特許第5901634号(P5901634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901634
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】キナゾリン化合物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20160331BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20160331BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20160331BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160331BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160331BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160331BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20160331BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20160331BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160331BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   C07D403/14
   C07D405/14
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P29/00
   A61P37/02
   A61K31/517
   A61K31/5377
   A61K45/00
【請求項の数】21
【全頁数】133
(21)【出願番号】特願2013-527261(P2013-527261)
(86)(22)【出願日】2011年8月31日
(65)【公表番号】特表2013-538811(P2013-538811A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】US2011049950
(87)【国際公開番号】WO2012030948
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年8月20日
(31)【優先権主張番号】61/379,309
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508278239
【氏名又は名称】アムビト ビオスシエンセス コルポラチオン
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ミチャエル ジェイ.ハドド
(72)【発明者】
【氏名】マルク ダブリュー.ホルラダイ
(72)【発明者】
【氏名】マルトイン ロウボトトム
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/078427(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/078426(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/077921(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0038023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D401/00−421/14
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
A61K 45/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物:
【化1】
(式中
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1〜4個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、独立に、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;かつ
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1〜4個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1〜4個の置換基で置換され;
各R3は、独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R4は、水素又はアルキルであり;
R5は、水素又はアルキルであり;
各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-Rx NR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり;
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1〜4個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1〜4個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1〜4個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1〜4個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である)。
【請求項2】
R1及びR2が一緒に=Oを形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1及びR2が両方ともフルオロである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R3が、水素、アルキル、又はアルコキシである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
各R6が、独立に、ジュウテロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
nが0又は1である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
pが1である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
R7がハロである、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)を有する請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩
【化4】
(式中:
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又は
(ii)R1は、水素又はハロであり、かつR2はハロであり;
R3は、水素、アルキル、もしくはシクロアルキルであり、
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは1又は2である)。
【請求項10】
請求項9記載の化合物であって、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともハロであり;
R3が、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cが、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;
R6dが、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択され;
各R7が、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pが1である、前記化合物。
【請求項11】
請求項10記載の化合物であって、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともフルオロであり;
R3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ハロ、シアノ、アルキル、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ハロ及びアルキルから選択され;
R7はフルオロであり;かつ
pは1である、前記化合物。
【請求項12】
式(XIa)、(XIb)、もしくは(XIc)を有する請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩
【化5】
(式中、A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R3は、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;かつ
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択される)。
【請求項13】
式(XIIa)、(XIIb)、もしくは(XIIc)を有する請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩
【化6】
(式中、A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R3は、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;かつ
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択される)。
【請求項14】
以下から選択される請求項1記載の化合物:
(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボニトリル;
8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボニトリル;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキサミド;
8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボキサミド;
4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)-N-(オキセタン-3-イル)キナゾリン-8-カルボキサミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-オール;
メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキシレート;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)アセトアミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-ニトロキナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4,8-ジアミン;
8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミド;及び
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボン酸;
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項16】
治療有効量の請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物を含む、JAK調節性疾患の治療のための医薬組成物であって、該疾患が、癌、骨髄増殖性障害、炎症、又は自己免疫疾患である、前記医薬組成物
【請求項17】
治療有効量の請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物を含む、JAK2調節性疾患の治療のための医薬組成物であって、該疾患が、癌、骨髄増殖性障害、炎症、又は自己免疫疾患である、前記医薬組成物
【請求項18】
JAK2が、野生型又は突然変異体JAK2である、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、及び免疫抑制剤から選択される第二の医薬品と共投与される、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項20】
癌、骨髄増殖性障害、炎症、及び自己免疫疾患から選択されるJAK調節性疾患を治療するための請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
癌、骨髄増殖性障害、炎症、及び自己免疫疾患から選択されるJAK調節性疾患を治療するための医薬を製造するための請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれる、2010年9月1日に出願された米国仮出願第61/379,309号の優先権の恩典を主張する。
【0002】
(分野)
JAKキナーゼのモジュレーターである化合物、該化合物を含む組成物、及びその使用方法が本明細書で提供される。提供される化合物は、JAK2、JAK3、もしくはTYK2キナーゼを含むJAKに関連する疾患もしくは障害、又はそのような疾患もしくは障害と関連する1以上の症状の治療、予防、又は改善において有用である。血行性腫瘍及び固形腫瘍を含む癌の治療方法がさらに提供される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
JAKキナーゼファミリーは、JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2というメンバーを含む細胞質タンパク質キナーゼファミリーである。JAKキナーゼを動員する成長因子又はサイトカイン受容体としては、インターフェロン受容体、インターロイキン受容体(サイトカインIL-2〜IL-7、IL-9〜IL-13、IL-15、IL-23の受容体)、様々なホルモン受容体(エリスロポエチン(Epo)受容体、トロンボポエチン(Tpo)受容体、レプチン受容体、インスリン受容体、プロラクチン(PRL)受容体、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体、並びに成長ホルモン受容体、受容体タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、EGFR及びPDGFR)、並びに他の成長因子、例えば、白血病抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)、IFNα/β/γ、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、カルジオトロフィン-1(CT-1)の受容体が挙げられる(Rane, S.G.及びReddy E.P.の文献(Oncogene 2000 19, 5662-5679)を参照されたい)。
【0004】
リン酸化された受容体は、JAKと相互作用する他のSH-2ドメイン含有シグナル伝達分子、例えば、STAT ファミリーの転写因子、Srcファミリーのキナーゼ、MAPキナーゼ、PI3キナーゼ、及びタンパク質チロシンホスファターゼのドッキング部位の役割を果たす(Rane S.G.及びReddy E.P.の文献(Oncogene 2000 19, 5662-5679))。潜在的細胞質内転写因子のファミリーであるSTATは、JAKの最もよく特徴付けられた下流基質である。STATタンパク質は、そのSH2ドメインを介して、リン酸化されたサイトカイン受容体に結合して、JAKによるリン酸化を受けるようになり、これにより、その二量体化及び放出及び最終的な核への移行が生じ、核内で、それらは遺伝子転写を活性化する。これまでに同定されているSTATの様々なメンバーは、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5(STAT5a及びSTAT5bを含む)、並びにSTAT6である。
【0005】
JAKキナーゼは、そのような受容体を介する重要なシグナル伝達の役割を果たし得るので、脂肪代謝の障害、成長障害、及び免疫系の障害は、全て潜在的な治療標的である。
【0006】
JAKキナーゼ及びJAK2突然変異は、骨髄増殖性障害、血行性腫瘍及び固形腫瘍を含む癌に関係があるとされている。例示的な障害としては、慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性好酸球性白血病(CEL)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、及び全身性肥満細胞症(SM)が挙げられる。骨髄増殖性障害は、JAKそれ自体に対する機能獲得型突然変異によるか、又はJAK2経路を特異的に活性化する腫瘍タンパク質BCR-ABLによる活性化によるかのいずれかで生じると考えられる。いくつかの文献報告では、様々な障害におけるJAK2突然変異の役割が記載されている。Samantaらの文献(Cancer Res 2006, 66(13), 6468-6472)、Sawyersらの文献(Cell, 1992, 70, 901-910)、Tefferi N.の文献(Eng. J. Med.(2007) 356(5):444-445)) Baxterらの文献(Lancet(2005) 365:1054-1056)、Levineらの文献(Blood(2006)、Jonesらの文献(Blood(2005) 106:2162-2168) 107:4139-4141)、Campbellらの文献(Blood(2006) 107(5):2098-2100)、Scottらの文献(N Eng J Med 2007 356(5):459-468)、Mercherらの文献(Blood(2006) 108(8):2770-2778)、Lacroniqueらの文献(Science(1997) 278:1309-1312)、Lacroniqueらの文献(Blood(2000) 95:2535-2540)、Griesinger F.らの文献(Genes Chromosomes Cancer(2005) 44:329-333)、Bousquetらの文献(Oncogene(2005) 24:7248-7252)、Schwallerらの文献(Mol. Cell. 2000 6,693-704)、Zhaoらの文献(EMBO 2002 21(9), 2159-2167)を参照されたい。
【0007】
文献により、JAKが、アンドロゲン抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌の標的としての役割も果たし得ることが示されている。Bartonらの文献(Mol. Canc. Ther. 2004 3(1), 11-20)、Blume-Jensenらの文献(Nature(2001) 411(6835):355-356)、及びBrombergの文献(J Clin Invest.(2002) 109(9):1139-1142)、Raneの文献(Oncogene(2000) 19(49):5662-5679)を参照されたい。サイトカインシグナル伝達経路の有名なメディエーターとしてのJAKは、炎症及び移植片拒絶反応の治療標的になると考えられる。Borieらの文献(Transplantation(2005) 79(7):791-801)及びMiliciらの文献(Arthritis Research(2008) 10(R14):1-9)を参照されたい。
【0008】
JAKシグナル伝達の異常調節に起因する多数の疾患を考慮して、JAKの多くの小分子阻害剤が現在開発されている。前臨床開発中の化合物の例としては、TG101209(TargeGen)が挙げられる。臨床研究で調査されている化合物の例としては、INCB018424(Incyte)、XL019(Exelixis)、及びTG101348(TargeGen)が挙げられる。Pardananiらの文献(Leukemia 2007, 21:1658-1668);及びPardanai, A.の文献(Leukemia 2008 22:23-20)を参照されたい。
【0009】
しかしながら、JAKシグナル伝達経路の酵素の阻害剤として有用である新規のクラスの化合物を提供する必要性が常に存在している。
【発明の概要】
【0010】
(概要)
式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化1】
(式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択される1〜2個のヘテロ原子を含み;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
各R3は、独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R5は、水素又はアルキルであり;
各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-Rx NR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
rは1〜3であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である)。
【0011】
ある実施態様では、該化合物は、JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼのモジュレーターとしての活性を有する。該化合物は、野生型及び/又は突然変異形態のJAKキナーゼを含むJAKキナーゼの活性を調節するための医学的処置、医薬組成物、及び方法において有用である。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK2キナーゼモジュレーターとしての活性を有する。ある実施態様では、該化合物は、JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼの阻害剤である。
【0012】
一実施態様では、本明細書で提供される組成物及び方法において使用される化合物は、式(I)の化合物である。
【0013】
一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、式(I)の化合物である。一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、式(I)の化合物の医薬として許容し得る塩である。一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、式(I)の化合物の溶媒和物である。一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、式(I)の化合物の水和物である。
【0014】
適切な経路、並びに有効濃度の1以上の本明細書で提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、及び水和物を含み、かつ任意に少なくとも1つの医薬担体を含む手段による投与のために製剤化される医薬組成物も提供される。
【0015】
そのような医薬組成物は、限定するものではないが、骨髄増殖性障害、例えば、真性赤血球増加症(PCV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性好酸球性白血病(CEL)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、全身性肥満細胞症(SM)、及び特発性骨髄線維症(IMF);白血病、例えば、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ耐性型のCML、急性骨髄性白血病(AML)、及びAMLの亜型を含む骨髄性白血病、急性巨核芽球性白血病(AMKL);リンパ増殖性疾患、例えば、骨髄腫;癌、例えば、頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳腫瘍、膵癌、及び腎癌;並びに免疫機能障害、免疫不全、免疫修飾、自己免疫疾患、組織移植片拒絶反応、移植片対宿主疾患、創傷治癒、腎疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、並びにドライアイ症候群(又は乾性角結膜炎(KCS))に関連する炎症性疾患又は障害を含む、疾患又は障害の治療、予防、又は改善に有効な量を送達する。一実施態様では、そのような疾患又は障害は、JAK2、JAK3、又はTYK2を含むJAKキナーゼによって調節されるか、又は別の形で影響を受ける。
【0016】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、アデノシンA3受容体の活性のモジュレーターである。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患の1以上の症状を予防、治療、又は改善するのに有用である。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、緑内障又は高眼圧症の1以上の症状を予防、治療、又は改善するのに有用である。
【0017】
ある実施態様では、アデノシンA3受容体の活性を調節する方法であって、該アデノシンA3受容体を、有効量の式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法が本明細書で提供される。
【0018】
ある実施態様では、アデノシンA3受容体の活性を下方調節する方法であって、該アデノシンA3受容体を、有効量の式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法が本明細書で提供される。
【0019】
本明細書で提供される1以上の化合物もしくは組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物を、本明細書に記載の疾患又は障害の治療のための他の医薬として活性のある薬剤と併用する併用療法も本明細書で提供される。
【0020】
一実施態様では、そのようなさらなる医薬品としては、1以上の化学療法剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、又は免疫抑制剤が挙げられる。
【0021】
本明細書で提供される化合物もしくは組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物は、上記の薬剤のうちの1つ又は複数の投与と同時に、その投与の前に、又はその投与の後に投与することができる。本明細書で提供される化合物及び上記の薬剤のうちの1つ又は複数を含む医薬組成物も提供される。
【0022】
ある実施態様では、JAK2キナーゼ、例えば、野生型及び/もしくは突然変異体JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼによって調節されるか、もしくは別の形で影響を受ける疾患もしくは障害、又はその1以上の症状もしくは原因を治療、予防、又は改善する方法が本明細書で提供される。別の実施態様では、JAK3キナーゼよりもJAK2キナーゼを選択的に調節することによって、疾患又は障害を治療、予防、又は改善する方法が本明細書で提供される。また別の実施態様では、JAK2キナーゼよりもJAK3キナーゼを選択的に調節することによって、疾患又は障害を治療、予防、又は改善する方法が本明細書で提供される。別の実施態様では、JAK2とJAK3の両方を調節することによって、疾患又は障害を治療、予防、又は改善する方法が本明細書で提供される。一実施態様では、血行性腫瘍及び固形腫瘍を含む癌の治療方法が提供される。
【0023】
本方法を実施する際、非経口、経口、もしくは静脈内送達を含む全身送達のために、又は局部もしくは局所適用のために製剤化される、有効量の化合物、又は治療有効濃度の該化合物を含む組成物は、治療すべき疾患又は障害の症状を示す個体に投与される。該量は、該疾患又は障害の1以上の症状を改善するか又は消失させるのに有効である。
【0024】
本明細書に記載の主題のこれらの及びその他の態様は、以下の詳細な説明を参照することにより明白になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(詳細な説明)
JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼのモジュレーターとしての活性を有する式(I)の化合物が本明細書で提供される。JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼによって調節される疾患を治療、予防、又は改善する方法、並びにそのような方法に有用な医薬組成物及び剤形がさらに提供される。該方法及び組成物は、下の節で詳細に記載されている。
【0026】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK2選択的である、すなわち、該化合物は、それらが、その同じ濃度で、JAK3受容体を含む他のJAK受容体に結合するか、又はそれらと相互作用するよりも実質的に低い濃度でJAK2に結合するか、又はそれと相互作用する。ある実施態様では、該化合物は、それらがJAK2受容体に結合するよりも少なくとも約3倍高い、約5倍高い、約10倍高い、約20倍高い、約25倍高い、約50倍高い、約75倍高い、約100倍高い、約200倍高い、約225倍高い、約250倍高い、又は約300倍高い結合定数でJAK3受容体に結合する。
【0027】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK3選択的である、すなわち、該化合物は、それらが、その同じ濃度で、JAK2受容体を含む他のJAK受容体に結合するか、又はそれらと相互作用するよりも実質的に低い濃度でJAK3に結合するか、又はそれと相互作用する。ある実施態様では、該化合物は、それらがJAK3受容体に結合するよりも少なくとも約3倍高い、約5倍高い、約10倍高い、約20倍高い、約25倍高い、約50倍高い、約75倍高い、約100倍高い、約200倍高い、約225倍高い、約250倍高い、又は約300倍高い結合定数でJAK2受容体に結合する。
【0028】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、Aurora Bキナーゼに対する約10nM、20nM、25nM、40nM、50nM、又は70nMを上回るKdを有する。Aurora Bキナーゼに対する結合定数を決定する方法は当業者に公知である。例示的な方法は、米国仮出願第61/294,413号、国際公開WO 2011/088045号、及びFabianらの文献(Nature Biotechnology 2005, 23,329-336)に記載されている。
【0029】
(A.定義)
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。特許、出願、公開出願、及び他の刊行物は全て、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる。本明細書中の用語について複数の定義が存在する場合、特に明記されない限り、この節における定義を優先する。
【0030】
「アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含まず、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合で結合される、直鎖又は分枝状の炭化水素鎖基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)などを指す。
【0031】
「アルケニル」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、ある実施態様では、2〜10個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、又は2〜6個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合又は二重結合で結合される、直鎖又は分枝状の炭化水素鎖基、例えば、エテニル、プロプ-1-エニル、ブト-1-エニル、ペント-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどを指す。
【0032】
「アルキニル」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含み、2〜10個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合又は三重結合で結合される、直鎖又は分枝状の炭化水素鎖基、例えば、エチニル、プロプ-1-イニル、ブト-1-イニル、ペント-1-イニル、ペント-3-イニルなどを指す。
【0033】
「アルキレン」及び「アルキレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、不飽和を含まず、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝状の二価炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどを指す。アルキレン鎖は、鎖中の任意の2つの炭素を介して分子の残部に結合され得る。
【0034】
「アルコキシ」は、式-OR(式中、Rは、アルキル又はハロアルキルであり、ここで、該アルキルは、任意に、ニトロ、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、オキソ、チオキソ、アミノ、カルボニル、カルボキシ、アジド、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から独立に選択される、1以上の置換基、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され得る)を有する基を指す。
【0035】
「アルコキシアルキル」は、式-RhOR(式中、Rhは、直鎖又は分岐状のアルキレン鎖であり、かつORは、上で定義した通りのアルコキシである)を有する基を指す。
【0036】
「アルキルチオ」は、式-SR(式中、Rは、アルキル又はハロアルキルである)を有する基を指す。
【0037】
「アリールオキシ」は、基-OR(ここで、Rは、フェニルなどの低級アリールを含むアリールである)を指す。
【0038】
「アミン」又は「アミノ」は、式-NR'R''(式中、R'及びR''は、各々独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはアルコキシアルキルであるか、又はR'及びR''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、もしくはアルコキシで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する)を有する基を指す。
【0039】
「アミノアルキル」は、式-RhNR'R''(式中、Rhは、直鎖又は分岐状のアルキレン鎖であり、かつNR'R''は、上で定義した通りのアミノである)を有する基を指す。
【0040】
「アミノカルボニル」は、式-C(O)NR'R''(式中、-NR'R''は、上で定義した通りのアミノである)を有する基を指す。
【0041】
「アリール」は、単環式、二環式、三環式、四環式C6-C18環系を含む、炭素環系の基を指し、ここで、該環のうちの少なくとも1つは芳香族である。アリールは、完全な芳香族であってもよく、その例は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アセナフチレニル、アズレニル、フルオレニル、インデニル、及びピレニルである。アリールはまた、非芳香族環と組み合わせた芳香族環を含んでいてもよく、その例は、アセナフェン、インデン、及びフルオレンである。この用語は、置換部分と非置換部分の両方を含む。アリール基は、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード)、アルキル、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、及びシアノからなる群から選択される1以上の部分を含むが、これらに限定されない、任意の記載された部分と置換することができる。
【0042】
「シクロアルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、3〜10個の炭素原子を有し、飽和しており、分子の残部に単結合で結合される、安定な一価の単環式又は二環式炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカリニル、ノルボルナン、ノルボルネン、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどを指す。
【0043】
「シクロアルキルアルキル」は、式-RaRd(式中、Raは、上で定義した通りのアルキル基であり、かつRdは、上で定義した通りのシクロアルキル基である)の基を指す。該アルキル基及び該シクロアルキル基は、本明細書で定義したように任意に置換されていてもよい。
【0044】
「ジュウテロ」又は「重水素」は、化学記号Dを有する水素同位体の重水素を指す。
【0045】
「ジュウテロアルキル」は、水素原子のうちの1つ又は複数が重水素に置換されている同位体濃縮アルキル基を指す。
【0046】
「ハロ」、「ハロゲン」、又は「ハロゲン化物」は、F、Cl、Br、又はIを指す。
【0047】
「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ又は複数がハロゲンに置換されているアルキル基、ある実施態様では、C1-6アルキル基を指す。そのような基としては、クロロメチル、トリフルオロメチル、1-クロロ-2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロプロピル、2-フルオロプロパン-2-イル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,3-ジフルオロ-2-メチルプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、(トリフルオロメチル)シクロプロピル、4,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「ヘテロシクリル」は、炭素原子、並びに窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される1〜5個のへテロ原子からなる安定な3〜15員の環基を指す。一実施態様では、複素環系基は、単環式、二環式、もしくは三環式環、又は四環式環系であってもよく、これらには、縮合環系又は架橋環系が含まれてもよく;かつ複素環系基中の窒素原子又は硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく;該窒素原子は、任意に四級化されていてもよく;かつヘテロシクリル基は、部分的もしくは完全に飽和されたものであっても、芳香族であってもよい。複素環系は、安定な化合物の生成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で主要構造に結合していてもよい。例示的なヘテロシリック(heterocylic)基としては、アゼチジニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、クロマニル、クロモニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、ジオキソラニル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル、ベンゾジオキソリル、1,3-ジオキソラン-2-イル、ジオキソラニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、テトラヒドロフラン、オキサゾリジン-2-オニル、オキサゾリジノニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジノニル、オキサチオラニル、及びピロリジニルが挙げられる。
【0049】
「ヘテロアリール」は、芳香族である上で定義した通りのヘテロシクリル基を指す。ヘテロアリール基は、安定な化合物の生成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で主要構造に結合していてよい。そのようなヘテロアリール基の例としては:アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズインドリル、ベンズイソオキサジニル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、β-カルボリニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾチエニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキシラニル、ペルイミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアジニル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「アゾリル」は、少なくとも1つの窒素原子を含む5員の複素環系又はヘテロアリール環系を指す。例示的なアゾリル環としては、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ジアゾリル、及びトリアゾリルが挙げられる。
【0051】
「アラルキル」は、式-RaRb(式中、Raは、Rbで置換された、上で定義した通りのアルキル基、上で定義した通りのアリール基である)の基、例えば、ベンジルを指す。該アルキル基と該アリール基は両方とも、本明細書で定義したように任意に置換されていてもよい。
【0052】
「ヘテロアラルキル」は、式-RaRf(式中、Raは、上で定義した通りのアルキル基であり、かつRfは、上で定義した通りのヘテロアリール基である)の基を指す。該アルキル基及び該ヘテロアリール基は、本明細書で定義したように任意に置換されていてもよい。
【0053】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-RaRe(式中、Raは、上で定義した通りのアルキル基であり、かつReは、本明細書で定義した通りのヘテロシクリル基であり、ここで、アルキル基Raは、ヘテロシクリル基Reの炭素原子又はヘテロ原子のどちらかで結合していてもよい)の基を指す。該アルキル基及び該ヘテロシクリル基は、本明細書で定義したように任意に置換されていてもよい。
【0054】
「アルコキシカルボニル」は、式-C(O)OR(式中、Rは、低級アルキルを含むアルキルである) を有する基を指す。
【0055】
本明細書で使用される用語「ジオキサシクロアルキル」は、2個の酸素環原子及び2個以上の炭素環原子を含む複素環基を意味する。
【0056】
「オキソ」は、炭素原子に結合した基=Oを指す。
【0057】
「チオアルキル」は、式-RhSRi(式中、Rhは、直鎖又は分岐状のアルキレン鎖であり、かつRiは、アルキル又はハロアルキルである)の基を指す。
【0058】
「チオキソ」は、炭素原子に結合した基=Sを指す。
【0059】
「IC50」は、本明細書に記載のインビトロ又は細胞ベースのアッセイのいずれかによって測定される細胞の成長又は増殖などの、最大応答の50%阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度、又は投薬量を指す。
【0060】
本明細書中に明記され、特に具体的に記載されない限り、置換は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基のいずれかの原子上で起こり得ることが理解される。
【0061】
医薬として許容し得る塩としては、アミン塩、例えば、限定するものではないが、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン、及びその他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンゾイミダゾール、ジエチルアミン、及び他のアルキルアミン、ピペラジン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;アルカリ金属塩、例えば、限定するものではないが、リチウム、カリウム、及びナトリウム;アルカリ土類金属塩、例えば、限定するものではないが、バリウム、カルシウム、及びマグネシウム;遷移金属塩、例えば、限定するものではないが、亜鉛;並びに無機塩、例えば、限定するものではないが、リン酸水素ナトリウム及びリン酸二ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されず;またさらに、鉱酸の塩、例えば、限定するものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、及び硫酸塩;並びに有機酸の塩、例えば、限定するものではないが、酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、トシル酸塩、ベシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、及びシュウ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用されるように、かつ特に指示されない限り、用語「水和物」は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含む、本明細書で提供される化合物又はその塩を意味する。
【0063】
本明細書で使用されるように、かつ特に指示されない限り、用語「溶媒和物」は、本明細書で提供される化合物への1以上の溶媒分子の会合によって形成される溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。
【0064】
本明細書で使用されるように、「実質的に純粋な」は、そのような純度を評価するために当業者によって使用される標準的な分析方法、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び質量分析法(MS)によって測定したときに、容易に検出可能な不純物を含まないと思われるほど十分に均一であるか、又はさらに精製しても、物質の物理的及び化学的特性、例えば、酵素活性及び生物学的活性が検出可能な程度には変化しないほど十分に純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を製造するための化合物の精製方法は当業者に周知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であり得る。そのような場合、さらに精製すると、化合物の比活性が増大することがある。
【0065】
特に具体的に明記されない限り、化合物が、二者択一の互変異性形態、位置異性形態、及び/又は立体異性形態を取り得る場合、二者択一の異性体は全て、特許を請求される主題の範囲内に包含されることが意図される。例えば、化合物が、2つの互変異性形態のうちの1つを有すると記載されている場合、両方の互変異性体が本明細書に包含されることが意図される。したがって、本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋であってもよく、又は立体異性体もしくはジアステレオマーの混合物であってもよい。
【0066】
本明細書で提供される化合物はキラル中心を含み得ることが理解されるべきである。そのようなキラル中心は、(R)もしくは(S)のどちらかの立体配置であってもよく、又はそれらの混合物であってもよい。
【0067】
光学活性のある(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、又は(D)-及び(L)-異性体は、キラルなシントンもしくはキラルな試薬を用いて調製するか、又は逆相HPLCなどの従来技術を用いて、もしくは結晶化によって分割することができる。
【0068】
本明細書で使用されるように、用語「エナンチオマー的に純粋な」又は「純粋なエナンチオマー」は、その化合物が、75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、91重量%を超える、92重量%を超える、93重量%を超える、94重量%を超える、95重量%を超える、96重量%を超える、97重量%を超える、98重量%を超える、98.5重量%を超える、99重量%を超える、99.2重量%を超える、99.5重量%を超える、99.6重量%を超える、99.7重量%を超える、99.8重量%を超える、又は99.9重量%を超える所望のエナンチオマーを含むことを意味する。
【0069】
任意の所与の置換基の数が特定されていない場合(例えば、ハロアルキル)、1以上の置換基が存在し得る。例えば、「ハロアルキル」は、1以上の同じ又は異なるハロゲンを含み得る。
【0070】
本明細書中の記載において、化学名と化学構造の間に何らかの不一致がある場合、構造が優先されることが好ましい。
【0071】
本明細書で使用されるように、「同位体組成」は、所与の原子についての、存在する各々の同位体の量を指し、「天然の同位体組成」は、所与の原子についての、天然に存在する同位体組成又は同意体存在度を指す。その天然の同位体組成を含む原子は、本明細書において「非濃縮型」原子と称することもできる。特に指定されない限り、本明細書に記載される化合物の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことが意図される。例えば、特に明記されない限り、位置が、具体的に「H」又は「水素」として指定される場合、該位置は、水素をその天然の同位体組成で有するものと理解される。
【0072】
本明細書で使用されるように、「同位体的に濃縮された」は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体的に濃縮された」は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含む化合物を指すこともできる。
【0073】
本明細書で使用されるように、「同位体濃縮」は、その原子の天然の同位体存在度の代わりに、分子中の所与の原子における特定の同位体の量の取込みのパーセンテージを指す。例えば、所与の位置における1%の重水素濃縮は、所与の試料中の分子の1%が、指定された位置で重水素を含むことを意味する。重水素の天然の分布は約0.0156%であるので、非濃縮型出発材料を用いて合成される化合物中の任意の位置における重水素濃縮は、約0.0156%である。本明細書で提供される化合物の同位体濃縮は、質量分析法及び核磁気共鳴分光法を含む、当業者に公知の従来の分析法を用いて決定することができる。
【0074】
ある実施態様では、1以上のジュウテロ置換基を有する本明細書中の化合物は、約50%〜約99.5%、60%〜約99.5%、70%〜約99.5%の重水素取込みという各々の指定された重水素原子の同位体濃縮係数を有する。
【0075】
ある実施態様では、1以上のジュウテロ置換基を有する本明細書中の化合物は、少なくとも約3500(約52.5%重水素取込み)、少なくとも約4000(約60%重水素取込み)、少なくとも約4500(約67.5%重水素取込み)、少なくとも約5000(約75%重水素取込み)、少なくとも約5500(82.5%重水素取込み)、少なくとも約6000(約90%重水素取込み)、少なくとも約6466.7(約97%重水素取込み)、少なくとも約6600(約99%重水素取込み)、又は少なくとも約6633.3(99.5%重水素取込み)という各々の指定された重水素原子の同位体濃縮係数を有する。
【0076】
ある実施態様では、1以上のジュウテロ置換基を有する本明細書中の化合物は、約3500(約52.5%重水素取込み)、約4000(約60%重水素取込み)、約4500(約67.5%重水素取込み)、約5000(約75%重水素取込み)、約5500(82.5%重水素取込み)、約6000(約90%重水素取込み)、約6466.7(約97%重水素取込み)、約6600(約99%重水素取込み)、又は約6633.3(99.5%重水素取込み)という各々の指定された重水素原子の同位体濃縮係数を有する。
【0077】
「抗癌剤」は、代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキサート、フルダラビン)、抗微小管薬(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン;タキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、ニトロソウレア、例えば、ビスクロロエチルニトロソウレア及びヒドロキシウレア)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM-216又はサトラプラチン、CI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトテシン)、抗血管新生薬(例えば、Sutent(登録商標)及びベバシズマブ)、或いは任意の他の細胞傷害性薬剤、(リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン)、ホルモン、又はホルモンのアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、もしくは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、並びに放射線治療を指す。
【0078】
「抗炎症剤」は、メトトレキサート、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、炎症促進性サイトカインの阻害剤(例えば、抗TNF分子、TNF可溶性受容体、及びIL1) 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、プロスタグランジンシンターゼ阻害剤(例えば、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチルサリチル酸)、COX-1もしくはCOX-2阻害剤、又はグルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、コルチコステロイド、メチルプレドニゾン、プレドニゾン、もしくはコルチゾンを指す。
【0079】
本明細書で使用されるように、任意の保護基、アミノ酸、及び他の化合物に関する略語は、特に指示されない限り、それらの一般的な使用法、又はJ. Org. Chem. 2007 72(1): 23A-24Aに見られる略語もしくは生化学的命名法に関するIUPAC-IUB委員会(Biochem. 1972, 11:942-944参照)によって定められた略語を含む、認められた略語に一致する。
【0080】
(B.化合物)
式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化2】
式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択される1〜2個のヘテロ原子を含み;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
各R3は、独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R5は、水素又はアルキルであり;
各R6は、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、及び-RxS(O)qRvから独立に選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり;
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、もしくはハロアルキルであるか;又は
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
rは1〜3であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である。
【0081】
ある実施形態では、式(II)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化3】
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCR7aから選択され;R7aは、水素又はアルキルであり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0082】
ある実施形態では、式(II)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCR7aから選択され;R7aは、水素又はアルキルであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択される1〜2個のヘテロ原子を含み;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
各R3は、独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R5は、水素又はアルキルであり;
各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-Rx NR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり;
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、もしくはヘテロシクリルであるか;又は
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
rは1〜3であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である。
【0083】
ある実施態様では、式(III)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化4】
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、独立に、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ジュウテロアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
各R6は、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-Rx NR19S(O)qRvから独立に選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である。
【0084】
ある実施態様では、式(III)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、独立に、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり;かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、-RxNRyRz、及び-C(O)ORwから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;かつR2は、水素、ハロ、又は-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、ジュウテロ、-OR12、-NR13R14、又は-S(O)qR15であり;かつR2は、水素、ジュウテロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、シアノ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、及び-RxS(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
R12は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)Rv、-C(O)ORw、及び-C(O)NRyRzから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり;かつR14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシ、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvから選択され、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、ここで、該ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールは、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、もしくは3個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、任意に、オキソで置換され;
R15は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアラルキルは、各々任意に、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個、2個、又は3個の置換基で置換され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Rwは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はハロアルキルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
nは0〜4であり;
pは0〜4であり;かつ
各qは、独立に、0、1、又は2である。
【0085】
ある実施態様では、式(IV)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化5】
式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、-OR21、-N(R22)2、及び-S(O)qR23から選択される1個以上の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり、かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され、かつR2は、水素、ハロ、及び-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、-OR12、-NR13R14、-S(O)qR15、又は-R17C(O)OR12であり、かつR2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルルキル、又はシクロアルキルであり;
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6a、R6b、R6c、及びR6dは、各々独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
各R12は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は-C(O)NRyRzであり;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり、かつR14は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvであるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の置換基で任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R15は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzから選択され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
各qは、独立に、0、1、又は2であり;
rは1〜3であり;かつ
pは0〜2である。
【0086】
ある実施態様では、式(IV)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、-OR21、-N(R22)2、及び-S(O)qR23から選択される1個以上の、一実施態様では、1個もしくは2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり、かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され、かつR2は、水素、ハロ、及び-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、-OR12、-NR13R14、-S(O)qR15、又は-R17C(O)OR12であり、かつR2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルルキル、又はシクロアルキルであり;
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6a、R6b、R6c、及びR6dは、各々独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
各R12は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は-C(O)NRyRzであり;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり、かつR14は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvであるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の置換基で任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;R15は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzから選択され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
各qは、独立に、0、1、又は2であり;
rは1〜3であり;かつ
pは0〜2である。
【0087】
ある実施態様では、式(IV)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、-OR21、-N(R22)2、及び-S(O)qR23から選択される1個以上の、一実施態様では、1個もしくは2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり、かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され、かつR2は、水素、ハロ、及び-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、-OR12、-NR13R14、-S(O)qR15、又は-R17C(O)OR12であり、かつR2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、又はシクロアルキルであり;
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6a、R6b、R6c、及びR6dは、各々独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、及び-RxS(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり
各R12は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は-C(O)NRyRzであり;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり、かつR14は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvであるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の置換基で任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;R15は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzから選択され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はハロアルキルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
各qは、独立に、0、1、又は2であり;
rは1〜3であり;かつ
pは0〜2である。
【0088】
ある実施態様では、式(IV)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
Bは6員窒素含有ヘテロアリールであり;
R1及びR2は、次のような(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)から選択され:
(i)R1及びR2は一緒に、=O、=S、=NR9、又は=CR10R11を形成し;
(ii)R1及びR2は両方とも-OR8であるか、又はR1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、-OR21、-N(R22)2、及び-S(O)qR23から選択される1個以上の、一実施態様では、1個もしくは2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、1〜2個のヘテロ原子を含み、ここで、各ヘテロ原子は、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され;
(iii)R1は、水素又はハロであり、かつR2はハロであり;
(iv)R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され、かつR2は、水素、ハロ、及び-OR8であり;かつ
(v)R1は、ハロ、-OR12、-NR13R14、-S(O)qR15、又は-R17C(O)OR12であり、かつR2は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリールであり、ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアリールは、各々任意に、ハロ、アルキル、-RxORw、-RxS(O)qRv、及び-RxNRyRzから選択される1個以上の置換基で置換され;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、又はシクロアルキルであり;
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6a、R6b、R6c、及びR6dは、各々独立に、水素、ジュウテロ、ハロ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
R8は、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
R9は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、又はアミノであり;
R10は、水素又はアルキルであり;
R11は、水素、アルキル、ハロアルキル、又は-C(O)OR8であり;
各R12は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は-C(O)NRyRzであり;
R13及びR14は、次のように選択され:
(i)R13は、水素もしくはアルキルであり、かつR14は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)Rv、-C(O)ORw、-C(O)NRyRz、及び-S(O)qRvであるか;又は
(ii)R13及びR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオから独立に選択される1個以上の置換基で任意に置換されたヘテロシクリルを形成し; R15は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、ヘテロシシルアルキル(heterocycylalkyl)、-C(O)NRyRz、又は-NRyRzから選択され;
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
各R22は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;又は両方のR22は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、オキソで任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R23は、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はハロアルキルであり;
R24は、水素又はアルキルであり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
各qは、独立に、0、1、又は2であり;
rは1〜3であり;かつ
pは0〜2である。
【0089】
一実施態様では、式IVの化合物が本明細書で提供され、
式中、Bは、
【化6】
であり;A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCR7aから選択され;各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;
各R7aは、独立に、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0090】
ある実施態様では、式(V)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化7】
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCR7aから選択され;各R7aは、独立に、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又は-RxORwであり;Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rwは、独立に、水素又はアルキルであり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。別の実施態様では、A1及びA2は、N及びCHから選択される。
【0091】
ある実施態様では、式(VIa)又は(VIb)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化8】
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCR7aから選択され;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルルキル、又はシクロアルキルであり;
R6は、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はアルコキシであり;
各R7aは、独立に、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はアルコキシであり;pは、1又は2であり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、pは1である。
【0092】
ある実施態様では、式(VIa)もしくは(VIb)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化9】
式中、
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
R6は、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、及び-RxS(O)qRv選択され;ここで、該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はアルコキシであり;pは、1又は2であり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、pが1である。
【0093】
ある実施態様では、式(VIa)もしくは(VIb)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
R3は、水素、ジュウテロ、ジュウテロアルキル、アルキル、ハロアルキル、又はシクロアルキルであり;
R6は、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、及び-RxS(O)qRvから選択され;ここで、該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、任意に、1つ、2つ、又は3つのハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、又はシクロアルキル基で置換され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はアルコキシであり;pは1又は2であり;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、pは1である。
【0094】
ある実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化10】
式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0095】
一実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、又はシクロアルキルであり、
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6c又はR6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
pは0〜2であり;かつ
qは0〜2である。
【0096】
一実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、又はシクロアルキルであり、
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは0〜2である。
【0097】
一実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、水素、ジュウテロ、アルキル、又はシクロアルキルであり、
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは0〜2である。
【0098】
一実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1はNであり;
A2はCHであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは0〜2である。
ある実施態様では、R6cは、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;かつR6dは、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、及びカルボキシルから選択される。ある実施態様では、R6cは、シアノ及びカルボキシルから選択され、かつR6dは、シアノ及びカルボキシルから選択される。
【0099】
ある実施態様では、式(VIIa)、(VIIb)、もしくは(VIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、式中、pは1〜2である。ある実施態様では、pは1である。
【0100】
ある実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化11】
(式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである)。
【0101】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、ジュウテロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、又はシクロアルキルであり、
R5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6c又はR6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRv、-RxNR19C(O)R18、-RxC(O)OR18、及び-RxNR19S(O)qRvから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
各Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり;
Ry及びRzは、次のように選択され:
(i)Ry及びRzは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
(ii)Ry及びRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で任意に置換されているヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成し;
pは0〜2であり;かつ
qは0〜2である。
【0102】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3が、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは1又は2である。
【0103】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1はNであり;
A2はCHであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは0〜2である。
ある実施態様では、R6cは、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、及びカルボキシルから選択され;かつR6dは、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、及びカルボキシルから選択される。ある実施態様では、R6cは、シアノ及びカルボキシルから選択され、かつR6dは、シアノ及びカルボキシルから選択される。
【0104】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、及びアルコキシから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは1又は2である。
【0105】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともハロであり;
R3は、水素又はアルキルであり;
R4及びR5は、各々、水素であり;
R6c及びR6dは、各々独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、オキソ置換ヘテロシリル、カルボキシル、ホルミルアミノ、及びアセチルアミノから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは1である。
【0106】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともハロであり;
R3は、水素又はアルキルであり;
R4及びR5は、各々、水素であり;
R6c及びR6dは、各々独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルから選択され;
各R7は、独立に、ハロ、アルキル、又はハロアルキルであり;かつ
pは1である。
【0107】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともフルオロであり;
R3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、ハロアルコキシ、及びアルキルから選択され;
各R7はハロであり;かつ
pは1又は2である。
【0108】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともフルオロであり;
R3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、ハロアルコキシ、及びアルキルから選択され;
各R7はハロであり;かつ
pは1又は2である。
【0109】
一実施態様では、式(VIIIa)、(VIIIb)、もしくは(VIIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;又はR1及びR2は両方ともフルオロであり;
R3は、水素、アルキル、又はシクロアルキルであり、
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;
R6dは、ジュウテロ、ハロ、ハロアルコキシ、及びアルキルから選択され;
R7はフルオロであり;かつ
pは1である。
【0110】
一実施態様では、Aは、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、又はトリアゾリルである。一実施態様では、Aはピラゾリルである。一実施態様では、Aはイミダゾリルである。
【0111】
一実施態様では、Aは、
【化12】
であり、ここで、各R3は、独立に、水素、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、ジュウテロアルルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;rは1又は2であり;かつ各R4は、独立に、水素、又はアルキルである。
【0112】
一実施態様では、Aは、
【化13】
であり、式中、各R3は、独立に、水素、ハロ、アルキル、シアノ、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;rは1又は2であり;かつ各R4は、独立に、水素、又はアルキルである。
【0113】
一実施態様では、Aは、
【化14】
であり、式中、X1、X2、及びX3は、次のような(i)及び(ii)から選択され、
(i)X1はNR4であり、X2はCR3であり、かつX3はCHであるか;
(ii)X1はCR3であり、X2はNR4であり、かつX3はCR3であるか;
(iii)X1はCR3であり、X2はSもしくはOであり、かつX3はCR3であるか;
(iv)X1はCR3であり、X2はCR3であり、かつX3はS、O、もしくはNであるか;又は
(v)X1はCR3であり、X2はNであり、かつX3はS、O、もしくはNであり;
かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0114】
一実施態様では、Aは、
【化15】
であり、式中、各R3は、独立に、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;かつ各R4は、独立に、水素、又はアルキルである。
【0115】
一実施態様では、Aは、
【化16】
であり、式中、各R3は、独立に、水素、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;かつ各R4は、独立に、水素、又はアルキルである。
【0116】
一実施態様では、Aは、
【化17】
であり、式中、X1、X2、及びX3は、次のような(i)及び(ii)から選択され、
(vi)X1はNR4であり、X2はCR3であり、かつX3はCHであり;かつ
(vii)X1はCHであり、X2はCR3であり、かつX3はSであり、
かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0117】
一実施態様では、Aは、
【化18】
であり、式中、R3は、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、アルコキシ、又はハロアルコキシである。一実施態様では、Aは、
【化19】
であり、式中、R3は、水素又はアルキルである。一実施態様では、R3は、水素又はメチルである。
【0118】
一実施態様では、A1はCHであり、かつA2はNである。一実施態様では、A1はNであり、かつA2はCHである。一実施態様では、A1はNであり、かつA2はNである。
【0119】
一実施態様では、R1及びR2は一緒に=Oを形成する。
【0120】
一実施態様では、R1及びR2は両方ともハロである。一実施態様では、R1及びR2は両方ともフルオロである。
【0121】
一実施態様では、R1は、水素又はアルキルであり、かつR2はヒドロキシである。一実施態様では、R1は、水素又はメチルであり、かつR2はヒドロキシである。
【0122】
一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し、ここで、該シクロアルキルは、ハロ、ジュウテロ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、=O、=N-OR21、-RxOR21、-RxN(R22)2、-RxS(O)qR23、-C(O)R21、-C(O)OR21、及び-C(O)N(R22)2から選択される1個以上の、一実施態様では、1〜4個の、一実施態様では、1〜3個の、一実施態様では、1個又は2個の置換基で置換され、かつここで、該ヘテロシクリルは、多くても2個のヘテロ原子を含み、ここで、第一のヘテロ原子は、O、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択され、かつ第二の任意のヘテロ原子は、NR24、S、S(O)、及びS(O)2から選択される。
【0123】
一実施態様では、R3は、水素、アルキル、又はアルコキシである。別の実施態様では、R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、ジュウテロ、又はアルコキシである。別の実施態様では、R3は、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、ジュウテロ、又はアルコキシである。別の実施態様では、R3は、アルキル、ハロアルキル、又はジュウテロアルキルである。別の実施態様では、R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、ジュウテロアルキル、又はジュウテロである。一実施態様では、R3は、水素、ジュウテロ、又はアルキルである。別の実施態様では、R3は、水素又はメチルである。別の実施態様では、R3は水素である。一実施態様では、R4は水素である。一実施態様では、R5は水素である。
【0124】
一実施態様では、各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRvから選択され、ここで、R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;Rvは、水素、又はアルキルであり;Ry及びRzは、各々独立に、水素又はアルキルであり;かつR19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成する。
【0125】
一実施態様では、各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ハロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRvから選択され、ここで、Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;Rvは、水素、又はアルキルであり;Ry及びRzは、各々独立に、水素又はアルキルであり;かつR19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成する。
【0126】
一実施態様では、各R6は、独立に、ジュウテロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、及びシクロアルキルから選択される。一実施態様では、各R6は、独立に、ジュウテロ、シアノ、ハロ、アルキル、及びシクロアルキルから選択される。
【0127】
一実施態様では、各R6は、独立に、シアノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、メチル、メトキシ、及びシクロプロピルから選択される。
【0128】
一実施態様では、R6cは、ジュウテロ、シアノ、ハロ、アルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、又はシクロアルキルである。一実施態様では、R6cは、シアノ、ブロモ、メトキシ、又はシクロプロピルである。一実施態様では、R6dは、フルオロ、クロロ、又はメチルである。
【0129】
一実施態様では、R7はハロである。一実施態様では、R7はフルオロである。
【0130】
一実施態様では、pは1又は2である。一実施態様では、pは1である。
【0131】
ある実施態様では、式(IX)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化20】
式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、式(IX)の化合物が本明細書で提供され、
式中、
Aはアゾリルであり;
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、水素、アルキル、シクロアルキル、もしくはアルコキシであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
各R6は、独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アリール、ハロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRvから選択され、ここで、R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから独立に選択され;
R7はハロであり;
Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、又はアルキルであり;
Ry及びRzは、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、
nは0又は1であり;
rは1〜3であり;かつ
pは1である。
【0132】
ある実施態様では、式(IX)の化合物が本明細書で提供され、式中、R6は、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され、かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0133】
ある実施態様では、式(Xa)、(Xb)、もしくは(Xc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化21】
式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである。一実施態様では、R7は、フルオロである。
【0134】
ある実施態様では、式(XIa)、(XIb)、もしくは(XIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化22】
式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、式(XIa)、(XIb)、又は(XIc)の化合物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R1及びR2は、次のように選択され:
(i)R1及びR2は一緒に=Oを形成するか;
(ii)R1は、水素もしくはハロであり、かつR2はハロであるか;又は
(iii)R1はOHであり;かつR2は、水素、もしくはアルキルであり;
R3は、水素、アルキル、又はアルコキシであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6c及びR6dは、各々独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRvから選択され、ここで、R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、オキソ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、又はアルキルであり;
Ry及びRzは、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;かつ
R7はハロである。
【0135】
ある実施態様では、式(XIa)、(XIb)、又は(XIc)の化合物が本明細書で提供され、式中、R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;かつR6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され;かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0136】
ある実施態様では、式(XIIa)、(XIIb)、もしくは(XIIc)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される
【化23】
式中、変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、式(XIIa)、(XIIb)、又は(XIIc)の化合物が本明細書で提供され、式中、A1はNであり、かつA2はCHであり、かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。ある実施態様では、式(XIa)、(XIb)、又は(XIc)の化合物が本明細書で提供され、
式中、
A1又はA2のうちの少なくとも1つがNであるように、A1及びA2は、N及びCHから選択され;
R3は、水素、アルキル、又はアルコキシであり;
R4及びR5は、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R6c及びR6dは、各々独立に、ジュウテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、ハロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、-RxOR18、-RxNR19R20、-RxC(O)NRyRz、-RxS(O)qRvから選択され、ここで、R18は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;ここで、R18は、任意に、1〜3個の基Q1で置換され、各Q1は、独立に、アルキル、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、カルボキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロアリール、及びアミノから選択され;
Rxは、独立に、アルキレン又は直接結合であり;
Rvは、水素、又はアルキルであり;
Ry及びRzは、各々独立に、水素又はアルキルであり;
R19及びR20は、次のように選択され:
(i)R19及びR20は、各々独立に、水素もしくはアルキルであるか;又は
(ii)R19及びR20は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、及びアルコキシから各々独立に選択される1〜2個の基で各々任意に置換されているヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;かつ
R7はハロである。
【0137】
ある実施態様では、式(XIIa)、(XIIb)、又は(XIIc)の化合物が本明細書で提供され、式中、R6dは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、及びハロアルコキシから選択され;かつR6cは、ジュウテロ、ハロ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及びアルコキシから選択され、かつ他の変数は、本明細書の別所に記載の通りである。
【0138】
一実施態様では、以下のもの
(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-イル)-5-メチルチアゾール-2-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボニトリル;
8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;及び
7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン
から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される。
【0139】
一実施態様では、以下のもの
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボニトリル;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキサミド;
8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボキサミド;
4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)-N-(オキセタン-3-イル)キナゾリン-8-カルボキサミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-オール;
メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキシレート;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)アセトアミド;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-ニトロキナゾリン-4-アミン;
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4,8-ジアミン;
8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン;
N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミド;及び
2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボン酸;
から選択される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物が本明細書で提供される。
【0140】
本明細書で提供される化合物の同位体的に濃縮された類似体も本明細書で提供される。薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)、及び毒性プロファイルを改善する薬剤の同位体濃縮(例えば、重水素化)は、いくつかのクラスの薬物に関して以前に示されている。例えば、Lijinskyらの文献(Food Cosmet. Toxicol., 20: 393(1982));Lijinskyらの文献(J. Nat. Cancer Inst., 69: 1127(1982));Mangoldらの文献(Mutation Res. 308: 33(1994));Gordonらの文献(Drug Metab. Dispos., 15: 589(1987));Zelloらの文献(Metabolism, 43: 487(1994));Gatelyらの文献(J. Nucl. Med., 27: 388(1986));及びWade Dの文献(Chem. Biol. Interact. 117: 191(1999))を参照されたい。
【0141】
薬物の同位体濃縮を用いて、例えば、(1)望ましくない代謝産物を低減もしくは排除すること、(2)親薬物の半減期を延長すること、(3)所望の効果を達成するのに必要とされる投与の回数を減少させること、(4)所望の効果を達成するのに必要な投与の量を減少させること、(5)少しでも形成される場合、活性代謝産物の形成を増大させること、及び/もしくは(6)特定の組織における有害な代謝産物の産生を減少させること、並びに/又は併用療法が意図されるか否かを問わず、併用療法用のより効果的な薬物及び/もしくはより安全な薬物を生成させることができる。
【0142】
原子をその同位体のうちの1つに置換すると、化学反応の反応速度に変化が生じることが多い。この現象は、反応速度同位体効果(「KIE」)として知られている。例えば、化学反応の律速段階(すなわち、最大の遷移状態エネルギーを伴う段階)でCH結合を破壊する場合、重水素をその水素の代わりに用いると、反応速度の減少が引き起こされ、そのプロセスは減速する。この現象は、重水素反応速度同位体効果(「DKIE」)として知られている。(例えば、Fosterらの文献(Adv. Drug Res., vol. 14, pp. 1-36(1985));Kushnerらの文献(Can. J. Physiol. Pharmacol., vol. 77, pp. 79-88(1999))を参照されたい)。
【0143】
トリチウム(「T」)は、研究、核融合炉、中性子発生装置、及び放射性医薬品において使用される水素の放射性同位体である。トリチウムは、核に2つの中性子を有し、3に近い原子量を有する水素原子である。それは、環境中に非常に低い濃度で自然発生し、T2Oとして最もよく見られる。トリチウムは、ゆっくりと崩壊し(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の外層を透過することができない低エネルギーのベータ粒子を放出する。内部被曝は、この同位体と関連する主な危険であるが、著しい健康リスクを及ぼすには、それが大量に摂取されなくてはならない。重水素と比較した場合、それが危険なレベルに達するまでに、より少ない量のトリチウムが消費されなくてはならない。トリチウム(「T」)を水素の代わりに用いると、重水素よりもさらに強い結合が生じ、数値的により大きい同位体効果が生じる。同様に、限定するものではないが、13C又は14Cを炭素の代わりに、33S、34S、又は36Sを硫黄の代わりに、15Nを窒素の代わりに、及び17O又は18Oを酸素の代わりに用いることを含め、同位体を他の元素の代わりに用いると、同様の反応速度同位体効果が得られる。
【0144】
(C.医薬組成物の製剤)
本明細書で提供される化合物、例えば、活性成分としての式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物を;医薬として許容し得るビヒクル、担体、希釈剤、もしくは賦形剤、又はこれらの混合物と組み合わせて含む医薬組成物が本明細書で提供される。
【0145】
本明細書で提供される化合物は、単独で、又は本明細書で提供される1以上の他の化合物と組み合わせて投与することができる。本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物を含む医薬組成物は、経口、非経口、及び局所投与用の様々な剤形で製剤化することができる。該医薬組成物は、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、パルス放出剤形、制御放出剤形、加速放出剤形、高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、及び胃内滞留剤形を含む、修飾放出剤形として製剤化することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる(Remingtonの文献:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)、上記;修飾放出薬物送達技術(Modified-Release Drug Deliver Technology), Rathboneら編, 薬物と製薬科学(Drugs and the Pharmaceutical Science), Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2003; Vol. 126を参照されたい)。
【0146】
一実施態様では、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物;及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物は、経口投与用の剤形で提供される。
【0147】
別の実施態様では、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物;及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物は、非経口投与用の剤形で提供される。
【0148】
また別の実施態様では、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物;及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物は、局所投与用の剤形で提供される。
【0149】
本明細書で提供される医薬組成物は、単位剤形又は複数剤形で提供することができる。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物の対象への投与に好適で、かつ当技術分野で公知であるように個別に包装された、物理的に分離した単位を指す。各々の単位用量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定量の活性成分(複数可)を含む。単位剤形の例としては、アンプル、シリンジ、並びに個別に包装された錠剤及びカプセル剤が挙げられる。単位剤形は、その分数又は倍数で投与されてもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与される、単一の容器中に包装された複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤の瓶、又はパイントもしくはガロンの瓶が挙げられる。
本明細書で提供される医薬組成物は、1回で、又は時間間隔を置いて複数回で投与することができる。正確な投薬量及び治療期間は、治療される患者の年齢、体重、及び状態によって異なってもよく、公知の試験プロトコルを経験的に用いて、或いはインビボもしくはインビトロ試験、又は診断データからの推定によって、決定することができることが理解される。任意の特定の個体のために、特定の投薬レジメンを、個々の必要性、及び製剤の投与を管理又は監督する人の専門的な判断によって、経時的に調整すべきであることがさらに理解される。
【0150】
一実施態様では、治療有効用量は、本明細書で提供される化合物の1日当たり約0.1mg〜約2,000mgである。したがって、該医薬組成物は、該化合物の約0.1mg〜約2000mgの投薬量を提供すべきである。ある実施態様では、医薬投薬単位形態は、投薬単位形態当たり約1mg〜約2000mg、約10mg〜約1000mg、約20mg〜約500mg、もしくは約25mg〜約250mgの必須活性成分、又は必須成分の組合せを提供するように調製される。ある実施態様では、該医薬投薬単位形態は、約10mg、20mg、25mg、50mg、100mg、250mg、500mg、1000mg、又は2000mgの必須活性成分を提供するように調製される。
【0151】
(経口投与)
本明細書で提供される医薬組成物は、経口投与用の固体剤形、半固体剤形、又は液体剤形で提供することができる。本明細書で使用されるように、経口投与には、口腔内投与、舌投与、及び舌下投与も含まれる。好適な経口剤形としては、錠剤、ファストメルト、チュアブル錠、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、香錠、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、混合散剤、発泡性又は非発泡性の散剤又は顆粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、ウエハー剤、スプリンクル剤、エリキシル剤、及びシロップ剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性成分(複数可)に加えて、該医薬組成物は、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色素移動阻害剤、甘味料、及び香料を含むが、これらに限定されない、1以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含むことができる。
【0152】
結合剤又は顆粒化剤は、錠剤が圧縮後に確実に原形を保つよう、錠剤に粘着性を付与する。好適な結合剤又は顆粒化剤としては、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びα化デンプン(例えば、STARCH 1500);ゼラチン;糖類、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及びラクトース;天然又は合成ゴム、例えば、アカシア、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモスの抽出物、パンワールゴム、ガティゴム、イサブゴールハスクの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、トラガカント末、及びグアーガム;セルロース、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp., Marcus Hook, PA);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。該結合剤又は充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物中、約50〜約99重量%で存在することができる。
【0153】
好適な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールは、十分な量で存在する場合、一部の圧縮錠に、咀嚼することにより口内で崩壊することが可能になる特性を付与することができる。そのような圧縮錠は、チュアブル錠として使用することができる。
【0154】
好適な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;セルロース、例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース;木製品;天然スポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム、例えば、グアーガム及びビーガムHV;柑橘類の果肉;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びα化デンプン;粘土;アライン(align);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプによって変わり、当業者に容易に認識される。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含むことができる。
【0155】
好適な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール、例えば、ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油を含む、硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;エチルラウリエート(ethyl laureate);寒天;デンプン;石松子;シリカ又はシリカゲル、例えば、AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の滑沢剤を含むことができる。
【0156】
好適な流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、及び石綿不含タルクが挙げられる。着色剤としては、認可され、保証された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ白に懸濁された水不溶性FD&C色素、及びレーキ顔料のいずれか、並びにこれらの混合物が挙げられる。レーキ顔料は、不溶性形態の色素を生じさせる、重金属の水和酸化物への水溶性色素の吸着による組合せである。香料としては、植物、例えば、果実から抽出される天然フレーバー、並びに心地良い味覚を生じさせる化合物、例えば、ペパーミント及びサリチル酸メチルの合成ブレンドが挙げられる。甘味料としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びに人工甘味料、例えば、サッカリン及びアスパルテームが挙げられる。好適な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、並びに界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンが挙げられる。懸濁剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカントゴム、ビーガム、アカシアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが挙げられる。防腐剤としては、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸付加物(benzoic add)、安息香酸ナトリウム、並びにアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップが挙げられる。乳剤中で利用される非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0157】
多くの担体及び賦形剤は、同じ製剤中でも、いくつかの機能を果たし得ることを理解すべきである。
【0158】
本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠、粉薬錠、チュアブルロゼンジ剤、速溶錠、多重圧縮錠、又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠、もしくはフィルムコート錠として提供することができる。腸溶性コート錠は、胃酸の作用には耐えるが、腸内で溶解又は崩壊する物質でコーティングされた圧縮錠であり、そのため、活性成分を胃の酸性環境から保護する。腸溶性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。糖衣錠は、糖衣によって囲まれた圧縮錠であり、糖衣は、不快な味又は臭いを隠すのに、及び該錠剤を酸化から保護するのに有益であり得る。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄い層又はフィルムで被覆されている圧縮錠である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を付与する。多重圧縮錠は、2回以上の圧縮サイクルによって作られる圧縮錠であり、これには、層状錠剤、及びプレスコート錠又はドライコート錠が含まれる。
【0159】
錠剤剤形は、単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/もしくは着色剤を含む、本明細書に記載の1以上の担体もしくは賦形剤と組み合わせて、粉末、結晶、又は顆粒形態の活性成分から調製することができる。香料及び甘味料は、チュアブル錠及びロゼンジ剤の形成に特に有用である。
【0160】
本明細書で提供される医薬組成物は、軟カプセル剤又は硬カプセル剤として提供することができ、該カプセル剤は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作ることができる。硬ゼラチンカプセル剤は、乾燥充填カプセル剤(DFC)としても知られており、これは、一方がもう一方の上に滑り込むことによって、活性成分を完全に封入している2つの部分からなる。軟カプセル剤(SEC)は、軟らかい、球状のシェル、例えば、ゼラチンシェルであり、これは、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加により可塑化されている。軟ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するために防腐剤を含んでいてもよい。好適な防腐剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸が含まれる。本明細書で提供される液体剤形、半固体剤形、及び固体剤形は、カプセルに封入することができる。好適な液体剤形及び半固体剤形としては、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液が挙げられる。そのような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載の通りに調製することができる。該カプセル剤は、活性成分の溶解を修飾又は維持するために、当業者に知られているようにコーティングすることもできる。
【0161】
本明細書で提供される医薬組成物は、液体剤形及び半固体剤形で提供することができ、これには、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤が含まれる。乳剤は、一方の液体がもう一方の液体の全体に小球の形態で分散している二相系であり、これは、水中油型又は油中水型であることができる。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び防腐剤を含むことができる。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び防腐剤を含むことができる。水性アルコール溶液は、医薬として許容し得るアセタール、例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール;並びに1以上の水酸基を有する水混和性溶媒、例えば、プロピレングリコール及びエタノールを含むことができる。エリキシル剤は、透明で、甘い、水アルコール性の溶液である。シロップ剤は、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含むこともできる。液体剤形のために、ポリエチレングリコール中の溶液を、例えば、投与のために好都合に測定されるように、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば、水で希釈することができる。
【0162】
他の有用な液体剤形及び半固体剤形としては、本明細書で提供される活性成分(複数可)と、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量を指す)を含む、ジアルキル化されたモノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールとを含むものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの製剤は、1以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートをさらに含むことができる。
【0163】
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、又はナノシステムの形態で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載の通りに調製することができる。
【0164】
本明細書で提供される医薬組成物は、液体剤形へと再構成される、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び散剤として提供することができる。該非発泡性の顆粒剤又は散剤中で使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を挙げることができる。該発泡性の顆粒剤又は散剤中で使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、有機酸、及び二酸化炭素の供給源を挙げることができる。
【0165】
着色剤及び香料は、上の剤形の全てにおいて使用することができる。
【0166】
本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的放出形態、及びプログラム放出形態を含む、即時放出剤形もしくは修飾放出剤形として製剤化することができる。
【0167】
本明細書で提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分、又は所望の作用を補足する物質とともに共製剤化することができる。
【0168】
(非経口投与)
本明細書で提供される医薬組成物は、局所投与又は全身投与のために、注射、注入、又は埋込みによって、非経口的に投与することができる。本明細書で使用される非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液嚢内投与、膀胱内投与、及び皮下投与を含む。
【0169】
本明細書で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、マイクロスフェア、ナノシステム、及び注射前の液体中の液剤又は懸濁剤に好適な固体形態を含む、非経口投与に好適である任意の剤形で製剤化することができる。そのような剤形は、製薬科学の当業者に公知の従来法に従って調製することができる(Remingtonの文献:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。
【0170】
非経口投与が意図される医薬組成物は、1以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含むことができ、これには、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤又は防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結防止剤、リオプロテクタント、増粘剤、pH調整剤、並びに不活性ガスが含まれるが、これらに限定されない。
【0171】
好適な水性ビヒクルとしては、水、食塩水、生理食塩水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸リンゲル注射液が挙げられるが、これらに限定されない。非水性ビヒクルとしては、植物起源の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、硬化植物油、硬化大豆油、並びにヤシ油、及びパーム核油の中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
好適な抗微生物剤又は防腐剤としては、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。好適な緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。好適な局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられるが、これに限定されない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。好適な乳化剤としては、本明細書に記載されているものが挙げられ、これには、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、及びオレイン酸トリエタノールアミンが含まれる。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これに限定されない。好適なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な錯化剤としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex, Lenexa, KS)を含む、シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
本明細書で提供される医薬組成物は、単一又は複数用量投与用に製剤化することができる。単一用量製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジに詰められる。複数用量非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度の抗微生物剤を含まなければならない。非経口製剤は全て、当技術分野で公知、かつ実施されているように、滅菌性でなければならない。
【0174】
一実施態様では、該医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌液剤として提供される。他の実施態様では、該医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、凍結乾燥粉末及び皮下注射用錠剤を含む滅菌乾燥可溶性製品として提供される。また別の実施態様では、該医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌懸濁剤として提供される。また別の実施態様では、該医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される滅菌乾燥不溶性製品として提供される。さらなる別の実施態様では、該医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌乳剤として提供される。
【0175】
本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的放出形態、及びプログラム放出形態を含む、即時放出剤形又は修飾放出剤形として製剤化することができる。
【0176】
本明細書で提供される医薬組成物は、埋込み型デポーとして投与するために、懸濁剤、固体、半固体、又はチキソトロピック液体として製剤化することができる。一実施態様では、本明細書で提供される医薬組成物は、固体の内部マトリックスに分散しており、該マトリックスは、体液中では溶けないが、該医薬組成物中の活性成分を拡散させることができる外部高分子膜によって囲まれている。
【0177】
好適な内部マトリックスとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0178】
好適な外部高分子膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられる。
【0179】
(局所投与)
本明細書で提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜に局所的に投与することができる。本明細書で使用される局所投与には、皮膚(内)投与、結膜投与、角膜投与、眼球内投与、眼投与、耳介投与、経皮投与、鼻腔投与、膣投与、尿道投与、呼吸器投与、及び直腸投与が含まれる。
【0180】
本明細書で提供される医薬組成物は、局所又は全身効果のための局所投与に好適である任意の剤形で製剤化することができ、これには、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏剤、粉剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ剤、ペースト剤、フォーム剤、フィルム剤、エアゾール剤、灌注剤、スプレー剤、坐剤、絆創膏、及び皮膚パッチが含まれる。本明細書で提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、ナノシステム、及びこれらの混合物を含むこともできる。
【0181】
本明細書で提供される局所製剤で使用するのに好適な医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤又は防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、浸透促進剤、凍結防止剤、リオプロテクタント、増粘剤、並びに不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0182】
該医薬組成物は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又は極微針注射もしくは針無注射、例えば、POWDERJECT(商標)(Chiron Corp., Emeryville, CA)及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc., Tualatin, OR)によって局所的に投与することもできる。
【0183】
本明細書で提供される医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、及びゲル剤の形態で提供することができる。好適な軟膏ビヒクルとしては、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、及び他の油、白色ワセリンを含む、油性ビヒクル又は炭化水素ビヒクル;乳化可能ビヒクル又は吸収ビヒクル、例えば、親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンスルフェート、及び無水ラノリン;水除去性ビヒクル、例えば、親水性軟膏;様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏ビヒクル;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)乳剤又は水中油型(O/W)乳剤のいずれかの乳剤ビヒクル(Remingtonの文献:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)が挙げられる。これらのビヒクルは、皮膚軟化剤であるが、通常、抗酸化剤及び防腐剤の添加を必要とする。
【0184】
好適なクリーム基剤は、水中油型又は油中水型であることができる。クリームビヒクルは、水洗い可能であり、かつ油相、乳化剤、及び水相を含むことができる。該油相は、「内部」相とも呼ばれ、通常、ワセリン、及び脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール又はステアリルアルコールから構成される。該水相は、通常、該油相よりも容積が大きく、一般に、保湿剤を含むが、必ずしもそうである必要はない。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、又は両性の界面活性剤であることができる。
【0185】
ゲル剤は、半固体の懸濁型の系である。単相ゲル剤は、液体担体の全体にわたって実質的に均一に分布した有機高分子を含む。好適なゲル化剤としては、架橋アクリル酸ポリマー、例えば、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、CARBOPOL(登録商標);親水性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、及びポリビニルアルコール;セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロース;ゴム、例えば、トラガカント及びキサンタンガム;アルギン酸ナトリウム;並びにゼラチンが挙げられる。均一なゲル剤を調製するために、分散剤、例えば、アルコールもしくはグリセリンを添加することができるか、又はゲル化剤を、粉砕化、機械的混合、及び/もしくは撹拌によって分散させることができる。
【0186】
本明細書で提供される医薬組成物は、坐剤、ペッサリー剤、ブジー剤、湿布剤もしくはパップ剤、ペースト剤、散剤、包帯剤、クリーム剤、硬膏剤、避妊薬、軟膏剤、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン剤、ゲル剤、フォーム剤、スプレー剤、又は浣腸剤の形態で、直腸に、尿道に、膣に、又は膣周囲に投与することができる。これらの剤形は、Remingtonの文献:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)、上記に記載されているような従来法を用いて製造することができる。
【0187】
直腸、尿道、及び膣の坐剤は、身体の開口部に挿入するための固形体であり、これは、常温では固体であるが、体温では融解又は軟化して、該開口部の内部で活性成分を放出する。直腸及び膣の坐剤で利用される医薬として許容し得る担体としては、基剤又はビヒクル、例えば、本明細書で提供される医薬組成物とともに製剤化された場合に、体温に近い融点を生じさせる硬化剤;並びに亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されているような抗酸化剤が挙げられる。好適なビヒクルとしては、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋及び黄蝋、脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸;グリセリン化ゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。様々なビヒクルの組合せを使用することができる。直腸及び膣の坐剤は、圧縮法又は成形によって調製することができる。直腸及び膣の坐剤の一般的な重量は、約2〜約3gである。
【0188】
本明細書で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏剤、乳剤、ゲル形成液剤、液剤用散剤、ゲル剤、眼球インサート、及びインプラントの形態で、眼科的に投与することができる。
【0189】
本明細書で提供される医薬組成物は、鼻腔内に、又は気道への吸入により、投与することができる。該医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、例えば、電気流体力学を用いて微細な霧を生成させるアトマイザー、又はネブライザーを用いて、単独で、又は好適な噴射剤、例えば、1,1,1,2-テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンと組み合わせて送達されるエアゾール剤又は液剤の形態で提供することができる。該医薬組成物は、単独で、又は不活性担体、例えば、ラクトースもしくはリン脂質と組み合わせて吹送される乾燥散剤;及び点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のために、該散剤は、キトサン又はシクロデキストリンを含む生体接着剤を含むことができる。
【0190】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーで使用される液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書で提供される活性成分を分散させるか、可溶化するか、もしくは該活性成分の放出を延長するための好適な代替の薬剤、溶媒としての噴射剤;及び/或いは界面活性剤、例えば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸を含むように製剤化することができる。
【0191】
本明細書で提供される医薬組成物は、吸入による送達に好適なサイズ、例えば、約50マイクロメートル以下、又は約10マイクロメートル以下にまで微細化することができる。そのようなサイズの粒子は、当業者に公知の粉砕方法、例えば、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成させるための超臨界流体プロセシング、高圧ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥を用いて調製することができる。
【0192】
吸入器又は吹送器で使用されるカプセル剤、ブリスター剤、及びカートリッジ剤は、本明細書で提供される医薬組成物の粉末混合物;好適な粉末基剤、例えば、ラクトース又はデンプン;及び機能調節剤、例えば、l-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムを含むように製剤化することができる。ラクトースは、無水、又は一水和物の形態であってもよい。他の好適な賦形剤又は担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースが挙げられる。吸入投与/鼻腔内投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、好適なフレーバー、例えば、メントール及びレボメントール、又は甘味料、例えば、サッカリンもしくはサッカリンナトリウムをさらに含むことができる。
【0193】
局所投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、及びプログラム放出を含む、即時放出又は修飾放出となるように製剤化することができる。
【0194】
(修飾放出)
本明細書で提供される医薬組成物は、修飾放出剤形として製剤化することができる。本明細書で使用されるように、用語「修飾放出」は、同じ経路で投与したとき、活性成分(複数可)の放出の速度又は場所が、即時剤形のものとは異なる剤形を指す。修飾放出剤形としては、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、拍動性放出剤形、制御放出剤形、加速及び高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、並びに胃内滞留剤形が挙げられる。修飾放出剤形の医薬組成物は、当業者に公知の種々の修飾放出デバイス及び方法を用いて調製することができ、これには、マトリックス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層コーティング、マイクロスフェア、リポソーム、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。活性成分(複数可)の放出速度は、該活性成分(複数可)の粒径及び多形を変化させることによって修飾することもできる。
【0195】
修飾放出の例としては、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0196】
(1.マトリックス制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制御放出デバイスを用いて製造することができる(Takadaらの文献、「制御薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」, 第2巻, Mathiowitz編, Wiley, 1999を参照されたい)。
【0197】
一実施態様では、修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化され、該デバイスは、合成ポリマー、並びに天然ポリマー及び誘導体、例えば、多糖及びタンパク質を含む、水膨潤性、浸食性、又は可溶性ポリマーである。
【0198】
浸食性マトリックスを形成させるのに有用な材料としては、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;寒天ゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラギーナン、ガティゴム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デンプン、例えば、デキストリン及びマルトデキストリン;親水性コロイド、例えば、ペクチン;ホスファチド、例えば、レシチン;アルギネート;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;セルロース誘導体、例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、トリメリト酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標), Rohm America, Inc., Piscataway, NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート);ポリ乳酸;L-グルタミン酸とエチル-L-グルタメートのコポリマー;分解性乳酸-グリコール酸コポリマー;ポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びに他のアクリル酸誘導体、例えば、ブチルメタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、及び塩化(トリメチルアミノエチル)メタクリレートのホモポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
さらなる実施態様では、該医薬組成物は、非浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化される。活性成分(複数可)は、不活性マトリックスに溶解又は分散しており、投与されると同時に、該不活性マトリックスを通した拡散によって最初に放出される。非浸食性マトリックスデバイスとして使用するのに好適な材料としては、不溶性プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、並びに;親水性ポリマー、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニル;並びに脂肪族化合物、例えば、カルナウバ蝋、微結晶性蝋、及びトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
マトリックス制御放出系では、所望の放出動態を、例えば、使用されるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマー及び/又は活性成分(複数可)の粒径、活性成分(複数可)対ポリマーの比率、並びに該組成物中の他の賦形剤もしくは担体によって制御することができる。
【0201】
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式又は湿式造粒の後の圧縮、及び溶融造粒後の圧縮を含む、当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0202】
(2.浸透圧制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、浸透圧制御放出デバイスを用いて製造することができ、該デバイスには、1-チャンバーシステム、2-チャンバーシステム、非対称膜技術(AMT)、及び押出しコアシステム(ESC)が含まれる。一般に、そのようなデバイスは、少なくとも2つの成分:(a)活性成分(複数可)を含むコア;及び(b)該コアを封入する、少なくとも1つの送達ポートを備えた半透膜を有する。該半透膜は、該送達ポート(複数可)からの押出しによる薬物の放出を生じさせるように、使用の水性環境から該コアへの水の流入を制御する。
【0203】
活性成分(複数可)に加えて、該浸透圧デバイスのコアは、使用の環境から該デバイスのコアに水を輸送する推進力を生み出す浸透圧剤を任意に含む。浸透圧剤の1つのクラスは、「オスモポリマー」及び「ヒドロゲル」とも呼ばれる水膨潤性親水性ポリマーであり、これには、親水性ビニル及びアクリルポリマー、多糖、例えば、アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、疎水性モノマー、例えば、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルとのPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチル、セルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、並びにデンプングリコール酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0204】
浸透圧剤の他のクラスは、オスモゲンであり、これは、水を吸収して、周囲のコーティングのバリアを隔てた浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。好適なオスモゲンとしては、無機塩類、例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウム;糖類、例えば、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトール;有機酸、例えば、アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸;尿素;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0205】
異なる溶解速度の浸透圧剤を用いて、活性成分(複数可)がどれくらい迅速に剤形から最初に送達されるかに影響を及ぼすことができる。例えば、非晶質糖、例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma, Lewes, DE)を用いて、最初の数時間により速い送達を提供して、所望の治療効果を速やかに生じさせ、かつ残りの量の放出を段階的かつ連続的に生じさせて、所望のレベルの治療効果又は予防効果を長期間にわたって維持することができる。この場合、活性成分(複数可)は、代謝され、排出される該活性成分の量を補うような速度で放出される。
【0206】
コアは、剤形の性能を向上させるか、又は安定性もしくは処理を促進するための、本明細書に記載されているような多種多様な他の賦形剤及び担体を含むことができる。
【0207】
半透膜を形成させるのに有用な材料としては、生理的に関連するpHで水透過性及び水不溶性であるか、又は架橋などの化学的変化によって水不溶性にしやすい、様々な等級のアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体が挙げられる。コーティングを形成させるのに有用な好適なポリマーの例としては、可塑化、非可塑化、及び強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸CA、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、カルバミン酸エチルCA、CAP、カルバミン酸メチルCA、コハク酸CA、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、ジメチルアミノ酢酸CA、炭酸エチルCA、クロロ酢酸CA、シュウ酸エチルCA、スルホン酸メチルCA、スルホン酸ブチルCA、スルホン酸p-トルエンCA、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、ジメチル酢酸アセトアルデヒド、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びポリ(アクリル)エステル並びにポリ(メタクリル)酸及びポリ(メタクリル)エステル、並びにこれらのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルエステル及びポリビニルエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスが挙げられる。
【0208】
半透膜は、疎水性微孔膜であることもでき、ここで、該孔は、米国特許第5,798,119号に開示されているように、実質的にガスで満たされており、水性媒体で湿らないが、水蒸気に透過性がある。そのような疎水性であるが水蒸気透過性である膜は、通常、疎水性ポリマー、例えば、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びポリビニルエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスから構成される。
【0209】
該半透膜の送達ポート(複数可)は、コーティング後に、機械的穿孔又はレーザー穿孔によって形成させることができる。送達ポート(複数可)は、水溶性材料のプラグの浸食によるか、又はコアのくぼみの上の、膜のより薄い部分の破裂によって、インサイチューで形成させることもできる。さらに、送達ポートは、米国特許第5,612,059号及び第5,698,220号に開示されているタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティングプロセスの間に形成させることができる。
【0210】
放出される活性成分(複数可)の総量、及び放出速度は、該半透膜の厚み及び孔隙率、コアの組成、並びに送達ポートの数、サイズ、及び位置によって実質的に調節することができる。
【0211】
浸透圧制御放出剤形の医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進するための、本明細書に記載されているようなさらなる従来の賦形剤又は担体をさらに含むことができる。
【0212】
該浸透圧制御放出剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる(Remingtonの文献:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy), 上記;Santus及びBakerの文献(J. Controlled Release 1995, 35, 1-21);Vermaらの文献(Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708);Vermaらの文献(J. Controlled Release 2002, 79, 7-27)を参照されたい)。
【0213】
ある実施態様では、本明細書で提供される医薬組成物は、AMT制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、活性成分(複数可)及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする非対称浸透圧膜を含む。米国特許第5,612,059号及びWO 2002/17918号を参照されたい。該AMT制御放出剤形は、直接圧縮法、乾式造粒法、湿式造粒法、及びディップコーティング法を含む、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる。
【0214】
ある実施態様では、本明細書で提供される医薬組成物は、ESC制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、活性成分(複数可)、ヒドロキシエチルセルロース、及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする浸透圧膜を含む。
【0215】
(3.多粒子制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、多粒子制御放出デバイスとして製造することができ、該デバイスは、直径が約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜約1mmの範囲の多数の粒子、顆粒、又はペレット含む。そのような多粒子は、乾式及び湿式造粒、押出し/球状化、ローラー圧縮、融解凝固、並びにスプレーコーティングシードコアによるものを含む、当業者に公知のプロセスによって製造することができる。例えば、多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery); Marcel Dekker: 1994;及び薬学的ペレット化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology); Marcel Dekker: 1989を参照されたい。
【0216】
本明細書に記載されているような他の賦形剤又は担体を該医薬組成物とブレンドして、多粒子の処理及び形成を助けることができる。得られる粒子は、それ自体、多粒子デバイスを構成することができるか、又は様々なフィルム形成材料、例えば、腸溶性ポリマー、水膨張性、及び水溶性ポリマーによってコーティングすることができる。該多粒子は、カプセル剤又は錠剤としてさらに処理することができる。
【0217】
(4.標的送達)
リポソーム、再封赤血球、及び抗体に基づく送達系を含む、本明細書で提供される医薬組成物は、治療すべき対象の身体の特定の組織、受容体、又はその他の部分を標的とするように製剤化することもできる。例としては、米国特許第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号が挙げられるが、これらに限定されない。
【0218】
(D.化合物の活性の評価)
化合物を試験して、野生型及び突然変異体JAKキナーゼを含むJAKキナーゼの活性を調節する生物学的活性を有するものを同定するために、標準的な生理学的、薬理学的、及び生化学的手順が利用可能である。そのようなアッセイとしては、例えば、結合アッセイなどの生化学的アッセイ(Fabianらの文献(Nature Biotechnology 2005, 23,329-336)を参照されたい)、放射能取込みアッセイ、及び種々の細胞ベースのアッセイが挙げられる。
【0219】
例示的な細胞ベースのアッセイ法としては、例えば、ELISAによるSTAT5Aリン酸化の測定、又は例えば、BrdU取込みによるか、蛍光染色によるか、もしくは転写因子STAT5によって活性化されるレポーターアッセイによる、TF-1もしくはHEL-2などの白血病細胞株の増殖の測定が挙げられる。該アッセイにおいて有用な細胞としては、野生型JAKを有する細胞、例えば、TF-1、又は突然変異JAKを有する細胞、例えば、V617F突然変異を有する構成的活性型JAK2を発現する細胞株HEL-2が挙げられる。好適な細胞としては、親試料から細胞培養によって得られた細胞、及びルーチンの分子生物学の手法、例えば、レトロウイルスによる形質導入、トランスフェクション、突然変異誘発などを用いて得られた細胞が挙げられる。
【0220】
(E.化合物及び組成物の使用方法)
開示された化合物及び組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物を、JAK2キナーゼを含むJAKキナーゼの活性によって仲介されるか、もしくは別の形で影響を受ける疾患もしくは障害、又はJAK2キナーゼを含むJAKキナーゼの活性によって仲介されるか、もしくは別の形で影響を受ける疾患もしくは障害の1以上の症状の治療、予防、又は改善に用いる方法も本明細書で提供される。JAKキナーゼは、野生型及び/又は突然変異体形態のJAK2キナーゼであることができる。上の説明と一致して、そのような疾患又は障害には、限定するものではないが:骨髄増殖性障害、例えば、真性赤血球増加症(PCV)、本態性血小板血症、及び特発性骨髄線維症(IMF);白血病、例えば、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ耐性型のCML、急性骨髄性白血病(AML)、及びAMLの亜型を含む骨髄性白血病、急性巨核芽球性白血病(AMKL);リンパ増殖性疾患、例えば、骨髄腫;頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳腫瘍、膵癌、及び腎癌を含む癌;並びに免疫機能障害、免疫不全、免疫修飾、自己免疫疾患、組織移植片拒絶反応、移植片対宿主疾患、創傷治癒、腎疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、並びにドライアイ症候群(又は乾性角結膜炎(KCS))に関連する炎症性疾患又は障害が含まれる。
【0221】
ある実施態様では、開示された化合物及び組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物を、骨髄増殖性障害、例えば、真性赤血球増加症(PCV)、本態性血小板血症、及び特発性骨髄線維症(IMF)、並びに好酸球増加症候群(HES);白血病、例えば、慢性骨髄性白血病(CML)、イマチニブ耐性型のCML、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、及びAMLの亜型を含む骨髄性白血病、急性巨核芽球性白血病(AMKL);リンパ増殖性疾患、例えば、骨髄腫;頭頸部癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌、脳腫瘍、膵癌、胃癌、甲状腺癌、腎癌、カポジ肉腫、キャッスルマン病、黒色腫を含む癌;並びに免疫機能障害、免疫不全、又は免疫修飾に関連する炎症性疾患又は障害、例えば、組織移植片拒絶反応、移植片対宿主疾患、創傷治癒、糖尿病性神経障害を含む腎疾患;自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、乾癬、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、重症筋無力症、クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、結膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎、強膜炎を含む目の炎症性疾患、上気道を含む気道の炎症性疾患、例えば、鼻炎及び副鼻腔炎、並びに気管支炎を含む下気道の炎症性疾患;炎症性筋疾患、例えば、心筋炎、他の炎症性疾患、例えば、炎症性虚血事象、例えば、卒中又は心停止に関連する虚血再灌流傷害、並びに他の炎症状態、例えば、全身性炎症反応症候群(SIRS)及び敗血症から選択される疾患又は障害の治療、予防、又は改善に用いる方法が本明細書で提供される。
【0222】
ある実施態様では、JAK媒介性の疾患及び障害としては、再狭窄、線維症、及び強皮症が挙げられる。ある実施態様では、JAK媒介性疾患としては、ウイルス性疾患、例えば、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、肝炎(B型肝炎又はC型肝炎)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)、水痘帯状疱疹ウイルス、及びヒトパピローマウイルス(HPV)が挙げられる。
【0223】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、アデノシンA3受容体の活性のモジュレーターである。ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患の1以上の症状を予防、治療、又は改善するのに有用である。アデノシンA3受容体の活性を調節する方法であって、該アデノシンA3受容体を、有効量の式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法が本明細書でさらに提供される。
【0224】
ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の疾患及び障害としては、再狭窄、線維症、及び強皮症が挙げられる。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性疾患としては、ウイルス性疾患、例えば、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、肝炎(B型肝炎又はC型肝炎)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)、水痘帯状疱疹ウイルス、及びヒトパピローマウイルス(HPV)が挙げられる。
【0225】
ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、心血管疾患であり、これには、限定するものではないが、虚血性心疾患が含まれる。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、アテローム性動脈硬化症である。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、肺損傷である。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、腎不全である。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、眼疾患であり、これには、限定するものではないが、緑内障及び高眼圧症が含まれる。ある実施態様では、アデノシンA3媒介性の状態、障害、又は疾患は、緑内障又は高眼圧症である。
【0226】
ある実施態様では、アデノシンA3受容体の活性を下方調節する方法であって、該アデノシンA3受容体を、有効量の式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと接触させることを含む、方法が本明細書で提供される。
【0227】
(F.併用療法)
さらに、本明細書で提供される化合物、異性体、及び医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物を、これらの化合物を含む医薬組成物及び製剤を含め、多種多様な併用療法で用いて、上記の状態及び疾患を治療することができることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書で提供される化合物、異性体、及び医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物を、他の活性のある医薬品と組み合わせて、本明細書に記載の疾患/状態の治療に使用することも本明細書で企図される。
【0228】
一実施態様では、そのようなさらなる医薬品としては、限定するものではないが、化学療法剤及び抗増殖剤を含む抗癌剤;抗炎症剤、並びに免疫調節剤又は免疫抑制剤が挙げられる。
【0229】
ある実施態様では、抗癌剤としては、代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロ-ウラシル、シタラビン、メトトレキサート、フルダラビンなど)、抗微小管薬(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン;タキサン、例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、ニトロソウレア、例えば、ビスクロロエチルニトロソウレア及びヒドロキシウレア)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、及びCI-973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン及びダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、及びダウノマイシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びカンプトテシン)、抗血管新生薬(例えば、Sutent(登録商標)、ソラフェニブ、及びベバシズマブ)、又は任意の他の細胞傷害性薬剤、(例えば、リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン)、ホルモン、又はホルモンのアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニスト、もしくは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ)、並びに放射線治療が挙げられる。
【0230】
ある実施態様では、抗炎症剤としては、メトトレキサート、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、炎症促進性サイトカインの阻害剤(例えば、抗TNF分子、TNF可溶性受容体、及びIL1) 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、プロスタグランジンシンターゼ阻害剤(例えば、サリチル酸コリンマグネシウム及びサリチルサリチル酸)、COX-1もしくはCOX-2阻害剤、又はグルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、コルチコステロイド、メチルプレドニゾン、プレドニゾン、もしくはコルチゾンが挙げられる。
【0231】
本明細書で提供される化合物もしくは組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物は、上記の薬剤のうちの1つ又は複数の投与と同時に、その投与の前に、又はその投与の後に投与することができる。
【0232】
本明細書で提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物、及び上記の薬剤のうちの1つ又は複数を含む医薬組成物も提供される。
【0233】
癌並びに関連疾患及び障害の症状、又はその関連合併症の発症を治療又は予防する併用療法であって、本明細書で開示された化合物もしくは組成物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは水和物のうちの1つを、1以上の抗癌剤とともに、それを必要とする対象に投与することを含む、併用療法も提供される。
【0234】
(G.化合物の調製)
本明細書で提供される合成実施例における出発材料は、市販供給源から又は文献手順(例えば、マーチの最先端有機合成:反応、機序、及び構造(March Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure),(1992) 第4版;Wiley Interscience, New York)によって入手可能である。特に指示しない限り、市販の化合物は全て、さらに精製することなく使用した。特に注記しない限り、プロトン(1H)核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、通常、Bruker Avance 300 NMR質量分析計で300MHzで記録した。顕著なピークを一覧にし、これには通常:プロトンの数、及び多重度(s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br s、幅広い一重線)が含まれる。化学シフトは、テトラメチルシランに対する百万分率(δ)として報告される。特に注記しない限り、低分解能質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量スペクトルとして得られ、これは、通常、0.05%酢酸を含むアセトニトリル/水、又は0.2%ギ酸を含むMeOH/水のいずれかの移動相勾配を用いる逆相条件を用いて、Shimadzu HPLC/MS装置で記録された。分取逆相HPLCは、通常、Phenomenex製フェニルヘキシル逆相カラム、Phenomenex製Luna C18逆相カラム、又はVarian製Pursuitジフェニル逆相カラムを備えたVarian製HPLCシステムを用いて実施され;典型的な溶出条件では、0.05%酢酸を含むアセトニトリル/水の勾配が利用された。シリカゲルクロマトグラフィーは、手動で、通常フラッシュクロマトグラフィーのための既報の手順(Stillらの文献(1978) J. Org. Chem. 43:2923)に従って、又は予め充填されたシリカゲルカラムを用いて、自動システムで(例えば、Biotage SP装置で)実施された。
【0235】
以下の説明において、示される式の置換基及び/又は変数の組合せは、そのような寄与が、標準的な条件下で、安定な化合物を生じさせる場合に限って許容されることが理解される。
【0236】
下記のプロセスにおいて、中間体化合物の官能基が好適な保護基によって保護される必要があり得ることも当業者によって理解されるであろう。そのような官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、及びカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシの好適な保護基としては、トリアルキルシリル又はジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノ、及びグアニジノの好適な保護基としては、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトの好適な保護基としては、-C(O)-R(式中、Rは、アルキル、アリール、又はアラルキルである)、p-メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸の好適な保護基としては、アルキル、アリール、又はアラルキルエステルが挙げられる。
【0237】
当業者に周知であり、かつ上で記載されているような標準的な技術に従って、保護基を付加又は除去することができる。保護基の使用は、Green, T.W.及びP.G.M. Wutzの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(1991), 第2版, Wiley-Interscience)に詳細に記載されている。
【0238】
当業者であれば、各置換基のどの選択が各スキームの反応条件に対して可能であるかを容易に確かめることができる。さらに、該置換基は、これまで本明細書に示されたような構成要素から選択され、かつ当業者に公知のスキームに従って、出発材料、中間体、及び/又は最終生成物に付加することができる。
【0239】
また、本明細書で提供される化合物が、1以上の異性体、すなわち、E/Z異性体、エナンチオマー、及び/又はジアステレオマーとして存在し得ることも明白であろう。
【0240】
式(I)の化合物は、通常、以下のスキームに示す通りに調製することができ、特に明記しない限り、様々な置換基は、本明細書の別所で定義した通りである。
【0241】
J. Org. Chem. 2007 72(1): 23A-24Aにおいて定義されている標準的な略語及び頭字語を本明細書で使用する。本明細書で使用される他の略語及び頭字語は、以下の通りである:
【表1】
【0242】
本明細書で提供される化合物は、以下のスキーム及び説明に従って合成される。
【0243】
スキーム1に示すように、適当なアントラニルアミド誘導体1を、必要に応じて加熱を伴う、ニートか、又はEtOHもしくはHOAcなどの好適な溶媒中の、シュウ酸ジアルキルなどの活性化シュウ酸誘導体による処理によって、2-カルボキシレート置換キナゾリン2に変換することができる。或いは、1を、TEAなどの塩基の存在下、及び任意にDMAPなどの触媒の存在下、DCMなどの好適な溶媒中で、シュウ酸モノアルキルエステルクロリドで処理するか;又は1を、TEAなどの塩基の存在下、アセトニトリルもしくはDMFなどの好適な溶媒中で加熱しながら、シアノオキソアセテートモノアルキルエステルで処理する。脱水条件下での後続処理、例えば、DIEAなどの好適な塩基の存在下、DCEなどの好適な溶媒中での、TMSClを伴う又はTMSClを伴わない加熱によって、キナゾリン2が得られる。2を、適当なリン又はハロゲン化ホスホリル試薬、例えば、塩化ホスホリルで処理すると、4-ハロ誘導体3が形成される。或いは、2をハロゲン化スルホニルで処理して、3(X=O-スルホニル)を形成させることができる。さらなる代替法として、2を、ローソン試薬又はP2S5による処理、次いで、アルキル化及びその後の酸化によって、3(X=S(O)-アルキル又はS(O)2-アルキル)に変換することもできる。3を、好適な溶媒、例えば、ジエチルエーテル、THF、又は他のエーテル溶媒中、メタロアレン又はメタロヘテロアレン、例えば、アリールリチウムもしくはヘテロアリールリチウム、又はアリールグリニャール試薬もしくはヘテロアリールグリニャール試薬で処理すると、ケトン4が生成する。その後の4から5への変換は、4を、酸もしくは塩基の存在下で、又は必要に応じてPd配位子を添加して好適なPd触媒の存在下で、必要に応じて加熱しながらアミノアゾールで処理することによって達成される。
【化24】
【0244】
スキーム2に示すように、アントラニルアミド1を、好適に活性化されたカルボン酸誘導体6と縮合させ、次いで、例えば、TEA、DIEA、又はピリジンなどの第3級アミン塩基の存在下で、熱によるか又はTMSClによって促進される脱水環化を起こして、4-ヒドロキシキナゾリン誘導体7を形成させることができる。或いは、1を、トリメチルシリルポリホスフェートの存在下で、カルボン酸(6、Y=OH)、又はその塩とともに加熱すると、7が得られる。7を、適当なリン又はハロゲン化ホスホリル試薬、例えば、塩化ホスホリルで処理すると、4-ハロ誘導体8が形成される。或いは、7を、塩基の存在下で、ハロゲン化スルホニルで処理して、8(X=O-スルホニル)を形成させることができる。さらなる代替法として、7を、ローソン試薬又はP2S5による処理、次いで、アルキル化及びその後の酸化によって、8(X=S(O)-アルキル又はS(O)2-アルキル)に変換することもできる。その後の8から9への変換は、4から5への変換についてスキーム1で記載したのと同様の条件下で達成される。
【化25】
【0245】
スキーム3には、5中のケト基をさらに修飾して、本発明のさらなる化合物を得ることができる代表的実施例が示されている。5をローソン試薬で処理すると、チオケトン10が得られる。5を、脱水条件下、任意に酸の存在下で、加熱しながら、アミン、ヒドロキシルアミン、又はアルコキシルアミンで処理すると、それぞれ、イミン、オキシム、又はO-アルキルオキシム11が得られる。5を、ウィッティヒ試薬又はホルナー・エモンズ試薬で処理すると、オレフィン12が得られる。5を、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素リチウムなどの還元剤で処理すると、第2級アルコール13が得られる。5を、グリニャール試薬又は有機リチウム化合物などの有機金属試薬で処理すると、第3級アルコール14が得られる。5を、酸の存在下でアルコールとともに加熱して、水を除去すると、ケタール15が得られる。5を、酸の存在下で、1,2-ジオール、1,3-ジオール、又は1,4-ジオールとともに加熱して、水を除去すると、環状ケタール16が得られる。
【化26】
【化27】
【0246】
スキーム4には、スキーム2で用いた酸6を調製する有用な方法が示されている。カルボン酸誘導体17(式中、Y'は、例えば、アルコキシ又は後から除去可能なキラル補助基である)を、強塩基を用いてα位で脱プロトン化し、アルキル化剤で処理すると、18が得られる。このシーケンスを、同じ又は異なるアルキル化剤を用いて反復すると、19が形成される。その後、19のY'基を、当技術分野で周知の手順によって、スキーム2で使用するのに好適である6のY基に変換する。
スキーム4
【化28】
【0247】
スキーム5には、スキーム2で用いた酸6を調製する代替法が示されている。好適なカルボン酸誘導体を、塩基を用いてエノレート20又はその等価物に変換した後、ハロゲン化アリール、又はより好適には、ハロゲン化ヘテロアリールで処理すると、22が形成される。その後、22のY'基を当技術分野で周知の手順によって、スキーム2で使用するのに好適である6のY基に変換する。
【化29】
【0248】
標準的な官能基操作を用いて、上記の方法に記載の通りに調製される生成物又は中間体から本発明のさらなる化合物を調製し得ることが当業者に理解されるであろう。スキーム6には、代表的な実施例が示されており、これは、そのような標準的な官能基操作を例証することを意図するものであるが、決してその範囲を限定することを意図するものではない。
【化30】
【化31】
【0249】
スキーム7は、さらなる代表的な方法を示しており、該方法により、本発明の化合物を、例えば、R6が、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、RxC(O)OR18、RxS(O)qRv、RxNR19C(O)R18、及びRxNR19S(O)qRv(式中、Rxは直接結合である)である場合の様々なR6基を用いて合成することができる。例えば、アントラニルアミド34(X4=Br又はIである)を、1から7への変換について記載されている方法(スキーム2)により、対応する4-ヒドロキシキナゾリン誘導体35に変換することができる。中間体35は、ピリジンなどの溶媒の存在下でP2S5又はローソン試薬とともに加熱し、その後、NaOH、NaH、又はCs2CO3などの好適な塩基、及びヨウ化メチル又は硫酸ジメチルなどのメチル化剤で処理することにより、4-(チオメチル)キナゾリン誘導体36に変換することができる。中間体36は、好適なR6含有有機金属又は求核試薬による、触媒量の好適な有機パラジウム錯体又は好適な有機銅錯体もしくは無機銅錯体の存在下、及び任意に好適なホスフィン配位子の存在下、及び任意に好適な塩基の存在下、好適な溶媒中、高温又はマイクロ波条件下での処理により、37に変換することができる。R6含有有機金属試薬の例としては、ZnCN2(式中、R6=CNである)、アルキルスズ試薬又はアルキルボロン酸及びアルキルボロン酸エステル(式中、R6=アルキルである)、アルケニルスズ試薬(式中、R6=アルケニルである)、アルキニルスズ又はアルキニルシラン試薬(式中、R6=アルキニルである)、アリールボロン酸もしくはアリールボロン酸エステル又はアリールスズ又はアリール亜鉛試薬(式中、R6=アリールである)、ヘテロアリールボロン酸もしくはヘテロアリールボロン酸エステル又はヘテロアリールスズ又はヘテロアリール亜鉛試薬(式中、R6=ヘテロアリールである)を挙げることができる。R6含有求核試薬の例としては、一酸化炭素/R18OH(式中、R6=RxC(O)OR18である)、RvSO2Hナトリウム塩(式中、R6=RxS(O)2Rvである)、N(H)R19C(O)R18、N(H)R19C(O)R20、及びN(H)R19S(O)qRvを挙げることができる。有機パラジウム錯体試薬の例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィノ)二塩化パラジウム、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)を挙げることができる。有機銅錯体試薬及び無機銅錯体試薬の例としては、銅(I)トリフルオロメタンスルホン酸ベンゼン錯体、及びヨウ化銅(I)を挙げることができる。例となるホスフィン配位子としては、ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9'-ジメチルキサンテン及び1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを挙げることができる。例となる塩基としては、Cs2CO3、DIEA、及びTEAを挙げることができる。中間体37は、メタ-クロロペル安息香酸などの好適な酸化剤による硫化メチルの初期酸化、次いで、アミノアゾールによる、必要に応じて加熱を伴うか又はマイクロ波条件下での、及び酸もしくは塩基の存在下、又は必要に応じてパラジウム配位子を添加した、好適なパラジウム触媒の存在下での処理により、対応する最終誘導体9に変換することができる。
【0250】
【化32】
【0251】
スキーム8は、さらなる代表的な方法を示しており、該方法により、組込みR6=RxNR19C(O)R18、及びRxNR19S(O)qRv(式中、Rxは直接結合である)を達成することができる。中間体36は、ベンゾフェノンイミン、2,4-ジメトキシベンジルアミン、又はtert-ブチルカルバメートなどの好適なアミノ含有試薬(式中、P=保護基である)による、触媒量の好適な有機パラジウム錯体の存在下、及び任意に好適なホスフィン配位子の存在下、及び任意に好適な塩基の存在下、好適な溶媒中、高温又はマイクロ波条件下での処理により、中間体38に変換することができる。38から39への変換は、TFA又は水性HClなどの好適な酸による処理により達成することができる。その後の39から37への変換[式中、R6=RxNR19C(O)R18、及びRxNR19S(O)qRv(式中、Rxは直接結合である)である]は、適切なハロゲン化アシル、ハロゲン化スルフィニル、又はハロゲン化スルホニルによる、TEA又はピリジンなどの好適な塩基の存在下での処理により達成することができる。中間体37は、スキーム7に記載の方法により、9に変換することができる。
【0252】
【化33】
【0253】
スキーム9は、アミノキナゾリン誘導体42の調製を達成することができる代表的な方法を示している。40から41への変換は、スキーム2に記載の方法を用いて達成することができる。中間体41は、SnCl2、FeCl2、亜ジチオン酸ナトリウム、又は亜鉛などの好適な還元剤、及び酢酸による、好適な溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う処理により、42に変換することができる。
【化34】
【0254】
スキーム10は、カルボン酸誘導体47、及びカルボキサミド誘導体52の調製を達成することができる代表的な方法を示している。トリメチルシリルポリホスフェート又はポリリン酸の存在下での、加熱を伴う、(トリフルオロメチル)アントラニルアミド43と6との反応(スキーム2)により、44が得られる。その後のMeOH及びHClによる44の処理により、45が得られる。中間体45は、7から9への変換について記載された方法(スキーム2)と類似の方法を用いて、46に変換することができる。水性NaOH又はLiOHによる、好適な有機溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、46の処理により、カルボン酸誘導体47が得られる。或いは、47は、濃H2SO4、又は水性NaOHによる、室温での又は必要に応じて加熱を伴う処理により、シアノ誘導体48(スキーム7に記載の通りに調製される)から直接調製することができる。カルボキサミド誘導体52の調製は、次のように達成することができる。45から49への変換は、35から36への変換について記載された方法(スキーム7)と類似の方法を用いて実行することができる。その後の、水性NaOH又はLiOHによる、好適な有機溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、49の処理により、カルボン酸誘導体50が得られる。50からカルボキサミド誘導体51への変換は、アミン(R19R20NH)による、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロ-ホスフェート(HBTU)又はベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)などの好適なペプチドカップリング剤、及びTEA又はDIEAなどの好適な塩基の存在下での、THF又はDMFなどの好適な有機溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う処理により達成することができる。51から最終誘導体52への変換は、37から9への変換について記載された方法(スキーム7)と類似の方法を用いて実行することができる。
【化35】
【0255】
本明細書で使用されるアミノアゾール又はアゾリルアミン中間体は、市販供給源から入手するか、又は当業者に公知の方法を用いて調製することができる。スキーム11は、さらなるアミノアゾール又はアゾリルアミンの調製に使用し得る代表的な方法を示している。例えば、ニトロアゾール53は、SnCl2などの好適な還元剤による、DCE又はEtOHなどの好適な溶媒中、任意にHClの存在下での、加熱を伴う処理により、アミノアゾール54に変換することができる。或いは、活性化鉄又は亜鉛金属による、HOAc中、加熱を伴う53の処理により、54が得られる。或いは、活性炭上のパラジウム金属による、≧1大気圧の水素ガスの存在下、MeOH、EtOH、もしくはEtOAc、又はこれらの混合物などの好適な溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、53の処理により、54が得られる。或いは、ヒドロ亜硫酸ナトリウムによる、THFと水などの好適な溶媒混合物中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、53の処理により、54が得られる。或いは、アミノアゾール54は、ジフェニルホスホリルアジドによる、TEAなどの有機塩基の存在下、トルエン又はTHFなどの好適な溶媒中、必要に応じて50℃〜150℃に加熱することを伴う初期処理と、その後の加水分解により、アゾールカルボン酸55から得ることもできる。或いは、ジフェニルホスホリルアジドによる、TEAなどの有機塩基の存在下、及び過剰なtert-ブタノールの存在下、トルエン又はTHFなどの好適な溶媒中、必要に応じて50℃〜150℃に加熱することを伴う、55の処理により、tert-ブチルカルバモイルアゾール中間体が得られ、これを、好適な溶媒中、TFA又はHClなどの酸で処理すると、54が得られる。アミノアゾール54は、任意のアゾール環N-H位置に(必要に応じて)好適な保護基を有する臭化アゾリル又はヨウ化アゾリル56から、ベンゾフェノンイミン、2,4-ジメトキシベンジルアミン、又はtert-ブチルカルバメートなどの好適なアミノ含有試薬(式中、P=保護基である)による、触媒量の好適な有機パラジウム錯体の存在下、及び任意に好適なホスフィン配位子の存在下、及び任意に好適な塩基の存在下、好適な溶媒中、高温又はマイクロ波条件下での初期処理により中間体57を得ることによって、得ることもできる。当業者に公知の適切な方法を用いた、その後の中間体57のN-脱保護(必要な場合、アゾール環N-脱保護を含む)により、54が得られる。アミノアゾール54からアルキル化アミノアゾール58への変換は、適切なアルデヒド又はケトン基質による、TMSCl又はTiCl4などの好適なルイス酸、及び(トリアセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの好適な還元剤の存在下、DCM、DCE、THF、又はMeOHなどの好適な有機溶媒中、任意にHOAcの存在下、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、54の処理により達成することができる。或いは、58は、ハロゲン化アルキルによる、ピリジン又はDIEAなどの好適な有機塩基、及び任意にヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウムの存在下、DMF又はTHFなどの好適な溶媒中、室温での又は必要に応じて加熱を伴う、54の処理により得ることができる。ニトロアゾール53、アゾールカルボン酸55、及び臭化アゾール又はヨウ化アゾール56は、市販供給源から入手するか、又は当業者に公知の方法を用いて調製することができる。
【0256】
スキーム11
【0257】
【化36】
【0258】
上のスキームのある実施態様では、
【化37】
である。
【0259】
主題は、説明的な様式で記載されているが、使用される専門用語は、限定する性質ではなく、説明する性質を持つことを意図することが理解されるべきである。したがって、溶媒の選択、反応の温度、容量、反応時間などの条件は様々に異なり得るが、それでもなお所望の化合物を生成させるということが当業者に理解されるであろう。さらに、当業者は、以下の実施例で提供される試薬の多くを他の好適な試薬と置き換えることができることも理解するであろう。例えば、Smith及びMarchの文献(最先端有機化学(Advanced Organic Chemistry)), 第5版(2001)を参照されたい。限定するものではないが、本明細書で提供される化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤、及び/又は使用方法に関するものを含む、そのような変化及び変更を、その精神及び範囲から逸脱することなく行なうことができる。本明細書で参照されている米国特許及び刊行物は、引用により組み込まれる。
【実施例】
【0260】
(実施例)
上記の実施態様は、単に例示的なものであることが意図されており、当業者は、特定の化合物、材料、及び手順の多数の等価物を認識するか、又はそれらをルーチンの実験だけを用いて確認することができるであろう。そのような等価物は全て、特許請求された主題の範囲内にあると考えられ、かつ添付の特許請求の範囲によって包含される。
【0261】
(実施例1)
((5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンの調製)
【化38】
工程A:-78℃の2-ブロモ-5-フルオロピリジン(237mg、2.11mmol)の無水ジエチルエーテル(7mL)撹拌溶液に、1.7Mのtert-ブチルリチウム/ペンタン(4mL、6.8mmol)を滴加した。褐色の混合物を-78℃で20分間撹拌し、その後、3:1のジエチルエーテル/DCM(4mL)中のエチル4-クロロキナゾリン-2-カルボキシレート(500mg、2.11mmol)を、40分間かけて該混合物に添加した。得られた混合物を-78℃で1時間、その後、-40℃で4時間撹拌した。その後、10%水性塩化アンモニウムを添加し、混合物をEtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、(4-クロロキナゾリン-2-イル)(5-フルオロピリジン-2-イル)メタノン(150mg、25%)が得られた。
【化39】
【0262】
工程B:N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の(4-クロロキナゾリン-2-イル)(5-フルオロピリジン-2-イル)メタノン(244mg、0.85mmol)及び5-メチル-3-アミノピラゾール(99mg、1.02mmol)の撹拌混合物に、DIEA(0.3mL、4.22mmol)及びヨウ化カリウム(141mg、0.85mmol)を添加し、該混合物を、室温で15時間、その後、60℃で2.5時間撹拌した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水を添加した。沈殿した固体を濾過により回収した。該固体の一部(180mg)を、30%〜70%アセトニトリル/0.05%水性HOAcで溶出させる分取逆相HPLCで精製すると、(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン(19.6mg)が得られた。
【化40】
【0263】
(実施例2)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化41】
工程A:DMSO(4mL)中の2-ブロモ-5-フルオロピリジン(2g、11.36mmol)及びエチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(1.6mL、12.5mmol)の混合物に銅粉(1.6g、24.98mmol)を添加し、該混合物を、密封フラスコ中で、50℃で一晩撹拌した。該混合物をDMSO(10mL)で希釈し、セライトに通して濾過した。その後、水及びEtOAcを添加し、該混合物を振盪させ、再度、セライトに通して濾過した。有機層を水(1回)及びブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、エチル2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセテートが黄色い油(1.5g、60%)として得られた。
【化42】
【0264】
工程B:室温の1:1のMeOH/THF(10mL)中のエチル2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセテート(560mg、2.55mmol)に、1M NaOH(2.8mL、2.8mmol)を添加した。該溶液を10分間撹拌し、その後、濃縮乾固すると、2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(548mg、定量的)が得られた。
【化43】
【0265】
工程C:2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(100mg、0.47mmol)、HATU(213mg、0.56mmol)、及び2-アミノベンズアミド(77mg、0.56mmol)の混合物にDMF(2mL)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。該混合物を飽和水性塩化アンモニウム溶液とEtOAcとの間で分配し、有機層を濃縮した。残渣を、2〜10%MeOH/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミドが油(110mg、74%)として得られた。LC-MS(ESI)m/z 332(M + Na)+.
【0266】
工程D:2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミド(580mg、1.87mmol)に、ジクロロエタン(15mL)及びTEA(11mL、75mmol)、次いで、クロロトリメチルシラン(3.56mL、28mmol)を添加し、該混合物を85℃で2〜3時間加熱した。該混合物を濃縮乾固し、残渣を飽和水性塩化アンモニウム溶液とEtOAcとの間で分配した。有機層を濃縮し、残渣を、0〜10%MeOH/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オールが固体(500mg、91%)として得られた。LC-MS(ESI)m/z 292(M + H)+.
【0267】
工程E:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(200mg、0.68mmol)にオキシ塩化リン(4mL)を添加し、該混合物を90℃で1時間加熱した。該混合物を濃縮し、トルエン(4mL)を添加し、蒸発させた。この粗材料をEtOAcと飽和重炭酸ナトリウム溶液との間で分配し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、黄色い固体が得られた。この固体に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(100mg、1.03mmol)、DIEA(0.18mL、1.54mmol)、及びヨウ化カリウム(113mg、1.03mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸(0.2mL)を添加し、該混合物を分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(88mg、35%)が得られた。
【化44】
【0268】
(実施例3)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化45】
工程A:2-クロロ-5-フルオロピリミジン(2mL、22.18mmol)に、プロピオニトリル(20mL)及びブロモトリメチルシラン(6mL)を添加し、該混合物を、密封バイアル中で、150℃で1時間加熱した。該混合物を冷却させておき、その後、減圧下で濃縮した。残渣を、EtOAcと飽和水性NaHCO3との間で分配し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をヘキサンに溶解させ、-30℃にまで一晩冷却すると、固体が生じた。これを濾過により回収すると、2-ブロモ-5-フルオロピリミジン(2.03g、51%)が得られた。
【化46】
【0269】
工程B:2-ブロモ-5-フルオロピリミジン(500mg、2.8mmol)に、DMSO(1.5mL)、エチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(0.4mL、3.1mmol)、及び銅粉(390mg、6.16mmol)を添加した。反応容器を密封し、その後、排気し、アルゴンでフラッシュした(2回)。該混合物を50℃で一晩加熱し、その後、EtOHで希釈し、EtOAcで洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液に水を添加し、混合物を再度セライトに通して濾過した。分離した有機層をブラインで洗浄し(2回)、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、エチル2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセテートが油(470mg、76%)として得られた。
【化47】
【0270】
工程C:エチル2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセテート(470mg、2.13mmol)に、MeOH(4mL)、THF(4mL)、及び1.2N NaOH(2mL、2.4mmol)を添加した。該溶液を室温で30分間撹拌し、その後、濃縮乾固すると、2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)酢酸ナトリウム(430mg、94%)が得られた。
【化48】
【0271】
工程D:2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)酢酸ナトリウム(400mg、1.87mmol)、HATU(850mg、2.24mmol)、及び2-アミノベンズアミド(305mg、2.24mmol)にDMF(7mL)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。該混合物をEtOAcで希釈し、飽和水性NH4Cl、飽和水性NaHCO3、及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜12%MeOH/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミド(374mg、44%)が得られた;LC-MS(ESI)m/z 333(M + Na)+.
【0272】
工程E:2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミド(230mg、1.03mmol)に、1,2-ジクロロエタン(8mL)、TEA(5.75mL、41.2mmol)、及びクロロトリメチルシラン(2mL、15.45mmol)を添加し、該混合物を、密封容器中で、85℃で一晩加熱した。該混合物を冷却させておき、その後、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜12%MeOH/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(210mg、69%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 293(M + H)+.
【0273】
工程F:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(190mg、0.65mmol)にオキシ塩化リン(4mL)を添加し、該混合物を95℃で2時間加熱した。該混合物を減圧下で濃縮し、トルエンを添加し、該溶液を減圧下で再度濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(72mg、0.74mmol)、DIEA(0.14mL、0.78mmol)、及びKI(40mg、0.24mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。AcOH(0.2mL)を添加し、混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(80mg、32%)が得られた。
【化49】
【0274】
(実施例4)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化50】
工程A:実施例2の工程Dからの2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(1.82g、6.25mmol)にオキシ塩化リン(20mL)を添加し、該混合物を95℃で3時間加熱した。該混合物を減圧下で濃縮し、その後、トルエン(20mL)を添加し、蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解させ、飽和NaHCO3(1回)及びブライン(1回)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、10〜80%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(1.59g、82%)が得られた。
【化51】
【0275】
工程B:4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(100mg、0.32mmol)に、KI(20mg、0.12mmol)、DIEA(0.068mL、0.39mmol)、及び1H-ピラゾール-3-アミン(40mg、0.48mmol)のDMF(2mL)溶液を添加した。該混合物を室温で一晩撹拌した。AcOH(0.14mL)を添加し、該混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(15mg、13%)が得られた。
【化52】
【0276】
(実施例5)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化53】
工程A:ベンゾニトリル(33mL)中の1-ニトロピラゾール(3.45g、30.5mmol)の撹拌混合物を180℃で3時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却し、ヘキサンで希釈し、室温で20分間撹拌した。沈殿した固体を濾過により回収すると、3-ニトロ-1H-ピラゾールが黄褐色の固体(3.16g、91%)として得られた。
【化54】
【0277】
工程B:0℃の氷酢酸(20mL)中の3-ニトロ-1H-ピラゾール(3.16g、27.9mmol)の撹拌混合物に、発煙硝酸(2.6mL、58.69mmol)を滴加し、次いで、無水酢酸(6.6mL、69.87mmol)を添加した。該混合物を撹拌し、3時間かけて室温にまで温めておき、その後、氷水(50mL)に注ぎ入れ、20時間撹拌した。該混合物をEtOAcで抽出し、組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固すると、1,3-ジニトロ-1H-ピラゾール(4.3g、97%)が得られた。
【化55】
【0278】
工程C:ベンゾニトリル(60mL)中の1,3-ジニトロ-1H-ピラゾール(4.3g、27.20mmol)の撹拌混合物を180℃で3時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却し、1Nの水酸化ナトリウムとヘキサンとの間で分配した。有機層を分離し、水層中の固体沈殿物を濾過し、トルエンで粉砕化すると、1.2gの淡黄色の固体が得られた。濾液を1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。残渣を、0〜30%EtOAc/ヘキサン、その後、0〜10%DCM/MeOHで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製した。得られた固体をジエチルエーテルで粉砕化すると、1.36gの固体が得られ、これを先に得られた固体と組み合わせると、3,5-ジニトロ-1H-ピラゾール(2.56g、59%)が得られた。
【化56】
【0279】
工程D:0℃のDMF(50mL)中の3,5-ジニトロ-1H-ピラゾール(2.5g、15.81mmol)及び炭酸カリウム(4.36g、31.62mmol)の撹拌混合物に、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(3.07mL、17.39mmol)を添加し、該混合物を室温で6時間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、0〜20%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、3,5-ジニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾールが無色の油(2.7g、59%)として得られた。
【化57】
【0280】
工程E:無水MeOH(25mL)の撹拌溶液に、ナトリウム(300mg、13.04mmol)を少しずつ添加した。この透明な溶液に、工程DからのSEM保護3,5-ジニトロピラゾール(1g、3.47mmol)を添加し、該混合物を60℃で2時間撹拌した。該混合物を室温にまで冷却させておき、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、SEM保護3-メトキシ-5-ニトロピラゾール(SEM=((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))の単一の位置異性体が透明な油(723mg、76%)として得られた。
【化58】
【0281】
工程F:工程EからのSEM保護3-メトキシ-5-ニトロピラゾール(723mg、2.65mmol)のエタノール(20mL)撹拌溶液に、活性炭上のパラジウム(100mg)を添加し、得られた懸濁液を脱気し、水素を満たした。室温で1時間撹拌した後、追加の活性炭上のパラジウム(200mg)を添加し、該混合物を脱気し、水素を満たした。該反応混合物を室温で75時間撹拌し、セライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、0〜50%EtOAc/ヘキサン、その後、0〜20%DCM/MeOHで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、SEM保護3-アミノ-5-メトキシピラゾール(478mg、74%)が得られた。
【化59】
【0282】
工程G:実施例4の工程Aからの4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(203mg、0.65mmol)、Pd2(ジベンジリデンアセトン)3(24mg、0.026mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(45mg、0.078mmol)、工程FからのSEM保護3-アミノ-5-メトキシピラゾール(188mg、0.77mmol)、及びNa2CO3(96mg、0.91mmol)の混合物に、トルエン(4mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンで3回フラッシュし、その後、該容器を密封し、該混合物を100℃で一晩加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、0〜50%EtOAc/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、SEM保護生成物が得られた。LC-MS(ESI)m/z 517(M + H)+.
【0283】
工程H:該SEM保護生成物(127mg、0.24mmol)にTFA(2mL)を添加し、該混合物を室温で30分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(31mg、33%)が得られた。
【化60】
【0284】
(実施例6)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化61】
工程A:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(2.3g、10.8mmol)、及び2-アミノ-4-メトキシベンズアミド(1.5g、9.0mmol)をトリメチルシリルポリホスフェート(15mL)と組み合わせ、該混合物を、激しく撹拌しながら、115℃で18時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水(15mL)とEtOAc(15mL)との間で分配した。有機層を分離し、水層(pH〜1)をEtOAc(3×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、1:10〜1:1のEtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリン-4(3H)-オン(487mg)がオフホワイト色の固体として得られた。
【0285】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリン-4(3H)-オン(480mg、1.5mmol)に、DIEA(0.55mL、3.0mmol)及びオキシ塩化リン(10mL、108mmol)を添加し、該混合物を115℃で6時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、減圧下で濃縮した。トルエンを添加し、2回蒸発させて、残存するオキシ塩化リンを除去した。残渣をEtOAc(20mL)と冷飽和水性NaHCO3(10mL)との間で分配し、分離したEtOAc層をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリンが茶色の粘性のある油(500mg)として得られた。
【0286】
工程C:室温のDMF(5.0mL)中の4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリン(355mg、0.91mmol)に、tert-ブチル3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(0.448g、2.27mmol)及びDIEA(0.40mL、2.3mmol)を添加し、該混合物を室温で3時間撹拌した。該混合物を、TFAを変性剤として用いる分取逆相HPLCで精製し、所望の生成物を含む画分を飽和水性NaHCO3で中和し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、tert-ブチル3-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリン-4-イルアミノ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートが透明な油(104mg)として得られた。
【0287】
工程D:tert-ブチル3-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシキナゾリン-4-イルアミノ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(100mg、0.20mmol)に20%TFA/DCMを添加し、該混合物を室温で2.5時間撹拌した。該混合物を濃縮し、残渣を分取逆相HPLC(TFAを変性剤とする)で精製した。所望の生成物を含む画分を飽和水性NaHCO3で中和し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンがオフホワイト色の固体(33mg、41%)として得られた。
【化62】
【0288】
(実施例7)
(7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化63】
工程A:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(2.05g、9.62mmol)、及び2-アミノ-4-ブロモベンズアミド(1.89g、8.75mmol)の混合物に、トリメチルシリルポリホスフェート(〜15mL)を添加し、該混合物を120℃で一晩撹拌した。等量のEtOAc及び水を添加し、得られた溶液を1時間撹拌した。EtOAc層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、その後、減圧下で濃縮した。Et2Oを添加し、蒸発させた。ヘキサンによる残渣の粉砕化、その後の濾過による固体の回収により、7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(2.49g、77%)が得られた。
【化64】
【0289】
工程B:7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(1.0g、2.70mmol)及びローソン試薬(1.2g、2.97mmol)の混合物に、ピリジン(15mL)を添加した。該混合物を、マイクロ波反応器中で、150℃で30分間加熱した。室温にまで冷却した後、該混合物をEtOAc(50mL)と飽和水性NaHCO3(50mL)との間で分配し、その後、有機層を4N HCl(2×30mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、残渣(1.06g)が得られた。該残渣をジエチルエーテル及びヘキサンで粉砕化し、固体を濾過により回収すると、7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-チオールが茶色の固体(0.715g、68%)として得られた。
【化65】
【0290】
工程C:イソプロパノール(10mL)中の7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-チオール(500mg、1.29mmol)に、1N NaOH(1.94mL、1.94mmol)及びヨードメタン(0.097mL、1.55mmol)を添加し、該混合物を室温で30分間撹拌した。茶色の固体が形成され、これを濾過により回収し、MeOHで洗浄すると、7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(0.373g、72%)が得られた。
【化66】
【0291】
工程D:0℃のDCM(3mL)中の7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(100mg、0.25mmol)に、70%メタ-クロロペルオキシ安息香酸(74mg、0.30mmol)を添加し、該混合物を0℃で80分間撹拌した。その後、追加の70%メタ-クロロペルオキシ安息香酸(70%、15mg、0.086mmol)を添加し、該混合物を0℃で10分間撹拌した。該混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(20mL)及び飽和水性チオ硫酸ナトリウム(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。室温の残渣(133mg)に、THF(3mL)中の5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(92mg、0.96mmol)を添加した。該混合物を40分間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Phenomenex製のC-18逆相カラム)で精製すると、7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(4.42mg、3.1%)が得られた。
【化67】
【0292】
(実施例8)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-カルボニトリルの調製)
【化68】
工程A:1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(25mg、0.045mmol)、シアン化亜鉛(55mg、0.47mmol)、及び実施例7の工程Eからの7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(150mg、0.376)の混合物に、DMF(3mL)中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(34mg、0.031mmol)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(2回)、その後、該混合物を90℃で一晩加熱し、その間に、溶媒の大部分が蒸発した。該混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(20mL)、2N NH4OH(20mL)、及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、10〜60%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-7-カルボニトリルが固体(0.103g、79%)として得られた。LC-MS(ESI)m/z 347(M + H)+
【0293】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-カルボニトリルは、実施例7で用いた7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリンの代わりに、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルスルフィニル)キナゾリン-7-カルボニトリルを用いて、実施例7の工程Dに記載した手順と類似の手順に従って、白色の固体(12mg、10%)として調製された。
【化69】
【0294】
(実施例9)
(7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化70】
工程A:水(0.5mL)及びトルエン(6mL)の混合物に、実施例7の工程Eからの7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(167mg、0.42mmol)を添加し、反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュした。シクロプロピルボロン酸(55mg、0.63mmol)及びリン酸三カリウム(311mg、1.47mmol)を添加し、容器としての反応フラスコを再度排気し、アルゴンでフラッシュした。二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(31mg、0.04mmol)を添加し、反応容器を再度排気し、アルゴンでフラッシュした。該混合物を100℃にまで7時間加熱し、冷却させておき、DCM(15mL)で希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、0〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、不純な7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(137mg)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 362(M + H)+
【0295】
工程B:0℃のDCM(5mL)中の工程Aからの7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(137mg、0.378mmol)に、70%メタ-クロロペルオキシ安息香酸(139mg、0.567mmol)を添加した。該混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、DCM(15mL)を添加し、該混合物を飽和水性NaHCO3(20mL)及び飽和水性チオ硫酸ナトリウム(20mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(5mL)中の5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(0.107g、1.01mmol)を添加し、該混合物を室温で40分間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を、逆相HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/CH3CN及び溶媒A=0.05%水性AcOHの勾配で溶出させる、Phenomenex製のC-18逆相カラム)で精製すると、7-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(12mg、8%)が得られた。
【化71】
【0296】
(実施例10)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン)
【化72】
工程A:室温のDMF(5mL)中の2-アミノ-3-メチル安息香酸(1.5g、10mmol)に、ヒドロキシベンザトリアゾール(hydroxybenzatriazole)(2.0g、13mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.3g、12mmol)、塩化アンモニウム(2.3g、42mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(7.5ml、42mmol)を添加した。該混合物をN2でパージし、60時間撹拌した。該混合物を水に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出し、組み合わせた抽出物をブライン(20mL×2)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCMに溶解させ、1:1のEtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-アミノ-3-メチル-ベンズアミドが白色の固体(1.3g、87%)として得られた。
【0297】
工程B:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(1.02g、4.8mmol)、及び2-アミノ-3-メチル-ベンズアミド(0.6g、4.0mmol)をトリメチルシリルポリホスフェート(8.0mL)と組み合わせ、該混合物を、激しく撹拌しながら、115℃で18時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、該混合物を水(15mL)と酢酸エチル(15mL)との間で分配した。有機層を分離し、水層(pH〜1)を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、1:10〜1:1のEtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-メチル-3H-キナゾリン-4-オンがオフホワイト色の固体(0.6g、29%)として得られた。
【0298】
工程C:2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-メチル-3H-キナゾリン-4-オン(0.23g、0.76mmol)に、DIEA(0.27mL、1.5mmol)及びPOCl3(5mL、55mmol)を添加し、該混合物を115℃で6時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、該混合物を減圧下で濃縮した。残渣をトルエンで処理し、2回濃縮乾固した。残渣をEtOAc(20mL)と冷飽和水性NaHCO3(10mL)との間で分配した。分離したEtOAc層をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(10mL×2)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-クロロ-2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-メチル-キナゾリンが茶色の粘性のある油(242mg、99%)として得られた。
【0299】
工程D:DMA(2mL)中の4-クロロ-2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-メチルキナゾリン(0.255g、0.79mmol)に、US2007/219195号に従って調製した3-アミノ-5-メチル-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.31g、1.58mmol)、及び酢酸(0.15mL)を添加し、該混合物を100℃で6.5時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、酢酸アンモニウム変性剤を用いる逆相HPLCで精製した。純粋な生成物を含む画分を組み合わせ、飽和水性NaHCO3で処理し、減圧下で濃縮した。水性残渣をDCMで抽出し、組み合わせた抽出物を飽和水性NaHCO3及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(28mg、13%)が得られた。
【化73】
【0300】
(実施例11)
(8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン)
【化74】
工程A:室温のDMF(5mL)中の2-アミノ-3-ブロモ安息香酸(0.5g、2.3mmol)に、ヒドロキシベンザトリアゾール(hydroxybenzatriazole)(0.46g、3.0mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.53g、2.8mmol)、塩化アンモニウム(0.5g、9.7mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(1.7ml、9.7mmol)を添加した。該混合物をN2でパージし、6時間撹拌した。該混合物を水に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。組み合わせた抽出物をブライン(2×20mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(10mL)で処理すると、沈殿物が生じ、これを濾過により回収し、乾燥させると、2-アミノ-3-ブロモベンズアミドが淡いピンク色の固体(0.42g、84%)として得られた。LCMS(ESI)m/z 215/217(M + H)+
【0301】
工程B:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(0.49g、2.3mmol)、及び2-アミノ-3-ブロモベンズアミド(0.42g、1.9mmol)を、室温でトリメチルシリルポリホスフェート(4.3mL)と組み合わせ、該混合物を、激しく撹拌しながら、115℃で20時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水(15mL)と酢酸エチル(15mL)との間で分配した。有機層を分離し、水層(pH〜1)を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、1:10〜1:1のEtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オンがオフホワイト色の固体(0.19g、22%)として得られた。
【0302】
工程C:室温の2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(0.19g、0.52mmol)に、DIEA(0.18mL、1.04mmol)及びPOCl3(3.5mL、76mmol)を添加し、該混合物を115℃で6時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、減圧下で濃縮した。残渣をトルエンで処理し、2回濃縮乾固した。残渣をEtOAc(20mL)と冷飽和水性NaHCO3(10mL)との間で分配し、分離したEtOAc層をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(10mL)、ブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-クロロ-2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-ブロモ-キナゾリンが茶色の粘性のある油(207mg、定量的)として得られた。
【0303】
工程D:DMA(1.0mL)中の4-クロロ-2-[ジフルオロ-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-8-ブロモ-キナゾリン(0.19g、0.49mmol)に、3-アミノ-5-メチル-ピラゾール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(0.30g、1.53mmol)及びHOAc(0.065mL、1.1mmol)を添加し、該混合物を100℃にまで5時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、逆相HPLC(酢酸アンモニウム変性剤)で精製した。純粋な生成物を含む画分を飽和水性NaHCO3(2〜4mL)で処理し、減圧下で濃縮した。水性残渣をDCM(3×30mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固すると、8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(48mg、20%)が白色の固体として得られた。
【化75】
【0304】
(実施例12)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロ-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化76】
工程A:室温のDMF(5mL)中の2-アミノ-3-フルオロ安息香酸(1.55g、10mmol)に、ヒドロキシベンザトリアゾール(hydroxybenzatriazole)(2.0g、13mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.3g、12mmol)、塩化アンモニウム(2.3g、42mmol)、及びDIEA(7.5ml、42mmol)を添加した。該混合物を窒素でパージし、6時間撹拌した。その後、該混合物を水に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。組み合わせた抽出物をブライン(2×20mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(10mL)で処理すると、沈殿物が生じ、これを濾過により回収すると、2-アミノ-3-フルオロベンズアミド(670mg)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 155(M + H+)
【0305】
工程B:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(51mg、0.24mmol)、及び2-アミノ-3-フルオロベンズアミド(31mg、0.2mmol)をポリリン酸(1.0g)と組み合わせ、該混合物を、激しく撹拌しながら、115℃で20時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水(3mL)を添加すると、沈殿物が生じ、これをDCE(2×8mL)で洗浄して分離した。組み合わせたDCE抽出物をブライン(3mL)で洗浄し、Biotage Phase Separatorsを用いて分離した。有機画分をSavant Speed Vacを用いて濃縮すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロキナゾリン-4(3H)-オンがオフホワイト色の固体(60mg)として得られた。LCMS(ESI)m/z 310(M + H)+.
【0306】
工程C:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロキナゾリン-4(3H)-オン(309mg、1.0mmol)に、DIEA(0.36mL、2.0mmol)及びオキシ塩化リン(7.0mL、76mmolを添加し、該混合物を115℃で6時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、減圧下で濃縮した。トルエンを添加し、2回蒸発させて、残存するオキシ塩化リンを除去した。残渣をEtOAc(20mL)と冷飽和水性NaHCO3(10mL)との間で分配した。分離したEtOAc層をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロキナゾリンが茶色の粘性のある油(222mg)として得られた。
【0307】
工程D:DMA(2.2mL)中の4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロキナゾリン(295mg、0.90mmol)に、tert-ブチル3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート及び酢酸(0.12mL)を添加し、該混合物を100℃で6.5時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、酢酸アンモニウム変性剤を用いる分取逆相HPLCで精製した。遅れて溶出する画分を飽和水性NaHCO3で処理し、減圧下で濃縮した。水性残渣をDCM(3×30mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCMで処理すると、すぐに沈殿物が形成され、これを濾過により回収すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが無色の固体(13mg、4%)として得られた。
【化77】
【0308】
(実施例13)
(8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化78】
工程A:DMF(5mL)中の2-アミノ-3-クロロ安息香酸(1.72g、10mmol)に、ヒドロキシベンザトリアゾール(hydroxybenzatriazole)(2.0g、13mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.3g、12mmol)、塩化アンモニウム(2.3g、42mmol)、及びDIEA(7.5ml、42mmol)を添加した。該混合物を窒素でパージし、6時間撹拌した。その後、該混合物を水に注ぎ入れ、 EtOAc(3×50mL)で抽出した。組み合わせた抽出物をブライン(2×20mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(10mL)で処理すると、沈殿物が生じ、これを濾過により回収すると、2-アミノ-3-クロロベンズアミド(860mg)が得られた。LCMS(ESI)m/z 171(M + H)+.
【0309】
工程B:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(51mg、0.24mmol)、及び2-アミノ-3-クロロ-ベンズアミド(34mg、0.20mmol)をポリリン酸(1.0g)と組み合わせ、該混合物を、激しく撹拌しながら、115℃で20時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水(3mL)を添加すると、沈殿物が生じ、これをDCE(2×8mL)で洗浄して分離した。組み合わせたDCE抽出物をブライン(3mL)で洗浄し、Biotage Phase Separatorsを用いて分離した。有機画分をSavant Speed Vacを用いて濃縮すると、8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4(3H)-オンがオフホワイト色の固体(60mg)として得られた。LCMS(ESI)m/z 326(M + H)+
【0310】
工程C:8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4(3H)-オン(250mg、0.77mmol)に、DIEA(0.28mL、1.53mmol)及びオキシ塩化リン(5.3mL、57mmol)を添加し、該混合物を115℃で6時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、減圧下で濃縮した。トルエンを添加し、2回蒸発させ、残渣をEtOAc(20mL)と冷飽和水性NaHCO3(10mL)との間で分配した。分離したEtOAc層をEtOAc(60mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(10mL)及びブライン(2×10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、4,8-ジクロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリンが茶色の粘性のある油(294mg)として得られた。
【0311】
工程D:DMA(2.0mL)中の4,8-ジクロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(263mg、0.77mmol)に、tert-ブチル3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(300mg、1.53mmol)及びHOAc(0.102mL)を添加し、該混合物を100℃で5時間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、分取逆相HPLC(25〜80%アセトニトリル(0.05%HOAcを含む)及び水(0.05%HOAcを含む)の勾配で40分間かけて溶出させるジフェニルカラムで精製すると、8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが無色の固体(51mg、16%)として得られた。
【化79】
【0312】
(実施例14)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化80】
工程A:2-アミノ-4-メチルベンズアミド(804mg、5.36mmol)及び実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(1.25g、5.89mmol)の混合物に、トリメチルシリルポリホスフェート(約10mL)を添加し、該混合物を、砂浴中で、130℃で一晩加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、水(75mL)及びEtOAc(75mL)を添加し、該混合物を室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、0〜60%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-オール(1.09g、66%)が得られた。LCMS(ESI)m/z 306(M+H)+.
【0313】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-オール(413mg、1.35mmol)に、ローソン試薬(820mg、2.03mmol)及びピリジン(3.5mL)を添加し、該混合物を、マイクロ波反応器中で、170℃で20分間加熱した。該混合物をEtOAc(30mL)と飽和水性NaHCO3(50mL)との間で分配し、分離した水相をEtOAc(2×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層を2N HCl及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、0〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲットクロマトグラフィー(silica get chromatography)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-チオールが不純混合物(0.249g)として得られた。LCMS(ESI)m/z 322(M+H)+.
【0314】
工程C:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-チオール(243mg、〜0.75mmol)のイソプロパノール(5mL)溶液に、1N NaOH(1.13mL、1.13mmol)を添加し、該混合物を室温で5分間撹拌した。その後、ヨードメタン(0.06mL、0.90mmol)を添加し、該混合物を室温で5分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮すると、黄色い固体が得られ、これを回収し、水及びメタノールで洗浄すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-4-(メチルチオ)キナゾリンが薄黄色の固体(152mg、60%)として得られた。
【化81】
【0315】
工程D:0℃の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-4-(メチルチオ)キナゾリン(152mg、0.454mmol)のDCM(3mL)溶液に、70%メタ-クロロペルオキシ安息香酸(168mg、0.681mmol)を添加し、該混合物を0℃で40分間撹拌した。DCM(15mL)を添加し、該混合物を飽和水性NaHCO3(20mL)及び飽和水性チオ硫酸ナトリウム(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣(154mg)に、THF(4mL)中の5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(132mg、1.36mmol)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を、逆相HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/5%ACN/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(62.3mg、36%)が得られた。
【化82】
【0316】
(実施例15)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化83】
工程A:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロキナゾリン-4-オール(1.05g、58%)は、実施例14で用いた2-アミノ-4-メチルベンズアミドの代わりに、2-アミノ-4-フルオロベンズアミドを用いて、実施例14の工程Aに記載した手順と類似の手順を用いて、オレンジ色の固体として得られた。LCMS(ESI)m/z 310(M+H)+.
【0317】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロキナゾリン-4-チオール(203mg、39%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-オールの代わりに、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロキナゾリン-4-オールを用いて、実施例14の工程Bに記載した手順と類似の手順を用いて、黄色い固体として得られた。LCMS(ESI)m/z 326(M+H)+.
【0318】
工程C:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-4-(メチルチオ)キナゾリン(148mg、72%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-チオールの代わりに、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロキナゾリン-4-チオールを用いて、実施例14の工程Cに記載した手順と類似の手順を用いて、オレンジ色の固体として得られた。
【化84】
【0319】
工程D:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(40.7mg、24%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-4-(メチルチオ)キナゾリンの代わりに、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-フルオロ-4-(メチルチオ)キナゾリンを用いて、実施例14の工程Dに記載した手順と類似の手順を用いて、白色の固体として得られた。
【化85】
【0320】
(実施例16)
(7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化86】
工程A:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-クロロキナゾリン-4-オール(.657g、46%)は、実施例14で用いた2-アミノ-4-メチルベンズアミドの代わりに、2-アミノ-4-クロロベンズアミドを用いて、実施例14の工程Aに記載した手順と類似の手順を用いて、黄色の固体として得られた。LCMS(ESI)m/z 326(M+H)+.
【0321】
工程B:7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-チオール(452mg、81%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-オールの代わりに、7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オールを用いて、実施例14の工程Bに記載した手順と類似の手順を用いて、黄色い固体として得られた。LCMS(ESI)m/z 342(M+H)+.
【0322】
工程C:7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(196mg、46%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-チオールの代わりに、7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-チオールを用いて、実施例14の工程Cに記載した手順と類似の手順を用いて、オレンジ色の固体として得られた。
【化87】
【0323】
工程D:7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(40.7mg、18%)は、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチル-4-(メチルチオ)キナゾリンの代わりに、7-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリンを用いて、実施例14の工程Dに記載した手順と類似の手順を用いて、白色の固体として得られた。
【化88】
【0324】
(実施例17)
((R,S)-2-((5-フルオロピリジン-2-イル)(メトキシ)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化89】
工程A:2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウムは、実施例2で用いたエチル2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテートの代わりに、ブロモ酢酸エチルを用いて、実施例2の工程A及びBに記載した手順と類似の手順に従って調製される。
【0325】
工程B:2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウムを、標準的なヘル・ボルハルト・ゼリンスキー反応条件(J. Marchの文献「最先端有機化学(Advanced Organic Chemistry)」第3版, 1985, p.531、及びその中の参考文献)の下、三臭化リンの存在下で、1〜1.5当量のBr2で処理すると、2-ブロモ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸が得られる。
【0326】
工程C:0.5Mの2-ブロモ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸の99:1のDCM/DMF溶液に塩化オキサリル(1.2当量)を添加し、該混合物を、30分間又は反応が実質的に終了するまで、室温で撹拌させておく。その後、該混合物を0℃にまで冷却し、ピリジン(2mL)中の2-アミノベンズアミド(1当量)をゆっくりと添加し、該混合物を約1時間かけて室温にまで温めておく。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣をクロマトグラフィーで精製すると、2-(2-ブロモ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミドが得られる。
【0327】
工程D:0.3Mの2-(2-ブロモ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)ベンズアミドのMeOH溶液に、25%ナトリウムメトキシド/MeOH(2当量)を添加し、該混合物を65℃3fで一晩又は反応が実質的に終了するまで加熱する。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣をクロマトグラフィーで精製すると、2-((5-フルオロピリジン-2-イル)(メトキシ)メチル)キナゾリン-4-オールが得られる。
【0328】
工程E:(R,S)-2-((5-フルオロピリジン-2-イル)(メトキシ)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンは、実施例14で用いた2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-メチルキナゾリン-4-オールの代わりに、2-((5-フルオロピリジン-2-イル)(メトキシ)メチル)キナゾリン-4-オールを用いて、実施例14の工程B〜Dに記載した手順と類似の手順に従って調製される。
【0329】
(実施例18)
((R,S)-2-(アミノ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化90】
工程A:0.3Mの実施例1からの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンのEtOH溶液に塩酸メトキシルアミン(2当量)を添加し、該混合物を60℃にまで30分間又は反応が実質的に終了するまで加熱する。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣をクロマトグラフィーで精製すると、(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンO-メチルオキシムが得られる。LC-MS(ESI)m/z 377(M + H)+.
【0330】
工程B:0.3Mの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンO-メチルオキシムの酢酸(25mL)溶液に、亜鉛末(20当量)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌し、その後、セライトに通して濾過する。濾液を濃縮し、残渣を逆相HPLCで精製すると、(R,S)-2-(アミノ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが得られる。
【0331】
(実施例19)
((R,S)-メチル(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メチルカルバメートの調製)
【化91】
0℃の0.3Mの(R,S)-2-(アミノ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(0.105g、0.3mmol)の無水THF溶液に、メチルクロロホルメート(1当量)を滴下し、DIEA(1.2当量)を添加し、該混合物を0℃で10分間及び室温で5分間又は反応が実質的に終了するまで撹拌する。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCで精製すると、(R,S)-メチル(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メチルカルバメートが得られる。
【0332】
(実施例20)
(メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-カルボキシレートの調製)
【化92】
工程A:密封管中の4-(メトキシカルボニル)-3-ニトロ安息香酸(200mg)及び濃NH4OH(30mL)の混合物を105℃で一晩加熱した。室温にまで冷却した後、該混合物を減圧下で濃縮し、その後、2N HCl(5mL)を添加した。該混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。MeOH(20mL)中の残渣に塩化チオニル(0.2mL)を滴加し、該混合物を6時間還流加熱した。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣を飽和水性NaHCO3(50mL)とEtOAc(50mL)との間で分配し、分離した水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。EtOH(30mL)中の残渣に、10%Pd/C(10mg)を添加し、該混合物を、H2(1気圧)下、室温で4時間撹拌した。該混合物を、MeOHで洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、5%MeOH/DCMで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、メチル3-アミノ-4-カルバモイルベンゾエートが白色の固体(142mg、82.5%)として得られた。
【化93】
【0333】
工程B:メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-カルボキシレートは、実施例14で用いた2-アミノ-4-メチルベンズアミドの代わりに、メチル3-アミノ-4-カルバモイルベンゾエートを用いて、実施例14に記載した手順と類似の手順を用いて調製される。
【0334】
(実施例21)
((2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-イル)メタノールの調製)
【化94】
0℃の水素化アルミニウムリチウム(LAH、3当量)のTHF懸濁液に、メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-カルボキシレート(1当量)のTHF懸濁液をゆっくりと添加する。該混合物を0℃で0.5時間、その後、室温で4時間撹拌する。0℃の該撹拌混合物に、水(1gのLAH当たり1mL)、15%NaOH(1gのLAH当たり1mL)、及び水(1グラムのLAH当たり3mL)を一滴ずつ連続して添加し、該混合物を室温で一晩撹拌する。該混合物を、20%MeOH/DCM(500mL)で洗浄しながらセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を逆相HPLCで精製すると、(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-イル)メタノールが得られる。
【0335】
(実施例22)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニルメチル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化95】
還流温度の実施例21からの(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-7-イル)メタノールのDCM懸濁液に、PBr3(2当量)を添加する。30〜60分間加熱し続け、その後、室温にまで冷却した後、該混合物を減圧下で濃縮する。その後、DMF及びナトリウムチオメトキシド(5当量)を添加し、該混合物を室温で2日間撹拌する。飽和水性NaHCO3を添加し、該混合物をEtOAcで抽出する。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。DCM中の残渣に4-クロロペル安息香酸(10当量)を添加し、該混合物を室温で4時間撹拌する。飽和水性NaHCO3を添加し、該混合物をDCMで抽出する。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を逆相HPLCで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニルメチル)キナゾリン-4-アミンが得られる。
【0336】
(実施例23)
(2-(2-(5-フルオロピリジン-2-イル)-1,3-ジオキソラン-2-イル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化96】
実施例1からの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン及びトルエンの混合物に、エチレングリコール5当量)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(0.2当量)を添加し、該混合物を還流加熱しながら、ディーン・スタークトラップ中で水を回収する。必要に応じて、追加のエチレングリコール及びp-トルエンスルホン酸一水和物を添加し、加熱し、水の回収を続けて、反応の実質的な終了を達成する。室温にまで冷却した後、該混合物を濃縮し、残渣をDMSOに溶解させ、逆相HPLCで精製する。
【0337】
(実施例24)
((R,S)-N-((5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メチル)ホルムアミドの調製)
【化97】
ギ酸エチル中の実施例18からの(R,S)-2-(アミノ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンに、TEA(10当量)及びEtOH(20当量)を添加し、該混合物を、マイクロ波反応器中で、120℃で30分間又は反応が実質的に終了するまで加熱する。該混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDMSOで希釈し、逆相HPLCで精製すると、N-((4-フルオロフェニル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メチル)ホルムアミドが得られる。
【0338】
(実施例25)
((R,S)-3-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)プロパンニトリルの調製)
【化98】
Ar下の0℃の60%水素化ナトリウム/鉱油(3当量)のTHF懸濁液に、ジエチルシアノメチルホスホネート(3当量)を添加し、該混合物を10分間撹拌した。その後、実施例1からの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン(1当量)を添加し、該混合物を、室温で0.5〜3時間又は反応が実質的に終了するまで撹拌する。その後、AcOH(5当量)及びセライトを添加し、該混合物を減圧下で濃縮する。該混合物をシリカゲルカラム上で溶出させ、EtOAc/ヘキサンでさらに溶出させる。単離された材料に、EtOH(100mL)及び10%Pd-C(180mg)を添加し、該混合物を、水素雰囲気下で、70℃で加熱し、必要に応じて、さらに触媒を添加し、さらに加熱して、反応の実質的な終了をもたらす。該混合物を濃縮し、クロマトグラフィーで精製すると、(R,S)-3-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)プロパンニトリルが得られる。
【0339】
(実施例26)
((R,S)-2-((シクロプロピルアミノ)(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化99】
2-プロパノール中の実施例1からの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン(1当量)に、シクロプロピルアミン(5当量)及び3Å(8〜12メッシュ)の分子篩を添加し、該混合物を、マイクロ波反応器中で、140℃で加熱する。追加のシクロプロピルアミンを添加し、NMRによって反応が実質的に終了するまで、マイクロ波加熱又は従来の加熱を続ける。その後、水素化ホウ素ナトリウム(10当量)の2-プロパノール懸濁液を添加し、該混合物を室温で撹拌する。メタノール、追加の水素化ホウ素ナトリウム、及び微量のHOAcを、必要に応じて、反応が実質的に終了するまで添加し、その後、該混合物を濾過し、濾液を濃縮する。DMSOを添加し、該混合物を分取HPLCで精製すると、2-((シクロプロピルアミノ)(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが得られる。
【0340】
(実施例27)
((R,S)-2-(1-(5-フルオロピリジン-2-イル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化100】
工程A:DCM(150mL)中の3-クロロベンゾペルオキシ酸(77%、11.21g、50mmol)に、ジエチルメチルチオメチルホスホネート(4.4mL、25mmol)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌させておいた。その後、追加の3-クロロベンゾペルオキシ酸(5.6g)を添加し、室温で4時間撹拌し続けた。該溶液を飽和水性炭酸カリウムで洗浄し、濃縮した。残渣をDCMに溶解させ、飽和炭酸カリウム溶液で再度洗浄した。有機層を濃縮すると、ジエチルメチルスルホニルメチルホスホネート(4.51g、39%)が得られた。
【化101】
【0341】
工程B:0℃のTHF(20mL)中のジエチルメチルスルホニルメチルホスホネート(746mg、3.24mmol)に、カリウムt-ブトキシド(THF中1.0M、3.25mL、3.25mmol)を添加し、該混合物を5分間撹拌した。その後、実施例1からの(5-フルオロピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノン(1mmol)を添加し、該混合物を室温で4〜8時間又は反応が実質的に終了するまで撹拌する。酸性水による後処理の後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。その後、EtOAc/EtOH混合物中の単離生成物を10%Pd-Cの存在下で水素化する。追加の触媒を添加し、必要に応じて、反応が実質的に終了するまで反応を継続させておく。該混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。 残渣をクロマトグラフィーで精製すると、(R,S)-2-(1-(5-フルオロピリジン-2-イル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが得られる。
【0342】
(実施例28)
((R,S)-2-(3-アミノ-1-(5-フルオロピリジン-2-イル)プロピル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化102】
0℃のTHF中の実施例25からの(R,S)-3-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)プロパンニトリル(1当量)に、水素化アルミニウムリチウム(2当量)を添加し、該混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、室温にまで温め、2〜3時間撹拌しておく。追加の水素化アルミニウムリチウムを添加し、必要に応じて、反応が実質的に終了するまで撹拌し続ける。該溶液に、1N NaOH(1部)、H2O(1部)、及び1N NaOH(3部)をゆっくりとかつ連続的に添加し、該混合物を数時間撹拌し、その後、濾過する。濾液を減圧下で濃縮し、逆相HPLCで精製すると、(R,S)-2-(3-アミノ-1-(5-フルオロピリジン-2-イル)プロピル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンが得られる。
【0343】
(実施例29)
((3-メトキシピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンの調製)
【化103】
(3-メトキシピリジン-2-イル)(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)キナゾリン-2-イル)メタノンは、実施例1で用いた2-ブロモ-5-フルオロピリジンの代わりに、2-ブロモ-3-メトキシピリジンを用いて(Wattersonらの文献(J. Med. Chem. 2007, 50, 3730-3742))、実施例1で報告した手順と類似の手順を用いて調製される。
【0344】
(実施例30)
(N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-イル)-5-メチルチアゾール-2-アミンの調製)
【化104】
工程A:実施例4の工程Aからの4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(100mg、0.32mmol)、Pd2(ジベンジリデンアセトン)3(12mg、0.013mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(23mg、0.04mmol)、5-メチルチアゾール-2-アミン(51mg、0.45mmol)、及びNa2CO3(48mg、0.45mmol)の混合物にトルエン(3mL)を添加した。該混合物を排気し、アルゴンで3回フラッシュし、その後、110℃で2時間加熱した。該混合物をMeOHで希釈し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAC/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-イル)-5-メチルチアゾール-2-アミン(6mg、5%)が得られた。
【化105】
【0345】
(実施例31)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化106】
工程A:3-ニトロ-1H-1,2,4-トリアゾール(0.5g、4.38mmol)の無水DMF(20mL)溶液に炭酸カリウム(0.67g、4.82mmol)を添加し、該混合物を室温で10分間撹拌し、その後、(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.73g、4.38mmol)を添加した。該混合物を室温で1時間撹拌し、その後、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。水層を分離し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、無色の結晶が得られ、これをジエチルエーテルで粉砕化すると、SEM保護3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール(SEM=(2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル))の単一の異性体が白色の固体(0.58g、54%)として得られた。
【化107】
【0346】
工程B:無水エタノール(15mL)中のSEM保護3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール(0.58g、2.37mmol)を含む容器を排気し、アルゴンで数回フラッシュし、その後、触媒量の10% 活性炭上のパラジウムを添加した。該混合物を、水素雰囲気下で、室温で1時間撹拌し、その後、セライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮すると、SEM保護1,2,4-トリアゾール-3-アミンの単一の異性体がオフホワイト色の固体(0.45g、89%)として得られた。
【化108】
【0347】
工程C:実施例4の工程Aからの4-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン(100mg、0.32mmol)、Pd2(ジベンジリデンアセトン)3(12mg、0.013mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(23mg、0.04mmol)、SEM保護1,2,4-トリアゾール-3-アミン(97mg、0.45mmol)、及びNa2CO3(48mg、0.45mmol)の混合物にトルエン(3mL)を添加し、該混合物を排気し、アルゴンで3回フラッシュした。該混合物を110℃で2時間加熱し、その後、DCMで希釈し、濾過した。濾液にTFA(3mL)を添加し、該混合物を室温で2時間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣にMeOHを添加し、該混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAC/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させるPhenomenex製のC-18逆相カラム)で精製した。得られた材料をジエチルエーテルで粉砕化すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(16mg、14%)が得られた。
【化109】
【0348】
(実施例32)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化110】
工程A:アセトニトリル(18mL)中の4-ニトロ-1H-イミダゾール(2.0g、17.7mmol)及びK2CO3(3.67g、26.6mmol)の混合物にヨードメタン(1.32mL、21.2mmol)を添加し、該混合物を、密封バイアル中で、60℃で一晩加熱した。該混合物をアセトンで洗浄しながら濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を熱いイソプロパノールで希釈し、冷却し、沈殿した固体を濾過により回収した。該固体をクロロホルムに溶解させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。 残渣をプロパン-2-オールで粉砕化し、濾過により回収すると、1-メチル-4-ニトロ-1H-イミダゾール(1.03g、46%)が黄褐色の固体として得られた。
【化111】
【0349】
工程B:EtOH(20mL)中の1-メチル-4-ニトロ-1H-イミダゾール(354mg、2.8mmol)に10%Pd-C(90mg)を添加し、該混合物を、水素雰囲気下で、1.5時間撹拌した。該混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、1-メチル-1H-イミダゾール-4-アミン(250mg、92%)が黄色い油が得られ、これを静置すると黒くなった。
【化112】
【0350】
工程C:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)キナゾリン-4-アミンは、実施例30で用いたメチルチアゾール-2-アミンの代わりに、1-メチル-1H-イミダゾール-4-アミンを用いて、実施例30に記載した手順と類似の手順を用いて調製される。
【0351】
(実施例33)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化113】
工程A:実施例2の工程Bからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸ナトリウム(1g、4.69mmol)に、EtOAc(50mL)及び4N HCl(50mL)を添加し、該混合物を振盪させた。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(852mg、95%)が油として得られ、これを静置すると固化した。
【化114】
【0352】
工程B:ピリジン(3mL)中の2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(172mg、0.9mmol)及び2-アミノ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸(185mg、0.9mmol)に、トリフェニルホスファイト(0.26mL、1mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却し、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(156mg、1mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、180℃で3分間加熱した。粗混合物を減圧下で濃縮した。THF(6mL)を添加し、次いで、ナトリウムエトキシド(EtOH中21%、1.2mL)を添加し、該混合物を50℃で1時間撹拌した。追加量のナトリウムエトキシド(EtOH中21%、1mL)を添加し、該混合物を70℃で45分間撹拌した。その後、冷却した混合物をEtOAcと4N HClとの間で分配し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をヘキサン及びEt2Oに溶解させ、減圧下で濃縮した。その後、残渣をヘキサンで粉砕化し、濾過により回収すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-オール(140mg、43%)が茶色の固体として得られた。LC-MS(ESI)m/z 360(M + H)+.
【0353】
工程C:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-オール(121mg、0.34mmol)に、三臭化ホスホリル(890mg)及びトルエン(1mL)、次いで、DIEA(0.117mL、0.67mmol)を添加した。該混合物を105℃で1時間加熱した。該混合物を冷却し、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(150mg、1.5mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で1.5時間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4-アミン(30mg、20%)が得られた。
【化115】
【0354】
(実施例34)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化116】
工程A:ピリジン(15mL)中の実施例33の工程Aからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(863mg、4.52mmol)、及び2-アミノ-3-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(1g、4.52mmol)に、トリフェニルホスファイト(1.3mL、4.97mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却し、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(763mg、4.97mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、190℃で4分間加熱した。粗混合物を減圧下で濃縮した。THF(30mL)を添加し、次いで、ナトリウムエトキシド(EtOH中21%、5mL)を添加し、該混合物を60℃で0.5時間撹拌した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、水に溶解させ、4N HClの添加により、pHを<4に調整した。沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させておくと、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-オール(1.31g、77%)が黄褐色の粗固体として得られ、これをさらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0355】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-オール(250mg、0.66mmol)に、三臭化ホスホリル(2.3g)及びトルエン(2mL)、次いで、DIEA(0.232mL、1.33mmol)を添加した。該混合物を105℃で0.5時間撹拌し、その後、室温にまで冷却させておいた。該混合物をEtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(280mg、2.8mmol)のDMF(5mL)溶液を添加し、該混合物を室温で2時間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(トリフルオロメトキシ)キナゾリン-4-アミン(100mg、33%)が得られた。
【化117】
【0356】
(実施例35)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボニトリルの調製)
【化118】
工程A:ピリジン(8mL)中の実施例33の工程Aからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(440mg、2.31mmol)、及び2-アミノ-3-ブロモ安息香酸(0.5g、2.31mmol)に、トリフェニルホスファイト(0.667mL、2.54mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却し、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(396mg、2.54mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、180℃で3分間加熱した。該混合物を減圧下で濃縮した。THF(10mL)を添加し、次いで、ナトリウムエトキシド(EtOH中21%、3.2mL)を添加し、該混合物を50℃で2時間撹拌した。追加量のナトリウムエトキシド(EtOH中21%、1mL)を添加し、該混合物を50℃で4時間撹拌した。該混合物を冷却させておき、EtOAcと1N HClとの間で分配した。有機層を1N HClで洗浄し(3回)、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をDCMで粉砕化し、濾過により回収すると、8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(444mg、52%)が得られた。
【化119】
【0357】
工程B:8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(936mg、2.5mmol)に、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジチオン(1.53g、3.79mmol)及びピリジン(10mL)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、170℃で20分間加熱した。該混合物を冷却させておき、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配し、有機層を分離し、飽和水性重炭酸ナトリウム(1回)、1N HCl(1回)、ブラインで洗浄した(3回)。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、1.19gの固体が得られた。該固体に、2-プロパノール(15mL)、NaOH(1M、4.62mL、4.62mmol)、及びヨードメタン(0.23mL、3.69mmol)を添加した。該混合物を室温で10分間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を水に懸濁し、固体を、メタノールで洗浄しながら濾過により回収すると、8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(901mg、89%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 400/402(M + H)+.
【0358】
工程C:8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(300mg、0.75mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(69mg、0.075mmol)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(49mg、0.088mmol)、及びシアン化亜鉛(110mg、0.93mmol)の混合物にDMF(6mL)を添加した。反応フラスコを排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、その後、該混合物を90℃3fで一晩加熱した。得られた混合物をEtOAcと水との間で分配し、有機層を2N NH4OH(3回)及びブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-カルボニトリル(168mg、64%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 347(M + H)+.
【0359】
工程D:0℃のDCM(6mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-カルボニトリル(168mg、0.48mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、203mg、0.83mmol)を添加し、該混合物を50分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム溶液を添加し、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(3mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(139mg、1.44mmol)を添加し、該混合物を室温で25分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、逆相HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/CH3CN及び溶媒A=0.05%水性ギ酸/5%CH3CNの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボニトリル(78mg、41%)が得られた。
【化120】
【0360】
(実施例36)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化121】
工程A:実施例35の工程B(300mg、0.75mmol)からの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(38mg、0.075mmol)、テトラエチルスズ(0.295mL、1.5mmol)、及びLiCl(95mg、2.25mmol)の混合物にDMF(15mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュした(2回)。その後、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、135℃で30分間加熱した。該混合物をEtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配し、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、0〜10%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-4-(メチルチオ)キナゾリン(193mg、73%)が白色の固体として得られた。LC-MS(ESI)m/z 350(M + H)+.
【0361】
工程B:0℃のDCM(5mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-4-(メチルチオ)キナゾリン(193mg、0.55mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、218mg、0.89mmol)を添加し、該混合物を40分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウムを添加し、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(3mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(163mg、1.67mmol)を添加し、該混合物を室温で4日間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-エチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(79mg、36%)が得られた。
【化122】
【0362】
(実施例37)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化123】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(400mg、1mmol)、銅(I)トリフルオロメタンスルホネートベンゼン錯体(503mg、1mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(752mg、6.26mmol)、及びN,N-ジメチルエチレンジアミン(0.039mL、0.36mmol)の混合物にDMSO(15mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(2回)、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、120℃で10分間加熱した。該混合物を濾過し、濾液を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-オール(100mg、27%)が得られた。
【化124】
【0363】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-オール(100mg、0.27mmol)に、三臭化ホスホリル(1.25g)及びトルエン(0.5mL)及びDIEA(0.094mL、0.54mmol)を添加し、該混合物を100℃で20分間加熱した。該混合物を冷却し、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(67mg、0.69mmol)のDMF(3mL)溶液を添加し、該混合物を室温で0.5時間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Phenomenex製のC-18逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン(72mg、69%)が得られた。
【化125】
【0364】
(実施例38)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化126】
工程A:実施例7の工程Cからの7-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(400mg、1mmol)、銅(I)トリフルオロメタンスルホネートベンゼン錯体(503mg、1mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(752mg、6.26mmol)、及びN,N-ジメチルエチレンジアミン(0.039mL、0.36mmol)の混合物に、DMSO(15mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュした(2回)。その後、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、130℃で10分間加熱した。該混合物を濾過し、濾液を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-オール(155mg、42%)が得られた。
【化127】
【0365】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-オール(76mg、0.21mmol)に、三臭化ホスホリル(1.21g)、トルエン(0.5mL)、及びDIEA(0.072mL、0.42mmol)を添加し、該混合物を100℃で10分間加熱した。該混合物を冷却し、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(59mg、0.6mmol)のDMF(3mL)溶液を添加し、該混合物を室温で20分間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Phenomenex製のC-18逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(メチルスルホニル)キナゾリン-4-アミン(40mg、45%)が得られた。
【化128】
【0366】
(実施例39)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキサミドの調製)
【化129】
工程A:実施例35の工程Cからの2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-カルボニトリル(200mg、0.57mmol)に、濃硫酸(2.88mL)及び水(0.32mL)を添加した。該混合物を65℃で1時間撹拌し、その後、室温にまで冷却させておいた。該混合物を、飽和水性重炭酸ナトリウムをゆっくりと添加して中和し、その後、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-カルボキサミド(191mg、92%)が黄色い固体として得られた。
【化130】
【0367】
工程B:0℃のDCM(8mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-カルボキサミド(191mg、0.52mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、192mg、0.78mmol)を添加し、該混合物を90分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウムを添加し、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(5mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(153mg、1.58mmol)を添加し、該混合物を室温で15分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキサミド(108mg、50%)が得られた。
【化131】
【0368】
(実施例40)
(8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化132】
工程A:実施例3の工程Cからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)酢酸ナトリウム(2.97g、13.87mmol)に、EtOAc(100mL)及び4N HCl(100mL)を添加し、該混合物を振盪させ、分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。ヘキサンを残渣に添加し、該混合物を減圧下で再度濃縮すると、2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)酢酸(2.08g、78%)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
【0369】
工程B:ピリジン(10mL)中の2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリミジン-2-イル)酢酸(700mg、3.64mmol)及び2-アミノ-3-クロロ安息香酸(625mg、3.64mmol)に、トリフェニルホスファイト(1.05mL、4mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(615mg、4mmol)を添加した。該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、190℃で4分間加熱し、その後、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcと4N HClとの間で分配し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(10mL)、次いで、ナトリウムエトキシド(EtOH中21%、1mL)を添加し、該混合物を65℃で0.5時間撹拌した。追加量のナトリウムエトキシド(EtOH中21%、1mL)を添加し、該混合物を60℃で30分間撹拌した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、EtOAcと4N HClとの間で分配した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をヘキサン及びEt2Oで粉砕化し、固体を濾過により回収すると、8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(420mg、35%)が黄褐色の固体として得られた。LC-MS(ESI)m/z 327(M + H)+.
【0370】
工程C:8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(200mg、0.61mmol)に、三臭化ホスホリル(1.2g)及びトルエン(2mL)、次いで、DIEA(0.214mL、1.22mmol)を添加した。該混合物を105℃で45分間加熱した。該混合物を冷却させておき、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(137mg、1.41mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で45分間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、8-クロロ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリミジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(75mg、30%)が得られた。
【化133】
【0371】
(実施例41)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボキサミドの調製)
【化134】
工程A:実施例8の工程Aからの2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-7-カルボニトリル(174mg、0.5mmol)に、濃硫酸(2.88mL)及び水(0.32mL)を添加した。該混合物を65℃で1時間撹拌し、その後、室温にまで冷却させておいた。該混合物を、飽和水性重炭酸ナトリウムをゆっくりと添加して中和し、その後、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-7-カルボキサミド(178mg、98%)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。LC-MS(ESI)m/z 365(M + H)+.
【0372】
工程B:0℃のDCM(5mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-7-カルボキサミド(203mg、0.55mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、205mg、0.84mmol)を添加し、該混合物を90分間撹拌した。その後、追加量の3-クロロペル安息香酸(70%、68mg、0.28mmol)を添加し、該混合物を15分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(5mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(160mg、1.65mmol)を添加し、該混合物を室温で20分間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(溶媒B=0.05%AcOH/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%AcOH/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-7-カルボキサミド(21mg、10%)が得られた。
【化135】
【0373】
(実施例42)
(4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オンの調製)
【化136】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(336mg、0.84mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73mg、0.08mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(144mg、0.25mmol)、モルホリン-3-オン(102mg、1mmol)、及びCs2CO3(383mg、1.18mmol)の混合物に、ジオキサン(5mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、該混合物を100℃で一晩加熱した。該混合物をMeOH及びDCMで希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。該混合物を、0〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オン(203mg、57%)が混合物として得られ、これをさらに精製することなく使用した。LC-MS(ESI)m/z 421(M + H)+.
【0374】
工程B:0℃のDCM(5mL)中の4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オン(180mg、0.428mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、158mg、0.64mmol)を添加し、該混合物を30分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(3mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(124mg、1.28mmol)を添加し、該混合物を室温で5分間撹拌した。沈殿物が形成され、これを濾過により回収し、その後、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、4-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)モルホリン-3-オン(40mg、20%)が得られた。
【化137】
【0375】
(実施例43)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化138】
工程A:ピリジン(15mL)中の実施例33の工程Aからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(1g、5.23mmol)及び2-アミノ-3-メトキシ安息香酸(875mg、5.23mmol)に、トリフェニルホスファイト(1.51mL、5.75mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(883mg、5.75mmol)を添加した。該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、190℃で4分間加熱し、その後、減圧下で濃縮した。THF(10mL)及びナトリウムエトキシド(EtOH中21%、4mL)を添加し、該混合物を60℃で0.5時間撹拌した。該混合物を冷却させておき、減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解させ、4N HClの添加により、pHを<4に調整した。沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、漏斗上で乾燥させると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシキナゾリン-4-オール(1.19g、71%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 322(M + H)+.
【0376】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシキナゾリン-4-オール(450mg、1.4mmol)に、三臭化ホスホリル(3.14g)及びトルエン(4mL)、次いで、DIEA(0.488mL、2.8mmol)を添加した。該混合物を105℃で1時間加熱した。該混合物を冷却させておき、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(300mg、3.1mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で3日間撹拌した。粗混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=0.05%ギ酸/H2O/5%ACNの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(170mg、30%)が得られた。
【化139】
【0377】
(実施例44)
(N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミドの調製)
【化140】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(250mg、0.63mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(58mg、0.063mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(109mg、0.19mmol)、ホルムアミド(0.075mL、1.875mmol)、及びCs2CO3(284mg、0.875mmol)の混合物に、ジオキサン(4mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、該混合物を90℃で一晩加熱した。該混合物をDCMで希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。残渣を、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド(168mg、74%)が得られた。
【化141】
【0378】
工程B:0℃のDCM(5mL)中のN-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド(168mg、0.462mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、171mg、0.69mmol)を添加し、該混合物を40分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム及び飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(4mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(135mg、1.38mmol)を添加し、該混合物を室温で20分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド(66mg、35%)が得られた。
【化142】
【0379】
(実施例45)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)-N-(オキセタン-3-イル)キナゾリン-8-カルボキサミドの調製)
【化143】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(200mg、0.5mmol)、酢酸パラジウム(6mg、0.025mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(29mg、0.05mmol)、オキセタン-3-アミン(55mg、0.75mmol)、及びK3PO4(320mg、1.5mmol)の混合物に、トルエン(2mL)を添加した。バイアルを排気し、一酸化炭素でフラッシュし(2回)、該混合物を、一酸化炭素の雰囲気下で110℃で一晩加熱した。該混合物をDCM/MeOHで希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。残渣を、10〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)-N-(オキセタン-3-イル)キナゾリン-8-カルボキサミド(56mg、26%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 421(M + H)+.
【0380】
工程B:0℃のDCM(5mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)-N-(オキセタン-3-イル)キナゾリン-8-カルボキサミド(56mg、0.13mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、42mg、0.17mmol)を添加し、該混合物を60分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム及び飽和水性重炭酸ナトリウム溶液を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(3mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(96mg、1mmol)を添加し、該混合物を室温で45分間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、その後、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)ホルムアミド(20mg、33%)が得られた。
【化144】
【0381】
(実施例46)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-オールの調製)
【化145】
工程A:アルゴン下の-78℃のDCM(10mL)中の実施例43の工程Bからの2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-メトキシ-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(150mg、0.375mmol)に、三臭化ホウ素(DCM中1M、3.75mL、3.75mmol)を添加した。該混合物を-78℃で20分間撹拌し、その後、ゆっくりと室温にまで温めておいた。追加の三臭化ホウ素(DCM中1M、4mL、4mmol)を添加し、該混合物を室温で6日間撹拌した。MeOHをゆっくりと添加し、その後、該混合物を減圧下で濃縮すると、臭素化生成物の混合物が得られた。該混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で部分精製した。回収された生成物に、THF/MeOH(8mL)及び水酸化パラジウム(炭素上20%、50mg)の1:1混合物を添加し、該混合物を、水素の雰囲気下で、50℃で1時間加熱した。該混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、その後、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-オール(3mg、2%)が得られた。
【化146】
【0382】
(実施例47)
(メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキシレートの調製)
【化147】
工程A:2-アミノ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(15g、73.47mmol)及び2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(12.6g、66.1mmol)をポリリン酸(100mL)に懸濁し、該混合物を、機械的に撹拌しながら115℃で24時間加熱し、その後、室温にまで冷却した。このバッチ及びいくつかの同様のバッチからの反応混合物(合計245mmol)を組み合わせ、冷水(4L)でクエンチした。得られた懸濁液をDCM(2L)で粉砕化し、固体生成物を濾過により回収すると、3-カルバモイル-2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)安息香酸(25g、32%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 354(M+H+).
水層を二相濾液から分離し、DCM(2×0.5L)で抽出した。DCM抽出物を組み合わせ、保存しておいた。水層をEtOAc(合計2L)で数回抽出した。該EtOAc抽出物を組み合わせ、水(3×500mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をDCM(50mL)に溶解させ、10%NaHCO3で抽出した。水層をpH1にまで酸性化し、沈殿物を濾過により回収すると、追加の3-カルバモイル-2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)安息香酸(3.5g、5%)が得られた。上からの保存しておいたDCM画分をもとの体積の20%にまで濃縮した。固体の沈殿物を濾過により回収し、冷DCMで洗浄すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-ヒドロキシキナゾリン-8-カルボン酸(3.5g、5%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 336(M+H+).濾液を10%NaHCO3で抽出し、水層をpH8〜9に調整し、濾過し、pH1にまで酸性化した。得られた沈殿物を濾過により回収すると、さらなる2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-ヒドロキシキナゾリン-8-カルボン酸(7.0g、10%)が得られた。有機相から、中間体2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-(トリフルオロメチル)キナゾリン-4(3H)-オン(〜3.5g)を回収することができ、これを再度、ポリリン酸中での加熱に供し、次いで、水でクエンチすると、さらなる2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-ヒドロキシキナゾリン-8-カルボン酸が固体(3.0g)として得られた。
【0383】
工程B:MeOH(1000mL)中の2-(2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド)-3-カルバモイル安息香酸(28.5g、81mmol)を、2M HCl/エーテル(4mL)で処理し、その後、一晩還流加熱した。該混合物をもとの体積の10%にまで濃縮し、得られた沈殿物を濾過により回収し、少量のMeOHで洗浄すると、メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレート(17.5g、62%)が得られた。別に、MeOH(200mL)中の2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-ヒドロキシキナゾリン-8-カルボン酸(10.5g、31mmol)を2M HCl/エーテル(1mL)で処理し、一晩還流加熱した。該混合物をもとの体積の10%にまで濃縮し、得られた沈殿物を濾過により回収し、少量のMeOHで洗浄すると、メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレート(5.5g、51%)が得られた。上の2つの手順からの濾液を65℃で濃縮し、冷却させておいた。固体を濾過により回収すると、さらなるメチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレート(3g)が得られた。EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによる濾液の精製により、さらなるメチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレート(4g)が得られた。単離された固体を組み合わせると、メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレートが固体(30g)として得られた。LC-MS(ESI)m/z 350(M+H+).
【0384】
工程C:トルエン(300mL)中のメチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-8-カルボキシレート(30g、85.9mmol)、POBr3(3.7g、429.5mmol)、TEA(43.5g、429.5mmol)、及びDMF(0.1mL)の混合物を、撹拌しながら100℃で4時間加熱した。該混合物を濃縮し、残渣を水(1L)に懸濁し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水(2×50mL)及びブラインで洗浄し、その後、固体が沈殿し始めるまで、減圧下で、35℃で濃縮した。該混合物を冷却させておき、固体を濾過により回収し、少量の冷EtOAcで洗浄すると、メチル4-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-8-カルボキシレート(23g、65%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 412.7, 414.7(M+H+). 濾液を濃縮し、残渣を、EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、さらなるメチル4-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-8-カルボキシレート(3.0g、8%)が得られた。
【0385】
工程D:メチル4-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-8-カルボキシレート(27g、65.5mmol)のジオキサン(300mL)溶液に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(12.7g、131mmol)を添加し、該混合物を50℃で一晩撹拌した。該混合物を濃縮し、残渣を水(1L)で粉砕化した。固体を濾過により回収し、水で洗浄し、風乾させると、メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキシレートが固体(26.7g、95%)として得られた。
【化148】
【0386】
(実施例48)
(N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)アセトアミドの調製)
【化149】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(200mg、0.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(46mg、0.05mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(87mg、0.15mmol)、アセトアミド(89mg、1.5mmol)、及びCs2CO3(230mg、0.7mmol)の混合物に、ジオキサン(4mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、該混合物を90℃で一晩加熱した。該混合物をDCMで希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。残渣を、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)アセトアミド(90mg、48%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 379(M + H)+.
【0387】
工程B:0℃のDCM(5mL)中のN-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)アセトアミド(90mg、0.24mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、77mg、0.3mmol)を添加し、該混合物を40分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム及び飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(3mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(107mg、1.1mmol)を添加し、該混合物を室温で1時間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)アセトアミド(37mg、36%)が得られた。
【化150】
【0388】
(実施例49)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製)
【化151】
工程A:ピリジン(15mL)中の実施例33の工程Aからの2,2-ジフルオロ-2-(5-フルオロピリジン-2-イル)酢酸(1.05g、5.49mmol)及び2-アミノ-3-ニトロ安息香酸(1g、5.49mmol)の混合物に、トリフェニルホスファイト(1.59mL、6.03mmol)を添加し、該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、150℃で10分間加熱した。該混合物を室温にまで冷却させておき、その後、塩酸エチル3-アミノプロパノエート(945mg、6.03mmol)を添加した。該混合物を、マイクロ波シンセサイザー中で、190℃で4分間加熱し、その後、減圧下で濃縮した。THF(20mL)及びナトリウムエトキシド(EtOH中21%、10mL)を添加し、該混合物を撹拌しながら50℃で0.5時間加熱した。該混合物を減圧下で濃縮し、その後、EtOAcと4N HClとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、その後、10〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。残渣をEt2Oで粉砕化し、固体を濾過により回収すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-ニトロキナゾリン-4-オール(566mg、31%)が得られた。
【化152】
【0389】
工程B:2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-8-ニトロキナゾリン-4-オール(312mg、0.92mmol)に、三臭化ホスホリル(1.66g)、トルエン(3mL)、及びDIEA(0.325mL、1.85mmol)を添加し、該混合物を90℃で0.75時間加熱した。該混合物を冷却させておき、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(220mg、2.3mmol)のDMF(4mL)溶液を添加し、該混合物を室温で0.5時間撹拌した。水を添加し、得られた沈殿物を濾過により回収し、漏斗上で乾燥させると、粗固体(406mg、定量的)が生じた。分析試料を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)による精製により調製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-ニトロキナゾリン-4-アミンが得られた。
【化153】
【0390】
(実施例50)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4,8-ジアミンの調製)
【化154】
EtOH(10mL)中の実施例49の工程Bからの粗2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-8-ニトロキナゾリン-4-アミン(210mg、0.5mmol)に、水酸化パラジウム(炭素上20%、70mg)を添加し、該混合物を、水素の雰囲気下で、室温で1時間、その後、75℃で0.5時間撹拌した。該混合物をMeOHで洗浄しながら濾過し、その後、濾液を減圧下で濃縮すると、残渣(140mg)が得られた。該残渣の一部(70mg)を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4,8-ジアミン(17mg、9%)が得られた。
【化155】
【0391】
(実施例51)
(8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミンの調製)
【化156】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(200mg、0.5mmol)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)(37mg、0.05mmol)、シクロプロピルボロン酸(65mg、0.75mmol)、及びK3PO4(371mg、1.75mmol)の混合物に、トルエン(6mL)及び水(0.5mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、その後、該混合物を100℃で4時間加熱した。該混合物を減圧下でセライト上に濃縮し、残渣を、10〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、不純な8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(150mg、84%)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。
【0392】
工程B:0℃に冷却したDCM(5mL)中の8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(150mg、0.41mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、42mg、0.17mmol)を添加し、該混合物を15分間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、チオ硫酸ナトリウム溶液、次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣に、THF(4mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(185mg、1.9mmol)を添加し、該混合物を室温で30分間撹拌した。粗混合物を減圧下で濃縮し、その後、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(50mg、37%)が得られた。LC-MS(ESI)m/z 332(M + H)+.
【0393】
工程C:8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)キナゾリン-4-オール(50mg、0.15mmol)に、三臭化ホスホリル(0.86g)及びトルエン(2mL)、次いで、DIEA(0.053mL、0.3mmol)を添加した。該混合物を95℃で0.5時間加熱した。該混合物を冷却し、EtOAcと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣に、5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(100mg、1mmol)のDMF(3mL)溶液を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。該混合物を、分取HPLC(溶媒B=0.05%HOAc/ACN及び溶媒A=0.05%HOAc/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のジフェニル逆相カラム)で精製すると、8-シクロプロピル-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)キナゾリン-4-アミン(30mg、48%)が得られた。
【化157】
【0394】
(実施例52)
(N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミドの調製)
【化158】
工程A:実施例35の工程Bからの8-ブロモ-2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン(250mg、0.625mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(57mg、0.063mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(108mg、0.187mmol)、メタンスルホンアミド(83mg、0.87mmol)、及びCs2CO3(284mg、0.87mmol)の混合物に、ジオキサン(5mL)を添加した。反応容器を排気し、アルゴンでフラッシュし(3回)、該混合物を100℃で一晩加熱した。該混合物を冷却させておき、その後、DCMで希釈し、減圧下でセライト上に濃縮した。残渣を、10〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、不純なN-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミド(220mg、85%)が得られた。
LC-MS(ESI)m/z 415(M + H)+.
【0395】
工程B:0℃のDCM(5mL)中のN-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-(メチルチオ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミド(220mg、0.53mmol)に、3-クロロペル安息香酸(70%、160mg、0.64mmol)を添加し、該混合物を1時間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、その後、水性チオ硫酸ナトリウム及び飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣に、THF(5mL)及び5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(過剰)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(溶媒B=0.05%ギ酸/ACN及び溶媒A=5%ACN/0.05%ギ酸/H2Oの勾配で溶出させる、Varian製のC-18逆相カラム)で精製すると、N-(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-イル)メタンスルホンアミド(3mg、1%)が得られた。
【化159】
【0396】
(実施例53)
(2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボン酸の調製)
【化160】
メチル2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボキシレート(26.7g、62.3mmol)の1:1の3N NaOH/ジオキサン(200mL)溶液を室温で2時間撹拌した。該混合物を減圧下で濃縮し、得られた水溶液を3N HClで酸性化した。得られた沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、風乾させると、2-(ジフルオロ(5-フルオロピリジン-2-イル)メチル)-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)キナゾリン-8-カルボン酸が固体(24.1g、93%)として得られた。
【化161】
【0397】
(実施例54)
(JAKキナーゼに対する化合物の結合定数(Kd)を決定する競合結合アッセイ)
本明細書で使用される競合結合アッセイを、Fabianらの文献(Nature Biotechnology 2005, 23,329-336)に記載の通りに、開発、検証、及び実施した。キナーゼをT7ファージとの融合体として産生したか(Fabianらの文献、又はWO04/015142号を参照されたい)、或いは該キナーゼをHEK-293細胞で発現させ、その後、PCR検出用にDNAでタグ化した(WO08/005310号を参照されたい)。結合アッセイのために、ストレプトアビジンコーティングされた磁気ビーズを、ビオチン化された親和性リガンドとともに室温で30分間処理して、親和性樹脂を作製した。リガンド化されたビーズを過剰のビオチンでブロッキングし、ブロッキングバッファー(SeaBlock(Pierce)、1%BSA、0.05%Tween 20、1mM DTT)で洗浄して、未結合のリガンドを除去し、非特異的結合を低下させた。キナーゼ、リガンド化された親和性ビーズ、及び試験化合物を、1×結合バッファー(20%SeaBlock、0.17×PBS、0.05%Tween 20、6mM DTT)中で組み合わせることによって、結合反応液を作製した。試験化合物を、DMSO中の100×ストックとして調製し、水性環境中に速やかに希釈した。DMSOを、試験化合物を欠く対照アッセイに添加した。一次スクリーン相互作用を、ポリプロピレン384ウェルプレート中で、34μLの最終容量で実施し、一方、Kdの決定を、ポリスチレン96ウェルプレート中で、135μLの最終容量で実施した。該アッセイプレートを、結合反応が平衡に達するほど十分に長い1時間の間、振盪させながら室温でインキュベートし、親和性ビーズを洗浄バッファー(1×PBS、0.05%Tween 20)で徹底的に洗浄して、未結合のタンパク質を除去した。その後、該ビーズを溶出バッファー(1×PBS、0.05%Tween 20、2μM非ビオチン化親和性ビーズ)に再懸濁し、振盪させながら、室温で30分間インキュベートした。溶出液中のキナーゼ濃度を定量的PCRで測定した。各々のキナーゼを各々の化合物に対して個別に試験した。11個の連続3倍希釈物を用いて、Kdを決定した。選択性スコアは、酵素のパネルに対する化合物の選択性の定量的尺度であり、これは、化合物が設定基準、(例えば、100nM以下の結合定数)を満たす酵素の数を、試験した酵素の総数で割ることにより、化合物について決定することができる。キナーゼ選択性スコア、例えば、S10は、ある濃度(例えば、10μM)の化合物が、阻害剤を欠く陰性対照(DMSOのみ)と比較して90%以上の阻害を示したキナーゼの数を、突然変異体バリアントを除く、試験した異なるキナーゼの数、通常、359個又は386個のキナーゼで割ることにより、各々の化合物について算出される。
【0398】
一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK2に対して約20μM未満のKdを有することが分かった。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK2に対して約10μM未満のKdを有することが分かった。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK2に対して約1μM未満のKdを有することが分かった。
【0399】
別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK3に対して約20μM未満のKdを有することが分かった。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK3に対して約10μM未満のKdを有することが分かった。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、JAK3に対して約1μM未満のKdを有することが分かった。
【0400】
(実施例55)
(csTF-1細胞ベースのレポーターアッセイ)
csTF-1細胞は、GM-CSFに対して成長依存的であり、かつインタクトなGM-CSFR/JAK2/STAT5経路を有するヒト赤白血病細胞株に由来する。該細胞株は、活性化された転写因子STAT5によって認識される調節因子1(irf 1)応答エレメントの制御下の安定に組み込まれたβ-ラクタマーゼレポーター遺伝子を含む。csTF-1細胞(Invitrogen K1219)をアッセイ培地(97%OPTIMEM/0.5%透析済みFBS/0.1mM NEAA/1mM Na pyr/P/S)で洗浄し、T150フラスコに入れて同じ培地中に5×105細胞/mLで播種した。16時間のインキュベーションの後、細胞を、50μlの容量中、2×105細胞/ウェルで播種し、Costar製の透明な底の96ウェルアッセイプレートに入れた。化合物の連続希釈物を、0.5%の最終DMSO濃度、及び2ng/mLのGM-CSFのプレートに添加し、その後、該プレートを30℃及び5%CO2で4時間インキュベートした。該プレートを室温に移した後、製造業者のプロトコル(Invitrogen, カタログ# K1085)に従って、基質混合物を添加した。該基質混合物を含むアッセイプレートを、暗所にて、室温で2時間インキュベートした。青と緑の蛍光を、Spectra Max Gemini EMを用いて、409nmでの励起及び460nmでの放出(青の場合)、並びに409nmでの励起及び530nmでの放出(緑の場合)により測定した。本明細書で提供される化合物は、約5μM未満のIC50を有することが分かった。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、約500nM未満の活性IC50を有することが分かった。
【0401】
本明細書で提供される化合物は、表1に示す以下の活性を有することが分かった:
【表2】

【0402】
ある実施態様では、本明細書で提供される化合物は、非突然変異体及び非JAKファミリーキナーゼと比較したとき、より高い特異性でJAK2キナーゼに結合する。本明細書で提供されるある化合物について、10個未満の非突然変異体及び非JAKファミリーキナーゼの結合定数は、本明細書で提供される化合物についてのJAK2キナーゼの結合定数の100倍以内である。本明細書で提供されるある化合物について、8個未満の非突然変異体及び非JAKファミリーキナーゼの結合定数は、本明細書で提供される化合物についてのJAK2キナーゼの結合定数の100倍以内である。本明細書で提供されるある化合物について、6個の非突然変異体及び非JAKファミリーキナーゼの結合定数は、本明細書で提供される化合物についてのJAK2キナーゼの結合定数の100倍以内である。
【0403】
(実施例56)
(アデノシンA3受容体アンタゴニスト細胞ベースのアッセイ)
A3AR又はADORA3としても知られるアデノシンA3受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)である。本明細書で提供される式Iの化合物のうちの1つを、β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)による酵素断片相補性を機能的レポーターとして利用するアッセイ(PathHunter β-アレスチンアッセイ、DiscoveRx Corporation)において、ヒトADORA3を特異的に発現する細胞株を用いて、アンタゴニストモードでアッセイした。
【0404】
このアッセイのために、ヒトADORA3発現PathHunter細胞株を標準的な手順に従って成長させ、アッセイ前に選択成長培地中で維持した。細胞を、20μLの全容量中、1ウェル当たり5000細胞の密度で384ウェルマイクロプレートに播種し、化合物を添加する前に一晩、接着させ、回復させておいた。2-Cl-IB-MECAアゴニスト用量曲線をプロファイリングの朝に実施して、EC80値を決定し、この値を、以後のアンタゴニスト化合物試験に用いた。アンタゴニスト測定のために、細胞を、式Iの化合物のうちの1つとともにプレインキュベートし(5μLの5×化合物を、37℃で30分間、細胞に添加し)、次いでEC80濃度で2-Cl-IB-MECAアゴニストを投与した(5μLの6×EC80アゴニストを37℃で90分間インキュベートした)。15μLのPathHunter Detection試薬カクテルを室温で1時間添加することにより、アッセイシグナルを発生させた。化学発光シグナルの検出のために、マイクロプレートをPerkin Elmer Envision装置で読み取った。パーセント阻害は、以下の式:%阻害=100%×(1-(試験試料の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU)/(EC80対照の平均RLU-ビヒクル対照の平均RLU))を用いて算出した。本明細書で提供される式Iの化合物のうちの1つは、29.6nMのIC50を有することがこのアッセイで分かった。
【0405】
変更が当業者に明白であるので、特許請求される主題は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。