【実施例】
【0036】
実施例1.
この実施例で製造されるレシチンオルガノゲルをオルガノゲル1と称することにする。IL州、DecaturのArcher-Daniels-Midland Companyから入手可能なYELKINS SSブランドのレシチンを、70重量%の濃度で、10%のPGE 3-4-0ブランドのポリグリセリルエステル(Polyaldo 3-4-0、NJ州、Lonzaから入手可能)、10%の高オレイン酸ヒマワリ油(TRISUN Oil、TN州、MemphisのStratas Foodsから入手可能)および5グラムのモノグリセリド(Dimodan SO/D K-A、KS州、OlatheのDaniscoから入手可能)に添加して、有機相を調製した。このポリグリセリルエステル、高オレイン酸ヒマワリ油、およびモノグリセリドの混合物中に、レシチンを室温で連続的に撹拌しながら溶解させた。
【0037】
NOVAXAN Dブランドのキサンタンガム、IL州、DecaturのArcher-Daniels-Midland Companyから入手可能な水分散性の透明なキサンタンガムを、0.75%(重量/体積)で、ULTRALEC Pブランドのレシチン、IL州、DecaturのArcher-Daniels-Midland Companyから入手可能な水分散性の粉末レシチン1%(重量/体積)、保存料、ソルビン酸カリウム0.5%と共に、室温で蒸留水に分散させて、極性相を調製した。
【0038】
この極性相を、室温で、かつ10%濃度で連続的に撹拌しながら有機相に徐々に添加した。この時点で、レシチン有機相は、ニュートン流体から、レシチンオルガノゲルとも称される粘稠なゲル相へと自然に変化した。加熱すると、このレシチンオルガノゲルは流体となり、冷却すると自己組織化してレシチンオルガノゲルへと戻り、レシチンオルガノゲルの熱可逆性を示した。
【0039】
実施例2.
この実施例で製造されるレシチンオルガノゲルを、オルガノゲル2と称することにする。IL州、DecaturのArcher-Daniels-Midland Companyから入手可能なYELKIN SSブランドのレシチンを、75重量%の濃度で、10.0%のPGE 3-4-0ブランドのポリグリセリルエステルおよび10.0%高オレイン酸ヒマワリ油(TRISUNブランドのオイル、TN州、MemphisのStratas Foodsから入手可能)に添加し、室温で連続的に撹拌しながら、レシチンをポリグリセリルエステルおよび高オレイン酸ヒマワリ油の混合物に溶解させて、有機相を調製した。
【0040】
NOVAXANブランドのキサンタンガム、IL州、DecaturのArcher-Daniels-Midland Companyから入手可能な水分散性の透明なキサンタンガムを、0.75%(重量/体積)で、ULTRALEC Pブランドのレシチン、水分散性の粉末レシチン1%(重量/体積)、保存料、ソルビン酸カリウム0.5%と共に、室温で蒸留水に分散させて、極性相を調製した。
【0041】
この極性相を、室温で、かつ5%濃度で連続的に撹拌しながら有機相に徐々に添加した。この時点で、レシチン有機相は、ニュートン流体から、レシチンオルガノゲルとも称される粘稠なゲル相へと自然に変化した。加熱すると、このレシチンオルガノゲルは流体となり、冷却すると自己組織化してレシチンオルガノゲルへと戻り、レシチンオルガノゲルの熱可逆性を示した。
【0042】
実施例3.
ケーキ体積に及ぼすレシチンオルガノゲルの影響を、既知の乳化剤系と比較した。本実施例で使用した既知の乳化剤系は、推奨された使用濃度で使用した。イエローケーキ配合物を表1に開示する。
【0043】
【表1】
【0044】
本実施例で評価した3種類の乳化剤系は、実施例1に記載のオルガノゲル1、PGME、モノ/ジグリセリド、レシチン、BHTおよびクエン酸を含むEC-25ブランドのプロピレングリコールエステル乳化剤、ならびに水和モノ/ジグリセリド、ポリソルベート60、SSL、リン酸、プロピオン酸ナトリウムおよび安息香酸ナトリウムを含むATMOS 378Kブランドの水和乳化剤ブレンド物である。
【0045】
本実施例における評価は、次の手順で実施した。ショートニングおよび乳化剤系を、速度を1にした小型Hobart製ミキサーで1分間混合し、次いで小麦粉を加えた。小麦粉をショートニングおよび乳化剤と、速度1で1分間混合し、次いで速度2で5分間混合した。砂糖、塩、ベーキングパウダーおよび脱脂粉乳を含む他の乾燥成分を加え、速度1で1分間混合した。卵と香味料を2回に分けて加え、各回の間で擦り落とした。すべての卵を加えた後、この混合物を速度2で2分間混合し、擦り落とした。第1段階の水を1分間かけて徐々に加え、速度2で2分間混合し、擦り落とした。第2段階の水を2回に分けて加え、混合し、各回の後で擦り落とした。速度1で2分間、混合物を混合し、擦り落とした。生地が入ったカップ重量を記録した。400±3グラムの生地を、用意した8インチのケーキパンに入れた。ケーキを370°Fで20〜22分間焼いた。ケーキをオーブンから出し、約30分後にパンから取り出した。ケーキを約1時間冷まし、体積の測定および袋詰めを行った。
【0046】
図1に、実施例1で作ったケーキの平均体積を平方ミリメートルの単位で示す。
図1は、レシチンオルガノゲルが、その約6倍の濃度で使用した既知の乳化剤系より良好な体積を与えることを示している。
【0047】
評価した3種類の乳化剤系のケーキにおけるテクスチャー特性は、表2に示すように、6%EC-25ブランドのプロピレングリコールエステル乳化剤を含むケーキで僅かに改善が見られたものの、非常に似通っていた。これは、おそらく、非常に高い乳化剤の濃度と、試験した各種乳化剤系の乳化剤タイプに因るものであろう。良好なケーキ体積及びテクスチャー特性は、使用したショートニングのタイプに応じた相乗的な乳化剤ブレンド物などの異なる因子から得られる。さらに、特定の液晶相中の乳化剤の機能が強化されると、脂肪の結晶性、あるいはその系における乳化剤とデンプン、砂糖または水との相互作用が変化し、それにより、配合物中に多少相乗作用が生じ得る。レシチンオルガノゲル系では、レシチンオルガノゲルがケーキに良好な通気及びテクスチャーをもたらした場合には、非常に低濃度の使用で、他のタイプの乳化剤系と同等の機能性/性能が得られたようであった。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例4.
クリームフィリングでのレシチンオルガノゲルの評価。混合ボール中で、実施例1のレシチンオルガノゲル1と実施例2のレシチンオルガノゲル2とを、120°F〜130°Fでパームショートニング中に分散させた。表3のすべての成分をボールに加え、パドルブレード(paddle blade)を低〜中の速度としたHobart製ミキサーで2.5〜3.0分間した混合した。得られたクリームフィリングの粘度を115°Fで測定した。
【0050】
【表3】
【0051】
図2に、表3にしたがって調製したパームベースのクリームフィリングの粘度を示す。粘度は、レシチンオルガノゲルを含むパームベースのクリームフィリングで著しく低下したが、これは、サンドイッチクッキーまたは他の基材上へのより広く均一な展延を可能にする。
【0052】
混合ボール中で、実施例1のレシチンオルガノゲル1と実施例2のレシチンオルガノゲル2とを、120°F〜130°Fで、エステル交換したパームショートニング中に分散させた。表3の成分をボールに加え、パドルブレード(paddle blade)を低〜中の速度としたHobart製ミキサーで2.5〜3.0分間混合した。得られたクリームフィリングの粘度を115°Fで測定した。
【0053】
【表4】
【0054】
図3に、表4にしたがって調製した、エステル交換したパームベースのクリームフィリングの粘度を示す。粘度は、レシチンオルガノゲルを含む、エステル交換したパームベースのクリームフィリングで著しく低下したが、これは、サンドイッチクッキーまたは他の基材上へのより広く均一な展延を可能にする。
【0055】
レシチンオルガノゲルを含むクリームフィリングの均一な展延性を定量化するために振動数掃引測定を行い、その結果を
図4に示す。
図4は、比較的低い振動数ではG’が常にG’’より大きく、振動数の増加に伴って、G’が減少する一方、G’’は増加し、G’’がG’よりはるかに大きくなったことを示している。損失正接(Tanδ)は、G’’に対するG’の比を表す無次元パラメータである。Tanδ<1では顕著な弾性挙動を示し、Tanδ>1の系では粘性支配の挙動を示す。パームベースのクリームフィリング(すなわち、対照)では、レシチンオルガノゲルを含有する系とは異なり、弾性から粘性への変化は非常により高い振動数で起きる。このことは、レシチンオルガノゲルを含むフィリングの展延性がより大きいことを示している。
【0056】
実施例5.
コーティングに対するレシチンオルガノゲルの評価。本実施例では、レシチンオルガノゲルを含むスプレーオイルを使用して、スナック製品への香辛料および香味料の付着性を改善するレシチンオルガノゲルの機能を開示する。このプロセスは、オイルの油気を減少させ、成膜性を向上させたものであり、これにより、スナック製品を消費する際の、人の指への香辛料および/または調味料の付着が防止される。既知のプロセスでは、人の指に調味料および/または香辛料が付着しないようにするために、デンプンベースの保護層がしばしば設けられているが、これは加工の工程数および製造コストを増加させる。
【0057】
本実施例は、レシチンオルガノゲルを含むオイルが、スナック製品への香辛料および/または調味料の良好な付着を維持し、スナック製品を入れた袋内に残る香辛料および/または調味料を少なくし、かつ消費中に人の指に付着する香辛料および/または調味料の量を減らす能力を有していることを示すものである。レシチンオルガノゲルを含むオイルはまた、極性(例えば、アスコルビン酸、クエン酸または緑茶抽出物)および非極性(例えば、トコフェロール)の抗酸化剤を保持することができる。この利点は、オイルの酸敗による異臭の生成を抑制することによって、コーティングしたスナックの香味の安定性を強化する。
【0058】
オルガノゲル1およびオルガノゲル2をそれぞれ含む2種類の加熱したオイル(120°〜140°F)をヘルシーな押出しした豆チップにゆっくりとスプレーし、このオイル/オルガノゲルをコーティングしたチップ上にバーベキュー調味料/香辛料混合物を均一に振りかけた。この工程は邪魔板を備えた回転タンブラーを使用して行った。対照および処理物に確実に均一なコーティングがなされるように、オイルの塗布と調味料の塗付との間、タンブラーを1分間回転させ続けた。処理は、5%のレシチンオルガノゲル1またはオルガノゲル2の添加を含んだ。
【0059】
コーティングしたスナックを秤量し、茶色の紙袋に入れ、所定の時間、振盪した。コーティングしたスナックを袋から皿に移し、袋を秤量した。表5に袋の秤量結果を示す。重量変化が少ないほど、香辛料および/または調味料のチップへの付着は良好である。
【0060】
【表5】
【0061】
オイル/レシチンオルガノゲルでコーティングしたスナックは、オイル単独でコーティングした対照のコーティングスナックより、振盪後の残留物が40%少なかった。
【0062】
実施例6.
パイ生地におけるレシチンオルガノゲルの評価
【0063】
表6に開示のように、ロールイン用ショートニングを調製した。処理1〜3では、ロールインの20%を溶融して、レシチンオルガノゲルと合わせ、均一に混合した。レシチンオルガノゲルを含む20%のロールイン用ショートニングを、残りの80%のロールイン用ショートニングと合わせ、N 50 Hobartミキサー内で5分間混合し、全ロールイン用ショートニング中にレシチンオルガノゲルが十分に均一に分布するようにした。油脂ブレンド物を平らに伸ばし、パイ生地を製造する前に、室温で終夜静置して、油脂ブレンド物を完全に結晶化させ、かつ平衡化させた。
【0064】
パイ生地を次のように製造した。小麦粉を塩と合わせた。4℃の水冷ジャケットを備えたMcDuffy製ミキサーに冷水を加えた。この生地を第1の速度で3分間、および第2の速度で4分間混合した。次いで、生地を、継ぎ目を底にして長方形に成形し、小麦粉を振ったテーブルの上に置き、20分間休ませた。ロールイン用ショートニングを厚さ約5〜7mmの長方形に成形し、ロールイン用ショートニングと同じ厚さのシートに伸ばした。ショートニングは、シートに伸ばした生地の約2/3を覆うことになる。生地の端部をロールイン用ショートニングの周りに引き寄せ、ロールイン用ショートニングで覆われずに残っている生地でロールイン用ショートニングの約1/2を覆った。露出したロールイン用ショートニングを有する生地の残りの1/2を、生地の上面に折り重ねて封じた。生地を裏返し、シートに伸ばし、30−27−24−21−18−15−12−10−9へと薄くした。1/3を折り曲げ、残りの1/2をその上に折り重ねることによって、単一の三重折を行った。生地/ロールイン用ショートニングをプラスチックで覆って、50°Fで20分間休ませた。この休ませた生地/ロールイン用ショートニングをシートに伸ばし、30−27−24−21−18−15−12−10−9−8−7−6へと薄くした。1/4を折り曲げ、残りの3/4を1/4に向けて折り曲げて突き合わせ、半分に折り畳むことにより、二重本折を行った。折り畳んだ生地/ロールイン用ショートニングをプラスチックで覆って、50°Fで20分間休ませた。生地を裏返し、シートに伸ばし、30−27−24−21−18−15−12−10−9へと薄くした。1/3を折り曲げ、残りの1/2をその上に折り重ねることによって、単一の三重折を行った。生地をプラスチックで覆って、50°Fで20分間休ませた。生地をシートに伸ばし、30−27−24−21−18−15−12−10−9−8−7−6へと薄くした。1/4を折り曲げ、残りの3/4を1/4に向けて折り曲げて突き合わせ、そして半分に折り畳むことにより、二重本折を行った。生地をプラスチックで覆って、50°Fで60分間休ませた。
【0065】
【表6】
【0066】
図5に、パイ生地角の高さを示すが、それは、レシチンオルガノゲルを含むパイ生地が、レシチンオルガノゲルを含むショートニングの積層性能を高め、得られるパイ生地の高さを増加させることを示している。
【0067】
実施例7.
オイル濃度を変えた場合のパームロール油脂の構造化/置換への影響を固形油脂の含有率及びレオロジーにより決定した。ロールイン用パームショートニングの10、20および30%のオイルを置換して、それぞれ10、20および30%の飽和物低減を行った。本実施例の各研究は、オイル中に2%のレシチンオルガノゲルを使用して行った。
【0068】
Bruker Minispec mp 20パルスニュークリアNMR装置を使用して、固形油脂含有率(SFC)を測定した。試料(2.7±0.1g)はSFCチューブ中(各処理につき8本)で溶融させた。約70℃に達するまで、電子レンジ中で試料を1〜2分間加熱した。すべての試料を60℃のブロック中に20分間放置し、その後0℃のブロック中に1時間置いて冷却固化させた。試料を10℃、20℃、25℃、27.5℃、30℃、32.5℃、35℃および40℃の個々のブロック(8試料/処理、連続的に実施)中に30〜35分間入れておいた。データを記録し、レシチンオルガノゲルを含まない対照のロールイン用パーム油脂と比較した。
【0069】
図6に、対照および2%レシチンオルガノゲルの固体油脂含有率対温度を示す。
【0070】
ロールイン用パーム油脂およびその植物油置換物のレオロジーをInstrument AR2000exにより測定した。直径40mm、2度のコーンを有するコーンおよびプレートの幾何学的形状を使用した。振動掃引は、25℃、0.1〜500の角振動数(rad/s)、12%の歪みで行った。貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)およびTanデルタの値を得た。すべての試料について2回分析した。
【0071】
図7に、飽和物を20%および30%低減した状態での、レシチンオルガノゲルの存在下におけるロールイン用パーム油脂について振動数の関数としてG’およびG’’を示す。
図7は、全ての試料で、振動数の増加と共に、G’およびG’’が大きくなることを示している。ロールイン用パーム油脂およびそれらのブレンド物の振動数依存性は、ある種の粘弾性固体様の挙動を示すものである。さらに、全ての試料の研究で、G’’は常にG’より高く、弾性固体とは反対の粘性支配の性質を示した。しかしながら、G’とG’’との差が小さくなるほど、その系がより構造化されることを示している。
【0072】
図8に、ロールイン用パーム油脂について飽和物を20%および30%低減したものでの25℃におけるtanδを振動数の関数として示す。
【0073】
振動数掃引法では、G’は変形1サイクル当たりの貯蔵および回収されたエネルギーの尺度であり、粘弾性材料の弾性成分を反映する。G’’は1サイクル当たりの失ったエネルギーの尺度であり、粘性成分を反映する。20%および30%の油脂低減のいずれの場合も、貯蔵および損失弾性率は低振動数で対照より低くなり、軟らかい液体により近い挙動が得られる。ロールイン用パーム油脂では、比G’’/G’であるtanデルタは、高い振動数領域で、飽和物低減処理物の場合よりはるかに高かった。このことは、2%のレシチンオルガノゲルの存在下において、20%および30%の飽和物低減物が、相対的により固体様構造を有していることを示している。
【0074】
実施例7.
表7の調合を使用し、実施例1のオルガノゲル1を用いてパイ生地を作った。表7のように、対照は、100%のパーム油を含み、3種の配合物は、パーム油の一部を2%のオルガノゲル1及び10、20および30%の大豆油(SBO)で置換した。すべての油脂系は、ステアダウン(stir-down)プロセスを用いてボテーション(votation)を模擬して調製した。オルガノゲル1を含む3種の配合物で、積層性能の向上が認められた。
【0075】
【表7】
【0076】
図9は、本実施例で製造したパイ生地角の高さを示し、本発明のオルガノゲルを含むパイ生地では、オルガノゲルは、パーム油の10〜30%置換によりショートニングの積層性能が向上していることからも明らかなように、オイルに対する構造化剤(structurant)として作用し得ることを示している。
【0077】
実施例8.
高オレイン酸オイルでピタチップをコーティングして対照とし、また実施例1のオルガノゲル1を5%含有し、200ppmのアスコルビン酸および200ppmの緑茶抽出物を抗酸化剤として充填したオイルでピタチップをコーティングした。抗酸化剤はオルガノゲルに充填した。チップの酸化安定性指数(OSI)時間を使用して、食品安定性分析装置による6か月間の安定性を測定した。食品安定性分析装置(FSAまたはOSI−II)は、脂質系の酸化安定性に対する食物系全体(タンパク質、酸、水などの)の影響を分析するために使用することができる。食品安定性分析装置は、試料ビンの上部空間からの酸素の吸収速度を測定し、酸化の程度/速度を定量化するものである。食品安定性分析装置のセルに充填する前に、予め秤量した所定量のピタチップ試料を粉砕した。対照のピタチップおよび抗酸化剤を充填したオルガノゲルでコーティングしたピタチップのOSIを、
図10に示す。
【0078】
抗酸化剤の存在は、コーティングに使用したオイル中のオルガノゲルに極性抗酸化剤を充填することにより、ピタチップの保管期限を延長できることを示している。
【0079】
実施例9.
表8の調合を使用してクリームフィリングを製造し、本発明のオルガノゲルの飽和脂肪低減能力を評価した。本実施例では、実施例1のオルガノゲル1を使用した。
【0080】
【表8】
【0081】
Oakes Mixer(実験室用型式2MBT1A)によりクリームフィリングを処理した。Oakes Mixerは、ポンプへの重力供給ホッパーを使用している。クリームフィリングは、仕上がり比重目標値0.60〜0.65となるように処理した(ミキサーの設定は、ローター速度を約1000rpm、ポンプ速度を約30rpm、風量計を約150、背圧を約60〜75psiとして、目標の比重が得られるように調節した)。官能評価用にクリームフィリングをフィンガーケーキとして押出し、各クリームフィリングについて30℃と35℃で滲出試験を行った。ショートニングはステアダウンによるボテーションについて模擬し、該ステアダウンを用いて飽和物を12.5%、25%および33%低減したショートニングを製造した。対照試料は、極めて高粘度で、硬く、フィンガーケーキに押出すのは困難であった。飽和物を低減したオルガノゲルを含むクリームフィリングは、処理がより容易であり、フィンガーケーキの32日間の全保管期間で、オルガノゲルを使用して製造したクリームフィリングには、油の滲出は全く観察されなかった。
【0082】
実施例10.
本発明のオルガノゲルのオイルを構造化する能力を評価した。ベース原料としてパームステアリンを使用し、大豆油(SBO)との中率および高率のブレンド物を調製した。対照では、SBO:パームステアリンを75:25とした。75%SBO、20%パームステアリンおよび5%の実施例1のオルガノゲル1からなる中率ブレンド物、ならびに70%SBO、25%パームステアリンおよび5%の実施例1のオルガノゲル1からなる高率ブレンド物を、ステアダウンを行ってボテーションプロセスを模擬して製造した。
【0083】
固形油脂含有率(SFC)曲線を
図11に、NMRで測定した固化速度を
図12に示す。オルガノゲルを含むパームステアリンブレンド物の固化速度は、初期には結晶化速度が遅く、時間を経るにしたがい、対照を超えるようになる。オルガノゲルを含むこれらのブレンド物中のパームステアリンの変化は固化速度とは何ら関係がないようであり、このことはある程度の構造化を示している。
【0084】
オルガノゲルを含むパームステアリンブレンド物の粘度曲線を
図13に示す。
【0085】
冷却固化の影響を評価するために、開始時、3日目、7日目、14日目および21日目に粘度のデータを監視した。オルガノゲル添加物では後結晶化(post crystallization)は観察されなかった。ステアリン:SBO比が75:25と同量のパームステアリンでは、オルガノゲルを含むブレンド物は、構造化がより進んでおり、液体オイルと油脂系の間の架橋によって、オルガノゲルが液体オイルと結合していることを示している。
【0086】
図14は、オルガノゲルを含むステアリンブレンド物の偏光顕微鏡検査(PLM)を示しており、微小でかつ系に良好に分散された球晶構造が示されている。球晶が小さいほど、表面積は大きくなり、かつ液体オイルとの相互作用が大きくなり、これにより、オルガノゲルの存在下にオイルとの良好な結合性がもたらされる。表面積の大きいオルガノゲル自身の自己組織化したリオトロピック液晶構造もオイルとの良好な結合特性を有し得る。
【0087】
いくつかの代表的な実施形態、組成物およびそれらの使用について、本発明を説明してきた。しかしながら、本発明の真意及び範囲から逸脱することなく、任意の代表的実施形態のさまざまな置換、変更または組み合わせをなし得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、代表的な実施形態の説明によって限定されることはなく、出願時の添付の請求の範囲により限定される。