特許第5901690号(P5901690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5901690表示制御装置、表示制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901690
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20160331BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20160331BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20160331BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   G06F3/0481
   G09G5/00 550D
   G09G5/00 555D
   G09G5/00 555G
   G09G5/00 510H
   G09G5/14 C
   G06K17/00 003
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-98967(P2014-98967)
(22)【出願日】2014年5月12日
(62)【分割の表示】特願2013-130611(P2013-130611)の分割
【原出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2015-5276(P2015-5276A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】玉木 秀和
(72)【発明者】
【氏名】井藤 雅稔
(72)【発明者】
【氏名】ウ 小軍
【審査官】 西田 聡子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−134694(JP,A)
【文献】 特開2009−163385(JP,A)
【文献】 特開2011−150622(JP,A)
【文献】 特開2012−055506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06K 17/00
G09G 5/00
G09G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを表示部上に表示するための表示制御装置であって、
前記表示部と、
記憶装置からIDを読み取る情報読み取り手段と、
表示処理を行うか、登録処理を行うかをユーザによる操作に基づき判定し、当該判定の結果に応じて前記表示処理又は前記登録処理を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記表示処理を行う際に、前記IDに対応付けられたデータを取得し、当該データを前記表示部上に表示
前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、当該複数のウィンドウから1つのウィンドウを選択し、当該1つのウィンドウに表示されたデータのアドレスと、記憶装置から読み取られたIDとをID情報格納装置に格納する
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記情報読み取り手段は、前記表示部上にかざされた前記記憶装置から前記IDを読み取る
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記表示処理を行う際に、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置において前記IDと対応付けて格納されているアドレスを、当該ID情報格納装置から取得し、当該アドレスに基づき前記データを取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記表示処理を行う際に、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置が、前記IDと対応付けて格納されているアドレスに基づき前記データを取得し、前記制御手段が当該データを取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ユーザによる操作として、前記制御手段により前記表示部上に表示された登録を示す画像が選択されこと、又は、前記制御手段により前記表示部上に表示されたデータが選択されことを検知した場合に、前記登録処理を行うと判定する
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、当該複数のウィンドウからアクティブになっているウィンドウを選択し、当該ウィンドウに表示されたデータのアドレスと前記IDとを前記ID情報格納装置に格納する
ことを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
データを表示部上に表示するための表示制御装置であって、当該表示部を備える表示制御装置が実行する表示制御方法であって、
表示処理を行うか、登録処理を行うかをユーザによる操作に基づき判定し、
前記判定の結果により前記表示処理を行う際に、記憶装置からIDを読み取、前記IDに対応付けられたデータを取得し、当該データを前記表示部上に表示
前記判定の結果により前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、当該複数のウィンドウから1つのウィンドウを選択し、当該1つのウィンドウに表示されたデータのアドレスと、記憶装置から読み取られたIDとをID情報格納装置に格納する
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1ないしのうちいずれか1項に記載の前記表示制御装置の制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な操作でデータをディスプレイ上に表示させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、あるデバイスにあるデータを他のデバイスで見たり、他人と共有したい場合、記録媒体にデータを格納することでデータを移動させたり、予めネットワーク経由等でデータを他のデバイスに転送する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-134349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術のように、記録媒体を用いる場合、データの移動は手間がかかる。また、記録媒体に格納されたデータを持ち出すことについてセキュリティ上の問題がある場合もある。
【0005】
また、予めネットワーク経由等でデータを転送しておいた場合においても、データを表示するためにはPCや携帯端末等からフォルダを開いて保管場所を指定する必要があり、時間がかかることもあり非効率である。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡易な操作でデータをディスプレイ上に表示させることを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、データを表示部上に表示するための表示制御装置であって、
記憶装置からIDを読み取る情報読み取り手段と、
表示処理を行う際に、前記IDに対応付けられたデータを取得し、当該データを前記表示部上に表示する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、当該複数のウィンドウから1つのウィンドウを選択し、当該1つのウィンドウに表示されたデータのアドレスと、記憶装置から読み取られたIDとをID情報格納装置に格納する表示制御装置として構成される。
【0008】
前記情報読み取り手段は、前記表示部上にかざされた前記記憶装置から前記IDを読み取ることとしてもよい。
【0009】
前記制御手段は、前記表示処理を行う際に、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置において前記IDと対応付けて格納されているアドレスを、当該ID情報格納装置から取得し、当該アドレスに基づき前記データを取得することとしてもよい。
【0010】
前記制御手段は、前記表示処理を行う際に、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置が、前記IDと対応付けて格納されているアドレスに基づき前記データを取得し、前記制御手段が当該データを取得することとしてもよい。
【0011】
前記制御手段は、登録処理を行うことを示す所定の操作がなされたことを検知した場合に、前記登録処理を行うこととしてもよい。
【0012】
前記所定の操作は、例えば、前記制御手段により前記表示部上に表示された登録を示す画像が選択されること、又は、前記制御手段により前記表示部上に表示されたデータが選択されることである。
【0013】
前記制御手段は、前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、当該複数のウィンドウからアクティブになっているウィンドウを選択し、当該ウィンドウに表示されたデータのアドレスと前記IDとを前記ID情報格納装置に格納することとしてもよい。
【0014】
また、本発明は、前記表示制御装置が実行する表示制御方法、及び、コンピュータを、前記表示制御装置の制御手段として機能させるためのプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な操作でデータをディスプレイ上に表示させることが可能となる。これにより、ユーザはストレスを感じることなく目的のデータを効率的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る情報表示システムを使用する際のイメージを示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る情報表示システムの構成図である。
図3】本発明の実施の形態に係る表示制御部12の構成図である。
図4】本発明の実施の形態に係る情報表示システムにおける表示処理の動作例を示すシーケンス図である。
図5】本発明の実施の形態に係る情報表示システムにおける登録処理の動作例を示すシーケンス図である。
図6】登録処理の際の画面表示例を示す図である。
図7】登録処理の他の動作例を示す図である。
図8】登録処理の他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報表示システムを使用する際のイメージを示す図である。図1に示すように、テーブル等に情報表示装置10が備えられており、ユーザが、IDを格納した記憶装置20を情報表示装置10の表示部上にかざすことで、IDと対応付けられたデータが情報表示装置10上に表示される。当該データは、例えばネットワーク接続された装置やクラウドから取得される。また、例えば、データが情報表示装置10上に表示されている状態で、ユーザが記憶装置20を情報表示装置10上にかざすことで当該データのアドレスをIDと対応付けて登録する。
【0019】
上記の記憶装置20は、例えば、NFC(near field communication)、RFID等の近距離無線通信機能を備えたカードであり、IDを記憶している。記憶装置20は、カードに限られず、例えばNFC機能を備えたスマートフォン等の携帯端末であってもよい。IDは、記憶装置20を識別する識別情報である。情報表示装置10上に表示される「データ」は、特定の種類に限定されず、例えば、編集アプリケーション、プレゼンテーションアプリケーション、表計算アプリケーション等のファイル、インターネット上のコンテンツ(Web画面)、写真、動画等である。データの「アドレス」とは、データが保存されている場所を示すものであり、例えば、ファイルパス、URL等である。また、情報表示装置10は、一例として、オフィスにおいて共同で作業するようなスペースや、公共の場所に設置される。なお、IDを読み取る手法は上記のように近距離無線通信を用いる手法に限られず、例えば、IDを記述した媒体からIDの画像を読み取り、画像認識によってIDを識別する手法を用いてもよい。
【0020】
また、記憶装置20を情報表示装置10の表示部(ディスプレイ)上に「かざす」とは、記憶装置20と表示部とが非接触である状態のみならず、接触する状態(例:置く)も含む。すなわち、記憶装置20(カードやスマホ等の端末)の中にある情報が、あたかもディスプレイに瞬時に移動したかのような感覚を実現するためには、記憶装置20をディスプレイ(の近くの情報読み取り部)に近づけたり、置いたりするのが効果的である。
【0021】
このように本実施の形態では、カード等の記憶装置20を情報表示装置10にかざすだけで、例えば他者と共有したいファイルやアプリケーションを情報表示装置10上に表示させることができる。すなわち、ユーザにストレスを感じさせることなく、目的のものを効率的に表示することができる。
【0022】
以下、本実施の形態をより詳細に説明する。
【0023】
(システム構成)
図2に、本発明の実施の形態に係る情報表示システムの構成図を示す。図2に示すように、本実施の形態に係る情報表示システムは、情報表示装置10とID情報格納装置30を備える。
【0024】
本実施の形態では、情報表示装置10とID情報格納装置30とはインターネット等のネットワークにより接続されている。ID情報格納装置30はいわゆるクラウド内に備えられる装置であってもよい。なお、ID情報格納装置30の配置場所はこれに限るわけではなく、ID情報格納装置30の機能(データベース31)を情報表示装置10内に備えてもよい。
【0025】
ID情報格納装置30は、データベース31を含み、データベース31には、IDとアドレスとが対応付けて格納されている。図2には、1つのIDに1つのアドレスが対応付けられた例が示されているが、1つのIDに複数のアドレスが対応付けられていてもよい。その場合、データ表示の際には、全部のアドレスに対応するデータを表示してもよいし、表示するデータを選択するようにしてもよい。
【0026】
ID情報格納装置30は、情報表示装置10の表示制御部12から登録要求を受けてIDとアドレスをデータベース31に格納する機能、及び、表示制御部12からアドレス取得要求を受けて、要求に係るIDに対応するアドレスを表示制御部12に送信する機能を含む。
【0027】
情報表示装置10は、表示部11、及び表示制御部12を含む。表示部11は、データを表示するためのディスプレイ装置である。表示部11は、データを表示する機能のみでなく、ユーザからのタッチ操作によりデータ入力を受け付ける操作機能も含むこととしてもよい。本実施の形態では、表示部11は、データを表示する機能と操作機能を含むものとする。
【0028】
図3に、本実施の形態における表示制御部12の構成図を示す。図3に示すように、表示制御部12は、情報読み取り部121、表示・操作処理部122、情報送受信部123、処理制御部124を備える。
【0029】
情報読み取り部121は、記憶装置20からIDを読み取る機能を含む。表示・操作処理部122は、表示部11にデータを表示させる機能、及び表示部11上で行われたタッチ操作によるデータ入力を受け付ける機能を含む。情報送受信部123は、ID情報格納装置30との間で情報の送受信を行う機能、及び、ID情報格納装置30から受信したアドレスが情報表示装置10外の場所(例:URL)を示す場合に、処理制御部124により制御に基づき、当該アドレスにネットワークを介してアクセスし、当該アドレスが示す場所に格納されたデータを受信する機能も含む。
【0030】
処理制御部124は、アプリケーションによるデータ表示、格納等の制御、記憶装置20から読み取ったIDによる表示、登録に係る制御等を行う機能を備える。処理制御部124は、メモリ等の記憶手段を含んでおり、当該記憶手段には、データを表示したり操作を受け付けたりするアプリケーション(プログラム)が格納されている。以下で説明する情報表示装置10における処理制御は主に処理制御部124により実行される。
【0031】
情報表示装置10は、表示部10と表示制御部12とが一体で構成されてもよいし、別々の装置(表示装置と表示制御装置)として構成されてもよい。なお、表示部10と表示制御部12とが一体で構成されている場合でも、情報表示装置10を表示制御装置と称してもよい。また、情報読み取り部121は、表示制御部12とは別の装置として構成されてもよい。表示部10と表示制御部12とが別々に構成される場合でも、表示制御部12の情報読み取り部121は、表示部10上にかざされた記憶装置20からIDを読み取れる程度に、表示部10と近い位置に配置される。
【0032】
本実施の形態における情報表示装置10における表示制御部12は、1つ又は複数のコンピュータに、実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、表示制御部12の処理制御部124が有する機能は、当該表示制御部12を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0033】
(システムの動作)
次に、本実施の形態における情報表示システムの動作例をシーケンス図等を参照しながら説明する。
【0034】
<表示処理の動作例>
図4は、本実施の形態においてデータを情報表示装置10に表示する場合における動作例を示す図である。図4における動作の前提として、ID情報格納装置30におけるデータベース31に、記憶装置20に格納されているIDと、表示させたいデータのアドレスとが対応付けて格納されているものとする。
【0035】
ユーザが記憶装置20を情報表示装置10の表示部11上にかざすと、情報表示装置10における表示制御部12が、記憶装置20からIDを読み取る(ステップ1)。なお、記憶装置20を表示部11上にかざすとは、表示部11の表示画面を真上から見たときに、記憶装置20を画面内の領域上にかざすことに限られず、画面外の領域上でかざす場合も含むものとする。
【0036】
情報表示装置10における表示制御部12において、処理制御部124はIDを情報送受信部123からID情報格納装置30に送信する(ステップ2)。
【0037】
IDを受信したID情報格納装置30は、当該IDに基づきデータベース31を検索し、当該IDに対応するアドレスを取得する。そして、ID情報格納装置30は取得したアドレスを情報表示装置10に送信する(ステップ3)。
【0038】
アドレスを受信した情報表示装置10の表示制御部12は、処理制御部124による制御に基づき、当該アドレスに対応するデータを取得し、当該データを表示部11に表示する。例えば、アドレスがURLであるとすると、表示制御部12はアプリケーション(ブラウザ)を起動するとともに、当該URLにアクセスしてデータ(コンテンツ)を取得し、表示部11に表示する。
【0039】
また、例えば、アドレスがファイルパスであるとすると、表示制御部12は、当該ファイルの種類に対応するアプリケーション(例:プレゼンテーションアプリケーション)を起動するとともに、当該ファイルパスに対応する場所にアクセスし、データ(ファイル)を取得して表示部11に表示する。なお、既にデータに対応するアプリケーションが起動されていれば、アプリケーションを起動する処理は行われない。
【0040】
例えば、プレゼンテーションアプリケーションのデータ(ファイル)が表示された場合において、その後、表示部11上でデータに対する編集等が行われ、保存の操作が行われた場合、当該アドレスが示す場合で更新されたデータが保存される。その後、例えば、当該情報表示装置11もしくは他の情報表示装置上で、記憶装置20をかざす操作が行われた場合、当該更新されたデータが表示されることになる。
【0041】
なお、上記の例では、ID情報格納装置30からアドレスを取得した表示制御部12がデータを取得しているが、データを取得する方法はこれに限られるわけではない。ID情報格納装置30が、IDに対応付けられたアドレスに基づきデータを取得し、当該データを表示制御部12に送信することとしてもよい。すなわち、表示制御部12が、ID情報格納装置30により取得された、IDに対応付けられたデータを取得することとしてもよい。また、ID情報格納装置30以外の装置がIDに対応付けられたデータを取得し、表示制御部12へ当該データを送信することとしてもよい。
【0042】
<登録処理の動作例>
次に、図5図6を参照して、IDとアドレスとをID情報格納装置30に登録する登録処理の動作例を説明する。
【0043】
登録処理の前提として、ユーザが登録したいと考えるデータが情報表示装置10の表示部11上に表示されているものとする。このデータは、例えば、ユーザが事前に表示部11上でタッチ操作等を行うことで表示したデータであってもよいし、他のユーザが当該ユーザの記憶装置をかざすことで表示したデータであってもよい。
【0044】
この状態で、ユーザが記憶装置20を情報表示装置10にかざすことにより、情報表示装置10における表示制御部12が記憶装置20に格納されたIDを読み取る(ステップ11)。
【0045】
IDを読み取った表示制御部12における処理制御部124は、表示されているデータに対応するアドレスを取得し、当該アドレスとIDとを情報送受信部123からID情報格納装置30に送信する(ステップ12)。ID情報格納装置30に送信される情報には、登録を要求することを示す情報(登録要求)がアドレスとIDとは別に含まれていてもよい。登録要求がアドレスとIDとは別に含まれない場合、ID情報格納装置30は、アドレスとIDを含むことを登録要求と見なす。
【0046】
IDとアドレスを受信したID情報格納装置30は、IDとアドレスとを対応付けてデータベース31に格納(登録)する(ステップ13)。また、例えば、当該IDに対応付けて既にアドレス(旧アドレス)が格納されていた場合は、ステップ12で受信したアドレスで旧アドレスを上書きする。上書きすることに代えて、アドレスを追加することとしてもよい。
【0047】
その後、例えば、表示部11上で編集が行われ、保存の操作が行われた場合、アドレスに対応する保存場所に編集後のデータが格納される。これに代えて、表示部11上で編集が行われ、記憶装置20を表示部11上にかざすことで、保存場所に編集後のデータを格納するようにしてもよい。
【0048】
なお、どの記憶装置20で何が表示されるのかを見えるようにするために、記憶装置20にe−inkディスプレイを備え、登録時に、e−inkを用いてアドレスに対応するデータの内容を示す情報を表示することとしてもよい。
【0049】
本実施の形態では、データの表示を行う場合と、データの登録を行う場合とで、記憶装置20を情報表示装置10にかざすという基本的に同じ操作が行われる。記憶装置20を情報表示装置10にかざした場合に、データの表示を行うのか、それとも、データの登録を行うかは、例えば以下のようにして判別することができる。
【0050】
<例1>
表示制御部12により、表示部11上に登録ボタン(画像)が表示される(図6(a))。登録時には、ユーザが記憶装置20を情報表示装置10にかざすとともに登録ボタンにタッチする。表示制御部12における処理制御部124は、IDを取得するとともに、登録ボタンがタッチされたことを検知した場合に「登録」であると判定し、登録処理を行う。処理制御部124は、IDを取得しても、所定の期間、登録ボタンがタッチされたことを検知しない場合は、「表示」であると判定し、表示処理を行う。
【0051】
また、処理制御部124は、登録ボタンがタッチされたことを検知した後に、記憶装置20がかざされてIDを取得した場合は「登録」であると判定し、登録ボタンがタッチされたことを検知せずに、記憶装置20がかざされてIDを取得した場合は即座に「表示」であると判定し、表示処理を行うようにしてもよい。つまり、ユーザは、「登録」を行う場合は登録ボタンを押してから記憶装置20をかざし、「表示」を行う場合は登録ボタンを押さずに記憶装置20をかざす。
【0052】
なお、登録ボタンは、表示部11上の画像として表示されるボタンであってもよいし、情報表示装置10に備えられるハードウェアのボタンであってもよい。また、登録ボタンをタッチすることに代えて、マウス操作で登録ボタンを選択することとしてもよい。
【0053】
また、例えば、表示部11上の画面上に複数のウィンドウが開かれ、複数種類のデータが表示されている場合において、登録ボタンがタッチされ、登録処理を行う場合、表示制御部12における処理制御部124は、複数のウィンドウのうちのアクティブになっているウィンドウを識別し、当該ウィンドウに表示されたデータのアドレスを取得し、IDとともにID情報格納装置30に送信することで登録を行う。なお、アクティブになっているウィンドウとは、入力や操作の対象となっているウィンドウのことである。複数のウィンドウが重なっている場合、アクティブになっているウィンドウが最上位に表示される。
【0054】
また、表示部11上の画面上に複数のウィンドウが開かれ、複数種類のデータが表示されている場合において、登録ボタンがタッチされ、登録処理を行う場合、ユーザは、登録したいデータが表示されたウィンドウ上に記憶装置20をかざすようにしてもよい。この場合、例えば、情報表示装置10内、もしくは情報表示装置10外(例:表示部11の上)にカメラを備え、表示制御部12における処理制御部124が、当該カメラにより撮影された画像から、記憶装置20が配置された表示部11の画面上の位置を算出し、当該位置に対応するウィンドウのデータのアドレスを登録する。なお、記憶装置20が配置された表示部11の画面上の位置を検知する手法は上記の手法に限られず、他の任意の手法を用いてよい。また、ここでの登録処理においては、登録ボタンをタッチしなくても「登録」と判定することとしてもよい。つまり、例えば、表示制御部12における処理制御部124は、データが表示されたウィンドウ上に記憶装置20がかざされたことを検知した場合に「登録」であると判定する。
【0055】
<例2>
登録時には、ユーザは、記憶装置20を情報表示装置10にかざすとともに、表示部11の画面上でタッチ操作を行う。表示制御部12における処理制御部124は、IDを取得するとともに、タッチ操作が行われたことを検知した場合に「登録」であると判定し、登録処理を行う。処理制御部124は、IDを取得しても、所定の期間、タッチ操作を検知しない場合は、「表示」であると判定し、表示処理を行う。
【0056】
また、例えば図6(b)に示すように、表示部11上の画面上に複数のウィンドウが開かれ、複数種類のデータが表示されているときに、登録処理を行う場合、表示制御部12における処理制御部124は、ウィンドウがアクティブであるか否かに関わらず、タッチ操作が行われたウィンドウに表示されているデータのアドレスを取得し、IDとともにID情報格納装置30に送信することで登録を行う。図6(b)に示す例では、タッチ操作が行われたウィンドウ1のデータのアドレスが登録される。
【0057】
<例3>
上記の登録ボタンやタッチ操作の他、情報表示装置10内、もしくは情報表示装置10外にカメラを備え、表示制御部12における処理制御部124が、カメラで取得されたユーザの指等のジェスチャを認識することで登録と表示を識別することとしてもよい。例えば、「登録」を示すジェスチャを検知した場合に登録処理と判定し、検知しない場合に表示処理と判定する。
【0058】
複数ウィンドウが表示されている場合に、どのウィンドウのデータを登録対象とするかについては、例1、例2と同様の処理で実現できる。また、複数ウィンドウが表示されている場合に、どのウィンドウのデータを登録対象とするかについてもジェスチャを用いて指示することとしてもよい。
【0059】
<登録処理の他の動作例>
前述したように、記憶装置20として、カードの他に、NFC等の近距離無線通信機能を備えたスマートフォン等の携帯端末を用いてもよい。記憶装置20がスマートフォン等の携帯端末である場合、記憶装置20はデータ表示機能を持つことから、記憶装置20に表示されたデータのアドレスを登録の対象とすることが可能である。この場合の動作例を図7を参照して説明する。
【0060】
記憶装置20(携帯端末)に登録の対象とするデータが表示されているものとする。ここで、記憶装置20のユーザは、前述したように、登録ボタンにタッチし、記憶装置20を情報表示装置10上にかざす等により登録を行うことを指示する。
【0061】
情報表示装置10の表示制御部12は、記憶装置20からIDを読み取るとともに、記憶装置20に表示されているデータのアドレス(例:URL)を取得する(ステップ21)。ここでは、例えば、表示制御部12は、近距離無線通信を用いて、記憶装置20に対してアドレス取得要求を送り、記憶装置20が、当該アドレス取得要求に応じて、データのアドレスを近距離無線通信を用いて表示制御部12に送信する。
【0062】
IDとアドレスを取得した表示制御部12は、当該IDとアドレスをID情報格納装置30に送信し(ステップ22)、ID情報格納装置30は、受信したIDとアドレスとを対応付けてデータベース31に格納する(ステップ23)。
【0063】
なお、上記の例では、情報表示装置10を介して登録を行うこととしたが、記憶装置20から直接にID情報格納装置30に対して登録を行うようにしてもよい。
【0064】
また、表示/登録ボタンを記憶装置20(スマートフォン等の携帯端末)の画面に表示させ、いずれかのボタンを押してから表示部11にかざすことで、表示/登録モードを切り替えるようにしてもよい。この例では、例えば、表示ボタンが押された場合に、記憶装置20から表示制御部12に「表示」を示す情報が送られ、表示制御部12はこの情報に基づき表示処理を行うと判定し、登録ボタンが押された場合に、記憶装置20から表示制御部12に「登録」を示す情報が送られ、表示制御部12はこの情報に基づき登録処理を行うと判定する。
【0065】
登録処理を行う「登録」モードのときに、通常の登録処理に加え、表示部11に表示されているデータを記憶装置20(スマートフォン等の携帯端末)にダウンロードすることとしてもよい。この例では、例えば、記憶装置20が近距離無線通信により表示制御部12からデータを取得することとしてもよいし、記憶装置20が表示制御部12からデータのアドレスを取得し、記憶装置20が当該アドレスにアクセスすることでデータを取得してもよい。
【0066】
また、表示処理を行う「表示」モードのときに、記憶装置20(スマートフォン等の携帯端末)にデータを表示するとともに、当該データをネットワーク接続された装置やクラウドにアップロードしてもよい。この例では、例えば、記憶装置20が近距離無線通信により表示制御部12からデータを取得し、表示するとともに、当該データを上記のネットワーク接続された装置やクラウドにアップロードしてもよいし、記憶装置20が近距離無線通信により表示制御部12からデータのアドレスを取得し、アドレスに基づきデータを取得して表示するとともに、当該データを上記のネットワーク接続された装置やクラウドにアップロードしてもよい。
【0067】
また、記憶装置間でIDと対応付けられるアドレスを受け渡すような処理を行うことも可能である。この処理を図8を参照して説明する。この例では、記憶装置A,Bは、近距離無線通信により、記憶装置間でIDの送受信を行う機能を備えているものとする。本例では、記憶装置A,Bがスマートフォン等の携帯端末であることを想定している。
【0068】
まず、記憶装置Aが記憶装置Bに、記憶装置AのID(ID−Aとする)を送信する(ステップ31)。ここでは、例えば、記憶装置Aと記憶装置Bのそれぞれでタッチ操作等を行うことでID−Aの送受信を行う。また、記憶装置Aと記憶装置Bとを物理的に接触させることでID−Aの送受信を行うこともできる。
【0069】
ID−Aを受信した記憶装置Bにおいて、ユーザがタッチ操作等により登録命令を行うことで、記憶装置Bは自分のID(ID−Bとする)と、ID−AをID情報格納装置30に送信する(ステップ32)。ここでは、ID−Aに対応付けられたアドレスをID−Bに対応付けて登録することを示す命令とともに、ID−BとID−Aを送信することとしてもよい。
【0070】
ID情報格納装置30は、ID−Aに基づきデータベース31を検索することで、ID−Aに対応付けられたアドレスを取得し(ステップ33)、当該アドレスをID−Bと対応付けて格納する(ステップ34)。
【0071】
なお、上記の例では、記憶装置BがID情報格納装置30に対してID−B,ID−Aを送信することとしたが、情報表示装置10を経由してID−B,ID−Aを送信することとしてもよい。
【0072】
(実施の形態のまとめ、効果)
上記のように本実施の形態によれば、カード等の記憶装置20を情報表示装置10の表示部10上にかざすだけで、例えば他者と共有したいファイルやアプリケーションを情報表示装置10上に表示させることができる。すなわち、ユーザにストレスを感じさせることなく、目的のものを効率的に表示することができる。
【0073】
本技術を用いることにより、例えば、複数人で同じデータを見ながら議論したり、異なる記憶装置をかざすことで、データを次々に開きながら議論をすることができる。また、例えば、ユーザが、記憶装置(スマートフォン等)の手元に持っている写真や動画等を、公共スペース等の情報表示装置10で友人と共有することもできる。
【0074】
また、本実施の形態では、ユーザは端末等にデータを入れて持ち歩く必要はなく、記憶装置20だけ持っていればよく、セキュリティを確保できるという効果がある。すなわち、記憶装置20の中にはデータはなく、持っているのはIDだけであり、ID情報格納装置30にアクセスしない限りはデータを取り出せないことから、セキュリティを担保することが可能である。また、データを収納するための大容量の装置を持ち歩かなくてもよいという効果もある。
【0075】
以下、本明細書に開示される構成を例示的に列挙する。
(第1項)
データを表示部上に表示するための表示制御装置であって、
記憶装置からIDを読み取る情報読み取り手段と、
前記IDに対応付けられたデータを取得し、当該データを前記表示部上に表示する制御手段と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
(第2項)
前記情報読み取り手段は、前記表示部上にかざされた前記記憶装置から前記IDを読み取る
ことを特徴とする第1項に記載の表示制御装置。
(第3項)
前記制御手段は、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置において前記IDと対応付けて格納されているアドレスを、当該ID情報格納装置から取得し、当該アドレスに基づき前記データを取得する
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の表示制御装置。
(第4項)
前記制御手段は、前記IDを通信ネットワークを介してID情報格納装置に送信し、当該ID情報格納装置が、前記IDと対応付けて格納されているアドレスに基づき前記データを取得し、前記制御手段が当該データを取得する
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の表示制御装置。
(第5項)
前記制御手段は、前記表示部上に表示されたデータに対応するアドレスを取得し、前記記憶装置から読み取られたIDと当該アドレスとを前記ID情報格納装置に格納する登録処理を行う
ことを特徴とする第3項又は第4項に記載の表示制御装置。
(第6項)
前記制御手段は、登録処理を行うことを示す所定の操作がなされたことを検知した場合に、前記登録処理を行う
ことを特徴とする第5項に記載の表示制御装置。
(第7項)
前記所定の操作は、前記制御手段により前記表示部上に表示された登録を示す画像が選択されること、又は、前記制御手段により前記表示部上に表示されたデータが選択されること
であることを特徴とする第6項に記載の表示制御装置。
(第8項)
前記制御手段は、前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、アクティブになっているウィンドウに表示されたデータのアドレスと前記IDとを前記ID情報格納装置に格納する
ことを特徴とする第5項ないし第7項のうちいずれか1項に記載の表示制御装置。
(第9項)
前記表示制御装置は、前記表示部上にかざされる記憶装置の画面上の位置を検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記登録処理を行う際に、前記表示部上に複数のウィンドウを表示している場合において、前記検出手段により検出された位置に対応するウィンドウに表示されたデータのアドレスと前記IDとを前記ID情報格納装置に格納する
ことを特徴とする第5項ないし第7項のうちいずれか1項に記載の表示制御装置。
(第10項)
データを表示部上に表示するための表示制御装置が実行する表示制御方法であって、
記憶装置からIDを読み取る情報読み取りステップと、
前記IDに対応付けられたデータを取得し、当該データを前記表示部上に表示する制御ステップと
を備えることを特徴とする表示制御方法。
(第11項)
コンピュータを、第1項ないし第9項のうちいずれか1項に記載の前記表示制御装置の制御手段として機能させるためのプログラム。
【0076】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 情報表示装置
11 表示部
12 表示制御部
20 記憶装置
30 ID情報格納装置
121 情報読み取り部
122 表示・操作処理部
123 情報送受信部
124 処理制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8