特許第5901602号(P5901602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5901602情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901602
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20160331BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   G06Q50/10 130
   G03G21/00 388
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-235150(P2013-235150)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-94891(P2015-94891A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2013年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】杉本 亨
(72)【発明者】
【氏名】村山 直人
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−190002(JP,A)
【文献】 特開2010−134705(JP,A)
【文献】 特開2003−076533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、を格納する記憶部と、
同一の前記機器について、特異な稼働が記録された日時と前記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、前記機器の特異な稼働と前記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理部と、
前記特異稼働分析処理部により関連付けられた前記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示部と、
を備え、さらに、
前記機器の操作者の行動の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を前記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出部を備える、
とを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記特異な行動の記録には、前記機器の操作者による操作の順を特定する情報が含まれる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記特異な行動の記録には、前記機器の操作者による操作の映像情報が含まれ、
前記分析情報提示部は、前記操作者の特異な行動の記録の提示において、前記映像情報を再生する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記特異な稼働の記録には、前記機器に発生した障害を特定する情報が含まれる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記特異な稼働の記録には、前記機器について所定の基準より低い稼働率での稼働を特定する情報が含まれる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記機器の稼働の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた障害発生率を超える機器についての稼働の記録を前記特異な稼働の記録として抽出する特異稼働抽出部、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記機器の稼働の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた稼働率を下回る機器についての稼働の記録を前記特異な稼働の記録として抽出する特異稼働抽出部、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
コンピューターに、機器の稼働についての情報を処理させる情報処理プログラムであって、
前記コンピューターを、制御手段と、前記機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、が格納された記憶手段、として機能させ、
前記制御手段に対して、
同一の前記機器について、特異な稼働が記録された日時と前記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、前記機器の特異な稼働と前記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理ステップと、
前記特異稼働分析処理ステップにより関連付けられた前記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示ステップと、
前記機器の操作者の行動の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を前記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出ステップと、
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
コンピューターを用いた機器の稼働についての情報処理方法であって、
前記コンピューターは、
機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、を格納する記憶部を備え、
同一の前記機器について、特異な稼働が記録された日時と前記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、前記機器の特異な稼働と前記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理ステップと、
前記特異稼働分析処理ステップにより関連付けられた前記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示ステップと、
前記機器の操作者の行動の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を前記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
記憶部と、
他の機器の稼働の記録を該稼働が記録された日時を特定する情報と対応付けて前記記憶部に格納する稼働情報取得部と、
前記機器に対する操作者の操作の記録を該操作が記録された日時を特定する情報と対応付けて前記記憶部に格納する行動情報取得部と、
前記記憶部に格納された稼働の記録および操作の記録と、各々の日時を特定する情報とを外部装置に送信する送信部と、
を備え
さらに、前記機器の操作者の操作の記録のうち、前記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を前記操作の記録として抽出して前記記憶部に格納する特異行動抽出部を備える、
とを特徴とする遠隔情報取得装置。
【請求項11】
請求項1に記載の遠隔情報取得装置であって、
前記行動情報取得部は、前記機器と前記操作者が映しこまれた映像情報を用いて前記機器の操作内容を特定し、前記操作の記録とする、
ことを特徴とする遠隔情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所望の分析を行う分析機器に発生した異常を解消するための保守情報を提供する分析機器保守システムであって、分析機器側に持ってくる第1コンピューターと、保守担当部門側に設置された第2コンピューターとを備え、前記第1コンピューターは、(a)前記分析機器の異常を検査する検査手段と、(b)前記検査手段を操作して検査を実行する実行手段と、(c)前記実行手段により検査を実行して得られた結果情報を通信回線を介して保守担当部門に送信する第1通信手段とを備え、かつ、前記第2コンピューターは、(d)前記第1コンピューターから送信されてきた結果情報を逐次蓄積するとともに、異常を解消するための保守情報を予め蓄積する情報蓄積手段と、(e)前記第1コンピューターから送信されてきた結果情報に含まれる異常情報に対応する保守情報を前記情報蓄積手段から検索して抽出する検索手段と、(f)前記検索手段により抽出された保守情報を通信回線を介して第1コンピューターに送信する第2通信手段とを備える技術がある。特許文献1は、このような技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−230200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、監視対象のコンピューターに発生する事象ごとに、当該事象への対応のための情報を他のコンピューターに知らせることが可能となるが、発生していない事象を引き起こす原因となる操作については客観的に把握できないため、事象の発生を予防する対策には活用しづらい。
【0005】
本発明の目的は、監視対象の機器の遠隔管理において、事象の発生を予防するための情報を取得する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る情報処理装置は、機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、を格納する記憶部と、同一の上記機器について、特異な稼働が記録された日時と上記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、上記機器の特異な稼働と上記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理部と、上記特異稼働分析処理部により関連付けられた上記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示部と、を備え、さらに、上記機器の操作者の行動の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を上記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出部を備える、
とを特徴とする。
【0007】
また、上記の情報処理装置においては、上記特異な行動の記録には、上記機器の操作者による操作の順を特定する情報が含まれる、ことを特徴とするものであってもよい。
【0008】
また、上記の情報処理装置においては、上記特異な行動の記録には、上記機器の操作者による操作の映像情報が含まれ、上記分析情報提示部は、上記操作者の特異な行動の記録の提示において、上記映像情報を再生する、ことを特徴とするものであってもよい。
【0009】
また、上記の情報処理装置においては、上記特異な稼働の記録には、上記機器に発生した障害を特定する情報が含まれる、ことを特徴とするものであってもよい。
【0010】
また、上記の情報処理装置においては、上記特異な稼働の記録には、上記機器について所定の基準より低い稼働率での稼働を特定する情報が含まれる、ことを特徴とするものであってもよい。
【0012】
また、上記の情報処理装置においては、上記機器の稼働の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた障害発生率を超える機器についての稼働の記録を上記特異な稼働の記録として抽出する特異稼働抽出部、を備えることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、上記の情報処理装置においては、上記機器の稼働の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた稼働率を下回る機器についての稼働の記録を上記特異な稼働の記録として抽出する特異稼働抽出部、を備えることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
また、本発明に係るプログラムは、コンピューターに、機器の稼働についての情報を処理させる情報処理プログラムであって、上記コンピューターを、制御手段と、上記機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、が格納された記憶手段、として機能させ、上記制御手段に対して、同一の上記機器について、特異な稼働が記録された日時と上記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、上記機器の特異な稼働と上記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理ステップと、上記特異稼働分析処理ステップにより関連付けられた上記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示ステップと、上記機器の操作者の行動の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を上記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出ステップと、を実行させることを特徴とするものであってもよい。
【0015】
また、本発明に係る情報処理方法は、コンピューターを用いた機器の稼働についての情報処理方法であって、上記コンピューターは、機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報と、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報と、を格納する記憶部を備え、同一の上記機器について、特異な稼働が記録された日時と上記特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、上記機器の特異な稼働と上記特異な行動とを関連付ける特異稼働分析処理ステップと、上記特異稼働分析処理ステップにより関連付けられた上記特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する分析情報提示ステップと、上記機器の操作者の行動の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を上記特異な行動の記録として抽出する特異行動抽出ステップと、を実行することを特徴とするものであってもよい。
【0016】
また、本発明に係る遠隔情報取得装置は、記憶部と、他の機器の稼働の記録を該稼働が記録された日時を特定する情報と対応付けて上記記憶部に格納する稼働情報取得部と、上記機器に対する操作者の操作の記録を該操作が記録された日時を特定する情報と対応付けて上記記憶部に格納する行動情報取得部と、上記記憶部に格納された稼働の記録および操作の記録と、各々の日時を特定する情報とを外部装置に送信する送信部と、さらに、上記機器の操作者の操作の記録のうち、上記機器ごとに予め定められた操作と異なる操作の記録を上記操作の記録として抽出して上記記憶部に格納する特異行動抽出部と、を備える、ことを特徴とする。
【0017】
また、上記の遠隔情報取得装置においては、上記行動情報取得部は、上記機器と上記操作者が映しこまれた映像情報を用いて上記機器の操作内容を特定し、上記操作の記録とする、ことを特徴とする。
【0018】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、監視対象の機器の遠隔管理において事象の発生を予防するための情報を取得する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る統制業務システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る統制業務システムの構成例を示す図である。
図3】稼働情報記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図4】行動情報記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図5】特異稼働情報記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図6】特異行動情報記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図7】特異行動稼働関連記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図8】機器配備地域記憶部に格納されるデータ構造を示す図である。
図9】特異情報出力装置のハードウェア構成を示す図である。
図10】遠隔情報取得装置のハードウェア構成を示す図である。
図11】非効率稼働分析処理のフローを示す図である。
図12】分析情報提示処理のフローを示す図である。
図13】実施形態に係る統制業務システムの出力画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る第一の実施形態を適用した統制業務システム1を用いた実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1および図2は、本発明の第一の実施形態における統制業務システム1の概要を示す図である。本実施形態において想定する統制業務システム1においては、特異情報出力装置100、遠隔情報取得装置200と、管理対象機器300と、が利用される。特異情報出力装置100は、例えば、いわゆるサーバー装置である。遠隔情報取得装置200は、例えば、いわゆるパーソナルコンピューターや、情報処理機能を有するアプライアンス機器である。管理対象機器300は、統制業務システム1において障害等の予防改善を行う対象の機器である。例えば、管理対象機器300は、プリンターや現金自動預払機、複写機、発券機、POS(Point of Sales)端末等である。
【0023】
特異情報出力装置100と、遠隔情報取得装置200と、管理対象機器300とは、ネットワーク10を介して互いに通信可能に接続される。ただし、管理対象機器300については、必ずしも特異情報出力装置100と遠隔情報取得装置200とが接続されるネットワーク10に接続される必要はなく、遠隔情報取得装置200と通信可能に接続されるものであればよい。例えば、管理対象機器300は、遠隔情報取得装置200と専用線で結ばれていても良い。
【0024】
当該システムにおいては、管理対象機器300を操作する操作者を、遠隔情報取得装置200が撮像等を行い監視し、その操作を記録し、管理を行うものとする。遠隔情報取得装置200が監視する内容は、例えば操作者が管理対象機器300に対して指示を与えた各種操作(ハードウェアボタン等の操作スイッチをどのタイミングでどのように操作したか)等である。例えば、遠隔情報取得装置200は、管理対象機器300に紙詰まりが発生する際において、操作者によりどのような操作がなされたのかを映像情報として取得し、特異情報出力装置100へ送信する。
【0025】
遠隔情報取得装置200は、管理対象機器300の稼働、例えば紙幣詰まり、インク詰まり等の障害事象と、例えば印刷枚数や印刷速度等の稼働上の履歴情報と、を収集し、特異情報出力装置100へ送信する。
【0026】
特異情報出力装置100は、遠隔情報取得装置200から管理対象機器300の稼働の情報および操作者の操作を特定する情報を収集し、機器ごとに特異な稼働と特異な操作とを抽出する。特異情報出力装置100は、特異な稼働と特異な操作との日時が所定以上に近似する場合に、特異な稼働と特異な操作とを関連付ける。また、特異情報出力装置100は、特異な稼働と特異な操作とが関連付けられた機器について、一覧を表示出力させる。
【0027】
特異情報出力装置100は、パソコンやスマートフォン、ワークステーション、サーバー、PDA(Personal Data Assistant)、タブレット装置等各種の情報処理装置である。
【0028】
ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信網である。なお、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよい。
【0029】
遠隔情報取得装置200は、パソコンやサーバー等の情報処理装置である。ほかにも例えば、遠隔情報取得装置200は、スマートフォン、ワークステーション、PDA、アプライアンス機器等各種の情報処理装置であってもよい。
【0030】
管理対象機器300は、パソコンやサーバー、プリンター、いわゆる3Dプリンター、現金預払機、POS端末、複写機、発券機、電話機、スキャナー、カードリーダー、オーディオ装置、ナビゲーション装置、タブレットパソコン、PDA、テレビジョン装置等の各種の電子機器である。
【0031】
特異情報出力装置100には、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、が含まれる。制御部110には、稼働情報収集部111と、行動情報収集部112と、稼働情報提示部113と、行動情報提示部114と、特異稼働分析処理部115と、分析情報提示部116と、入力受付部117と、出力処理部118と、が含まれる。記憶部120には、稼働情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、特異稼働情報記憶部123と、特異行動情報記憶部124と、特異行動稼働関連記憶部125と、機器配備地域記憶部126と、が含まれる。
【0032】
図3は、稼働情報記憶部121の構成例を示す図である。稼働情報記憶部121には、システム識別子121Aごとに、日時121Bと、機器識別子121Cと、障害情報121Dと、稼働情報121Eと、が対応付けられている。システム識別子121Aは、管理対象機器300の属するシステムを特定する情報である。日時121Bは、管理対象機器300の稼働あるいは障害の記録がなされた日時を特定する情報である。機器識別子121Cは、管理対象機器300の機器を個別に識別する識別子である。障害情報121Dは、管理対象機器300に発生した障害の内容あるいは種類を特定する情報である。稼働情報121Eは、管理対象機器300の稼働に関する情報である。例えば、管理対象機器300が複写機であれば、印刷を実施した枚数等を特定する情報が含まれる。
【0033】
図4は、行動情報記憶部122の構成例を示す図である。行動情報記憶部122には、システム識別子122Aごとに、日時122Bと、機器識別子122Cと、行動情報122Dと、動画ファイル識別子122Eと、が対応付けられている。システム識別子122Aは、管理対象機器300の属するシステムを特定する情報である。日時122Bは、管理対象機器300の操作者の操作の記録がなされた日時を特定する情報である。機器識別子122Cは、管理対象機器300の機器を個別に識別する識別子である。行動情報122Dは、管理対象機器300の操作の内容を特定する情報である。例えば、管理対象機器300が複写機であり、その操作に関する入力スイッチ等がA、B、C、D等により区別されるとすると、行動情報122Dは、それらのスイッチを操作者が実際に操作した操作順を特定する情報である。動画ファイル識別子122Eは、管理対象機器300の操作者と管理対象機器300とを撮像した映像情報である。例えば、管理対象機器300が複写機であれば、印刷指示を実施した操作の手順等を特定する動画を識別する情報が含まれる。
【0034】
図5は、特異稼働情報記憶部123の構成例を示す図である。特異稼働情報記憶部123は、稼働情報記憶部121に格納された情報から所定の条件を満たす情報を抽出した情報を格納するためのサブセット情報であるため、稼働情報記憶部121と基本的に同様の構造を備える。すなわち、特異稼働情報記憶部123は、機器の特異な稼働の記録および該稼働が記録された日時を含む稼働情報を含むものであるといえる。
【0035】
図6は、特異行動情報記憶部124の構成例を示す図である。特異行動情報記憶部124は、行動情報記憶部122に格納された情報から所定の条件を満たす情報を抽出した情報を格納するためのサブセット情報であるため、行動情報記憶部122と基本的に同様の構造を備える。すなわち、特異行動情報記憶部124は、機器の操作者の特異な行動の記録および該行動が記録された日時を含む行動情報を含むものであるといえる。
【0036】
図7は、特異行動稼働関連記憶部125の構成例を示す図である。特異行動稼働関連記憶部125は、システム識別子125Aごとに、日時125Bと、機器識別子125Cと、障害情報125Dと、稼働情報125Eと、行動情報125Fと、動画ファイル識別子125Gと、が対応付けられている。システム識別子125Aは、管理対象機器300の属するシステムを特定する情報である。日時125Bは、管理対象機器300の操作者の操作の記録または管理対象機器300の稼働あるいは障害の記録がなされた日時を特定する情報である。機器識別子125Cは、管理対象機器300の機器を個別に識別する識別子である。
【0037】
障害情報125Dは、管理対象機器300に発生した障害の内容あるいは種類を特定する情報である。稼働情報125Eは、管理対象機器300の稼働に関する情報である。行動情報125Fは、管理対象機器300の操作の内容を特定する情報である。動画ファイル識別子125Gは、管理対象機器300の操作者と管理対象機器300とを撮像した映像情報である。
【0038】
図8は、機器配備地域記憶部126の構成例を示す図である。機器配備地域記憶部126は、機器識別子126Aごとに、配備地域126Bと、配備位置126Cと、型番126Dと、基準操作126Eと、基準障害率126Fと、基準稼働率126Gと、が対応付けられている。
【0039】
機器識別子126Aは、管理対象機器300を特定する識別子である。配備地域126Bは、管理対象機器300が配備されている地域を特定する情報である。配備位置126Cは、管理対象機器300が配備されている位置を特定する情報である。具体的には、配備されている店舗を特定する情報や、さらに店舗内の配置をも特定する情報であってもよい。型番126Dは、機器識別子126Aにより特定される機器の型番を特定する情報である。基準操作126Eは、操作者が機器識別子126Aを操作する基準となる操作を特定する情報である。例えば、基準操作126Eには、機器のスイッチの標準的な操作順序を特定する情報が一つまたは複数パターンが含まれている。基準障害率126Fには、機器識別子126Aに求められる基準となる障害発生頻度を特定する情報が含まれる。これには、例えば週あたり1件の障害発生頻度、等の情報が含まれる。基準稼働率126Gには、機器識別子126Aに求められる基準となる稼働性能を特定する情報が含まれる。これには、例えば秒あたり10枚の印刷速度、等の情報が含まれる。
【0040】
図1の説明に戻る。稼働情報収集部111は、管理対象機器300の稼働に関する情報を、遠隔情報取得装置200を介して収集する。当該収集に関しては、遠隔情報取得装置200から送信される稼働情報を適宜受け付けるものであってもよいし、所定の間隔で遠隔情報取得装置200に対して情報の送信を依頼し、その応答を受け付けるものであってもよい。収集された稼働情報は、稼働情報収集部111によって稼働情報記憶部121に格納される。
【0041】
行動情報収集部112は、管理対象機器300を操作する操作者の操作行動に関する情報を、遠隔情報取得装置200を介して収集する。当該収集に関しては、遠隔情報取得装置200から送信される行動情報を適宜受け付けるものであってもよいし、所定の間隔で遠隔情報取得装置200に対して情報の送信を依頼し、その応答を受け付けるものであってもよい。収集された行動情報は、行動情報収集部112によって行動情報記憶部122に格納される。
【0042】
稼働情報提示部113は、管理対象機器300の稼働に関する情報を、他の装置からの要求に応じて提示する。当該提示に関しては、稼働情報提示部113は稼働情報記憶部121に格納された稼働情報を読み出し、所定の表示情報を構成して要求元の装置に対して送信する。なお、当該表示画面は、機器ごとに稼働情報を一覧化して表示する画面であるが、これに限られず、管理対象機器300が配置された地域ごとに一覧化する等、他の表示態様であってもよい。
【0043】
行動情報提示部114は、管理対象機器300の操作行動に関する情報を、他の装置からの要求に応じて提示する。当該提示に関しては、行動情報提示部114は行動情報記憶部122に格納された行動情報を読み出し、所定の表示情報を構成して要求元の装置に対して送信する。なお、当該表示画面は、機器ごとに行動情報を一覧化して表示する画面であるが、これに限られず、管理対象機器300が配置された地域ごとに一覧化する等、他の表示態様であってもよい。
【0044】
特異稼働分析処理部115は、管理対象機器300の稼働に関する情報から特異な稼働に関する情報を抽出する。そして、特異稼働分析処理部115は、抽出した特異な稼働に関する情報を特異稼働情報記憶部123に格納する。また、特異稼働分析処理部115は、管理対象機器300の操作行動に関する情報から特異な行動に関する情報を抽出する。そして、特異稼働分析処理部115は、抽出した特異な操作行動に関する情報を特異行動情報記憶部124に格納する。また、特異稼働分析処理部115は、特異な稼働に関する情報を、管理対象機器300の操作行動に関する情報と突合し、日時が近似する行動と関連付ける。そして、特異稼働分析処理部115は、関連付けた稼働情報と行動情報とを特異行動稼働関連記憶部125に格納する。
【0045】
すなわち、特異稼働分析処理部115は、同一の管理対象機器について、特異な稼働が記録された日時と特異な行動が記録された日時とが所定以上近似する場合に、機器の特異な稼働と特異な行動とを関連付ける処理部であるといえる。
【0046】
分析情報提示部116は、特異稼働分析処理部115により関連付けられた特異稼働と特異行動とについての情報を、他の装置からの要求に応じて提示する。当該提示に関しては、分析情報提示部116は、特異行動稼働関連記憶部125に格納された情報を読み出し、所定の表示情報を構成して要求元の装置に対して送信する。なお、当該表示画面は、機器ごとに特異な稼働情報と特異な行動情報とを対応付けて、一覧化して表示する画面であるが、これに限られず、管理対象機器300が配置された地域ごとに一覧化する等、他の表示態様であってもよい。または、管理対象機器300が配置された地域の別に発生の頻度が高い順に障害の情報と対応付けられた操作行動とを表示させ、地域間の傾向の差を比較しやすいように画面を構成するものであってもよい。
【0047】
すなわち、分析情報提示部116は、特異稼働分析処理部115により関連付けられた特異な稼働に係る機器および当該機器の操作者の特異な行動の記録を提示する処理部であるといえる。
【0048】
入力受付部117は、通信部130を介して、図示しないクライアント端末(例えば、Webブラウザを搭載したパーソナルコンピューター)から送信された入力情報を受け付ける。また、入力受付部117は、通信部130を介して、遠隔情報取得装置200から送信された情報を受け付ける。また、入力受付部117は、キーボード等の入力装置を介して操作者からの入力を受け付ける。
【0049】
出力処理部118は、通信部130を介して、図示しないクライアント端末に対して出力情報を送信する。また、出力処理部118は、ディスプレイ等の出力装置を介して操作者に対し情報を表示する。
【0050】
通信部130は、ネットワーク10を介して他の装置、例えば遠隔情報取得装置200、管理対象機器300等との通信を行う。
【0051】
図2に示すように、遠隔情報取得装置200には、制御部210と、記憶部220と、撮像部230と、通信部240と、が含まれる。制御部210には、稼働情報取得部211と、行動情報取得部212と、稼働情報送信部213と、行動情報送信部214と、が含まれる。
【0052】
記憶部220には、図3に示す稼働情報記憶部121と略同じデータ構造を有する稼働情報記憶部221と、図4に示す行動情報記憶部122と略同じデータ構造を有する行動情報記憶部222と、が含まれる。そのため、両記憶部についての詳細な説明は省略する。
【0053】
図2の説明に戻る。稼働情報取得部211は、管理対象機器300の稼働に関する情報を取得する。当該取得に関しては、管理対象機器300から送信される稼働情報を適宜受け付けるものであってもよいし、所定の間隔で管理対象機器300に対して情報の送信を依頼し、その応答を受け付けるものであってもよい。取得された稼働情報は、稼働情報取得部211によって取得された日時を特定する情報とともに、稼働情報記憶部221に格納される。
【0054】
すなわち、稼働情報取得部211は、他の機器の稼働の記録を該稼働が記録された日時を特定する情報と対応付けて記憶部に格納する処理部であるといえる。
【0055】
行動情報取得部212は、管理対象機器300を操作する操作者の操作行動に関する情報を取得する。当該取得に関しては、撮像部230により撮像して得られる映像情報を適宜受け付ける。取得された行動情報は、行動情報取得部212により画像解析が行われる。行動情報取得部212は、管理対象機器300の操作に関する行動をパターン認識等により解析して、どのスイッチが操作されたのかを特定する。行動情報取得部212は、特定したスイッチ操作を含めて行動情報を、取得された日時を特定する情報とともに、行動情報記憶部222に格納する。
【0056】
すなわち、行動情報取得部212は、管理対象の機器に対する操作者の操作の記録を該操作が記録された日時を特定する情報と対応付けて記憶部に格納する処理部であるといえる。
【0057】
稼働情報送信部213は、稼働情報記憶部221に格納された稼働情報を、所定の特異情報出力装置100へ送信する。当該送信においては、所定の間隔で未送信のレコードを取得して送信する。ただし、これに限られるものではなく、未送信のレコードの追加に応じて適宜送信するものであってもよい。
【0058】
行動情報送信部214は、行動情報記憶部222に格納された行動情報を、所定の特異情報出力装置100へ送信する。当該送信においては、所定の間隔で未送信のレコードを取得して送信する。ただし、これに限られるものではなく、未送信のレコードの追加に応じて適宜送信するものであってもよい。すなわち、稼働情報送信部213と、行動情報送信部214とは、記憶部に格納された稼働の記録および操作の記録と、各々の日時を特定する情報とを外部装置に送信する処理部であるといえる。
【0059】
撮像部230は、管理対象機器300の操作部と、管理対象機器300の操作者が操作に要すると想定される空間と、の両方を撮像できる画角を有すると共に適切な位置に設置される撮像装置を制御する。撮像部230は、撮像して得た映像情報を、行動情報取得部212に受け渡す。なお、撮像部230が得る映像情報は、動画情報であるが、これに限られず、静止画情報であってもよい。
【0060】
通信部240は、ネットワーク10を介して他の装置、例えば特異情報出力装置100、管理対象機器300等との通信を行う。
【0061】
図示しないが、管理対象機器300は、管理対象機器300に発生した障害について、その内容を特定する情報を遠隔情報取得装置200へネットワーク10を介して送信する。また、稼働情報を遠隔情報取得装置200へネットワーク10を介して送信する。
【0062】
図9は、特異情報出力装置100のハードウェア構成例を示す図である。特異情報出力装置100は、演算装置102と、外部記憶装置103と、主記憶装置104と、出力装置105と、通信装置106と、各装置をつなぐバス107と、を少なくとも備える。また、他に、特異情報出力装置100は、キーボード、マウス、あるいはタッチパネルといった入力装置101を備える。
【0063】
演算装置102は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0064】
外部記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0065】
主記憶装置104は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0066】
出力装置105は、例えば液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0067】
通信装置106は、ネットワーク10等を介して遠隔情報取得装置200、管理対象機器300等の他の装置と通信経路を確立し、情報を送受信するネットワークカード等の装置である。
【0068】
入力装置101は、キーボードやマウス、タッチパネル等の各種入力装置である。
【0069】
入力装置101と、演算装置102と、外部記憶装置103と、主記憶装置104と、出力装置105と、通信装置106とは、バス107等の接続導線により互いに接続される。
【0070】
上記した特異情報出力装置100の稼働情報収集部111、行動情報収集部112、稼働情報提示部113、行動情報提示部114、特異稼働分析処理部115、分析情報提示部116、入力受付部117、出力処理部118は、演算装置102に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置104、外部記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたって主記憶装置104上にロードされ、演算装置102により実行される。
【0071】
また、特異情報出力装置100の記憶部120は、主記憶装置104及び外部記憶装置103により実現される。また、特異情報出力装置100の通信部130は、通信装置106により実現される。以上が、特異情報出力装置100のハードウェア構成例である。
【0072】
図10は、遠隔情報取得装置200のハードウェア構成例を示す図である。遠隔情報取得装置200は、撮像装置201と、演算装置202と、外部記憶装置203と、主記憶装置204と、出力装置205と、通信装置206と、各装置をつなぐバス207と、を少なくとも備える。また、他に、遠隔情報取得装置200は、キーボード、マウス、あるいはタッチパネルといった入力装置を備えるものであってもよい。
【0073】
演算装置202は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0074】
外部記憶装置203は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0075】
主記憶装置204は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0076】
出力装置205は、例えば液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0077】
通信装置206は、ネットワーク10等を介して特異情報出力装置100、管理対象機器300等の他の装置と通信経路を確立し、情報を送受信するネットワークカード等の装置である。
【0078】
撮像装置201は、所定の波長に一定以上の感度を有する素子を用いて、画像情報を出力する撮像装置である。
【0079】
撮像装置201と、演算装置202と、外部記憶装置203と、主記憶装置204と、出力装置205と、通信装置206とは、バス207等の接続導線により互いに接続される。
【0080】
上記した遠隔情報取得装置200の稼働情報取得部211、行動情報取得部212、稼働情報送信部213、行動情報送信部214は、演算装置202に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置204、外部記憶装置203または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたって主記憶装置204上にロードされ、演算装置202により実行される。
【0081】
また、遠隔情報取得装置200の記憶部220は、主記憶装置204及び外部記憶装置203により実現される。また、遠隔情報取得装置200の通信部240は、通信装置206により実現される。以上が、遠隔情報取得装置200のハードウェア構成例である。
【0082】
特異情報出力装置100、遠隔情報取得装置200のそれぞれの構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0083】
また、各制御部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各制御部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0084】
[動作の説明]次に、本実施形態における統制業務システム1の動作を説明する。図11は、本実施形態における非効率稼働分析処理のフロー図である。
【0085】
非効率稼働分析処理は、管理対象機器300の非効率な稼働について、なされた操作の記録情報を関連付ける処理である。非効率稼働分析処理は、特異情報出力装置100の稼動が開始され、所定のランチャー等により開始指示を受け付けると、あるいは所定の間隔で、開始される。
【0086】
まず、特異稼働分析処理部115は、対象システム識別子と、対象機器の指定および分析対象期間とを受け付ける(ステップS001)。具体的には、特異稼働分析処理部115は、入力受付部117を介して、管理対象機器300の非効率な稼働について、なされた操作の記録情報を関連付ける対象となる管理対象機器が属するシステムのシステム識別子、対象機器、分析の対象となる期間の情報を受け付ける。
【0087】
そして、特異稼働分析処理部115は、受け付けた機器のうち、期間内で基準より高い障害率の機器を特定する(ステップS002)。具体的には、特異稼働分析処理部115は、ステップS001において受け付けた対象システム識別子で特定されるシステムの、対象機器として指定された管理対象機器について、分析対象期間に属する稼働情報を読み出して、当該期間内の障害率を特定する。そして、特異稼働分析処理部115は、特定した障害率が機器配備地域記憶部126の当該機器の基準障害率126Fを上回る機器について、特定する。そして、特異稼働分析処理部115は、特定した機器の障害情報を、特異稼働情報記憶部123に格納する。
【0088】
そして、特異稼働分析処理部115は、受け付けた機器のうち、期間内で基準より低い稼働率の機器を特定する(ステップS003)。具体的には、特異稼働分析処理部115は、ステップS001において受け付けた対象システム識別子で特定されるシステムの、対象機器として指定された管理対象機器について、分析対象期間に属する稼働情報を読み出して、当該期間内の稼働率を特定する。そして、特異稼働分析処理部115は、特定した稼働率が機器配備地域記憶部126の当該機器の基準稼働率126Gを下回る機器について、特定する。具体的には、特異稼働分析処理部115は、ある機器の処理能力が10枚/秒であった性能情報に対して、基準の稼働率が20枚/秒である場合には、特異稼働であるとして当該機器を特定する。そして、特異稼働分析処理部115は、特定した機器の稼働情報を、特異稼働情報記憶部123に格納する。
【0089】
そして、特異稼働分析処理部115は、受け付けた機器を操作する行動のうち、期間内で基準の操作に該当しない行動を抽出する(ステップS004)。具体的には、特異稼働分析処理部115は、ステップS001において受け付けた対象システム識別子で特定されるシステムの、対象機器として指定された管理対象機器について、分析対象期間に属する行動情報を読み出して、当該期間内の当該機器の行動のうち機器配備地域記憶部126の基準操作126Eに含まれない行動を特定する。そして、特異稼働分析処理部115は、特定した行動の行動情報を、そして、特異行動情報記憶部124に格納する。
【0090】
そして、特異稼働分析処理部115は、障害率の高い機器または稼働率の低い機器のうち、基準の操作をされていない機器を抽出する(ステップS005)。具体的には、特異稼働分析処理部115は、特異稼働情報記憶部123に格納された機器の障害情報および稼働情報のそれぞれについて、対応付けられた日時が近似する同一の機器に対する行動情報があれば特異行動情報記憶部124から読み出して、その機器を特定し抽出する。そして、特異稼働分析処理部115は、特異行動稼働関連記憶部125に抽出した情報を機器の識別子ごとに格納する。なお、日時の近似は、例えば、稼働が記録された日時と、行動が記録された日時と、の差が所定の時間(例えば、プラスマイナス10分)以内の場合である。
【0091】
以上が、非効率稼働分析処理の処理フローである。非効率稼働分析処理によれば、特異情報出力装置は、非効率な稼働、例えば障害が多く発生している、または所定の性能が出ていない管理対象の機器について、非効率な稼働ごとに操作者のとった行動情報を対応付けることができる。このようにすることで、統制業務システム1では、管理対象機器の不具合の原因となる可能性の高い操作を絞り込むことができるため、ひいては予防のために行うべき方策を検討する基礎的な情報として利用することが可能となる。
【0092】
図12は、分析情報提示処理の処理フローである。分析情報提示処理は、非効率稼働分析処理により抽出された機器について関連付けられた操作の記録情報を提示する処理である。分析情報提示処理は、特異情報出力装置100の稼動が開始され、所定のランチャー等により開始指示を受け付けると、開始される。
【0093】
まず、分析情報提示部116は、非効率稼働分析処理の結果抽出された機器について一覧画面を生成する(ステップS101)。具体的には、分析情報提示部116は、特異行動稼働関連記憶部125に格納された情報を読み出し、一覧化する画面情報を生成する。
【0094】
次に、分析情報提示部116は、一覧画面上に、行動記録の動画ファイルの再生指示受付ボタンを付する(ステップS102)。具体的には、分析情報提示部116は、ステップS101にて生成した一覧画面について、それぞれの要素ごとに、関連する行動情報の動画ファイルをストリーム再生する指示を受け付けるボタンオブジェクトを配置する。
【0095】
そして、分析情報提示部116は、一覧画面を出力する(ステップS103)。具体的には、分析情報提示部116は、ステップS101、S102において生成した一覧画面を出力処理部118に受け渡し、出力する。
【0096】
そして、分析情報提示部116は、再生指示受付ボタンのいずれかに入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、分析情報提示部116は、再生指示受付ボタンに入力を受けたことを特定する情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けていない場合には、分析情報提示部116は、ステップS104を再実行する。
【0097】
再生指示受付ボタンに入力を受け付けた場合(ステップS104にて「Yes」の場合)には、分析情報提示部116は、入力を受け付けた動画情報を送信する(ステップS105)。具体的には、分析情報提示部116は、再生指示受付ボタンに入力を受けたことを特定する情報を受け付けると、入力を受けた再生指示受付ボタンに関連付けられた動画ファイルを特異行動稼働関連記憶部125の動画ファイル識別子125Gを読み出して特定し、動画情報の再生を開始させる。
【0098】
以上が、分析情報提示処理の処理フローである。分析情報提示処理によると、特異稼働ごとに、その稼働に関連する行動情報を動画で視聴することができるようになるため、利用者は特異稼働と行動の因果関係を把握できる。
【0099】
図13は、本実施形態に係る統制業務システム1の出力画面400の例を示す図である。出力画面400は、分析情報提示処理のステップS103において、分析結果提示部116により提示される画面の例である。出力画面400は、分析の条件を示す条件表示領域410と、分析の結果を機器ごとに表示する機器詳細表示領域420と、を備える。条件表示領域410は、非効率稼働分析処理において受け付けた対象システムの識別子と、対象機器の指定、分析対象期間等を表示する領域である。
【0100】
機器詳細表示領域420には、日時420A、障害情報420B、稼働情報420C、行動情報420D、操作行動表示420Eの表示領域が含まれる。このうち日時420A、障害情報420B、稼働情報420C、行動情報420Dは、分析情報提示部116によって特異行動稼働関連記憶部125から読み出された情報が一覧化されている。操作行動表示420Eは、分析情報提示部116により付された、行動記録の動画ファイルの再生指示受付ボタンである。当該操作行動表示420Eへの入力を受け付けると、分析情報提示部116は、入力を受け付けた動画情報を送信し、送信された動画情報は操作行動表示420Eの領域において動画として再生出力される。
【0101】
以上、本発明に係る第一の実施形態を適用した統制業務システム1について説明した。当該実施形態によると、利用者は、監視対象の機器の遠隔管理において事象の発生を予防するための情報を取得することができる。
【0102】
本発明は、上記の第一の実施形態に制限されない。上記の第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の第一の実施形態においては、特異情報出力装置100は分析結果の情報を一覧化し、動画再生可能な画面により利用者に提示しているが、これに限られない。例えば、管理対象機器300が配置された地域ごとに一覧を分割し、地域別の行動の特色を把握しやすく出力するようにしてもよい。また、操作者が従業員等である場合に、従業員を識別する情報を行動情報として記録しておき、当該従業員ごとに表示するようにしてもよい。また、従業員をリテラシーあるいは職制に応じて区分しておき、リテラシーあるいは職制の区分ごとに表示するようにしてもよい。このようにすることで、統計的な傾向を把握することが容易となり、管理対象機器300の稼働率を高める方法の検討を支援できる。
【0103】
また例えば、上記の第一の実施形態においては、特異情報出力装置100は、管理対象機器の分析結果の一覧を画面出力しているが、これに限られない。地域および職制ごとに区分した操作者別に、関連付けられている特異稼働を記録件数の順に一覧化した情報を印刷出力するようにしてもよい。このようにすることで、多店舗展開を行う業態における店舗内機器の効率的な利用を実現するための障害予防保守計画等の立案に利用しやすくなる。
【0104】
また例えば、上記の第一の実施形態においては、遠隔情報取得装置200は、管理対象機器および操作者の操作行動を撮像しているが、これに限られない。遠隔情報取得装置200は、赤外線やレーダー等の反射波、サーモグラフィー等の放射温度等、を検出して操作者の機器の操作を特定できるようにするものであってもよい。このようにすることで、機器の操作を特定する方法に多様性を持たせることができるため、設置場所の特性に合わせて適切にシステムを構築できる。
【0105】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0106】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0107】
1・・・統制業務システム、10・・・ネットワーク、100・・・特異情報出力装置、110・・・制御部、111・・・稼働情報収集部、112・・・行動情報収集部、113・・・稼働情報提示部、114・・・行動情報提示部、115・・・特異稼働分析処理部、116・・・分析情報提示部、117・・・入力受付部、118・・・出力処理部、120・・・記憶部、121・・・稼働情報記憶部、122・・・行動情報記憶部、123・・・特異稼働情報記憶部、124・・・特異行動情報記憶部、125・・特異行動稼働関連記憶部、126・・・機器配備地域記憶部、130・・・通信部、200・・・遠隔情報取得装置、210・・・制御部、211・・・稼働情報取得部、212・・・行動情報取得部、213・・・稼働情報送信部、214・・・行動情報送信部、220・・・記憶部、221・・・稼働情報記憶部、222・・・行動情報記憶部、230・・・撮像部、240・・・通信部、300・・・管理対象機器、400・・・出力画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13