【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、設置するのが容易な壁貫通供給装置に向けられている。
【0005】
したがって、上に概説したこの形式の壁貫通供給エレメントは、止め部から離れて面する支持区画部の一側に止め部に面する後壁部を備える少なくとも1つの形状体部であって、支持区画部において半径方向に突出している形状体部と、当該形状体部に関して周方向にオフセットされて半径方向にばね作用し、且つ当該後壁部から止め部に向かって軸方向に横切って突出している少なくとも1つの突出部を含んでいる。
【0006】
この形式の壁貫通供給エレメントによれば、当該壁貫通供給エレメントの生産が大幅に簡素化される。特に、当該壁貫通供給エレメントは、壁に穴を設けることによって、すなわち、当該穴の内側輪郭が止め部の領域又は当該止め部の取付け用形状の外側輪郭に合致されるように、穴を単に設けることによって用いられ得る。この場合、貫通供給領域部を備える壁貫通供給エレメントを当該壁の通過開口部を通して挿入することが可能である。当該形状体部(単数又は複数)は、壁の通過開口部の周囲における対応する領域を通過することができる。当該貫通供給領域部は、壁の通過開口部を通して 支持区画部が壁の内側に配置されるように十分に遠くに挿入される。当該形状体部は止め部から離れて面する支持区画部の側に配置されているので、壁貫通供給エレメントは、通過開口部内で今や回転され得、その結果、当該形状体部は、壁貫通供給エレメントの通過開口部の外への移動、すなわち、挿入方向と反対の方向への移動が最早可能でない壁の領域に到達する。この形式の移動は、当該後壁部が壁に突き当たることで防止されている。壁貫通供給エレメントが十分に回転されると、その後、ばね作用する突出部が、当該形状体部が以前に通過された凹部の領域に到達する。ここで、当該ばね作用する突出部が半径方向外方にばね作用し、そして凹部に入ることができる。これは可能である。何故なら、突出部は、形状体部の後壁部から横切って止め部に向かって突出し、そして、上に述べたように、支持区画部内に突出しているからである。一旦、ばね作用する突出部が通過開口部の内側輪郭の凹部に係合すると、壁貫通供給エレメントの回転は最早可能ではない。回転が最早可能ではないので、壁貫通供給エレメントはまた、壁貫通供給エレメントが引き出されるように、通過開口部の内側輪郭の凹部に形状体部がもう一度対抗する位置をとることができない。このように、壁貫通供給エレメントは、壁の一方側から、すなわち、回転運動に引き継がれる簡単な貫通供給手順によって取り付けられ得る。この形式の設置は、外ねじにナットをねじ込むのよりも大幅に短い時間で実施することができる。
【0007】
好ましくは、多数の形状体部が、ばね作用する1つの突出部が少なくとも2つの形状体部の間に配列されるように、周方向に設けられている。多数の形状体部が設けられているのなら、その後の壁内での壁貫通供給エレメントの傾きが回避される。ここで、例えば、周方向に均等に配分された、少なくとも2つの、好ましくは、3つ又は4つの形状体部が設けられているなら、有利である。したがって、当該通過開口部の内側輪郭はまた、等しい数の凹部を有している。
【0008】
好ましくは、当該支持区画部は円形断面を有している。当該通過開口部の内側輪郭が、少なくとも断面において、円形状に具体化されているなら、これは特に有利である。この場合、通過開口部内側の当該支持区画部は、回転運動中に滑ることができる。当該支持区画部は、通過開口部において当該壁貫通供給エレメントを支持することができる。
【0009】
好ましくは、当該突出部は、当該止め部から離れて面している側に偏向チャンファを有している。壁貫通供給エレメントが当該壁の通過開口部に挿入されるとき、その後で、当該偏向チャンファは、ばね作用する突出部が通過開口部内に完全に収容されるに十分な距離、半径方向内方に押されるのを可能にする。当該チャンファによって、壁貫通供給エレメントを当該壁の通過開口部内に挿入する力が、ばね作用する突出部に半径方向に作用する力に変換される。
【0010】
好ましくは、当該突出部は、無荷重状態において、少なくとも当該形状体部のところまで半径方向に延在している。結果として、当該突出部が半径方向外方に遠くまでばね作用することができ、且つ、上に述べたように、突出部が当該壁内での壁貫通供給エレメントの回転に対する比較的大きな抵抗を形成することができるということが、高い信頼性をもって達成される。当該壁の内側輪郭の凹部は、通常は、形状体部の半径方向延在部よりも僅かに大きいのみである。したがって、当該突出部は、もしもそれが半径方向外方にばね作用するのであれば、当該凹部を半径方向において事実上満たすことが保証される。
【0011】
好ましくは、当該ハウジングは内側部品及び外側部品を有し、当該内側部品は流体通路及び当該流体通路のための連結用幾何学形状を備え、及び 当該外側部品は取付け用形状を備えている。この場合、壁貫通供給エレメントのデザインは比較的柔軟である。多くの場合において、例えば、当該流体通路のために利用可能な異なる連結用幾何学形状を有することが望ましい。異なる内側部品がそのためにその後に用いられる。しかしながら、取付け用形状を備える当該外側部品は、異なる内側部品のためにも同じに保たれるので、結果として、道具のためのコストが低く保たれる。
【0012】
好ましくは、当該内側部品及び外側部品はロック連結によって互いに連結されている。これは、設置を容易にする。当該内側部品は、ロック連結の部品が互いに係合するように、当該外側部品に簡単に挿入されなければならない。
【0013】
好ましくは、当該内側部品及び外側部品は、回転不能に互いに連結される。多くの場合において、
当該流体通路の連結用幾何学形状がある配置構造を有していることが望ましい。この配置構造は当該外側部品内での内側部品の配列によって決定されてもよい。設置の完了後、壁貫通供給エレメントは当該壁に回転不能に取付けられるので、上述のように、流体通路の連結用幾何学形状の望ましい配置構造は、当該内側部品及び外側部品の回転不能連結によって固定されてもよい。
【0014】
好ましくは、当該止め部は当該内側部品に配列されている。これは構造を簡素化する。当該内側部品及び外側部品を生産する工具は、上に述べたように、比較的単純に構成され、コストを低減する。
【0015】
本発明の実施形態は、上で説明されたように、壁貫通供給エレメント、及び形状体部に適合された内側輪郭を有する通過開口部を含んでいる壁を有する壁貫通供給装置に向けられている。
【0016】
上述のように、この形式の壁貫通供給装置は比較的容易に生産され得る。これは、単に、通過開口部が、壁貫通供給エレメントの各々の形状体部のためにその内側輪郭に少なくとも1つの凹部を有する状態で達成され得る。その貫通供給領域部を備える当該壁貫通供給エレメントは、その後、通過開口部内に挿入され得る。当該形状体部(単数又は複数)は、その後、当該凹部(単数又は複数)を通過、すなわち、当該壁の反対側の壁から自由になるまで通過する。もしも、壁貫通供給エレメントが通過開口部内で回されると、ばね作用する突出部が凹部の領域に到達し、そして、その後、さらなる回転が防止されるように、半径方向外方にばね作用する。このようにして、形状体部(単数又は複数)が、再度、当該凹部(単数又は複数)に重なるべくもたらされるのが防止されている。
【0017】
好ましくは、当該内側輪郭は少なくとも断面において円形線に従い、当該円形線は支持区画部の直径に適合された直径を有している。この場合、当該支持区画部は、壁貫通供給エレメントの位置が事実上固定されるように、通過開口部内で回され得る。当該貫通供給領域部に直交する変位は、事実上、不可能である。壁貫通供給エレメントの当該壁に相対する回転のみが可能である。もちろん、当該円形線は、形状体部が通過可能な凹部が設けられているところで、中断されている。
【0018】
好ましくは、シールが止め部及び壁の間に配列される。このシールは、壁貫通供給エレメントの領域において当該壁をシールするという課題を有している。当該シールは弾性材料から形成されている。したがって、当該シールはまた、幾らかのばね作用を施し、当該止め部を当該壁から離して押圧する。その結果、形状体部の後壁部が当該止め部から離れて面している壁の側に対抗して引かれる。上に述べたように、当該壁貫通供給エレメントは、当該壁内に貫通供給方向に事実上遊び無く保持される。
【0019】
本発明の実施形態は、軸方向に連続している貫通供給領域部を有し、少なくとも1つの取付け用形状体部及び止め部を備えるハウジングを含んでいる、流体ラインのための壁貫通供給エレメントに向けられている。当該貫通供給領域部は、支持区画部と当該止め部から離れて面する当該支持区画部の一方の側に少なくとも1つの連結形状とを備えて構成され、当該支持区画部を半径方向に越えて突出し当該止め部に面する後壁部を備える少なくとも1つの形状体部、及び当該形状体部に関して周方向にオフセットされ、そして当該止め部に向かい軸方向に当該後壁部を越えて延在する、少なくとも1つの半径方向にばね作用する突出部を含んでいる。
【0020】
実施形態によれば、当該少なくとも1つの形状体部は、周方向に離間された多数の形状体部を含み、そして、当該少なくとも1つのばね作用する突出部は、少なくとも2つの形状体部の間に配列されていてもよい。
【0021】
本発明の他の実施形態に従えば、当該支持区画部は円形断面を有していてもよい。
【0022】
さらに他の実施形態によれば、当該少なくとも1つの突出部は、止め部から離れて面する側に偏向チャンファを有していてもよい。
【0023】
他の実施形態において、当該少なくとも1つの突出部は、無荷重状態において、少なくとも当該形状体部のところまで半径方向に延在していてもよい。
【0024】
他の実施形態に従えば、当該ハウジングは、流体通路用開口部を囲む挿入用開口部を有していてもよい。当該挿入用開口部は、ねじり接触面を有していてもよい。
【0025】
さらに他の実施形態によれば、当該ハウジングは、内側部品と外側部品を含んでもよい。当該内側部品は、流体通路と当該流体通路のための連結用幾何学形状を含み、当該外側部品は少なくとも1つの取付け用形状を含んでもよい。当該内側部品及び外側部品は、ロック連結によって互いに連結されてもよい。当該内側部品及び外側部品は、互いに回転不能に連結されていてもよい。当該止め部は内側部品に配置されていてもよい。
【0026】
本発明の実施形態は、上述の壁貫通供給エレメント、及び少なくとも1つの形状体部に適合された内側輪郭を備える通過開口部を有する壁を含む壁貫通供給装置に向けられている。
【0027】
実施形態において、当該内側輪郭は、少なくとも断面において、円形線に従ってもよい。当該円形線は、当該支持区画部の直径に適合された直径を有していてもよい。
【0028】
本発明の他の実施形態によれば、シールが当該止め部と当該壁との間に配列されていてもよい。
【0029】
さらに他の実施形態に従えば、当該内側輪郭は、少なくとも断面において、当該形状体部の配列及び形状に対応するべく構成された少なくとも1つの凹部を含むことができる。当該少なくとも1つの形状体部は、当該少なくとも1つの突出部の少なくとも一部が当該内側輪郭に接触している間に、当該壁を通過すべく構成されていてもよい。さらに、当該壁貫通供給エレメントは、当該内側輪郭が支持領域に軸方向に整列されているとき、当該少なくとも1つの突出部がばね作用して少なくとも1つの凹部に挿入されるまでは回転可能であってもよい。
【0030】
本発明の実施形態は壁貫通供給エレメントを壁の開口部を通して挿入する方法に向けられている。当該方法は、当該壁貫通供給エレメントの外側輪郭から半径方向に延在している形状体部を当該壁の当該開口部の内側輪郭から延在している凹部に整列させ、当該内側輪郭が当該壁貫通供給エレメントの支持表面に軸方向に整列されるように、当該形状体部の全体を当該凹部を通して案内し、そして当該支持表面を、少なくとも2つの形状体部の間に配列された少なくとも1つの突出部がばね作用して当該凹部の少なくとも1つに係合されるまで、当該内側輪郭に対して回転させる、ことを含んでいる。
【0031】
実施形態によれば、当該壁貫通供給エレメントは、シール及び止め部を含み、当該方法は、当該内側輪郭が当該支持表面に軸方向に整列されるとき、当該シールを、当該止め部を介して当該壁の内側表面に対抗して押圧するのを含んでいる。
【0032】
本発明のさらに他の実施形態に従えば、当該形状体部が当該凹部を介して案内されているとき、当該少なくとも1つの突出部は当該内側輪郭によって半径方向内方に押される。
【0033】
本発明の他の模範的実施形態、及び有利な点は、本開示及び添付図面を検討することによって確認されるであろう。