(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定プログラムのGUIに対して作成され、当該GUIの画面イメージに対する操作を示す操作信号が作成された時刻が記録された電子マニュアルを閲覧する電子マニュアル閲覧装置において、
一定期間毎に時刻信号を作成する第2の時刻計測手段、
前記第2の時刻計測手段により作成された時刻信号に基づいて、前記操作信号が作成された時間間隔で、取得した前記電子マニュアルを画面イメージに変換する電子マニュアル再生手段
を備えたことを特徴とする電子マニュアル閲覧装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電子マニュアル作成閲覧システムの構成を示す図である。
電子マニュアル作成閲覧システムは、
図1に示すように、所定プログラムのGUIに対する電子マニュアルを作成する電子マニュアル作成装置1と、この電子マニュアル作成装置1により作成された電子マニュアルを閲覧する電子マニュアル閲覧装置2とから構成されている。また、電子マニュアル作成装置1により作成された電子マニュアルは記録媒体3に記録され、電子マニュアル閲覧装置2では当該記録媒体3から電子マニュアルを取得して閲覧する。
【0011】
まず、電子マニュアル作成装置1の構成について、
図2を参照しながら説明する。
電子マニュアル作成装置1は、
図2に示すように、時刻計測手段(第1の時刻計測手段)101、GUI作成手段102、メモリ103、操作制御手段104、映像ログ取得手段105、映像ログ記録手段106、操作ログ取得手段107、操作ログ記録手段108、電子マニュアル作成手段109、電子マニュアル記録手段110および電子マニュアル出力手段111から構成されている。
また、電子マニュアル作成装置1には、メモリ103に保存されているGUIの画面イメージを取得してマニュアル作成者に表示する表示手段4と、表示手段4に表示されている画面イメージに対するマニュアル作成者の操作を受け付ける操作手段5とが接続されている。
【0012】
時刻計測手段101は、一定期間毎に時刻を示す時刻信号を作成するものである。この時刻計測手段101により作成された時刻信号はメモリ103および操作ログ取得手段107に出力される。
【0013】
GUI作成手段102は、電子マニュアルの作成対象であるプログラムのGUIの画面イメージを作成するものである。このGUI作成手段102は、操作制御手段104から操作信号を取得することで、当該操作信号が示す指示に従い、GUIの画面イメージを作成(更新)する。このGUI作成手段102により作成されたGUIの画像イメージはメモリ103に出力される。
【0014】
メモリ103は、時刻計測手段101からの時刻信号に基づく第1の時刻と共に当該第1の時刻におけるGUI作成手段102からのGUIの画面イメージを一時的に保存し、更に、操作制御手段104により作成された操作信号に基づきGUI作成手段102で更新されたGUIの画面イメージと共に当該GUIの画面イメージが更新された第2の時刻を一時的に保存するものである。このメモリ103に保存されているGUIの画面イメージは表示手段4により抽出され、また、第1の時刻と当該第1の時刻におけるGUIの画面イメージと、第2の時刻と当該第2の時刻に更新されたGUIの画面イメージは、映像ログ取得手段105により抽出される。
【0015】
操作制御手段104は、表示手段4に表示されている画面イメージに対して操作手段5により受け付けられたマニュアル作成者の操作に基づいて、操作信号を作成するものである。この操作制御手段104により作成された操作信号はGUI作成手段102および操作ログ取得手段107に出力される。
【0016】
映像ログ取得手段105は、メモリ103に一時的に保存されている第1の時刻と当該第1の時刻におけるGUIの画面イメージと、第2の時刻と当該第2の時刻に更新されたGUIの画面イメージと、を関連づけてデジタルデータである動画あるいは静止画からなる映像ログとして取得するものである。この映像ログ取得手段105により取得された映像ログは映像ログ記録手段106に出力される。
【0017】
映像ログ記録手段106は、映像ログ取得手段105からの映像ログを記録するものである。この映像ログ記録手段106に記録されている映像ログは電子マニュアル作成手段109により抽出される。
【0018】
操作ログ取得手段107は、操作制御手段104からの操作信号をその作成したタイミングで取得し、操作信号を画面の名前や、入力項目、入力ボタン名などのデジタルデータ(例えばテキスト)に変換すると共に、時刻計測手段101からの時刻信号に基づく操作信号の発生時刻(第2の時刻)をデジタルデータ(例えばテキスト)に変換して、関連づけて操作ログとして取得するものである。この操作ログ取得手段107により取得された操作ログは操作ログ記録手段108に出力される。
【0019】
操作ログ記録手段108は、操作ログ取得手段107からの操作ログを記録するものである。この操作ログ記録手段108に記録されている操作ログは電子マニュアル作成手段109により抽出される。
【0020】
電子マニュアル作成手段109は、映像ログ記録手段106から映像ログを取得し、操作ログ記録手段108から操作ログを取得して、第1の時刻と第2の時刻とに基づいて映像ログに操作ログを多重化した電子マニュアルを作成するものである。この電子マニュアル作成手段109により作成された電子マニュアルは電子マニュアル記録手段110に出力される。
【0021】
電子マニュアル記録手段110は、電子マニュアル作成手段109からの電子マニュアルを記録するものである。この電子マニュアル記録手段110に記録されている電子マニュアルは電子マニュアル出力手段111により抽出される。
【0022】
電子マニュアル出力手段111は、電子マニュアル記録手段110から電子マニュアルを取得し、記録媒体3に出力するものである。
【0023】
次に、上記のように構成された電子マニュアル作成装置1の内部処理について、
図3を参照しながら説明する。
電子マニュアル作成装置1の内部処理では、
図3に示すように、まず、GUI作成手段102は、電子マニュアルの作成対象であるプログラムのGUIの画面イメージを作成し、メモリ103に一旦保存させる(ステップST31)。この際、メモリ103は、時刻計測手段101からの時刻信号に基づく第1の時刻と共に当該GUIの画面イメージを保存する。
【0024】
次いで、表示手段4は、メモリ103からGUIの画面イメージを取得してマニュアル作成者に表示する(ステップST32)。
次いで、操作手段5は、表示手段4に表示されている画面イメージに対するマニュアル作成者の操作を受け付ける。そして、操作制御手段104は、この操作に基づいて、操作信号を作成する(ステップST33)。ここで、操作信号は、GUIに対する操作に係るデータである、操作したい画面の名前、入力項目および入力ボタン名などからなる。
【0025】
次いで、GUI作成手段102は、操作制御手段からの操作信号を取得すると、当該操作信号が示す指示に従ってGUIの画面イメージを更新し、メモリ103に一旦保存させる(ステップST34)。この際、メモリ103は、GUIの画面イメージが更新された第2の時刻と共に当該GUIの画像イメージを保存する。以後、ステップST32〜34の動作を繰り返すことでGUIの画面イメージに対する操作を行う。
【0026】
一方、映像ログ取得手段105は、メモリ103に一時的に保存されている第1の時刻と当該第1の時刻におけるGUIの画面イメージと、第2の時刻と当該第2の時刻に更新されたGUIの画面イメージと、を関連づけてデジタルデータである動画あるいは静止画からなる映像ログとして取得し、映像ログ記録手段106に記録させる(ステップST35)。
【0027】
また、操作ログ取得手段107は、操作制御手段104からの操作信号をその作成したタイミングで取得し、操作信号を画面の名前や、入力項目、入力ボタン名などのデジタルデータ(例えばテキスト)に変換すると共に、時刻計測手段101からの時刻信号に基づく操作信号の発生時刻(第2の時刻)をデジタルデータ(例えばテキスト)に変換して、関連づけて操作ログとして取得し、操作ログ記録手段108に記録させる(ステップST36)。
【0028】
次いで、電子マニュアル作成手段109は、映像ログ記録手段106から映像ログを取得し、操作ログ記録手段108から操作ログを取得して、第1の時刻と第2の時刻とに基づいて映像ログに操作ログを多重化した電子マニュアルを作成し、電子マニュアル記録手段110に記録させる(ステップST37)。
【0029】
次いで、電子マニュアル出力手段111は、電子マニュアルを電子マニュアル記録手段110から取得し、記録媒体3に記録させる(ステップST38)。
【0030】
次に、電子マニュアル閲覧装置2の構成について、
図4を参照しながら説明する。
電子マニュアル閲覧装置2は、
図4に示すように、時刻計測手段(第2の時刻計測手段)201、電子マニュアル入力手段202および電子マニュアル再生手段203から構成されている。
また、電子マニュアル閲覧装置2には、電子マニュアル再生手段203により変換された画面イメージをマニュアル閲覧者に表示する表示手段6が接続されている。
【0031】
時刻計測手段201は、一定期間毎に時刻を示す時刻信号を作成するものである。この時刻計測手段201により作成された時刻信号は電子マニュアル再生手段203に出力される。
【0032】
電子マニュアル入力手段202は、記録媒体3から電子マニュアルを取得するものである。この電子マニュアル入力手段202により取得された電子マニュアルは電子マニュアル再生手段203に出力される。
【0033】
電子マニュアル再生手段203は、電子マニュアル入力手段202から電子マニュアルを取得し、時刻計測手段201からの時刻信号に基づいて、電子マニュアル作成装置1の操作ログ取得手段107が操作信号を取得した時間間隔で電子マニュアルを画面イメージに変換するものである。この電子マニュアル再生手段203により変換された画面イメージは表示手段6に出力される。
【0034】
次に、上記のように構成された電子マニュアル閲覧装置2の内部処理について、
図5を参照しながら説明する。
電子マニュアル閲覧装置2の内部処理では、
図5に示すように、まず、電子マニュアル入力手段202は、記録媒体3から電子マニュアルを取得する(ステップST51)。
【0035】
次いで、電子マニュアル再生手段203は、電子マニュアル入力手段202から電子マニュアルを取得し、時刻計測手段201からの時刻信号に基づいて、電子マニュアル作成装置1の操作ログ取得手段107が操作信号を取得した時間間隔で電子マニュアルを画面イメージに変換する(ステップST52)。
【0036】
次いで、表示手段4は、電子マニュアル再生手段203からの電子マニュアルの画面イメージをマニュアル閲覧者に表示する(ステップST53)。これにより、例えば
図6に示すような画面イメージを表示することができる。ここで、
図6に示す電子マニュアルの画面イメージでは、表示手段6の電子マニュアル表示領域10内に、映像ログを表示する映像ログ提示領域11および操作ログを表示する操作ログ提示領域12が存在している。
【0037】
また、
図7はこの発明の実施の形態1における時刻経過に伴う画面イメージの作成例である。
図7(a)〜(c)に示すように、映像ログ提示領域11と操作ログ提示領域12に表示される内容は、電子マニュアル作成装置1の操作ログ取得手段107が操作信号を取得した時間間隔で自動的に更新される。なお、映像ログ提示領域11に表示するのは動画、静止画のいずれでも良い。
【0038】
以上のように、この実施の形態1によれば、GUIの画面イメージに対するマニュアル作成者の操作を示す操作信号と、当該操作信号に基づきGUIの画面イメージが更新された第2の時刻とを関連づけてデジタルデータに変換して操作ログとして取得するため、従来技術に比べ電子マニュアル作成に要する時間を短縮できる。
【0039】
また、電子マニュアル作成装置1が作成した電子マニュアルを記録媒体3に出力する電子マニュアル出力手段111を設けたので、従来技術と異なり記録媒体3を介して多数の電子マニュアル閲覧装置2に電子マニュアルを配布できる。
【0040】
また、電子マニュアル閲覧装置2で表示される電子マニュアルの画面イメージが、電子マニュアル作成装置1の操作ログ取得手段107が操作信号を取得した時間間隔で自動的に更新されるため、プログラムのGUIの操作手順を実際の時間経過を体感しながら理解できる。
【0041】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2に係る電子マニュアル作成装置1の構成を示す図であり、
図9は電子マニュアル閲覧装置2の構成を示す図である。
図8,9に示す実施の形態2に係る電子マニュアル作成装置1および電子マニュアル閲覧装置2は、
図2に示す実施の形態1に係る電子マニュアル作成装置1の電子マニュアル出力手段111を通信制御手段(第1の通信制御手段)112に変更し、
図4に示す実施の形態1に係る電子マニュアル閲覧装置2の電子マニュアル入力手段202を通信制御手段(第2の通信制御手段)204に変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
通信制御手段112は、電子マニュアル記録手段110から電子マニュアルを取得し、ネットワーク7を介して電子マニュアル閲覧装置2に配信するものである。
通信制御手段204は、ネットワーク7を介して通信制御手段112により配信された電子マニュアルを取得するものである。この通信制御手段204により取得された電子マニュアルは電子マニュアル再生手段203に出力される。
なお、電子マニュアル再生手段203は、電子マニュアルを、電子マニュアル入力手段202に代えて電子マニュアルを通信制御手段204から取得する。
【0043】
以上のように、この実施の形態2によれば、電子マニュアル出力手段111に代えて通信制御手段112を用い、ネットワーク7を介して電子マニュアル閲覧装置2に配信するように構成したので、実施の形態1に対して、遠隔地の電子マニュアル閲覧装置2に速やかに配信することができる。
【0044】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係る電子マニュアル作成装置1の構成を示す図である。
図10に示す実施の形態3に係る電子マニュアル作成装置1は、
図2に示す実施の形態1に係る電子マニュアル作成装置1に電子マニュアル編集手段113を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
電子マニュアル編集手段113は、電子マニュアル記録手段110から電子マニュアルを取得して編集するものである。ここで、編集内容としては、電子マニュアル内の映像ログの大きさあるいは品質の変更や、操作ログ内のGUIに対する操作に係るデータ、画面の名前、入力項目および入力ボタン名などの削除あるいは補足事項の追記等などが挙げられる。そして、電子マニュアル編集手段113は、編集した電子マニュアルを電子マニュアル記録手段110に出力し、記録させる。
【0046】
以上のように、この実施の形態3によれば、電子マニュアルを編集する電子マニュアル編集手段113を設けたので、実施の形態1に対して、マニュアル作成者は、一度作成した電子マニュアルを編集により再利用することができる。
【0047】
なお、実施の形態3では、
図2に示す実施の形態1の構成に電子マニュアル編集手段113を追加した場合について示したが、
図8に示す実施の形態2の構成に対しても同様に適用可能である。
【0048】
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。