(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記複数の画像読取装置のうち前記稼動状態が変化した画像読取装置の一覧を前記受信制御部が前記稼動状態の変化を受信した時刻が新しい順に並べて前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る画像処理システム、情報処理装置、表示方法及びコンピュータプログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に係る画像処理システムを示す図である。画像処理システム1は、複数の画像読取装置100a〜100cと、画像読取装置100a〜100cと無線通信回線を介して接続される情報処理装置200と、画像読取装置100a〜100c及び情報処理装置200と無線通信により接続し、ネットワークスイッチとして機能するアクセスポイント300とを有する。複数の画像読取装置100a〜100cは、何れも同一の機能を有するので、以下では、複数の画像読取装置100a〜100cを総じて画像読取装置100と称して説明する。画像読取装置100は、例えばイメージスキャナであり、情報処理装置200は、例えば携帯情報端末である。
【0015】
図2(a)は、原稿台がセットされていない状態の画像読取装置100の斜視図であり、
図2(b)は、原稿台がセットされた状態の画像読取装置100の斜視図である。
図3(a)は、原稿台がセットされていない状態の画像読取装置100の側面図であり、
図3(b)は、原稿台がセットされた状態の画像読取装置100の側面図である。
【0016】
画像読取装置100は、筐体101、上面部102、原稿台103、前面カバー105、上面カバー106、補助カバー107、操作ボタン108及び開閉検出部109等を有する。
【0017】
筐体101は、上面部102、原稿台103、前面カバー105、上面カバー106及び補助カバー107とともに画像読取装置100の外形を形成する。
【0018】
上面部102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、画像読取装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより筐体101に係合している。
【0019】
原稿台103は、
図3(a)の矢印Aで示す方向に回転可能なように、ヒンジにより筐体101に係合している。原稿台103は、
図3(a)に示す状態では上面部102、上面カバー106及び補助カバー107を覆う位置に配置され、外装カバーとして機能する。一方、原稿台103は、
図3(b)に示す状態では、原稿が載置可能に配置される。原稿台103には、原稿の搬送方向に対して左右方向に摺動可能な原稿ガイド104a及び104bが設けられている。原稿ガイド104a及び104bを原稿の幅に合わせて位置決めすることにより原稿の左右方向の移動を抑制することができる。
【0020】
前面カバー105は、
図3(a)の矢印Bで示す方向に回転可能なように、ヒンジにより筐体101に係合している。上面カバー106は、一方の端部側で前面カバー105と接続し、他方の一端側で補助カバー107と接続されている。補助カバー107は、必要な場合に、上面カバー106より繰り出されて、原稿を保持する。
【0021】
操作ボタン108は、上面部102の表面に配置され、押下されると、操作検出信号を生成して、後述する第1中央処理部130に送信する。後述するように、第1中央処理部130は、操作検出信号を受信すると、原稿の読取処理を開始する。
【0022】
開閉検出部109は、閉じている状態の原稿台103に対向する位置に配置されるセンサを有し、原稿台103の開閉状態を検出する。開閉検出部109は、原稿台103が開いている状態と閉じている状態とで信号値が変化する開閉検出信号を生成して第1中央処理部130に送信する。
【0023】
図4は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図4において矢印Cは原稿の搬送経路を示す。
【0024】
画像読取装置100は、
図4に示す様に、さらに、第1読取部110a、第2読取部110b、セットガイド112、フラップ113、第1原稿検出部114、第2原稿検出部115、上ガイド116a、下ガイド116b、給紙ローラ117、リタードローラ118、第1搬送ローラ119、第1従動ローラ120、第2搬送ローラ121及び第2従動ローラ122等を有している。
【0025】
第1読取部110aは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える撮像センサを有し、原稿の裏面からの情報を読み取って、画像信号を生成して、第1中央処理部130に出力する。同様に、第2読取部110bは、CMOSによる撮像素子を備える撮像センサを有し、原稿の表面からの情報を読み取って、画像信号を生成して、第1中央処理部130に出力する。第1読取部110aは、第1読取部110aと第2読取部110bの間に原稿を案内するための読取部ガイド111を備える。なお、第1読取部110a及び第2読取部110bを一方だけ配置し、原稿の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CMOSによる撮像素子の代わりにCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を利用することもできる。以下では、第1読取部110a及び第2読取部110bを総じて読取部110と称する場合がある。
【0026】
セットガイド112は、原稿台103に載置された原稿の先端と接触するフラップ113を備えている。
【0027】
第1原稿検出部114は、セットガイド112の上流側に配置されるセンサを有し、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。第1原稿検出部114は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1原稿検出信号を生成して第1中央処理部130に送信する。
【0028】
第2原稿検出部115は、読取部110の上流側に配置されるセンサを有し、読取部110の手前に原稿が存在するか否かを検出する。第2原稿検出部115は、読取部110の手前に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2原稿検出信号を生成して第1中央処理部130に送信する。
【0029】
以下、原稿の搬送動作について説明する。
【0030】
最初に、利用者は画像読取装置100を使用するに際して、原稿の搬送の予備操作として、
図3(b)に示すように原稿台103を開き、その後、原稿台103に原稿を載置する。原稿台103に載置された原稿の先端は、セットガイド112のフラップ113に突き当たって保持される。このとき、フラップ113は不図示の係止手段により固定されている。
【0031】
次に、利用者が、操作ボタン108を押下すると、第1中央処理部130により後述するモータ123が駆動され、フラップ113の係止手段の固定が解除されて、フラップ113が揺動可能となる。フラップ113が揺動可能となると、自重によって、原稿は給紙ローラ117と接触する位置へ移動する。
【0032】
モータ123の駆動によって給紙ローラ117が
図4の矢印Dの方向に回転すると、原稿は上ガイド116aと下ガイド116bの間に送り込まれる。なお、リタードローラ118もモータ123の駆動によって、
図4の矢印Eの方向に回転する。これにより、原稿台103に複数の原稿が載置されている場合、給紙ローラ117と接触している原稿以外の原稿の搬送は制限される(重送の防止)。
【0033】
次に、原稿は、読取部ガイド111によりガイドされながら、第1搬送ローラ119と第1従動ローラ120により第1読取部110aと第2読取部110bの間に送り込まれる。読取部110により読み取られた原稿は、第2搬送ローラ121と第2従動ローラ122により、前面カバー105、上面カバー106及び補助カバー107上に排出される。
【0034】
図5は、画像読取装置100の概略構成を示す図である。画像読取装置100は、
図2(a)、(b)、
図3(a)、(b)、
図4に示した構成に加えて、モータ123、第1通信部124、第1記憶部125及び第1中央処理部130をさらに有する。
【0035】
モータ123は、給紙ローラ117、リタードローラ118、第1搬送ローラ119及び第2搬送ローラ121を回転させ、且つフラップ113の係止手段の固定を解除させるための駆動力を発生する。
【0036】
第1通信部124は、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インターフェース回路とを有し、アクセスポイント300を介して情報処理装置200と通信を行う。なお、第1通信部124は、アクセスポイント300を介さずに情報処理装置200と直接通信を行ってもよい。
【0037】
第1記憶部125は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶部125には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。さらに、第1記憶部125には、原稿から生成された画像データが格納される。
【0038】
第1中央処理部130は、CPU(Central Processing Unit)を備え、予め第1記憶部125に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、第1中央処理部130は、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等で構成されてもよい。第1中央処理部130は、操作ボタン108、開閉検出部109、読取部110、第1原稿検出部114、第2原稿検出部115、モータ123、第1通信部124及び第1記憶部125と接続され、これらの各部を制御する。第1中央処理部130は、モータ123の駆動制御、読取部110の原稿読取制御等を行い、原稿を読み取って画像生成処理を行う。さらに、第1中央処理部130は、操作ボタン108、開閉検出部109及び第1原稿検出部114から受信した信号に基づいて画像読取装置100の状態検知処理を行い、検知した状態についての情報を第1通信部124を介して情報処理装置200へ通知する。そのために、第1中央処理部130は、画像生成部131、状態検知部132及び送信制御部133を有する。これらの各部は、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0039】
図6は、画像読取装置100による画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。以下、
図6に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶部125に記憶されているプログラムに基づき主に第1中央処理部130により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0040】
最初に、画像生成部131は、開閉検出部109から受信する開閉検出信号に基づいて原稿台103の開閉状態を監視し、原稿台103が開けられてセットされたことを検知するまで待機する(ステップS601)。
【0041】
次に、画像生成部131は、第1原稿検出部114から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを監視し、原稿が載置されたことを検知するまで待機する(ステップS602)。
【0042】
次に、画像生成部131は、利用者により操作ボタン108が押下されて、操作ボタン108から操作検出信号を受信するまで待機する(ステップS603)。
【0043】
操作ボタン108から操作検出信号を受信すると、画像生成部131は、モータ123を駆動して上述したように原稿を搬送させるとともに、読取部110に原稿を読み取らせる(ステップS604)。なお、画像生成部131は、第2原稿検出部115から受信する第2原稿検出信号に基づいて、原稿の先端が読取部110の手前まで移動したか否かを監視し、原稿の先端が読取部110の手前まで移動したことを検知すると、モータ123を一端停止させる。そして、画像生成部131は、読取部110にキャリブレーションを実行させてから再度モータ123を駆動させて原稿を読取部110の読取位置まで搬送させ、読取部110に原稿を読み取らせる。
【0044】
読取部110が原稿を読み取ると、画像生成部131は、読取部110から出力される画像信号から画像データを生成する(ステップS605)。
【0045】
次に、画像生成部131は、生成した画像データを予め設定された送信先へ送信する(ステップS606)。画像生成部131は、画像データを予め設定された送信先へ送信すると、その画像データを削除する。なお、送信先が設定されていない場合、画像生成部131は、生成した画像データを第1記憶部125に記憶しておく。
【0046】
次に、画像生成部131は、第1原稿検出部114から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っているか否かを判別する(ステップS607)。
【0047】
原稿台103に原稿が残っている場合、画像生成部131は、ステップS604へ処理を戻し、ステップS604〜S606の処理を繰り返す。一方、原稿台103に原稿が残っていない場合、画像生成部131は、一連のステップを終了する。
【0048】
図7は、情報処理装置200の概略構成を示す図である。情報処理装置200は、操作部201、表示部202、第2通信部203、第2記憶部204及び第2中央処理部210を有する。以下、情報処理装置200の各部について詳細に説明する。
【0049】
操作部201は、キーパッド等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインターフェース回路を有し、利用者の操作に応じた信号を第2中央処理部210に出力する。
【0050】
表示部202は、液晶等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データ又は各種の情報を出力するインターフェース回路を有し、第2中央処理部210と接続されて、第2中央処理部210から出力された情報をディスプレイに表示する。なお、タッチパネルディスプレイを用いて、操作部201と表示部202を一体に構成してもよい。
【0051】
第2通信部203は、画像読取装置100の第1通信部124と同様のインターフェース回路を有し、情報処理装置200とアクセスポイント300とを接続する。
【0052】
第2記憶部204は、画像読取装置100の第1記憶部125と同様のメモリ装置、固定ディスク装置、可搬用の記憶装置等を有する。第2記憶部204には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。
【0053】
第2中央処理部210は、CPUを備え、予め第2記憶部204に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2中央処理部210は、操作部201、表示部202、第2通信部203及び第2記憶部204と接続され、これらの各部を制御する。第2中央処理部210は、操作部201の入力制御、表示部202の表示制御、第2通信部203を介した画像読取装置100とのデータ送受信制御、第2記憶部204の制御等を行う。また、第2中央処理部210は、画像読取装置100の一覧表示処理を行う。そのために、第2中央処理部210は、受信制御部211及び表示制御部212を有する。これらの各部は、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0054】
図8は、画像処理システム1における一覧表示処理の動作の例を示すシーケンス図である。以下、
図8に示したシーケンス図を参照しつつ、一覧表示処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する各動作は、画像読取装置100において予め第1記憶部125に記憶されているプログラムに基づき主に第1中央処理部130により画像読取装置100の各要素と協働して実行されるとともに、情報処理装置200において予め第2記憶部204に記憶されているプログラムに基づき主に第2中央処理部210により情報処理装置200の各要素と協働して実行される。
図8に示す例では、画像読取装置100a及び100bの二装置が情報処理装置200と接続しているものとする。
【0055】
各画像読取装置100a及び100bの状態検知部132は、それぞれ各画像読取装置100a及び100bの稼動状態の変化を常時監視している。そして、状態検知部132は、稼動状態の変化を検知すると、その稼動状態が変化した時刻を取得する(ステップS801、S802)。ここで、稼動状態とは、各画像読取装置を使用することができる各状態、即ち各画像読取装置の電源起動後の各状態をいう。
【0056】
状態検知部132は、原稿の搬送の予備操作がなされたことを稼動状態の変化として検知する。状態検知部132は、原稿の搬送の予備操作として、原稿台103が原稿を載置可能に配置されたことを検知する。そのために、状態検知部132は、開閉検出部109から受信する開閉検出信号に基づいて原稿台103の開閉状態を監視し、原稿台103が開いて原稿を載置可能に配置された状態であるか否かを判定する。そして、状態検知部132は、原稿台103が開いて原稿を載置可能に配置された状態になった時刻を、稼動状態が変化した時刻として取得する。
【0057】
一方、情報処理装置200の第2中央処理部210は、利用者による画像読取装置の一覧表示の指示を操作部201を介して受け付ける(ステップS803)。
【0058】
第2中央処理部210は、画像読取装置の一覧表示の指示を受け付けると、第2通信部203を介して各画像読取装置100a及び100bに、各画像読取装置の状態の変化についての情報の通知を要求する状態通知要求を送信する(ステップS804)。
【0059】
なお、第2中央処理部210が状態通知要求を送信する画像読取装置は、予め第2記憶部204に設定されているものとする。または、第2中央処理部210は、過去に接続したことのある画像読取装置の情報を第2記憶部204に記憶しておき、その過去に接続したことのある画像読取装置に対して状態通知要求を送信してもよい。または、第2中央処理部210は、情報処理装置200が属するサブネットに状態通知要求をブロードキャスト送信してもよい。これにより、利用者は、情報処理装置200に画像読取装置の一覧を表示させる際に、一覧表示させる画像読取装置を指定する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0060】
各画像読取装置100a及び100bの送信制御部133は、それぞれ、第1通信部124を介して情報処理装置200から状態通知要求を受け取ると、状態検知部132が検知した稼動状態の変化を示す情報とその変化した時刻とを含む状態通知を第1通信部124を介して返信する(ステップS805、S806)。その後、各画像読取装置100a及び100bの第1中央処理部130は、それぞれ、処理をステップS801、S802に戻し、すなわち処理をシーケンス図のAからAに、BからBに戻し、再度、稼動状態の変化の検知処理を実施する。
【0061】
情報処理装置200の受信制御部211は、第2通信部203を介して各画像読取装置100a及び100bから状態通知を受信する(ステップS807)。
【0062】
表示制御部212は、受信制御部211が受信した状態通知から、稼動状態が変化した画像読取装置の一覧をその変化した時刻が新しい順に並べて、表示部202に表示させる(ステップS808)。
【0063】
表示制御部212は、受信制御部211が受信した状態通知に含まれる稼動状態の変化を示す情報から、各画像読取装置100a及び100bのうち稼動状態が変化した画像読取装置を抽出する。そして、表示制御部212は、その稼動状態が変化した画像読取装置をその変化した時刻が新しい順に並べて表した一覧を作成する。
【0064】
図9に、表示部202に表示させる一覧表示画面の例を示す。
図9に示す画面900には、各画像読取装置の名称及びIPアドレスを、原稿台103がセットされた時刻が新しい順に上から並べて表示した一覧が示される。なお、
図9に示す例では、原稿台103がセットされていないスキャナD、Eについて、原稿台103がセットされているスキャナA、B、Cに続けて一覧表示しているが、このようなスキャナD、Eについては表示しないようにしてもよい。
【0065】
その後、第1中央処理部210は、処理をステップS803に戻し、すなわち処理をシーケンス図のCからCに戻し、再度、画像読取装置の一覧表示の指示を受け付けるまで待機する。
【0066】
なお、画像読取装置100a及び100bの送信制御部133は、それぞれ情報処理装置200から状態通知要求を受信したときに状態通知を送信するのではなく、自発的に状態通知を送信してもよい。例えば、画像読取装置100a及び100bの送信制御部133は、定期的に状態通知を送信する。あるいは、画像読取装置100a及び100bの送信制御部133は、状態検知部132が各画像読取装置100a及び100bの稼動状態の変化を検知したときに状態通知を送信する。その場合、情報処理装置200の受信制御部211は、各画像読取装置100a及び100bから受信した状態通知を第2記憶部204に記憶しておく。そして、第2中央処理部210が画像読取装置の一覧表示の指示を受け付けると、表示制御部212は、第2記憶部204に記憶した状態通知に基づいて、稼動状態が変化した画像読取装置の一覧をその変化した時刻が新しい順に並べて、表示部202に表示させる。
【0067】
図15は、画像処理システム1における一覧表示処理の動作の他の例を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、画像処理システム1において、前述した
図8に示すシーケンス図の代りに実行することが可能である。
図15に示すシーケンス図では、
図8に示すシーケンス図と異なり、画像読取装置100a及び100bの送信制御部133は、情報処理装置200から状態通知要求を受信したときに状態通知を送信することに代えて、自発的に状態通知を情報処理装置200に送信する。
図15に示すステップS1505〜S1506の処理は、
図8に示すステップS807〜S808の処理と同じであるため、説明を省略し、以下では、ステップS1501〜S1504の処理についてのみ説明する。
【0068】
ステップS1501において、画像読取装置100aの状態検知部132は、画像読取装置100aの稼動状態の変化を常時監視している。そして、状態検知部132は、稼動状態の変化を検知すると、その稼動状態が変化した時刻を取得する。画像読取装置100aの送信制御部133は、状態検知部132が画像読取装置100aの稼動状態の変化を検知すると、状態検知部132が検知した稼動状態の変化を示す情報とその変化した時刻とを含む状態通知を第1通信部124を介して情報処理装置200に送信する(ステップS1502)。
【0069】
同様に、ステップS1503において、画像読取装置100bの状態検知部132は、画像読取装置100bの稼動状態の変化を常時監視している。そして、状態検知部132は、稼動状態の変化を検知すると、その稼動状態が変化した時刻を取得する。画像読取装置100bの送信制御部133は、状態検知部132が画像読取装置100bの稼動状態の変化を検知すると、状態検知部132が検知した稼動状態の変化を示す情報とその変化した時刻とを含む状態通知を第1通信部124を介して情報処理装置200に送信する(ステップS1504)。
【0070】
このように、各画像読取装置100a及び100bが状態通知を自発的に情報処理装置200へ送信することにより、情報処理装置200は各画像読取装置100a及び100bに状態通知要求を送信することなく、状態通知を取得することができる。これにより、情報処理装置200は、各画像読取装置100a及び100bが起動していないときに、起動していない各画像読取装置100a及び100bに対する状態通知要求を送信することがなくなるので、無駄なパケットの送信によるネットワーク負荷の増大を抑制することができる。
【0071】
なお、状態検知部132が検知する、原稿の搬送の予備操作は、原稿台103が原稿を載置可能に配置されたことに限定されない。例えば、状態検知部132は、原稿の搬送の予備操作として、原稿が読取り可能に載置されたことを検知してもよい。その場合、状態検知部132は、第1原稿検出部114から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿が読取り可能に載置された状態であるか否かを判定する。そして、状態検知部132は、原稿が読取り可能に載置された時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。これにより、情報処理装置200は、原稿がセットされた時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0072】
また、状態検知部132は、稼動状態の変化として、画像データが新たに生成されたことを検知してもよい。その場合、画像生成部131は、
図6に示したステップS605で画像データを生成すると、画像データを生成したことを示す画像生成信号を状態検知部132に通知する。一方、画像生成部131は、画像データの送信先が設定されており、ステップS606で画像データをその送信先へ送信して削除すると、画像データを削除したことを示す画像削除信号を状態検知部132に通知する。状態検知部132は、第1原稿検出部114から画像生成信号を受信すると画像データが新たに生成されたと判定し、画像削除信号を受信すると画像データが削除されたと判定する。そして、状態検知部132は、画像生成部131から画像生成信号を受信した時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。これにより、情報処理装置200は、画像データが生成された時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0073】
また、状態検知部132は、稼動状態の変化として、画像読取装置100が原稿読取処理を開始したことを検知してもよい。その場合、状態検知部132は、操作ボタン108から操作検出信号を受信すると画像読取装置100が原稿読取処理を開始したと判定し、第1原稿検出部114から受信した第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っていないことを検知すると原稿読取処理を終了したと判定する。そして、状態検知部132は、操作ボタン108から操作検出信号を受信した時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。これにより、情報処理装置200は、操作ボタンが押下された時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0074】
または、状態検知部132は、稼動状態の変化として、画像読取装置100が原稿読取処理を終了したことを検知してもよい。その場合、状態検知部132は、原稿台103に原稿が残っていないことを検知した時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。これにより、情報処理装置200は、原稿読取処理が完了して利用可能となった時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0075】
また、状態検知部132は、稼動状態の変化として、画像読取装置100が起動したことを検知してもよい。その場合、状態検知部132は、画像読取装置100が起動した時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。これにより、情報処理装置200は、起動した時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0076】
また、状態検知部132は、稼動状態の変化として、画像読取装置100がアクセスポイント300に接続したことを検知してもよい。その場合、第1通信部124は、アクセスポイント300との物理レイヤの接続が完了したときに接続信号を状態検知部132に通知し、アクセスポイント300との物理レイヤでの切断を検知したときに切断信号を状態検知部132に通知する。状態検知部132は、第1通信部124から接続信号を受信すると画像読取装置100がアクセスポイント300に接続したと判定し、切断信号を受信すると切断したと判定する。そして、状態検知部132は、第1通信部124から接続信号を受信した時刻を稼動状態が変化した時刻として取得する。なお、第1通信部124は、アクセスポイント300とのMAC(Medium Access Control)レイヤ又はさらに高いレイヤでの接続が完了したときに接続信号を通知し、MACレイヤ又はさらに高いレイヤでの切断を検知したときに切断信号を通知してもよい。また、第1通信部124は、画像読取装置100が情報処理装置200と接続したときに接続信号を通知し、情報処理装置200と切断したときに切断信号を通知してもよい。これらにより、情報処理装置200は、通信可能となった時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0077】
または、状態検知部132は、上記した稼動状態の変化のうちの二つ以上を監視し、何れかの変化を検知した場合に稼動状態が変化したと判定してもよい。これにより、情報処理装置200は、何らかのアクションがなされた時刻が新しい順に画像読取装置を表した一覧を表示できる。
【0078】
以上詳述したように、
図8に示したシーケンス図に従って動作することによって、情報処理装置は、複数の画像読取装置の一覧を、稼動状態が変化した時刻が新しい順に並べて表示することが可能となった。これにより、複数の画像読取装置と情報処理装置を有する画像処理システムにおいて、利用者は、情報処理装置から画像読取装置を選択しやすくなり、利便性を向上させることが可能となった。
【0079】
図10は、画像読取装置の他の例を示す概略構成を示す図である。
図10に示す画像読取装置400は、
図5に示す画像読取装置100の各部に加えて第1GPS(Global Positioning System)受信部126を有し、第1中央処理部130の代りに第1中央処理部140を有する。第1中央処理部140は、第1中央処理部130の各部に加えて、第1位置検出部141を有する。
【0080】
第1GPS受信部126は、四台以上のGPS衛星(不図示)からGPS信号を受信し、各GPS衛星の位置、並びに各GPS信号の送信時刻及び受信時刻を第1中央処理部140に送信する。
【0081】
第1位置検出部141は、第1GPS受信部126から受信した各情報に基づいて画像読取装置400の位置を求め、求めた画像読取装置400の位置の情報を第1通信部124を介して情報処理装置へ送信する。
【0082】
図11は、情報処理装置の他の例を示す概略構成を示す図である。
図11に示す情報処理装置500は、
図7に示す情報処理装置200の各部に加えて第2GPS受信部205を有し、第2中央処理部210の代りに第2中央処理部220を有する。第2中央処理部220は、第2中央処理部210の各部に加えて、第2位置検出部221及び距離検出部222を有する。
【0083】
第2GPS受信部205は、第1GPS受信部126と同様に、GPS衛星からGPS信号を受信し、各情報を第2中央処理部220に送信する。
【0084】
第2位置検出部221は、第2GPS受信部205から受信した各情報に基づいて情報処理装置500の位置を求め、求めた情報処理装置500の位置の情報を距離検出部222へ送信する。
【0085】
距離検出部222は、第2位置検出部221から受信した情報処理装置500の位置の情報と、第2通信部203を介して各画像読取装置400から受信した各画像読取装置400の位置の情報とから、情報処理装置500と各画像読取装置400との間の距離を検出し、表示制御部212へ送信する。
【0086】
表示制御部212は、各画像読取装置400のうち稼動状態が変化した画像読取装置の一覧に続けて、稼動状態が変化していない画像読取装置の一覧を距離検出部222から受信した距離が短い順に並べて表示部202に表示させる。
【0087】
なお、画像読取装置400及び情報処理装置500は、GPS衛星からのGPS信号に基づいて各装置の位置を求めるのではなく、アクセスポイントからの無線信号に基づいて各装置の位置を求めてもよい。その場合、画像処理システム1は、三台以上のアクセスポイントを有し、各アクセスポイントは、各アクセスポイントの位置の情報を画像読取装置400及び情報処理装置500に送信する。
【0088】
画像読取装置400の第1通信部124は、各アクセスポイントから受信した電波信号の電波強度を検出し、その電波強度を示す情報を第1位置検出部141に送信する。第1位置検出部141は、受信電波強度が距離に反比例して減衰する性質を利用して画像読取装置400と各アクセスポイントとの距離を推定し、推定した距離と第1通信部124を介して受信した各アクセスポイントの位置の情報とから、画像読取装置400の位置を求める。
【0089】
同様に、情報処理装置500の第2通信部203は、各アクセスポイントからの受信電波強度を示す情報を第2位置検出部221に送信する。第2位置検出部221は、受信電波強度から情報処理装置500と各アクセスポイントとの距離を推定し、推定した距離と第2通信部203を介して受信した各アクセスポイントの位置の情報とから情報処理装置500の位置を求める。
【0090】
以上詳述したように、情報処理装置は、稼動状態が変化していない画像読取装置について情報処理装置との距離が短い順に並べて表示することが可能となった。これにより、利用者は、稼動状態が変化していない画像読取装置についても、所望の装置を選択しやすくなり、利便性をさらに向上させることが可能となった。
【0091】
図12は、画像読取装置のさらに他の例を示す概略構成を示す図である。
図12に示す画像読取装置600は、
図5に示す画像読取装置100の各部に加えて通知部127を有し、第1中央処理部130の代りに第1中央処理部150を有する。第1中央処理部150は、第1中央処理部130の各部に加えて、指定通知部151を有する。
【0092】
通知部127は、音声出力又は表示により利用者に通知を行うものであり、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)等のランプ、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置の少なくとも何れかを有する。本実施形態では、
図2(b)に示す操作ボタン108がスピーカ及びLEDランプを備え、通知部127として機能する。
【0093】
図13は、情報処理装置のさらに他の例を示す概略構成を示す図である。
図13に示す情報処理装置700は、
図7に示す第2中央処理部210の代りに第2中央処理部230を有する。第2中央処理部230は、第2中央処理部210の各部に加えて、指定受付部231を有する。
【0094】
図14は、画像処理システム1における画像読取装置の指定処理の動作の例を示すシーケンス図である。以下、
図14に示したシーケンス図を参照しつつ、画像読取装置の指定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する各動作は、画像読取装置600において予め第1記憶部125に記憶されているプログラムに基づき主に第1中央処理部150により画像読取装置600の各要素と協働して実行されるとともに、情報処理装置700において予め第2記憶部204に記憶されているプログラムに基づき主に第2中央処理部230により情報処理装置700の各要素と協働して実行される。
【0095】
まず、情報処理装置700の指定受付部231は、表示制御部212が表示部202に一覧表示させた画像読取装置のうち、制御対象とする画像読取装置についての利用者による指定を操作部201を介して受け付ける(ステップS1401)。
【0096】
指定受付部231は、画像読取装置の指定を受け付けると、その指定された画像読取装置に、その画像読取装置が制御対象として指定されたことを知らせる指定通知を第2通信部203を介して送信する(ステップS1402)。
【0097】
画像読取装置600の指定通知部151は、第1通信部124を介して指定通知を受信すると、通知部127のLEDを点灯させたり、スピーカから音声を出力させることにより、当該画像読取装置600が制御対象として指定されたことを利用者に通知する(ステップS1403)。なお、情報処理装置700が画像読取装置の指定を受け付けるときに、LEDを点灯させる、又はスピーカから音声を出力させる等の通知方法もあわせて受け付けてもよい。その場合、情報処理装置700の指定受付部231は、指定された通知方法を指定通知に含めて画像読取装置600に送信し、画像読取装置600の指定通知部151は、指定された通知方法により通知部127に通知させる。
【0098】
次に、指定通知部151は、第1通信部124を介して情報処理装置700に指定通知応答を送信し(ステップS1404)、一連のステップを終了する。
【0099】
なお、画像読取装置600から指定通知応答を受信した情報処理装置700は、その後、画像読取装置600の原稿読取時の解像度、生成する画像データの圧縮率、ファイルタイプ、生成した画像データの送信先等の設定を行うことが可能となる。情報処理装置700は、画像データの送信先として、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の画像表示装置、ネットワーク接続可能なハードディスク等のデータ格納装置、又はWebサービス等を提供するサーバ装置を指定することができ、複数の装置を指定することもできる。画像データの送信先として複数の装置が指定された場合、画像読取装置600は、指定された全ての装置に画像データを送信する。また、情報処理装置700は、画像データの送信先の情報としてその送信先の装置の画面解像度、通信速度等を有する場合は、それらの情報に応じて、画像読取装置600に設定する解像度、圧縮率等を決定してもよい。また、情報処理装置700は、画像データの送信先として当該情報処理装置700を自動的に指定してもよい。さらに、情報処理装置700は、操作部201を介して利用者から、画像読取装置600の原稿読取処理の開始の指示を受付け、画像読取装置600に原稿読取処理を実行させてもよい。
【0100】
また、指定受付部231は、制御対象とする画像読取装置を操作部201を介して利用者に指定させるのではなく、稼動状態が変化した時刻が最も新しい画像読取装置を制御対象とする画像読取装置として自動的に選択してもよい。これにより、利用者は、制御対象とする画像読取装置を指定する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0101】
また、指定受付部231は、制御対象とする画像読取装置の指定を複数受け付け、その複数の画像読取装置のそれぞれに指定通知を送信してもよい。これにより、利用者は、制御対象とする画像読取装置を複数まとめて指定することができ、利便性を向上させることができる。
【0102】
以上詳述したように、
図14に示したシーケンス図に従って動作することによって、画像読取装置は、情報処理装置によって制御対象として指定されたときにLEDを点灯させたり、スピーカから音声を出力させて、当該画像読取装置が指定されたことを利用者に通知することが可能となった。これにより、利用者は、視覚的又は聴覚的に自身が選択した画像読取装置を確認することが可能となった。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、情報処理装置の表示部202に表示させる一覧表示画面は、稼動状態が変化した時刻が新しい順に上から並べたものに限られず、下から並べたものでもよい。あるいは、稼動状態が変化した時刻の順に並べるのではなく、単に各画像読取装置に関連付けて稼動状態が変化した時刻を表示するようにしてもよい。
【0104】
また、画像処理システム1のネットワーク構成は、
図1に示す例に限られず、情報処理装置200と各画像読取装置100a〜100cとを有線通信回線を介して接続してもよい。その場合、第1通信部124及び第2通信部203は、それぞれ所定の通信プロトコルに従ってその有線通信回路を通じて信号の送受信を行うための有線通信インターフェース回路を有し、相互に通信する。
【0105】
なお、画像読取装置は稼動状態の変化のみを情報処理装置に送信し、情報処理装置はその通知を受信した時刻を取得してもよい。その場合、受信制御部211は、各画像読取装置から状態通知を受信したときの時刻を取得する。表示制御部212は、稼動状態が変化した画像読取装置の一覧を、その稼動状態が変化したことを表す状態通知を受信制御部211が受信した時刻が新しい順に並べて表示部202に表示させる。