(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の無線受信装置であって、前記第1干渉セル合成器は、合成第1干渉セル信号に干渉セルチャネル歪みを提供するように構成されたフィルタを含む、無線受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の詳細な説明において、添付の図面が参照される。図面は詳細な説明の一部を形成する。また、図面には、本発明が実施され得る実施例が実例として示されている。他の実施例が利用され得、本開示の範囲から離れることなく構造的または論理的な変更がなされ得るということが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきものではなく、本発明の範囲は、添付されたクレームによって定義される。
【0005】
特に注記されない限り、本明細書において説明される様々な典型的な実施例の特徴は、お互いに組合せ得るということが理解されるべきである。さらに、同じ参照番号は、対応する同一のまたは類似の部分を指し示す。
【0006】
本明細書において用いられる用語「結合した」、および/または、「接続した」は、一般に、エレメント同士が直接結合または接続されていなければならないことを意味せず、「結合した」または「接続した」エレメントの間に、仲介エレメントが提供され得る。しかし、そのような意味に制限されることなく、用語「結合した」、および/または、「接続した」はまた、オプションとして、「結合した」または「接続した」エレメントの間に仲介エレメントが提供されることなく、エレメント同士が直接結合または接続される実装を開示することも理解され得る。
【0007】
実施例は、ディスクリート回路、部分的に集積された回路、または全てが集積された回路において実装され得ることが理解されるべきである。さらに、実施例は、単一の半導体チップ上に、または、互いに接続された複数の半導体チップ上に実装され得る。さらに、実施例は、ソフトウェアにおいて、または、専用ハードウェアにおいて、または、部分的にソフトウェアにおいて、そして、部分的に専用ハードウェアにおいて、実装され得ることが理解されるべきである。
【0008】
本明細書に記載される無線受信装置は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)等のネットワークのような様々な無線通信ネットワークのために使用され得る。用語「ネットワーク」、「システム」および「無線通信システム」は同意語的に使用され得る。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000、等の無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)および他のCDMA変化形を含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)や、その派生形である、GSM進化のための拡張データレート(EDGE)、拡張一般パケット無線サービス(EGPRS)、等の無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、進化したUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュOFDM.RTM.等の無線技術を実装し得る。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)の一部である。GSM/EDGEおよびUMTS/HSPA(高速パケットアクセス)技術に基づく3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークは、LTE規格に従った動作のために構成された無線受信装置を含む。
【0009】
以下において、用語「移動局」および「UE」(ユーザ装置)は同じ意味を有する。その意味には、様々な規格(例:UMTS、LTE、およびその派生)によって与えられる定義を含む。例として、UEは、セルラ電話、スマートフォン、タブレットPC、ラップトップ、等によって表される。さらに、以下において、用語「基地局」および「ノードB」は同じ意味を有する。その意味には、様々な規格(例:UMTS、LTE、およびその派生)によって与えられる定義を含む。
【0010】
例として、本明細書において考えられる無線ネットワークは、例えば、HSPA(高速パケットアクセス)等の発展形を含むUMTS(ユニバーサル移動通信システム)等のセルラ無線ネットワークであり得る。例として、セルラ無線ネットワークは、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)によって定義されたWCDMA(登録商標)(広帯域CDMA)システムであり得る。
【0011】
図1には、典型的な無線ネットワーク100が示されている。無線ネットワーク100は、セルラ無線ネットワーク100であり得る。無線ネットワーク100は、A、B、C、D、...として参照されるいくつかの基地局(ノードB)と、複数のユーザ端末を含み得る。複数のユーザ端末は、以下においてUEとして参照される。その典型的なUE101が
図1に描かれている。
【0012】
セルラ無線ネットワーク100は、セルによって構成され、各セルは、基地局A、B、C、D、...によってサービスされる。例として、セルA1、A2、A3は、基地局Aによってサービスされ、セルB1、B2、B3は、基地局Bによってサービスされ、セルC1、C2、C3は、基地局Cによってサービスされ、セルD1、D2、D3は、基地局Dによってサービスされる。
【0013】
異なる基地局(例:A1、B1)によってサービスされるセルは、隣接セルからの干渉を減らすために、典型的に、異なった符号化が施された信号を使用する。この文脈におけるコーディングは、時分割コーディング、周波数分割コーディング、スクランブリング、等を含む広い意味を持っている。例として、例えばWCDMAセルラ無線ネットワーク100を考えた場合、異なる基地局A、B、C、Dからの信号は、異なるスクランブリング符号によって符号化される。
【0014】
UE101は、セル境界の近くに位置している。例として、セルA2がサービングセルであり、セルB1は干渉セルである。すなわち、UE101は、サービングセルの信号を検出するために、基地局Aに割り当てられたスクランブリング符号を使用する。基地局Bに割り当てられたスクランブリング符号は、基地局Aに割り当てられたスクランブリング符号とは異なる。
【0015】
図2は、セル境界のシナリオを示す。ここで、UE101は、同じ基地局AによってサービスされるセルA2とA3のセル境界の近くに位置している。すなわち、この例において、セルは、同じ基地局のセクタである。例として、基地局AによってサービスされるセルA1、A2およびA3は、例えば120度放射パターンを持つ指向性アンテナによって生成される。セルA2は、サービングセルであり、セルA3は干渉セルである。もし、サービングセルA2と干渉セルA3の送信パワーが同じならば、0dBのキャリア対干渉比(Ior/Ioc)が得られ得る。
【0016】
図1および
図2のいずれのシナリオにおいても、セル境界におけるデータスループットは、パスロスによる低い信号強度によって制限されるのではなく、干渉セルからの干渉によって制限される。この干渉を減少させる、または除去までもすることはUE101(例:検討中の無線受信装置を含む)における信号対雑音比を改善し、データスループットを上げ得る。
【0017】
なお、本明細書で使用する用語「セル」は広い意味を持ち得る。それは、セルセクタA1またはA2またはA3またはB1、...の意味、および、例えばセルセクタA1、A2、A3から構成される一つのセルのような、一つの基地局によって広がるセルの意味、の両方を含み得る。第1のケースでは、セル境界は、セルセクタ境界(
図2)、および、異なる基地局のセルの境界(
図1)によって定義され、一方、第2のケースでは、セル境界は、異なる基地局のセルの境界によって定義されるのみである(
図1)。
【0018】
図3は、例として、典型的な無線受信装置300のブロック図を示す。無線受信装置300は、干渉セル検出器301、干渉セル合成器302、サービングセル干渉除去部303、および、サービングセル検出器304を含み得る。さらに、無線受信装置300は、サービングセル信号処理構造305、および、干渉セル信号処理構造306を含み得る。
【0019】
サービングセル信号処理構造305の入力305aは、無線受信装置300が実装されているUEのフロントエンド(示されていない)に結合され得る。フロントエンドは、1以上のアンテナおよびRF(無線周波数)段を含み得る。サービングセル信号処理構造305は、例えば、以下でより詳細に説明される線形干渉知覚等価器のような等価器を含み得る。さらに、サービングセル信号処理構造305は、遅延部、および/または、信号整合のための周波数修正部を含み得る。
【0020】
サービングセル信号処理構造305の入力信号305aは、一つのセル、すなわち、サービングセルから伝送された信号である。サービングセル信号処理構造305は、サービングセルに整合され得る。例えば、サービングセルの伝送チャネルによって生じた信号の歪みを除去するために、この信号を等価し得る。サービングセル信号処理構造305は、サービングセル信号305bを出力する。このサービングセル信号305bはベースバンド信号であり得る。サービングセル信号305bは、干渉セルによって生じた干渉を含む。干渉セルが強ければ強いほど、および/または、無線受信装置300の位置がサービングセル−干渉セル境界に近ければ近いほど、サービングセル信号305bに導入される干渉は大きくなる。従来の無線受信装置においては、この干渉は雑音に追加され、検出器の性能を制限し得る。
【0021】
サービングセル信号305bに含まれる干渉は、事実上、決定論的である。
図3によれば、干渉セル検出器301は、干渉セル信号処理構造306によって出力され得る干渉セル検出器入力信号301aに対して作用する。
【0022】
干渉セル信号処理構造306は、実装から考えて、サービングセル信号処理構造305と類似し得る。そして、繰り返しを避けるために、上述の説明が参照される。しかしながら、干渉セル信号処理構造306は、干渉セルから伝送された干渉セル入力信号306aを受信する。さらに、干渉セル信号処理構造306は、干渉セルに整合した信号処理を実行する。例えば、干渉セル伝送チャネルによって生じた信号の歪みを除去するために、干渉セル入力信号306aの等価を実行する。
【0023】
干渉セル検出器301は、干渉セルによって伝送されたシンボルを検出し得る。干渉セル検出器301から出力された検出干渉セル信号301bは、干渉セルシンセサイザ302に結合され得る。干渉セル合成器302は、検出干渉セル信号301bに基づいて、合成干渉セル信号302bを生成し得る。合成干渉セル信号302bは、無線受信装置300で受信され、サービングセル信号処理構造305によって歪められた干渉セルからの信号に対応し得る。すなわち、サービングセル信号305a内に含まれる、干渉セルからの干渉に対応し得る。サービングセル干渉除去部303は、サービングセル信号処理構造305から出力されるサービングセル信号305bから、合成干渉セル信号302bを除去するように構成される。そのようにして、サービングセル信号305b内に含まれる、干渉セルからの干渉が除去される。サービングセル信号305bからの干渉の除去は、干渉が、事実上決定論的である、すなわち、干渉セル検出器301によって検出することができる、という事実に依存している。
【0024】
サービングセル干渉除去部303の出力は、サービングセル検出器304の入力に結合され得る。サービングセル検出器304は、サービングセル検出器入力信号304aに基づいて、検出サービングセル信号304bを生成するように構成される。サービングセル検出器入力信号304aは、サービングセル干渉除去部303から出力、または導出され得る。
【0025】
図4は、干渉セル検出器301の典型的な実装を示している。干渉セル検出器301は、干渉セル復調器401を含み得る。干渉セル復調器401は、干渉セルによって伝送されたシンボルの、ハード的またはソフト的な、検出シンボル(例:検出シンボルアルファベットの信号点、および、オプションとして、検出結果に関連付けられた自信の量)を出力し得る。干渉セルの全てのチャネルのシンボル(例:1以上のユーザの専用チャネル、制御チャネル、HS−PDSCH(高速物理下りリンク共有チャネル)他等の共有チャネル)が、検出干渉セル信号301bにおいて提供され得る。
【0026】
干渉セル検出器301は、干渉セル逆拡散器402をさらに含み得る。干渉セル逆拡散器402は、異なるチャネル、および/またはユーザに関連付けられた信号を抽出するために、干渉セル検出器入力信号301aを逆拡散し得る。もし、非CDMA無線ネットワーク100が使用されているならば、干渉セル逆拡散器402の代わりに、干渉セルの異なるチャネルを介して伝送された信号を抽出するように構成された逆チャネル化部(de-channelization unit)が使用され得る。
【0027】
以下においては、一般性を失うことなく、説明を容易にするために、CDMA無線ネットワーク100が想定される。干渉セル逆拡散器402(または、非CDMAネットワークの場合には、対応する逆チャネル化部)は、干渉セルにおいて使用されたチャネルについての情報、すなわち、CDMAネットワークにおいて使用された拡散符号、を持つ必要がある。
【0028】
干渉セル逆拡散器402にとって、使用された拡散符号(チャネル割り当て)についての知識を得るには、異なる可能性がある。一つの可能性は、干渉セルによって使用された拡散符号を無線受信装置300に信号で送ることである。別の可能性は、干渉セルによって使用された拡散符号についての知識を測定によって得ることである。測定方式の典型的な実装が、以下でより詳しく説明される。
【0029】
図5は、干渉セル合成器302の典型的な実装を示す。干渉セル合成器302は、干渉セルの推定チャネル係数に基づいて、
検出干渉セル信号30
1bに、干渉セルチャネル歪みを適用するように構成されたフィルタ501を含み得る。さらに、合成干渉セル信号302bは、サービングセル信号処理構造305において使用される等価器係数に基づいて、サービングセル信号305bに整合させられ得る。
【0030】
干渉セル合成器302は、干渉セルにおいて使用された拡散符号によって、検出干渉セル信号301b(例:少なくとも1つの復調された干渉セルチャネルの復調された干渉セルシンボル)を再拡散するように構成された再拡散器502をさらに含み得る。こうして、再拡散器502による信号出力は、干渉セルの基地局によって伝送された信号に対応し得る。先に説明した通り、干渉セルにおいて使用された拡散符号に関する情報は、シグナリングを介して、または測定によって取得し得る。
【0031】
実装から考えて、サービングセル検出器304は、干渉セル検出器301と同様であり得る。すなわち、サービングセル検出器304は、サービングセル検出器入力信号304aを逆拡散するように構成されたサービングセル逆拡散器(図示せず)、および/または、復調されたサービングセルシンボル(例:ハード的またはソフト的な、検出シンボル)を生成するように構成されたサービングセル復調器(図示せず)を含み得る。サービングセル検出器は、検出する前に、サービングセル干渉除去部303によって、サービングセル検出器入力信号304aから干渉が除去されているため、高い性能、および/または、高いスループットを持ち得る。
【0032】
図6は、無線受信装置600の典型的な実装を示す。無線受信装置600は、サービングセル検出器601、サービングセル合成器602、および干渉セル干渉除去部603をさらに含み得ることを除いて、無線受信装置300と同一であり得る。さらに、無線受信装置600は、第2サービングセル信号処理構造605を含み得る。
【0033】
第2サービングセル信号処理構造605は、サービングセル信号処理構造305の実装と同様の実装を持ち得る。簡潔にするために、説明の繰り返しを避ける。さらに、以下でより詳しく説明されるように(例えば、
図12乃至14を参照。)、サービングセル信号処理構造305と第2サービングセル信号処理構造605は、同じハードウェアによって実装され得る。すなわち、第2サービングセル信号処理構造605の出力信号は、例えば、サービングセル信号305bであり得る。別の実装において、第2サービングセル信号処理構造605は、サービングセル信号処理構造305の複製ハードウェアであり得る。
【0034】
第2サービングセル信号処理構造605によって出力されるサービングセル信号605bは、サービングセル検出器601への入力であり得る。サービングセル検出器601は、サービングセル信号605bを逆拡散および復調し得る。サービングセル検出器601の出力は、サービングセル合成器602へ提供され得る。サービングセル合成器602は、検出サービングセル信号601bに基づいて、合成サービングセル信号を生成し得る。サービングセル合成器602の出力は、干渉セル干渉除去部603の入力と結合し得る。干渉セル干渉除去部603は、干渉セル信号処理構造306によって出力された干渉セル信号306bから、合成サービングセル信号602bを除去するように構成され得る。こうして、サービングセルからの干渉は、干渉セル検出器入力信号301aから除去される。こうして、干渉セル検出器301は、
図3の無線受信装置300におけるよりも、よりよい性能、そして/または、より高いスループットを持ち得る。結果として、干渉セル合成器302によって出力される合成干渉セル信号302bは、無線受信装置300におけるよりも、より良い品質を持ち得る。例として、サービングセル干渉除去部303は、
図3の無線受信装置300におけるよりも、より良く、干渉セルから干渉を除去する。
【0035】
図7は、例として、サービングセル検出器601の2つの異なる実装を示す。第1の可能性によれば、サービングセル検出器601は、サービングセル復調器701と、例えば、サービングセル逆拡散器702(または、前に述べたように、別の逆チャネル化部)を含み得る。サービングセル逆拡散器702によって使用される拡散符号(または、より一般的には、チャネル化情報)は、無線受信装置600において知られている。サービングセル復調器701は、第1の可能性によると、サービングセルによって伝送された検出シンボルを含む検出サービングセル信号601bを出力する。この場合、サービングセル検出器601の設計は、ハードウェア実装から考えて、干渉セル検出器301と類似している。
【0036】
別の可能性によると、サービングセル検出器は、サービングセルチャネルデコーダ703をさらに含み得る。サービングセルチャネルデコーダ703は、検出サービングセル信号601bとして、チャネルデコードサービングセル信号601b’を生成するように構成し得る。
【0037】
図8は、例として、サービングセル合成器602の典型的な実装を示す。第1の実装によると、サービングセル合成器602は、サービングセル再拡散器802の入力で、検出サービングセル信号601bを受信する。サービングセル再拡散器802は、サービングセルによって使用された拡散符号によって、検出サービングセル信号601bを再拡散する。より一般的には、サービングセル再拡散器は、検出サービングセル信号601bの再チャネル化を提供する。サービングセル再拡散器802の出力は、サービングセルの基地局によって伝送された信号に対応し得る。
【0038】
サービングセル再拡散器802の出力は、フィルタ801に提供され得る。フィルタ801は、サービングセルチャネルの推定チャネル係数を使用して再拡散信号を歪ませ得る。さらに、再拡散信号は、干渉セル信号処理構造306において使用される等価器係数に基づいて、干渉セル信号306bに整合させられ得る。
【0039】
第2の実装において、サービングセル合成器は、サービングセルチャネルエンコーダ803をさらに含み得る。サービングセルチャネルデコーダ703の出力信号、すなわち、検出サービングセル信号601b’は、サービングセルチャネルエンコーダ803への入力である。そのように、検出サービングセル信号601b’は、例えば、適切なFEC(順方向エラー訂正)チャネル符号を使用することにより、再エンコードされる。サービングセルによって使用されるトランスポートブロックフォーマットとチャネル符号は、無線受信装置にとって既知なので、(オプションの)サービングセル検出器601におけるチャネルデコーディング、および、(オプションの)サービングセル合成器602におけるチャネルエンコーディングは、無線受信装置600にとって、追加のシグナリングを必要とすることなく利用可能である。
【0040】
図9は、無線受信装置900を示す。無線受信装置900は、
図3の無線受信装置300のより詳細な典型的実装であり得る。干渉セル信号処理構造306は、等価器901を含み得る。等価器901は、線形等価器であり得る。等価器901は、等価器係数w
2で動作するFIR(有限インパルス応答)フィルタであり得る。等価器901は、いわゆるタイプ3等価器であり得る。
【0041】
干渉セル信号処理構造306は、周波数補正段902および遅延部903をさらに含み得る。遅延部903は、適切なタイミングでデータが読み出されるバッファによって実装され得る。
【0042】
サービングセル信号処理構造305は、同様に、等価器904、周波数補正段905、および遅延部906を含み得る。等価器904は、線形等価器であり得る。等価器904は、等価器係数w
1で動作するFIR(有限インパルス応答)フィルタであり得る。等価器904は、必ずしも干渉知覚等価器である必要はないかもしれない(なぜならば、いずれにせよ後で干渉は除去されるから)。すなわち、等価器904は、干渉非知覚のいわゆるタイプ3等価器であり得る。等価器901は、例えば、いわゆるタイプ3i等価器であり得る。タイプ3i等価器は干渉知覚等価器である。干渉知覚等価器は、フィルタ係数w
2の線形フィルタに伴う確率論的スペクトル特性によって、隣接セルからの(すなわち、ここでは、例えばサービングセルからの)干渉を抑制する。遅延部906は、適切なタイミングでデータが読み出されるバッファによって実装され得る。
【0043】
干渉セル検出器301は、干渉セル逆拡散器402および干渉セル復調器401を含み得る。干渉セル復調器401は、ソフトのまたはハードの逆マッピング器(demapper)であり得る。例として、QPSK、16QAM、および64QAMシンボルが復調され得る。ソフトの逆マッピング器は、たとえば、区分的線形近似(piecewise linear approximation)を用いて、MAP(最大事後(maximum a posteriori))基準を近似し得る。干渉セル合成器302は、干渉セル再拡散器502およびフィルタ501を含み得る。フィルタ501は、フィルタカスケードh
2*w
1によって実装され得る。フィルタカスケードh
2*w
1は、干渉セル(チャネル係数h
2)からサービングセル等価器ブランチ(等価器係数w
1)への経路を表す。
【0044】
フィルタ501の出力は、周波数補正段907における周波数補正を受けさせられ得、合成干渉セル信号302bを提供する。すでに述べられたように、サービングセル干渉除去部303は、例えば減算によって、サービングセル信号305bから合成干渉セル信号302bを除去する。サービングセル干渉除去部303の出力は、逆拡散され、復調され、そして、例えば、サービングセル検出器304において以前述べられたようにチャネルデコードされ得る。
【0045】
こうして、最初のステップにおける、タイプ3i等価器等の干渉知覚等価器によって実行される線形干渉抑制は、次のステップにおける、再合成干渉信号の減算等の干渉除去による非線形干渉除去と組み合せられる。その目的のため、干渉セルのシンボルが検出され、サービングセル信号の復調とデコードの前に、推定伝送干渉セル信号が再合成され除去される。
【0046】
一方、サービングセル信号は、干渉セル信号の検出を制限する主な干渉を表し得る。こうして、
図6と連携してすでに述べたように、サービングセル信号305bから干渉を除去するために上述されたものと同様の方式が、干渉セル検出器301に供給される干渉セル信号306bから干渉を除去するために使用され得る。
図10は、この方式を使用する典型的な無線受信装置1000を示す。無線受信装置1000は、例えば、
図6において示された無線受信装置600のより詳細な実装であり得る。
【0047】
無線受信装置1000は、干渉セル信号処理構造306によって提供される干渉セル信号306bから干渉を除去するためのブランチによって補完された無線受信装置900を含み得る。より具体的には、無線受信装置1000は、
図6と連携してすでに説明したように、第2サービングセル信号処理構造605、サービングセル検出器601、サービングセル合成器602、および、干渉セル干渉除去部603をさらに含み得る。第2サービングセル信号処理構造605は、等価器係数w
3で動作する線形等価器1001を含み得る。線形等価器1001は、タイプ3i等価器等の干渉知覚等価器であり得る。
【0048】
等価サービングセル信号は、周波数補正段1002へ渡され得る。サービングセル検出器601は、前に述べたように(
図7)、サービングセル逆拡散器702およびサービングセル復調器701を含み得る。サービングセル合成器602は、前に述べたように(
図8)、サービングセル再拡散器803およびフィルタ801を含み得る。フィルタ801は、サービングセル(推定チャネル係数h
1)から干渉セル等価器ブランチ(等価器係数w
2)への経路を表すフィルタカスケードh
1*w
2であり得る。フィルタ801の出力は、周波数補正段907の周波数補正とは逆であり得る周波数補正を提供する周波数補正段1003によって周波数補正され得る。
【0049】
無線受信装置1000は、以下のように動作し得る:第1に、サービングセルが、線形等価器1001を用いて等価され得る。等価器係数w
3は、サービングセルに整合し、干渉セル信号を抑制するように構成され得る。線形等価器1001の出力は、サービングセル検出器601によって検出され、サービングセルを定義する基地局によって伝送された(CDMA)サービングセル信号は、サービングセル合成器602によって再合成される。
【0050】
次に、再合成信号は、線形等価器901を用いて等価された干渉セル信号から、(干渉セル干渉除去部603によって)例えば、キャンセル、または、減算等されて除去される。線形等価器901は、干渉セル出力信号に整合した等価器係数w
2を使用する。
【0051】
干渉セル干渉除去部603によって生成された信号は次に、干渉除去ブランチ601、602の別のインスタンス(instance)、すなわち、干渉除去ブランチ301、302へと供給される。干渉除去ブランチ301、302は、前に述べられたように、干渉セルのCDMA信号を検出し、再合成するように構成される。
【0052】
干渉除去ブランチ301、302によって提供された信号は、最後に、(サービングセル干渉除去部303によって)線形等価器904の出力から、キャンセルまたは減算される等して除去される。線形等価器904は、サービングセルと整合する等価器係数w
1を用いて動作する。すべての等価器901、904、および1001は、MMSE(最小平均二乗誤差)等価器であり得る。
【0053】
干渉除去前のサービングセル信号305bのタイミングは、遅延部906によって調整され得、処理遅延が補償され、無線インターフェイスのタイミングに従って信号が組み合わされる。このように、遅延部903、906、および周波数補正部1003、907は、干渉除去ブランチ601、602と干渉セル信号処理構造306との間の時間および周波数の調整(alignment)、および、干渉除去ブランチ301、302とサービングセル信号処理構造305との間の時間調整、をそれぞれ提供する。より一般的に、遅延部903および906は、処理経路において除去信号に供給される処理遅延の補償に寄与する。
【0054】
なお、干渉除去ブランチ301、302および601、602は、時間多重操作等における、異なる入力パラメータ(拡散符号、変調スキーム、フィルタ係数)を使用することにより、別々のハードウェアによって、または同じハードウェアによって実装され得る。
【0055】
図11は、典型的な無線受信装置1100を示す。無線受信装置1100は、2つの干渉セルからの干渉を除去するように構成される。無線受信装置1100は、例えば、無線受信装置1000(
図10)の全ての構成要素を含み得る。無線受信装置1100は、第2線形干渉セル等価器1101、周波数補正段1102、遅延部1104、周波数補正段1103、干渉セル干渉除去部1105、第2干渉セル検出器1107、第2干渉セル合成器1108、および、周波数補正段1109をさらに含み得る。等価器1101は、第2干渉セルに整合する等価器係数w
4を使用する。適切な周波数とタイミングの補正が、周波数補正段1102と遅延部1104によってそれぞれ実行される。フィルタ1106は、推定チャネル係数h
1と等価器係数w
4を使用するフィルタカスケードによって表され得る。フィルタ1106の入力信号は、再拡散器802の出力によって提供され得る。フィルタ1106は、サービングセル(推定チャネル係数h
1)から第2干渉セル等価器ブランチ(等価器係数w
4)への経路を表す。
【0056】
フィルタ1106によって出力されたフィルタ信号は、第2干渉セル等価器1101によって提供された信号から、この信号からサービングセルに起因する干渉を除去するために、減算等によって除去される。換言すると、第2干渉セルの等価信号からの干渉の除去は、第1干渉セルの等価信号からの干渉の除去と同じように実行される。簡単に説明すると、第2干渉セル干渉除去部1105の出力が、第2干渉セル検出器1107によって検出され、第2干渉セル合成器1108によって再合成される。遅延部1104および(逆)周波数補正段1103および1109によって提供される時間および周波数調整の後、サービングセル干渉除去部303において、第1干渉セルの再合成信号に加えて第2干渉セルの再合成信号が、サービングセル信号305bから除去される。
【0057】
なお、干渉除去ブランチ301、302、および601、602、ならびに1107、1108は、時分割多重化方式で適切なパラメータで動作する、三重のハードウェア、二重のハードウェア、または、一重のハードウェアの経路で実装され得る。
【0058】
図12は、典型的な無線受信装置1200を示す。無線受信装置1200は、サービングセル検出器出力信号1201を生成するためにクロス干渉除去方式を使用する。
【0059】
より具体的には、無線受信装置1200は、サービングセル信号処理構造305、サービングセル干渉除去部303、(サービングセル検出器601に類似する)サービングセル検出器304、(サービングセル合成器602に類似する)サービングセル合成器1202、干渉セル信号処理構造306、干渉セル干渉除去部603、干渉セル検出器301、および干渉セル合成器302を含み得る。繰り返しを避けるために、これらの構成要素の説明が参照される。
【0060】
サービングセル信号処理構造305によって提供されるサービングセル信号305bから、干渉を除去するために、干渉セル合成器302の出力が、サービングセル干渉除去部303の入力に結合され得る。さらに、干渉セル信号処理構造306によって提供される干渉セル信号306bから、サービングセルに起因する干渉を除去するために、サービングセル合成器1202の出力が、干渉セル干渉除去部603の入力に結合され得る。
【0061】
無線受信装置1200のサービングセル処理ブランチ305、303、304、および1202において、干渉セルに起因する干渉は、サービングセル検出器304における復調より前に、サービングセル信号305bから除去される。干渉セル処理ブランチ306、603、301、および302において、サービングセルに起因する干渉は、干渉セル検出器301における復調より前に、干渉セル信号306bから除去される。
【0062】
図12の無線受信装置1200の動作モードは以下の通りであり得る(動作のために使用される部の参照番号が括弧内に書き加えられている):
A)単一干渉除去
干渉セル信号の第1バージョンが検出され(301)、合成され(302)、サービングセル信号から除去される(303)。サービングセル信号305bは、干渉セル信号の検出(301)および再合成(302)が実行されるまで遅延させられる。その結果、同期した信号について、サービングセル干渉除去部303における、信号減算等の信号除去が実行される。
B)1回の全反復を伴うクロス除去
サービングセル入力信号305bの第1バージョンが検出され(304)、再合成される(1202)。サービングセル干渉除去部(303)は、処理のこの段階ではバイパスされる(または、バイパスと同じことになるように、値0の補正信号が減算される。)。干渉除去(603)は、サービングセル合成器1202の出力に基づく。干渉セル信号306bは、サービングセル合成器1202からの再合成信号が、減算等の干渉除去(603)のために利用可能になり同期するまで、遅延させられる。干渉除去(603)された信号が検出され(301)、再合成され(302)、サービングセル信号305bから除去される。そのために、合成(302)干渉補正信号と同期させるために、サービングセル信号処理構造305からの2回目のサービングセル信号305bの回収が行われる。サービングセル干渉除去部303の出力が検出される(304)。サービングセル検出器304の出力1201は、もしサービングセル検出器304が復調されたソフト的またはハード的サービングセルシンボルを出力するならば、出力601b(
図7)に対応し、もしサービングセル検出器304がサービングセルチャネルデコーダ703をさらに含むならば、出力601b’(
図7)に対応する。同様に、サービングセル合成器1202は、サービングセル合成器602(
図8)に対応し得、サービングセル合成器602は、信号601b’を受信するためにサービングセルチャネルエンコーダ803を含むか、または、入力信号601bを受信するためにサービングセルチャネルエンコーダ803を含まないか、であり得る。
C)複数の半または全反復を伴うクロス除去
上記の拡張として、複数の半または全反復が実行され得る。半反復は、サービングセル干渉除去部303によって、または、干渉セル干渉除去部603によって実行される1つの干渉除去処理に対応する。全反復は、B)において述べたとおり、干渉セル干渉除去部603によって実行される1つの干渉除去動作と、サービングセル干渉除去部303によって実行される1つの干渉除去動作とを含む、クロス干渉除去動作に対応する。注意すべきことは、反復動作中のサービングセル信号処理および干渉セル信号処理の時間的整合のために、適切な時間的整合、すなわち、サービングセル信号305bと干渉セル信号306bの、信号遅延、および/または、遅延信号回収が使用されるということである。
【0063】
オプションとして、複数反復の場合に、干渉除去後の対応信号により良く整合するために、線形干渉自覚等価器904(等価器係数w
1)および901(等価器係数w
2)における干渉抑制が、対応する信号処理ブランチにおける残りの干渉レベルに適合させられ得る。例として、線形干渉自覚等価器904、901のそれぞれの等価器係数w
1、w
2における干渉自覚寄与は、反復数に伴って変化する重みによって重み付けされ得る。反復数が大きくなるに従って重みは小さくなり得る。この方式を使用することにより、サービングセル信号305b、および/または、干渉セル信号306bの信号バージョンは、反復毎に異なり得る。
【0064】
さらなるオプション的な修正が可能である。例として、CPICH(共通パイロットチャネル(Common PIlot CHannel))、または、SCH(同期チャネル(Synchronization CHannel))等の完全に先験的な既知チャネルの除去は、これらのチャネルの復調無しに実行し得る。これについては、例として、以下でさらに説明される。さらに、HS−SCCH(高速物理共有制御チャネル(High Speed Shared Controlled CHannel))およびHS−PDSCH(高速物理下りインク共有チャネル(High Speed Physical Downlink Shared CHannel))等の部分に既知なチャネルは、そのチャネルについてサービングセル上で割り当てられた符号の位置しか知られておらず、チャネルデコーダによってデコードされ得、デコードされたビットは、干渉セル信号306bの干渉除去のために使用されるサービングセル信号の再合成のために、使用され得る。この方式は、例として、以下でまたさらに説明されるであろう。
【0065】
図13は、典型的な無線受信装置1300を示す。無線受信装置1300は、無線受信装置1200に対応し得、反復を避けるために、上述の説明が参照される。
【0066】
例として、サービングセル(セル1)および干渉セル(セル2)の両方がWCDMA/HSPA+信号を伝送し得る。信号は、それぞれ、無線伝搬フェージングチャネルh
1およびh
2を通して伝搬する。加算器1301、1302は、等価回路図において、2つのチャネルに起因するクロス干渉を表す。
【0067】
チャネルh
1およびh
2は推定され。そして、チャネル推定h
est,1およびh
est,2は、それぞれ等価器係数w
1およびw
2を計算するために使用される。等価器係数w
1はサービングセルと整合し、例えば干渉自覚MMSEタイプ3i受信機構造によって干渉セルを抑制する。同様に、等価器係数w
2は干渉セルと整合し、例えば干渉知覚MMSEタイプ3i受信機構造によってサービングセルを抑制する。以前説明したように、等価は、等価器904および901によってそれぞれ実行され得る。
【0068】
等価器904の出力は、バッファ1303に結合させられる。バッファ1303は、
図9における遅延部906を表し得る。等価器901の出力は、バッファ1304に結合させられる。バッファ1304は、
図9における遅延部903を表し得る。例えば、減算器1305および1306は、サービングセル干渉除去部303および干渉セル干渉除去部603に、それぞれ対応する。
【0069】
図13に示されるように、サービングセルおよび干渉セルの既知のチャネルCPICH、SCHは、ジェネレータ1308および1307においてそれぞれ生成される。さらに、
図13は、サービングセル検出ブランチにおける逆拡散器(サービングセル逆拡散器702に対応する)の出力に基づいた、ソフトビット生成部1308におけるソフトビット生成を示す。ソフトビット生成部1308において生成されるソフトビットは、変調スキーム信号点のソフトビットである。ターボ・デコーダ1309等のチャネルデコーダは、ソフトビットを受信し、デコードされたビットを生成し得る。
【0070】
注意すべきは、本明細書に記載された全ての実施例において、干渉除去は、例えば、逆拡散の前に、すなわち、チップレベルで、実行され得るということである。チップレベルで干渉除去を実行することは、逆拡散後では補償することが困難な、コード間およびマルチパス効果を回避する。しかしながら、干渉除去はまた、シンボルレベル等の逆拡散後に実行し得る。
【0071】
図14は、典型的な無線受信装置1400を示す。無線受信装置1400は、サービングセル検出器304がターボ・デコーダ1309を含み得、したがって
図7のサービングセル検出器601に対応することを除いて、無線受信装置1300と同一であり得る。ターボ・デコーダ1309によって提供されるデコードビットは、チャネルエンコーダ1401(
図8のサービングチャネルエンコーダ803に対応)において、検討中のUEにとって既知のトランスポートブロックフォーマットを使用して、再エンコードされる。再エンコードされたビットは次に、サービングセル合成器1202に渡される。
【0072】
オプションとして、サービングセル合成器1202は、選択スイッチ1402を装備する。選択スイッチ1402は、再符号化ビットまたは復号シンボルを、さらなる処理のために提供するように動作し得る。選択スイッチの設定に基づいて、電力消費、および/または、干渉除去性能が影響を受け得る。
【0073】
図15は、典型的な無線受信装置1500を示す。無線受信装置1500は、1以上のこれまでに述べられた無線受信装置に対応し得る。そして、繰り返しを避けるために、上述の記載が参照される。特に、無線受信装置1500は、
図10の無線受信装置1000のより詳細な説明であり得る。
【0074】
一般に、干渉セルにおいて使用されるチャネル化(例、拡散符号)は、検討中のUEにとって既知ではない。さらに、また、サービングセルの他のユーザに割り当てられたチャネル化(例、拡散符号)は、既知ではない。したがって、干渉セル信号、および/または、サービングセル信号を合成するためには、干渉セルにおいて使用されるチャネル化に関する情報(例、拡散符号)、および/または、他のユーザのためのチャネル化に関する情報(例、他のユーザに割り当てられた拡散符号)が、それぞれ、干渉セル干渉除去およびサービングセル干渉除去のために提供されなければならない。特に、サービングセル、および/または、干渉セルの、例えば使用された拡散符号の全てに関する知識は必要であり得る。
【0075】
基本的に、この情報は、各基地局からシグナリングすることにより、および/または、この情報を推定することにより、取得し得る。推定することは、拡散符号、および、特に、対応するセル(干渉セル、および/または、サービングセル)において使用される全ての拡散符号、の符号検索を含み得る。一般性を失うことなく、以下において、干渉セルにおいて、および、サービングセルにおいて、チャネル化のためにOVSF(直交可変拡散率)符号が使用されると想定する。
【0076】
図15によれば、無線受信装置1500は、干渉セル符号検索部1510を含み得る。干渉セル符号検索部1510は、干渉セル等価器901の出力に結合された入力を持ち得る。干渉セル符号検索部1510は、全てのOVSF符号にわたる、すなわち、完全なWCDMA OVSF符号ツリーにわたる、符号検索を実行し得る。干渉セル符号検索部1510は、割り当てられた拡散符号を示す第1出力1510aと、割り当てられた拡散符号の符号パワーを示す第2出力1510bを持ち得る。全ての使用された拡散符号信号を、逆拡散器402および再拡散器502が逆拡散および再拡散できるように、逆拡散器402および再拡散器502に第1出力1510aが提供され得る。第2出力1510bは、必要であれば、復調のために、復調器(例、ソフト/ハード・逆マッピング器)401に、提供され得る。干渉セル符号検索部1510の測定遅延を補償するために、内部遅延部1502が使用され得る。
【0077】
干渉セル符号検索部1510は、例えば全ての符号1511のための逆拡散器1511、評価部1512、および、符号識別部1513を例えば含み得る。
【0078】
逆拡散器1511は、高速ウォルシュ・ハダマード変換(FWHT)逆拡散器であり得る。FWHT逆拡散器は、固定された数の拡散符号を含む、完全なWCDMA OVSF符号ツリーを逆拡散し得る。評価部1512は、各符号の符号パワーと、符号毎のパワー測定に基づく測定基準(metric)等を計算する計算段を含み得る。符号パワー、および/または、対応する測定基準値は、符号識別部1513に渡され得る。符号識別部1513は、使用されているならば、走査した拡散符号が使用されているか否かを決定する。再拡散器502は、干渉セル基地局から伝送された信号を合成する、逆高速ウォルシュ・ハダマード変換(iFWHT)再拡散器であり得る。
【0079】
サービングセル処理ブランチは、サービングセル符号検索部1520を含み得る。サービングセル符号検索部1520は、干渉セル符号検索部1510と同様であり得る。しかし、少なくとも、検討中のUEによって使用される拡散符号は既知であり、したがって、必ずしもすべてのOVSFツリーの拡散符号が符号検索のために逆拡散されないことが可能であり得る。干渉セル符号検索部1510と同様、サービングセル符号検索部1520は、符号割当てを示す第1出力1520aと、使用された拡散符号の符号パワーを示す第2出力1520bを生成し得る。再拡散器502と同様、再拡散器802は、iFWHT再拡散器であり得る。再拡散器802は、サービングセルの基地局によって伝送された、拡散(一般的には、チャネル化された)信号を合成し得る。
<例>
【0080】
以下の例は、さらなる実施例に関連する。
【0081】
例1は、サービングセル検出器入力信号に基づいて検出サービングセル信号を生成するように構成されたサービングセル検出器と、第1干渉セル検出器入力信号に基づいて検出第1干渉セル信号を生成するように構成された第1干渉セル検出器と、検出第1干渉セル信号に基づいて、合成第1干渉セル信号を生成するように構成された第1干渉セル合成器と、サービングセル検出器入力信号を生成するために、合成第1干渉セル信号をサービングセル信号から除去するように構成されたサービングセル干渉除去部と、を含む無線受信装置。
【0082】
例2において、例1の主題は、オプションとして、第1干渉セル検出器が、復調された第1干渉セルシンボルを生成するように構成された第1干渉セル復調器を含むことを含むことができる。
【0083】
例3において、例1または2のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル検出器が、第1干渉セル逆拡散器をさらに含むことを含むことができる。
【0084】
例4において、例1乃至3のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル合成器が、合成第1干渉セル信号に干渉セルチャネル歪みを提供するように構成されたフィルタを含むことを含むことができる。
【0085】
例5において、例1乃至4のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル合成器が、干渉セルにおいて使用された拡散符号によって、検出第1干渉セル信号を再拡散するように構成された再拡散器を含むことを含むことができる。
【0086】
例6において、例1乃至5のいずれかの主題は、オプションとして、サービングセル信号を生成するように構成されたサービングセル等価器を含むことを含むことができる。
【0087】
例7において、例1乃至6のいずれかの主題は、オプションとして、検出サービングセル信号に基づいてサービングセル信号を生成するように構成されたサービングセル合成器と、第1干渉セル検出器入力信号を生成するために、合成サービングセル信号を、第1干渉セル信号から除去するように構成された第1干渉セル干渉除去部と、を含むことができる。
【0088】
例8において、例1乃至7のいずれかの主題は、オプションとして、チャネルデコードサービングセル信号を生成するように構成されたサービングセルチャネルデコーダと、チャネルデコードサービングセル信号に基づいて、合成サービングセル信号を生成するように構成されたサービングセル合成器と、第1干渉セル検出器入力信号を生成するために、合成サービングセル信号を、第1干渉セル信号から除去するように構成された第1干渉セル干渉除去部と、を含むことができる。
【0089】
例9において、例1乃至8のいずれかの主題は、オプションとして、第2干渉セル検出器入力信号に基づいて検出第2干渉セル信号を生成するように構成された第2干渉セル検出器と、検出第2干渉セル信号に基づいて、合成第2干渉セル信号を生成するように構成された第2干渉セル合成器と、サービングセル干渉除去部が、サービングセル検出器入力信号を生成するために、合成第2干渉セル信号をサービングセル信号から除去するようにさらに構成されることと、を含むことができる。
【0090】
例10において、例1乃至9のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル検出器が、第1干渉セル検出器入力信号において使用された少なくとも1つの拡散符号を識別するように構成された符号検索部をさらに含むことを含むことができる。
【0091】
例11において、例1乃至10のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル逆拡散器が、少なくとも1つの識別された拡散符号によって第1干渉セル検出器入力信号を逆拡散するように構成された第1干渉セル逆拡散器を含むことを含むことができる。
【0092】
例12において、例1乃至11のいずれかの主題は、オプションとして、符号検索部が、高速ウォルシュ・ハダマード変換を実行するように構成された符号検索逆拡散器を含むことを含むことができる。
【0093】
例13において、例1乃至12のいずれかの主題は、オプションとして、第1干渉セル合成器が、少なくとも1つの識別された拡散符号によって、検出第1干渉セル信号を再拡散するように構成された再拡散器を含むことを含むことができる。
【0094】
例14において、例1乃至13のいずれかの主題は、オプションとして、再拡散器が、逆高速ウォルシュ・ハダマード変換を実行するように構成されることを含むことができる。
【0095】
例15において、無線システムにおいて干渉を除去する方法は、第1干渉セル検出入力信号に基づいて、検出第1干渉セル信号を生成するステップと、検出第1干渉セル信号に基づいて、合成第1干渉セル信号を生成するステップと、サービングセル検出器入力信号を生成するために、合成第1干渉セル信号を、サービングセル信号から除去するステップと、検出サービングセル信号を生成するために、サービングセル検出器入力信号を検出するステップと、を含む。
【0096】
例16において、例15の主題は、オプションとして、検出サービングセル信号を生成するステップが、サービングセル検出器入力信号を復調するステップを含むことを含むことができる。
【0097】
例17において、例15または16のいずれか1つの主題は、オプションとして、検出第1干渉セル信号を生成するステップが、第1干渉セル検出器入力信号を逆拡散するステップをさらに含むことを含むことができる。
【0098】
例18において、レジ15乃至17のいずれか1つの主題は、オプションとして、検出第1干渉セル信号を生成するステップが、第1干渉セル検出器入力信号を復調するステップを含むことを含むことができる。
【0099】
例19において、例15乃至18のいずれか1つの主題は、オプションとして、検出第1干渉セル信号を生成するステップが、第1干渉セル検出器入力信号を逆拡散するステップを含むことを含むことができる。
【0100】
例20において、例15乃至19のいずれか1つの主題は、オプションとして、検出第1干渉セル信号を生成するステップの前に、検出サービングセル信号の初期バージョンを生成するステップと、検出サービングセル信号の検出初期バージョンに基づいて合成サービングセル信号を生成するステップと、第1干渉セル検出器入力信号を生成するために、合成サービングセル信号を、第1干渉セル信号から除去するステップと、を含むことができる。
【0101】
例21において、例15乃至20のいずれか1つの主題は、オプションとして、検出第1干渉セル信号を生成するステップの前に、チャネルデコードサービングセル信号の初期バージョンを生成するステップと、チャネルデコードサービングセル信号の初期バージョンに基づいて、合成サービングセル信号を生成するステップと、第1干渉セル検出器入力信号を生成するために、合成サービングセル信号を、第1干渉セル信号から除去するステップと、を含むことができる。
【0102】
例22において、例15乃至21のいずれか1つの主題は、オプションとして、サービングセル信号を生成するために、サービングセルから受信した信号を等価するステップを含むことができる。
【0103】
例23において、例15乃至22のいずれか1つの主題は、オプションとして、だ時2の干渉セル検出器入力信号に基づいて、検出第2干渉セル信号を生成するステップと、検出第2干渉セル信号に基づいて、合成第2干渉セル信号を生成するステップと、サービングセル検出器入力信号を生成するために、合成第2干渉セル信号をサービングセル信号から除去するステップと、を含むことができる。
【0104】
例24は、無線受信装置であり、該無線受信装置は、第1セル信号において使用される少なくとも1つの拡散符号を識別するように構成された符号検索部と、少なくとも1つの識別された拡散符号によって第1セル信号を逆拡散するように構成された逆拡散部と、少なくとも1つの逆拡散された第1セル信号を復調するように構成された復調器と、少なくとも1つの復調された第1セル信号に基づいて合成第1セル信号を生成するように構成された合成部と、を含む。
【0105】
例25において、例24の主題は、オプションとして、減少干渉第2セル信号を生成するために、合成第1セル信号を第2セル信号から除去するように構成された干渉除去部を含むことができる。
【0106】
例26において、例24、25のいずれか1つの主題は、オプションとして、符号検索部が、高速ウォルシュ・ハダマード変換を実行するように構成された符号検索逆拡散器を含むことを含むことができる。
【0107】
例27において、例24乃至26のいずれか1つの主題は、オプションとして、合成器が、少なくとも1つの識別された拡散符号によって少なくとも1つの復調された第1セル信号を再拡散するように構成された再拡散器を含むことを含むことができる。
【0108】
例28において、例24乃至27のいずれか1つの主題は、オプションとして、再拡散器が、逆高速ウォルシュ・ハダマード変換を実行するように構成されることを含むことができる。
【0109】
例29において、例24乃至28のいずれか1つの主題は、オプションとして、合成部が、第1セルチャネル歪みに整合するフィルタ係数によって再拡散された信号をフィルタにかけるように構成されたフィルタ段を含むことを含むことができる。
【0110】
明細書において、特定の実施例および例が示され説明されたが、本発明の範囲から離れることなく、様々な代替、および/または、均等の実装が、示され説明された特定の実施例を置換し得ることが、当業者によって理解されるであろう。本出願は、本明細書に記載された実施例および例のいかなる適用、または、バリエーションを包含することを意図している。従って、本発明は、クレームおよびその均等物によってのみ制限されることを意図している。
本出願は、2013年6月27日に出願された米国特許出願13/929、228に基づく優先権を主張する。