(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901600
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】流体を噴霧するための弁
(51)【国際特許分類】
F02M 61/18 20060101AFI20160331BHJP
F01N 3/08 20060101ALN20160331BHJP
【FI】
F02M61/18 340D
F02M61/18 320Z
F02M61/18 330Z
F02M61/18 360D
!F01N3/08 B
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-213113(P2013-213113)
(22)【出願日】2013年10月10日
(62)【分割の表示】特願2011-526465(P2011-526465)の分割
【原出願日】2009年9月2日
(65)【公開番号】特開2014-29159(P2014-29159A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年11月11日
(31)【優先権主張番号】102008042116.2
(32)【優先日】2008年9月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ハイゼ
(72)【発明者】
【氏名】ハルトムート アルブロット
(72)【発明者】
【氏名】ケアスティン コッホ
【審査官】
安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−153004(JP,A)
【文献】
特開2007−182807(JP,A)
【文献】
特開平11−062787(JP,A)
【文献】
特開2004−076723(JP,A)
【文献】
特表2000−508739(JP,A)
【文献】
特表2010−501784(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102006041475(DE,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0097080(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0097081(US,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102006044439(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 51/06
F02M 61/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴霧するための弁であって、弁開口(13)を取り囲む弁座(14)を有した弁座体(12)と、弁開口(13)に対して半径方向でずらされた複数の噴射孔(18)を備えた、弁開口(13)の下流側で弁座体(12)の端面に接している噴射孔プレート(17)と、弁開口(13)と前記噴射孔(18)との間に存在する流入中空室(19)とが設けられている形式のものにおいて、
流入中空室(19)が少なくとも2つの凹部(20)によって形成されていて、該凹部(20)が、噴射孔プレート(17)の、弁座体(12)に面したプレート面に、凹部(20)の一部が弁開口(13)内の一部に突入し、凹部(20)の残りの部分が弁座体(12)によって覆われるように配置されており、2つの噴射孔(18)が、弁座体(12)によって覆われる凹部(20)の部分の内側で、凹部(20)の底面(201)に成形されており、該噴射孔(18)が傾斜して設けられ、該噴射孔(18)の噴射孔軸線がプレート中央に向かって傾けられており、該噴射孔(18)は、該凹部(20)内に設けられた両該噴射孔(18)の流出ベクトル(21)が互いに発散するように配置されていることを特徴とする、流体を噴霧するための弁。
【請求項2】
流体を噴霧するための弁が、内燃機関の燃料噴射装置のための噴射弁及び/又は調量弁である、請求項1記載の弁。
【請求項3】
流体を噴霧するための弁が、排ガス装置のための噴射弁及び/又は調量弁である、請求項1記載の弁。
【請求項4】
凹部(20)の底面(201)に設けられた少なくとも1つの噴射孔(18)が、凹部(20)の、弁開口(13)とは逆側の壁の近傍に位置している、請求項1から3までのいずれか1項記載の弁。
【請求項5】
少なくとも1つの凹部(20)が、円形、長円形、又は楕円形の形状を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁。
【請求項6】
少なくとも1つの凹部(20)に複数の噴射孔(18)が設けられている場合、これらの噴射孔軸線の少なくとも一部は同じ方向に方向付けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の弁。
【請求項7】
少なくとも1つの凹部(20)に複数の噴射孔(18)が設けられている場合、これらの噴射孔軸線は異なる方向に方向付けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の弁。
【請求項8】
少なくとも1つの凹部(20)に複数の噴射孔(18)が設けられている場合、これらの噴射孔(18)が、これらの噴射孔(18)から流出し扇形に拡散する流体層の流出ベクトルが発散するように配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の弁。
【請求項9】
噴射孔プレート(17)に複数の凹部(20)が設けられている場合、凹部(20)の縦軸線が、噴射孔プレート(17)の縦軸線に対して同じ半径方向の間隔をおいて、互いに同じ周方向の角度だけずらされている、請求項1から8までのいずれか1項記載の弁。
【請求項10】
少なくとも1つの噴射孔(18)が、円形、楕円形、長円形、又は多角形の横断面形状を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の弁。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の弁を製造する方法であって、少なくとも1つの噴射孔(18)を噴射孔プレート(17)に、噴射孔軸線が噴射孔プレート(17)の縦軸線に対して平行に方向付けられるように打ち抜き成形により設けることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の弁を製造する方法。
【請求項12】
請求項1から10までのいずれか1項記載の弁を製造する方法であって、少なくとも1つの噴射孔(18)を噴射孔プレート(17)に、噴射孔軸線が噴射孔プレート(17)の表面に対して鋭角を成してプレート中央に向かって傾けられるように方向付けられるように打ち抜き成形により設けることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項記載の弁を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、流体を噴霧するための弁、特に、内燃機関における燃料噴射装置又は排ガス装置の噴射弁及び/又は調量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃料噴射装置のための公知の燃料噴射弁(ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006041475号明細書)では、流入中空室が円形の切欠として、弁座体の、噴射孔プレートに面した端面に設けられていて、弁開口と、噴射孔プレートにおける噴射孔の、弁座支持体に面した開口部とにわたって延びている。噴射孔の孔軸線は互いに平行かつ、弁座体の軸線に対して平行に向けられている。ピッチ円に沿って配置された噴射孔は全て同じ形状を有していて、その輪郭は三角形、一部切断除去された三角形、半円形、一部切断除去された半円形、半楕円形、一部切断除去された半楕円形、丸みを付けられて一部切断除去された三角形、丸みを付けられた流入縁部を備えた半円形又は半楕円形、またはこれに類似の形状に形成されている。全ての噴射孔形状はこの場合、流入側とは反対の側で、即ち半径方向外側に向かって噴射孔の先細り部が存在するように輪郭が形成されている。このような輪郭により、噴射孔からの進出直後は、扇形に拡散する流体噴流は、半径方向外側の領域で再び狭幅にされ、従って、噴射される流体のホローコーン流体層の外側の領域には、比較的大きな液滴が、外被の流体層として残される。吸気管噴射を行う内燃機関ではこのような噴射孔ジオメトリにより、火花点火式内燃機関の最初の始動サイクル(コールドスタート)時に、噴射された燃料スプレーの外側の液滴が、壁面液膜として吸気管壁に付着する。これにより、最初の始動サイクルでは、噴流中心に存在する微細に噴霧された液滴と、相応に高い燃料蒸気成分だけが燃焼室に到り、良好に調整されていない混合気成分は、後から遅れて初めて燃焼室内に供給される。これにより始動サイクルでは、良好に調整された混合気成分が燃焼室内に供給され、この間の排ガスエミッションは著しく減じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006041475号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の特徴を備えた本発明による弁は、噴射される流体、例えば燃料又は尿素水溶液の改善された噴霧を行う安価かつ再現可能に製造することができる噴射孔プレートという利点を有している。噴射孔プレートは、腐食しない材料、例えばステンレス鋼から大量生産するのに適しており、凹部の押し込み加工及び噴射孔の微細な打ち抜き加工に係る時間は短く保つことができる。弁座体から噴射孔プレートへ流入中空室がずらされていることにより、弁座体の加工のための付加的なコストを削減することができる。噴射孔プレートに設けられた流入中空室を形成する凹部が一方では、弁開口の下方まで延びていて、他方では噴射孔の領域で弁座体によって覆われていることにより、S字型の流れが得られ、このような流れでは、弁開口から流出する流体流が2回変向される。このようなS字型の流れにより、噴射孔における噴霧を助成する流れの扇形の拡散が促進される。さらに、噴射孔プレートの安定性と強度のために十分な厚さのもとで形成された凹部により、噴射孔長さは、噴射孔流が理想的な噴霧のために十分に扇形に拡散されて噴射孔から流出することができる程度に短くされ、即ち流出ベクトルは噴射孔において平行にまとめられない。
【0005】
従属請求項に記載された手段により、請求項1に記載の弁の有利な別の構成及び改良形が得られる。
【0006】
本発明の有利な別の構成により、少なくとも1つの噴射孔が凹部において、弁開口とは逆の凹部の壁の近傍に配置され、この場合、凹部の底面積は、少なくとも1つの噴射孔の横断面の面積よりも数倍大きい。これにより、噴射孔の流れ引き込み領域では、凹部の内側で、噴射孔プレートの縦軸線に対して平行に延びる渦流軸線を有した横方向渦流システムが生じる。このような横方向渦流システムは、流れの回転により、各噴射孔から流出する噴流が扇形に拡散するのを助成する。
【0007】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの凹部が、円形、長円形又は楕円形の横断面を有している。このような横断面形状により、横方向渦流システムに所望のように影響を与えることができる。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの噴射孔が、噴射孔プレート表面に対して垂直又は傾斜して打ち抜かれていて良く、この場合、傾斜はプレート中心に向かって延びている。少なくとも1つの噴射孔がこのように傾斜していることにより凹部から噴射孔へ、最大の流れ変向が生じ、これにより極端な場合、噴射孔において2相の部分(流体、空気)が生じる。この場合、液体は、変向力により、噴射孔壁の、噴射孔の流入側とは反対に位置する部分に押し付けられる。噴射孔壁に押し付ける変向力により、流体流は噴射孔壁に沿って幅広く押し付けられる。流体流の横断面は、片側で噴射孔壁に当接する三日月形状となるように変形し、流体流は噴射孔周面に沿って扇形に拡散される。これにより、噴射孔から、改善された噴霧状態を有する扇形に拡散された流体層
(Fluidlamellen)が流出する。
【0009】
少なくとも1つの凹部に複数の噴射孔が設けられている場合、これらの噴射孔は少なくとも1つの凹部に、噴射孔から流出する燃料スプレーの流れベクトルが発散し、これにより複数の噴射孔から流出する扇形の流体が互いにぶつからないように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】流体の噴霧のための弁の部分縦断面図である。
【
図2】
図1の弁の噴射孔プレートを示した平面図である。
【
図3】
図2の部分IIIを下方から見て示した拡大図である。
【
図4】変化実施例による噴射孔プレートを備えた
図1と同様の図である。
【
図5】
図4の噴射孔プレートを示した平面図である。
【
図6】
図5の部分IVを下方から見て示した拡大図である。
【
図7】別の変化実施例による噴射孔プレートを示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に噴射側の端部が部分的に縦断面図で示された弁は、流体、例えば内燃機関の燃料噴射装置における燃料、又は排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元するための内燃機関の排ガス装置における尿素水溶液を調量噴射及び噴霧するために働く。
【0012】
この弁は管状の弁座支持体11を有しており、その噴射側の端部は弁座体12によって閉じられている。弁座体12は弁座支持体11の端部へと嵌め込まれており、例えば溶接により弁座支持体11に材料接続的に結合されている。弁座体12は弁開口13を有しており、弁開口13は弁座体12に形成された弁座14によって取り囲まれている。弁開口13を開閉するために、アクチュエータ、例えば電磁石によって操作される弁ニードル15が働く。弁ニードル15はその端部に球状の弁閉鎖体16を支持している。弁閉鎖体16は、弁ニードル15を負荷する弁閉鎖ばね(図示せず)を介して弁座14に押し付けられており、アクチュエータの作動時には弁閉鎖ばねのばね力に抗して弁座から持ち上げられる。弁閉鎖体16の行程距離の大きさと、弁閉鎖体16による弁開口13の開放時間とは、弁開口13から流出する流体量を規定する。
【0013】
高圧下で弁開口13から流出する流体量を微細に噴霧するために、弁座体12には、弁開口13の下流側に噴射孔プレート17が前置されている。噴射孔プレート17は、弁座体12の端面に、有利には材料接続的に、例えば溶接により固定されている。耐腐食性材料、例えばステンレス鋼から成る噴射孔プレート17には、必要なスプレー像に応じて、単数又は複数の噴射孔18が設けられており、これらの噴射孔18は、流入中空室19を介して弁開口13に接続されている。流入中空室19は、噴射孔プレート17に、弁座体12に面したプレート面171の側から加工成形された少なくとも1つの凹部20から成っている。図示の実施例では、流入中空室19は全部で2つの凹部20から成っているが、凹部20の数は任意であり、所望のスプレー像及び噴射孔18の数に合わせられる。凹部20は、同心的なピッチ円上に、互いに同じ円周角だけずらされて配置されている。凹部20は有利には噴射孔プレート17に押し込み加工され、円形、長円形、又は楕円形の形状を有している。凹部20の底面201はこの場合、凹状に湾曲されている(
図1)又は扁平(
図4)である。この場合、底面201の底面積は、凹部20の底面201内に加工成形された少なくとも1つの噴射孔18の横断面よりも数倍大きい。凹部20は噴射孔プレート17に、各凹部20の一部が弁開口13内に突入し、いわば弁開口13の下方に延び、少なくとも1つの噴射孔18も位置している凹部20の残りの部分が弁座体12の端面121によってカバーされるように配置されている。各凹部20では、噴射孔18が弁開口13とは反対側の凹部20の壁の近傍に配置されている。このような流れジオメトリにより噴射孔18のためにその流れにおいて、弁開口13から凹部20を経由して噴射孔18に到るS字型の流れの形の流れ経路が生じる。このようなS字により、噴射孔18において噴霧を助成する扇形に拡散する流れが形成される。凹部20の内側には、噴射孔18の流れ引き込み区分で、噴射孔プレート17の縦軸に対して平行な渦流軸線を有した横方向渦流システムが生じる。この横方向渦流システムは、流れの回転により、噴射孔18から流出する流体流が扇形に拡散するのを助成する。横方向渦流システムには、凹部20の上述した形状により所望のように影響を与えることができる。噴射孔18は、例えば円形、楕円形、長円形又は多角形のように種々の横断面形状を有するように構成することができる。
【0014】
噴射孔18の噴射孔軸線は、噴射孔プレート表面に対して任意の方向に延在している。
図2及び
図3の実施例では、噴射孔は噴射孔プレート表面に対して垂直に打ち抜き成形されている。
図4〜
図6の実施例では、噴射孔18は噴射孔プレート表面に対して傾斜して打ち抜かれており、プレート表面に対して鋭角を成してプレート中央に向かって傾けられている。いずれの場合でも、凹部20から噴射孔18への流れの変向の際に生じる変向力により流体は、噴射孔壁の、噴射孔18の流入側とは反対側に位置する部分に押される。噴射孔18の残りの部分は空気によって充填されている。流体は噴射孔18において自由な表面を有しているので、ストランド状の流体は、噴射孔壁を押圧する変向力により、噴射孔壁に沿って「幅広く押圧」される。ストランド状の流体の横断面は、噴射孔壁の片側に接して位置する三日月状部分22を形成するように変形する。このことは、
図3と
図6に、噴射孔18の下方から見た拡大図で示されている。
【0015】
同様の効果が、
図4に示したように傾斜して延びる噴射孔18において生じる。しかしながら凹部20から傾斜した噴射孔18への流れ変向の際の変向力がより大きいことにより、ストランド状の流体の「幅広い押圧」の効果は増大される。これにより
図3及び
図6の比較で示されたように、噴射孔壁に沿って、ストランド状の流体のより大きい又はより長い三日月状部分22が生じる。噴射孔18からこのように流出し噴霧される層状流体の流出流ベクトル21は
図1〜
図6において符号21で示されている。
【0016】
図4に弁の縦断面図で示した実施例は、上記実施例とは、噴射孔プレート17の上述したような相違点でのみ異なっている。一方では凹部20が
図1に示したような凹面状に湾曲された底面201を有した窪み状ではなく、扁平な底面201を有した円筒状に形成されて、噴射孔プレート17に押し込み成形されている。他方では、噴射孔18が、その軸線が、噴射孔プレート表面に対して鋭角を成してプレート中央に向かって傾くように、傾斜されて打ち抜き成形されている。プレート中央に向けられた流出流ベクトル21が互いに交錯したり、変位させ合うことがないように、両凹部20を相応に形成することにより、互いに向かい合って位置する噴射孔18におけるストランド状の流体には、周方向の速度成分が重畳される。この速度成分は噴射孔18ごとに変化させることができるが、有利には全ての噴射孔18に対して同じ回転方向を有している。
【0017】
図7に示した別の噴射孔プレート17の別の実施例では、噴射孔プレート17に配置された2つの凹部20のそれぞれに、2つの噴射孔18が設けられていて、これらの噴射孔18は
図7の実施例では、
図4の実施例と同様に、プレート表面に対して傾斜して打ち抜かれている。凹部20の、凹部の流入側とは逆の壁に配置された噴射孔18は、凹部20に存在する両噴射孔18の流出流ベクトル21が発散するように配置されている。