(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収集部は、第1の値の一次傾斜磁場モーメントによって前記心拡張期に画像を収集し、第2の値及び第3の値の一次傾斜磁場モーメントによって前記心収縮期に複数の画像を収集するものであって、
前記第1の値における前記被検体の静脈を流れる血液から発生する信号の値、及び、前記第1の値における前記被検体の動脈を流れる血液から発生する信号の値を、それぞれの基準値とした場合に、
前記第3の値は、前記静脈を流れる血液から発生する信号、及び、前記動脈を流れる血液から発生する信号の双方が、それぞれの基準値から減衰するものであり、
前記第2の値は、前記第1の値と前記第3の値との中間値であり、前記静脈を流れる血液から発生する信号の前記基準値からの減衰幅が、前記動脈を流れる血液から発生する信号の前記基準値からの減衰幅と比較して小さい、請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記生成部は、画像内の位置毎に、前記第1の値によって収集された画像の画素値と、前記第2の値によって収集された画像の画素値との差分を閾値と比較し、該差分が閾値より小さい場合には、該位置の画素値として前記第2の値によって収集された画像の画素値を選択し、該差分が閾値より大きい場合には、該位置の画素値として前記第3の値によって収集された画像の画素値を選択してハイブリッド画像を生成する、請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0261825号明細書
【特許文献2】米国特許第6801800号明細書
【特許文献3】特開2003−70766号公報
【特許文献4】特開2004−329614号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Fan,et al.,"3D Noncontrast MR Angiography of the Distal Lower Extremities Using Flow-Sensitive Dephasing(FSD)-Prepared Balanced SSFP," Magnetic Resonance in Medicine, volume62, pages1523-1532(2009)
【非特許文献2】Fan,et al.,"3D Non-Contrast-Enhanced MRA Using Flow-Sensitive Dephasing(FSD) Prepared Balanced SSFP: Identification of the Optimal First-Order Gradient Moment," page1410, 17th Annual Scientific Meeting and Exhibition of the International Society of Magnetic Resonance in Medicine, Stockholm, Sweden, (May2-5,2010)
【非特許文献3】Fan, et al.,"Carotid Arterial Wall MRI at 3T Using 3D Variable-Flip-Angle Turbo Spin-Echo(TSE) with Flow-Sensitive Dephasing(FSD)," Journal of Magnetic Resonance Imaging, volume31, pages645-654(2010)
【非特許文献4】Fan,et al.,"Non-Contrast-Enhanced Hand MRA Using Multi-directional Flow-Sensitive Dephasing," page405 17th Annual Scientific Meeting and Exhibition of the International Society of Magnetic Resonance in Medicine, Stockholm, Sweden, (May2-5,2010)
【非特許文献5】Guo,et al.,"3D Non-Contrast MRA of Lower Extremities Using Balanced SSFP with Flow-Sensitive Dephasing(FSD) at 3T," page3786, 17th Annual Scientific Meeting and Exhibition of the International Society of Magnetic Resonance in Medicine, Stockholm, Sweden, (May2-5,2010)
【非特許文献6】Haacke,et al.,"Magnetic Resonance Imaging: Physical Principles and Sequence Design, "New York: Wiley-Liss, Chapter23, pages673-675(1999)
【非特許文献7】Miyazaki,et al.,"Peripheral MR Angiography: Separation of Arteries from Veins with Flow-spoiled Gradient Pulses in Electrocardiography-triggered Three-dimensional Half-Fourier Fast Spin-Echo Imaging," Radiology, volume227, pages890-896(June2003)
【非特許文献8】Wang,et al.,"Improved Suppression of Plaque-Mimicking Artifacts in Black-Blood Carotid Atherosclerosis imaging Using a Multislice Motion-Sensitized Driven-Equilibrium(MSDE) Turbo Spin-Echo (TSE) Sequence," Magnetic Resonance in Medicine, Vol.58, pages973-981(2007)
【非特許文献9】Haacke,et al.,"Magnetic Resonance Imaging: Physical Principles and Sequence Design," New York: Wiley-Liss, chapter 23, pages 673-675(1999)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すMRI(Magnetic Resonance Imaging)システムは、架台部10(概略的な断面で図示)、及び、架台部10と接続された複数の関連するシステム構成要素20を含む。少なくとも架台部10は、遮蔽された室内に設置される。
図1に示すMRIシステムは、実質的に同軸円筒状の静磁場B
0磁石12と、G
x、G
y及びG
zの傾斜磁場コイルのセット14と、RFコイルアセンブリ16とを含む。これらの構成要素が形成する円筒状の配列の水平軸に沿って、寝台11によって支持された患者9の頭部を実質的に包含する撮像空間18がある。
【0009】
MRIシステムコントローラ22は、ディスプレイ24、キーボード26及びプリンタ28に接続された入出力ポートを備える。ディスプレイ24は、制御の入力を行うことも可能なタッチスクリーンであってもよい。
【0010】
MRIシステムコントローラ22は、RFトランスミッタ34及び送受信スイッチ36(送信及び受信の両方について同一のRFコイルを使用する場合)に加えて、Gx、Gy及びGz傾斜磁場コイルドライバ32を制御するMRIシーケンスコントローラ30に接続する。MRIシーケンスコントローラ30は、異なる一次傾斜磁場モーメント値(m1値)を有するFSD(Flow-Spoiled Dephasing)プリパルスを、既に利用可能な他の(例えば従来の)MRIパルスシーケンスと組み合わせて使用することで、MRAデータ取得パルスシーケンス(撮像パルスシーケンス、パルスシーケンス)を実現するために適切なプログラムコード構造体38を含む。
【0011】
システム構成要素20は、RFレシーバ40を含む。RFレシーバ40は、ディスプレイ24に出力する画像を生成するために、MRIデータプロセッサ42への入力を提供する。MRIデータプロセッサ42は、ハイブリッド画像再構成プログラムコード構造体44、及び、(例えば、典型的な実施形態における処理、及び、ハイブリッド画像再構成プログラムコード構造体44によって得られたMRA画像データを保存するための)MRA画像メモリ46にアクセスするように構成される。
【0012】
図1は、MRIシステムの多様なデータ処理構成要素からアクセスでき、コンピュータ可読形式の保存媒体に(例えば、非造影剤MRAのハイブリッド画像の再構成や、これに対するオペレータによる入力などに関する)プログラムコード構造体を格納するMRIシステムプログラム格納装置50の概要も示す。プログラム格納装置50は、分割することが可能であり、少なくとも一部は、(共通の場所に格納し、MRIシステムコントローラ22に直接接続するのではなく)システム構成要素20の処理コンピュータの内、格納されているこのプログラムコード構造体を通常の処理において直ちに必要とする別のコンピュータに直接接続することができる。
【0013】
実際には、
図1の描写は、非常に高度に単純化された典型的なMRIシステムの図に、後述する典型的な実施形態を実施できるように改変を加えたものとなっている。システム構成要素は、「ボックス(各構成要素)」の異なる論理的集合に分けることが可能であり、また、一般的に多数に上るデジタル信号プロセッサ(DSP(Digital Signal Processors))、マイクロプロセッサ、専用処理回路(高速A/D変換、高速フーリエ変換、配列処理など)からなる。これらのプロセッサは、それぞれ、クロック設定された「状態機械(状態が遷移する機械)」であり、その物理データ処理回路がクロック周期毎に(又は、所定数のクロック周期毎に)ある物理状態から別の物理状態へと進む。
【0014】
処理回路(例えば、CPU(Central Processing Unit)、レジスタ、バッファ、演算装置など)の物理状態は、処理が行われていく中でクロック周期毎に漸次変化し、対応するデータ格納媒体(例えば、磁気記憶媒体のビット格納位置)の物理状態は、システムの動作中にある状態から別の状態へと移行する。例えば、ハイブリッドMRAイメージングの再構成プロセスの終了時には、物理的格納媒体にあるコンピュータ可読形式でアクセス可能なデータ値格納場所の配列は、前の状態(例えば、すべて一様に「0」の値又は「1」の値になっている状態)から、配列の物理的場所における物理状態が現実の物理的事象及び状況(例えば、撮像空間内にある患者の動脈)を表すように最小値と最大値の間で変動する新しい状態に移行する。格納されたデータ値のこのような配列は、命令レジスタに順次ロードされMRIシステムの1以上のCPUによって実行されるときに演算状態を特定の順序に並べ替えてMRIシステム内において遷移させるコンピュータ制御プログラムコードの特定の構造体と同様に、ある物理的構造体を表現し構成する。
【0015】
以下に示す典型的な実施形態では、データの収集や、MRA(Magnetic Resonance Angiography)画像の生成及び表示を行う改善された手法を示す。
【0016】
非造影の磁気共鳴血管撮像(MRA)法においては、外因性造影剤を使用せずに、動脈静脈脈管構造のMR画像を生成する。以下に示す典型的な実施形態では、静脈によるコンタミネーション(例えば、動脈と静脈とが重なることによる画像の見難さ)を回避し、背景に対する動脈のコントラストを高めた非造影のMRA画像を生成すること、又はその逆(すなわち、静脈が強調された非造影のMRA画像を生成すること)を目的とする。
【0017】
心拍サイクル内における様々なFlow−dephasing傾斜磁場モーメント(例えば、一次傾斜磁場モーメント)又は時相(例えば、心拍サイクルにおける遅延時間(例えば、R波のピーク値から信号収集までの遅延時間)、若しくはその両方によって収集された画像データのN個のセットは、静脈による(若しくはその反対に動脈による)コンタミネーションを最小限にしつつ、動脈の(若しくはその反対に静脈の)信号を最大化するハイブリッド再構成アルゴリズムを使用して、合成される。この処理は、ユーザによる入力を最小限に抑えて、自動又は半自動で行うことができる。理想的又は最適化されたパラメータを取得するためのキャリブレーション撮像は、基本的に不要である。
【0018】
従来の非造影MRA法において一般的なものは、動脈が明るい(信号値が高い)画像(BA(Bright Artery)画像、すなわち、動静脈が明るい画像)及び動脈が暗い(信号値が低い)画像(DA(Dark Artery)画像、すなわち、静脈は明るいが動脈は暗い画像)という2つの画像データを取得することが基本となっているものである。BA画像データからDA画像データを(ピクセル毎に)減算(サブトラクション)することで、MRA画像Iを生成する。
I=BA−DA (式1)
【0019】
最終的なサブトラクション画像Iは、理想的には動脈のピクセルからの信号のみを含んでいる。結果として得られるサブトラクション画像データは、一般的に最大輝度投影(MIP(Maximum Intensity Projection))フォーマットで表現され、患者の体を三次元画像化する。
【0020】
FSD(Flow-spoiled Dephasing)と呼ばれる非造影MRA法は、0でない一次傾斜磁場モーメント(m1)を有する傾斜磁場プリパルスモジュール(すなわち、診断用のMRI取得パルスシーケンスにおける最初の部分。例えば、
図2を参照)を使用して、流れるスピンの位相を分散(ディフェーズ)させてDA画像(動脈が暗い画像)を取得する。
【0021】
0(空集合)のゼロ次傾斜磁場モーメントと0でない一次傾斜磁場モーメントを組み合わせると、流れるスピンの位相は分散するが、静止している(背景の)スピンには影響を与えない。一次傾斜磁場モーメントのベクトル方向(ディフェーズパルス(傾斜磁場プリパルス)の印加の方向)は、傾斜磁場のチャネル(x、y、z)のいずれか又は全てに同時に存在する一次傾斜磁場モーメントを用いて操作することができる。このように、一次傾斜磁場モーメントは、ベクトル方向に沿って選択的にスピンが分散されるように、設計することができる。位相が分散した、流れるスピンの信号は、画像データの中で減衰する。信号減衰の程度は、一次傾斜磁場モーメントの強さ及び流速と直線的にではないが比例する(
図4)。動脈は静脈と比較して概して流速が大きく、心拍サイクルによる脈動の影響をより強く受ける。したがって、動脈は静脈よりも信号減衰が大きいと考えられ、心臓の収縮期には更にこの減衰が大きくなると考えられる。
【0022】
FSDプリパルスモジュールは、従来から存在する任意のMRI診断のリードアウトスキャンシーケンス(例えば、bSSFP(Balanced Steady-State Free Precession)、FASE(Fast Asymmetric Spin Echo又はFast Advanced Spin Echo)など)に付加することができる。一般的に、リードアウトのデータ取得は小さい血管系を十分な解像度で描くために薄い断面で構成された三次元のデータである。FSDプリパルスモジュールは、一般的には双極(bipolar)の傾斜磁場と、RFパルスの90°−180°−90°の組み合わせである。DA画像の撮像では、一般的に、一次傾斜磁場モーメント(m1)は、調整された0以外の何らかの値に設定される。BA画像の撮像では、一般的に、一次傾斜磁場モーメント(m1)は、小さい値又は0に設定される。
【0023】
ここではFSDを例に挙げて説明したが、開示された手法は、減算に基づいて非造影に流体を描出するためのMRI撮像法に同様に適用することができる。これには、例えば、ここに述べるFBI(Fresh Blood Imaging)や、異なる名称で同様の非造影MRA法(脳脊髄液(CSF(Cerebral Spinal Fluid))を含む)を含む。FS−FBI(Flow−Spoiled FBI)を詳しく説明すると、FS−FBIは、FBIを改良した技術であり、FSDのようなプリパルスではなく、エコートレイン中のディフェーズパルス(flow−spoiled dephasingパルス)を用いることで、例えば、静脈の信号と比較して動脈の信号の信号値を低くする。これらの非造影MRA法の一般的なものは、ECG(Electrocardiogram)同期若しくはPPG(Photoplethysmograph)同期を用いるという共通点を有し、T
1強調撮像法に基づく従来の造影MRA法や非造影MRA法(例えば、TOF(Time Of Flight))とは対照的に、T
2強調撮像手法を用いるという共通点を有する。非造影のT
2強調撮像法は、撮像時間を短縮するために、要求されていないにも関わらず、しばしばFSE(Fast Spin Echo)パルスシーケンスを用いて実行される。
【0024】
図2は、90°−180°−90°RFプリパルスモジュールを含むFSDパルスシーケンスを概略的に示した図である。複数回のDA画像の撮像については、(図示するように)一次傾斜磁場モーメント(m1)が含まれているが、取得されるDA画像データによってその強度は異なる。BA画像の撮像については一次傾斜磁場モーメント(m1)が0に設定される。
【0025】
従来、以下の2種類の画像が取得される。
・m1=0のとき、心拡張期の動脈が明るい画像(BA)
・m1≠0のとき、心収縮期の動脈が暗い画像(DA)
【0026】
続いて、BA画像からピクセル毎にDA画像を減算して最終的なMRA画像が生成される。上述したように、これは非造影MRA法のFBI(Fresh Blood Imaging)も同様である。
【0027】
残念ながら、従来のFSDでは、一次傾斜磁場モーメントプリパルスモジュールは、流れるMRスピン全てについて、ある程度の位相ずれを発生させる。取得されたMRI信号の減衰は、核スピンの速度に直線的にではないが比例する(
図4)。流れが速くなるほど信号の減衰は大きくなる。一次傾斜磁場モーメント(m1)が小さすぎると、特に流れの遅い動脈では、動脈がDA画像の中で十分に減衰されなくなる。したがって、最終的なBA−DAサブトラクション画像からこれらのピクセルの値を減らす必要がある(例えば、
図3Aでは、一次傾斜磁場モーメント(m1)が小さすぎるサブトラクション画像における最大輝度投影(MIP)を示している)。同様に、一次傾斜磁場モーメント(m1)が大きすぎると、DA画像の中で静脈流も減衰する場合がある(例えば、
図3Bでは、一次傾斜磁場モーメント(m1)が大きすぎるサブトラクション画像における最大輝度投影(MIP)を示している)。静脈の減衰は、最終的なBA−DAサブトラクション画像中の静脈ピクセル位置でのコンタミネーションを発生させる(
図3A及び
図3B中の矢印を参照)。弱い動脈信号を
図3A中の矢印で、静脈のコンタミネーションを
図3B中の矢印で示している。この問題は特に、患者の末梢血管において、通常、静脈が動脈と直に隣接する場所にある場合に混乱の原因となる。
【0028】
したがって従来のFSDでは、一般的に(a)一次傾斜磁場モーメント(m1)が小さすぎるために動脈信号が消失したり、(b)一次傾斜磁場モーメント(m1)が大きすぎるために静脈によるコンタミネーションが入り込んだりすることによる問題を防止するために、最適な傾斜磁場プリパルスモジュールの一次傾斜磁場モーメント(m1)についてキャリブレーションを行う必要がある。このキャリブレーションの手順は、2D断面を選択することによって検査毎に撮像空間の一部について理想的な一次傾斜磁場モーメント(m1)を推計して行うことができる。代わりに、別の研究において代表的なコホート(cohort、統計上の群)についてFSD検査を実施して求めた集団の平均に基づいて、理想的な一次傾斜磁場モーメント(m1)を推計することもできる。このようなキャリブレーション作業によって余分な手間が発生し、不要な時間を消費することになる。誤りを発生させ得る原因も増える。
【0029】
最も重要なのは、単一の一次傾斜磁場モーメント(m1)値を使用することで、撮像対象の一部について最適ではない脈管構造が描かれる結果になる可能性があることである。検査のたびに理想的な一次傾斜磁場モーメント(m1)値のキャリブレーションを行う場合、一般的に2D断面内の限られた一部の血管を基にして推定を行う。この1枚の2D断面には3D撮像対象全体のごく一部しか含まれない。流速及び脈動は撮像対象内でも血管によって大きく異なるため、この2D断面による方法で推定した理想的な一次傾斜磁場モーメント(m1)では脈管構造の大部分について最適ではない結果を生じることがある。理想的な一次傾斜磁場モーメント(m1)を集団の平均に基づいて推定すれば、脈管構造の中で最適な結果が得られない部分が生じだけでなく、個々の検査対象それぞれについても適切な結果が得られない可能性がある。
【0030】
しかしここで、以下に述べる手順でハイブリッド画像を用いることにより、(a)動脈信号が増強され、(b)静脈によるコンタミネーションが減少した最終的なサブトラクション画像Iが得られる実用的なFSDを実現することができる。あるいは、ハイブリッド画像自体が(動脈又は静脈が強調された)MRAの出力画像として十分であることもあるため、最終的なサブトラクション画像が不要となる場合もある。
【0031】
例えば、複数(N個)のデータセット(N≧2)を取得する。通常、何らかの形式によりFSDを実行する場合には、異なる一次傾斜磁場モーメント(m1)値におけるDA画像の複数のセットを取得する。例(
図4)では、N=3個の画像セット(基準、中間、最大)を取得している。基準画像はm1=0(心拡張期)、中間画像はm1=中間値(心収縮期)、最大画像はm1=最大値(心収縮期)となっている。静脈、流れの遅い動脈及び流れの速い動脈の血液中にある磁気共鳴血球核によるMRI信号を、m1の関数としてプロットしたものが
図4である。基準、中間及び最大の3個の画像データセットが(m1軸に×印で示された位置において)得られる。各血管のタイプについて選択されたこれらのm1値における信号を、信号曲線上に丸印(○)で示している。
【0032】
ここに示す方法は、ハイブリッド再構成アルゴリズムを用いて、静脈信号を最小化しながら動脈信号を最大化(又はその反対)するものである。例えば、異なるN個(N≧2)の画像セットは、撮像パルスシーケンスのパラメータとして、異なるFlow−dephasingモーメント(m1)(例えば、一次傾斜磁場モーメント)を用いること、又は、異なる心拍サイクル内における時相(例えば、心拍サイクルにおける遅延時間(例えば、R波のピーク値から信号収集までの遅延時間)を用いること、若しくはその両方を用いることによって取得することができる。例えば、収縮期の同一の遅延時間にて、異なる一次傾斜磁場モーメント(m1)値を用いること、又は、異なるベクトル方向(ディフェーズパルス(傾斜磁場プリパルス)の印加の方向)を用いること、若しくはその両方を用いることによって取得することができる。また、異なる遅延時間にて、同一の一次傾斜磁場モーメント(m1)を用いることによって取得することができる。あるいは、異なる一次傾斜磁場モーメント(m1)値、ベクトル方向、及び遅延時間の組み合わせを採用することもできる。これらの画像が、各入力データセットに対応する既知のm1又は心拍サイクル若しくはその両方に基づいて、各要素の相対的信号について演繹的な推定を行うことによって、動脈、静脈及び背景のピクセルを相互に分離するアルゴリズムに入力される。それぞれの入力データセットのピクセルデータは(例えば、選択的ピクセル置換アルゴリズムを使用して)合成され、ハイブリッド画像セットが生成される。このハイブリッド合成アルゴリズムは、固定値又はユーザの選択に基づく入力によって調整されるパラメータで操作する。ハイブリッド画像セットを減算プロセス(例えば、FSD)で使用して、動脈信号が最適化され静脈信号を最小に抑えた最終的なMRA画像を生成することができる。又は、前記ハイブリッド画像自体をMRAの出力画像として使用できる。
【0033】
単純なサブトラクション(式1)の代わりに、各画像セットのピクセルデータを合成アルゴリズムの入力に使用してハイブリッド画像セットX(
図5)を生成することができる。この合成アルゴリズムでは、少なくとも2個のピクセルデータセットを相互に比較して、与えられた画像データセットの各ピクセル(画素)が、動脈部分、静脈部分又は背景から生じたものかどうかについて高度な推測を行う。出力される典型的なハイブリッド画像データセットXは、複数(N個)の異なる画像データセットのひとつから選択的に得られた(ハイブリッド画像データセット内の)各X(x,y,z)位置におけるピクセル値(画素値)を使用して生成することができる。この後、このハイブリッド画像セットXを通常の減算式で使用して、改善された最終的なMRA画像Iを生成するか、ハイブリッド化アルゴリズムが適切に設計されている場合には、ハイブリッド画像データセット自体を改善された最終的なMRA画像Iとして使用することができる。
【0034】
例えば、以下のように一次傾斜磁場モーメント(m1)値においてN個の画像データセット(N≧2)を取得することができる。
・基準:m1=0
・中間:m1=中間値
・最大:m1=高値
【0035】
次に、結果として得られる0以外の一次傾斜磁場モーメント(m1)値に対応するN−1個(すなわちこの例では2個)のデータセットを、取得したピクセルデータ値の差を用いて、取得した特定の画像のあるピクセルが動脈のものか静脈のものかを推定し、ハイブリッド画像データセットXに(例えば選択的ピクセル置換アルゴリムによって)合成する。続いて、ハイブリッド画像データセットXをDA画像データセットとして用いることで、最終画像Iを計算することができる。
I(最終)=BA(動脈が明るい)−X(DAハイブリッド) (式2)
【0036】
図5は、非造影MRA画像の減算用のハイブリッド画像データセットXを生成することができる一般的な合成アルゴリズムを示している。
図6は、ハイブリッド画像データセットXを生成する合成アルゴリズムのより具体的な例を示している。示されている判定アルゴリズムを用いて全てのデータセット(基準、中間、最大)について所定の位置(x,y,z)におけるピクセルデータを評価し、ハイブリッド画像データセットX内のX(x,y,z)の値を充填する。
【0037】
合成プロセスには多くの異なる形態があり得る。N=3個の画像セットによるこの例では、
図6のプロセスで十分である。ピクセルが動脈のものか静脈のものかを判断するために閾値パラメータ(ε)を使用する。中間のm1値のピクセルデータが基準値よりも大幅に小さい場合には動脈のものと判断され(
図4参照)、したがってアルゴリズムはX(x,y,z)を(x,y,z)における最大のm1値の画像データセットによるデータで充填し、この位置(x,y,z)における信号を最大化する。中間のm1値のピクセルデータが基準値に近似する場合には、背景又は静脈のものと判断され、したがってアルゴリズムはX(x,y,z)を(x,y,z)における中間のm1値のピクセルデータセットによるデータで充填し、静脈によるコンタミネーションを防止する。閾値εの選択は自由に調整したり、各解剖学的組織について以前の計測に基づく固定値を選択したりすることができる。また、閾値εを(例えば、後処理の中で)ユーザがインタラクティブに調整することもできる。いずれの方法においても、閾値εの選択は、再構成された出力にのみ影響を与える。入力データには影響を与えないため、閾値εについての最終判断をデータの取得に先立って確定する必要はない。このようにしてハイブリッド画像Xが生成される。ハイブリッド画像Xの生成には、多くの異なるハイブリッド化のアルゴリズム/プロセスを採用することができる。ピクセルの充填/置換が賢明に行われれば、ハイブリッド画像X自体をMRAの出力画像として十分に使用できることがある。
【0038】
典型的な実施形態を実現するための典型的なコンピュータプログラムコード構造体の概略的なフローチャートを
図10に示す。ここでは、100でハイブリッドMRAルーチンが開始し、格納されているデータ取得パラメータ(撮像パルスシーケンスのパラメータ、例えば、m1値)が102で格納装置から適宜呼び出されている。他の必要な初期化プロセスがこの時点で行われることもある。
【0039】
判定を行う104では、オペレータに予め格納されている撮像パラメータを必要に応じて変更するための選択肢が(例えば、制御ディスプレイの画面/キーボード、又はタッチスクリーンなどにより)示される。選択が行われた場合には、続いて、オペレータのユーザインターフェース106において、取得する画像の数、m1パラメータの低、中、高レベルの値、閾値パラメータの特定値などのパラメータの決定/変更をオペレータが行うことができる。選択を行わなかった場合には、格納済みの撮像パラメータをステップ108において利用して、N個のMRIデータセットを異なるm1値を用いて取得する。特にこの典型的な実施形態では、少なくともひとつのBA画像及び複数のDA画像を(例えば、別々のMRIパラメータ又は心拍サイクルのパラメータ若しくはその両方を使用して)取得する。
【0040】
その後のステップ110において、ハイブリッド画像データセットXが(例えば、必要とされる任意のアルゴリズムに従って)生成され、ステップ112でサブトラクションMRA画像が生成される。ステップ114において、その画像が格納装置又はディスプレイ(若しくはその両方)に(直ちに、又は後から、MRIシステムコンソール又は必要に応じてリモートから)出力され、その後、リターンステップ116において適宜他のプログラムコード構造体に戻ることによってハイブリッドMRAルーチンが終了される。
【0041】
このハイブリッド化手法は、流れの遅い動脈においても、静脈によるコンタミネーションを最小限にしてはっきりと動脈を描画したMRA画像データを提供することが基本的な長所である(
図7、8A及び8B)。動脈信号は80〜100%強調することができ(
図9A)、静脈によるコンタミネーションは殆ど0にまで減らすことができる(
図9B)。
【0042】
ハイブリッド化手法のその他の長所として、FSDプロセスにおいて一次傾斜磁場モーメント(m1)の正確なキャリブレーションを行う負担が解消される。従来のFSDの手法では、動脈信号の最大化と静脈によるコンタミネーションの最小化との均衡をとるためにDA撮像のm1値を慎重に選択する必要がある。新たなハイブリッド化手法では、m1の最大値を固定することができる。中間範囲のデータセットに関するm1の選択が単純になっている。一部の流れでは位相ずれを発生させるためにm1が十分に大きくなくてはならないが、静脈を強く減衰させしまうため、強すぎてはならない。m1の選択が簡単になったことでキャリブレーションの手順も不要になり、FSDイメージングの頑健性が向上する。
【0043】
図8Aは、例として示したハイブリッド化手法で生成されたサブトラクション画像のMIPを示している。動脈信号は、
図8Bに示したm1=中間のデータのみを使用して生成したMIP画像と比較して、末梢動脈で強くなっている。
図9Aは、従来型の中間画像(
図8B)に対するハイブリッド画像(
図8A)による改善を示している。ここでは、白い部分が目的の信号強度の改善が見られていることを示している。
図9Bは、従来型の最大画像(
図3B)がハイブリッド画像(
図8A)でどのように改善されたのかを示している。ここでは、黒いピクセルが最終画像から削除することが望ましい信号を示している。
図9Aと9Bはいずれも、灰色が中立(すなわち従来のFSDからの変化なし)を示している。
【0044】
前述のように、合成アルゴリズムの式には多数の形態がある。例えば、各データセットの個々のピクセルを相互に比較することができる。N=3を使用した上記の例では、基準と中間、中間と最大、及び基準と最大の比較を3個の異なる閾値パラメータについて行うことができる。他の例では、算術的な比較を、あてはめ関数によって(例えば、予め準備された関数に数値を代入する(あてはめる)ことによって判断結果を出力する手法によって)置き換えることができる。信号とm1との関係は、正弦曲線又は同様の数学的関数によって分析的に記述することができるため、各セットからのピクセルデータを分析関数にあてはめることができる。算術的比較と同様に、結果として得られるあてはめパラメータ(例えば、関数に数値が代入されたことによって得られた結果としての数値)を使用してピクセル位置の特性(動脈、静脈又は背景)の判断を行うことができる。
【0045】
合成アルゴリズムも最終のMRA画像セットIを出力するように(例えば、BA−X=Iの典型的な分離減算ステップをスキップするように)設計することができる。この場合、取得した複数の画像からのピクセル値の選択は、ハイブリッド画像自体に目的とする(動脈又は静脈の)ピクセル値のみを識別して含めるようにする。
【0046】
また、ここに記述したプロセスは、減算を基本とする任意のMRA法に適用することができる。FSDに限らず、FS−FBIなどの他の手法とも組み合わせて適用することができる。FS−FBIにおいては、flow dephasing効果は、FSDのような分離されたプリパルスモジュールの部分ではなく、データ収集に用いられるFSE(Fast Spin Echo)に基づくパルスシーケンスのRFエコートレインに内在する。調整されたリードアウト、位相エンコード、スライス選択の傾斜磁場がエコートレインの各RFエコーに続く。効果を与えるm1 flow−dephasingベクトルの大きさ及び方向は、コントロールすることができる。このように、異なるFS−FBIデータセットは、異なる傾斜磁場モーメント(m1)を用いることで、又は異なる心拍サイクルの位相遅延を用いることで、又はその両方で、収集することができる。異なるデータセットは、異なるm1値、異なるm1の方向、異なるtrigger遅延(遅延時間)、もしくはこれらの組み合わせによって収集することができる。上述したFSDの例と同様に、N個のFS−FBIのデータセットは、ハイブリッド画像Xを生成するために合成されることができる。または、続いて、動脈を最適化した画像I又は静脈を最適化した画像Iを生成するための減算に用いられることができる。
【0047】
また、実施形態において適用される被検体内を流れる流体としては、血液に限定されず、CSF(脳脊髄液)、リンパ液、胆液(bile)、膵液(pancreatic juice)などにも同様に適用することができる。一般に、ここで表現されるプロセスは、ある流体からの信号を、他の移動する流体や背景から分離することを支援することができる。MRの流体の緩和特性(例えば、T
1、T
2、T
2*(スター))に頼るのではなく、その流れの特性に頼るだけである。仮に、分離される流体が、流速、流れの方向、心拍又は呼吸との関係で、流体の近くで混同される可能性のあるものと異なる特性を有するのであれば、一次傾斜磁場モーメントm1及びtrigger遅延(遅延時間)の組合せは、これらの特性の違いを活用するように設計されればよい。これらのデータセットは、関心対象の流体の描出を最適化するためにハイブリッドの技術を適用される。
【0048】
すでに述べたように、ここに記述したプロセスを使用して、静脈造影用に静脈に最適化したMRA画像を生成することができる。つまり、合成アルゴリズム又は減算プロセス、もしくはその両方に変更を加えることにより、動脈信号を最小化する一方で静脈信号を最大化することができる。また、他の例では、CSF(脳脊髄液)は、動脈又は静脈よりも流速が遅いという特性を有する。このため、この流体の特性は、血液のような流速の速い流体とCSFとを区別するために活用することができる。
【0049】
従来のFSDでは、取得が必要なのはN=2個の画像セットのみであった。したがって、従来の手法では(N−2)/2に比例する分の時間が節減できる。例えば前記の新しいハイブリッド手法によるN=3個の検査では、従来のFSDよりも50%長い時間がかかる。しかし、新しい方法では、時間のかかるキャリブレーションスキャン及びキャリブレーションデータの処理を省くことができる。キャリブレーションデータの取得と処理にかかる時間は、ひとつのデータセットの取得にかかる時間(一般的に2分間)と同程度であると合理的に推定できる。したがって、N=3個の検査又はハイブリッド化では、所要時間は従来のFSD試験とほぼ同程度となる。
【0050】
上述してきたように、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(例えば、MRIシステム)は、収集部と、生成部とを備える。収集部は、被検体内の流体を撮像し、撮像パルスシーケンスのパラメータが異なる複数の画像を収集する。ここで、「流体」とは、例えば、血液(blood)、脳脊髄液(CSF)、リンパ液(lymph)、胆液(bile)、膵液(pancreatic juice)などである。また、「撮像パルスシーケンス」とは、例えば、FSDやFS−FBIなどのパルスシーケンスである。また、「撮像パルスシーケンスのパラメータ」とは、例えば、流体のスピンをディフェーズさせるディフェーズパルス(例えば、読み出し傾斜磁場パルスに付加される)の傾斜磁場モーメントの値、ディフェーズパルスの印加の方向、心拍サイクルにおける遅延時間(例えば、R波のピーク値から信号収集までの遅延時間)、又はこれらの組合せなどである。描出対象の流体が、例えば、流速、流れの方向、心拍又は呼吸との関係で、流体の近くで混同される可能性のあるものと異なる特性を有するのであれば、これらのパラメータは、これらの特性の違いを活用するように設計されればよい。例えば、収集部は、FSDやFS−FBIなどのパルスシーケンスにおいて、これらのパラメータが互いに異なる収集を行い、複数の画像を収集する。また、生成部は、画像内の各位置における画素値を、複数の画像のうち少なくともひとつの画像から選択し、選択した各位置における画素値を用いてハイブリッド画像を生成する。
【0051】
また、実施形態に係る収集部は、例えば、被検体の心収縮期にパラメータが異なる複数の画像を収集し、生成部は、各位置における画素値を、心収縮期に収集された複数の画像のうち少なくともひとつの画像から選択してハイブリッド画像を生成する。
【0052】
また、実施形態に係る生成部は、例えば、被検体の静脈に対応する位置においては高い画素値を選択し、被検体の動脈に対応する位置においては低い画素値を選択する。あるいは、実施形態に係る生成部は、例えば、被検体の動脈に対応する位置においては高い画素値を選択し、被検体の静脈に対応する位置においては低い画素値を選択する。
【0053】
また、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、例えば、ハイブリッド画像に基づきサブトラクション画像を生成するサブトラクション画像生成部を更に備える。この場合、収集部は、例えば、被検体の心拡張期に少なくともひとつの画像を収集し、かつ、被検体の心収縮期に複数の画像を収集する。生成部は、例えば、各位置における画素値を、心収縮期に収集された複数の画像のうち少なくともひとつの画像から選択してハイブリッド画像を生成し、サブトラクション画像生成部は、被検体の心拡張期に収集された画像と、ハイブリッド画像との差分を求めることで、サブトラクション画像を生成する。もっとも、実施形態はこれに限られるものではなく、上述したように、例えばハイブリッド画像を生成する合成アルゴリズムの設計次第で、例えば、描出対象の流体の画素値のみがハイブリッド画像に含まれるようにしてもよい。また、例えば、描出対象の流体及び背景の画素値のみがハイブリッド画像に含まれるようにしてもよい。
【0054】
また、実施形態に係る収集部は、一次傾斜磁場モーメントが異なる複数の画像を収集する。例えば、収集部は、第1の値の一次傾斜磁場モーメントによって心拡張期に画像を収集し、第2の値及び第3の値の一次傾斜磁場モーメントによって心収縮期に複数の画像を収集する。ここで、
図4を用いて説明したように、第1の値における被検体の静脈を流れる血液から発生する信号の値、及び、第1の値における被検体の動脈を流れる血液から発生する信号の値を、それぞれの基準値とした場合に、例えば、第3の値は、静脈を流れる血液から発生する信号、及び、動脈を流れる血液から発生する信号の双方が、それぞれの基準値から減衰するものである。また、例えば、第2の値は、第1の値と第3の値との中間値であり、静脈を流れる血液から発生する信号の基準値からの減衰幅が、動脈を流れる血液から発生する信号の基準値からの減衰幅と比較して小さい。
【0055】
また、実施形態に係る生成部は、例えば、画像内の位置毎に、第1の値によって収集された画像の画素値と、第2の値によって収集された画像の画素値との差分を閾値と比較し、該差分が閾値より小さい場合には、該位置の画素値として第2の値によって収集された画像の画素値を選択し、該差分が閾値より大きい場合には、該位置の画素値として第3の値によって収集された画像の画素値を選択してハイブリッド画像を生成する。
【0056】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法によれば、流体が適切に描出された画像を収集することができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。