特許第5901784号(P5901784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5901784MMEおよびMMEプールの負荷分散システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901784
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】MMEおよびMMEプールの負荷分散システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20160331BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20160331BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20160331BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20160331BHJP
【FI】
   H04W24/04
   H04W92/14
   H04W88/18
   H04W28/08
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-537141(P2014-537141)
(86)(22)【出願日】2012年10月15日
(65)【公表番号】特表2014-533011(P2014-533011A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】US2012060271
(87)【国際公開番号】WO2013059128
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2014年6月17日
(31)【優先権主張番号】13/631,264
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/549,166
(32)【優先日】2011年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベラマティ,ムラリ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ファーリー,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】カリッペ,ジョエル・アール
(72)【発明者】
【氏名】セルバム,ミーナ
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/030799(WO,A1)
【文献】 特開2010−288277(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0235505(US,A1)
【文献】 特開2003−199136(JP,A)
【文献】 特開2004−080433(JP,A)
【文献】 Huawei,Load balancing and overload handling,S2-085522,フランス,3GPP,2008年 8月19日,paragraph 2
【文献】 Ericsson,Capacity factor for S1 load balancing,R3-080631,フランス,3GPP,2008年 3月26日,paragraph 2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モビリティ管理エンティティ(MME負荷を管理する方法であって、
移行元MMEで、および、前記移行元MME中の複数の処理構成要素のそれぞれにおいて個別に、eNodeB負荷の指標を監視するステップと、
前記負荷の指標が、前記移行元MMEおよび前記移行元MME中の複数の処理構成要素に対するポリシー定義しきい値レベルのうちの1つ以上えたことに応じて、対象MMEおよび移行元MMEの対象処理構成要素のうちの1つ以上に1つ以上のeNodeBの責任を移行させるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記移行させるステップが、
対象MMEに対して、対象MMEに移行すべきeNodeBへのリンクを形成させるようになされたメッセージを送信するステップと、
移行すべきeNodeBと移行元MMEとの間の既存リンクを予備リンクに変更するステップと、
対象MMEに対して、移行すべきeNodeBに関する状態情報を送信するステップと、
移行元MMEで移行すべきeNodeBに関する新規サービスの受け入れを防止するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象MMEに対して、移行すべきeNodeBに関するユーザ状況情報を送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザ状況情報が、それぞれのユーザについて、使用される一般的なサービスゲートウェイ(SGW)の1つまたは複数に関する情報と、一般的なユーザデータ/通話パスと、PCRFルールと、認証データと、データプランパラメータと、ローミング情報と、訪問先情報と、ホーム情報と、ユーザ通話ルーティングプリファレンスとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移行元および対象MMEが、単一のMME内の異なる処理構成要素、MMEプール内の異なるMME、および異なるMMEプール内のMMEのいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記eNodeB負荷の指標および前記しきい値レベルが、ネットワーク管理システムから受信したポリシー情報によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各MMEのポリシー定義しきい値レベルが、それぞれのサポートされたeNodeBのユーザに対応付けられた、加入者タイプ、サービスタイプ、およびサービス内容合意書(SLA)のうちの1つ以上に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各MMEに対して、1つ以上対象MMEを定義するステップと、
各MMEに、1つ以上の対象MMEのそれぞれと「キープアライブ」情報を通信させるステップと、
対象MMEの優先順位に基づいてeNodeBの移行を適応させるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
モビリティ管理エンティティ(MME負荷を管理する装置であって、
移行元MMEで、および、前記移行元MME中の複数の処理構成要素のそれぞれにおいて個別に、eNodeB負荷の指標を監視し、
前記負荷の指標が、前記移行元MMEおよび前記移行元MME中の複数の処理構成要素に対するポリシー定義しきい値レベルのうちの1つ以上えたことに応じて、対象MMEおよび移行元MMEの対象処理構成要素のうちの1つ以上に1つ以上のeNodeBの責任を移行させるために構成されたプロセッサを含む、装置。
【請求項10】
命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、命令がコンピュータによって実行されると、コンピュータに、モビリティ管理エンティティ(MME負荷を管理する方法を実施させ、方法は、
移行元MMEで、および、前記移行元MME中の複数の処理構成要素のそれぞれにおいて個別に、eNodeB負荷の指標を監視するステップと、
前記負荷の指標が、前記移行元MMEおよび前記移行元MME中の複数の処理構成要素に対するポリシー定義しきい値レベルのうちの1つ以上えたことに応じて、対象MMEおよび移行元MMEの対象処理構成要素のうちの1つ以上に1つ以上のeNodeBの責任を移行させるステップとを含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2011年10月19日に出願した係属中の米国仮出願第61/549,166号「MMEおよびMMEプールの負荷分散システムおよび方法」の利点を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に通信ネットワークに関し、より詳細には、モビリティ管理エンティティ(MME)の負荷分散に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
モビリティ管理エンティティ(MME)は、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、アイドルモードUE(ユーザ装置)の追跡、および再送信を含むモビリティ管理エンティティ(MME)プロシージャの呼び出しを行う役割を果たす。MMEは、ベアラアクティブ化/ディアクティブ化に関与し、初期アタッチ時およびコアネットワーク(CN)ノード再配置を伴うLTE内ハンドオーバ時にUEのSGWを選択する。MMEは、(HSSとの対話による)ユーザの認証、UEに対する仮識別子の作成および割り当て、UE認証の確認によるサービスプロバイダの公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)へのキャンプオン、UEローミング規制の強化等の役割を果たす。
【0004】
また、MMEは、ネットワークにおける終端点であり、非アクセス層(NAS)信号伝達のための暗号化/完全性保護およびセキュリティキー管理の補助を行う。MMEは、信号伝達の合法的な遮断もサポートする。MMEはまた、SGSNからMMEで終端するS3インターフェイスを用いた、LTEと2G/3Gアクセスネットワークとの間の移動性のための制御プレーン機能を提供する。さらに、MMEは、UEローミングのために、ホームHSSに対してS6aインターフェイスを終端させる。
【0005】
あるMMEから別のMMEへeNodeBを移行させる処理は、手動で行われている。例えば、あるMMEが12,000個のeNodeBを扱っており、その半分を別のMMEに移行させたい場合、それぞれのeNodeBを手動で初期状態に戻して、別のMMEとのセッションを確立しなければならない。この作業には時間がかかり、エラーが発生しやすい。この処理の高速化を容易にするツールが存在するとしても、まだかなりの手動による設定が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の種々の問題に対して、MMEおよびMMEプールのポリシー駆動型負荷分散のためのシステム、方法、および装置が、MMEおよび/またはMME処理要素またはモジュール間でeNodeBサービス責任を移行することによって対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各種の実施形態では、特定のMMEが過負荷状態にあるという指示に応答する。各種の実施形態は、移行元MMEでのeNodeB負荷の指標をモニタリングし、その負荷の指標がポリシー定義のしきい値を越えたことに応答して、1つまたは複数のeNodeBに対する責任を対象MMEに移行させるよう設計されている。その移行は、対象MMEに対して、対象MMEが移行されるeNodeBへのリンクを形成するようになされたメッセージを送信し、移行されるeNodeBと移行元MMEとの間の既存リンクを予備リンクに変更し、移行されるeNodeBに関する状態情報を対象MMEに送信し、移行元MMEにおいて移行されるeNodeBに関する新規サービスの受け入れを阻止することで実現できる。
【0008】
本発明の教示は、以下に示す添付の図面と共に、下記の詳細な説明を斟酌することで容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る管理システムを含む無線通信システムの例を示す図である。
図2図1の管理システムとしての使用に適した管理システムの例を示す図である。
図3】一実施形態に係る方法のフロー図である。
図4】複数のMMEプールを図示する図である。
図5】本書に記載の機能を実行する際の使用に適したコンピュータの上位ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解しやすくするために、図面全体で共通する同一の構成要素は、可能な限り同一の参照符号を用いて示している。
【0011】
本発明の実施形態は、主にロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク内のネットワーク管理システム(NMS)およびモビリティ管理エンティティ(MME)に関して説明する。当業者および本書に教示の知識を持つ者であれば、各種の実施形態が、その他のタイプの無線ネットワークに対応付けられたデータオブジェクトの管理にも適用可能であることが理解されるであろう。
【0012】
図1は、一実施形態に係る管理システムを含む無線通信システムの例を示す。詳細には、図1は、複数のユーザ装置(UE)またはユーザ機器(UD)102と、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク110と、IPネットワーク130と、管理システム(MS)140とを備える無線通信システム100の例を示す。
【0013】
LTEネットワーク110は、UE102とIPネットワーク130との間の通信をサポートする。MS140は、図4のMS400に関する記載、さらに本書の説明にあるような、LTEネットワーク110のための各種管理機能をサポートするよう構成されている。
【0014】
UE102は、LTEネットワーク110などの無線ネットワークにアクセス可能な無線ユーザデバイスである。UE102は、ベアラセッションのサポートにおいて制御信号の伝達をサポートすることができる。UE102は、電話、PDA、コンピュータ、またはその他の無線ユーザデバイスであってもよい。
【0015】
LTEネットワークの構成および作用は、当業者には理解されているであろう。例示のLTEネットワーク110は、複数のeNodeB11111−111NX(eNodeB111と総称)と、複数のサービングゲートウェイ(SGW)11211−112N1(SGW112と総称)と、少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)113と、複数のモビリティ管理エンティティ(MME)114および114N1(MME114と総称)と、少なくとも1つのポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)115とを含む。
【0016】
eNodeB111、SGW112、PGW113、MME114、PCRF115、および分かりやすくするために説明を省略した各種のLTEネットワーク構成要素は、協働することで、IPを用いたエンドツーエンドサービスの配信をサポートする発展型パケットコア(EPC)ネットワークを提供する。
【0017】
eNodeB111は、各UE102のグループに対して無線アクセスインターフェイス機能を提供する。図1に示すように、各eNodeB111は、それぞれ複数のUE102をサポートする。eNodeB111とUE102との間の通信は、各UE102に対応付けられたLTE−Uuインターフェイスを用いてサポートされる。
【0018】
SGW112は、各種の複数のeNodeB111のための通信をサポートする。図1に示すように、第1のSGW112(SGW11211として図示)は、第1の複数のeNodeB111(eNodeB11111−1111xとして図示)の通信をサポートするように図示され、一方第NのSGW112(SGW 112N1として図示)は、第Nの複数のeNodeB111(eNodeB111N1−111Nxとして図示)の通信をサポートするよう図示されている。SGW112とそれらのeNodeB111との間の通信は、S1−uインターフェイスを用いてサポートされる。S1−uインターフェイスは、ハンドオーバ時に、ベアラ当たりのユーザプレーントンネリングおよびeNodeB間のパス切り替えをサポートする。当然のことながら、SGW112がサポートするeNodeBの数は、図示より多くても少なくてもよい。
【0019】
PGW113は、SGW112の通信をサポートする。PGW113とSGW112との間の通信は、それぞれS5/S8インターフェイスを用いてサポートされる。S5インターフェイスは、PGW113とSGW112との間の通信に対するユーザプレーントンネリングおよびトンネル管理、UEの移動によるSGWの再配置等の機能を提供する。S8インターフェイスは、S5インターフェイスの公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)の変形であって、ビジターPLMN(VPLMN)のSGWとホームPLMN(HPLMN)のPGWとの間のユーザおよび制御プレーン接続性を提供するPLMN間インターフェイスを与える。。PGW113は、例示のように、SGiインターフェイスを介してLTEネットワーク110とIPネットワーク130との間の通信を容易にする。
【0020】
MME114は、eNodeB111をサポートしており、UE102をサポートする際のモビリティ管理機能を提供する。特に、各MMEは、各eNodeBグループをサポートするように図示されている。例えば、MME11411はeNodeB11111−1111Xをサポートし、MME11421(図示しない)はeNodeB11121−1112Xをサポートし、そしてMME114N1はeNodeB111N1−111NXをサポートする。MME114とeNodeB111との間の通信は、MME114とeNodeB111との間の通信のための制御プレーンプロトコルを提供する、それぞれのS1−MMEインターフェイスを用いてサポートされている。
【0021】
特定のMME114によってサポートされるeNodeB111は変更されることもある。各種の実施形態では、MMEによってサポートされるeNodeBグループは時間と共に変化し、特定のeNodeBグループ内のeNodeBも時間と共に変化等する。一般的に、各MME114は、数個のeNodeB111、数人の加入者、数個のサービス等をサポートすることができる。
【0022】
一般的に、各MME114は、図1に図示され、本書でより詳細に検討するように、有限個のeNodeBと対応付けられている。さらに、本書に示す各種MME114は、1つまたは複数のMMEグループとして構成することができる。時には、特定のMMEまたはMMEプールが過剰に使用される(例えば、展示会や大統領の訪問等のトラフィックが急増するイベントが発生する)と、MMEの使用バランスが崩れることがある。この場合、数個のeNodeBを、過剰に使用されたMMEから(同一のプールまたは異なるプール内の)1つまたは複数のあまり使用されていないMMEに移行させて、MMEに対する負荷分散機能を実施する必要がある。
【0023】
各種の実施形態では、本書に示すMME114は、1つまたは複数のMMEプールとして構成してもよく、その場合、各MMEプールは、以下に詳述するサポートされたeNodeBに対する各種の負荷分散機能を実施するように動作する。詳細には、複数のMMEを1つのMMEプール内に設けてもよい。複数のMMEプールを設けてもよい。各MMEは、有限個のeNodeBを扱うことができ、典型的には特定の地理的地域内でeNodeBを扱う。よって、各種の実施形態では、複数のMMEプールが設けられ、各MMEプールは例として8個のeMMEを含む。第1のMMEプールはMME11−MME18を含み、第2のMMEプールはMME21−MME28を含み、そして第NのプールはMMEN1−MMEN8を含む。
【0024】
MMEプール内の各種MMEは相互を認識しており、このプール内のどのMMEが新規セッションの大部分を受け入れるか(すなわち、どのMMEがセッションを受け入れる最大容量を有するか)をグループとして決定することができる。新規のセッションは、ラウンドロビンまたはその他の分散割り当て技術を介して、相対使用レベルの決定等に基づいて、MMEプール間で割り当てることができる。ネットワーク管理制御は、以下に詳細に検討するように、MMEプール内およびMMEプール間のeNodeB移行の観点から、追加オプションを提供する。
【0025】
PCRF115は、動的管理機能を提供し、それによって、サービスプロバイダは、LTEネットワーク110を介して提供されるサービスに関するルール、およびLTEネットワーク110を介して提供されるサービスの課金に関するルールを管理することができる。
【0026】
図1に示すように、LTEネットワーク110の構成要素は、構成要素間のインターフェイスを介して通信する。LTEネットワーク110に関して説明するインターフェイスは、セッションとも称され得る。
【0027】
LTEネットワーク110は、発展型パケットシステム/ソリューション(EPS)を含む。一実施形態では、EPSはEPSノード(例えば、eNodeB111、SGW112、PGW113、MME114およびPCRF115)およびEPS関連の相互接続性(例えば、S*インターフェイス、G*インターフェイス等)を含む。EPS関連のインターフェイスは、ここではEPS関連パスと称する。
【0028】
IPネットワーク130は、1つまたは複数のパケットデータネットワークを含み、それらを介してUE102がコンテンツ、サービス等にアクセスできる。
【0029】
MS140は、LTEネットワーク110を管理するための管理機能を提供する。MS140は、任意の適した方式でLTEネットワーク110と通信できる。一実施形態では、例えば、MS140は、IPネットワーク130を横断しない通信パス141を介してLTEネットワーク110と通信できる。一実施形態では、例えば、MS140は、IPネットワーク130によってサポートされている通信パス142を介してLTEネットワーク110と通信できる。通信パス141および142は、任意の適した通信機能を用いて実現できる。ここで、図1のMS140としての使用に適した管理システムの例を、図2を参照して記載、説明する。
【0030】
図2は、図1の管理システムとしての使用に適した管理システムの例を示す図である。図2に示すように、MS140は1つまたは複数のプロセッサ210と、メモリ220と、ネットワークインターフェイス230Nと、ユーザインターフェイス230Iとを含む。プロセッサ210は、メモリ220、ネットワークインターフェイス230N、ユーザインターフェイス230Iのそれぞれと接続されている。
【0031】
プロセッサ210は、メモリ220、ネットワークインターフェイス230N、ユーザインターフェイス230Iおよびサポート回路240と協働して、LTEネットワーク110のための各種の管理機能を提供するように適用されている。
【0032】
メモリ220は、一般的に、LTEネットワーク110のための各種の管理機能を提供する上で使用されるように適用されているプログラム、データ、ツール等を記憶する。メモリは、ネットワークトポロジを見出すことおよび保守すること、各種モバイルサービスのサポート等のネットワーク管理機能を実施するように構成される、各種の管理システム(MS)プログラミングモジュール222とMSデータベース223とを含む。さらに、メモリ220は、しきい値監視エンジン(TME)228と負荷分散エンジン(LBE)229とを含む。
【0033】
一実施形態では、MSプログラミングモジュール222、TME228、およびLBE229は、本書に記載および説明された各種の管理機能を実施するためのプロセッサ(例えば、プロセッサ210)によって実行されるソフトウェア命令を用いて実現される。
【0034】
ネットワークインターフェイス230Nは、LTEネットワーク110内の各種ネットワーク構成要素、ノード、およびその他のエンティティとの通信を容易にして、MS140によって実施される管理機能をサポートするように構成される。
【0035】
ユーザインターフェイス230Iは、1つまたは複数のユーザワークステーション(ユーザワークステーション250として図示)との通信を容易にして、1人または複数のユーザがLTEネットワーク110のための管理機能を実施できるように構成される。
【0036】
上述したように、メモリ220は、本書に記載および説明された各種機能を提供するように協働するMSプログラミングモジュール222と、MSデータベース223と、TME228と、LBE229とを含む。主にメモリ220の特定のエンジンおよび/またはデータベースを用いて実施される特定の機能について記載および説明したが、当然のことながら、本書に記載および説明された管理機能はいずれも、メモリ220の任意の1つまたは複数のエンジンおよび/またはデータベースによって、および/またはそれらを用いて実施できる。
【0037】
MSプログラミングモジュール222は、MS140を、上述のUE102、eNodeB111、サービングゲートウェイ(SGW)112、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)113、モビリティ管理エンティティ(MME)114、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)115を含むネットワーク構成要素、その他(図示しない)の各種ネットワーク構成要素、およびそれらの間の各種通信リンクを管理するよう動作させる。MSデータベース223を用いて、トポロジデータ、ネットワーク構成要素データ、サービス関連データ、およびその他の管理システム140の動作に関するデータを格納する。MSプログラム222は、各種のサービスアウェアマネジャ(SAM)またはネットワークマネジャ機能を実現できる。
【0038】
TME228およびLBE229は、本書で説明するような各種のMME負荷分散実施形態を実現する。TME228およびLBE229は、MSプログラミングモジュール222と協働して、LTEネットワーク110内のMME114に関する状態、負荷、および/またはその他の動作データを受信する。TME228は、負荷が1つまたは複数のMME負荷しきい値レベルを、負荷分散手続きの実行が妥当である程に超過しているかどうかを判定するよう動作する。負荷分散が妥当である場合、LBE229は、負荷分散手続きを実行して、MME114に1つまたは複数のMME114またはMME114内の処理モジュールに対して所望のeNodeBサービス負荷を達成させるように適用されたポリシーを、MME114に伝達する。
【0039】
各種の実施形態では、しきい値監視エンジン(TME)を用いて、1つまたは複数の監視パラメータが特定のしきい値レベルに達したかどうかを判定する等の各種のしきい値監視および管理処理を実行する。同様に、負荷分散エンジン(LBE)を用いて、近隣のMME、ネットワーク管理システム、および/またはその他のネットワーク構成要素と対話して、MME間でサービスを受けるeNodeBを変更または移行させたり(MME間負荷分散)、MME内のプロセッサ/ルーティングエンティティ間でサービスを受けるeNodeBを変更または移行させたり(MME内負荷分散)する等の各種の負荷分散処理を実行する。
【0040】
ネットワーク管理の実施において、しきい値監視エンジン(TME)228は、MMEプール内の全てのMME(例えば、特定の地理的地域においてサービスを行う複数のMME、または展示会等の一時的なサービス増加に適応するようにされた複数のMME)に対して、現在の負荷レベルを確認するよう動作する。これは、各MMEプールに対応付けられたSAM固有のオブジェクトである。しきい値監視エンジン(TME)228は、特定のプールに関連するMMEの全ての情報を計算し、集約する。このような複数のプールオブジェクトは、SAMによって処理されて、プール可用性レベルの情報が把握される。一実施形態では、1つのTMEが全てのMMEプールを監視する。
【0041】
運営にあたっては、ネットワークまたはシステムオペレータのポリシーまたはプリファレンスによって、ネットワーク内のMMEが過負荷状態であると考えられる使用レベルが定義される。ネットワークポリシーは、特定の過剰使用レベルを、60%、75%、90%等に規定しており、異なる緊急度または重要性に応じた使用しきい値レベルを示している。
【0042】
これらのポリシーは、しきい値レベルに達したか否かを判定する上で監視される特定のパラメータを定義していてもよい。ネットワークポリシーは、MME使用レベルを直接的に示す1つまたは複数のパラメータを定義していてもよい。また、ネットワークポリシーは、MME使用レベルを判定するのに用いられる複数の要素間の関係を定義していてもよい。いずれの場合においても、使用レベルの指標が処理されて、使用レベルのしきい値に達したのは1つまたは複数のMMEか、もしくはMME内の処理構成要素/モジュールか否かを判定する。
【0043】
異なるMMEおよび/またはMMEプールを、異なるポリシーに対応付けてもよい。例えば、より堅固または信頼性の高いMMEを、他のMMEより高い使用レベルで動作させるようにしてもよい。同様に、サービスの中断を許容できる(または冗長化やサービスレベルの改善に対する費用を負担したがらない)顧客に対応付けられたMMEを、eNodeB負荷の移行前には高い使用レベル(例えば90%)で動作させるようにしてもよい。一方、冗長化および/または高品質のサービスレベルを要求する顧客に対応付けられたMMEを、eNodeB負荷の移行前には低い使用レベル(例えば50%)で動作させるようにしてもよい。
【0044】
MMEまたはMMEプールに対応付けられた状態、アラーム、またはその他の動作データが監視され、ポリシーデータ、および/または必要に応じて更新されるポリシーデータによって定義されるしきい値と照合される。この照合によって(定義済みの)過剰使用の状態が判明したとき、TMEはポリシー情報を用いて、どのMMEからどのeNodeBを、どの対象MMEに、どの順番で移行させるかどうか等を判定する。この目的で、各MMEを「次の」MMEまたは「対象」MMEと対応付けてもよい。各MMEを、一連の可能な次のMMEまたは対象MMEと対応付けてもよい(例えば、あるポリシー駆動型基準に基づいて「次善の」MMEを選択する)。
【0045】
各種の実施形態では、ポリシー定義のしきい値レベルを、複数のMME状態指標を処理することで導き出し、それによって近いうちに発生する過剰使用状態を予測する。
【0046】
各種の実施形態では、移行元MMEおよび対象MMEは、単一のMME内で異なる処理構成要素またはモジュールを含む。各種の実施形態では、移行元MMEおよび対象MMEは、1つのMMEプール内で異なるMMEを含む。各種の実施形態では、移行元MMEおよび対象MMEは、異なるMMEプール内でMMEを含む。各種の実施形態では、移行元MMEおよび対象MMEは、MME内処理構成要素またはモジュール、MME間および/またはMME内プール移行の組み合わせを備えていてもよい。
【0047】
図3は、一実施形態に係る方法のフロー図である。詳細には、図3は、負荷分散処理が必要なしきい値レベルに達したMMEを示すしきい値監視エンジン(TME)からの信号に応答して、負荷分散エンジン(LBE)229を呼び出す方法300を示す。LBE229はこれに応えてeNodeBサポート責任を移行させる。
【0048】
ステップ310では、eNodeBを1つまたは複数の移行元MMEまたはMME処理モジュールから移行させるべきであると判定する。ステップ欄315を参照して、この判定は、MME状態/アラームデータ、ネットワーク状態/アラームデータ、ネットワークオペレータポリシー、サービス内容合意書(SLA)および/またはその他の情報に関して行われる。
【0049】
各種の実施形態では、各MMEに対して1つまたは複数の対象MMEが定義され、MME間で「キープアライブ」情報および/またはその他の情報がやり取りされる。このように、過負荷状態になったMMEは、速やかにeNodeBを優先順位の付いた対象MMEリスト内の次位の1つに移行させることができる。
【0050】
ステップ320では、1つまたは複数の移行元MMEから移行されるeNodeBと1つまたは複数の対象MMEとの間に新規リンクが形成され、一方でこれらeNodeBから移行元MMEへの既存リンクも当面の間存続させて、これら古いリンクを「予備」リンクとする。
【0051】
新規リンクは、1つまたは複数の個々の対象MMEまたは対象MMEプールへのリンクを含んでいてもよい。対象がプールレベルである場合、プール管理エンティティが、プール内のMMEメンバー間の新規リンクの配分を扱う。新規リンクは形成されているが、まだ有効になっていないため、eNodeBとMMEとの間の通話をサポートしていない。
【0052】
古いリンクは、「予備」またはその他の状態にされているので、古いリンクが扱う1つまたは複数の移行元MMEは、新規の接続または呼び出しを受け入れることはない。それでもeNodeBはこれらのリンクを使用しようとするが失敗し、それによってバックアップMME等が使用されることになる。
【0053】
また、ステップ320では、各種のチェックポイントおよび検証が実施される。詳細には、新規リンクの形成時に、新規リンクに関する使用またはその他のデータが収集され、可能性のある対象MME同士が比較されて、「次善の」MMEまたはMMEプールが検出される。場合によっては、対象MMEがすでに過剰使用状態であるか、または移行されるeNodeBが全て対象MMEに接続された場合には過剰使用状態になり得ることもある。この中間処理ステップは、LBEによって導き出された移行ソリューションが依然として有効または有用であることを保証するために行われる。
【0054】
一実施形態では、このチェックポイント/検証は完全自動化されている。一定の基準が満たされているか満たされていない場合に移行を行う代替移行プラン(デフォルトまたはポリシー駆動)が存在する。
【0055】
一実施形態では、このチェックポイント/検証は手動で行われるか、または一部自動化されている。一定の基準が満たされているか満たされていない場合、ネットワークオペレータにエラー表示またはアラームが発行され、ネットワークオペレータがより詳細に移行を検討する必要があると通知する。そこで、代替移行プランがオペレータによって選択される。
【0056】
ステップ330では、本方法によって、移行元MMEから全てのeNodeB状態情報およびその他の情報を引き出す処理が開始され、対象MMEに全ての移行すべきeNodeBを通知する。これには2つのステップが含まれる。すなわち、(1)新規の呼び出しの受け入れを停止する、(2)1つまたは複数の移行元MMEから1つまたは複数の対象MMEまたはMMEプールに、ユーザ状況(例えば、動的ユーザデータおよびその他のユーザデータ、ユーザが使用する一般的なSGW、一般的なユーザデータ/通話パス、ユーザのためのPCRFルール、認証データ、データプランパラメータ、ローミング情報、訪問先情報、ホーム情報、ユーザ通話ルーティングプリファレンス等)および関連するデータを移行させる。
【0057】
ステップ340では、古いもしくは移行元MMEはそれぞれ、移行中のeNodeBに関する呼び出しの受け入れを停止するよう指示され、一方で新しいもしくは対象MMEは、移行中のeNodeBに関する呼び出しの受け入れを開始するよう指示される。例えば、ステップ310で確立された新規リンクがアクティブ化する。
【0058】
ステップ350では、データベースロック/ロック解除機能が用いられて、eNodeBを表すオブジェクトが移行元MMEから移行先MMEに確実に競合を回避するように移行され、それによって、通話、ビデオストリーム、および/またはその他のモバイルサービスが、新しいMMEに移行されたeNodeBで配信されるようになる。
【0059】
移行前、移行中および/または移行後に、LBEは、管理システムに追加情報を提供しており、その情報は、(a)統計データと、(b)アラームと、(c)イベントと、(d)監視データとを含む。このように、eNodeBユーザに対するサービスの影響または中断を回避または最小限にしながら、ユーザサービスがMMEカード、MME、またはMMEプール間をそれぞれのeNodeBと共に移行する。
【0060】
本書で説明する各種の実施形態は、ポリシー駆動MME負荷分散手法を考慮するものであり、ここでは、ネットワーク管理システム(NMS)またはその他の管理エンティティが、MMEプールを定義し、リソースの使用を示す監視パラメータや過剰使用または過剰使用に近いレベルを示す性能/しきい値レベルを選択する等して、MME負荷分散ポリシーを実施する。
【0061】
ここで考慮するポリシーベースの機構は、個々のMMEおよび/またはMMEグループの動作をネットワーク管理目的と一致するように適応させる。異なるMMEが、異なるポリシーパラメータを受信してもよい。異なるポリシーパラメータが、加入者タイプ、データタイプ、サービス内容合意書(SLA)、サービスプロバイダ情報等に基づいて、異なるeNodeBに適用されてもよい。よって、各MMEのポリシー定義しきい値が、それぞれサポートされたeNodeBのユーザに関連する加入者タイプ、サービスタイプ、およびサービス内容合意書(SLA)のうちの1つまたは複数に応じて適用されてもよい。
【0062】
各種の実施形態では、ネットワーク管理レベルポリシーが実施されて、MMEにロードされる。自動負荷分散エンジンが作動して、他のMMEによって管理されるべき各種UEをサポートするeNodeBをオフロード/移行させることができる。例えば、MMEプール内の特定のMMEや、あるMMEの制御カード内の特定のMMEに関連するアラーム等を、ネットワーク管理システムによって実行される「MMEプール負荷分散ポリシー」等の管理ポリシーによって定義される再分配フラッグに対応付けてもよい。例えば、ネットワーク管理システムは、1つまたは複数のMMEを、それらのMME間または他のMMEとの間の負荷バランスeNodeBサービス要件に合わせて自律的に動作させるようにしてもよい。
【0063】
各種の実施形態では、ネットワーク管理レベルポリシーが実施されて、使用レベルがしきい値レベルを越えた等のトリガー条件に応答して、自動的にeNodeBを他のMMEまたはMMEプールに移行させる。このポリシーは、各移行元MMEに対して、各種のしきい値レベル(例えば、移行をトリガーする使用レベル率)、対象MMEまたはMMEプール等を特定する。
【0064】
各種の実施形態では、ネットワーク管理レベルポリシーが実施されて、プール間移行を可能にするが、その場合、同一のMMEプール内のMMEは相互を認識するが、異なるプール内のMMEを認識することはない。特に、「MMEプール負荷分散ポリシー」と称され、ネットワーク管理システム(例えば、サービスアウェアマネジャ)を介して実行されるポリシーは、関連するMMEに十分な情報を提供して、eNodeBのプール間移行を可能にする。このポリシーを用いて、デフォルトポリシーをしきい値レベル(%)、移行元または移行先MME等を含み得るように構成してもよい。
【0065】
ネットワーク内のMMEの各種管理制御を、ポリシーを介して実行してもよい。例えば、特定のMMEカード、MME、またはMMEグループの過剰使用を定義する特定のパラメータを、ポリシーを介して必要に応じて構成してもよい。さらに、過剰使用に対して実行すべき特定の処理を構成してもよい。また、対象の移行先MMEおよび/またはプールを構成してもよく、個々のパラメータまたはノード固有のパラメータを変更等してもよい。
【0066】
上記の実施形態は、主に、しきい値監視エンジン(TME)および負荷分散エンジン(LBE)が管理システムレベルとして例示されるように実装された実施形態向けになされたものである。その他の各種の実施形態では、TMEおよびLBE機能の一方または両方(あるいはそれらの一部)がMME114の1つまたは複数で実施される。
【0067】
そこで、各種の実施形態では、TME/LBE機能の全部または一部が1つまたは複数のMME114で実施され、各種のMME114間またはMME114内の処理モジュール間の負荷バランスeNodeBサービス要件に合わせて局所的自律機構または半自律機構を提供する。
【0068】
各種の実施形態では、ネットワークマネジャからMMEに与えられたポリシーベース命令が、eNodeB負荷がしきい値レベルを上回った場合にMMEが行うべき適切な処理を定義するように作用する。ポリシーベース命令は、1つまたは複数の監視パラメータと対応付けられた1つまたは複数のしきい値レベルを定義してもよい。一般的に、監視されるパラメータはMMEのeNodeB負荷に関するものであり、しきい値レベルは所望の負荷結果に応じて適用される。所望の負荷結果は、ネットワーク管理システムによって定義されてもよく、何らかの基準に基づいてMMEプール内のMMEによって定義されてもよく、MMEにプログラムされたデフォルト条件等によって定義されてもよい。
【0069】
よって、各種の実施形態では、ネットワークマネジャ(NM)は、ネットワーク内の複数のMMEのそれぞれにおけるeNodeB負荷の指標を監視するように構成される。各種の実施形態では、NMは、負荷の指標がポリシー定義しきい値を越えたかどうかを判定するように構成される。各種の実施形態では、MNはポリシー機構を介してMMEの動作を適応させる。
【0070】
各種の実施形態では、MMEは、eNodeB負荷の指標を監視して、その負荷の指標がポリシー定義しきい値を越えたかどうかを判定するように構成される。各種の実施形態では、MMEは、1つまたは複数の近隣のMMEと通信して、それらへのeNodeBの移行についてネゴシエートする。各種の実施形態では、MMEとその近隣のMMEはMMEプールを形成し、その場合、プール内のMMEの少なくともいくつかが、プール内のMMEメンバーに関するeNodeB負荷を管理するように動作する。
【0071】
図4は、複数のMMEプールを図示する図である。詳細には、図4は、第1のMMEプール401と第2のMMEプール402とを示す。第1および第2のMMEプール401および402は実質的に同様に動作するため、第1のMMEプール401のみを詳細に説明する。
【0072】
第1のMMEプールは、複数のMME410、410−410(第1のMMEプール410と総称する)と、第2のMMEプール402とを含む。各MME410は、eNodeBの動作をサポートするための4枚の内部カードC1−C4を含むように図示されている。当然のことながら、特定のMME内に含まれるカードの数はそれより多くても少なくてもよい。また、各MME410は、しきい値管理エンジン(TME)428および負荷分散エンジン(LBP)429をサポートすることのできる処理、入出力、およびメモリ機能(図示しない)を備えるコントローラカード420を含むように図示されている。コントローラカードは、本書で記述している、図2を参照して上述したMS140の該当部分および/または図5を参照して後述するコンピューティングデバイスの該当部分と同様に実装することができる。TME428およびLBP429は、図2を参照して上述したTME228およびLBE229と実質的に同様に動作する。
【0073】
図5は、本書に記載の機能を実行する際の使用に適したコンピュータの上位ブロック図である。
【0074】
図5に示すように、コンピュータ500は、プロセッサ構成要素503(例えば、中央処理装置(CPU)および/またはその他の適切なプロセッサ)と、メモリ504(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)等)と、協働モジュール/プロセス505と、各種の入出力デバイス506(例えば、ユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス等)、ユーザ出力デバイス(ディスプレイ、スピーカー等)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、記憶装置(例えば、テープドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ等))とを含む。
【0075】
当然のことながら、本書に図示され、記載された機能は、例えば、汎用コンピュータ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはその他のハードウェア同等品を用いて、ソフトウェアとして、および/またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装できる。一実施形態では、協働プロセス505をメモリ504にロードし、プロセッサ503で実行して、本書で検討した機能を実施することができる。よって、(関連データ構造を含む)協働プロセス505は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAMメモリ、磁気または光学ドライブまたはディスク等に格納することができる。
【0076】
当然のことながら、図5に示すコンピュータ500は、本書で説明した機能要素または本書で説明した機能要素の一部を実装するのに適した全体構造および機能を提供する。
【0077】
本書でソフトウェアの方法として検討したステップの一部を、ハードウェア内で実装してもよく、例えば、プロセッサと協働して各種の方法ステップを実行するような回路を実装してもよい。本書で説明した機能/構成要素の一部を、コンピュータプログラム製品として実装してもよく、その場合、コンピュータによって処理されると、コンピュータが、本書で説明した方法および/または手法を呼び出すか、または別のやり方で提供するように動作する。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定媒体または取り外し可能媒体などの有形の持続性コンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、ブロードキャストまたはその他の信号記録媒体によって有形または無形のデータストリームを介して送信されてもよく、および/または命令に基づいて動作するコンピューティングデバイス内のメモリに記憶されてもよい。
【0078】
以上の説明は、本発明の各種の実施形態向けになされたものであるが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、本発明のその他およびさらなる実施形態を案出することもできる。よって、本発明の妥当な範囲は、請求項に基づいて規定される。
図1
図2
図3
図4
図5