特許第5901745号(P5901745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901745
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】支持構造体
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
   A24D3/04
【請求項の数】25
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-509831(P2014-509831)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公表番号】特表2014-513538(P2014-513538A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】GB2012051039
(87)【国際公開番号】WO2012156695
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2013年12月9日
(31)【優先権主張番号】1108057.9
(32)【優先日】2011年5月13日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ、ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】アウティ、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー、アルフレッド ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ナンドラ、チャランジット
(72)【発明者】
【氏名】フロビシャー、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ニューナム、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハーバット、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、デレク
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03515146(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02191735(EP,A1)
【文献】 特表2008−546400(JP,A)
【文献】 特開昭64−080273(JP,A)
【文献】 特開昭62−198376(JP,A)
【文献】 特表2007−520204(JP,A)
【文献】 特開昭52−061300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙を改善するための添加剤を含有する添加剤放出部材と、この添加剤放出部材を収容し、保持するように構成された支持構造体とを備える添加剤放出システムを備える喫煙品であって、前記支持構造体は、押圧力に応答して添加剤を添加剤放出部材から放出させるように構成されており、前記支持構造体は、前記支持構造体がない場合に同じ添加剤放出部材から前記添加剤を放出させるのに必要な力と比べて、前記添加剤を前記添加剤放出部材から放出させるのに必要な前記押圧力を変化させる喫煙品。
【請求項2】
前記支持構造体は、それに対して前記添加剤放出部材が押圧されてもよい応答表面を提供する、ことを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記支持構造体は突起を備え、作動には互いに押圧し合う前記添加剤放出部材と前記突起が関与する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の喫煙品。
【請求項4】
前記突起は尖っているまたはテーパーしている、ことを特徴とする請求項に記載の喫煙品。
【請求項5】
前記支持構造体の作動には可聴音が伴う、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項6】
前記支持構造体はポリ乳酸、酢酸セルロース、またはポリビニルアルコールを含む、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項7】
前記支持構造体は外側表面を有し、その少なくとも一部は湾曲している、特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項8】
前記支持構造体は弾性変形可能な変形可能部分を備える、ことを特徴とする請求項に記載の喫煙品。
【請求項9】
前記支持構造体は塑性変形可能な変形可能部分を備える、ことを特徴とする請求項に記載の喫煙品。
【請求項10】
前記変形可能部分は突起を備える、ことを特徴とする請求項またはに記載の喫煙品。
【請求項11】
前記変形可能部分はヒンジ式に連結された腕の形態を有する、ことを特徴とする請求項乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項12】
前記支持構造体の前記変形の領域は予め定められていない、ことを特徴とする請求項乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項13】
前記変形可能部分は前記外側表面の一部分である、ことを特徴とする請求項に記載の喫煙品。
【請求項14】
前記変形可能部分は前記外側表面の2つの脆弱部分の間に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙品。
【請求項15】
前記支持構造体は、前記支持構造体がない場合に同じ添加剤放出部材から前記添加剤を放出させるのに必要な前記力と比べて、前記添加剤を前記添加剤放出部材から放出させるのに必要な前記押圧力を減少させる、ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項16】
前記支持構造体は、前記支持構造体がない場合に同じ添加剤放出部材から前記添加剤を放出させるのに必要な前記力と比べて、前記添加剤を前記添加剤放出部材から放出させるのに必要な前記押圧力を増加させる、ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項17】
前記添加剤放出部材は芳香剤を担持する、ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項18】
前記添加剤放出部材は外殻と内核とを備える、ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項19】
前記添加剤放出部材の前記殻は壊れ易く、弾性変形または塑性変形可能である、ことを特徴とする請求項18に記載の喫煙品。
【請求項20】
前記添加剤放出部材は海綿状の材料を含む、ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項21】
前記喫煙品は前記添加剤放出システムを備えるフィルターを備える、ことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項22】
前記フィルターは複合フィルターを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の喫煙品。
【請求項23】
前記フィルターは、前記支持構造体を作動させるために力を加えるべき前記フィルターの領域を示す標識を備える、ことを特徴とする請求項21または22に記載の喫煙品。
【請求項24】
前記フィルターは複数の前記添加剤放出システムを備える、ことを特徴とする請求項2乃至2のいずれか1項に記載の喫煙品。
【請求項25】
請求項1乃至2のいずれか1項に記載の喫煙品を製造する方法であって、前記方法は添加剤放出部材を支持構造体に挿入して添加剤放出システムを作ることと、次に前記添加剤放出システムを備える喫煙品を作ることとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙品に用いられる添加剤放出部材の支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で用いられているように、「喫煙品」には、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代用品、および非燃焼加熱製品(材料を燃焼させず加熱することによって喫煙材料から風味が生成される製品)を基にした、または基にしていない紙巻きタバコ、葉巻、および細巻き葉巻のような喫煙製品が含まれる。一般に喫煙品は、煙から成分を取り除くためのフィルターを備える。
【0003】
喫煙品内に風味剤のような添加剤が入った添加剤放出部材を設けることが知られている。喫煙者は、この喫煙品の外側に力を加えることによって風味剤を添加剤放出部材から放出させることができる。すなわち、煙に風味を加えたい喫煙者は喫煙品を単に押しつぶすだけでそうすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この添加剤放出部材は喫煙品内にあるため、添加剤を放出させることが使用者には難しい場合がある。この問題を解決するため、添加剤がより容易に放出される添加剤放出部材を用いてもよい。しかしそのような添加剤放出部材では、誤って添加剤を放出させてしまう可能性がある。さらに、添加剤放出部材は一般には喫煙品内に配置されるため、使用者には添加剤が添加剤放出部材から放出されているのか判定するのは難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、喫煙品に用いられる支持構造体が提供される。本支持構造体は、押圧力が加えられると添加剤放出部材から添加剤が放出されるように構成されており、本支持構造体によって、添加剤放出部材から添加剤を放出させるのに必要な押圧力が、本支持構造体が無い同じ添加剤放出部材から添加剤を放出させるのに必要な力に比べて変化する。
【0006】
第2の態様では、第1の態様による支持構造体、および添加剤放出部材を備える添加剤放出システムが提供される。
【0007】
第3の態様では、喫煙品のためのフィルターが提供される。本フィルターは第1の態様による支持構造体または第2の態様による添加剤放出システムを備える。
【0008】
第4の態様では、第1の態様による支持構造体、第2の態様による支持システム、および/または第3の態様によるフィルターを備える喫煙品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(原寸に比例していない)添付図を参照して複数の実施態様が単なる例として説明される。
図1A】第1の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図1B】第1の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図2】第1の実施態様による添加剤放出部材支持構造体であって、支持構造体が変形し添加剤放出部材が破裂する第2の変形状態を示す図である。
図3】第1の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を備える喫煙品の展開図である。
図4A】第2の実施態様による、添加剤放出部材を備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図4B】第2の実施態様による、添加剤放出部材を備えない添加剤放出部材支持構造体の図である。
図5】第2の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を備える喫煙品の展開正面図である。
図6A】第3の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図6B】第3の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図7】第3の実施態様による添加剤放出部材支持構造体であって、支持構造体が変形し添加剤放出部材が破裂する第2の状態を示す図である。
図8】第3の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を備える喫煙品の正面展開図である。
図9】第4の実施態様による、2種の添加剤放出部材支持構造体を備える喫煙品の正面展開図である。
図10】第5の実施態様による添加剤放出部材支持構造体容器を備える喫煙品フィルターの図である。
図11A】第6の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図11B】第6の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図12A】別の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図12B】別の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
図12C】別の実施態様による、添加剤放出部材をそのまま備えた添加剤放出部材支持構造体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添加剤放出部材支持構造体は、添加剤放出部材を支持し喫煙品の中に配置されることができる構造体である。この添加剤放出部材支持構造体によって、添加剤放出部材からの添加剤の放出を容易におよび/または高度に制御することができる。例えば放出の方向、量、速度、時期、および/または継続時間を制御してもよい。添加剤放出部材支持構造体は、添加剤が添加剤放出部材から放出されたことを使用者へフィードバックしてもよい。
【0011】
このように、喫煙品に添加剤放出部材支持構造体を用いることによって、使用者が添加剤を添加剤放出部材から必要時に容易に放出することができ、さらに放出の特性を精密に制御することができる。加えて、添加剤放出部材支持構造体が作動されると使用者はそれを感じることができ、したがって添加剤が放出されたことの確信がもてる可能性がある。添加剤放出部材支持構造体の作動にはカチッというような音を伴って、添加剤が添加剤放出部材から放出されたことを使用者にさらにフィードバックしてもよい。
【0012】
支持構造体は添加剤放出部材を支持してもよく、例えば支持構造体は添加剤放出部材を収容するように構成されてもよい。
【0013】
一部の実施態様では、支持構造体は添加剤放出部材を保持する。支持構造体は添加剤放出部材を拘束してもよい。例えば、支持構造体は添加剤放出部材を収容または把持する形状にしてもよく、および/または添加剤放出部材が支持構造体に付着してもまたは接着されてもよい。
【0014】
一部の実施態様では、喫煙品は、添加剤放出部材が支持構造体に挿入され、その後その支持構造体を備える喫煙品が作られるという方法で製造されてもよい。
【0015】
一部の実施態様では、支持構造体は実質的に円筒形状でもよく、この場合には、円筒の中心は添加剤放出部材を収容するように構成されてもよい。
【0016】
支持構造体は添加剤を添加剤放出部材から放出させるように作動させることができる。作動は押圧力のような外力を作用させることによって誘起されてもよい。
【0017】
本支持構造体の作動は支持構造体に加えられる外力によって誘起されてもよく、外力は押圧力または張力のようなどのような種類の力でもよい。一部の実施態様では、外力は支持構造体に内向き横方向に加えられてもよい。言い換えれば、支持構造体は喫煙品内に配置され、力は支持構造体の外側表面に、例えば喫煙品を押しつぶすことによって加えられてもよい。一部の実施態様では、本支持構造体は円筒形状でもよく、力は支持構造体の湾曲した外周面に加えられてもよい。
【0018】
支持構造体に加えられる外力はどのような力でもよく、押圧力または張力を含む。外力は支持構造体に直接加えられてもよく、または喫煙品の他の構成部材を介して、例えば1つ以上の包装の層および/またはフィルター材の1つ以上の部分を介して加えられてもよい。フィルターに働く力は、フィルター材周囲の押圧に起因してその内部に配置された支持構造体に伝えられてもよい。あるいは、支持構造体の一部は喫煙品表面から飛び出ても、または喫煙品表面またはその傍にあってもよく、そのようにすると力は支持構造体に実質的に直接作用させることができる。
【0019】
一部の実施態様では、押圧方向は支持構造体が組み込まれている喫煙品の長軸に直角な面内にある。すなわち、喫煙品の適切な部分を押しつぶすことによって、支持構造体を作動させてもよい。
【0020】
一部の実施態様では、支持構造体は硬く成形された部品である。
【0021】
一部の実施態様では、支持構造体は硬い応答表面を備えてもよい。すなわち支持構造体は堅く、強固であり、および/または曲げ難い。本支持構造体は1つの部品で形成されてもよく、または複数の部品で作られて、それらが一つに保持されて支持構造体の作動時の押圧に実質的に対抗できる十分な剛性を備えてもよい。そうすることによって押圧力が添加剤放出部材に伝達される。
【0022】
一部の実施態様では、支持構造体に加えられる力は添加剤放出部材の特定の部分にのみ伝達および/または集中される。一部の実施態様では、支持構造体は規制領域がある内側表面を有し、その面で支持構造体が添加剤放出部材と、例えば支持構造体の内側表面の形状に起因して接触することになる。一部の実施態様では、これは支持構造体の内側表面に1つ以上の突起を設け、それが添加剤放出部材を例えば穿刺することによって達成されてもよい。別の実施態様では、支持構造体の内側表面にひだまたは起伏があってもよい。
【0023】
支持構造体は変形可能部分を備えてもよい。一部の実施態様では、支持構造体の残りの部分は加えられた押圧力による変形に実質的に対抗する。変形可能部分は弾性変形可能でも塑性変形可能でもよい。変形可能部分はテーパーした突起を備えてもよい。
【0024】
変形可能部分はヒンジ式に連結された腕の形状をしていてもよい。または、変形可能部分はカプセルホルダーの外周面の一部でもよく、これは外周面の2つの脆弱部の間に形成されてもよい。
【0025】
一部の実施態様では、支持構造体の変形領域は予め定められていない。
【0026】
支持構造体は応答表面を備えても良く、これに添加剤放出部材が押さえつけられてもよい。それに加えて、またはその代わりに、支持構造体はテーパーした突起のような突起を備えてもよく、作動には添加剤放出部材と例えばテーパーした突起であるこの突起が関与し、一つに押圧すなわち押し付けられる。
【0027】
添加剤放出部材支持構造体は、外力に応答して添加剤の添加剤放出部材からの放出を何らかの可能な機構で誘起してもよい。支持構造体は作動力を添加剤放出部材に伝達して添加剤を何らかの適した機構によって放出するように構成されてもよい。放出は添加剤の例えば圧送放出、指向性放出、複数段階放出、または1回放出でもよい。この放出の種類は例えば用いられる支持構造体および添加剤放出部材の具体的な種類および形状、ならびにこれらが作られる材料によって決定されてもよい。
【0028】
添加剤放出部材支持構造体は添加剤放出部材から添加剤の1回分、複数回分の放出を誘起してもよく、または可変放出手段により、例えば放出は支持構造体に加えられる力の強度または継続時間に比例してもよい。これは、支持構造体が作られる材料をふさわしく選択することによって達成される。例えば、支持構造体が柔軟性のあるプラスチックで型成形される場合、力が加えられると、作動後に支持構造体はその元の形状に戻ってもよい。この場合、添加剤放出部材の性質によっては、別の添加剤が添加剤放出部材から、支持構造体に加えられる後続の力によって放出されてもよい。一方、支持構造体が柔軟性に欠けるプラスチックのような非柔軟材料で作られる場合、支持構造体は作動時に破損する。そのような構成は支持構造体を単回作動に制限し、したがって添加剤放出部材は添加剤を1回だけ放出することができる。
【0029】
支持構造体の作動により、可聴音または支持構造体の認知可能な構造的変化が起こるようにしてもよい。したがって、添加剤が添加剤放出部材から放出されたか否かを使用者が容易に判断できるようにしてもよい。
【0030】
支持構造体は型成形プラスチック材料、例えばポリ乳酸、酢酸セルロース、またはポリビニルアルコールで構成されてもよい。
【0031】
好ましくは、添加剤放出部材支持構造体の寸法および形状は使用される添加剤放出部材の寸法および形状と組み合わせて決定される。このようにして、添加剤放出部材は支持構造体で支持されてもよく、支持構造体は添加剤の放出が求められるときまで添加剤放出部材を物理的に保護してもよい。
【0032】
喫煙品から引き出される煙は添加剤放出部材支持構造体を通過してもよい。したがって煙に対する障害を最少にするために、好ましくは支持構造体は実質的に中空であり、および/または添加剤放出部材が支持構造体内に配置される場合は隙間および/または流路を備えて構造内を空気が流れるようにしてもよい。そうすると支持構造体および添加剤放出部材は、添加剤放出部材が内部に置かれたフィルターを通過する煙の通路およびいかなる通気も妨害しない。そのような障害は圧力降下に悪影響を及ぼすことがある。
【0033】
添加剤放出部材支持構造体はそれが使用される喫煙品の直径より小さくてもよい。例えば、支持構造体は全体に円筒形状で、外周は付属する喫煙品の直径より小さくてもよい。したがって、キングサイズ(king-size)喫煙品のフィルターに用いられる支持構造体は直径が約5〜10mmでもよい。これに対し、スーパースリム(superslim)喫煙品のフィルターに用いられる支持構造体は直径が約3〜7mmでもよい。
【0034】
一般的に、添加剤放出部材支持構造体は長さが3〜12mm、好ましくは4〜10mmであって、およそ5、6、7、8、または9mm等の長さである。
【0035】
一実施態様では、添加剤放出部材支持構造体の断面形状は、支持構造体が用いられる喫煙品の断面形状と実質的に同様である。例えば、従来の紙巻きタバコで使用される支持構造体は断面が円筒でもよい。その理由は、支持構造体も喫煙品に形状、形式、または強度を与える働きをしてもよいからである。
【0036】
一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体の寸法は喫煙品の直径よりも実質的に小さい。この場合、1つ以上の支持構造体を喫煙品全体に分配してもよい。
【0037】
一部の実施態様では、支持構造体の寸法は支持構造体が組み込まれる喫煙品の断面寸法と実質的に同じである。そのような実施態様では、支持構造体はフィルター材のような材料の層または空隙もしくは隙間で囲まれないことになる。むしろ支持構造体は、例えば単にチッピング紙、紙ラッパー、および/またはプラグラッパー、または喫煙品の関連部分を取り囲む他の包装紙で囲まれてもよい。
【0038】
添加剤放出部材支持構造体はその外側表面に1つ以上の粒状突起、溝、隆起要素、または滑らかな表面から変位した他の何らかのものを備えてもよい。それに加えて、またはその代わりに、支持構造体の断面は円形ではなく、六角形もしくは他の多角形、楕円形、または不規則な形状でもよい。そのような要素は喫煙品の使用者に気づかれるため、そのようにして喫煙品フィルター内の添加剤放出部材支持構造体の位置、および添加剤放出部材からの添加剤の放出を誘起するために作動力を加えなければならない支持構造体の領域を示してもよい。
【0039】
添加剤放出部材支持構造体は型成形プラスチック構造でもよい。一部の実施態様では、支持構造体はPLA(ポリ乳酸)、CA(酢酸セルロース)、またはPVOH(ポリビニルアルコール)のような生物分解性プラスチックで作られる。別の実施態様では、支持構造体は何らかの型成形用プラスチック、セラミック、でんぷん、ボール紙、紙、段ボール紙、または当業者には既知の他の適した材料を用いて作られてもよい。支持構造体が作られる材料は、一部の実施態様では透明または半透明でもよい。
【0040】
一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体は少なくともその一部が例えばフィルターチッピング紙の透明の窓部から使用者に見えてもよい。この場合、支持構造体は無色透明材料で作られてもよい。あるいは支持構造体は色付きでもよい。例えば、支持構造体は着色剤を含んでもよい。着色剤を用いて製造過程の中でフィルター内の支持構造体の場所をより容易に示してもよい。
【0041】
添加剤放出部材支持構造体は作動時の感覚を消費者に与えるように機能してもよい。これは例えば作動時に可聴音を発する支持構造体によって達成されてもよく、および/または作動時に形状変化感じられる支持構造体によって達成されてもよい。
【0042】
一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体は、ふさわしい内部形状および/または外部形状を有する棒または管が最初に作られる過程で作られてもよい。例えば、棒または管は押し出されてもよく、または例えば適した材料の薄板から成形されてもまたは型で打ち出されてもよい。次に棒または管は薄切りにされ、または別の方法で個々の単位に分離される。それぞれが1つの支持構造体である。
【0043】
一部の実施態様では、支持構造体は添加剤放出部材を収容し支持することになる断面形状を有する成形管を含む。一部の実施態様では、支持構造体の形状は内部空隙に配置された添加剤放出部材に押圧力を伝達するように決められる。押圧力は、支持構造体の外側表面に加えられると添加剤放出部材の表面に伝達される。支持構造体と添加剤放出部材の間に局部的な接触がある場合、力はその場所に集中される。一部の実施態様では、この局部的な力の伝達によって、支持構造体が無い従来のフィルター内の添加剤放出部材をそのまま破裂させるのに必要な力よりも小さい力が加わると、添加剤放出部材は破裂する。
【0044】
一部の実施態様では、支持構造体の断面形状は空気が通過できる流路を提供する。この流路は支持構造体と添加剤放出部材の間に配置されてもよく、および/または支持構造体の外側に外側表面の凹みまたは溝として配置されて、支持構造体の外側表面と支持構造体が組み込まれる喫煙品部分の間に流路を形成してもよい。
【0045】
一部の実施態様では、支持構造体はひだ付きの管である。ひだは例えば滑らかで起伏があってもよく、不規則で角張った城郭風でもよい。
【0046】
一部の実施態様では、このような支持構造体の材料は薄板材料を含んでもまたは薄板材料で構成されてもよい。これらの薄板材料には、例えば酢酸セルロース(押し出して薄板にしても、または薄板で提供されてもよく、その後に熱成形されて例えばひだ付きの断面形状が提供される)、クラリフォイル(Clarifoil、登録商標)のような二酢酸セルロース(任意選択的に熱成形技術によって成形される)、またはEVA、PU、メタロセン触媒重合体、APAO、ポリアミド、およびヘンケルテクノメルト(Henkel Techomelt Q2237、登録商標、ホットメルトテクノロジー社)のようなブロック共重合体を含む熱溶解性材料がある。
【0047】
一部の実施態様では、添加剤放出部材はまず支持構造体と結合され、次にその組合せ(添加剤放出システムとも呼ばれる)が喫煙品の所望の部分に挿入される。喫煙品への挿入は喫煙品の組み立てと同時に行ってもよい。
【0048】
一部の実施態様では、支持構造体の形状は、添加剤放出部材が支持構造体に挿入されると例えば支持構造体の羽根または形状によって所定の位置に保持されるように決められる。一部の実施態様では、支持構造体には変形可能部分があり、この部分は添加剤放出部材を挿入するために変形し、その後元の形状に戻るため、添加剤放出部材は支持構造体内の所定の位置に保持される。支持構造体が添加剤放出部材を保持すると、この2つの構成部材を喫煙品に確実に正しく挿入するのが容易になる。
【0049】
別の実施態様では、添加剤放出部材は摩擦装着によって支持構造体に保持されてもよく、支持構造体の内径は2つが組み合わされると位置合わせされるように添加剤放出部材の外径以下である。
【0050】
別の実施態様では、添加剤放出部材は棒または管に挿入され、これが薄切りにされまたは別の方法で複数の部分に分離されて個々の支持構造体を形成してもよい。棒または管を薄切りまたは別の方法で分割すると、添加剤放出部材と結合済みの支持構造体が形成される。
【0051】
添加剤放出部材は、添加剤を担持し必要時に放出することができるものであれば何でもよい。放出は、例えば使用者の指で添加剤放出部材支持構造体を介して喫煙品に加えられた外力に応答して誘起されてもよい。
【0052】
添加剤放出部材は外殻および中核を備えてもよく、添加剤は中核に保持される。外殻は壊れ易く、塑性変形または弾性変形可能でもよい。中核は内部に添加剤が保持される単なる空洞でもよい。あるいは中核は内部に添加剤が保持される海綿状の材料、吸着材料、またはゲル状の材料を含んでもよい。
【0053】
添加剤放出部材は外殻および内核を備えてもよい。外殻は壊れ易く、弾性変形または塑性変形可能でもよい。
【0054】
添付図1〜9に示した本実施態様では、喫煙品は添加剤を中核に含むカプセルであるカプセルを含む。しかし別の実施態様では、添加剤を担持する他の種類の添加剤放出部材を用いてもよい。例えば、添加剤放出部材は海綿状の材料(添付図10に示す)、吸着材料、ゲル状の材料、または他の何らかの適した材料を含んでもよい。
【0055】
添加剤は、ふさわしいものであればどのような手段で添加剤放出部材から放出されてもよい。例えば、使用者が添加剤放出部材支持構造体を介して添加剤放出部材に作用させる力で、添加剤の放出を誘起してもよい。力は外力で、例えば使用者が喫煙品または支持構造体を押しつぶす押圧力のような力でもよい。添加剤の放出には、例えば添加剤放出部材の破裂、または多孔質もしくは海綿状の材料を含む添加剤放出部材の添加剤を押しつぶすことが関与してもよい。
【0056】
添付図1〜9に示したものを含む一部の実施態様では、添加剤放出部材外壁はゼラチンで作ってもよく、添加剤で満たされた内核を含む。
【0057】
添付図10に示したものを含む一部の実施態様では、海綿状材料は押圧可能でもよく、これを用いて添加剤を担持してもよい。添加剤を海綿状材料中に分布させても、任意選択的に海綿状材料に吸収させてもよく、これが押圧されたときに添加剤を放出してもよい。海綿状材料は添加剤を含浸させた多数の吸着材料でもよく、漸進的に押圧することができ、部分的に押圧されると添加剤成分の少なくとも一部を放出するように構成される。海綿状材料は閉気泡構造のマトリックス、具体的には閉じた発泡体構造の母材を備えてもよい。閉発泡体は複数の小さな空洞を有するマトリックスを定義し、これが添加剤を含んでもよい。空洞は発泡体材料で閉じられており、添加剤を選択的な放出まで保持する。閉発泡体は押圧力が加えられると添加剤を放出するように構成されてもよい。
【0058】
閉発泡体基質は添加剤を保持する外殻を必要とせず、そのため外殻無しで添加剤放出部材を形成してもよい。しかしその代わりに、添加剤放出部材は海綿状材料の表面に被膜を設け、海綿状材料を覆う外殻を形成してもよい。この外側材料が添加剤を海綿状材料中に保持する働きをしてもよく、内容物の放出が望まれて使用者が支持構造体を介して外力を加えたら外殻が破壊され、添加剤が海綿状の材料から押し出されてもよい。
【0059】
一部の実施態様では、添加剤放出部材は添加剤を担持できる多孔質材料でもよい。この材料は例えば吸着性材料でもまたはゲル状材料でもよい。
【0060】
添加剤放出部材支持構造体は複数の添加剤放出部材を含んでもよく、それらは同様のまたは異なる添加剤放出部材でもよい。この場合、支持構造体は1つの作動機構で全ての添加剤放出部材の作動を誘起してもよく、あるいは支持構造体は複数の添加剤放出部材を担持し、それらが支持構造体の別々の作動機構手段によって個々に作動できるように考案されもよい。複数の添加剤放出部材が用いられる場合、これら添加剤放出部材は同様の添加剤を含んでも、または異なる添加剤の組合せでもよい。複数の添加剤は化学的に反応して、例えば発熱性反応または吸熱性反応を起こしてもよい。添加剤は有機酸とアルコールで、反応してエステルを形成してもよい。
【0061】
添加剤放出部材は添加剤放出部材支持構造体とは完全に独立して存在してもよく、または支持構造体全体を含んでもよい。例えば支持構造体の部分が密閉室を備えるように作られて、添加剤放出部材の役割を果たし添加剤を含んでもよい。
【0062】
添加剤放出部材の寸法および形状は、添加剤放出部材が用いられる支持構造体の寸法を基に決定されてもよい。また添加剤放出部材の寸法は添加剤の必要量によって決められてもよい。しかし、添加剤放出部材がフィルター内にあってもフィルターの許容範囲のろ過または吸引特性は維持されなければならないという事実を考慮してもよい。
【0063】
添加剤放出部材は長さが0.1〜12mmの範囲でもよく、さらに好ましくは2〜5mmでもよい。
【0064】
複数の添加剤放出部材が用いられる場合、添加剤放出部材は寸法が同じでも異なってもよい。
【0065】
添加剤放出部材は種々の物理的構造で形成してもよい。例えば、添加剤放出部材はカプセルで、1部品のカプセルでも複数部品のカプセルでもよく、大きなカプセルでも、小さなカプセルでも、微小カプセル他でもよい。多くの異なる添加剤放出部材形状が適しており、例えば、添加剤放出部材は全体に球形(複数の好ましい実施態様で説明した)でも、卵形でも、楕円形でも、円筒形でもよく、または他の形状でもよい。
【0066】
一部の実施態様では、支持構造体は、支持構造体がない場合に添加剤を添加剤放出部材から放出させるのに必要な押圧力に比べて、添加剤を添加剤放出部材から放出させるのに必要な押圧力を減少させる。
【0067】
支持構造体は、支持構造体がないと手で押圧して添加剤を放出することができないが、支持構造体があると手で押圧して添加剤を放出することができる添加剤放出部材と一緒に用いてもよい。そのような添加剤放出部材は、例えば硬い材料を含む外殻を備え、支持構造体がないと押圧力を加えても破裂させることはできないが、支持構造体があると押圧力を加えて破裂させることができる。
【0068】
支持構造体がない場合、支持構造体がある場合に必要になる押圧力に比べてより大きな押圧力を喫煙品の使用者が加えて、添加剤放出部材の外殻の破裂および/または変形を開始させる必要がある。
【0069】
添加剤放出部材は添加剤放出部材支持構造体で作動されるため、一部の実施態様では、喫煙品でこれまで用いられてきた添加剤放出部材よりも頑丈でもよい。これが、使用者の指で加えられる力は添加剤放出部材支持構造体によって添加剤放出部材の小さな部分に集中し、添加剤放出部材に働く力の強度が増大する。
【0070】
支持構造体がない喫煙品フィルターに組み込まれている従来のカプセルは、カプセルが十分壊れ易くて消費者がフィルターを押しつぶす際に過度な圧力を加える必要なくカプセルを確実に破壊できるように、その破砕強度は一般に2.3kp以下である。場合によっては、同じ理由から、破砕強度が2.1kp以下または1.9kp以下である従来のカプセルが好ましい場合がある。1kpは1キログラム力に等しい力の単位であり、約9.8ニュートン(N)である。
【0071】
添加剤放出部材支持構造体があると添加剤を添加剤放出部材から放出するのが容易になり、好ましいことに押圧力が加えなければならない力量より低減される。したがって本発明の一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体を、破砕強度が2.5kp、2.6kp、2.7kp、2.8kp、2.9kp、または3kpより大きな添加剤放出部材と共に用いてもよい。
【0072】
本明細書の破砕強度とは添加剤放出部材の初期破砕強度Ciを意味し、喫煙前に(乾燥状態で)測定される。測定はロイドチャティロンデジタル力量計DFIS50型(LLOYD -CHATILLON Digital Force Gauge, Model DFIS 50)、測定容量25Kg、分解能0.02Kg、精密度+/−0.15%を用い、1つの粒子に負荷を破裂するまで連続的に垂直に加えて行われる。この力量計は台に取り付けられ、添加剤放出部材は測定台の中央に置かれ、測定台が手動式ねじ装置で上げられる。そうして圧力が手動で加えられ、力量計が添加剤放出部材の破裂の瞬間ごとの印加最大力を記録する(kgで測定される)。添加剤放出部材の破裂によって、構成部材内に保持された添加剤が放出される。
【0073】
添加剤放出部材支持構造体は、突起、出っ張り、針先、テーパーした端部、他のテーパーした突出、または小さな表面域を有する領域を備えてもよく、支持構造体が作動すると、これらが添加剤放出部材に接触する。このようにして、支持構造体に加えられた外部圧力を添加剤放出部材の表面の小さな領域に集中させてもよい。例えば、添加剤放出部材が球形カプセルの場合、支持構造体はテーパーした突起手段によって力をカプセルの中心を通る半径方向に向け、そのようにして力を穿刺破裂させる小さな領域に局在化させ、最大に破裂させ易くしてもよい。
【0074】
一部の実施態様では、支持構造体は、支持構造体がない場合に添加剤を同じ添加剤放出部材から放出させるのに必要な力に比べて、添加剤を添加剤放出部材から放出させるのに必要な押圧力を増加させる。
【0075】
すなわち、添加剤放出部材支持構造体によって、これまで喫煙品で使用可能であった添加剤放出部材よりも弱い添加剤放出部材が容易に使用できるようになる。これは添加剤放出部材が、支持構造体内に支持されているために意図しない作動および/または損傷から保護されているためである。支持構造体無しに用いられる従来のカプセルの最小破砕強度は一般には少なくとも0.5kpでなくてはならず、そうすればカプセルは十分頑丈で、紙紙巻きタバコ製造中に早期にまたは意図せずに破砕されることはない。
【0076】
したがって一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体は、破砕強度が0.5kp未満、0.25kp未満、または0.2kp未満の添加剤放出部材と共に使用してもよい。
【0077】
すなわち、添加剤放出部材支持構造体によって、添加剤放出部材を作動させるのに使用可能な潜在的許容範囲は従来可能であった範囲よりもっと広くなる。破砕強度が0.1〜3kpの添加剤放出部材を用いてもよい。
【0078】
添加剤放出部材支持構造体が添加剤放出部材と接触する領域に脆弱な点がある添加剤放出部材を用いてもよい。添加剤放出部材のこの部分的弾性は複数の方法で達成してもよい。例えば添加剤放出部材は楕円形または卵形のカプセルで、力がある方向に加えられると別の方向と比べて破裂耐性が連続的に増大してもよい。あるいは、ある領域が特に強化されている添加剤放出部材を用いて部分的な弾性を達成してもよい。そのような添加剤放出部材は、例えばある領域の殻の厚さが厚い添加剤放出部材でもよい。当然なことに、同様の効果は添加剤放出部材の壁をある領域で弱くして達成してもよい。
【0079】
一部の実施態様では、添加剤放出部材は二層の部材でもよい。例えば、添加剤放出部材は第2の封入層、または鞘などに更に封入されたカプセルでもよい。そうすることによって、意図しないもしくは早期の作動もしくは破損、または偶発的な漏れを大いに防ぐことができるようにしてもよい。そのようにして、単1のまたは複数の壁の添加剤放出部材を用いて、安定性、強度、破裂耐性、フィルター作製の処理容易さ他を調整してもよい。
【0080】
添付図1〜9に示す実施態様では、添加剤放出部材支持構造体には腕12、輪縁25、または支柱32のような特別な構造的特徴があり、これらは添加剤放出部材を収容するように設計されている。しかし別の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体には添加剤放出部材を収容するための特別な設計的特徴は何もない。この場合、添加剤放出部材は支持構造体の内側表面の部分に単に付着させてもよい。別の実施態様では、添加剤放出部材は付着されず、添加剤放出部材支持構造体内にいくつかの他の手段で、例えば支持構造体内の複合フィルターの2つのフィルター部の間に閉じ込めることで保持される。
【0081】
一部の実施態様では、添加剤放出部材は壊れ易い材料で作られたカプセルである。一実施態様では、添加剤放出部材は低溶解性の高分子量ポリビニルアルコールでできている。多くの適した別の材料が知られており、一例として製薬産業で一般的に利用される添加剤放出部材を用いてもよい。そのような添加剤放出部材は例えばゼラチンを基にしたものでもよく、または変性セルロースのような重合材料から形成してもよい。使用してもよい変性セルロースの一種はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。添加剤放出部材の製造に使用するのに適する可能性がある多くの生物分解性材料が知られており、これらには高分子量ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、プラスチックでんぷん(plastarch)材料、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸のようなポリヒドロキシアルカン酸、およびゼイン由来バイオプラスチックがある。
【0082】
あるいは、添加剤放出部材は例えばパスタのような中空の食品材料を含んでも、または再生タバコ材料の押し出し中空管でもよい。これらの添加剤放出部材材料の内壁は、ニスまたはシリコンのような防水材料で有効に被膜されて、液体成分の吸収または液体成分による劣化を長期に防止して添加剤放出部材材料の剛性を保持してもよい。
【0083】
代わりに添加剤放出部材をろう、樹脂、天然ゴムまたは合成ゴム、ラテックスまたはプラスチック材料で構成して、その形状および強度を室温および喫煙温度で保持するが添加剤放出部材支持構造体が作動したら破裂可能であるようにしてもよい。ふさわしいろうの例には、蜜ろう、キャンデリア(candelilla)、カルナバ、シェラック(shellac)ろう、カランディ(caranday)、サトウキビろう、ギンバイカ(myrtle)ろう、および石油ろうがある。
【0084】
ふさわしい樹脂には、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、エステルガム、フェノール樹脂、および松やにを基にした樹脂がある。好ましいゴムには、アラビヤゴム、イナゴマメ、グアー、アルギン酸塩、カラギナン、およびペクチンがある。
【0085】
添加剤放出部材が海綿状の多孔質材料を含む一部の実施態様では、ふさわしいものであればどのような海綿状材料を用いてもよい。海綿状材料は発泡材料でもよく、ポリビニルアルコール(PVOH)のような発泡プラスチック重合体でもよい。
【0086】
添加剤放出部材に色を付けてもよい。例えば、添加剤放出部材は着色剤を含んでもよい。着色剤を用いて、製造過程途中のフィルター内の添加剤放出部材および添加剤放出部材支持構造体の場所をより容易に示してもよい。その代わりにまたはそれに加えて、着色剤で喫煙品に面白い注意を引く外観を与えてもよく、特に添加剤放出部材支持構造体または複数の同構造がフィルター材の一部にだけ入れられるよう意図されている場合、またはチッピング紙に透明の窓部を設ける意図がある場合はなおさらである。色付きの添加剤放出部材が用いられる場合、添加剤放出部材は無色透明の支持構造体と組み合わせて用いてもよい。
【0087】
代わりにまたはそれに加えて、添加剤放出部材に保持される添加剤に色を付けてもよい。そうすることによって添加剤が添加剤放出部材から移動するのが見えるため、添加剤がうまく放出されたことを使用者に追加で視覚的に示すことができる。これは、添加剤放出部材が複数の添加剤の組合せを含み、添加剤の1つが色付きの場合、それによって他の無色の(複数の)添加剤の放出が示され特に役立つ場合がある。
【0088】
添加剤が色付きの場合、喫煙品または喫煙品フィルターの領域に向けた添加剤放出の助けとなり、内部でその色が観察されるのは支持構造体にとって望ましい場合がある。例えば添加剤は、喫煙品の周辺領域例えば円周領域に向けて放出されてもよく、または吸い口に向けて放出されてもよい。色付き添加剤を透明の窓部から見える喫煙品の一部分に指向的に放出してもよい。
【0089】
添加剤放出部材はふさわしい方法であればどのような方法を用いて作ってもよい。添加剤放出部材のその製造方法は詳しい構成および構成要求事項によって決まる。添加剤放出部材製造にふさわしい方法には、共押し出し法、回転塗布法、コアセルべーション法、界面重合法、溶媒蒸発法、および環状噴流成形法のような技術が含まれてもよい。
【0090】
添加剤放出部材が継ぎ目のないカプセルである一部の実施態様では、カプセルは共押し出し法を用いて作ってもよい。共押し出し法は2種の液体の同期押し出しで、連続的に殻およびカプセルの内容物(すなわち「核」、この場合は添加剤)を形成する。第1の(共押し出し)工程には、液体殻材料内に液体添加剤を有する液滴を形成することが含まれる。共押し出し工程の次に、「カプセル」は例えば冷却または硬化剤へ浸漬することで個化される。次にカプセルに洗浄、余剰液の除去、着色、追加被膜塗布他の種々の処理が行われる。
【0091】
代わりに環状噴流成形技術を用いてもよい。この方法は同軸の2つの噴流を利用して、液体核材料の内側噴流および液体殻材料の外側噴流を噴出する。この液体流は飛び散って液滴となり、液体殻材料が交差結合イオンの存在、pH差、温度変化他で誘発される相変化によって固化する。
【0092】
添加剤放出部材がろうカプセルを含む一部の実施態様では、カプセルは例えば、液体核材料の溶液を小さな結晶が形成されるまで凍結することを含む方法によって形成されてもよい。この方法によれば、次に結晶は溶融ろうの中に落とされ、冷えた結晶の周りにろう被膜が形成された後で、へらで除去される。被膜カプセルが室温に近づくにつれて凍結核材料は次第に液体になる。
【0093】
海綿状の発泡材料は発泡押し出し法を用いて作ってもよい。
【0094】
添加剤放出部材に保持された添加剤は、風味剤でも、消臭剤でも、吸着剤でも、希釈液でも、または煙を改善できる何らかの他の物質でもよい。一部の実施態様では、添加剤はハッカまたは水でもよい。
【0095】
本明細書で用いられているように、「風味料」および「風味剤」は、各国の規制で認可され所望の味または風味を作り出すために成人の消費者向けの製品に使用してもよい材料を意味する。これらに含まれるのは、抽出物(例えばカンゾウ、アジサイ、ホウノキ、カモミール、コロハ、クローブ、メントール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、イチヤクソウ、桜、ベリー、桃、リンゴ、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セルリー、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、桂皮、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピメント、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、または何らかの種のハッカ属のミント油)、風味増強剤、苦み受容体部位ブロッカー、感覚受容体部位促進剤または刺激剤、砂糖、および/または甘味料(例えば、スクラロース、カリウムアセサルフェーム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、サクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール)、および他の添加物例えば木炭、クロロフィル、無機物、植物、または呼気清涼剤である。これらは模倣品でも、合成物または自然材料でも、またはその混合物でもよい。これらは、ふさわしいものであれば油、液体、または粉末のようなどのような形態でもよい。
【0096】
風味はタバコ風味でもよい。風味が液体で供給される場合、タバコ風味はタバコ抽出物由来のものでもよい。添加剤が固体の場合、添加剤は、刻まれた、微粒子の、または粒子状のタバコ葉または再生タバコ材料でもよい。
【0097】
添加剤は、粉等の固体でも、液体風味剤、消臭剤、水等の液体でも、または芳香成分等の気体でもよい。
【0098】
添加剤は、粒状、粉末、微粒子の他何らかのふさわしい形態の吸着剤でもよい。この場合好ましくは、吸着性材料は粒子寸法が500μm未満であり、好ましくは100μm未満である。さらに好ましくは、吸着性材料は平均粒子寸法が50μm未満である。粒子寸法は粒子の直径と考えられる。一部の実施態様では、吸着性材料は粒子寸法または平均粒子寸法が200〜700μmである。
【0099】
吸着性材料は、表面積が比較的大きい材料の群から選択されるのがふさわしい。この材料は、特定の煙成分に高いまたは低い特異性があってもよい。ふさわしい吸着剤には、炭素、活性炭、活性木炭、活性ヤシ殻炭、石炭製活性炭、沸石、シリカゲル、海泡石、粘土、酸化アルミニウム(活性または非活性)、炭素様樹脂、またはこれらの組合せがある。好ましくは、吸着性材料は炭素であり、さらに好ましくは活性炭または活性木炭である。一部の実施態様では、活性ヤシ殻炭が用いられる。
【0100】
ふさわしい石炭製活性炭の一例は、密度が活性ヤシ殻炭よりも約50%大きい半無煙炭で作られたものである(入手先:カルゴンカーボン社(Calgon Carbon)、ペンシルベニア州ピッツバーグ、ワシントン州)。
【0101】
ふさわしい炭素類似樹脂の一例は、アンベルソーブ572(Ambersorb 572)またはアンベルソーブ563(入手先:ロームアンドハス(Rohm and Haas))のようなスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンの熱分解由来のものである。一般的な吸着剤の効率を改善するには、金属酸化物または他の金属複合体を任意選択的に一般的な吸着剤部分に含ませるかまたは含浸させてもよい。
【0102】
何らかの吸着性材料を単一成分または混合物として用いても、および/または他の材料との混合物の状態で用いてもよい。
【0103】
フィルターは複合フィルターを含んでもよく、その場合、吸い口、中央部、またはタバコロッド端フィルター部のようなフィルター部の1つが支持システムを含んでもよい。フィルターは複数の支持構造体を含んでもよく、例えばフィルターは2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの支持構造体を含んでもよい。
【0104】
フィルターは標識を備えて、支持構造体を作動させるために力を加えるべきフィルターの領域または複数の領域を示してもよい。
【0105】
一部の実施態様では、支持構造体はそれが挿入される喫煙品の長手方向軸に垂直に位置合わせされ、フィルターの断面の実質的に全てを占める。一部の実施態様では、支持構造体と添加剤放出部材の組合せには空気の流通が可能な複数の通路が含まれ、そのようにして、好ましくは圧力降下に悪影響を及ぼさずに、煙および気流が通過する通路が設けられる。
【0106】
支持構造体は添加剤のフィルターへの放出をどの特定方向に誘起してもよい。この方向は添加剤放出部材および/または支持構造体の形状および構造で予め定められてもよい。添加剤はフィルターの特定領域に向かって指向的に放出されてもよい。この領域は、例えば空洞でもまたは喫煙品フィルターの周辺領域のようなフィルター材の特定領域でもよい。添加剤が放出される領域は第2の添加剤のような活性成分を含んでもよく、添加剤放出部材に保持されてもまたは保持されなくてもよい。
【0107】
フィルターは複合フィルターを含んでもよい。フィルターは支持構造体を作動させるために力を加えるべきフィルターの領域を示す手段を備えてもよい。例えば、支持構造体には喫煙品の包装の何らかの層を通して検出可能な表面があってもよく、および/または印刷された図柄または他の視覚的標識を喫煙品の表面に設けてもよい。支持構造体はフィルタープラグラッパーおよびチッピング紙の窓を介して喫煙品内に見えてもよい。
【0108】
一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体は複合フィルター内の例えば2つのフィルター材部分の間に置かれる。3重フィルターの場合は、フィルター部は吸い口部および喫煙材端のフィルター部を含む。
【0109】
一部の実施態様では、添加剤放出部材支持構造体はフィルターの中心に置かれてもよく、つまりフィルター材の2つの部分は同じ寸法でもよい。あるいは、支持構造体は中心からフィルターの一端または他端の方に外れて置かれてもよい。実際には一部の実施態様では、フィルターは単に支持構造体と吸い口端のフィルター材部分を含む二重フィルターでもよい。
【0110】
一部の実施態様では、フィルターは喫煙材ロッドにチッピング紙の手段により既知の方法で取り付けられる。不透明のチッピング紙が用いられる場合は、フィルターは添加剤放出部材支持構造体の位置および支持構造体を作動させるために力を加えるべき領域を示す手段を含んでもよい。
【0111】
本発明の添加剤放出部材の一部は添加剤を指向的に放出するように考案されているため、添加剤放出部材が喫煙品または喫煙品フィルターに挿入される向きは制御されるべきである。
【0112】
喫煙品は、添加剤を喫煙品または喫煙品フィルターの特定領域(どの領域でもよい)に向けて指向的に放出するように構成された添加剤放出部材を1つ以上含んでもよい。
【0113】
この領域は添加剤放出部材から放出された添加剤によって活性化される材料を含んでもよい。例えば、この材料は溶液状態で活性がある個体を含んでもよく、そのようして水または特定の溶媒の形態で添加剤の作用によって活性化される。
【0114】
添加剤の指向的放出の対象領域はフィルターの中心にある空洞でもよく、ここに他の活性材料を含んでも含まなくてもよい。例えば、この空洞は結晶質の風味剤を含んでもよく、溶媒形態の添加剤がこの空洞内に指向的に放出されてその結晶と接触することで活性化されてもよい。その代わりに、空洞は水の形態の添加剤に敏感な材料、例えば水との接触で変色する、溶解する、音を発する、風味または香りを放出するような材料を含んでもよい。
【0115】
添加剤が向けられる特定領域はフィルター材の領域で、その領域は微粒子形態でその材料内に均等に分配された固体材料を含んでもよい。そのような構成は、例えば粒状結晶質風味剤が溶媒添加剤を含む添加剤放出部材と組み合わせて用いられる場合に役に立つ。この場合、複数の添加剤放出部材を用いてもよく、それから添加剤が継続的に放出されてその喫煙品の使用中ずっと風味剤を提供してもよい。この構成では、添加剤は粒子を含有するフィルター材の同じ領域に向けられても、異なる領域に向けられてもよい。
【0116】
添加剤が向けられる領域は、喫煙品の外周面もしくはその近くの領域またはフィルターの吸い口の領域のような、喫煙品または喫煙品フィルターの周辺領域でもよい。そのような構成は、例えば添加剤が色付きの場合に喫煙品に面白い外観を与えるのに適し、および/または例えば添加剤放出部材が有色添加剤と無色添加剤の組合せを含む場合に添加剤が放出されたことの視覚的標識を提供するのに適する。この構成は添加剤が風味剤である場合に喫煙品から出た香りの拡散を助けるのにも適する。
【0117】
喫煙品または喫煙品フィルターは2種以上の添加剤を含んでもよく、各添加剤は別々の添加剤放出部材に担持されてもよく、それら添加剤放出部材は類似のまたは個別の支持構造体に担持されてもよい。この構成は、例えばこの2種以上の添加剤が化学的に反応する場合、またはこれらの添加剤が酸化、拡散、または経時的に強度を低下させる他の手段の影響を受ける場合に適する。
【0118】
2種以上の添加剤放出部材は添加剤を互い向けて指向的に放出するように構成されてもよい。そのような構成は、例えば添加剤が化学的に反応して発熱反応もしくは吸熱反応が生じる、または香りもしくは気体が発生する反応が生じる、または発色するもしくは他の視覚的影響が出るような場合に役立つ。
【0119】
2種以上の添加剤放出部材は添加剤をフィルターの共通領域に向けて指向的に放出するように構成されてもよい。これはかなりの量の添加剤をフィルターの特定領域に供給する必要がある場合に適し、例えば、添加剤が水で、フィルターの対象領域が、水で膨潤する、水に溶解する、または水で劣化する材料のような水に敏感な材料を含む場合に適する。
【0120】
一部の実施態様では、フィルターは透明の窓を備えて、フィルター内の添加剤放出部材支持構造体および/または添加剤放出部材が見えるようにしてもよい。このようにすると、使用者はフィルター内の添加剤放出部材を見えるようにすることができ、添加剤が放出されたかどうか視覚的に判断することができる場合がある。
【0121】
一部の実施態様では、透明の窓をフィルター包装紙および/またはチッピング紙に設けてもよい。窓は喫煙品の外周全体に延びてもよい。支持構造体および添加剤放出部材だけは見えるように、これらが配置される領域は避けてもよい。代わりに窓を大きくしてもよく、そうすると、例えば隣接するフィルター材の栓のような喫煙品に隣接する部分が少なくとも部分的に見える。
【0122】
支持構造体は透明もしくは半透明でもよく、または透明もしくは半透明の部分を含んで使用者に添加剤放出部材が見えるようにしてもよい。
【0123】
一部の実施態様では、フィルターのような喫煙品の関連部品は、支持構造体を作動させるために力を加えるべき喫煙品の領域を示す手段を備えてもよい。例えば、支持構造体には、喫煙品の包装のいずれかの層を通って検知される表面があってもよく、および/または喫煙品の表面は印刷された図柄または他の視覚的標識を設けてもよい。
【0124】
透明の窓の効果を出すために、チッピング紙は1片の透明材料を含んでもよい。この透明材料は以下のうちのいずれか1つを含むが、それに限定されない。ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸セルロース膜、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンオキシド(PEOX)、ポリエチレン、セロファン、ネイチャーフレックス(Natureflex、登録商標)、ポリ乳酸、プラスチックでんぷん材料、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸のようなポリヒドロキシアルカン酸、およびゼイン由来バイオプラスチック。チッピング紙は特定部分に不透明の被膜処理を施して無処理の透明部分を残し、窓にしてもよい。
【0125】
フィルター部は多孔質の薄板材料で包まれたろ過材料の独立部分として形成してもよい。好ましくは、フィルター部と添加剤放出部材支持構造体は互いに直接結合されず、ラッパーまたは実際にはチッピング紙の手段のみで結合される。
【0126】
図1Aおよび図1Bには、第1の実施態様による添加剤放出部材支持構造体10が示されている。
【0127】
添加剤放出部材11は添加剤放出部材支持構造体10内に配置されている。この実施態様では、添加剤放出部材は添加剤を含む壊れ易い球形のカプセルである。
【0128】
添加剤放出部材支持構造体10は全体に中空の円筒形状である。この円筒の外周は、支持構造体が用いられる喫煙品フィルターの外周と同じかまたはそれよりわずかに小さい。円筒の中央空洞に突き出ているのは3つの腕12である。図1Bに示すように、支持構造体の中央を向くこれらの腕の端部はカプセル11を収容するように形状が決められている。
【0129】
添加剤放出部材支持構造体10は外周面に、2つの脆弱部分13を備える。この実施態様では、添加剤放出部材支持構造体の脆弱部分は、支持構造体の厚みの一部を薄くすることによって形成されている。
【0130】
図2に示すように、添加剤放出部材支持構造体の外周面に矢印Aの方向に働く、例えば使用者の指で加えられる外力によって支持構造体が変形することになる。具体的には、添加剤放出部材支持構造体の2つの脆弱部分13の間に置かれた変形可能部分14は外力によって曲がり、湾曲形状になる。支持構造体の変形可能部分14にはどの腕12も含まれない。
【0131】
このような変形によって添加剤放出部材支持構造体の内部の体積が減る。結果として所定の位置に保持されているカプセルが支持構造体の腕12で破砕される。
【0132】
図1および図2に示す実施態様では、カプセル11は変形可能部分14の内側表面に置かれた尖った突起15によって破裂しやすくなる。添加剤放出部材支持構造体の変形可能部分を変形させると、カプセルに働く力は小さな領域に集中し、カプセルの破裂が容易になる。
【0133】
図3には、第1の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を含む喫煙品の展開図が示されている。この喫煙品は喫煙材ロッド16およびフィルター17を含む。フィルター17は三重フィルター構成であって、その中の酢酸セルロースフィルター材18、19の2つの部分の間に支持構造体10が置かれている。支持構造体10は添加剤放出部材11を含み、ここでは壊れ易いカプセルである。フィルター部はフィルタープラグラッパー(図示せず)で結合されてフィルター17を形成し、喫煙材ロッド16にチッピング紙(図示せず)により既知の方法で取り付けられている。
【0134】
使用時は、添加剤放出部材支持構造体10の変形可能部分14の領域にあるフィルター17に使用者によって加えられた力で上記の様に支持構造体が変形し、カプセル11が破裂する。このようにしてカプセルが担持する添加剤(この実施態様では風味剤(ハッカ))が放出され、使用者によってフィルターを通って引き出される煙に取り込まれてもよい。
【0135】
図4Aおよび図4Bには、第2の実施態様による添加剤放出部材支持構造体20が示されている。
【0136】
添加剤放出部材21は添加剤放出部材支持構造体20の中に配置されている。この実施態様では、添加剤放出部材は添加剤を含む壊れ易い球形のカプセルである。
【0137】
添加剤放出部材支持構造体20の外周は支持構造体が用いられる喫煙品フィルターの外周と同じかまたはそれよりわずかに小さい。支持構造体20は形状が輪状または中空の円筒状で軸方向の複数のひだ22がある。図示したこの実施態様では、支持構造体には8つのひだがある。別の実施態様では、支持構造体には2〜16個のひだがあってもよい。例えば、支持構造体には3、4、5、6、7、9、10、11、12、13、14、または15個のひだがあってもよい。
【0138】
添加剤放出部材支持構造体20の外周面では、ひだは軸方向の溝23の形態である。支持構造体の内側表面では、ヒダにはテーパーした端部24があり、支持構造体20の中核に突き出ている。
【0139】
図4B示すように、添加剤放出部材21は添加剤放出部材支持構造体20の中央に配置されてもよい。突起24の端部は、添加剤放出部材21を収容するように形状が決められている。具体的には、対向する突起24のテーパーした端部の間の距離はカプセル21の直径より大きい。カプセルは突起24の輪縁25によって添加剤放出部材支持構造体内に保持される。
【0140】
軸方向のひだ22は添加剤放出部材支持構造体20の剛性を下げる。特に横方向に加えられる力に対しては添加剤放出部材支持構造体のどの横方向から加えられた力に対しても剛性は低下する。そのような、例えば使用者の指で加えられる力に応答して、添加剤放出部材支持構造体20は断面形状がほぼ円形からより楕円形に変形する。
【0141】
第1の実施態様の添加剤放出部材支持構造体とは異なり、第2の実施態様の支持構造体の変形可能部分は予め定義されず、力が支持構造体に加えられる場所によって決まる。
【0142】
外部から加えられた力に応答した変形により、添加剤放出部材支持構造体20の少なくとも1対の対向する突起24の間の距離が減少する。結果として、突起24の間に保持されたカプセルが破砕される。カプセル21の破裂は突起24にテーパーしたの端部があるという事実によって補助される。結果として、カプセルに加えられた力は小さな領域に集中し、カプセルの破裂を容易にする。
【0143】
図5には、第2の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を含む喫煙品の展開図が示されている。喫煙品は喫煙材ロッド26およびフィルター27を含む。フィルター27は三重フィルター構造であって、その中の酢酸セルロースフィルター材28、29の2つの部分の間に添加剤放出部材支持構造体20が置かれている。添加剤放出部材支持構造体20は添加剤放出部材21を含む。フィルター部はフィルタープラグラッパー(図示せず)で結合されてフィルター27を形成し、喫煙材ロッド26にチッピング紙(図示せず)により既知の方法で取り付けられている。
【0144】
使用時は、添加剤放出部材支持構造体20の領域にあるフィルター27に使用者によっていずれかの横方向に加えられた力により、上記の様に支持構造体20が変形し、カプセル21が破裂する。このようにしてカプセルが担持する添加剤が放出され、使用者によってフィルターを通って引き出される煙に取り込まれてもよい。
【0145】
図6Aおよび図6Bには、第3の実施態様による添加剤放出部材支持構造体30が示されている。
【0146】
添加剤放出部材31は添加剤放出部材支持構造体30内に配置される。この実施態様では、添加剤放出部材は添加剤を含む壊れ易い球形カプセルである。
【0147】
この実施態様では、添加剤放出部材支持構造体30の外側外周の断面は完全な円形ではなく、円弧または「C字形状」である。別の言い方をすれば、支持構造体30は外周面の一部が欠けた全体に中空の円筒形状である。
【0148】
別の態様では、第3の実施態様の添加剤放出部材支持構造体30は第1の実施態様の支持構造体10と類似である。円筒の外周は支持構造体が用いられる喫煙品フィルターの外周と同じかまたはそれよりわずかに小さい。
【0149】
カプセルは円筒の中央空洞にぴったり入り、支柱32および厚い壁部分33で所定の位置に保持される。図6Bに示すように、支柱32の一端と厚い壁部分33は結合されて、カプセル31を収容するように形状が決められた基部を形成する。
【0150】
添加剤放出部材支持構造体30は外周面に脆弱部分34を含む。脆弱部分34によって、カプセルを保持する支持構造体(支柱32および厚い壁部分33を含む)の部分が添加剤放出部材支持構造体の変形可能部分から分割され、この変形可能部分がヒンジ式に連結された腕35の形態を成す。
【0151】
使用時は、脆弱部分34はヒンジ式にとしてまたは旋回軸として機能し、その周りをヒンジ式に連結された腕35が添加剤放出部材支持構造体のカプセルを保持している部分に相対的に動くことができる。
【0152】
図7に示すように、添加剤放出部材支持構造体の外周面に例えば使用者の指で加えられた外力によって支持構造体が変形する。具体的には、ヒンジ式に連結された腕35が脆弱部分34の周りを旋回運動し、支持構造体のカプセルを保持している部分を向く。
【0153】
このようして、添加剤放出部材支持構造体の変形によって支持構造体の内部の体積が減り、結果としてカプセルが破砕される。
【0154】
カプセル31の破裂はヒンジ式に連結された腕35の内側表面に置かれた尖った突起36で補助される。ヒンジ式に連結された腕35がカプセル31の方へ旋回されると、カプセルに加えられた力が小さな領域に集中し、カプセルの破裂を容易にする。
【0155】
図8には、第3の実施態様による添加剤放出部材支持構造体を含む喫煙品の展開図が示されている。喫煙品は喫煙材ロッド37およびフィルター38を含む。フィルター38は三重フィルター構成であって、その中の酢酸セルロースフィルター材39、40の2つの部分の間に添加剤放出部材支持構造体30が置かれている。添加剤放出部材支持構造体30は、この場合壊れ易いカプセルである添加剤放出部材31を含む。フィルター部はフィルタープラグラッパー(図示せず)で結合されてフィルター38を形成し、喫煙材ロッド37にチッピング紙(図示せず)により従来の方法で取り付けられている。
【0156】
使用時は、添加剤放出部材支持構造体30の領域にあるフィルター38に使用者によって加えられた力によって支持構造体が上記の様に変形し、カプセル31が破裂する。こうしてカプセルが担持する添加剤が放出され、使用者によってフィルターを通って引き出される煙に取り込まれてもよい。
【0157】
喫煙品フィルターは、2つ以上の添加剤放出部材支持構造体を含んでもよく、支持構造体を3、4、5、または6つのように含んでもよい。複数の支持構造体を含むフィルターの場合、各支持構造体が担持する添加剤放出部材は、同じ添加剤を含んでもまたは異なる添加剤を含んでもよく、同じ寸法でも異なる寸法でもよい。
【0158】
複数の添加剤放出部材支持構造体が喫煙品フィルター内に存在する場合、支持構造体が作動するのに必要な使用者によって加えられる力は同じでも、異なってもよい。こうすることによって、使用者は必要に応じて放出される添加剤の程度を制御することができるようになる。
【0159】
喫煙品フィルターに1つ以上の添加剤放出部材支持構造体が用いられる場合、支持構造体は同じ設計でも異なる設計でもよい。例えば添加剤放出部材の作動に異なる力が必要になるのであれば、異なる設計を用いてもよい。
【0160】
図9には、第4の実施態様による喫煙品の展開図が示されている。喫煙品は喫煙材ロッド41およびフィルター42を含む。フィルター42は第2の実施態様で説明した種類の添加剤放出部材支持構造体43を2つ含む。各支持構造体は添加剤放出部材44を含み、この場合は壊れ易いカプセルである。フィルター42内では、支持構造体43は2つの酢酸セルロースフィルター材45、46の間に置かれている。フィルター部はフィルタープラグラッパー(図示せず)で結合されてフィルター42を形成し、喫煙材ロッド41にチッピング紙(図示せず)により従来の方法で取り付けられている。
【0161】
使用時は、添加剤放出部材支持構造体43の領域にあるフィルター42に使用者によって加えられる力によって第1の支持構造体43aが上記の様に変形し、第1のカプセル44aが破裂する。さらに、支持構造体43の領域のフィルターに加えられる力によって第2の支持構造体43bが変形し、第2のカプセル44bが破裂する。このようにして、カプセルが担持する添加剤は使用者が制御可能な方法で必要に応じて放出され、使用者によってフィルターを通って引き出される煙に取り込まれてもよい。
【0162】
図10には、喫煙材の円筒のロッド(この場合はタバコ51)およびフィルター52を含む喫煙品50が示されている。フィルター52はフィルタープラグラッパー(図示せず)で包まれている。
【0163】
喫煙材ロッド51は、タバコロッド51の端部がフィルター52の端部と突き当たるようにフィルター52と位置合わせされている。このロッドはラッパー(図示せず)に包まれており、フィルター52にチッピング紙(図示せず)により従来の方法で連結されている。
【0164】
フィルター52は三重フィルターであってフィルター材53の実質的に円筒プラグを2つ含み、第5の実施態様による添加剤放出部材支持構造体54で分離されている。
【0165】
添加剤放出部材55は支持構造体54内に配置されている。この実施態様では、添加剤放出部材55は添加剤を含む海綿状材料である。海綿状材料は壊れ易い外殻に覆われている。
【0166】
添加剤放出部材支持構造体54はおおまかに中空の円筒形状である。円筒の外周は喫煙品フィルター52の外周と同じかまたはわずかに小さい。円筒の中央空洞内に突き出て空洞を3つの等しい部分に分割しているのは3つの支柱56である。図10に示すように、各部分は添加剤放出部材55を収容するように構成されている。
【0167】
添加剤放出部材支持構造体54は、内側外周面の3つの部分の各中心部に鋭利部分57を備える。
【0168】
添加剤放出部材支持構造体の外周面に例えば使用者の指で加えられる外力の結果、支持構造体が変形する。具体的には、支柱56の間の部分の1つ以上の各外側表面が湾曲形状になる。
【0169】
このようにしてできた変形によって添加剤放出部材支持構造体54の特定部分の内部の体積が減る。結果として、支持構造体の区画に保持された添加剤放出部材55が破砕される。尖った鋭利部分57があるため、支持構造体の変形が誘起されると添加剤放出部材に加えられた力が小さな領域に集中し、添加剤放出部材の破砕が容易になる。添加剤放出部材が破砕されると、壊れ易い外殻が破壊され、添加剤が海綿状材料からフィルター材53周囲に押し出される。
【0170】
図11Aには、第6の実施態様による添加剤放出部材支持構造体60を含む喫煙品の断面が示されている。
【0171】
添加剤放出部材61は添加剤放出部材支持構造体60内に配置されている。この実施態様では、添加剤放出部材は添加剤を含む壊れ易い球形カプセルである。
【0172】
添加剤放出部材支持構造体60は第1の実施態様で示したものと実質的に同じである。唯一の違いはこの添加剤放出部材支持構造体60には変形可能部分がなく、外力を加えても変形しないことである。
【0173】
添加剤放出部材支持構造体60は全体に中空の円筒形状である。円筒の外周は、支持構造体が用いられる喫煙品フィルター63の外周と同じかまたはわずかに小さい。円筒の中心空洞内に突き出ているのは3つの腕62である。第1の実施態様で示したように(ただし図11Aまたは図11Bには図示せず)、支持構造体の中心を向くこれらの腕の端部はカプセル61を収容するように形状が決められている。
【0174】
第1の実施態様の支持構造体10は外周面に2つの脆弱部分13を備えたが、この支持構造体60には図11Bに示すように隙間64がある。すなわち、添加剤放出部材61は支持構造体60で完全には囲まれていない。
【0175】
使用時、外力が加えられるのは添加剤放出部材支持構造体60の隙間64、矢印Bの方向である。この力が添加剤放出部材61を支持構造体60の腕62に押し付ける。結果として、支持構造体の腕62で所定の位置に保持されているカプセルが破砕される。
【0176】
カプセル61の破裂は、腕62の端部に置かれ隙間64に対向した尖った突起65で補助される。この尖った突起があるため、カプセルに加えられた力は小さな領域に集中し、カプセルの破裂を容易にする。
【0177】
図12A〜12Cには、支持構造体が溝付き管である種々の実施態様が示されている。これらの図には、溝付き断面形状のいくつかの候補が説明されている。溝は図12Aでは丸く、図12Bでは角張っており、図12Cでは四角すなわち城郭様である。
【0178】
一部の実施態様では、図4A図4B図12A〜12Cの支持構造体は結合された複数の花びらすなわち丸い突起を有する花弁形状として説明することができる。花びらすなわち丸い突起のそれぞれに、1つの放射状外側部および2つの略放射状部がある。放射状外側部には放射状外側面がある。この面は、喫煙品の円筒状内側表面と接触するように構成されており、半径方向内側面に対向している。放射状外側面には第1の端および第2の端があり、各端は1つの略放射状部の放射状外向端部に取り付けられている。略放射状部のそれぞれには、説明のように上述の放射状外向端部および放射状内向端部がある。各花弁すなわち各丸い突起の放射状内向き部は、隣接する花弁すなわち丸い突起の放射状内向端部に取り付けられている。このようにして、この保持構造を半径方向にわずかに拡大して、添加剤放出部材を把持し保持することができる。
【0179】
一部の実施態様では、図12A〜12Cに説明されたものを含め、支持構造体は押し出しで作られ、その後ある長さに切断されてもよい。
【0180】
一部の実施態様では、支持構造体は例えばブロー成形、射出成形、3D印刷を含む適した技術で作られてもよく、回転式の型(Rotary Die)を用いてもよい。複数技術を組合せて用いてもよい。これらの技術は図4Aおよび図4Bに説明したような複雑な構造を作るのに特に役立つ。
【0181】
実施例
直径3.4mmの微小カプセル形状の添加剤放出部材を含む5mm長の添加剤放出部材支持構造体を作った。
【0182】
長さが27mmのフィルターを作った。このフィルターには、長さが10mmおよび12mmの2つの酢酸セルロースフィルター部の間に置かれた添加剤放出部材支持構造体が含まれる。
【0183】
次にこのフィルターをタバコロッドに従来の方法で取り付けて、標準のキングサイズ(king size)の試験用紙巻きタバコを作った。
【0184】
この添加剤放出部材支持構造体を押圧し、微小カプセルから添加剤を放出した。添加剤放出部材支持構造体の作動前後で紙巻きタバコの境界圧力降下を測定し、結果を下の表にまとめた。
【0185】
【表1】
【0186】
結果から、圧力降下は添加剤放出部材支持構造体の作動から大きな影響を受けないことが分かる。
【0187】
添加剤放出部材を作動させるのに必要な押圧力を測定した。添加剤放出部材支持構造体を用いて、または用いずにカプセル形態の添加剤放出部材を破砕した。用いた添加剤放出部材支持構造体は上記第3の具体的な実施態様の添付図6、7に示したものである。破砕強度をシュロニガー錠剤硬度試験器(Schleuniger tablet hardness tester)を用いて測定し、結果を表2に示した。
【0188】
【表2】
【0189】
結果から、添加剤放出部材支持構造体を用いた微小カプセルの破裂に必要な破砕強度は添加剤放出部材支持構造体がない場合に対してかなり小さいことがわかる。
【0190】
本発明の実施態様は、風味、添加剤、放出、成分、および/またはそのようなものに関する規制等の適用法令および/または規制法(これらは一例であってこれらに限定されない)を順守するように構成されている。例えば本発明は、本発明を実施する喫煙品が添加剤の放出前および第1の添加剤の放出後に適用規制法に準拠し、かつ1種以上の追加の添加剤を放出した後も依然として準拠しているように構成することができる。同様に、2種以上の添加剤が互いに反応して他の物質を発生させる実施態様の場合も、発生した物質は適用法令および/または規制法に準拠する。
【0191】
種々の問題に対処し本技術を促進するため、本開示の全体は種々の実施態様を一例として示す。その実施態様の中で特許請求の範囲に記載の発明が実践され、優れた添加剤放出法、添加剤を放出しその添加剤放出法を含む製品が提供される。本開示の利点および特徴は、単に実施態様の代表的事例であって全てを包括する事例ではなく、および/またはこれ以外を排除する事例でもない。これらは単に特許請求された特徴の理解を助け、教示するために提示される。理解すべきことは、本開示の利点、実施態様、実施例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲で規定される本開示またはその均等物を限定するものではなく、本開示の範囲および/または概念から逸脱することなく他の実施態様を利用し改変することができることである。種々の実施態様は、開示された要素、構成部材、特徴、部品、工程、手段他の種々の組合せを好適に含んでも、それらで構成されても、または基本的にそれらで構成されてもよい。さらに本開示には、現在特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明も含まれる。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C