(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顔料成分は、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタン酸ストロンチウム、及び酸化クロム及びセリアの中で選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
前記光重合開始剤は、オキシムエステル系の化合物、ケトン類、ハロゲン化合物、過酸化物及びアシルホスフィンオキシド類の中で選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
前記感光性樹脂組成物から硬化膜を形成するとき、単位厚さ1.0μm当たり光学密度(OD)が0.5〜1.0であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は液晶分子の光学的異方性及び複屈折特性を用いて画像を表現するもので、電界が印加されれば、液晶の配列が変わり、変わった液晶の配列方向によって光が透過する特性も変わる。
【0003】
一般に、液晶表示装置は、電界生成電極がそれぞれ形成されている二つの基板を二つの電極が形成されている面が向かい合うように配置し、両基板の間に液晶物質を注入した後、二つの電極に電圧を印加することによって生成される電場によって液晶分子を動かすことによって変わる光の透過率によって画像を表現する装置である。
【0004】
広く使われている薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)の構造の一例を見れば、薄膜トランジスタと画素電極が配列されている下部基板、いわゆるアレイ基板と;プラスチックまたはガラスからなった基板の上部に、ブラックマットリックスと赤、緑、青の三色着色層が繰り返され、その上にカラーフィルターの保護と表面平滑性を維持するために、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリウレタンなどの材料の厚さ1〜3μmのオーバーコート(overcoat)層とこのオーバーコート層の上部に液晶駆動のための電圧が印加されるITO(Indium Tin Oxide)透明伝導膜層が形成された上部基板、いわゆるカラーフィルター基板;及び上下部基板の間に満たされている液晶から構成され、二つの基板の両側面には可視光線(自然光)を直線偏光にする偏光板がそれぞれ付着されている構造を持つ。外部の周辺回路によって画素を成しているTFTのゲートに電圧を印加してトランジスタをターンオン(turn−on)状態にして液晶に映像電圧が入力可能な状態となるようにした後、映像電圧を印加して液晶に映像情報を保存した後、トランジスタをターンオフ(turn−off)して液晶充電器及び補助充電器に貯蔵された電荷が保存されるようにして、一定時間のうちに映像イメージを表示するようにする。液晶に電圧を印加すれば、液晶の配列が変化することになり、この状態の液晶を光が透過すれば回折が発生する。この光を偏光板に透過させて所望の映像を得ることになる。
【0005】
従来、カラーフィルターの全体がTFT基板(下板)に適用されることによって、下部基板上に遮光膜でありながらもコラムスペーサーとして機能することができる硬化膜を形成するのに有用な感光性樹脂組成物を開示されている。
【0006】
しかし、この場合(カラーフィルターを下板に適用する場合)、下板の製造工程が複雑になるため、最近には赤(red;R)、緑(green;G)及び青(blue;B)のカラーだけ下部基板に形成され、ブラックマットリックス(black matrix;BM)とコラムスペーサー(column spacer;CS)は上部基板に適用することにより、工程及び製造の安定性を確保することができる構造(Color Filter on TFT Array;COT)の開発がなされている。
【0007】
また、コラムスペーサーとして機能をするとき、コラムスペーサーが上部基板と下部基板に共に触れ合っている既存構造のギャップコラムスペーサー(gap column spacer)は、スペーサーの高い密度によって駆動時にムラが発生している。これを解決するために、部分的にギャップコラムスペーサーの高さを低くして下部基板と触れ合わない押圧コラムスペーサー(pressure column spacer)を形成すれば、駆動の際にムラを改善するとともに、画面に圧力が加わったときに既存のセルギャップの支持機能をすることができるようにするデュアルタイプ(dual type)のスペーサー構造の開発がなされている実情である。
【0008】
したがって、本発明者らは、ブラックマットリックスの機能をしながらも液晶パネルのセルギャップを維持するとともにタッチ(touch)不良と押圧不良を防止することができるデュアルタイプのスペーサーとして機能することができる感光性樹脂組成物を開発しようと鋭意努力している、その結果、互いに異なる重量平均分子量と酸価を持つ2種以上のアクリル系バインダー樹脂を特定の割合で含有させ、これを用いてパターン化した硬化膜を製造する場合、短い現像時間で安定した現像パターンを形成させることができ、適正な遮光性を持ちながら露光時にマスクの透過率を調節してデュアルタイプのスペーサーを製造することができることを確認し、本発明を完成することになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主目的は、液晶ディスプレイ装置の製作の際、アレイ基板上(下部基板)にカラーレジストが形成される構造で、上部基板上にブラックマットリックス及びコラムスペーサーを形成するのに有用な感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
また、本発明は、上部基板上にブラックマットリックスの機能とコラムスペーサーの機能を一緒に要求するパターンを形成するのに有用な感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
また、本発明は、透過率の異なるマスクを適用して上部基板にギャップコラムスペーサーと、ギャップコラムスペーサーより高さの低い押圧コラムスペーサーパターンを同時に形成させることができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物から形成されたブラックマットリックス及びコラムスペーサーを含むディスプレイ用基板、液晶パネル及び液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一具現例は、アクリル系バインダー樹脂100重量部に対し、顔料成分10〜20重量部及び光重合開始剤10〜15重量部を含み、前記アクリル系バインダー樹脂は、酸価が50mg(KOH)/g〜90mg(KOH)/g、重量平均分子量が8,000g/mol〜13,000g/molである第1アクリル系バインダー樹脂、及び酸価が100mg(KOH)/g〜150mg(KOH)/g、重量平均分子量が4,000g/mol〜7,000g/molである第2アクリル系バインダー樹脂を含むことを特徴とする、感光性樹脂組成物を提供する。
【0014】
本発明の他の一具現例において、前記第1アクリル系バインダー樹脂と第2アクリル系バインダー樹脂は3〜7:7〜3の重量比で含まれる感光性樹脂組成物を提供する。
【0015】
本発明の他の一具現例において、前記顔料成分は、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタン酸ストロンチウム、及び酸化クロム及びセリアの中で選ばれる1種以上である感光性樹脂組成物を提供する。
【0016】
本発明の他の一具現例において、前記顔料成分は、粒径が90〜110nmのカーボンブラックを含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0017】
本発明の他の一具現例において、前記光重合開始剤は、オキシムエステル系の化合物、ケトン類、ハロゲン化合物、過酸化物及びアシルホスフィンオキシド類の中で選ばれる1種以上である感光性樹脂組成物を提供する。
【0018】
本発明の他の一具現例において、前記感光性樹脂組成物から硬化膜を形成するとき、単位厚さ1.0μm当たり光学密度(OD)が0.5〜1.0である感光性樹脂組成物を提供する。
【0019】
本発明の他の一具現例において、前記感光性樹脂組成物に形成されたコラムスペーサーにおいて、露光器マスクの透過率が100%のものを適用して形成された前記コラムスペーサーの高さと、露光器マスクの透過率が10%のものを適用して形成された前記コラムスペーサーの高さと、の差が0.5〜1μmである感光性樹脂組成物を提供する。
【0020】
本発明の他の一具現例において、前記感光性樹脂組成物を用いて形成されたブラックマットリックスを含むディスプレイ用基板を提供する。
【0021】
本発明の他の一具現例において、前記感光性樹脂組成物を用いて形成されたコラムスペーサーを含むディスプレイ用基板を提供する。
【0022】
本発明の他の一具現例において、前記感光性樹脂組成物を用いて形成されたブラックマットリックス一体型コラムスペーサーを含むディスプレイ用基板を提供する。
【0023】
本発明のさらに他の具現例において、前記ディスプレイ用基板を上部基板として含む液晶パネルを提供する。
【0024】
本発明のさらに他の具現例において、前記液晶パネルを含む液晶表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による感光性樹脂組成物は、アレイ基板上にカラーレジストが形成される液晶ディスプレイ装置構造において上部基板に遮光膜でありながらも同時にデュアルタイプのコラムスペーサーを容易に形成させることができるので、工程を簡素化させることができ、製造安定性を確保することができ、製品の製造コストを著しく低めることができるだけではなく、液晶ディスプレイ装置の収率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
他に定義しない限り、本明細書で使用されたすべての技術的及び科学的用語は本発明が属する技術分野で熟練した専門家によって通常に理解されるものと同等な意味を持つ。一般に、本明細書で使用された命名法は本技術分野でよく知られ、通常に使われるものである。
【0027】
本明細書の全般にわたって、ある部分がある構成要素を“含む”とするとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0028】
本発明の一具現例は、アクリル系バインダー樹脂100重量部に対し、顔料成分10〜20重量部及び光重合開始剤10〜15重量部を含み、前記アクリル系バインダー樹脂は、酸価が50mg(KOH)/g〜90mg(KOH)/g、重量平均分子量が8,000g/mol〜13,000g/molである第1アクリル系バインダー樹脂、及び酸価が100mg(KOH)/g〜150mg(KOH)/g、重量平均分子量が4,000g/mol〜7,000g/molである第2アクリル系バインダー樹脂を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物に関するものである。
【0029】
本発明をもっと詳細に説明すれば次のようである。
【0030】
(A)アクリル系バインダー樹脂
本発明による感光性樹脂組成物のアクリル系バインダー樹脂は、酸価が50mg(KOH)/g〜90mg(KOH)/g、重量平均分子量が8,000g/mol〜13,000g/molである第1アクリル系バインダー樹脂、及び酸価が100mg(KOH)/g〜150mg(KOH)/g、重量平均分子量が4,000g/mol〜7,000g/molである第2アクリル系バインダーを含む。
【0031】
前述した酸価範囲を満たす第1アクリル系バインダー樹脂を感光性樹脂組成物に適用してコラムスペーサーを形成する場合、現像工程でコラムスペーサー硬化膜の厚さが一定に維持される効果を得ることができ、前述した重量平均分子量範囲を満たす第1アクリル系バインダー樹脂を感光性樹脂組成物に適用してコラムスペーサーを形成する場合は、コラムスペーサー硬化膜のパターン形状が一定に維持される効果を得ることができる。
【0032】
また、前述した酸価範囲を満たす第2アクリル系バインダー樹脂を感光性樹脂組成物に適用してコラムスペーサーを形成する場合、露光工程の際、マスクの透過率に応じて現像工程で硬化膜の高さ調節が容易であり、前述した重量平均分子量を満たす第2アクリル系バインダー樹脂を感光性樹脂組成物に適用してコラムスペーサーを形成する場合は、コラムスペーサー硬化膜のパターン形状を容易に調節することができる効果を得ることができる。
【0033】
前記第1アクリル系バインダー樹脂と第2アクリル系バインダー樹脂は3〜7:7〜3の重量比で含むことが好ましい。前記第1アクリル系バインダー樹脂と第2アクリル系バインダー樹脂の重量比が前記範囲内にある場合、露光工程の際、マスクの透過率によって、現像工程時にコラムスペーサー硬化膜の高さまたはパターン形状を容易に調節することができる。また、前記範囲を外れる場合には、二種のアクリル系バインダー樹脂に比べて多量で含有したアクリル系バインダー樹脂の単独使用時のような特性を示すため、硬化膜の高さまたはパターン形状を容易に調節することができない。
【0034】
また、前記第1アクリル系バインダー樹脂と第2アクリル系バインダー樹脂は酸性官能基(acid functional group)を含むモノマー、これと共重合可能なモノマーとの共重合体、または前記共重合体とエポキシ基を含むエチレン性不飽和化合物の高分子反応によって製造される化合物であることができる。前記のような共重合による場合、単独重合によって製造された樹脂よりフィルムの強度を高めることができる。この際、アクリル系バインダー樹脂の酸価と重量平均分子量は、酸性官能基を含むモノマー、酸性官能基を含むモノマーと共重合可能なモノマー及びエポキシ基を含むエチレン性不飽和化合物の含量によって容易に調節することができる。
【0035】
ここで、前記酸性官能基を含むモノマーの非制限的な例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、イソプレンスルホン酸、スチレンスルホン酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシル酸などがある。これらは単独で使うこともでき、2種以上混合して使うこともできる。
【0036】
また、前記酸性官能基を含むモノマーと共重合可能なモノマーの非制限的な例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アシルオクチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチルグリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、メチルα−ヒドロキシメチルアクリレート、エチルα−ヒドロキシメチルアクリレート、プロピルα−ヒドロキシメチルアクリレート、ブチルα−ヒドロキシメチルアクリレート、ジシクロフェンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロフェンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた不飽和カルボン酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、(o,m,p)−ビニルトルエン、(o,m,p)−メトキシスチレン、及び(o,m,p)−クロロスチレンよりなる群から選ばれた芳香族ビニル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、及びアリルグリシジルエーテルよりなる群から選ばれた不飽和エーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、及びN−ビニルモルホリンよりなる群から選ばれたN−ビニル三次アミン類;N−フェニルマレイミド、N−(4−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミドよりなる群から選ばれた不飽和イミド類;無水マレイン酸または無水メチルマレイン酸のような無水マレイン酸類;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた不飽和グリシジル和化合物;及びこれらの混合物などがある。
【0037】
また、前記第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂としては、酸性官能基を含むモノマーとこのモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合によって形成された共重合体に加え、前記共重合体構造にエポキシ基を含むエチレン性不飽和化合物が結合されてなる高分子化合物を一緒に使うこともできる。特に、アクリル系バインダー樹脂に提供された前記エチレン性不飽和結合は、露光による重合においては架橋結合を兼ねることもできるので、基板への接着性及び塗膜特性を向上させることができる。
【0038】
この際、アクリル系バインダー樹脂のエポキシ当量はレジスト剥離液のような化学薬品に対する耐性を向上させる役目をすることができるが、エポキシ当量が大きすぎる場合は、現像性に影響を及ぼす点などを考慮して、好ましくはエポキシ当量200〜2,000のアクリル系バインダー樹脂を用いることが好ましい。
【0039】
前述したエポキシ基を含むエチレン性不飽和化合物の非制限的な例としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボキシレート(エンド(endo)、エキソ混合物)、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンまたはこれらの混合物などがある。
【0040】
特に、硬化膜の耐アルカリ性に強い特性を考慮すると、エポキシ基を含むバインダー樹脂であることが好ましいことができる。このような点のため、アルカリ可溶性樹脂の製造の際、酸性官能基を含むモノマー以外にエポキシ基含有モノマーを併用することが好ましいことができる。
【0041】
ここで、前記エポキシ基含有モノマーの一例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどをあげることができるが、これらに限定があるものではない。
【0042】
前記アクリル系バインダー樹脂は、重量平均分子量と酸価が互いに異なるアクリル系バインダーを2種以上使うことで、現像工程の際、コラムスペーサー硬化膜のパターン安定性は維持しながら、露光工程の際、マスクの透過率によって現像の際にコラムスペーサー硬化膜の高さを容易に調節することができ、高さが異なるスペーサーを単一工程で形成させることができる効果がある。
【0043】
(B)顔料成分
本発明による感光性樹脂組成物に含まれる顔料成分は、遮光性の面で、好ましくはカーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタン酸ストロンチウム、酸化クロム及びセリアよりなる群から選ばれる1種以上であることができ、より好ましくは粒径が90〜110nmであるカーボンブラックを含むことができる。前記範囲の粒径を持つカーボンブラックを含む場合、スピンタイプ及びスピンレス(spinless)タイプのコーティングの際、流動性を付与し、プレベーク後の表面残渣及び突起防止に効果的であり、光学密度及び基板接着力の向上に効果的である。
【0044】
また、前記顔料成分は、アクリル系バインダー樹脂(第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂)100重量部に対し、10〜20重量%を含むことが好ましい。顔料成分の含量が第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂100重量部に対し、10重量部未満で使われる場合、光学密度が低下する問題点が発生し、20重量部を超える場合は、パターン安定性が低下する問題点が発生する。
【0045】
(C)光重合開始剤
本発明による感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤は、アクリル系バインダー樹脂(第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂)100重量部に対し、10〜15重量部を含むことが好ましい。この際、第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂100重量部に対し、前記光重合開始剤が10重量部未満含まれる場合、ブラックマットリックスパターン形成の際、パターンの直進性及び安定したパターンプロファイルの形成に問題があり、15重量部を超える場合、パターンの線幅が過度に増大する問題がある。
【0046】
また、前記光重合開始剤は、一例として、オキシムエステル系の化合物である1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(1−[9−ethyl−6−(2−methybenzoyl)−9H−carbazol−3−yl]−1−(O−acetyloxime))、1,2−オクタンジオン−1[(4−フェニルチオ)フェニル]−2−ベンゾイル−オキシム(1,2−octanedione−1[(4−phenylthio)phenyl]−2−benzoyl−oxime)と、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのケトン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;1,3,5−トリス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(卜リクロロメチル)−5−(2−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(卜リクロロフェニル)−s−トリアジン、フェナシルクロリド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(卜リクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;ジ−t−ブチルペルオキシドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの中で選ばれる1種以上のものであることができる。
【0047】
(D)多官能性モノマー
本発明においては、感光性樹脂組成物の中には多官能性モノマーを含むことができる。光によってフォトレジスト像を形成する役目をする多官能性モノマーは、具体的にプロピレングリコールメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレートテトラエチレングリコールメタクリレート、ビスフェノキシエチルアルコールジアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート及びジペンタエリトリトールヘキサメタクリレートよりなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることができる。
【0048】
前記多官能性モノマーは、前記第1アクリル系バインダー樹脂及び第2アクリル系バインダー樹脂100重量部に対し、0.1〜99重量部であることが紫外線による光開始剤のラジカル反応による架橋結合によってパターン形成及び顔料及び粒子成分との結合力が高くなって光学密度が増加する点が好ましい。
【0049】
(D)溶媒
本発明においては、感光性樹脂組成物の中には溶媒を含むことができ、本発明で使われる溶媒は通常の感光性樹脂組成物に使われたものと同一の溶剤を使うことができ、溶媒の一例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルグリコールメチルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、メチルエトキシプロピオネート、ブチルアセテート、エチルアセテート、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、メチルセロソルブ及びエチルセロソルブの中で選択して使うことができる。前記溶媒の含量は、本発明による感光性樹脂組成物を基準として、20〜90重量%、好ましくは60〜80重量%である。
【0050】
一方、本発明による感光性樹脂組成物は、必要によって添加剤をさらに含むことができる。添加剤の一例としては、ブラックマトリックスとコーティング基板との密着力を向上させるグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタアクリルオキシプロピル)トリメトキシシランなどのシラン系カップリング剤、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系カップリング剤、コートされた表面の接触角の改善、残渣改善などの特性を向上させるための界面活性剤などをあげることができる。
【0051】
このような組成を持つ感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する場合、単位厚さ1.0μm当たり光学密度(OD)は0.5〜1.0であることが好ましい。
【0052】
これを具体的に説明すれば、液晶ディスプレイ装置において、開口率向上などのための一環として、下部基板上、つまりアレイ基板上にカラーフィルター層を形成しており、カラーフィルター層には赤(R)、緑(G)及び青(B)画素の間にブラックマットリックスが形成される。この場合、ブラックマットリックスのマージンを最小化することができるので、究極に開口率を向上させて輝度を増進させることができる反面、下部基板の製造工程が複雑となるため、赤(R)、緑(G)及び青(B)カラーだけ下部基板に形成され、ブラックマットリックス及びコラムスペーザーは上部基板に適用することにより、工程及び製造の安定性を確保することができる。
【0053】
特に、上部基板上にブラックマットリックス及びコラムスペーサーを形成することは別途のパターン形成工程によってなされ、個別的に形成されることができる。通常、ブラックマットリックスとして知られている遮光膜形成用感光性樹脂組成物とコラムスペーサーを形成するための感光性樹脂組成物は互いに異なる組成を持ち、要求される特性も違う。
【0054】
しかし、上部基板上にブラックマットリックスとコラムスペーサーを形成する液晶ディスプレイ装置構造の技術発展を考慮するとき、ブラックマットリックスとコラムスペーサーを同時に形成させることができる組成の感光性樹脂組成物から、ブラックマットリックスとコラムスペーサーを単一のフォトリソグラフィ工程で段差を持つように形成するとか、あるいはブラックマットリックス上にコラムスペーサーを形成するとか、あるいはひいては一つのパターンでブラックマットリックスとコラムスペーサーの機能をするようにする。
【0055】
また、コラムスペーサーとして機能をするとき、スペーサーが上板と下板に共に触れ合っている既存の構造のギャップコラムスペーサーは、スペーサーの高い密度によって駆動時にムラが発生する。これを解決するために部分的にスペーサーの高さを低くして下板(押圧コラムスペーサー)と触れ合わないようにすると、駆動時のムラを改善するとともに画面に圧力が加わったとき、既存のセルギャップ支持の役目をすることができるようにする設計構造がある。
【0056】
このような側面で、本発明による感光性樹脂組成物は、遮光膜として機能するために、最小限の遮光性を満たすように単位厚さ1μm当たり光学密度(OD)が0.5〜1.0を発現することができ、このような感光性樹脂組成物を使ってコラムスペーサー硬化膜を形成するための露光工程の際、ハーフトーンマスク(Half−Tone Mask)を適用したとき、マスク透過率が100%の場合と10%の場合に最終に形成される硬化膜の高さ差が0.5μm〜1.0μmを具現することができる。
【0057】
本発明は、他の観点で、前記感光性樹脂組成物から形成されたブラックマットリックス、コラムスペーサー及びブラックマットリックス一体型コラムスペーサーよりなる群から選ばれるものを含むディスプレイ用基板に関するものである。
【0058】
より具体的に、本発明によるディスプレイ用基板は、前述した感光性樹脂組成物からフォトリソグラフィ法で形成されるブラックマットリックスを含むとか、あるいはコラムスペーサーまたはブラックマットリックス一体型コラムスペーサーをそれぞれ含むことができる。この際、前記コラムスペーザーはデュアルタイプであることができる。
【0059】
以下、本発明による感光性樹脂組成物から形成されたブラックマットリックス及びコラムスペーサーを含むディスプレイ用基板について説明すれば次のようである。
【0060】
清浄な表面を持つガラス基板などの基板上にスピンコーターによって500rpmでコートして樹脂塗布層を形成した。塗布の後、ホットプレートによって100℃の温度で100秒間乾燥させて、塗膜の厚さが3.0〜3.5μmとなるようにする。ついで、マスク(ギャップ250μm)を通じて紫外線などの活性線エネルギー線を照射エネルギー線量60mJ/cm
2の範囲で露光した。露光して得た膜を現像液(0.04%KOH水溶液、25℃)で現像(現像時間60秒)して硬化膜パターンを形成する。現像の後、220℃対流式オーブンに入れた後、30分間ポストベークを遂行する。
【0061】
単位厚さ1μm当たり硬化膜の光学密度(OD)が0.5未満であれば、多少厚さが厚くなっても適正遮光効果を発現することが難しいことがあり、硬化膜が遮光膜として機能する場合、遮光性を充分に発現することができないため、透明画素電極以外に透過されて制御されない光を遮断することができなくなる。フィルムの光学密度(OD)が1.0を超えれば、樹脂組成物内に顔料含量成分が過度に増加して、液晶ディスプレイ装置の駆動の際に液晶を汚染させる原因となる。
【0062】
このような特性を満たす感光性樹脂組成物を利用すれば、スリットマスク(slit mask)またはハーフトーンマスク(half−tone mask)でパターニングして所定の高さの段差を持つようにブラックマットリックスとコラムスペーサーを同時に形成することもでき、あるいはブラックマットリックスが形成される位置でコラムスペーサーをさらに形成するとか、ブラックマットリックスの形成時にコラムスペーサーとして機能するように形成することもできる。また、高さが互いに異なるコラムスペーサーを同時に形成することができるようにすることができる。
【0063】
また、前述した感光性樹脂組成物から形成されたコラムスペーサーにおいて露光器マスクの透過率が100%のものを適用して形成された前記コラムスペーサーの高さと露光器マスクの透過率が10%のものを適用して形成された前記コラムスペーサーの高さとの差が0.5〜1μmであることが好ましい。
【0064】
これを具体的に説明すれば、セルギャップ維持用コラムスペーサーとしての機能をするとき、スペーサーが上部基板と下部基板に共に触れ合っている既存の構造(ギャップコラムスペーサー)は、スペーサーの高い密度によって駆動時にムラが発生するため、前記高さの差が前記範囲内にある場合、下部基板と触れ合わなくなるセルギャップ維持用コラムスペーサー(押圧コラムスペーサー)が形成されることによって液晶ディスプレイ画面のムラ問題を改善するとともに、画面に圧力が加わったとき、画面と触れ合ってセルギャップの維持機能を発現する効果を得ることができるものである。
【0065】
本発明のさらに他の観点で、前記ディスプレイ用基板を上部基板に含むことを特徴とする液晶パネル、及び前記液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置に関するものである。
【0066】
本発明による液晶表示装置は、上部基板にブラックマットリックスとデュアルタイプのコラムスペーサーが形成された液晶パネルを備えることにより、工程単純化及び製造安定性を確保することができ、製造コストを格段に低めることができ、製造収率を高めることができる。
【0067】
以下、本発明の好適な実施例及び変形例を説明する。しかし、下記の実施例は本発明の好適な一実施例であるばかり、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
【0068】
<製造例1〜4>:アクリル系バインダー樹脂の製造
冷却管と撹拌器を備えた反応容器内で溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部に対し、光重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル10重量部を溶かした。ついで、重合用モノマーであるスチレン65重量部、メタアクリル酸15重量部、メタクリル酸グリシジル20重量部、及び(KBM503)20重量部を投入し、窒素置換した後、緩やかに撹拌を始めた。前記反応物の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間のうちに維持して共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は35重量%であった。これをアクリル系バインダー樹脂製造例1とした。
【0069】
下記表1は製造例1と同様な方法で実施するが、重量部の含量を異にして実施したものを記載したものである。
【0070】
また、下記の表2は製造例1〜4で製造されたアクリル系バインダー樹脂の酸価及び重量平均分子量を示したものである。
【0071】
【表1】
(注)MAA:メタアクリル酸、
GMA:メタアクリル酸グリシジル、
Sty:スチレン
KBM503:3−(メタアクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン(Shin−Etsu Chemical)
開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0072】
【表2】
前記酸価及び重量平均分子量は下記の方法で測定した。
【0073】
1)酸価:酸価とは酸(acid)1gを中和させるのに必要なKOH(水酸化カリウム)のmgの数を意味する。試料1gを取り、アセトン(acetone)10gに溶かした後、フェノールフタレイン指示薬を2〜3滴の量で加えた後0.1N(ノルマル)濃度のKOHを水溶液で滴定して溶液が透明な色から桃色を帯びる地点をKOH mg数とする。酸価を求める式は次のようである。
【0074】
酸価(KOH mg/g)=(0.1×122.13×KOHの滴定量)÷(試料量(g)×1000)
2)重量平均分子量:Varian社のGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)システムを用いて測定した。
【0075】
<実施例1〜3及び比較例1>:感光性樹脂組成物の製造
前記製造例1〜4で製造されたアクリル系バインダー樹脂に、カーボンブラック(KLBK−9232、Tokushiki社製、粒径90nmのもの)を投入し、多官能性モノマー(ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート)及び光重合開始剤(I−242、Irgacure社製)を入れ、溶媒(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))とその他の添加剤を入れ、3時間のうちに撹拌して感光性樹脂組成物を製造した。
【0076】
ここで、重量部はバインダー樹脂固形分含量100重量部に対する重量部で表記したものである。
【0077】
【表3】
(注)樹脂成分:全体組成の10〜20重量%
DPHA:ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート
PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
GPTMS:グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シリコン系化合物)
BK−9232:TOKUSHIKI社カーボンブラック顔料分散液
前記比較例1及び実施例1〜3で製造された感光性樹脂組成物に対し、現像開始時間、現像パターン安定性、光学密度、マスク透過率別にコラムスペーサーの高さ測定、残渣などを次のような方法で測定したところ、その結果は下記表4のようである。
【0078】
(1)硬化膜形成法
比較例1及び実施例1〜3で収得された感光性樹脂組成物から次のような方法で硬化膜パターンを形成した;清浄な表面を持つガラス基板上にスピンコーターによって300rpmでコートして樹脂塗布層を形成した。塗布の後、ホットプレートによって100℃の温度で100秒間乾燥させて塗膜の厚さが3.5μmとなるようにした。ついで、マスク(ギャップ250μm)を通じて紫外線などの活性線エネルギー線を照射エネルギー線量60mJ/cm
2の範囲で露光した。露光して得た膜を現像液(0.04%KOH水溶液、25℃)で現像(現像時間60秒)して硬化膜パターンを形成した。現像の後、230℃の対流式オーブンに入れた後、30分間ポストベークを遂行した。
【0079】
(2)現像開始時間
現像開始時間は、樹脂ブラックマトリックスをガラス基板にコーティング−プレベーク−露光工程を遂行した後、現像工程によって樹脂ブラックマトリックスが現像されてパターンが形成され始める時間を肉眼で確認した。
【0080】
(3)現像パターン安定性
現像パターン安定性は、樹脂ブラックマットリックスをガラス基板にコーティング−プレベーク−露光工程を遂行した後、現像工程で樹脂ブラックマットリックスが現像されてパターンが形成され始めた後(現像開始時間)、一定時間別に現像を実行し、光学顕微鏡でパターンの線幅及びパターンの直進性などを確認した。現像時間を5秒単位にしてパターンの線幅が減少する程度が1μm以下である区間を確認した。
【0081】
(4)光学密度
前記のように収得した硬化膜に対し、(株)大塚電子のPMT装備を使い、光学密度2.4のreferenceを使って光学密度を測定して下記表4に記載した。
【0082】
(5)残渣
SEMを用いて現像後の残渣有無を確認した。
【0083】
(6)マスク透過率別にコラムスペーサー高さ(μm)の比較
コラムスペーサーの形成のための露光工程の際、透過率が100%であるマスクを適用した場合と透過率が10%であるマスクを適用した場合の2種類の工程を進めた。露光して得た膜を現像液(0.04%KOH水溶液、25℃)で現像(現像時間60秒)して硬化膜パターンを形成した。現像の後、230℃対流式オーブンに入れた後、30分間ポストベークを遂行した。前記のように収得した硬化膜に対し、3−D profilerを用いて、スペーサーの高さ差を比較した。
【0084】
【表4】
前記表4の結果から、比較例1の実験結果によれば、アクリルバインダー1種だけ使った場合、透過率10%のマスクを適用したときにスペーサーの高さ減少がほぼ発生しなかった。製造例2及び3はそれぞれ製造例1と比較して分子量を減少させるために重合開始剤の含量を増加させたバインダーで、実施例1及び2の場合、製造例1及び2または3の2種のバインダー樹脂を混合したときにスペーサーの高さ減少が大きくなった。また、製造例3の場合、製造例2と比較するとき、現像性を増加させるためにメタクリル酸の含量を増加して製造したが、これを適用した実施例3の場合、実施例2と比較して見るとき、スペーサーの高さ減少がもっと発生したことを分かる。
【0085】
この結果から、実施例1〜3は適正の遮光性を持ちながらも露光時にマスクの透過率を調節してデュアル(dual)タイプのコラムスペーサーを形成することができる最適の組成物であることが分かる。
【0086】
本発明の単純な変形または変更はいずれもこの分野の通常の知識を持った者によって容易に実施することができ、このような変形や変更はいずれも本発明の領域に含まれるものに見なされる。