(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1構造体は、前記第1分離膜の第1周面上で互いに離隔して延び、前記第2構造体は、前記第1周面に逆になる前記第1分離膜の第2周面上で互いに離隔して延びることを特徴とする請求項1に記載の電極組立体。
前記第1分離膜は、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜のうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の電極組立体。
第1方向に延びた複数の纎維状の第1構造体、及び前記第1構造体と同一極性を有し、前記第1構造体と交差するように、前記第1方向とは異なる第2方向に延びた複数の纎維状の第2構造体を含む第1電極と、
第3方向に延びた複数の纎維状の第3構造体、及び前記第3構造体と同一極性を有し、前記第3構造体と交差するように、前記第3方向とは異なる第4方向に延びた複数の纎維状の第4構造体を含む第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極とを離隔させる第1分離膜と、を備え、
前記第1及び第2構造体のグループと、第3及び第4構造体のグループのうちいずれか一つのグループにのみ選択的に、固体電解質層をさらに備えることを特徴とする電池の電極組立体。
前記第1電極と前記第2電極は対称にならないように、前記第1電極と第2電極は、回転配置またはオフセット配置されることを特徴とする請求項15に記載の電極組立体。
前記第1及び第2構造体は、横糸及び縦糸として互いに交差し、前記第3及び第4構造体は、横糸及び縦糸として互いに交差することを特徴とする請求項15に記載の電極組立体。
前記分離マトリックスは、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜のうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項19に記載の電極組立体。
前記分離マトリックス内に、前記第1平面と平行に離隔した第2平面上で、前記第1及び第2構造体と交差するように、横糸及び縦糸として互いに交差する複数の纎維状の第3構造体及び第4構造体をそれぞれ含む第2正極及び第2負極をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の電極組立体。
前記第1構造体と同一極性を有し、前記第1構造体と交差するように、前記第1方向と異なる第2方向に延びた複数の纎維状の第2構造体を含む第3電極をさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の電極組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エネルギー密度が高いだけでなく、充放電効率、充放電速度及びサイクル特性に優れており、さらに、形状の変化と容量の調節が容易な電池が得られる電極組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態による電池の電極組立体は、第1方向に延びた複数の纎維状の第1構造体を含む第1電極と、前記第1方向と異なる第2方向に延び、前記第1構造体の極性と逆極性を有する複数の纎維状の第2構造体を含む第2電極と、互いに交差する前記第1構造体と前記第2構造体との間に配置されて、前記第1構造体と前記第2構造体とを離隔させる第1分離膜と、を備える。
【0006】
前記第1構造体は、前記第1分離膜の第1周面上で互いに離隔して延び、前記第2構造体は、前記第1周面に逆になる前記第1分離膜の第2周面上で互いに離隔して延びる。一部の実施形態において、前記電極組立体は、前記第1分離膜の前記第1周面上で、前記第1構造体と
交互に位置しつつ、前記第1方向に延び、前記第1構造体の極性と逆極性を有する複数の纎維状の第3構造体を含む第3電極と、前記第1分離膜の前記第2周面上で、前記第2構造体と
交互に位置しつつ、前記第2方向に延び、前記第2構造体の極性と逆極性を有する複数の纎維状の第4構造体を含む第4電極とをさらに備え、互いに交差する前記第3構造体と前記第4構造体は、前記第1分離膜により離隔する。
【0007】
また、前記第1ないし第4構造体は、前記第1分離膜の前記第1または第2周面の内部に少なくとも一部が埋め込まれる。また、電極組立体は、前記第1分離膜上に積層されて、多層構造を形成する少なくとも一つ以上の第2分離膜と、前記第1分離膜と接触する境界面と逆になる前記第2分離膜の他の周面上に延び、前記境界面の構造体の極性と逆極性を有しつつ交差する複数の纎維状の第3構造体を含む第3電極と、をさらに備える。
【0008】
他の実施形態において、電極組立体は、前記第1分離膜上に積層されて、多層構造を形成する少なくとも一つ以上の第2分離膜と、前記第1分離膜と接触する境界面と逆になる前記第2分離膜の他の周面上に延び、前記境界面の構造体の極性と逆極性を有しつつ交差する複数の纎維状の第5構造体を含む第5電極と、前記第2分離膜の前記他の周面上で、前記第5構造体の極性と逆極性を有しつつ
交互に位置して延び、前記境界面の前記構造体と交差する複数の纎維状の第6構造体を含む第6電極と、をさらに備える。また、前記第1ないし第6構造体は、前記第1及び第2分離膜の周面の内部に少なくとも一部が埋め込まれる。
【0009】
さらに他の実施形態において、前記第1及び第2構造体は、前記第1分離膜を往復貫通する横糸及び縦糸として互いに交差する。前記第1及び第2構造体は、それぞれ集電体コアと、前記集電体コアを取り囲む活物質層とを備える。また、電極組立体は、前記第1及び第2構造体のうちいずれか一つにのみ選択的に、前記活物質層を取り囲む固体電解質層をさらに備える。
【0010】
前記構造体の厚さは、400μmないし2000μmであり、前記構造体間の間隔は、2μmないし400μmである。また、前記構造体間の間隔は、前記構造体の厚さより小さい。前記第1分離膜は、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜のうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせを含む。前記電極組立体は、一次電池用または二次電池用である。
【0011】
前記課題を解決するための本発明の他の実施形態による電池の電極組立体は、第1方向に延びた複数の纎維状の第1構造体、及び前記第1構造体と同一極性を有し、前記第1構造体と交差するように、前記第1方向とは異なる第2方向に延びた複数の纎維状の第2構造体を含む第1電極と、第3方向に延びた複数の纎維状の第3構造体、及び前記第3構造体と同一極性を有し、前記第3構造体と交差するように、前記第3方向とは異なる第4方向に延びた複数の纎維状の第4構造体を含む第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とを離隔させる第1分離膜と、を備える。
【0012】
一部の実施形態において、前記第1電極と前記第2電極は対称にならないように、前記第1電極と第2電極は、回転配置またはオフセット配置される。また、前記第1及び第2構造体は、横糸及び縦糸として互いに交差し、前記第3及び第4構造体は、横糸及び縦糸として互いに交差する。前記第1及び第2構造体は、それぞれ集電体コアと、前記集電体コアを取り囲む活物質層とを備える。一部の実施形態において、電極組立体は、前記第1及び第2構造体のグループと、前記第3及び第4構造体のグループのうちいずれか一つのグループにのみ選択的に、固体電解質層をさらに備える。
【0013】
前記課題を解決するための本発明のさらに他の実施形態による電池の電極組立体は、分離マトリックスと、前記分離マトリックスを貫通して、前記分離マトリックス内の第1平面上で第1方向に延び、互いに離隔した複数の纎維状の第1構造体を含む第1電極と、前記分離マトリックスを貫通して、前記分離マトリックス内の前記第1平面と平行に離隔した第2平面上で、前記第1構造体と交差するように、前記第1方向と異なる第2方向に延びた複数の纎維状の第2構造体を含む第2電極と、を備える。
【0014】
一部の実施形態において、前記電極組立体は、前記第1平面上で、前記第1構造体と
交互に位置しつつ前記第1方向に延び、前記第1構造体の極性と逆極性を有する複数の纎維状の第3構造体を含む第3電極と、前記第2平面上で、前記第2構造体と
交互に位置しつつ前記第2方向に延び、前記第2構造体の極性と逆極性を有する複数の纎維状の第4構造体を含む第4電極と、をさらに備える。また、前記第1平面及び前記第2平面は、多層構造を形成するように複数個である。
【0015】
前記第1及び第2構造体は、それぞれ集電体コアと、前記集電体コアを取り囲む活物質層とを備える。また、前記電極組立体は、前記第1及び第2構造体のうちいずれか一つにのみ選択的に、前記活物質層を取り囲む固体電解質層をさらに備える。
【0016】
前記分離マトリックスは、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜のうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせである。前記構造体の厚さは、400μmないし2000μmであり、前記構造体間の間隔は、2μmないし400μmである。また、前記構造体間の間隔は、前記構造体の厚さより小さい。
【0017】
前記課題を解決するための本発明のさらに他の実施形態による電池の電極組立体は、分離マトリックスと、前記分離マトリックスを貫通して、前記分離マトリックス内の第1平面上で第1方向に延び、互いに離隔した複数の纎維状の第1構造体を含む第1電極と、前記分離マトリックスを貫通して、前記第1平面上で、前記第1方向と異なる第2方向に延び、第1構造体と横糸及び縦糸として互いに交差する複数の纎維状の第2構造体を含む第2電極と、を備える。
【0018】
一部の実施形態において、前記電極組立体は、前記分離マトリックス内に、前記第1平面と平行に離隔した第2平面上で、前記第1及び第2構造体と交差するように、横糸及び縦糸として互いに交差する複数の纎維状の第3構造体及び第4構造体をそれぞれ含む第2正極及び第2負極をさらに備える。また、前記第1及び第2構造体は、それぞれ集電体コアと、前記集電体コアを取り囲む活物質層とを備える。前記電極組立体は、前記第1及び第2構造体のうちいずれか一つにのみ選択的に、前記活物質層を取り囲む固体電解質層をさらに備える。
【0019】
前記分離マトリックスは、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜である。また、前記構造体の厚さは、400μmないし2000μmであり、前記構造体間の間隔は、2μmないし400μmである。また、前記構造体間の間隔は、前記構造体の厚さより小さい。
【0020】
前記課題を解決するための本発明のさらに他の実施形態による電池の電極組立体は、第1方向に延びた複数の纎維状の第1構造体を含む第1電極と、前記第1構造体の極性と逆極性を有する平面上の第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に配置される分離膜と、を備える。
【0021】
前記第1構造体と同一極性を有し、前記第1構造体と交差するように、前記第1方向と異なる第2方向に延びた複数の纎維状の第2構造体を含む第3電極をさらに備える。一部の実施形態では、前記第1及び第2構造体は、横糸及び縦糸として互いに交差する。このような実施形態において、前記第1及び第2構造体は、前記分離膜を往復貫通する。
【0022】
前記第1構造体は、前記第2電極の前記平面の両周面をいずれも取り囲むようにさらに延びる。前記第1及び第2構造体は、前記第2電極の前記平面の両周面をいずれも取り囲むようにさらに延びる。前記構造体の厚さは、400μmないし2000μmであり、前記構造体間の間隔は、2μmないし400μmである。一部の実施形態において、前記構造体間の間隔は、前記構造体の厚さより小さい。
【0023】
また、本発明は、前記のような電極構造を採用した電池を提供するのに特徴がある。本発明による電極構造を採用した電池は、一次電池及び二次電池である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、少なくとも一部の電極が複数の纎維状の構造体で形成されるので、前記構造体の曲面と三次元的な対向位置によって、電極間の対向表面積が増大する。これによって、同一体積で電池のエネルギー密度が向上するだけでなく、充放電速度、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善されることができる。
【0025】
また、本発明によれば、纎維状の構造体で電極を構成するので、電池の形状変化が容易であり、折れまたは積層構造によって容量の調節が容易であるので、小容量電池または中大型電池への応用が自由であるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0028】
本発明の実施形態は、当業者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記実施形態は、色々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記実施形態に限定されるものではない。かえって、それらの実施形態は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0029】
また、以下の図面において、各層の厚さやサイズは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものであり、図面上で、同じ符号は同じ要素を指す。本明細書で使われたように、用語“及び/または”は、該当列挙された項目のうちいずれか一つ、及び一つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0030】
本明細書で使われた用語は、特定の実施形態を説明するために使われ、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使われたように、単数の形態は、文脈上明確に取り立てて指摘するものではなければ、複数の形態を含む。また、本明細書で使われる場合、“備える(comprise)”及び/または“備えた(comprising)”は、言及した形状、数字、ステップ、動作、部材、要素及び/またはそれらのグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素及び/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0031】
本明細書において、第1、第2などの用語が、多様な部材、部品、領域、層及び/または部分を説明するために使われるが、それらの部材、部品、領域、層及び/または部分は、それらの用語によって限定されてはならない。それらの用語は、一つの部材、部品、領域、層または部分を、他の領域、層または部分と区別するためにのみ使われる。したがって、後述する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の思想から逸脱しない範囲内で、第2部材、部品、領域、層または部分を指す。
【0032】
本明細書の実施形態は、板型の正極と負極とが互いに対向する従来の二次元電池の構造に比べて、電極間の対向表面積を増大させる構造であって、複数の纎維状の構造体を含む電極で形成された電極組立体について開示する。
【0033】
本明細書で使われる‘相異なる’という用語の意味は、複数の纎維状の構造体を含む正極と、複数の纎維状の構造体を含む負極とが積層されたり、巻き取られて電極構造を形成する時、いずれか一つの極の纎維状の構造体が、他の極の纎維状の構造体の延長方向と同じ方向を除いた任意の方向に延びることを含む。すなわち、前記正極と負極とを構成する複数の纎維状の構造体は、多様な角度及び方向に配列可能な構造的な柔軟性を有するといえる。
【0034】
また、本明細書で使われる‘交差した構造’という意味は、複数の纎維状の構造体を含む正極と、複数の纎維状の構造体を含む負極とが積層されたり、巻き取られて電極構造を形成する時、正極と負極の各纎維状の構造体が、少なくとも一つ以上の地点で出合う交差点を含むように配列されるものである。これは、従来の技術で、負極と正極とが同じ方向に積層または配列されることとは異なる意味であるといえる。
【0035】
また、本明細書で使われる‘分離膜’という用語は、前記分離膜と親和性の少ない液体電解質を使用する液体電解質電池で一般的に通用する分離膜を含む。さらに、本明細書で使われる‘分離膜’は、電解質が分離膜に強く束縛されて、電解質と分離膜とが同一なものと認識される真性固体ポリマー電解質、及び/またはゲル固体ポリマー電解質を含む概念である。したがって、前記分離膜は、本明細書で定義するところによって、その意味が定義されなければならない。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態による電池の電極組立体100を示す斜視図であり、
図2は、纎維状の構造体111,121の斜視断面図である。
【0037】
図1を参照すれば、電池を構成する電極組立体100は、複数の纎維状の第1及び第2構造体111,121と、分離膜130とを備える。第1構造体111は、平行に延び、第2構造体121も、平行に延びる。第1構造体111は、x方向に延び、第2構造体121は、前記x方向と異なるy方向に延びる。
【0038】
第1構造体111及び/または第2構造体121は、
図1に示したように、dほど離隔して平行に延びる。第1構造体111及び/または第2構造体121の幅wは、後述する実施形態のように、構造体の多様な配列パターンのために好適な成形加工性を提供できる厚さであればよい。例えば、構造体111,121の厚さwは、400μmないし2000μmであり、電池の応用分野によって適切に選択される。間隔dは、0より大きく、1000μmより小さく、望ましくは、2μmないし400μmである。後述するように、一部の実施形態では、電極間の対向表面積を増大させるために、間隔dは、0より大きく、電極構造体111,121の幅wより小さいことが望ましい。
【0039】
一方向に平行に延びた第1構造体111は、互いに電気的に連結されて、一つの電極、例えば、正極110を提供する。同様に、第2構造体121は、互いに電気的に連結されて、極性が異なる電極、例えば、負極120を提供する。
【0040】
図1では、第1構造体111と第2構造体121とが互いに直角方向に延びるものと示したが、これは、例示的であり、本発明がこれに制限されるものではない。例えば、第1及び第2纎維状の構造体111,121は、延長方向が45゜または60゜ほど差があって延びてもよい。
【0041】
図2を参照すれば、第1及び第2構造体111,121は、それぞれ集電体コア112a,112bと、集電体コア112a,112bを取り囲む活物質層113a,113bとを備える。活物質層113a,113bは、該当活物質、結合剤及び導電材を含むスラリーの形態で、集電体コア112a,112b上に塗布される。前記スラリーは、該当活物質80ないし98重量%、結合剤1ないし10重量%、導電材1ないし10重量%の範囲から適切に選択して、合計量が100重量%を有するように提供される。
【0042】
正極活物質層113aの厚さは、1μmないし300μmであり、望ましくは、30μmないし100μmである。負極活物質層113bの厚さは、3μmないし100μmであり、望ましくは、3μmないし40μmであり、さらに望ましくは、5μmないし20μmである。負極活物質層113bの厚さを前記範囲に設定することによって、電池の高出力化を得ると共に、薄型化を高いレベルで達成できる。負極活物質層の厚さが3μm未満であれば、内部短絡の進行を緩和させる効果が不十分になると共に、リチウムイオン二次電池の場合、高出力化を達成しない恐れがある。また、負極活物質層の厚さが100μmを超えれば、電池の薄型化が十分に得られない。
【0043】
集電体コア112a,112bは、例えば、軟性を有する金属線である。例えば、正極用の集電体コア112aとして、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムまたはそれらのうちいずれか一つの合金のような金属系材料が使われる。正極用の集電体コア112aは、望ましくは、アルミニウムまたはその合金である。負極用の集電体コア112bとして、銅、ステンレス鋼、ニッケル、銅またはそれらのうちいずれか一つの合金のような金属系材料が使われる。負極用の集電体コア112bは、望ましくは、銅またはその合金である。
【0044】
しかし、本発明の実施形態は、前述した材料に制限されるものではなく、集電体コア112a,112bは、形状の変形が容易な好適な材料、例えば、ポリ(硫黄ニトリル)、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンビニレン)のような電子伝導性を有するポリマー材料を含んでもよい。他の実施形態において、集電体コア112a,112bは、伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子ペースト、またはITO(Indium Tin Oxide)ペーストを、好適な結合剤と混合して、纎維状に成形された材料であってもよい。
【0045】
図2に示した集電体コア112a,112bは、円形断面を有するが、本発明がこれに制限されるものではなく、集電体コア112a,112bは、活物質層113a,113bの接合が容易な任意の断面形状を有してもよい。例えば、集電体コア112a,112bは、その中心から、集電体コア112a,112bの表面の曲率の変化が60%ないし140%範囲内の任意の形状、四角断面、楕円断面を有し、所定の表面粗度を有してもよい。
【0046】
活物質層113は、一次電池用または二次電池用に適した材料層を備える。例えば、一次電池の場合、正極活物質層113aは、マンガン酸化物、EMD(Electrolytic Manganese Dioxide)、ニッケル酸化物、酸化鉛、二酸化鉛、銀酸化物、硫化鉄、または伝導性高分子粒子を含み、負極活物質層113bは、亜鉛、アルミニウム、鉄、鉛またはマグネシウム粒子を含む。
【0047】
二次電池の場合、正極活物質層113aは、Ni,Co,Mn,Al,Cr,Fe,Mg,Sr,V,La,Ceのうち少なくとも一つ以上の金属と、O,F,S,P及びそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも一つ以上の非金属元素とを含むLi化合物を含む。例えば、正極活物質層113aは、[化学式]Li
aA
1−bB
bD
2を有し、前記化学式で、Aは、Ni,Co,Mn及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、Bは、Al,Ni,Co,Mn,Cr,Fe,Mg,Sr,V,希土類元素及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、Dは、O,F,S,P及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、0.95≦a≦1.1及び0≦b≦0.5の化合物である。
【0048】
二次電池の場合、負極活物質層113bは、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な低結晶性炭素または高結晶性炭素のような炭素系材料を含む。前記低結晶性炭素は、軟化炭素または硬化炭素である。前記高結晶性炭素は、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解炭素、液晶ピッチ系炭素纎維、炭素微小球体、液晶ピッチ、石油または石炭系コークスのような高温焼成炭素である。負極活物質層113bは、結合剤を含み、前記結合剤は、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF−co−HFP)、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレートのような高分子材料が使われる。他の実施形態では、高容量の二次電池を提供するために、負極活物質層113bは、S,SiまたはSnを含む金属系または金属間化合物を含んでもよい。
【0049】
前述した実施形態では、集電体コア112a,112bと、活物質層113a,113bとを別に形成することについて開示しているが、第1構造体111及び第2構造体121のうち少なくともいずれか一つの集電体コア112a,112bと活物質層113a,113bは、同じ材料で形成されてもよい。
【0050】
一部の実施形態では、第1及び第2構造体111,121のうちいずれか一つにのみ、真性固体ポリマー電解質のような固体電解質層をさらに形成する。前記固体電解質層は、下地の活物質層の形成時に使われた溶媒と同じ溶媒を利用して、連続的な含浸工程により形成される。前記固体電解質層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブタジエン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリデン及びトリフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンの共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールのうちいずれか一つまたはそれらの組み合わせからなる高分子マトリックス、添加剤及び電解液を含む。前記添加剤は、シリカ、タルク、アルミナ(Al
2O
3)、TiO
2、クレイ、ゼオライトまたはそれらの組み合わせである。前記電解液は、水酸化カリウム(KOH)、臭化カリウム(KBr)、塩化カリウム(KCL)、塩化亜鉛(ZnCl
2)及び硫酸(H
2SO
4)のような塩を含む水系電解液である。
【0051】
図2に示した実施形態では、第2構造体121にのみ、真性固体ポリマー電解質のような固体電解質層114がさらに形成されたことを表す。このように、固体電解質層114をいずれか一つの極性の構造体にのみ形成することによって、正極及び負極の両方に固体電解質層を形成することに比べて体積を減少させるので、エネルギー密度はさらに向上する。また、正極構造体111と負極構造体121とが互いに交差する実施形態において、正極及び負極の両方に固体電解質を形成する場合、二次電池で充放電時に発生する電極構造体の体積変化によって、前記固体電解質にクラックが発生し、該クラックは、電極構造体の寿命短縮をもたらす。したがって、前記固体電解質層は、望ましくは、充放電時に体積変化の少ない極性の構造体にのみ選択的に形成される。例えば、二次電池の場合、
図2に示したように、充放電時に体積変化の相対的に少ない負極構造体にのみ選択的に、固体電解質層114を形成する。
【0052】
再び
図1を参照すれば、分離膜130は、層状であり、正極110を構成する第1電極構造体111と、負極120を構成する第2電極構造体121との間に配置される。分離膜130は、例えば、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜である。前記真性固体高分子電解質膜は、直鎖ポリマー材料、または仮橋ポリマー材料を含む。前記ゲル高分子電解質膜は、塩を含む可塑剤含有ポリマー、フィラー含有ポリマー、または純粋なポリマーのうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせである。
【0053】
前述した分離膜130に関して列挙した材料は、例示的であり、分離膜130として、形状の変化が容易であり、機械的強度に優れるので、電極構造体100が変形されるとしても、破れたり、裂けることがない任意の好適な電子絶縁性材料が使われ、電子絶縁性材料として、好適なイオン伝導性を有する。分離膜130は、単層膜または多層膜であり、前記多層膜は、同一単層膜の積層体であっても、他の材料で形成された単層膜の積層体であってもよい。分離膜130の厚さは、耐久性、ショットダウン機能、電池の安全性を考慮すれば、10μmないし300μmであり、望ましくは、10μmないし40μmであり、さらに望ましくは、10μmないし25μmである。
【0054】
前述したように、正極110を構成する第1構造体111と、負極120を構成する第2電極構造体121は、相異なる方向にそれぞれ延び、分離膜130を挟んで相異なる方向に交差した構造を有する。前述した実施形態によれば、電極の役割を行う構造体111,121が曲面を有し、分離膜130を挟んで三次元的に交差して配列されるので、電極間の対向表面積が増大する。これによって、同一体積でエネルギー密度が向上するだけでなく、充放電速度、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善されることができる。
【0055】
図3は、本発明の他の実施形態による電池の電極組立体200を示す斜視図である。
【0056】
図3を参照すれば、電池を構成する電極組立体200は、複数の纎維状の構造体111a,111b,121a,121bと、分離膜130とを備える。複数の纎維状の構造体のうち一部111a,121aは、それぞれいずれか一つの方向に平行に延びた構成において、
図1に示した電極組立体100の構造体111,121に対応し、それらの構造体111a,121aは、それぞれ結合されて、電池の第1正極110a及び第1負極120aを提供する。
【0057】
本実施形態による電極組立体200は、分離膜130の一周面130a上で、第1纎維状の構造体111aと
交互に位置しつつ、第1纎維状の構造体111aと同一方向に延びた複数の纎維状の第3構造体121bをさらに含む。同様に、分離膜130の他の周面130b上でも、負極120aの第2構造体121aと
交互に位置しつつ、その延長方向と同一方向に延びた複数の纎維状の第4構造体111bをさらに含む。
【0058】
第3構造体121bと第4構造体111bは、隣接する第1構造体111a及び第2構造体121aとそれぞれ逆極性を有してもよい。例えば、第3構造体121bは、第2負極120bを提供し、第4構造体111bは、第2正極110bを提供してもよい。
【0059】
第1正極110aと第2正極110bは、リードを通じて互いに結合されて、一つの単一な共通の正極となる。同様に、第1負極120aと第2負極120bも、互いに電気的に結合されて、一つの単一な共通の負極となる。しかし、これは、例示的であり、本発明がこれに制限されるものではない。例えば、第1正極110a及び第2正極110bのうちいずれか一つと、第1負極120a及び第2負極120bのうちいずれか一つとを互いに結合し、その残りの正極と負極のみを外部電極として提供することによって、バイポーラ電池を提供することも可能である。また、当業者は、本開示から、適切な電圧のバイポーラ電池を提供するために、互いに逆極性の構造体の個数と配列を適切に選択し、それを結合して、電池の内部で直列接続させ、残りの構造体を正極と負極に提供することによって、使用電圧を増加させるための多様なバイポーラ電池を提供できることを理解できるであろう。
【0060】
一部の実施形態では、隣接する逆極性を有する構造体の間に安定した絶縁を確保するために、構造体111a,111b,121a,121bは、
図3に示したように、分離膜の周面130a,130bの内部に一部が埋め込まれる。このために、分離膜130の表面130a,130bに、構造体111a,111b,121a,121bを収容するためのトレンチT(
図5参照)を形成したり、構造体111a,111b,121a,121bの配置時に、構造体111a,111b,121a,121bに対する加圧工程を通じて、分離膜130の表面130a,130bの内部に埋め込む。
【0061】
一部の実施形態では、
図2を参照して前述したように、いずれか一つの極性を有する構造体の活物質層上にのみ、固体電解質層をさらに形成する。この場合、分離膜130の同一表面上で、隣接する互いに逆極性の構造体は、離隔せずに接触して延びる。例えば、
図3において、第
1構造体111a及び第3構造体121bのうちいずれか一つにのみ、固体電解質層を選択的に形成し、それらを互いに離隔させず、分離膜130の第1周面130a上に平行に配列する。同様に、第2構造体121a及び第4構造体1111bのうちいずれか一つにのみ、固体電解質層を選択的に形成し、この場合、それらの構造体を互いに離隔させず、分離膜130の第2周面130b上に平行に配列する。
【0062】
前述した実施形態によれば、三次元曲面を有する構造体111a,111b,121a,121bが、分離膜130を横切って、逆極性の構造体と互いに交差して対向するだけでなく、分離膜130の同一周面上でも、逆極性の構造体と対向するので、単純平面形電極に比べて、電極間の対向表面積が増大する。したがって、本実施形態によれば、同一体積でエネルギー密度が向上するだけでなく、充放電速度、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善されることができる。
【0063】
図4は、本発明の他の実施形態による電池の電極組立体300を示す分解斜視図である。
【0064】
図4を参照すれば、電極組立体300は、積層された複数の分離膜
331,
332を備える。
図4では、第1分離膜
331及び第2分離膜
332を例示しているが、三層以上の分離膜が積層されてもよい。
【0065】
電極組立体300において、第1電極310aを構成する組立体111a、第2電極320aを構成する組立体121a、及び第1分離膜331の構成については、
図1を参照して前述した組立体及び分離膜についての開示事項を参照する。
図4の実施形態では、第1分離膜331及び第2分離膜332の境界面と逆になる第2分離膜332の周面上に延びた第3構造体121cは、例えば、x方向に延びた第1構造体111aと交差するように、一定の方向、例えば、y方向に延びる。
【0066】
また、第3構造体121cは、第1構造体111aと逆極性を有してもよい。例えば、第1電極310aが正極である場合、第3構造体121cは、互いに接続して第2負極320cを提供してもよい。第1負極320aと第2負極320cは接続して、一つの共通の負極を提供してもよい。図示していないが、第2分離膜332上にさらに他の分離膜が積層され、第1正極310aも、第2分離膜332上に積層される他の分離膜上の正極用構造体と接続して、一つの共通の正極を提供してもよい。前述した電極の構成は、例示的であり、互いに逆極性を有する構造体の個数と配列を適切に選択して接続させることによって、バイポーラ電池を提供できることは前述した通りである。
【0067】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による電池の電極組立体400を示す分解斜視図である。
【0068】
図5を参照すれば、電極組立体400は、積層された複数の分離膜431,432を備える。
図5では、第1分離膜431及び第2分離膜432を例示しているが、三層以上の分離膜が積層されてもよい。
【0069】
電極組立体400において、電極110a,110b,120a,120bをそれぞれ構成する第1ないし第4組立体111a,111b,121a,121bについては、矛盾しない限り、
図3に示した開示事項を参照する。第1分離膜431及び第2分離膜432の境界面と逆になる第2分離膜432の周面上に延びた更なる第5及び第6構造体111c,121cは、下地の第1構造体111a及び第3構造体121bと交差するように、一定の方向、例えば、y方向に延びる。第5及び第6構造体111c,121cは、互いに極性を異ならせて、第2分離膜432の周面上に互いに
交互に位置して配置される。
【0070】
一部の実施形態では、
図3を参照して前述したように、いずれか一つの極性を有する構造体の活物質層上にのみ、固体電解質層をさらに形成する。この場合、分離膜431,432の同一表面上で、隣接する互いに逆極性の構造体は、離隔せずに接触して延びてもよい。
【0071】
また、積層順序と延長方向が相異なる各構造体のグループは、適切に組み合わせられて、電池の外部に対して、さらに他の正極410c及び負極420cを提供したり、構造体のうち一部を選択して、互いに電気的に接続することによって、バイポーラ電池を提供できることは前述した通りである。
図4及び
図5のように、二層以上の分離膜を積層し、その境界面と、前記分離膜の他の周面上とに、纎維状の構造体を配列することによって、互いに逆極性を有する隣接する構造体間の対向電極面積が増大するので、エネルギー密度が向上するだけでなく、充放電速度、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善されることができる。
【0072】
図6aないし
図6cは、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体500を示す斜視図である。
【0073】
図6a及び
図6bを参照すれば、電極組立体500の電極510M,520Mは、それぞれ互いに交差する同じ極性を有する複数の纎維状の構造体で構成される。それらの同じ極性を有する複数の纎維状の構造体511x,511y及び構造体521w,521zは、互いに接触して、格子構造を形成する。例えば、正極510Mは、x方向に延びた複数の纎維状の構造体511xと、それらと交差するように、他の方向、すなわち、y方向に延びた複数の纎維状の構造体511yとを含む。負極520Mも、相異なる方向、すなわち、w方向及びz方向にそれぞれ延びて交差する複数の纎維状の構造体521w,521zを含む。
【0074】
図6cの電極組立体500において、それらの電極510M,520Mの間には、第1分離膜531が配置されて、電極110M,120M間の分離が達成される。電極510M,520Mは、分離膜531を挟んで対称に整列される。他の実施形態では、
図6cに示したように、電極510M,520Mが互いに対称にならずに交差するように、電極510M,520Mの格子構造が回転配置されてもよい。すなわち、正極510Mは、構造体がw方向及びz方向に整列されるように配置し、負極520Mは、構造体がx方向及びy方向に整列されるように配置する。この場合、正極510Mと負極520Mとが正確に整列された場合に比べて、構造体間の対向面積がさらに増大する。
【0075】
他の実施形態において、電極510M,520Mは、同じ方向に整列されるが、格子縞が互いに交差して整列されてもよい。例えば、図示していないが、正極510Mの構造体と、負極520Mの構造体とがいずれもx方向及びy方向に配列され、正極510Mまたは負極520Mのうちいずれか一つを、x方向またはy方向に移動させて、格子縞が互いに交差してオフセット配置されてもよい。また、前述した回転方式と移動方式とを組み合わせて、正極510Mと負極120Mの格子を交差させて、対向面積を増大させることもできる。
【0076】
さらに他の実施形態として、
図6cに示したように、第1分離膜531上に第2分離膜532を積層し、第1分離膜531及び第2分離膜532の境界面と逆になる第2分離膜532の周面上に、さらに他の格子構造を有する電極530Mを配置してもよい。これによって、エネルギー密度はさらに向上する。追加された電極530Mは、負極であり、電極530Mと下地の正極510Mの整列は、正極510Mと負極520Mの整列について前述した開示事項を参照する。
【0077】
図7は、本発明のさらに他の実施形態による電池の電極組立体600を示す斜視図である。
【0078】
図7を参照すれば、電極組立体600では、第1電極610を構成する第1構造体111と、第2電極620を構成する第2構造体121とが、分離膜630を往復貫通する横糸及び縦糸として互いに交差する。右側の図面は、第1構造体111と第2構造体121の構成を詳細に説明するために、分離膜630が除かれた状態の電極組立体600を示す。
【0079】
本実施形態によれば、分離膜630により相異なる構造体の間に絶縁が行われるので、電極構造体600が変形されるとしても、構造体111,121間の短絡を防止できる。一部の実施形態では、
図2を参照して前述したように、いずれか一つの極性を有する構造体にのみ、固体電解質層を形成して、エネルギー密度を向上させ、かつ構造体間の絶縁を向上させる。図示していないが、分離膜630上に、一層以上の分離膜をさらに積層することも、本発明の実施形態に含まれることは自明である。
【0080】
また、前述したように、構造体を相異なる方向に交差させる場合、交差するそれぞれの纎維状の構造体は、一定の頻度数で交差してもよく、纎維状の構造体111,121のうち少なくとも一部が、互いにランダムに交差してもよい。このように、構造体のうちいずれか一つの極性を有する構造体は、逆極性を有する構造体に対して、その少なくとも一部が、他の構造体内に埋め込まれる構造を有するので、電極間の対向表面積が増大して、エネルギー密度が向上するだけでなく、充放電速度、充放電効率及び寿命が改善されることができる。
【0081】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体700を示す斜視図である。
【0082】
図8を参照すれば、電極構造体700は、前述した分離膜の代わりに、内部に極性の異なる構造体711,712からなる少なくとも二つの電極710,720が内包されるように、十分な厚さを有する分離マトリックス730を備える。分離マトリックス730は、前述した分離膜と同じ材料で形成される。分離マトリックス730の内部に、構造体711,712を整列するために、まず、分離マトリックスとなる溶液内で、構造体711,722を整列した後、前記溶液を固めて、分離マトリックス730を提供する。分離マトリックス730は、真性固体ポリマー電解質、またはゲルポリマー電解質が望ましい。
【0083】
分離マトリックス730を貫通して、x方向に延びた第1構造体711は、同一平面上に配置される。同様に、分離マトリックス730を貫通して、y方向に延びた逆極性の第2構造体721も、同一平面上に配置される。互いに逆極性の構造体711,721がそれぞれなす平面は、互いに離隔し、構造体712,721は、分離マトリックス730の内部で互いに分離する。
【0084】
分離マトリックス730を貫通する前述した構造体711,721は、分離マトリックス730の内部で二層以上の層で積層され、さらに、分離マトリックス730を二層以上積層することも、本発明の実施形態に含まれることは自明である。それらの実施形態でも、隣接する構造体711,722間の対向面積は、三次元的に増大するので、電池のエネルギー密度が向上するだけでなく、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善されることができる。
【0085】
前述した実施形態では、相異なる極性の構造体が互いに離隔した構造を例示しているが、他の実施形態として、いずれか一つの極性の構造体、例えば、負極構造体にのみ、真性固体ポリマー電解質のような固体電解質層をさらに形成し、この場合、極性の異なる構造体は、互いに離隔せず、同一方向にまたは相異なる方向に交差して延びてもよい。また、同じ極性の構造体は、互いに離隔せずに接触して、同一方向にまたは相異なる方向に交差して延びてもよい。
【0086】
図9は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体800を示す斜視図である。
【0087】
図9を参照すれば、電極構造体800は、内部に極性の異なる構造体
811a,
811b;
821a,
821bが互いに交差して積層されるように、十分な厚さを有する分離マトリックス830を備える。分離マトリックス830の内部に、構造体811a,811b;821a,821bを整列するために、まず、分離マトリックス830となる溶液内で、構造体811a,811b;821a,821bを整列した後、前記溶液を固めて、分離マトリックス830を提供する。分離マトリックス830は、固体ポリマー電解質、またはゲルポリマー電解質が望ましい。
【0088】
分離マトリックス830を貫通する構造体811a,811b;821a,821bにおいて、その構成は、x方向に延びた第1構造体811aがなす同一平面上に、第1構造体811aと
交互に位置しつつ、第1構造体811aの極性と逆極性を有し、x方向に延びた第3構造体821bをさらに含むという点で、
図8の電極組立体700と区別される。同様に、分離マトリックス830を貫通して、y方向に延びた逆極性の第2構造体821aがなす同一平面上にも、第2構造体821aと
交互に位置しつつ、第2構造体821aの極性と逆極性を有し、y方向に延びた第4構造体811bをさらに含む。前述した構造体は、同じ極性どうし結合されて、電池の外部に対して一つの正極と電極とを提供したり、電池の内部で互いに逆極性どうし接続されて、バイポーラ電池を提供することも可能である。
【0089】
前述した実施形態は、矛盾しない限り、互いに組み合わせられて実施され、これは、本発明の範囲に含まれる。例えば、
図7を参照して前述した電極組立体600において、分離膜130の代わりに、分離マトリックス730(
図8)が適用され、分離マトリックス730内には、
図7の右側に示した横糸と縦糸で結んだ構造体111,121が少なくとも一層以上内包される。また、
図6Cを参照して前述した電極組立体500でも、第1及び第2構造体511x,511yが、横糸及び縦糸として互いに交差し、第3及び第4構造体521w,521zも、横糸及び縦糸として互いに交差し、この場合、前記第1及び第2構造体の電極510Mと、前記第3及び第4構造体の電極520Mのうちいずれか一つの電極、望ましくは、充放電時に体積変化の少ない電極にのみ選択的に、固体電解質層をさらに形成してもよい。また、異なる配列を有する二つ以上の構造体の配列が組み合わせられて実施されてもよいことを肝に銘じなければならない。
【0090】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体900を示す斜視図である。
【0091】
図10を参照すれば、電池を構成する電極組立体900は、複数の纎維状の第1構造体121からなる第1電極920と、第1構造体121と逆極性を有する平面上の第2電極910とを備える。第1構造体121からなる、第1構造体121に対向する第2電極910は、平面形状を有するという点で、前述した纎維状の構造体と区別される。
【0092】
第1構造体121の厚さwは、400μmないし2000μmであり、電池の応用分野によって、適切に選択される。第1構造体121間の間隔dは、0より大きく、1000μmより小さく、望ましくは、2μmないし400μmである。一部の実施形態では、電極間の対向表面積を増大させるために、間隔dは、0より大きく、第1構造体121の厚さwより小さいことが望ましい。
【0093】
第1電極910と第2電極920との間には、分離膜930が提供される。分離膜930は、前述したように、微細多孔膜、織布、不織布、真性固体高分子電解質膜、またはゲル固体高分子電解質膜である。前記真性固体高分子電解質膜は、直鎖ポリマー材料、または仮橋ポリマー材料を含む。前記ゲル高分子電解質膜は、塩を含む可塑剤含有ポリマー、フィラー含有ポリマー、または純粋なポリマーのうちいずれか一つ、またはそれらの組み合わせである。
【0094】
一方向に平行に延びた第1構造体121は、互いに電気的に連結されて、一つの電極、例えば、負極920を提供する。この場合、平面上の第2電極910は、正極を提供する。
【0095】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体1000を示す斜視図である。
【0096】
図11を参照すれば、電極組立体1000は、
図10に示した電極組立体1000と異なり、第1構造体121が平面上の第2電極1010の両周面にいずれも対向するように、第2電極1010を取り囲むようにさらに延びる。巻き取られた第1構造体121からなる第1電極1020と、平面上の第2電極1010とを互いに分離するために、電極1010の両周面と第1構造体121との間に、分離膜1030a,1030bが配置される。分離膜1030a,1030bは、図示したように複数であり、一つの平面形分離膜を折って、電極1010の両周面に接触させてもよい。または、電極1010を取り囲む真性固体ポリマー電解質、またはゲル固体ポリマー電解質を提供することによって、前記分離膜を提供することもできる。
【0097】
巻き取られた第1構造体121は、第2電極1010の両周面を電極面積として活用して、電極間の対向表面積を増大させる。これによって、同一体積でエネルギー密度が向上するだけでなく、充放電効率及び電池のサイクル特性が改善される。
図11では、第1構造体121が、第2電極1010を1回転して取り囲んでいるが、少なくとも二回以上取り囲まれた構造も、本発明の実施形態に含まれることは自明である。この場合、第1構造体121は、複数ではなく、一つの構造体のみで電極を提供でき、第1構造体121は、螺旋状に巻き取られてもよい。
【0098】
図12は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体1100を示す斜視図である。
【0099】
図12を参照すれば、電極組立体1100の一電極1121Mは、互いに交差する同一極性を有する複数の纎維状の構造体1121x,1121yで構成される。それらの同一極性を有する複数の纎維状の構造体1121x,1121yは、互いに接触して、格子構造を形成する。電極組立体1000の他の電極1110は、
図10の電極910のように平面形状を有する。電極1121Mは、負極であり、電極1110は、正極である。構造体1121x,1121yからなる電極1121Mと、平面上の電極1110との間には、分離膜1130が提供される。
【0100】
図13は、本発明のさらに他の実施形態による電極組立体1200を示す斜視図である。
【0101】
図13を参照すれば、電極組立体1200は、
図12に示した電極組立体1100のように、第1構造体121aと同一極性を有しつつ、第1構造体121aと交差するように、第1構造体121aの延長方向と異なる方向に延びた第2構造体121bをさらに含む。しかし、
図13に示した実施形態では、第1構造体121aと第2構造体121bとが、互いに横糸及び縦糸として交差する。
【0102】
電極組立体1200の他の電極1210は、平面形状を有する。電極1210は、正極であり、第1及び第2構造体121a,121bからなる電極1220は、負極である。それらの構造体121a,121bからなる電極1220と、平面上の電極1210との間には、分離膜1230が提供される。
【0103】
前述した多様な実施形態による電極構造体を形成した後、前記分離膜または分離マトリックスは、好適な電解質に含浸されて活性化される。または、前記分離膜または分離マトリックスを、ゲルまたは真性固体ポリマー電解質で形成する場合は、かかる含浸工程なしにも活性化される。
【0104】
前述したように、本明細書には、正極及び負極のうち少なくとも一部の電極を、複数の纎維状の構造体で形成することによって、電極間の対向表面積を増大させ、かつ薄型化及び形状の変化が容易な電極組立体についての多様な実施形態が開示されている。当業者にとって、それらの実施形態は、矛盾しない限り、少なくとも一つ以上の特徴が組み合わせられて変形可能であり、それらの実施形態も、本発明の範囲に含まれることは自明である。例えば、
図13に示した実施形態において、電極組立体は、横糸及び縦糸として互いに交差する第1及び第2構造体は、分離膜を往復貫通するように延びてもよいことを理解できるであろう。
【0105】
纎維状の構造体は、形状の変化が容易であり、容量の調節のために、その面積を調節し、それを重ねたり、曲げたり、構造体を積層させることによって、多様な電池ケースを採用して、形状の変化が容易な電池を提供できる。例えば、服、かばんなどに付着されたり、その一部となる小型電池として応用されてもよく、高容量化して自動車の動力源のような中大型電池として応用されてもよい。
【0106】
また、本発明の実施形態によれば、立体的な対向面積の増大によって、充放電効率が改善されて、少量の負極材料を使用して電池を製造できる。リチウムイオン電池の場合、リチウムの限定された埋め込み量を考慮する時、本発明の実施形態によれば、さらに少量のリチウムで同じエネルギーが得られる電池を提供できる。
【0107】
以上で説明した本発明が、前述した実施形態及び添付された図面に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、色々な置換、変形及び変更が可能であるということは、当業者にとって明らかである。