(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向軸線(X)に沿って前記側部対向フランジ(32)上に装置の外側に向けて締め付け力を及ぼす手段(42)と、長手方向軸線(X)に位置合わせされた前記側部対向フランジ(32)上に半径方向の締め付け力を及ぼす手段(44)とを備える、請求項4に記載の製造装置。
【背景技術】
【0002】
通常、ターボジェットエンジンは、上流から下流にかけて、低圧圧縮機またはファン、高圧圧縮機、燃焼室、高圧タービン、および低圧タービンを備える。
【0003】
さらに、ターボジェットエンジンは外部ケーシングまたはファンケーシングと、内部ケーシングと、最初の2つのケーシングに同心である中間ケーシングであって、外部ケーシングおよび内部ケーシングの間で画定された空間を、圧縮および後続の噴霧ガス膨張のための一次空気流路と、希釈空気が流れる二次空気流路とに分割する中間ケーシングとを備える。
【0004】
ファンケーシングはいくつかの機能を有する。特にファンケーシングはエンジン内に吸気ダクトを画定する。ファンケーシングの機能の別のものとして、吸い込まれた物体あるいは遠心力によって突き出された破損翼の砕片などの破砕物を、それらが航空機の他の部位に到達することのないように保持する破砕物捕捉器を形成する格納ケーシングを形成することがある。
【0005】
一般的に、ターボジェットエンジンの質量を低減すること、この目的のためにターボジェットを構成する様々な要素の質量を低減することが求められる。この結果を達成するための1つの解決法は、低密度の材料から部品を製造することである。
【0006】
ファンケーシングはアルミニウム合金で製作される。したがってこれはスチール製ファンケーシングよりも軽量である。
【0007】
しかしながら、その質量をさらに低減することが求められる。複合材料は興味深い選択肢である。実際、複合材料から製造されることが可能な部品は、過度に高い温度に晒されない部品である。ファンケーシングはそれに該当する。ファンケーシングが晒される場合のある温度は−50°Cから最高120°Cの程度である。複合材料で製作されたファンケーシングまたは格納ケーシングは最新技術、例えば欧州特許第1961923号明細書から知られている。ファンケーシングは繊維プレフォームから、心棒周囲の三次元織りによって製作される。製造中に、プレフォームは、心棒と共に封止空間を画定する可撓性ケースによって被覆される。この封止空間内で真空圧力が確立され、空間内に樹脂が導入される。すると真空圧力によって含浸が促進される。次いで樹脂の重合化のステップが起こる。
【0008】
すると直接ブランク材が得られて、機械加工後にケーシングが得られることを可能にする。
【0009】
この方法は、「インフュージョン成形による方法」と呼ばれている。この方法は、比較的軽量の機器しか必要としないという利点を有する。しかしながら、部品を製造するのに必要とされる時間は比較的長い。さらに、織り繊維が膨張する場合にプレフォームの不良を解消することには効果がなく、部品の幾何学的形状を保証することが可能でない。
【0010】
RTM(樹脂トランスファ成形)と呼ばれる、液体樹脂の注入による別の方法もある。これは、プレフォームを剛性のモールドと剛性の対向モールドとの間に配置し、モールド同士をしっかりと合わせることから成る。このようにして画定された空間は、製造されるべき対象物の最終寸法を有し、加圧下で樹脂が注入される。注入圧力は15バールもの大きさである場合がある。
【0011】
この方法は、比較的短いサイクル周期を有するという利点を有する。さらに、剛性の対向モールドの使用によって膨張が制御されることができる。逆に、この方法は、注入圧力に耐えなければならないことから、特に大型寸法の部品の場合には「大重量」の機器の使用と困難な取り扱いとを必要とする。さらに、膨張が大きすぎる場合、対向モールドが取り付けられるときとモールドが閉鎖されるときとに困難が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のようなケーシングは極めて大きな直径、例えば2m程度を有する可能性があることに留意されたい。その結果、モールドと対向モールドは相当な大きさおよび質量のものとなり、したがってそれらの取り扱いは労力を要する。
【0014】
この結果、本発明の1つの目的は、複合材料で製作された部品、特にターボ機械のケーシングを製造する装置であって、極めて高い寸法精度を備えた部品が得られることを可能にするとともに、比較的「軽量」であり、取り扱い易い製造装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、複合材料で製作された部品を製造する方法であって、比較的簡単に実施でき、所望の寸法を備えた部品が得られることを可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、剛性のモールドと剛性の対向モールドとを備える製造装置において、内部モールドを形成する材料は、対向モールドを少なくとも部分的に形成する材料よりも極めて大きな膨張係数を有する製造装置によって、かつモールドと対向モールドとの間に4バール未満の比較的低い圧力で樹脂を注入することとによって達成される。
【0017】
高温で行われる部品の製造中に、このことから生じるモールドと対向モールドとの間の膨張率の差異によって、低温で予め含浸されたプレフォームが圧縮されて、部品の寸法精度を保証する。さらに、注入圧力が低いことから、装置、特に対向モールドは軽量の構造物であることができる。さらに、モールドは低温時に、対象物に求められる最終寸法よりも大きな内部寸法を有する。膨張にもかかわらず、対向モールドのモールド上への取り付けがし易くされる。
【0018】
対向モールドは、例えば複合材料で製作される。したがって対向モールドは高温でもほとんど膨張しない。さらに、対向モールドは比較的軽量であり、したがってより容易に取り扱われる。
【0019】
本発明によって、装置は、注入圧力が比較的低いことから比較的軽量であることが可能である。しかしながら、装置は樹脂が圧力下で注入されることを可能にする。モールドと対向モールドとの間の空間内に生成される真空圧力は、プレフォームが満足のいくほどに湿潤されていることを保証する。
【0020】
対向モールドがモールドへの取り付け用のフランジを有する場合、これらのフランジは有利にモールドの材料の膨張係数に近いまたはそれと等しい膨張係数を備えた材料で製作される。
【0021】
したがって本発明の主題は主に、織り繊維で製作されたプレフォームから複合材料で製作された部品を製造する装置であって、織り繊維で製作されたプレフォームを受け取るように意図された空間を画定する剛性のモールドと剛性の対向モールドとを備え、モールドは対向モールドの膨張係数よりも有意に大きな膨張係数を備えた材料から製作され、前記装置は樹脂を前記空間内に加圧注入する手段も備える製造装置である。
【0022】
とりわけ有利なやり方で、対向モールドは複合材料で製作される。次いでモールドは選択的にスチールまたはアルミニウム合金で製作される。
【0023】
本発明による装置は有利に、モールドと対向モールドとによって画定された空間内に真空圧力を生成することが可能な手段を備えることが可能である。
【0024】
本発明による装置は、ターボ機械のファンケーシングなどの回転形状を備えた部品が製造されることを可能にする。この目的のために、モールドは長手方向軸線を備えた円筒形本体と側部フランジとを備える。対向モールドは円筒形本体と側部対向フランジとを備える。対向フランジはフランジにしっかりと取り付けられるように意図され、モールドの本体と対向モールドの本体とは同心である。プレフォームはモールドの本体と対向モールドの本体との間に位置決めされるように意図される。モールドの本体の材料は、対向モールドの本体の膨張係数よりも有意に大きな膨張係数を有する。
【0025】
好ましいやり方では、モールドの膨張係数と対向モールドの膨張係数との間の差異は、23.10
−6以上である。極めて有利なやり方では、本発明による装置は、締め付け力を長手方向軸線に沿って対向フランジ上にモールドの外側に向けて及ぼす手段と、半径方向の締め付け力を、長手方向軸線に位置合わせされた対向フランジ上に及ぼす手段とを備える。したがって対向モールドをモールドに取り付けるために必要とされる力は小さく、プレフォームが変形するリスクも小さい。
【0026】
対向モールドの対向フランジとモールドのフランジとは同様のまたは等しい膨張係数を有することが好ましい。
【0027】
有利に、対向フランジに接触する対向モールドの本体の側面は、長手方向軸線に対して傾斜される。
【0028】
対向フランジはいくつかの部位で製作されることが可能である。対向フランジの2つの部位の間の対合面は、好ましくは長手方向軸線に対して傾斜されて、対向フランジの部位同士の間の封止部への損傷が限定されるのを可能にする。
【0029】
本発明の他の主題は、本発明による製造装置を使用してターボ機械のケーシングを製造する方法であって、
a)織り繊維で製作されたプレフォームを製造するステップと、
b)プレフォームをモールド上に取り付けるステップと、
c)対向モールドをプレフォーム上に取り付けるステップと、
d)締め付け力を掛けるステップと、
e)圧力下で樹脂を注入し、装置を加熱するステップと、
f)前記樹脂を重合化するステップと、
g)対向モールドとモールドとを取り外すステップと、
を備える方法である。
【0030】
ステップd)中、掛けられる力は、長手方向軸線に沿って外側に向かう対向フランジへの軸方向力と、内側に向かう対向フランジへの半径方向力との両方である。
【0031】
重合化後、締め付け力は緩められ、対向モールドとモールドは定位置内に残される。
【0032】
以下に続く説明および添付図面を使用することで、本発明がよりよく理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明が、ターボジェットエンジンのファンケーシングの製造への適用に関して以下に記述される。しかしながら、本発明は、複合材料で製作された回転軸を有する任意の対象物、より一般的には複合材料で製作された任意の対象物の製造に適用されることができる。
【0035】
図1では、本発明によるファンケーシングが装着された軸線X1のターボジェットエンジンが見られることが可能である。このケーシングは、気体流の流れの方向へ上流から下流にかけて、エンジンの入り口に位置決めされたファン2と圧縮機4と燃焼室6と高圧タービン8と低圧タービン10とを備える。
【0036】
ターボジェットエンジンは、ターボジェットエンジンの異なった要素であるいくつかの部位を備えるケーシング内に収容される。このようにファン2はファンケーシング12によって取り囲まれる。
【0037】
図2では、円筒形本体12.1と円筒形本体12.1の長手方向端部12.2に位置決めされたフランジとから形成された軸線X1のファンケーシング12の断面図が見られることが可能である。
【0038】
図3では、本発明による注入方法を使用して実施される、複合材料で製作されたケーシングを製造する本発明による装置14の例示的実施形態が見られることが可能である。ケーシンングは繊維を織ることによって作り出されるプレフォームPから製造される。
【0039】
装置14は軸線Xのまわりに全体的な回転プロフィルを有する。装置はモールド16と対向モールド18とを備える。
【0040】
図4に斜視図で表わされるモールド16は、例えば金属材料などの特定の剛性を有する、膨張係数c1を有する材料で製作される。モールド16は、例えばスチールまたはアルミニウム合金で製作される。
【0041】
モールドはファンケーシング12の内部形状を画定する。
図4で表わされた実施例で見られることが可能なように、モールドはリムの形状を有する。モールドは織り繊維で製作されたプレフォームPを収容するように意図された環状凹部20を備える。環状凹部20は、円形断面を有する軸線Xの円筒形本体22と本体22の長手方向端部それぞれのフランジ24との間に画定される。したがって円筒形本体22は、注入および重合化が完了するとケーシングの内部と接触するように意図された半径方向外表面22.1を備える。
【0042】
円筒形本体22は単一部片として作り出されることが可能である。各フランジ24も単一部片として、あるいはいくつかの角度部位として作り出されることが可能である。
【0043】
フランジ24は、剛性アセンブリを作り出すように、例えば、ここでは象徴的に軸線で表わされるネジ26によって円筒形本体22に取り付けられる。これらのネジはフランジの全周にわたって角度分配される。
【0044】
フランジ24と本体22とは同じ材料、または同様の値の膨張係数を有する材料で製作されることが可能である。
【0045】
対向モールド18がモールド16内に位置決めされるとケーシングを製造するための空間28の範囲が区切られるように、対向モールド18はモールドの凹部22と一致する環形状を有する。空間28は織り繊維のプレフォームと樹脂とを収容するように意図される。
【0046】
対向モールド18は、ケーシングの外部形状を画定するように意図される。対向モールド18も、軸線Xの環状本体30と本体30の長手方向両端部の対向フランジ32とを備えて、リムの形状を有する。本体30は以下で「外部本体」と呼ばれ、本体22は「内部本体」と呼ばれる。
【0047】
外部本体30は、プレフォームのまわりに取り付けられることを可能にするように、少なくとも2つの、好ましくは3つの円弧形状の部位から構成される。閉鎖手順は
図8で記載された順序(I、II、III、IV)で実施される。対向フランジ32もいくつかの、少なくとも2つの部位で製作される。
【0048】
したがって外部本体30は、注入および重合化が完了するとケーシングの半径方向外側面と接触するように意図された半径方向内側面30.1を備える。
【0049】
好ましいやり方では、ファンケーシングの場合、長手方向外側に位置決めされたフランジの尾根32.1、32.2がケーシングの筒状本体12.1とフランジ12.2との間の径を画定する。この構成は機器の製造をし易くし、部品の離型もし易くする。例えば、外部本体の異なった部位がストラッピングによって定位置に保持される。
【0050】
本発明によると、外部本体30は、内部本体22の膨張係数c1よりも有意に小さな膨張係数c2を有する材料で製作される。
【0051】
膨張係数c1と膨張係数c2の間の差異は選択的に23.10
−6K
−1の程度である。
【0052】
モールドを構成する材料の膨張係数は、例えば23.10
−6K
−1と12.10
−6K
−1の間であり、対向モールドの少なくとも1つの部位の膨張係数は、例えば0と23.10
−6K
−1の間である。
【0053】
外部本体30は有利に、スチールまたはアルミニウムの膨張率よりも極めて低い膨張率を有する複合材料で製作される。さらに、複合材料は僅かにしか膨張しない。その結果、加熱時に、それらの形状および寸法は僅かにしか、あるいは極僅かにしか変化しない。このように複合材料で製作された対向モールドは、対象物に所望される最終寸法を有する。
【0054】
逆に、大幅に膨張するモールド16は、低温時、即ち周囲温度では対象物の最終外部寸法よりも小さな内部寸法を有し、高温時、即ち注入温度では対象物に予定される寸法と等しい内部寸法を有する。
【0055】
アルミニウムで製作された内部本体22の場合、外部本体30はスチールで製作されてもよい。
【0056】
対向フランジ32は有利に、フランジ24の膨張係数に近いまたはそれと等しい膨張係数を備えた材料で製作される。例えば、対向フランジ32とフランジ24は同じ材料で製作される。実際、対向フランジ32はフランジ24に取り付けられるように意図されることから、これら両方の部位が同様の膨張特性を有することが好ましい。
【0057】
本発明による製造装置は、加圧下で樹脂を空間28内に注入する手段も含む。モールドは、空間28内に出現する注入器を形成し、加圧樹脂供給部に連結された少なくとも1つのチャネル36によって横断される。注入チャネル36は一方のフランジ24に製作される。有利に、いくつかの注入チャネル36がフランジ24全体に角度分配される。注入圧力は、4バール未満、例えば2バールから3バール程度であることが好ましい。
【0058】
他方のフランジ24は、空間28内に含まれる空気が注入中に排気されるようにするために、少なくとも1つの通気チャネル38によって横断される。さらに、この通気チャネルによって、樹脂がこのチャネル38から逃げるとき、充分な量の樹脂が注入されると検出されることを可能にすることができる。有利に、いくつかの通気チャネル38が他方のフランジ24に角度分配される。
【0059】
変化形態として、注入チャネルおよび通気チャネルが対向モールド内に製作されることが可能である。
【0060】
対向モールド18の対向フランジ32は、例えば、ここでは象徴的に軸線Xと平行な軸線で表わされるネジ42によって、モールドのフランジに取り付けられ、各ネジはフランジとこのフランジの反対側の対向フランジとを貫通する。ネジ42は有利に、フランジ上に蝶番式に取り付けられる回転ネジの形態である。このように対向モールドの取り付けは簡略化される。
【0061】
装置の異なった部品は、樹脂に対して有意に封止される空間28を画定する。
【0062】
この目的のために、封止部(図示されず)は製造装置の異なった要素同士の間に包含される。
【0063】
内部本体22とフランジ24との間に封止部、例えばO−リングが存在する。外部本体30と対向フランジ32との間に封止部、例えばO−リングが存在する。フランジ24の異なった部位同士の間と、対向フランジ32の異なった部位同士の間と、外部本体30の異なった部位同士の間とにも封止部が存在する。対向フランジ32とフランジ24との間にも封止部、例えばO−リングが存在する。
【0064】
好ましいやり方では、内部本体22とフランジ24との間と、外部本体30と対向フランジ32との間との封止部は、空間28に可能な限り接近して位置決めされて、樹脂が装置の部品同士の間に過度に貫入するのを防止する。
【0065】
封止部は、例えばシリコーン樹脂で製作される。
【0066】
本発明による製造装置は有利に、空間28内に真空圧力を生成する手段も備える。このように通気チャネル38が空間28内に真空圧力を生成するように使用されることが可能である。この目的のために、空間28も気密となるように設計される。
【0067】
例えば、対向フランジと内部本体との間に封止部を作り出すために、対向モールドの内部を浮嚢で覆うことが決定されることが可能である。
【0068】
注入前に空間28内に真空圧力を生成することはプレフォームの含浸を向上させる。
【0069】
空間28内に生成される真空圧力のレベルは、例えば1バール程度である。
【0070】
図5では、対向モールド18の外部本体30と対向フランジ32との間のアセンブリの有利な変化形態が見られることが可能である。この変化形態では、各フランジ32はその半径方向内側面に、内部畝内に形成された、外部本体30の畝30.2を収容する溝32.1を備える。このアセンブリは、フランジ32と外部本体30との間の封止部を作り出すことをし易くする。
【0071】
図6には、対向モールドをモールドに取り付けるために必要とされる力が軽減されることを可能にする、本発明による製造装置の他の特に有利な実施形態114が見られることが可能である。
【0072】
図3の装置の要素を指定するために使用される参照記号が、
図6の装置の要素を指定するために使用される。
【0073】
図6の製造装置114は、半径方向の締め付け手段が加えられているという点で
図3の装置14とは異なる。
【0074】
図6の装置は、軸線Xのモールド16とモールド16に同心の対向モールド18とを備える。
【0075】
モールド16は内部本体22とその長手方向両端のフランジ24とを備える。対向モールド18は外部本体30と対向フランジ32とを備える。
【0076】
さらに、
図6による装置114は、長手方向の締め付け力を各対向フランジ32と関連するフランジ24との間に、装置の外側に向けて掛ける手段を有する。これらの手段は、例えば対向フランジ32とフランジ24とを横断するネジ42である。これらのネジは有利に、対向フランジ上に蝶番式に取り付けられる回転ネジのタイプのものである。フランジ24は、締め付け力が掛けられるときにネジが位置決めされる切欠部を備える。ナットが、フランジに対して対向フランジの反対側の各ネジ上にねじ込まれ、FS1と指定された矢印によって象徴化されるように、締め付け力を対向フランジ上に外側に向けて及ぼす。
【0077】
これらの締め付け手段は装置の全周にわたって角度を付けて取り付けられる。
【0078】
この有利な実施例による製造装置は、半径方向の締め付け力を対向フランジ上に軸線Xの方向に及ぼす手段も備える。ここに表わされる実施例では、矢印FS2によって象徴的に表わされるこの半径方向の力は、対向フランジ32の上流のフランジ24上に追加された停止ブロック43を介して矢印FS2の方向に及ぼされる。ここでは象徴的に軸線によって表わされるロックネジ44が停止ブロック42内に取り付けられ、これが半径方向に軸線Xに向かって対向フランジ32に対して押圧する。
【0079】
半径方向と軸方向との締め付け力を限定するように、機械的停止部が有利に取り付けられる。
【0080】
さらに、対向フランジ32と接触する外部本体30の両側面46は有利に、半径方向に関して内側に向けて有利に45°で傾斜される。両側面46と接触する対向フランジの側面48も同様のやり方で傾斜される。差異膨張が起こると、傾斜側面は封止部を保護するために隙間が制御されることを可能にする。次いで対応モールド18が、軸方向の締め付け力FS1と半径方向の締め付け力FS2とに晒される。するとこの結果生じた締め付け力FSRがモールドの外側に向けて傾斜される。FSR力はここでは原寸に比例して表わされてはいない。軸方向と半径方向の締め付け力のこの組み合わせの効果は、特にプレフォームの大幅な膨張がある場合に、プレフォームのフランジを効果的に緻密化し、したがって対向モールドをモールド上に取り付けるために必要とされる力を限定することである。
【0081】
さらに、本発明による対向モールドの上面を表わす
図7で見られることが可能であるように、対向モールドのフランジの2つの連続した部位の間の対合面50は、軸方向の締め付け力の方向に対して傾斜されていることが好ましい。傾斜角度αは少なくとも45°と等しい。
【0082】
図8では、本発明による製造装置の対向モールドの対向フランジ32を形成する部位I、II、III、IVの摸式的に表わされた実施例が見られることが可能である。
【0083】
複合材料で製作された外部本体30を形成する部位同士の間の対合面は、例えば真っ直ぐである。
【0084】
この装置は、特に20%以上の膨張率を有するプレフォームの場合に有益である。
【0085】
次に、
図6の製造装置を使用する複合材料で製作されたファンケーシングの本発明による製造方法について記述する。
【0086】
初期段階で、織り繊維で製作されたプレフォームPが作り出される。
【0087】
プレフォームPが織り機上で作り出され、注入プラント内にもたらされ、モールド16のまわりに位置決めされることが可能である。プレフォームPは、例えば三次元織りによって製作される。
【0088】
繊維は、例えば炭素繊維、ガラス繊維、またはKevlar(R)繊維であり、樹脂は、例えばエポキシ樹脂である。
【0089】
プレフォームがモールド16上に取り付けられると、対向モールド18がプレフォームに対してモールド16上に取り付けられる。これを達成するために、対向フランジ32と外部本体30との異なった部位が取り付けられる。半径方向にモールド16の内側に向けて位置合わせされた締め付け力FS2が、ネジ44によって対向フランジ32上に及ぼされ、外側に向かった軸方向の締め付け力FS1も、回転ネジ42によって対向フランジ32上に及ぼされる。対向モールド30の対向フランジと外部本体との間の膨張差を許容するために、対向モールド30の対向フランジと外部本体との間には機械的連結がないことに留意されたい。
【0090】
先に述べられたように、モールドは低温時には、ケーシングの最終寸法未満の内部寸法を有する。プレフォームPのモールド内への取り付けと、モールドの対向モールドによる閉鎖とが、プレフォームの大幅な膨張が存在する場合にも行い易くされる。
【0091】
図6の装置によって、軸方向と半径方向との締め付け力を組み合わせて掛けることによって、対向モールドのモールド上への取り付けは、小さな力しか必要としない。これは、プレフォームおよび封止部を損傷するリスクを軽減する。
【0092】
次いで有利に空間28内に1バール程度の真空圧力が生成される。
【0093】
後続のステップで、最高4バールの圧力下で、樹脂が注入チャネルを介して空間28内に注入され、同時に空気が通気チャネルを通って逃げる。
【0094】
次いで樹脂がプレフォームに含浸される。含浸は、真空圧力と注入圧力との組み合わせによってし易くされる。
【0095】
注入は160°C〜180°C程度の温度で達成される。
【0096】
この温度で、内部本体22と外部本体30との材料が膨張する。膨張するのは主にモールドの本体であって、これによって、内部本体22の面22.1が半径方向に外側に向かって移動する。対向モールド18の本体の面30.1は概ね変化のない半径方向の位置を有する。
【0097】
膨張するにつれて、モールドはケーシングの概ね所望の内部寸法を取るようになる。
【0098】
差異膨張は、非重合化樹脂が含浸されたプレフォームの緻密化を、即ちプレフォームが作り出されてモールド内に取り付けられたときに現れた場合のある任意の折り畳み構造の緻密化を引き起こす。
【0099】
この緻密化によって、部品の寸法精度が高められる。
【0100】
したがって、本発明によって、樹脂の重合化の前にプレフォームの自動的な緻密化が見られることが可能である。このように対向モールドを取り付ける前に緻密化を行うことがもはや必要ではない。
【0101】
本発明によって、20%もの大きな膨張率によって、極めて高い精度を備えた部品が生産されることができる。
【0102】
次いでプレフォームおよび樹脂が予定の寸法条件を満たすと、重合化のステップが起こる。
【0103】
次いで部品への応力を防止するために、未だ高温である間に対向モールドがモールドから緩められる。
【0104】
次いで対向モールドの冷却後にモールドが取り外される。冷却中、モールドはその初期寸法に戻る。するとモールドはもはや鋳造部品に応力を掛けない。このようにモールド外しがし易くされる。
【0105】
このやり方で得られた部品は、その後一般的に機械加工されるブランク材を形成する。
【0106】
一例として、モールドがアルミニウム合金で製作され、対向モールドの外部本体30がスチールで製作される場合、直径2mの部品で、160°Cの温度では、膨張は、
アルミニウム合金のモールドでは約7.5mm、
スチールの対向モールドでは約3.75mmとなる。
【0107】
本発明によって約3.75mmの追加の緻密化が得られる。
【0108】
本発明による製造装置に関する注入の条件は、プレフォームへのより速い含浸を可能にする。したがってサイクル周期は短い。このことは、樹脂の含浸が比較的迅速に、約20分の間に起こらなくてはならないことから、特に有益である。
【0109】
製造装置は取り扱いが容易である。実際、特に対向モールドの部位が複合材料で製作されるとき、かつ対向フランジと外部本体との分離の結果として、対向モールドの異なった部位は容易に取り付けられ、取り外されることが可能である。したがって、取り付けと取り外しの時間が短くなって、サイクル周期をさらに短縮する。
【0110】
本発明による製造装置は、部品が回転軸を有するか否かに関わらず、複合材料で製作された部品全ての製造に適用される。
【0111】
さらに、製造装置は特に大型の軸対称部品の生産に適している。
【0112】
ここで記述された締め付け手段および取り付け手段は決して限定的なものでなく、当業者に利用可能な他の全ての手段が適用できる。
【0113】
さらに、
図3、
図5、および
図6の製造装置の構造は、フランジが装着されたファンケーシンングの製造に適している。しかしながら、このケーシングは、例えばフランジのないケーシングを製造するように改造されることが可能である。
【0114】
本発明による装置は、車体構造要素のタイプの部品、またカバーを製造することにも適している。この場合、モールドの基部は、製造されるべき部品の形状に一致するように形状化され、対向モールドはプレフォームの上面に付けられる。