特許第5901626号(P5901626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000002
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000003
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000004
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000005
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000006
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000007
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000008
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000009
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000010
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000011
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000012
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000013
  • 特許5901626-血液ろ過のための使い捨てコネクタ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901626
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】血液ろ過のための使い捨てコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
   A61M1/14 593
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-517168(P2013-517168)
(86)(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公表番号】特表2013-530762(P2013-530762A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】EP2011060314
(87)【国際公開番号】WO2012004123
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年2月27日
(31)【優先権主張番号】10168559.2
(32)【優先日】2010年7月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599117152
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルト レイター
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ フィニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ヴァイアーノ
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−001894(JP,A)
【文献】 特開2009−006164(JP,A)
【文献】 特開昭59−155255(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0093571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血液の血液ろ過治療または血液透析ろ過治療を実行するための装置(18)の置換ポート(180)の係合に適しているコネクタ(20)であって、
ダクト(220)を画成する硬質の本体(22)と、
前記本体(22)の端部に取り付けられる軟質要素(24)と、を備え、
前記軟質要素(24)は、前記ダクト(220)を塞ぐと共に弁機能を果たす膜(240)と、前記ダクト(220)の半径方向外側に延在するシール部(242)とを備え、
前記本体(22)は、端部の近くのアンダーカット(224)、および半径方向外側に延在する軸ショルダー(226)を備え、
前記軟質要素(24)は、軸端部(246)、および内側に突出するラジアルステップ(244)を備え、
前記軟質要素(24)が前記本体(22)の端部に強制的に取り付けられた際、前記軟質要素(24)の前記軸端部(246)は前記軸ショルダー(226)と接触し、前記ラジアルステップ(244)は前記アンダーカット(224)に係合し、それ故に、前記軟質要素(24)と前記本体(22)との間に形状連結がある、コネクタ(20)。
【請求項2】
前記コネクタ(20)は概してL字型であり、前記本体(22)によって画成される前記ダクト(220)もL字型であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ(20)。
【請求項3】
前記装置(18)の前記置換ポート(180)は、置換液のための供給チャネルを画成する内部コーン(184)と、前記内部コーン(184)の周囲の保護空間(188)を画成する同軸の外部スリーブ(182)とを備える、請求項1または請求項2に記載のコネクタ(20)。
【請求項4】
前記膜(240)は、閉じた形態または開いた形態を交互にとるのに適している、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項5】
前記膜(240)は、静止時、すなわち、それに如何なる力も直接作用していないときに、閉じた形態をとる、請求項4に記載のコネクタ(20)。
【請求項6】
前記膜(240)は、それを開いた形態にさせる前記内部コーン(184)を原因として、前記置換ポート(180)への前記コネクタ(20)の係合の後、開いた形態をとる、請求項3に記載のコネクタ(20)。
【請求項7】
開いた形態において、前記膜(240)は前記内部コーン(184)の外壁に密着し、それ故に、前記保護空間(188)から前記ダクト(220)を遮断する、請求項3または請求項6に記載のコネクタ(20)。
【請求項8】
前記膜(240)は、直径スロット(241)を含む、請求項1から請求項7の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項9】
前記膜(240)は、Y字型スロット(241)を含む、請求項1から請求項7の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項10】
前記シール部(242)は、外部環境から前記保護空間(188)を遮断するように、前記置換ポート(180)の前記外部スリーブ(182)の内壁に接触することを意図される、請求項3、請求項6、請求項7の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項11】
前記軟質要素(24)における、前記ラジアルステップ(244)と前記軸端部(246)との間の距離Dは、前記シール部(242)と前記軸端部(246)との間の距離dよりも、長いか等しい、請求項1から請求項10の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項12】
前記本体(22)の接触領域(228)、および前記軟質要素(24)の接触領域(248)は、ポリッシング表面またはラッピング表面を有する、請求項1から請求項11の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項13】
前記ダクト(220)の両端部を塞ぐのに適しており、使用前に取り外されることを意図される2つのキャップ(26、28)を、さらに備える、請求項1から請求項12の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項14】
前記ダクト(220)の端部を塞ぐのに適しており、使用前に取り外されることを意図される、キャップ(26)をさらに備え、
前記ダクトの他端部は、開放されており、そこへ接着される送達チューブを受けるのに適している、請求項1から請求項10の何れか1項に記載のコネクタ(20)。
【請求項15】
患者の血液の血液ろ過治療又は血液透析ろ過治療を実行するための装置(18)の置換ポート(180)に係合する、請求項1から請求項14の何れか1項に記載のコネクタ(20)を備えるアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療用に使用されることを目的とする使い捨てコネクタに関し、特に、血液ろ過治療および/または血液透析ろ過治療に使用されることを目的とするコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析治療は体外血液循環を必要とする。血液回路は、患者から血液透析装置へ血液を供給することを目的とするアウトチューブを備える。血液透析装置では、老廃物を除去するために血液がフィルターに通される。血液回路は、血液透析装置から患者へ戻る、ろ過された血液を供給することを目的とするインチューブをさらに備える。
【0003】
最近の血液透析装置のほとんどは、いわゆる血液ろ過治療および/または血液透析ろ過治療を実行するためにも設計される。血液ろ過治療は、血液からいくらかの老廃水の除去を意味し、それに応じて、血液ろ過治療は、食塩溶液、すなわち、いわゆる置換液の追加によって、除去を埋め合わせることも必要とする。そのような治療が従来の血液透析と組み合わされ、いわゆる血液透析ろ過治療が得られる。以下において、便宜上、「血液ろ過」という用語は、実際の血液ろ過治療および血液透析ろ過治療の両方を表す。
【0004】
そのような最近の血液透析装置は、患者に向けられる血流の中に置換液を供給することを目的とする置換ラインをさらに必要とする。いくつかの装置、例えば、特許文献1に開示されるものによれば、置換ラインは水システム(図1参照)から得られる。具体的には、水システムから来る水は、装置自体によって限外ろ過処理を受ける。そして、限外ろ過された水に塩が溶かされる。これは、置換液として使用できる生理溶液にするために必要とされる。それ故に、装置は、置換液を供給することを目的とするポート(図2および図3に詳細に示されている)を備える。
【0005】
使い捨てチューブセットの置換ラインは、使い捨てコネクタによって、装置の置換ポートに接続されることを必要とする。先行技術に従った使い捨てコネクタは図4および図5に示される。そのような先行技術のコネクタは、幅広く使用されており、高く評価されているが、欠陥がないわけではない。それは、本体、固定ねじ、Oリングシール、およびスロットのある膜、の4つの異なる構成要素を備える。さらに、先行技術のコネクタは、少なくとも1つの取り外し可能なキャップ、または図4に示される最も複雑な型の2つの取り外し可能なキャップ、を備える。本体および固定ねじは、通常は、ポリカーボネートまたは医療上の使用に適している他の硬質材料から得られる。Oリングシールおよびスロットのある膜は、通常は、シリコーンまたは医療上の使用に適している他の軟質材料から得られる。
【0006】
既知の種類の使い捨てコネクタの組み立ては、膜がショルダーに着座するまで、本体のダクトに沿って得られるそのシートに、膜が挿入されることを必要とする。そして、固定ねじも、膜と接触するまで、同じダクトに沿って挿入される。そして、本体および固定ねじは、定位置にシリコーン膜を保持するように、超音波溶接によってともに結合される。そして、既知のコネクタの組み立ては、Oリングシールを、そのシールまで本体に沿って滑らせ、場合によっては、2つのキャップをかぶせることによって、終了される。
【0007】
当業者によって容易に理解しうるように、先行技術のコネクタはとても複雑であり、比較的高価である。コネクタの全体のサイズに対して比較的多い部品数は、時間のかかる組み立てを必要とする。さらに、超音波溶接工程は、専用器具および有資格の人材の両方を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2059279号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故、本発明の目的は、血液ろ過治療のための既知のコネクタに関して明らかにされた欠点を、少なくとも部分的に解決することである。
【0010】
本発明の課題は、単純な構造、すなわち、既知のものに対して、より少ない構成要素で作られる構造を有する使い捨てコネクタを提供することである。本発明の他の課題は、使い捨てコネクタの製造および組み立てのコストを減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的および課題は、請求項1に従った使い捨てコネクタによって達成される。
【0012】
本発明の特徴および更なる有利な点は、添付図面の参照と共に、表示および非限定の目的のために与えられたいくつかの実施形態の以下の説明から、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】患者の血液の血液ろ過治療に使用される、血液ろ過装置および関連体外回路を示す概略図である。
図2図1の血液ろ過装置の置換ポートを概略的に示す側面断面図である。
図3】異なる構成における図2のポートを示す概略図である。
図4】接続していない構成における先行技術に従ったコネクタを概略的に示す断面図である。
図5】血液ろ過装置に接続した図4のコネクタを概略的に示す断面図である。
図6】接続していない構成における本発明に従ったコネクタを概略的に示す断面図である。
図7】血液ろ過装置に接続した図6のコネクタを概略的に示す断面図である。
図8図4のコネクタを示す分解側面図である。
図9図6のコネクタを示す分解側面図である。
図10】本発明に従ったコネクタの細部を示す概略図である。
図11】本発明に従ったコネクタの細部を示す概略図である。
図12】本発明の異なる実施形態に従ったコネクタを概略的に示す断面図である。
図13】本発明の異なる実施形態に従ったコネクタを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、符号20は、血液ろ過装置18の置換ポート180への係合に適している使い捨てコネクタを示す。コネクタ20は、ダクト220を画成する硬質の本体22と、本体22の端部に取り付けられた軟質要素24とを備える。本発明に従ったコネクタ20において、軟質要素24は、ダクト220を塞ぎ且つ弁機能を果たす膜240と、ダクト220の外側へ半径方向に延在するシール部242とを備える。
【0015】
添付した図において、同じ符号は、本発明に従ったコネクタにも先行技術に従ったコネクタにも、同一または類似の機能を有する構成要素のために使用される。
【0016】
本体22は、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)、無可塑ポリ塩化ビニル(uPVC)または医療上の使用に適している他の硬質材料から、好ましくは得られる。軟質要素24は、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)または医療上の使用に適している他の軟質材料から、好ましくは得られる。
【0017】
添付した図6、7、9および図12に示される実施形態によれば、本発明に従ったコネクタ20は、概して、L字型である。具体的に、特に図6を参照して、本体22によって画成されるダクト220は、L字型であり、主軸Xおよび副軸Yを有する。一方、添付した図13に示される実施形態によれば、本発明に従ったコネクタ20は、真っすぐな形状を有する。具体的には、本体22によって画成されるダクト220は、真っすぐな形状を有し、1つの軸Xだけを有する。以下の説明において、主にX軸が参照される。従って、明確な逆の記述の場合以外、「軸」という用語は、軸Xに平行する直線方向のことをいい、「半径方向」という用語は、軸X上にその原点を有しそれに垂直な半直線の方向のことをいい、「円周」という用語は、軸X上にその中心を有し、それに垂直な平面上に存在する円周の方向のことをいう。
【0018】
図2および図3において理解され得るように、装置18のポート180は、内部コーン184と、同軸の外部スリーブ182とを備える。内部コーン184は置換液のための供給チャネルを画成する。一方、外部スリーブ182は内部コーン184の周囲に保護空間188を画成する。外部スリーブ182は、血液ろ過治療のための準備段階の間に使用されるドレーンチャネル186をさらに画成する。そのような段階は、図3に概略的に示され、これにおいてポート18が適切な栓によって閉じられている。そのような状況において、装置18から来る置換液は、内部コーン184の外壁と外部スリーブ182の内壁との間で循環させられ、それから、ドレーンチャネル186を通って流れ出る。そのような循環は、接続の衛生を確実にするように、ポート180の正確な洗浄を許容する。
【0019】
使い捨てコネクタ20のいくつかの実施形態によれば、膜240は、閉じた形態または開いた形態を交互にとるのに適している。特に、膜240は、好ましくは、自然状態において、または静止時に、すなわちそれに如何なる力も直接作用していないときに、閉じた形態をとる。この点について図6を参照されたい。これにおいて、コネクタ20は装置18から分離され、取り外されて示されている。
【0020】
一方で、膜240は、特にコネクタ20が係合されたポート180の特有の形態に起因して、装置18へのコネクタ20の係合の後、開いた形態をとる。この点について図7を参照されたい。これにおいて、コネクタ20はポート180と係合して示されている;内部コーン184が膜240を押し、それを開いた形態にすることが分かる。そのような状態において、コネクタ20のダクト220は、内部コーン184によって画成された供給チャネルの延長線上になる。さらに、開いた形態において、膜240は内部コーン184の外壁に密着して、それ故に、空間188から供給チャネルを遮断する。膜240に作用するすべての力を取り除く、ポート180からのコネクタ20の一連の離脱は、膜240をその閉じた形態に自発的に戻し、それ故ダクト220を閉じる。
【0021】
例えば図6、7、9および図13に示される本発明のいくつかの実施形態によれば、膜240は単純な直径スロット241を含む。例えば図10、11および図12に示される本発明の他の実施形態によれば、膜240はY字型スロット241、すなわち、膜の中心から半径方向に延在する3つの切り込みによって形成され、1つの切り込みが他の切り込みから120度の間隔を空けられる、スロットを含む。
【0022】
上記のように、軟質要素24は、装置18のポート180と協働することを意図されたシール部242も備える。特に、シール部242は、外部環境から空間188を遮断するように、外部スリーブ182の内壁と接触することを意図される。
【0023】
コネクタ20と装置18のポート180との係合は、シール部242と外部スリーブ182の内壁との間の僅かな干渉を引き起こす。シール部242がどんな接触もない図9および図11にて理解されるように、シール部242は半径方向外側に延在しており、実質的に半円形の断面を有する。一方、図7において、シール部242は外部スリーブ182の内壁によって圧縮され、シール部242はより小さい半径方向の伸長、および押しつぶされた断面、を有する。
【0024】
添付した図に示された実施形態によれば、特に図9を参照すると、本体22は、アンダーカット224と、半径方向外側に延在する軸ショルダー226とを備える。アンダーカット224は、軟質要素24が取り付けられる本体22の端部の近くに設けられる。相補的に、軟質要素24は、内側に突出するラジアルステップ244を備える。軟質要素24が本体22の端部に強制的に取り付けられたとき、軟質要素24の軸端部246はショルダー226と接触し、ラジアルステップ244はアンダーカット224と係合する。そのような方法において、軟質要素24と本体22との間に形状連結(shape coupling)が確立される。
【0025】
形状連結は、コネクタ20の使用の間、コネクタ20が、しっかりと組み立てられたままであることを確実にする。いくつかの実施形態によれば、そのような連結は、軟質要素24の特有な形によって、または接触面の仕上げによって、またはその両方によって、さらに強化される。
【0026】
特に、連結は、軸端部246に対する、ラジアルステップ244の相互位置によって、およびシール部242の相互位置によって、強化されうる。図11において理解されるように、ラジアルステップ244と軸端部246との間の距離Dは、シール部242と軸端部246との間の距離dよりも長いか、等しい。コネクタ20がポート180に係合されたとき、距離Dと距離dとの間の特有の関係は、ラジアルステップ224がその変形によりアンダーカット224から離脱するあらゆる可能性を防止するために、外部スリーブ182によってシール部242にかけられた半径方向圧力を利用することを許容する。
【0027】
本体22と軟質要素24との間の連結は、互いに接触する夫々の表面の仕上げによっても強化されうる。特に、とても滑らかな表面仕上げは、2つの表面の間に強い密着を引き起こす。従って、本体22の接触領域228(図9参照)、および軟質要素24の接触領域248(図11参照)は、とても滑らかな表面、すなわち、ポリッシング処理された表面、またはラッピング処理された表面を有する。当業者に十分に理解されるように、本体22および軟質要素24はプラスチック材料でできているので、ポリッシング処理および/またはラッピング処理は、それぞれ単一のプラスチック片上よりもむしろ、型の夫々の領域上で実際には実行される。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、コネクタ20は、夫々符号26および28を付された1つまたは2つのキャップを、さらに備える。ダクト220の端部を塞ぐのに適した、そのようなキャップは、使用前に取り外されることを意図されている。図6はキャップ26および28を両方備えるコネクタ20を示す。図7は、ポート180に係合し、キャップ28をまだ有している、図6のコネクタ20と同じものを示す。図12は、キャップ26だけが設けられているコネクタ20の異なる実施形態を示す。従って、ダクト220の他端部は開放される。特に、ダクト220の他端部は、そこに接着される送達チューブを受けるのに適している。
【0029】
上記説明を考慮して、本発明が先行技術に関して指摘される欠点のほとんどを克服することを、当業者は容易に十分理解するだろう。特に、本発明は、単純な構造を有する使い捨てコネクタ、すなわち、既知のものに対して、より少ない構成要素から作られる使い捨てコネクタを提供する。これは、本発明に従ったコネクタの分解図を示している図9と、先行技術に従ったコネクタの分解図を示している図8との比較によって、さらに十分理解されうる。結果的に、本発明は、使い捨てコネクタの製造および組み立てのコストを減らす。実際のところ、本発明に従ったコネクタの組み立ては、本体22に軟質要素24を取り付けることを、単に必要とする。
【0030】
当業者は、添付された特許請求の範囲の範囲から離れることなく、特有の要件を満たすために、同等の構成要素を有する記載された構成要素の改良および/または交換を、上記本発明に従ったコネクタの実施形態にもたらすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13