がある。
【0015】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記指操作部の上面は、前記中立位置で前記指操作部の上面に沿って後方に向かう方向の延長線が前記リストレストの上面と交差するように後下がりの傾斜面に形成されているということである。
【0016】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4で示した構成によると、中立位置での指操作部の上面の傾斜が、操作レバーの前後揺動操作に拘わらず目視し易い適切な角度に維持されやすいので、指操作を操作性良く行い易いという利点がある。
【0017】
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記運転座席は運転キャビン内に配設してあり、前記運転キャビンのフロントガラスは、その運転キャビンの屋根部から前記運転座席の座面よりも下方にわたる範囲に設けられているということである。
【0018】
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段5で示した構成によると、運転座席の座面よりも下方にわたる低い範囲にまでフロントガラスが設けられていて、運転キャビンの前方下方を覗き込み易く構成された運転キャビンを備える収穫機に好適な操作レバーを得やすい。
つまり、運転キャビンの前方下方を覗き込みながら操作レバーの操作を行うために、身体を前方側へ寄せたり、立ち上がり気味で操作を行っても、操作レバーの操作領域に手首を上向きに捻るような操作領域が存在しないように構成し易く、寧ろ、前方側ほど前下がりになるような操作領域を形成し易いので、前方側への覗き込み姿勢での操作を行うに便利な構造のものを得やすいという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明における収穫機の実施形態を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1乃至
図3は本発明における収穫機の一例である普通型コンバインを示している。
機体フレーム10の下部に左右一対のクローラ式走行装置11を備えた走行機体1の前部に、刈取搬送装置2を昇降操作自在に装備するとともに、脱穀装置12、穀粒タンク13、及び運転キャビン3を前記機体フレーム10に搭載して、稲、麦などの植立茎稈を刈り取って脱穀処理する普通型コンバインが構成されている。
前記機体フレーム10上では、
図2に示すように、右前部に運転キャビン3が配設され、その後方側の右後部に前記穀粒タンク13が設けられ、その穀粒タンク13の左方側である左後部に脱穀装置12が配設されている。
【0021】
前記刈取搬送装置2は、前記脱穀装置12の前部から運転キャビン3の左横側方を通って前方へ延出された処理物搬送用のフィーダ20と、そのフィーダ20に対して被処理物を供給する刈取部21、及び刈取部21の上部で植立茎稈の穂先側を掻き寄せるリール装置22とを備えている。
【0022】
前記刈取部21は、植立茎稈を刈り取るバリカン型の刈刃21aと、刈り取られることによって被処理物となった茎稈をフィーダ20の入り口部20a側へ向けて寄せ集めるための横送りオーガ21bとを備え、前記フィーダ20はチェーン式の掻き上げコンベア20bを内装している。
したがって、倒伏状態の茎稈はリール装置22である程度掻き上げられ、刈刃21aで刈り取られた後、オーガ21bでフィーダ20の入り口部20aへ向けて搬送され、前記入り口20aに到達した茎稈(被処理物)が掻き上げコンベア20bによってフィーダ20の底面に沿って掻き上げ搬送され、脱穀装置12の前端部へ投入される。
【0023】
前記刈取搬送装置2は、機体フレーム10上の固定箇所に対して水平方向の横軸心(図外)周りで上下揺動自在に枢支されていて、昇降用油圧シリンダ(図外)を伸縮操作することで、刈取部21が地面に近接した刈取作業姿勢と、刈取部21が地面から所定高さまで上昇した非刈取作業姿勢とに姿勢変更自在に構成されている。
【0024】
前記脱穀装置12は、全稈投入型に形成されていて、前後方向に長い扱胴12aを備えて脱穀処理し、被処理物中の塵埃を後方から排出するとともに、脱穀された穀粒を含む被処理物を穀粒タンク13へ送り込むように構成されている。
穀粒タンク13では、脱穀装置12側から送り込まれた穀粒を含む被処理物を一時的に貯留し、起伏揺動及び左右旋回可能な穀粒排出用オーガ13aを介して、穀粒タンク13から外部へ穀粒を含む被処理物が搬出され回収されるように構成されている。
【0025】
前記運転キャビン3の下部には、
図3に示すようにエンジンルーム14が設けてあり、運転キャビン3内の運転座席30の後方下方に位置する状態で左側から順にエンジン15、及びラジエータ16が配設されている。
エンジンルーム14の右外側には、
図1及び
図3に示すように通気可能な防塵網を張設した防塵カバー17を配設してあり、右外側から外気を吸引するラジエータ16が、吸気時に外部の塵埃等を吸入するのを防止するように構成してあり、ラジエータ16を通過した吸入外気はエンジン15を冷却したのち、エンジンルーム14の左側方へ排気されるように構成してある。
【0026】
〔運転キャビン〕
図3乃至
図5に示すように、運転キャビン3は、機体フレーム10に固設された床板31の上面側に床面3Aを備えており、前記床板31の上側に四本の支柱32が立設され、その支柱32によって屋根部33が支持されている。
上記四本の支柱32のうち、機体前方側の左右一対の支柱32a,32b(フロントピラーに相当する)は、床板31の最下部の床面3Aから立設されているが、左右の後方側の支柱32c,32dは、床板31のうち、運転座席30の支持台及びボンネット隔壁を兼ねる床板上部31aから立設されている。
【0027】
前記四本の支柱32のうち、機体前方側の左右一対の支柱32a,32b(フロントピラーに相当する)同士の間には、曲面ガラスで構成されたフロントガラス34が嵌め込まれている。
このフロントガラス34は、前記床面3Aから屋根部33までの全範囲にわたって設けてあり、
図3及び
図4に示すように、前記床面3Aの前縁よりも前方側へ膨出させてあるとともに、フロントガラス34が、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度よりも上方側部分での傾斜角度が大きくなるように、下端側ほど後側に位置するように前側に凸状に湾曲した傾斜面に形成してある。
また、前記フロントガラス34は、平面視でも、
図4に示すように、左右方向での中央部箇所が左右方向での両端部箇所よりも前方側へ膨出する突曲形状に形成してある。したがって、フロントガラス34は、単なる水平方向もしくは上下方向の何れかの軸線周りでの曲率を有した単曲面ではなく、上下方向と左右方向との互いに交差する複数の軸線周りでの曲率を有した複曲面によって構成されている。
【0028】
上記フロントガラス34の側面視での曲面形状は、
図3に示すフロントガラス34の上端よりも少し下方側の位置が最も機体前方側に位置する最大前方突出位置となるように、一定曲率の曲面で形成されたフロントガラス34の取付姿勢を定めたものである。このフロントガラス34の側面視での曲率は、一定曲率のものに限らず、例えば、下方側部分の曲率が上方側部分の曲率よりも大きいもの、あるいは、逆に下方側部分の曲率が上方側部分の曲率よりも小さいもの等を採用することも可能である。
上記のように、フロントガラス34の最大前方突出位置を、フロントガラス34の上端よりも少し下方側の位置としているのは、運転キャビン3の前方下方を覗き込むとき、操縦者の頭部を最大限フロントガラス34に近づける際に、この最大前方突出位置がフロントガラス34の上端と一致している場合よりも、少しでも前方に近づけられるからである。
【0029】
上記フロントガラス34の平面視での曲面形状は、
図4に示すように左右方向の全体にわたって一定の曲率で形成されたものではなく、両端部箇所近くの曲率が中央部箇所近くの曲率よりも大きくなっており、中央部箇所では直線に近い緩やかな湾曲面となっている。
ただし、これはあくまでも一例であり、前記フロントガラス34の平面視での曲面形状を、左右方向の全体にわたって一定の曲率で形成したものを採用することも可能である。
【0030】
前記フロントガラス34の左右両端側に位置するところの、前記機体前方側の左右一対の支柱32a,32bは、
図3及び
図4に示すように、前記フロントガラス34の横側端縁の形状に沿って、側面視でのフロントガラス34の前記傾斜面の傾斜と同様な傾斜を有した形状のものに形成されている。
つまり、この機体前方側の支柱32a,32bは、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度よりも上方側部分での傾斜角度が大きくなるように形成されたフロントガラス34の湾曲形状と同様に、下端側ほど後側に位置するように前側に凸状に湾曲した傾斜を有しており、前記運転キャビン3の床面3Aへの取付箇所よりも上部側が前方側に位置するように設けてある。
【0031】
運転キャビン3の横側面箇所のうち、右側面箇所では、右前方側の支柱32aと右後方側の支柱32cとの間が、操縦者が乗り降りするための乗降口として形成されており、この乗降口を開閉するための乗降用ドア35が右後方側の支柱32c側に設けたヒンジ35aを介して開閉操作自在に装着してある。
この乗降用ドア35の機体前方側の端縁は、前記フロントガラス34の傾斜面の傾斜と同様な傾斜を有した右前方側の支柱32aの湾曲形状に沿った端縁形状に形成してあり、この端縁部分では、下端側よりも上端側が大きく前方側へ張り出している。
【0032】
この乗降用ドア35は、
図3に示すように、外周枠35bを上下方向での中間位置で横切るように掛け渡された横桟部材35cを境にして、下方側が一枚物の透明ガラス35dによって構成され、上方側は前後一対の透明ガラス製の引き違い戸でスライド操作により開閉可能に構成されたドア窓35eとなっている。
上記横桟部材35cの上下方向の高さ位置は、運転キャビン3内の運転座席30の座面30aよりも高く、後述する操作ボックス4の上面よりも低い高さ位置に設定してある。
尚、
図3中の符号35gは、外方側から乗降用ドア35を開閉操作する際に用いる取っ手であり、運転キャビン3の機体前方側の支柱32aに沿った傾斜姿勢で取り付けてある。
【0033】
運転キャビン3の横側面箇所のうち、左側面箇所では、
図4,5に示すように、左横側壁36の一部に、左前方側の支柱32bと左後方側の支柱32dとの間で、かつ横側面箇所の上下方向の中間位置から上方側に、前後一対の透明ガラス製の引き違い戸でスライド操作により開閉可能に構成された横窓36aが設けてある。
この引き違い戸で構成された開閉可能な横窓36aは、下端側が前記操作ボックス4の上面や前記乗降用ドア35の横桟部材35cの上下方向高さよりも低く形成されていて、かつ運転キャビン3内の運転座席30の座面30aよりも低い位置にあり、後述するサイドパネルボックス5のボックス主部50の上面と同程度の高さに設定してあって、上端側は屋根部33の下縁に達する上下方向高さ位置に設定してある。
【0034】
運転キャビン3内で、前記運転座席30が設置された床板上部31aには、
図3乃至
図5に示すように、運転座席30の右横側部で乗降用ドア35に近い箇所の床板上部31aに、乗降用ドア35を開放して機体に乗り込む際に把持することができるように乗降用取っ手37を設けてある。
この乗降用取っ手37は、前後の脚部分の上端側が水平方向の棒状部分で接続されて、側面視で門形に形成してあり、その上側の棒状部分や前側の脚部分、あるいは、上側の棒状部分と前側の脚部分との接続箇所の湾曲した部分を掴み易いように形成してある。
【0035】
運転キャビン3の後面側箇所では、
図4に示すように、後壁38の一部に、運転座席30のシートバック30bの上端よりも上方側から屋根部33の下縁にわたって、左右一対の透明ガラス製の引き違い戸でスライド操作により開閉可能に構成された後窓38aが形成されている。
【0036】
前記四本の支柱32によって支持される屋根部33は、
図3乃至
図5に示されるように、その前面側部分がフロントガラス34の上端部よりも前方側に突出した状態で設けてあり、この前面側部分で左右の端部と、その端部に近い位置とに、刈取部21及び刈取部21の前方を照らす前照灯33aが四基取り付けられている。
【0037】
前記運転キャビン3の床面3Aは、平面視におけるフロントガラス34の下端縁の形状が、
図4に示すように、左右方向での中央部箇所が左右方向での両端部箇所よりも前方側へ膨出する突曲形状であることから、その前縁形状が、フロントガラス34の下端縁の形状に沿って、左右方向での中央部箇所が左右方向での両端部箇所よりも前方側へ膨出する突曲形状に形成されている。
これによって、運転座席30も相対的に前方側へ寄せて配設することが可能となり、運転キャビン3の前方下方を覗き込む際に有利である。
【0038】
図3及び
図4に示すように、前記運転キャビン3の乗降用ドア35を設けた側の横側面箇所の前側で、前記右前方側の支柱32aに対してキャビンガード39を連設してある。このキャビンガード39は、側面視でフロントピラーである右前方側の支柱32aの湾曲形状に沿って湾曲した形状の金属製パイプ材によって形成されていて、前記右前方側の支柱32aの下端部近くと上端部近くとにボルト連結されている。
そして、キャビンガード39は、前記右前方側の支柱32aに対して、横外方側に所定間隔を隔てて位置する第1棒状ガード部39aと、さらにその第1棒状ガード部39aの前方側へ所定間隔を隔てて位置する第2棒状ガード部39bとを有して構成されている。
このキャビンガード39は、その第1棒状ガード部39a、及び第2棒状ガード部39bが、前記乗降用ドア35を開放して操縦者が乗り降りする際に、手摺りとして把持しながら乗り降りすることが可能であるように十分な強度を有して、掴みやすい位置に設けてある。
【0039】
〔操縦部の構造〕
図4に示すように、操縦部である運転キャビン3の内部では、座面30aとシートバック30bとを備えた運転座席30が左右方向でのほぼ中央に配設してあるとともに、前記運転座席30の右前方側にステアリング操作等を行うための操作ボックス4が設けられ、運転座席30の左側に変速操作等を行うためのサイドパネルボックス5が設けられている。
【0040】
運転キャビン3の右横側端部に設けられる操縦操作用の操作ボックス4は、
図4、
図5、及び
図6に示されるように、ボックス本体40の上面側にステアリングレバー41(操作レバーに相当する)、コンビネーションスイッチ42、及びキースイッチ43が装備されている。
そして、このボックス本体40には、その下面側に下端部を固定した状態でボックス本体40の左側面に沿って後方上方へ延出されるとともに、ボックス本体40の後方側箇所で水平右横方向に延出されたリストレスト44が取り付けられている。したがって、リストレスト44に操縦者の手首を乗せた状態でステアリングレバー41の前後左右の揺動操作を安定良く行えるように構成してある。
また、操作ボックス4のボックス本体40は、運転座席30の右前方側で、運転キャビン3の乗降用ドア35が設けられた側である右前方側の支柱32aに対して、取付部材4aを介して片持ち状に固定支持されている。
【0041】
前記ボックス本体40の上面側に設けられるステアリングレバー41とコンビネーションスイッチ42とは、前記ステアリングレバー41が運転座席30に近い後方側寄りに位置し、前記コンビネーションスイッチ42が前記ステアリングレバー41よりも運転座席30から遠い前方側寄りに設けられている。
前記操作ボックス4の取付位置は、
図3及び
図5に示すように、運転座席30の座面30aよりも高い位置で、かつ、前記リストレスト44の手首をのせる部位よりも少し低い位置にボックス本体40の上面が位置するように設けてある。
【0042】
また、この操作ボックス4の左右方向での位置は、
図4及び
図5に示されているように、操作ボックス4に設けてある操向操作用のステアリングレバー41が、運転座席30の前方よりも少し右外側に外れて位置している。
つまり、前記ステアリングレバー41が運転座席30の直前方位置から左右方向での横一側方に外れた位置の運転キャビン3内に配設されたことにより、操縦操作用の操作具に相当する前記ステアリングレバー41や、ステアリングレバー41を取り付けるための支持構造に相当するものであるボックス本体40等が運転座席30の直前位置からは除外され、直前方の前方視界を遮るものがほとんどなくなるので、前記運転座席30とその直前方位置のフロントガラス34の下方との間に運転キャビン3の前方側下方を見通し可能な空間部Sが存在した状態となる。これによって、運転座席30に搭座した状態での運転キャビン3の前方下方の視認性を向上させることができたものである。
【0043】
そして、前記操作ボックス4は、
図3及び
図4に示されるように、側面視で運転キャビン3の右前方側の支柱32aの下端よりも機体前方側に位置するように配設されている。したがって、運転キャビン3への乗降時には、前記運転キャビン3の右前方側の支柱32aの下端よりも機体後方側に存在する運転キャビン3内の床面3Aの上方に存在する領域に対して乗り降りするものであるところの操縦者が、前記領域から外れた前方側に設けてある操作ボックス4に接触する可能性は少なくて済む。
【0044】
操向操作用のステアリングレバー41は、前後左右の十字方向に揺動操作が可能であるようにボックス本体40に支持させてある。そして、ステアリングレバー41の操作位置は、ボックス本体40に内装されている図示しない位置検出体によって検出されるものであり、ステアリングレバー41の操作位置をリンク機構などの機械的連係機構で操向機構などに連係させるような構造のものではなく、ボックス本体40内の各機器は導電線や信号線からなるハーネス(図示せず)を介して連係対象の装置と連係されている。
【0045】
上記のステアリングレバー41を右方向に揺動操作すると、ボックス本体40に内装されている図示しない位置検出体の検出結果に基づいて、クローラ式走行装置11が右方向に旋回するように操向操作され、ステアリングレバー41を左方向に揺動操作すると、ボックス本体40に内装されている図示しない位置検出体の検出結果に基づいて、クローラ式走行装置11が左方向に旋回するように操向操作される。
また、ステアリングレバー41を前方に揺動操作すると、ボックス本体40に内装されている図示しない位置検出体の検出結果に基づいて、フィーダ20及び刈取部21が、ステアリングレバー41の操作位置に対応した速度で下降する。同様に、ステアリングレバー41を後方に揺動操作すると、フィーダ20及び刈取部21が、ステアリングレバー41の操作位置に対応した速度で上昇する。中立位置からの揺動操作量が多い程、下降速度または上昇速度が速くなる。ステアリングレバー41の揺動操作を止めて中立位置に保持すると、フィーダ20及び刈取部21はその位置で停止する。
【0046】
前記操作ボックス4に装備されているコンビネーションスイッチ42は、
図4及び
図6に示すように、中央の押しボタン42aを押すことで警報用のフォーン8を鳴らし、押しボタン42aの周部に備えたレバー42bを回動操作することで前照灯33aの入り切り操作を行うように構成されている。
さらに前記操作ボックス4には、キーを差し込んでエンジン15を始動及び停止可能なスタータスイッチを操作するためのキースイッチ43も装備されている。
【0047】
運転キャビン3内での運転座席30の左横側部には、
図4及び
図5に示すようにサイドパネルボックス5が設けられている。
このサイドパネルボックス5は、その上面が前記運転座席30の座面30aよりも低く形成されているとともに、走行用の主変速レバー52等が配設されたボックス主部50と、前記ボックス主部50の前端側に位置して計器類が配設された計器類配置部51とを備えている。
前記主変速レバー52及び副変速レバー53などの各種レバー類の握り部は前記座面30aよりも高い位置にあるように取り付けられている。
【0048】
前記計器類配置部51では、通常の刈取脱穀作業中に目視する頻度の高い計器類を備えた計器表示部51aが樹脂製のケースに収容された状態で設けてあり、メータパネルとして機能するものであり、前記ボックス主部50の機体前方側の端部に一体的に取り付けてある。
前記計器類配置部51は、上下方向の厚みが前記ボックス主部50と比べると薄いものであり、上面はボックス主部50と同一面上にあるようにボックス主部50の前端上部から斜め右方前方側へ片持ち状に連設されている。
したがって、計器類配置部51の下面と運転キャビン3の床面3Aとの間には上下方向での間隔が生じ、その計器類配置部51の下側に相当する箇所には、運転座席30側から運転キャビン3の側部下方を目視可能な開放空間が形成されている。
【0049】
前記ボックス主部50の前端部から延出される計器類配置部51は、
図3及び
図4に示されるように、前記フロントガラス34の両端側に位置する機体前方側の左右一対の支柱32a,32bの下端、及び運転キャビン3の床面3Aの前縁よりも機体前方側へ延出されている。
そして、この計器類配置部51は、前記ボックス主部50の前端部から前方側へ延出されている前縁側がフロントガラス34の背面に沿うように屈曲形成されて、平面視では、運転座席30に近い後方側が直線的な側縁を有し、フロントガラス34に近い前方側がフロントガラス34の内面形状に近い湾曲した側縁を備えている。
さらに、この計器類配置部51は、
図4及び
図5に示すように、計器類配置部51の上面が、水平面に対して運転座席30に対する遠近方向で、運転座席30に近い側よりも遠い側ほど上方に位置する傾斜姿勢に設けてある。
【0050】
これによって、前記計器類配置部51を、例えば、その計器表示箇所に各種計器部分が機体前後方向に並べて配設してある構造のものに比べ、各種計器部分がフロントガラス34の背面に沿う方向で並ぶ状態となる。このため、前述のように各種計器部分が機体前後方向に並ぶ構造のものに比べ、運転座席30から各計器部分が配置されている箇所までの距離の差を少なくし得て、目視し易くなる利点がある。
【0051】
〔操作レバー取付構造〕
本発明の操作レバーの一例である前記ステアリングレバー41は次のように構成されている。
図6に示すように、上端側に握り部45を備え、その握り部45の下方に軸杆部分46が連設されていて、軸杆部分46の下端側に揺動支点oが備えられ、前記揺動支点o回りで中立位置Nを挟む前後、及び左右に揺動操作自在に構成されている。
このうち、ステアリングレバー41の左右方向の揺動操作は、前述したように、クローラ式走行装置11を左右に旋回させる操向を行うための操作であり、本発明でいう操作レバーの傾倒方向とは直接には関係しない。したがって、前後方向視では、ステアリングレバー41は何れの方向にも傾倒せず、
図5に示すように、揺動支点oから握り部45の上端までほぼ直線状に形成されている。
【0052】
前記ステアリングレバー41は、その前後方向の揺動操作によって、フィーダ20及び刈取部21を昇降操作するように構成されたものであるが、この前後方向に揺動操作されるステアリングレバー41は、軸杆部分46の下端側が、中立位置Nで揺動支点oを通る鉛直線y0に沿うように立設されている。
そして、
図6に示すように左右方向視では、軸杆部分46は、その上部側が前記鉛直線y0に対して前方側へ所定角度θ1だけ屈曲されていて、握り部45の軸線y1が全体的に前倒れ姿勢となるように構成されている。
【0053】
この所定角度θ1は、次のようにして定められている。
図6に示すように、リストレスト44の上面44aに前腕を載せて、その前腕の長さ方向に沿う中心線が水平線x0に沿う方向であるとき、中立位置Nに存在するステアリングレバー41を把持する手の長さ方向(掌から指先に向かう方向)に沿う中心線x1は、前記前腕の中心線である水平線x0よりも角度θ0だけ前下がりに傾斜させてある。
つまり、前記手の中心線x1は前腕の中心線(水平線x0)に対して、一直線上に位置するのではなく、自然な状態では少し前述の角度θ0だけ傾斜している傾向にある。
【0054】
したがって、この角度θ0に相当する角度だけ、軸杆部分46の下端側に対して握り部45の軸線y1を傾斜させるように前記所定角度θ1を設定しておくことにより、中立位置Nに存在するステアリングレバー41の握り部45を、前腕と手が自然な姿勢にある状態で楽に把持することができ、この状態からステアリングレバー41を前後に揺動操作しても、前腕と手の位置関係はあまり変化せず、楽な姿勢での把持を続けることができる。
【0055】
この本発明のステアリングレバー41の作用状態をわかりやすくするために、例えば直杆状に形成された直杆状のレバー41’との対比で作用状態を説明する。
つまり、
図7(a)に示すように、直杆状のレバー41’が、その中立位置N’で揺動支点oを通る鉛直線y0に沿って形成されている場合、直杆状のステアリングレバー41’を前後に揺動させると、上昇位置U’と下降位置D’とにわたって操作されることになる。このとき、握り部45’上の任意の箇所p1’の軌跡は、角度α1の範囲で操作され、上下方向では高さh1だけ位置変化する程度であまり大きな上下位置変化がない点では有用である。
しかしながら、直杆状のレバー41’を上昇位置U’に操作したとき、前記握り部45’上の任意の点p1’が、リストレスト44の上面44aの一点p0に対して接近しながら直杆状のレバー41’の握り部45’の軸線y1’は、リストレスト44の上面44aに覆い被さるように後傾姿勢となる。このため、上昇位置U’に操作された直杆状のレバー41’を把持する手の手首は、前腕に対して手首が上側に反るように曲げられて、
図6に示す前下がり姿勢の手の中心線x1が水平線x0に極く近くなる、あるいは、前下がり(後上がり)姿勢であった手の中心線x1が水平線x0を越えて逆に前上がり(後下がり)姿勢の傾斜となるので、直杆状のレバー41’を楽な姿勢で把持できなくなる。
【0056】
これに対して本発明のものでは、ステアリングレバー41の軸杆部分46の下部が、その中立位置Nで揺動支点oを通る鉛直線y0に沿って形成されているので、ステアリングレバー41を前後に揺動させると、上昇位置U
(後端側操作位置に相当する)と下降位置D
(前端側操作位置に相当する)とにわたって操作されることになる。
このとき、握り部45上の任意の箇所p1の軌跡は、角度α2の範囲で操作され、上下方向では高さh2だけ位置変化する。
しかしながら、ステアリングレバー41が上昇位置Uと中立位置Nとの間で操作されている範囲ではほとんど高さの変化がなく、中立位置Nから下降位置Dに操作される範囲で前述の高さh2の大部分の高さ変化が生じる。この中立位置Nから下降位置Dに操作される範囲では、リストレスト44の上面44aの一点p0からの距離が大きくなる方向の変化であり、前記点p0を中心にして前腕が前方側へ延ばされていて前記点p0から握り部45上の任意の箇所p1までの距離も長くなっているので、その上下位置変化にも無理なく対応できる。
そして、ステアリングレバー41を上昇位置Uに操作しても、そのステアリングレバー41の握り部45の軸線y1は、ほぼ鉛直線y0に平行な線分であり、後傾姿勢とはならないので、前腕に対する手の姿勢を大きく変化させることなく把持した状態を維持できる。
【0057】
また、
図7(b)に示すように、直杆状のレバー41”が、その中立位置N”で揺動支点oを通る鉛直線y0よりも前方側に傾倒する状態で形成され、中立位置N”よりもリストレスト44の上面44aの一点p0に近い上昇位置U”で、揺動支点oを通る鉛直線y0に沿って形成されている場合には、直杆状のレバー41”を前後に揺動させると、上昇位置U”と下降位置D”とにわたって角度α3の範囲で操作される。このとき、握り部45”上の任意の箇所p1”は、上昇位置U”で最も高く、下降位置D”で最も低くなり、前記任意の箇所p1”の軌跡は、上下方向では高さh3に相当する範囲で位置変化する。
【0058】
この場合、直杆状のレバー41”は、最もリストレスト44の上面44aの一点p0に近い上昇位置U”に位置させても、揺動支点oを通る鉛直線y0に沿って位置するので、前腕に対して手首を上側に捻って手の中心線x1が前上がりの上向きとするような無理な姿勢への変更操作を行わなくて良い。
しかしながらこの場合には、前述したように前記任意の箇所p1”の軌跡が、リストレスト44の上面44aの一点p0から大きく離れた位置で、かつ上下方向で高さh3に相当する範囲でかなり大きく位置変化するので、安定した操作を行い難くなる虞があり、また、下降位置D”に操作した状態では、直杆状のレバー41”がかなり大きく前傾した姿勢となるので、他装置等との干渉を生じ易く、配設スペースの制約を受けやすくなる点での問題がある。
【0059】
これに対して本発明のものでは、ステアリングレバー41の軸杆部分46の下部が、その中立位置Nで揺動支点oを通る鉛直線y0に沿って形成されているので、ステアリングレバー41を前後に揺動させると、上昇位置Uと下降位置Dとにわたって操作されることになる。
このとき、握り部45上の任意の箇所p1の軌跡は、角度α2の範囲で操作され、上下方向では高さh2だけ位置変化する。
しかしながら、ステアリングレバー41が上昇位置Uと中立位置Nとの間で操作されている範囲ではほとんど高さの変化がなく、中立位置Nから下降位置Dに操作される範囲で前述の高さh2の大部分の高さ変化が生じる。この中立位置Nから下降位置Dに操作される範囲では、リストレスト44の上面44aの一点p0からの距離が大きくなる方向の変化であり、前記点p0を中心にして前腕が前方側へ延ばされていて前記点p0から握り部45上の任意の箇所p1までの距離も長くなっているので、その上下位置変化にも無理なく対応できる。
それでいて、握り部45上の任意の箇所p1の軌跡は、上昇位置Uと中立位置Nとの間ではほとんど高さの変化がなく、中立位置Nから下降位置Dに操作される範囲で前述の高さh2の高さ変化が生じるだけなので、上昇位置Uから下降位置Dにわたる全体で高さ変化が生じる場合に比べると、高さの変化も少なくて済む。
【0060】
そして、ステアリングレバー41を上昇位置Uに操作しても、そのステアリングレバー41の握り部45の軸線y1は、ほぼ鉛直線y0に平行な線分であり、後傾姿勢とはならないので、前腕に対する手の姿勢を大きく変化させることなく把持した状態を維持できる。
つまり、本発明のものでは、直杆状のレバー41”が、その中立位置N”で揺動支点oを通る鉛直線y0よりも前方側に傾倒する状態で形成された構造のものと比較してみても、前腕に対する手の姿勢を大きく変化させることなく把持した状態を維持しながら安定良く操作し易いものであるとともに、軸杆部分46が大きく前傾して他物と干渉し易くなるような問題も回避できる点で有利である。
【0061】
この発明のステアリングレバー41における軸杆部分46の上部側で、前記鉛直線y0に対して前方側へ所定角度θ1だけ屈曲されている屈曲点p2の箇所は、リストレスト44の上面よりも下方で、かつ握り部45の下端よりも下方に位置し、その屈曲点p2の上下にわたって、軸杆部分46の外周側が、可撓性の蛇腹状のカバー体47で覆われている。
【0062】
また、ステアリングレバー41の握り部45の上端部には、その握り部45を把持する手の親指で上方側から操作可能な位置に操作スイッチ等を配備した指操作部48が設けられている。
この指操作部48の上面48aは、中立位置Nで指操作部48の上面48aに沿って後方に向かう方向の延長線Lが、リストレスト44の上面44aと交差するように後下がりの傾斜面に形成されている。
この指操作部48の上面48aは、前記握り部45の軸線y1に対しても交差する斜め後方上向きの面に形成されており、ステアリングレバー41が上昇位置Uから下降位置Dにわたる全操作範囲のどの位置にあっても、指操作部48の上面が斜め後方上向きとなるように形成してあって、運転座席30に搭座する運転者が目視し易いように構成されている。
【0063】
〔その他〕
図3,4、及び
図8(a),(b)に示すように、運転キャビン3の屋根部33の右後角部に、プレクリーナ7の取付用ブラケット70を連設してある。
この取付用ブラケット70の下部に、機体前方側へ向けて警報器の一例である警報用のフォーン8を取り付けるためのフォーン取付片71を溶接接続してあり、そのフォーン取付片71にフォーン8の取付金具8aをボルト連結してある。
このように運転キャビン3の近くに、警報用のフォーン8を装備させてあるので、そのフォーン8による警報音を、機体周辺で作業を行う人や、運転キャビン3内の運転者自身にも聞こえ易くすることができる。警報音の種類としては、例えばエンジンスタート時の警報や、刈取搬送装置2の始動時の警報音がある。
【0064】
〔別実施形態の1〕
フロントガラス34は、実施の形態で示したように、上下方向と左右方向との互いに交差する複数の軸線周りでの曲率を有した複曲面によって構成されたものに限らず、例えば水平方向の軸線周りでの曲率を有した単曲面で構成されたものであってもよい。
この場合、運転キャビン3の床面3Aの前端縁は直線形状になるが、機体前方側の左右一対の支柱32a,32b(フロントピラーに相当する)は、フロントガラス34の左右方向の両端縁形状に沿って、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度よりも上方側部分での傾斜角度が大きくなるように湾曲した形状となるように形成すればよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
【0065】
〔別実施形態の2〕
上記実施形態では、フロントガラス34を屋根部33から床面3Aに達する範囲に設けたものであるが、これに限られるものではなく、例えば、フロントガラス34の下端が運転座席30の座面30aよりも下側で前記床面3Aよりも高い位置にまで達する範囲としてもよい。
この場合、フロントガラス34の下端が床面3Aに達する範囲にまで設けたものに比べれば運転キャビン3の前方下方側の視野は狭くなるが、フロントガラス34が単なる扁平ガラスではなく、側面視で水平面に対する下方側部分の傾斜角度よりも上方側部分での傾斜角度が大きくなるような傾斜を有したものであることによって、運転座席30を運転キャビン3内でかなり前方側へ配設できるものであるから、フロントガラス34が着座した操縦者の腰部付近にまでしか達していないような構造のものと比べて、運転キャビン3の前方下方側の視野をかなり大きく確保して、運転キャビン3の直前の下方に近い側まで操縦者は視線を落とすことができる。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。
【0066】
〔別実施形態の3〕
上記実施形態では、操作レバーとして、ステアリングレバー41を示したが、これに限らず、刈取搬送装置2の昇降作動を行う専用の操作レバーや、ステアリング操作を行う専用の操作レバーであってもよく、また、主変速レバー52や、その他の各種作業を行うための操作レバーであってもよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様に構成すればよい。
【0067】
〔別実施形態の4〕
上記実施形態では、操作レバーの一例として示したステアリングレバー41における軸杆部分46の屈曲角度を、リストレスト44の上面44aに前腕を載せて、その前腕の長さ方向に沿う中心線が水平線x0に沿う方向であるとき、中立位置Nに存在するステアリングレバー41を把持する手の長さ方向に沿う中心線x1が、前腕の中心線である水平線x0よりも自然な状態で前下がりに傾斜する角度θ0に相当する所定角度θ1としたものであるが、必ずしもこの所定角度θ1と同一の角度である必要はなく、これに近い角度であればよい。
その他の構成は前述した実施形態のものと同様である。