(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901613
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】液圧式の圧送装置及び電気液圧式の制御モジュール
(51)【国際特許分類】
F04C 14/08 20060101AFI20160331BHJP
F04C 14/00 20060101ALI20160331BHJP
F04C 14/02 20060101ALI20160331BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
F04C14/08
F04C14/00 C
F04C14/02
F04C15/00 E
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-506487(P2013-506487)
(86)(22)【出願日】2011年4月14日
(65)【公表番号】特表2013-525679(P2013-525679A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】DE2011000405
(87)【国際公開番号】WO2011134449
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年4月11日
(31)【優先権主張番号】102010034807.4
(32)【優先日】2010年8月19日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010018938.3
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(73)【特許権者】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マルコ グレーテル
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド グラース
(72)【発明者】
【氏名】マルティン シュタウディンガー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス アルベアト
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ブール
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−521794(JP,A)
【文献】
特開2006−125272(JP,A)
【文献】
特表平11−512798(JP,A)
【文献】
特開昭63−215887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 14/08
F04C 14/00
F04C 14/02
F04C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ(10)により駆動されている少なくとも1つのポンプ(6,8)と、制御機器(15)とを備えた、液圧媒体を圧送する液圧式の圧送装置であって、
前記ポンプ(6,8)に、受動的な回転数検出素子(41)が配置されていて、
該受動的な回転数検出素子(41)は、能動的な回転数検出素子(42)と協働し、
該能動的な回転数検出素子(42)は、前記制御機器(15)の制御ハウジングボディ(16)内に配置されており、
前記制御ハウジングボディ(16)と前記電動モータ(10)との間に、制御板(21,22)を備えた制御板アセンブリ(20)が配置されており、
前記ポンプ(6,8)は、前記制御板(21,22)に統合されており、かつ下方に向かって開放している前記制御板(22)を閉鎖するポンプカバー(38)を有しており、
前記ポンプカバー(38)は、前記ポンプ(8)の下側に凹部を有し、該凹部に前記受動的な回転数検出素子(41)が配置されており、
前記制御ハウジングボディ(16)は、前記能動的な回転数検出素子(42)と前記受動的な回転数検出素子(41)との間に配置されているハウジング壁を有しており、
前記制御ハウジングボディ(16)は、前記ポンプカバー(38)及び前記制御板(22)と面接触するように組み付けられていることを特徴とする、液圧媒体を圧送する液圧式の圧送装置。
【請求項2】
前記ポンプ(6,8)は、前記受動的な回転数検出素子(41)が取り付けられている端部を備えたポンプ軸(30)を有することを特徴とする、請求項1記載の液圧式の圧送装置。
【請求項3】
前記受動的な回転数検出素子(41)は、前記ポンプ軸(30)に相対回動不能に結合されている磁石を有することを特徴とする、請求項2記載の液圧式の圧送装置。
【請求項4】
前記ポンプ軸(30)は、前記電動モータ(10)のモータ軸(28)に対して同軸的に配置されていることを特徴とする、請求項2又は3記載の液圧式の圧送装置。
【請求項5】
前記ハウジング壁は、前記圧送装置の運転中に回転数信号が前記受動的な回転数検出素子(41)から前記能動的な回転数検出素子(42)に伝達されるように肉薄に構成されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の液圧式の圧送装置。
【請求項6】
前記ポンプ(6,8)は歯車ポンプとして構成されており、前記歯車ポンプの少なくとも1つの歯が、前記受動的な検出素子であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項記載の液圧式の圧送装置。
【請求項7】
前記制御板アセンブリ(20)は、第1の制御板(21)及び第2の制御板(22)を有しており、
前記ポンプ(6,8)は、第1のポンプ(6)及び第2のポンプ(8)を有しており、
前記第1のポンプ(6)は、前記電気モータ(10)に組み付けられた前記第1の制御板(21)に統合されており、
前記第2のポンプ(8)は、前記第2の制御板(22)に統合されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項記載の液圧式の圧送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータにより駆動されている少なくとも1つのポンプと、制御機器とを備えた、液圧媒体を圧送するための液圧式の圧送装置に関する。さらに本発明は、上記液圧式の圧送装置を備えた電気液圧式の制御モジュールに関する。
【0002】
上記圧送装置は、とりわけ車両伝動装置の液圧式の制御部のために必要である。ポンプは、液圧式の制御部における、例えば高い圧力需要及び/又は高い体積流需要での作動シリンダの操作、又は冷却媒体及び/又は潤滑媒体の、所定の構成部材への供給といった種々異なる役割のために体積流を形成する。幾つかの上記液圧による制御時に、ポンプは電動モータにより駆動される。
【0003】
液圧式の制御部の最適な機能を保証するために、ポンプの回転数及び/又はポンプを駆動する電動モータの回転数が必要となるので、回転数検出が必要である。ポンプの回転数を電動モータの回転数として直接的に検出する、つまりポンプを駆動する電動モータにおける又は電動モータ内において直に回転数センシングを実施することが公知である。検出された回転数信号は、必要な場合には評価され、信号線路及び差込み接続部を介して、制御機器にさらに伝送されて処理される。信号線路は、制御線路及び又はエネルギ供給線路として働くこともできる。
【0004】
回転数センシングの上記形式は、電動モータに付加的な構成スペースが必要となる、という欠点を有する。このことは構成スペース条件に応じて著しい問題となることがある。さらなる欠点は、回転数の検出のために電動モータに組み付けられている装置は、付加的なハウジング部分、ひいては付加的なコストを意味する、という点にある。同様のことが電動モータと制御機器との間の信号延長線路及び線路接触接続に当てはまる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10006320号明細書において、電動モータ、及び電動モータの回転数を検出するためにキャリアボディに位置決めされていてよい少なくとも1つの回転数センサを有する電子機器モジュールを、電気的に接続するための方法が公知になっている。
【0006】
本発明の目的は、請求項1の上位概念部に記載の液圧式の圧送装置を改良して、廉価でかつ構成スペースにとって有利な液圧式の圧送装置を提供することである。
【0007】
上記目的は、電動モータにより駆動されている少なくとも1つのポンプと、制御機器とを備えた、液圧媒体を圧送するための液圧式の圧送装置であって、ポンプに受動的な検出素子、特に回転数検出素子が配置されていて、この受動的な回転数検出素子が、制御機器内に配置されている能動的な検出素子、特に回転数検出素子と協働することにより達成される。本発明の重要な観点によれば、能動的な回転数検出素子は、制御機器内に統合される。この構成は、電動モータと制御機器との間の回転数信号案内部を、完全に省略することができる、という利点をもたらす。さらに、回転数センサ装置のための付加的なハウジング部分が必要とならない。回転数検出素子に対して択一的に又は付加的には、トルク検出素子といった他の検出素子も使用することができる。電動モータは、好ましくは、検出素子、特にセンサを備えたBLDC(Bruschless Direct Current:無整流子電動)モータである。
【0008】
液圧式の圧送装置の有利な構成は、ポンプが電動モータと制御機器との間に配置されていることを特徴とする。ポンプは、好ましくは歯車ポンプ、特に外接歯車ポンプとして構成されている。
【0009】
液圧式の圧送装置の別の有利な構成は、ポンプが、一方の端部に受動的な回転数検出素子が取り付けられているポンプ軸を有していることを特徴とする。ポンプ軸の他方の端部は、例えばクラッチを介して、電動モータに連結可能になっているか若しくは連結されている。
【0010】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、受動的な回転数検出素子が,ポンプ軸に相対回動不能に結合されている磁石を有していることを特徴とする。磁石は、電磁的に能動的な回転数検出素子と協働する。
【0011】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、ポンプ軸が電動モータのモータ軸に対して同時的に配置されていることを特徴とする。ポンプ軸及びモータ軸は、好ましくは共通の回転軸線を有している。
【0012】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、能動的な回転数検出素子が、制御ハウジングボディ内に配置されていることを特徴とする。この制御ハウジングボディは、制御機器のハウジングの一部分である。
【0013】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、制御ハウジングボディが、能動的な回転数検出素子と、受動的な回転数検出素子との間に配置されている比較的肉薄なハウジング壁を有することを特徴とする。ポンプの運転中に、回転数信号はハウジング壁を通じて伝達される。伝達された回転数信号は、制御機器において直接的にさらに処理することができる。
【0014】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、ポンプが、制御ハウジングボディと、電動モータとの間に配置されている制御板アセンブリに配置されていることを特徴とする。この制御板アセンブリに、複数のポンプを配置することもできる。好ましくは、複数の制御板は、制御ハウジングボディと電動モータとの間に配置されている。好ましくは、各制御板に1つのポンプが配置されている。特に好ましくは、制御ハウジングボディと電動モータとの間に、夫々1つのポンプを備えた2つの制御板が配置されている。
【0015】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、電動モータが制御板アセンブリに組み付けられていることを特徴とする。電動モータは、例えば制御板アセンブリにねじで取り付けられている。
【0016】
液圧式の圧送装置のさらに別の有利な構成は、ポンプ歯車の少なくとも1つの歯が、受動的な検出素子であることを特徴とする。ポンプ歯車の歯を介したセンシング、特に回転数センシングは、追加的に受動的な回転数検出素子を必要としない、という利点をもたらす。
【0017】
さらに本発明は、上記液圧式の圧送装置を備えた電気液圧式の制御モジュールに関する。電気液圧式の制御モジュールは、好ましくは車両伝動装置の制御のために働く。液圧式の圧送装置は、車両伝動装置の液圧式の制御部における種々異なる役割用に、液圧式の体積流を形成するために働く。本発明に基づいて配置されている回転数検出素子での回転数センシングにより、液圧式の制御部の機能を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る液圧式の圧送装置を備えた電気液圧式の制御モジュールの断面図である。
【
図2】
図1に示した液圧式の圧送装置のポンプの一部分の断面図である。
【0019】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、図面に基づいて一実施の形態を詳細に説明した以下の記載から明らかになる。
【0020】
図1に、本発明の一実施の形態による液圧式の圧送装置4を備えた電気液圧式の制御モジュール(エレクトロハイドロリックコントロールモジュール)1を断面図で示す。液圧式の圧送装置4は、第1のポンプ6及び第2のポンプ8を有する。これら両ポンプ6,8は、電動モータ10により駆動されている。電動モータ10は、電気的な接続ケーブル11,12を介して電気的なエネルギ供給部に接続されている。
【0021】
さらに制御モジュール1若しくは圧送装置4は、制御ハウジングボディ16を備えた制御機器15を有する。制御ハウジングボディ16と電動モータ10との間に、第1の制御板21及び第2の制御板22を備えた制御板アセンブリ20が配置されている。両制御板21,22の間には、介在金属薄板23が配置されている。電動モータ10は、ねじ25によって、
図1の制御板アセンブリ20の上側の制御板21に取り付けられている。
【0022】
第1のポンプ6は、第1の制御板21に統合されている。第2のポンプ8は、第2の制御板22に統合されている。両ポンプ6,8は、両者とも外接歯車ポンプとして構成されていて、電動モータ10のモータ軸28により駆動されている。モータ軸28の自由端部は、クラッチ29を介して、両ポンプ6,8の共通のポンプ軸30に連結されている。
【0023】
クラッチ29は、モータ軸28の自由端部を、ポンプ軸30の
図1の上側の端部に相対回動不能に結合する。モータ軸28及びポンプ軸30は、
図1において鉛直方向に延在している共通の回動軸線33を有する。共通のポンプ軸30の
図1の下側の端部は、他のクラッチ34を介して第2のポンプ8のポンプ歯車35に連結可能か若しくは連結されている。第1のポンプ6のポンプ歯車は、共通のポンプ軸30に永続的に相対回動不能に結合されている。
【0024】
第2のポンプ8は、
図1の下方に向かって開放している第2の制御板22を閉鎖するポンプカバー38を有する。このポンプカバー38は、第2のポンプ8のクラッチ34の下側に凹部を有しており、この凹部には受動的な回転数検出素子41が自由に回動可能に配置されている。受動的な回転数検出素子41は、共通のポンプ軸30の
図1の下側の端部に相対回動不能に結合されている。
【0025】
好ましくは受動的な回転数検出素子41は、磁石として構成されていて、共通のポンプ軸30の
図1の下側の端部に不動に結合されている。受動的な回転数検出素子41は、四角形で
図1に示されている能動的な回転数素子42と電磁的に協働する。この能動的な回転数検出素子42は、制御ハウジングボディ16の比較的肉薄なハウジング壁、及びポンプカバー38の比較的肉薄な他のハウジング壁により、受動的な回転数検出素子41から分離されている。
【0026】
両ハウジング壁は、回転数信号が液圧式の圧送装置4の運転中に、受動的な回転数検出素子41から能動的な回転数検出素子42に伝達される程度に肉薄に構成されている。2つの回転数検出素子41,42は、一緒で回転数センサ装置40であり、この回転数センサ装置40によって簡単に、共通のポンプ軸30の回転数、ひいては電動モータ10のモータ軸28の回転数を検出することができる。検出された回転数信号は、制御機器15において直接的に引き続き処理することができる。
【0027】
図2から、第2のポンプ8のポンプ歯車35は、外側歯列54を備えた外接歯車として構成されていることが分かる。外接歯車35は、外接歯車ポンプとして液圧媒体を圧送するために、他の外接歯車55にかみ合う。相応に適切な能動的な回転数検出素子の使用時に、回転数センシングは、ポンプ歯車35,55の歯を介して行うこともできる。この実施の形態において、受動的な回転数検出素子は、外接歯車ポンプの少なくとも1つの外接歯車の少なくとも1つの歯又は全ての歯である。こうして追加の受動的なセンサ検出素子を省略することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 電気液圧式の制御モジュール
4 液圧式の圧送装置
6 第1のポンプ
8 第2のポンプ
10 電動モータ
11 電気的な接続ケーブル
12 電気的な接続ケーブル
15 制御機器
16 制御ハウジングボディ
20 制御板アセンブリ
21 制御板
22 制御板
23 介在金属薄板
25 ねじ
28 モータ軸
30 ポンプ軸
33 共通の回動軸線
34 クラッチ
35 ポンプ歯車
38 ポンプカバー
40 回転数センサ装置
41 受動的な回転数検出素子
42 能動的な回転数検出素子
54 外側歯列
55 外接歯車