【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1を
図1〜
図8を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例1のネットワークシステムの構成の説明図である。
【0019】
実施例1のネットワークシステムは、無線端末1、無線アクセスポイント(無線AP、ノード)10、パケット中継装置(中継装置)20、管理サーバ(設定情報記憶装置)30及びDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ(アドレス配布装置)40を有する。
【0020】
パケット中継装置20は、複数の通信回線を相互に接続するものであって、無線AP10に接続され、ネットワーク50を介して管理サーバ30及びDHCPサーバ40に接続される。無線AP10は、無線端末1(例えば、スマートフォン及びタブレット端末等)に無線で接続される電波中継機器である。管理サーバ30は、無線AP10に対応する設定情報を記憶し、無線AP10からの要求に基づき設定情報を無線AP10に送信する。DHCPサーバ40は、無線AP10にIPアドレス等を配布する。
【0021】
まず、パケット中継装置20について説明する。
【0022】
パケット中継装置20は、パケット処理部210、プロセッサ220、メモリ230、並びに物理ポート240及び241を有する。パケット処理部210、プロセッサ220、メモリ230、並びに物理ポート240及び241は、バス242等を介して互いに接続される。
【0023】
物理ポート240は、無線AP10が有する物理ポート170に接続され、物理ポート241は回線を介してネットワーク50に接続される。物理ポート240及び241にはパケット中継装置20内で重複なく、固有な識別情報が付与され、物理ポート240及び241は、当該識別情報によって一意に識別される。なお、物理ポートを「ポート」ともいう。パケット中継装置20においては、各物理ポート240及び241は、独立な一本の回線が接続されるポートとして利用される。
【0024】
パケット処理部210は、パケット中継装置20が受信したパケットを送信する物理ポートを決定するパケット処理を実行する。パケット処理部210はDHCPパケット判定部211を有し、DHCPパケット判定部211は、パケット中継装置20が受信したパケットがDHCPパケットであるか否かを判定する。DHCPとは、各種装置にIPアドレス等の必要な情報を自動的に割り当てるプロトコルである。なお、
図1に示すパケット処理部210は、ハードウェアによって実装されるが、ソフトウェアによって実装されてもよい。
【0025】
プロセッサ220は、各種プログラムを実行し、DHCP処理部221、無線AP管理部222、及び管理サーバIP処理部223を有する。
【0026】
DHCP処理部221はDHCPの処理を実行する。DHCP処理部221の詳細は
図2で説明する。無線AP管理部222は、物理ポートと、当該物理ポートに接続されている無線AP10との関係を管理する。管理サーバIP処理部223は、無線AP10の設定情報を記憶する管理サーバ30のIPアドレス(アドレス情報)を管理する。
【0027】
なお、DHCP処理部221、無線AP管理部222、及び管理サーバIP処理部223は、プロセッサ220がこれらに対応するプログラムを実行することによって実装される。
【0028】
メモリ230は、プロセッサ220が実行する各種プログラム、及びプロセッサ220が読み出し又は書き込むデータを記憶する記憶領域である。メモリ230は、管理サーバIP登録テーブル231、及び無線AP登録テーブル(ノード情報管理情報)232を記憶する。
【0029】
管理サーバIP登録テーブル231には管理サーバ30のIPアドレスが登録され、管理サーバIP登録テーブル231は管理サーバIP処理部223によって参照される。管理サーバIP登録テーブル231の詳細は
図4で説明する。無線AP登録テーブル232には、物理ポートの識別情報と、当該物理ポートに接続される無線APを特定する無線AP名(ノード情報)との対応付けが登録される。無線AP登録テーブル232の詳細は
図3で説明する。
【0030】
次に、無線AP10について説明する。無線AP10は、無線送受信部110、パケット送受信部120、装置IPアドレス管理部130、DHCPクライアント処理部140、管理サーバ情報処理部150、及びコンフィグ情報設定部160を有する。
【0031】
無線送受信部110は、無線端末1から送信された信号を無線で受信し、無線端末1に信号を無線で送信する。パケット送受信部120は、パケット中継装置20から送信されたパケットを受信し、パケット中継装置20にパケットを送信する。装置IPアドレス管理部130は、DHCPサーバ40から配布された無線AP10のIPアドレスを管理する。
【0032】
DHCPクライアント処理部140は、DHCPサーバ40と間で送受信されるDHCPパケットに関する処理を実行する。DHCPクライアント処理部140は無線AP情報付加部141を有する。無線AP情報付加部141は、DHCPパケットをDHCPサーバ40に送信する場合、無線AP10がDHCPクライアントであることを示す無線AP識別情報をDHCPパケットに付加する。
【0033】
管理サーバ情報処理部150は、無線AP10の設定情報を記憶する管理サーバ30のIPアドレスを、管理サーバIP登録テーブル151に登録し、管理サーバ30から設定情報を取得する。管理サーバ情報処理部150は管理サーバIP登録テーブル151、及び管理サーバ問合せ部152を有する。
【0034】
管理サーバIP登録テーブル151には、管理サーバ30のIPアドレスが登録される。管理サーバ問合せ部152は、設定情報取得要求を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30から設定情報を受信する。
【0035】
コンフィグ情報設定部160は、管理サーバ30から取得した設定情報に基づいて無線AP10の設定処理を実行する。
【0036】
DHCPサーバ40は、DHCPを用いてDHCPクライアントにアドレス情報等の必要な情報を配布する。
【0037】
次に、管理サーバ30について説明する。管理サーバ30は、パケット中継装置20及び無線AP10の設定情報を記憶し、パケット中継装置20及び無線AP10に設定情報を配布する。
【0038】
管理サーバ30は、パケット送受信部310、プロセッサ320、メモリ330、及び物理ポート340を有する。パケット送受信部310、プロセッサ320、メモリ330、及び物理ポート340は、バス341等を介して互いに接続される。
【0039】
パケット送受信部310は、ネットワーク50を介してパケットを送受信する。
【0040】
プロセッサ320は、各種プログラムを実行し、設定問合せ受信部321、設定情報管理部322、及び設定情報送信部323を有する。設定問合せ受信部321は、無線AP10から送信された設定情報取得要求を受信する。設定情報管理部322は、無線AP10に対応する設定情報を管理し、管理サーバ30が受信した設定情報取得要求に対応する設定情報を検索する。設定情報送信部323は、管理サーバ30が受信した設定情報取得要求に対応する設定情報を無線AP10に送信する。
【0041】
なお、設定問合せ受信部321、設定情報管理部322、及び設定情報送信部323は、プロセッサ320がこれらに対応するプログラムを実行することによって実装される。
【0042】
メモリ330は、プロセッサ320が実行する各種プログラム、及びプロセッサ320が読み出し又は書き込むデータを記憶する記憶領域である。メモリ330は、設定情報管理テーブル331を記憶する。設定情報管理テーブル331には、無線AP名と設定情報との対応付けが登録される。設定情報管理テーブル331の詳細は、
図5で説明する。
【0043】
物理ポート340は、ネットワーク50に接続される回線に接続される。
【0044】
図2は、本発明の実施例1のDHCP処理部221の説明図である。
【0045】
DHCP処理部221は、DHCP Snooping処理部2210、DHCPリレー処理部2220、及びDHCPサーバ処理部2230を有する。
【0046】
DHCP Snooping処理部2210はDHCP Snooping処理を実行する。DHCP Snooping処理は、DHCPクライアントが、パケット中継装置20のどの物理ポートに接続されているかを追跡し、追跡結果に基づいてパケットをフィルタリングする処理である。
【0047】
DHCPリレー処理部2220はDHCPリレー処理を実行する。DHCPリレー処理は、DHCPクライアントからのDHCPパケットをDHCPサーバ40の代理で受け取り、別のネットワークにあるDHCPサーバ40にDHCPパケットを中継する処理である。
【0048】
DHCPサーバ処理部2230はDHCPサーバ処理を実行する。DHCPサーバ処理は、パケット中継装置20にDHCPサーバ40の機能を実装し、DHCPクライアントのIPアドレス等のネットワークの利用に必要な情報を、DHCPクライアントに自動的に割り当てる処理である。
【0049】
なお、管理者は、DHCP Snooping処理部2210、DHCPリレー処理部2220、及びDHCPサーバ処理部2230の機能を有効にするかを無効にするかを予め設定する。機能が有効に設定された処理部は自身の処理を実行し、機能が無効に設定された処理部は自身の処理を実行しない。本実施例では、DHCP Snooping処理部2210の機能が有効に設定され、DHCPリレー処理部2220、及びDHCPサーバ処理部2230の機能が無効に設定されているものとする。これらの処理部が有効に設定されたか無効に設定されたかを示す処理部設定情報(不図示)はメモリ230に記憶される。
【0050】
DHCP Snooping処理部2210は、受信ポート確認部2211、無線AP判別部2212、及びDHCPデータ付加部2213を有する。
【0051】
受信ポート確認部2211は、DHCPパケットを受信した物理ポートを特定する。無線AP判別部2212は、DHCPパケットのOptionsに無線AP識別情報が格納されているか否かを判定することによって、DHCPパケットのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する。
【0052】
DHCPデータ付加部2213は、無線AP判別部2212によって受信したDHCP ACKのDHCPクライアントが無線AP10であると判定された場合、受信ポート確認部2211が特定した物理ポートの識別情報に基づいて、無線AP登録テーブル232から無線AP名を取得し、管理サーバIP登録テーブル231から管理サーバ30のIPアドレスを取得する。そして、DHCPデータ付加部2213は、受信したDHCP ACKに取得した無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加する。
【0053】
図3は、本発明の実施例1の無線AP登録テーブル232の説明図である。
【0054】
無線AP登録テーブル232では、パケット中継装置20が有する物理ポートの識別情報と、当該物理ポートに接続される無線AP10を特定する無線AP名との対応付けが登録される。なお、無線AP登録テーブル232は管理者によって事前に設定される。
【0055】
無線AP登録テーブル232は、物理ポート識別情報301及び無線AP名302を含む。
【0056】
物理ポート識別情報301には、パケット中継装置20が有する物理ポートの識別情報(例えば、ポート番号等)が登録される。無線AP名302には、物理ポート識別情報301に登録された識別情報によって識別される物理ポートに接続される無線AP10の無線AP名が登録される。無線AP名は、無線AP10を新たな無線AP10に交換した場合であっても変更されず、無線AP10を特定可能な情報であり、例えば、無線AP10が設置される位置の情報である。
【0057】
図3に示す無線AP登録テーブル232には、物理ポート「1」と無線AP名「A」との対応付け、物理ポート「2」と無線AP名「B」との対応付け、及び物理ポート「3」と無線AP名「C」との対応付けが登録される。
【0058】
なお、無線AP登録テーブル232には、無線AP10に接続される物理ポートの数分のレコードが登録されてもよいし、パケット中継装置20が有する全ての物理ポートの数分のレコードが登録され、無線AP10に接続されない物理ポートのレコードの無線AP名302には「NULL」が登録されてもよい。また、物理ポート識別情報301に登録される物理ポートの識別情報は、パケット中継装置20が有する物理ポートを一意に特定可能であれば任意のものでよい。また、無線AP名302に登録される無線AP名は、無線AP10が交換されても、交換後の無線AP10を特定可能であれば任意のものでよい。
【0059】
図4は、本発明の実施例1の管理サーバIP登録テーブル231の説明図である。
【0060】
管理サーバIP登録テーブル231には、無線AP10の設定情報が記憶される管理サーバ30のIPアドレスが登録される。管理サーバIP登録テーブル231は管理サーバIPアドレス401を有し、管理サーバIPアドレス401には管理サーバ30のIPアドレスが登録される。管理サーバIP登録テーブル231には、管理サーバ30を特定可能な情報であれば、管理サーバ30のMACアドレス等のアドレス情報が登録されてもよい。
【0061】
管理サーバIP登録テーブル231は、管理者によって事前に設定される。また、無線AP10によって設定情報を記憶する管理サーバ30が異なる場合には、管理サーバIP登録テーブル231には複数の管理サーバ30のIPアドレスが登録される。この場合、管理サーバIP登録テーブル231は無線AP名(不図示)及び管理サーバIPアドレス401を含み、管理サーバIP登録テーブル231には、無線AP名によって特定される無線AP10と、当該無線AP10の設定情報を記憶する管理サーバ30のIPアドレスとの対応付けが登録される。
【0062】
図5は、本発明の実施例1の設定情報管理テーブル331の説明図である。
【0063】
設定情報管理テーブル331には、無線AP名と、当該無線AP名によって特定される無線AP10に管理サーバ30が送信する設定情報との対応付けが登録される。
【0064】
設定情報管理テーブル331は、パケット中継装置識別情報501、物理ポート識別情報502、無線AP名503、及び設定情報504を含む。
【0065】
パケット中継装置識別情報501には、管理サーバ30に接続されるパケット中継装置20の識別情報が登録される。物理ポート識別情報502には、各パケット中継装置20の無線AP10が接続される物理ポートの識別情報が登録される。無線AP名503には、各物理ポートに接続される無線AP10の無線AP名が登録される。設定情報504には、無線AP名503によって特定される無線AP10に対応する設定情報が登録される。設定情報は、例えば、無線AP10の電波強度、無線AP10が無線端末1と無線でデータを送受信するためのチャネル、及び暗号認証方式等の少なくとも一つを含む。
【0066】
つまり、設定情報管理テーブル331は、パケット中継装置20のどの物理ポートにどの無線AP10が接続されているかを管理し、無線AP10と当該無線AP10の設定情報との対応付けを管理する。
【0067】
図5に示す設定情報管理テーブル331には、パケット中継装置「SW1」の物理ポート「1」と無線AP名「A」と設定情報「a」との対応付け、パケット中継装置「SW1」の物理ポート「2」と無線AP名「B」と設定情報「b」との対応付け、パケット中継装置「SW1」の物理ポート「3」と無線AP名「C」と設定情報「c」との対応付け、パケット中継装置「SW2」の物理ポート「1」と無線AP名「L」と設定情報「l」との対応付け、及び、パケット中継装置「SW2」の物理ポート「3」と無線AP名「M」と設定情報「m」との対応付けが登録される。
【0068】
なお、設定情報管理テーブル331は、管理者によって事前に設定される。また、設定情報管理テーブル331に登録されたパケット中継装置20の物理ポートの識別情報と無線AP名との対応付けは、各パケット中継装置20の無線AP登録テーブル232に自動的に登録されてもよい。具体的には、管理サーバ30は、設定情報管理テーブル331の物理ポート識別情報502に登録された物理ポートの識別情報と無線AP名503に登録された無線AP名との対応付けを、パケット中継装置識別情報501に登録された識別情報によって識別されるパケット中継装置20に送信する。パケット中継装置20は、管理サーバ30から送信された対応付けを受信した場合、受信した対応付けを無線AP登録テーブル232に登録する。
【0069】
なお、パケット中継装置識別情報501に登録されるパケット中継装置20の識別情報は、パケット中継装置20を一意に特定可能であれば、任意のものでよい。物理ポート識別情報502に登録される物理ポートの識別情報は、パケット中継装置20が有する物理ポートを一意に特定可能であれば任意のものでよい。また、無線AP名503に登録される無線AP名は、無線AP10が交換されても、交換後の無線AP10を特定可能であれば任意のものでよい。設定情報504に登録される設定情報は、任意の設定情報であればよい。
【0070】
図6は、本発明の実施例1の無線AP10を交換する場合のネットワークシステムにおける処理のシーケンス図である。
【0071】
新たな無線AP10がパケット中継装置20に接続されると、無線AP10のDHCPクライアント処理部140は、DHCPサーバ40からIPアドレスを取得するために、DHCP Discoverをブロードキャストで送信する(601)。これによって、DHCPクライアント処理部140は、同じセグメントのネットワーク全体にDHCP Discoverを送信できる。無線AP10から送信されたDHCP Discoverは、パケット中継装置20を介してネットワーク50に送信される。
【0072】
DHCPサーバ40は、ステップ601の処理で送信されたDHCP Discoverを受信した場合、DHCPクライアント(無線AP10)が使用可能なIPアドレスを含むDHCP OfferをDHCPクライアントに送信する(602)。DHCPクライアントとは、DHCP Discoverを送信した装置を意味し、本実施例では交換された新たな無線AP10である。
【0073】
次に、DHCPクライアントである無線AP10がDHCP Offerを受信した場合、受信したDHCP Offerに含まれるIPアドレスに問題がなければ、無線AP情報付加部141が、無線AP10に設定されるIPアドレスを取得する要求であるDHCPリクエスト(アドレス取得要求)に無線AP識別情報を付加し、DHCPクライアント処理部140は、無線AP識別情報が付加されたDHCPリクエストを送信する(603)。なお、
図7で詳細を説明するが、無線AP識別情報は、DHCPリクエストのOptionsに格納される。
【0074】
ステップ603の処理で送信されたDHCPリクエストをパケット中継装置20が受信した場合、パケット中継装置20のDHCP処理部221は、DHCPリクエストを受信した物理ポートを特定し、特定した物理ポートの識別情報を記憶し、DHCPリクエストをネットワーク50に送信する(604)。
【0075】
DHCPサーバ40は、ステップ604の処理で送信されたDHCPリクエストを受信した場合、受信したDHCPリクエストに対応するDHCP ACK(アドレス取得応答)を送信する(605)。なお、DHCP ACKにはDHCPクライアントのIPアドレスが含まれる。
【0076】
ステップ605の処理で送信されたDHCP ACKをパケット中継装置20が受信した場合、パケット中継装置20のDHCP処理部221は、受信したDHCP ACKに対応するDHCPリクエストを受信した物理ポートの識別情報に対応する無線AP名、及び管理サーバ30のIPアドレスを、受信したDHCP ACKに付加し、無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスが付加されたDHCP ACKを無線AP10に送信する(606)。なお、受信したDHCP ACKに対応するDHCPリクエストを受信した物理ポートの識別情報に対応する無線AP名は、無線AP管理部222が無線AP登録テーブル232を参照することによって特定され、管理サーバ30のIPアドレスは、管理サーバIP処理部223が管理サーバIP登録テーブル231を参照することによって特定される。また、
図7で詳細を説明するが、無線AP名、及び管理サーバ30のIPアドレスは、DHCP ACKのOptionsに格納される。
【0077】
ステップ606の処理で送信されたDHCP ACKを無線AP10が受信した場合、無線AP10の装置IPアドレス管理部130は、受信したDHCP ACKに含まれる無線AP10のIPアドレスを記憶し、管理サーバ情報処理部150は、受信したDHCP ACKに含まれる管理サーバ30のIPアドレスを管理サーバIP登録テーブル151に登録する。
【0078】
そして、無線AP10の管理サーバ問合せ部152は、管理サーバIP登録テーブル151に登録された管理サーバ30のIPアドレスを宛先として、記憶した無線AP名を含む設定情報取得要求を送信する(607)。
【0079】
ステップ607の処理で送信された設定情報取得要求を管理サーバ30が受信した場合、管理サーバ30の設定情報管理部322は、設定情報管理テーブル331を参照し、受信した設定情報取得要求に含まれる無線APに対応する設定情報を特定し、設定情報送信部323は、特定した設定情報を無線AP10に送信する(608)。
【0080】
具体的には、設定情報管理部322は、設定情報管理テーブル331のレコードのうち、無線AP名503に受信した設定情報取得要求に含まれる無線AP名が登録されたレコードの設定情報504に登録された設定情報を特定する。なお、設定情報管理部322は、設定情報管理テーブル331のレコードのうち、パケット中継装置識別情報501に設定情報取得要求の送信元のパケット中継装置20の識別情報が登録され、かつ無線AP名503に受信した設定情報取得要求に含まれる無線AP名が登録されたレコードの設定情報504に登録された設定情報を特定してもよい。
【0081】
ステップ608の処理で送信された設定情報を無線AP10が受信した場合、無線AP10のコンフィグ情報設定部160は、受信した設定情報に基づいて各種設定を実行する。
【0082】
図7は、本発明の実施例1のDHCPパケットのフォーマット図である。
【0083】
DHCPパケットとは、無線AP10とDHCPサーバ40との間で送受信されるDHCP Discover、DHCP Offer、DHCPリクエスト、及びDHCP ACKである。
【0084】
DHCPパケットのフォーマットは
図7に示すように定義されている。DHCPパケットのOptionsの未定義領域に本実施例に特有の情報を格納して、DHCPパケットが送信される。本実施例に特有の情報とは、例えば、ステップ603の処理で送信されるDHCPリクエストに付加される無線AP識別情報、並びに、ステップ606の処理で送信されるDHCP ACKに付加される無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレス等である。
【0085】
図8は、本発明の実施例1のパケット中継装置20が実行するパケット転送処理のフローチャートである。
【0086】
パケット転送処理はパケット中継装置20がパケットを受信した場合に実行される。
【0087】
パケット中継装置20がパケットを受信すると、DHCPパケット判定部211は、受信したパケットがDHCPリクエストであるか否かを判定する(801)。
【0088】
ステップ801の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCP Snooping処理部2210が有効に設定されているか否かを判定する(802)。
【0089】
ステップ802の処理で、DHCP Snooping処理部2210が有効に設定されていると判定された場合、DHCP Snooping処理部2210の受信ポート確認部2211は、受信したDHCPリクエストに基づいて、DHCPリクエストを受信した物理ポートを特定し、特定した物理ポートの識別情報とDHCPリクエストのTransaction IDとを対応付けてメモリ230に記憶する(803)。
【0090】
そして、パケット処理部210は、受信したDHCPリクエストをネットワーク50に送信し(804)、処理を終了する。
【0091】
一方、ステップ802の処理で、DHCP Snooping処理部2210が無効に設定されていると判定された場合、ステップ804の処理に進み、パケット処理部210は受信したリクエストをネットワーク50に送信し、処理を終了する。
【0092】
ステップ801の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストでないと判定された場合、DHCPパケット判定部211は、受信したパケットがDHCP ACKであるか否かを判定する(805)。
【0093】
ステップ805の処理で、受信したパケットがDHCP ACKであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCP Snooping処理部2210が有効に設定されているか否かを判定する(806)。
【0094】
ステップ806の処理で、DHCP Snooping処理部2210が有効に設定されていると判定された場合、DHCP Snooping処理部2210の受信ポート確認部2211は、DHCP ACKのTransaction IDを取得し、取得したTransaction IDと対応付けられている物理ポートの識別情報を特定する(807)。ステップ807の処理で特定される物理ポートの識別情報は、受信したDHCP ACKに対応するDHCPリクエストを受信した物理ポートの識別情報である。
【0095】
次に、DHCP処理部221の無線AP判別部2212は、受信したDHCP ACKのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する(808)。具体的には無線AP判別部2212は、受信したDHCP ACKのOptionsに無線AP識別情報が格納されていれば、DHCP ACKのDHCPクライアントが無線AP10であると判定する。
【0096】
ステップ808の処理で、受信したDHCP ACKのDHCPクライアントが無線AP10であると判定された場合、DHCP Snooping処理部2210のDHCPデータ付加部2213は、ステップ807の処理で特定した物理ポートに対応する無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKのOptionsに付加する(809)。
【0097】
具体的には、無線AP管理部222は、無線AP登録テーブル232に登録されたレコードのうち、ステップ807の処理で受信ポート確認部2211が特定した物理ポートの識別情報が物理ポート識別情報301に登録されているレコードの無線AP名302に登録されている無線AP名を取得する。また、管理サーバIP処理部223は、管理サーバIP登録テーブル231を参照し、管理サーバ30のIPアドレスを取得する。そして、DHCPデータ付加部2213は、無線AP管理部222が取得した無線AP名及び管理サーバIP処理部223が取得した管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKに付加する。
【0098】
次に、パケット処理部210は、ステップ809の処理で無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスが付加されたDHCP ACKを無線APに送信し(810)、処理を終了する。
【0099】
ステップ806の処理で、DHCP Snooping処理部2210が無効に設定されていると判定された場合、及び、ステップ808の処理で、受信したDHCP ACKのDHCPクライアントが無線AP10でないと判定された場合、ステップ810の処理に進み、パケット処理部210は、DHCP ACKをDHCPクライアントに送信し、処理を終了する。
【0100】
また、ステップ805の処理で、受信したパケットがDHCP ACKでないと判定された場合、パケット処理部210は、ステップ810の処理に進み、受信したパケットを送信し、処理を終了する。
【0101】
以上のように、本実施例によれば、ある無線AP10が新たな無線AP10に交換された場合、パケット中継装置20が、当該新たな無線AP10から送信されたDHCPリクエストに対応するDCHP ACKに、当該新たな無線AP10の無線AP名、及び管理サーバ30のIPアドレスを含めて、当該新たな無線AP10に送信する。これによって、無線AP10が新たな無線AP10に交換されても、新たな無線AP10をパケット中継装置20に接続するだけで、新たな無線AP10は設定情報を管理サーバ30から取得できるので、人手による設定なしに、新たな無線AP10の初期設定が自動的に実施される。
【0102】
また、DHCPサーバ40に特別な設定をする必要がないので、本ネットワークシステムを既存のネットワークに容易に組み込むことができる。
【実施例2】
【0103】
以下、本発明の実施例2について、
図9〜
図13を用いて説明する。
【0104】
実施例1では、パケット中継装置20がDHCP ACKに無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加したが、本実施例では、DHCPサーバ40がDHCP ACKに無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加する。
【0105】
実施例1のネットワークシステムにおけるパケット中継装置20のメモリ230に記憶された管理サーバIP登録テーブル231及び無線AP登録テーブル232が、本実施例のネットワークシステムでは、DHCPサーバ40のメモリ430(
図10参照)に記憶される。このため、本実施例のパケット中継装置20は、無線AP管理部222及び管理サーバIP処理部223を有さない。また、本実施例のパケット中継装置20のDHCP処理部221、及びDHCPサーバ40が実施例1と異なるので、パケット中継装置20のDHCP処理部221については
図9を用いて説明し、DHCPサーバ40については
図10を用いて説明する。なお、本実施例の無線AP10及び管理サーバ30は、実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【0106】
図9は、本発明の実施例2のパケット中継装置20が有するDHCP処理部221の説明図である。
【0107】
DHCP処理部221は、DHCP Snooping処理部2210、DHCPリレー処理部2220、及びDHCPサーバ処理部2230を有する。
【0108】
DHCP Snooping処理部2210は、実施例1のDHCP Snooping処理部2210と異なり、受信ポート確認部2211、無線AP判別部2212、及びDHCPデータ付加部2213を有さない。
【0109】
DHCPリレー処理部2220は、DHCPデータ削除部2221を有する。DHCPデータ削除部2221は、パケット中継装置20がDHCP Discover及びDHCPリクエストに埋め込むOption82情報を、DHCP Offer及びDHCP ACKを送信する前に削除する。なお、Option82情報は、パケット中継装置20がDHCPクライアントからDHCP Discover及びDHCPリクエストを受信した物理ポートをDHCPサーバ40に通知するための情報である。
【0110】
DHCPサーバ処理部2230は、実施例1と同じであるので、説明を省略する。
【0111】
実施例2では、DHCPクライアントからDHCPパケットを受信した物理ポートを特定するためのDHCP Snooping処理部2210及びDHCPリレー処理部2220の機能が有効に設定される。
【0112】
図10は、本発明の実施例2のDHCPサーバ40の説明図である。
【0113】
DHCPサーバ40は、パケット送受信部410、プロセッサ420、メモリ430、及び物理ポート440を有する。パケット送受信部410、プロセッサ420、メモリ430、及び物理ポート440は、バス441等を介して互いに接続される。
【0114】
パケット送受信部410は、DHCPサーバ40がパケットを送受信する処理を実行する。
【0115】
プロセッサ420は、各種プログラムを実行し、DHCP処理部421、無線AP管理部422、及び管理サーバIP処理部423を有する。
【0116】
DHCP処理部421は、DHCPクライアントにIPアドレスする配布する処理を実行する。DHCP処理部421は、受信ポート確認部4211、無線AP判別部4212、及びDHCPデータ付加部4213を有する。
【0117】
受信ポート確認部4211は、実施例1の受信ポート確認部2211と同じく、パケット中継装置20がDHCPクライアントからDHCPパケットを受信した物理ポートを特定する。無線AP判別部4212は、実施例1の無線AP判別部2212と同じく、DHCPパケットを参照し、DHCPパケットのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する。DHCPデータ付加部4213は、実施例1のDHCPデータ付加部2213を同じく、DHCP ACKに無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加する。
【0118】
無線AP管理部422は実施例1の無線AP管理部222と同じであり、管理サーバIP処理部423は実施例1の管理サーバIP処理部223と同じであるので、説明を省略する。
【0119】
メモリ430は、プロセッサ420が実行する各種プログラム、及びプロセッサ420が読み出し又は書き込むデータを記憶する記憶領域である。メモリ430は、管理サーバIP登録テーブル431、及び無線AP登録テーブル432を記憶する。管理サーバIP登録テーブル431、及び無線AP登録テーブル432は、実施例1の管理サーバIP登録テーブル231、及び無線AP登録テーブル232と同じであるので、説明を省略する。
【0120】
図11は、本発明の実施例2の無線AP10を交換する場合のネットワークシステムにおける処理のシーケンス図である。なお、
図11では、実施例1の
図6に示す処理と同じ処理は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0121】
ステップ603の処理で無線AP10から送信されたDHCPリクエストをパケット中継装置20が受信した場合、パケット中継装置20は、DHCPリレー処理部2220のOption82の機能を利用して、自身のMACアドレス及びDHCPリクエストを受信した物理ポートの識別情報を含むOption82情報をDHCPリクエストに付加し、DHCPリクエストをネットワーク50に送信する(1101)。
【0122】
DHCPリクエストをDHCPサーバ40が受信した場合、DHCPサーバ40のDHCP処理部421は、受信したDHCPリクエストに付加されたOption82を参照し、パケット中継装置20がDHCPリクエストを受信した物理ポートを特定する。そして、無線AP管理部422は、無線AP登録テーブル432を参照し、特定した物理ポートの識別情報に対応する無線AP名を取得し、管理サーバIP処理部423は、管理サーバIP登録テーブル431を参照し、管理サーバ30のIPアドレスを取得する。そして、DHCP処理部421は、取得した無線AP名及び取得した管理サーバ30のIPアドレスを付加したDHCP ACKを送信する(1102)。
【0123】
ステップ1102の処理で送信されたDHCP ACKをパケット中継装置20が受信した場合、DHCP処理部221のDHCPリレー処理部2220が有するDHCPデータ削除部2221は、受信したDHCP ACKのOption82情報を削除して、DHCP ACKを無線AP10に送信する(1103)。
【0124】
以上によって、DHCPサーバ40が無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKに付加して送信する。パケット中継装置20はOption82の機能を有効にするだけでよく特別な設定が不要であるので、本ネットワークシステムを既存のネットワークに容易に組み込むことができる。
【0125】
図12は、本発明の実施例2のパケット中継装置20が実行するパケット転送処理のフローチャートである。なお、
図12では、実施例1の
図8に示す処理と同じ処理は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0126】
ステップ801の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCPリレー処理部2220が有効に設定されているか否かを判定する(1201)。
【0127】
ステップ1201の処理で、DHCPリレー処理部2220が有効に設定されていると判定された場合、DHCPリレー処理部2220は、Option82の機能を使用して、パケット中継装置20がDHCPリクエストを受信した物理ポート(DHCPクライアントに接続されている物理ポート)の識別情報、及びパケット中継装置20のMACアドレス等を含むOption82情報を、受信したDHCPリクエストに付加し(1202)、ステップ804の処理に進む。ステップ804の処理では、パケット処理部210は、Option82情報が付加されたDHCPリクエストをネットワーク50に送信する。
【0128】
一方、ステップ1201の処理で、DHCPリレー処理部2220が無効に設定されていると判定された場合、ステップ804の処理に進み、パケット処理部210は、受信したDHCPリクエストをネットワーク50に送信する。
【0129】
ステップ805の処理で、受信したパケットがDHCP ACKであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCPリレー処理部2220が有効に設定されているか否かを判定する(1203)。
【0130】
ステップ1203の処理で、DHCPリレー処理部2220が有効に設定されていると判定された場合、DHCPリレー処理部2220のDHCPデータ削除部2221は、受信したDHCP ACKのOption82情報を削除し(1204)、ステップ810の処理に進む。ステップ810の処理では、パケット処理部210は、受信したDHCP ACKを無線AP10に送信する。
【0131】
一方、ステップ1203の処理で、DHCPリレー処理部2220が無効に設定されていると判定された場合、ステップ810の処理に進み、パケット処理部210は、受信したDHCP ACKを無線AP10に送信する。
【0132】
以上によって、パケット中継装置20は、DHCPリクエストを受信した場合、DHCPリクエストを受信した物理ポートの識別情報をDHCPサーバ40に通知でき、DHCPサーバ40から受信したDHCP ACKのOption82情報を削除できる。
【0133】
図13は、本発明の実施例2のDHCPサーバ40が実行するパケット転送処理のフローチャートである。
【0134】
パケット転送処理はDHCPサーバ40がパケットを受信した場合に実行される。
【0135】
DHCPサーバ40がパケットを受信すると、パケット送受信部410は、受信したパケットがDHCPリクエストであるか否かを判定する(1301)。
【0136】
ステップ1301の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストであると判定された場合、DHCP処理部421の受信ポート確認部4211は、受信したDHCPリクエストのOption82情報に基づいて、パケット中継装置20のDHCPリクエストを受信した物理ポートを特定する(1302)。
【0137】
次に、DHCP処理部421の無線AP判別部4212は、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する(1303)。ステップ1303の判定方法は、
図8に示すステップ808の処理と同じであるために、説明を省略する。
【0138】
ステップ1303の処理で、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10であると判定された場合、DHCP処理部421のDHCPデータ付加部4213は、ステップ1302の処理で特定した物理ポートに対応する無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKのOptionsに付加する(1304)。
【0139】
具体的には、無線AP管理部422は、無線AP登録テーブル432に登録されたレコードのうち、ステップ1302の処理で受信ポート確認部4211が特定した物理ポートの識別情報が物理ポート識別情報301に登録されているレコードの無線AP名302に登録されている無線AP名を取得する。また、管理サーバIP処理部423は、管理サーバIP登録テーブル431を参照し、管理サーバ30のIPアドレスを取得する。そして、DHCPデータ付加部4213は、無線AP管理部422が取得した無線AP名及び管理サーバIP処理部423が取得した管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKに付加する。
【0140】
そして、パケット送受信部410は、DHCP ACKをネットワーク50に送信し(1305)、処理を終了する。
【0141】
一方、ステップ1303の処理で、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10でないと判定された場合、ステップ1305の処理に進む、パケット送受信部410はDHCP ACKを送信し、処理を終了する。
【0142】
ステップ1301の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストでないと判定された場合、パケット送受信部410は、受信したパケットがDHCP Discoverであるか否かを判定する(1306)。
【0143】
ステップ1306の処理で、受信したパケットがDHCP Discoverであると判定された場合、DHCP処理部421は、DHCP Discoverを送信したDHCPクライアントが利用可能なIPアドレスを特定し、パケット送受信部410は、特定したIPアドレスを含むDHCP Offerを送信し(1307)、処理を終了する。
【0144】
一方、ステップ1306の処理で、受信したパケットがDHCP Discoverでないと判定された場合、受信したパケットはDHCPパケットでなく、通常のパケットであるので、パケット送受信部410は、受信したパケットを転送し(1308)、処理を終了する。
【0145】
以上のように、本実施例によれば、ある無線AP10が新たな無線AP10に交換された場合、DHCPサーバ40が、当該新たな無線AP10から送信されたDHCPリクエストに対応するDCHP ACKに、当該新たな無線AP10の無線AP名、及び管理サーバ30のIPアドレスを含めて、当該新たな無線AP10に送信する。これによって、無線AP10が新たな無線AP10に交換されても、新たな無線AP10をパケット中継装置20に接続するだけで、新たな無線AP10は設定情報を管理サーバ30から取得できるので、人手による設定なしに、新たな無線AP10の初期設定が自動的に実施される。
【0146】
また、パケット中継装置20に特別な設定をする必要がないので、本ネットワークシステムを既存のネットワークに容易に組み込むことができる。
【実施例3】
【0147】
以下、本発明の実施例3について、
図14〜
図16を用いて説明する。
【0148】
本実施例では、パケット中継装置20にDHCPサーバ40の機能が実装され、パケット中継装置20が、DHCP ACKに無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加して、無線AP10に送信する。
【0149】
パケット中継装置20にDHCPサーバ40の機能が実装されるため、本実施例のネットワークシステムはDHCPサーバ40を有さなくてもよい。また、パケット中継装置20のDHCP処理部221が、実施例1と異なるので、
図14を用いて説明する。
【0150】
図14は、本発明の実施例3のDHCP処理部221の説明図である。
【0151】
DHCP処理部221は、DHCP Snooping処理部2210、DHCPリレー処理部2220、及びDHCPサーバ処理部2230を有する。
【0152】
DHCP Snooping処理部2210は、実施例1のDHCP Snooping処理部2210と異なり、受信ポート確認部2211、無線AP判別部2212、及びDHCPデータ付加部2213を有さない。
【0153】
DHCPリレー処理部2220は、実施例1のDHCPリレー処理部2220と同じであるので、説明を省略する。
【0154】
DHCPサーバ処理部2230は、実施例1と異なり、受信ポート確認部2231、無線AP判別部2232、DHCPデータ付加部2233、及びIPアドレス配布部2234を有する。
【0155】
受信ポート確認部2231は、実施例1の受信ポート確認部2211と同じく、パケット中継装置20がDHCPクライアントからDHCPパケットを受信した物理ポートを特定する。無線AP判別部2232は、実施例1の無線AP判別部2212と同じく、DHCPパケットを参照し、DHCPパケットのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する。DHCPデータ付加部2233は、実施例1のDHCPデータ付加部2213を同じく、DHCP ACKに無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスを付加する。
【0156】
IPアドレス配布部2234は、DHCPクライアントに配布するIPアドレスを管理し、DHCPクライアントに配布するIPアドレスを決定する。
【0157】
なお、本実施例では、DHCPサーバ処理部2230の機能が有効に設定されている。
【0158】
図15は、本発明の実施例3の無線AP10を交換する場合のネットワークシステムにおける処理のシーケンス図である。なお、
図15では、実施例1の
図6に示す処理と同じ処理は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0159】
ステップ601の処理で無線AP10から送信されたDHCP Discoverをパケット中継装置20が受信した場合、パケット中継装置20のDHCP処理部221が有するDHCPサーバ処理部2230は、DHCP Offerを無線AP10に送信する(1501)。
【0160】
また、ステップ603の処理で無線AP10から送信されたDHCPリクエストをパケット中継装置20が受信した場合、パケット中継装置20のDHCPサーバ処理部2230は、DHCPリクエストを受信した物理ポートを特定し、DHCPクライアントに配布するIPアドレスを決定する。また、DHCPサーバ処理部2230は、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10であるので、特定した物理ポートの識別情報に対応する無線AP名、管理サーバ30のIPアドレス、及び配布するIPアドレスを付加したDHCP ACKを無線AP10に送信する(1502)。
【0161】
以上によって、パケット中継装置20にDHCPサーバ40の機能を実装した場合であっても、無線AP10が新たな無線AP10に交換されても、新たな無線AP10をパケット中継装置20に接続するだけで、新たな無線AP10は設定情報を管理サーバ30から取得できる。
【0162】
図16は、本発明の実施例3のパケット中継装置20が実行するパケット転送処理のフローチャートである。
図16では、実施例1の
図8に示す処理と同じ処理は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0163】
ステップ801の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCPサーバ処理部2230が有効に設定されているか否かを判定する(1601)。
【0164】
ステップ1601の処理で、DHCPサーバ処理部2230が有効に設定されていると判定された場合、DHCPサーバ処理部2230の受信ポート確認部2231は、受信したDHCPリクエストに基づいて、DHCPリクエストを受信した物理ポートを特定する(1602)。
【0165】
次に、DHCPサーバ処理部2230の無線AP判別部2232は、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10であるか否かを判定する(1603)。
【0166】
ステップ1603の処理で、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10であると判定された場合、DHCPサーバ処理部2230のDHCPデータ付加部2233は、ステップ1602の処理で特定した物理ポートの識別情報に対応する無線AP名及び管理サーバ30のIPアドレスをDHCP ACKに付加する(1604)。なお、ステップ1604の処理の詳細は、
図8に示すステップ809の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0167】
そして、IPアドレス配布部2234がDHCPクライアントである無線AP10に配布するIPアドレスを決定し、DHCPデータ付加部2233は、IPアドレス配布部2234によって決定されたIPアドレスをDHCP ACKに付加し、パケット処理部210は、DHCP ACKをDHCPクライアントである無線AP10に送信し(1605)、処理を終了する。
【0168】
一方、ステップ1603の処理で、受信したDHCPリクエストのDHCPクライアントが無線AP10でないと判定された場合、ステップ1605の処理に進み、IPアドレス配布部2234がDHCPクライアントに配布するIPアドレスを決定し、DHCPデータ付加部2233は、IPアドレス配布部2234によって決定されたIPアドレスをDHCP ACKに付加し、パケット処理部210は、DHCP ACKをDHCPクライアントに送信し、処理を終了する。
【0169】
ステップ1601の処理で、DHCPサーバ処理部2230が無効に設定されていると判定された場合、パケット処理部210は、受信したDHCPリクエストを外部のDHCPサーバ40に送信し(1606)、処理を終了する。
【0170】
ステップ801の処理で、受信したパケットがDHCPリクエストでないと判定された場合、DHCPパケット判定部211は、受信したパケットがDHCP Discoverであるか否かを判定する(1607)。
【0171】
ステップ1607の処理で、受信したパケットがDHCP Discoverであると判定された場合、DHCP処理部221は、メモリ230に記憶された図示しない処理部設定情報を参照し、DHCPサーバ処理部2230が有効に設定されているか否かを判定する(1608)。
【0172】
ステップ1608の処理で、DHCPサーバ処理部2230が有効に設定されていると判定された場合、DHCP処理部221は、DHCP Discoverを送信したDHCPクライアントが利用可能なIPアドレスを特定し、パケット処理部210は、特定したIPアドレスを含むDHCP Offerを送信し(1609)、処理を終了する。
【0173】
一方、ステップ1608の処理で、DHCPサーバ処理部2230が無効に設定されていると判定された場合、パケット処理部210は、受信したDHCP Discoverを外部のDHCPサーバ40に送信し(1610)、処理を終了する。
【0174】
ステップ1607の処理で、受信したパケットがDHCP Discoverでないと判定された場合、受信したパケットはDHCPパケットでなく、通常のパケットであるので、パケット処理部210は、受信したパケットを転送し(1611)、処理を終了する。
【0175】
以上のように、本実施例によれば、ある無線AP10が新たな無線AP10に交換された場合、DHCPサーバ40の機能が実装されたパケット中継装置20が、当該新たな無線AP10から送信されたDHCPリクエストに対応するDCHP ACKに、当該新たな無線AP10の無線AP名、及び管理サーバ30のIPアドレスを含めて、当該新たな無線AP10に送信する。無線AP10が新たな無線AP10に交換されても、新たな無線AP10をパケット中継装置20に接続するだけで、新たな無線AP10は設定情報を管理サーバ30から取得できるので、人手による設定なしに、新たな無線AP10の初期設定が自動的に実施される。
【0176】
以上の実施例1〜3では、設定情報を取得するノードの一例として、無線AP10を例に説明したが、設定情報を取得するノードは無線AP10に限定されない。例えば、ノードは、監視カメラであってもよい。この場合、管理サーバ30が記憶する設定情報としては、例えば、監視カメラの解像度、及び監視カメラの撮像範囲等である。
【0177】
また、以上の実施例1〜3では、DHCPを用いてノードにIPアドレスを配布したが、他のプロトコルを用いてIPアドレスを配布してもよい。
【0178】
また、本発明のネットワークシステムは、
図1に示したネットワークシステムに限定されず、任意の構成を採用可能である。また、パケット中継装置20の数、各装置を接続する回線の数等は、任意に選択可能である。また、各装置間でデータを送受信するための経路も任意に構築され得る。
【0179】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0180】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。