【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、着色剤、アルカリ可溶型水溶性樹脂、エマルジョン型の水性樹脂、印刷改質剤、及び、水性媒体を含有する紙器用水性グラビア印刷インキ組成物であって、
上記アルカリ可溶型水溶性樹脂は、分子内に酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有する単量体を必須成分とする単量体混合物を重合させて得られる樹脂であり、上記アルカリ可溶型水溶性樹脂は、酸価の下限が30mgKOH/g、上限が300mgKOH/gであり、上記エマルジョン型の水性樹脂は、スチレン系単量体とエチレン性不飽和単量体とを含有する単量体混合物を、高分子乳化剤の存在下で、乳化重合して得られる樹脂であり、上記エマルジョン型の水性樹脂は、酸価の下限が10mgKOH/g、上限が100mgKOH/gであり、上記水性媒体は、水と炭素数1〜4の低級アルコールとを含有し、上記低級アルコールは、バイオマス由来のアルコールを含有し、上記印刷改質剤は、下記式(1)で表わされる化合物、下記式(2)で表わされる化合物、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、及び、イソアミルアセテートからなる群より選択される少なくとも1種である紙器用水性グラビア印刷インキ組成物である。
【0013】
【化1】
【0014】
式(1)中、R
1、R
2は、それぞれ独立して水素又はアルキル基であって、R
1の炭素数とR
2の炭素数の和が4以上であり、mは2又は3、nは1、2又は3である。
【0015】
【化2】
【0016】
式(2)中、R
3は炭素数が1〜4のアルキル基であり、mは2又は3である。
以下、本発明について詳述する。
【0017】
本発明者らは、鋭意検討した結果、バイオマス由来の低級アルコールを含有する水性媒体と、特定の印刷改質剤とを組み合わせて用いることにより、印刷により発生する揮発性有機化合物や二酸化炭素の排出量を低減でき、良好な乾燥性と印刷適性とを有する紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、着色剤を含有する。
上記着色剤としては特に限定されず、通常、水性印刷インキに使用される従来公知の顔料が挙げられる。具体的には、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。また、有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が挙げられる。
【0019】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物において、上記着色剤の含有量は、印刷時において、好ましい下限が4質量%、好ましい上限が11質量%である。印刷時の着色剤の含有量が4質量%未満であると、印刷物の印刷濃度が低くなることがある。印刷時の着色剤の含有量が11質量%を超えると、得られる紙器用水性グラビア印刷インキ組成物の粘度が高くなりすぎることがある。
【0020】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、上記着色剤の分散性を向上させることを目的として分散剤を含有してもよい。
上記分散剤としては特に限定されず、従来の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物において、顔料等の分散性向上に使用される公知の分散剤が挙げられる。
【0021】
また、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、乾燥性や流動性を向上させることを目的として、体質顔料を含有してもよい。
上記体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク等が挙げられる。
【0022】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、水性媒体を含有する。
上記水性媒体は、水と炭素数1〜4の低級アルコールとを含有する。
上記炭素数1〜4の低級アルコールとしては、従来から紙器用水性グラビア印刷インキ組成物に使用されているものであれば特に限定されず、石油由来のメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。なかでも、印刷時の揮発性有機化合物の排出量や、燃焼した場合の二酸化炭素の発生量を低減させることができることから、エタノールが好ましい。
【0023】
上記炭素数1〜4の低級アルコールは、バイオマス由来のアルコールを含有する。VOCや二酸化炭素の排出量を低減させることができるため、上記低級アルコールは、全部がバイオマス由来のアルコールであることが好ましい。バイオマス由来のアルコールから発生する二酸化炭素は、植物が成長する過程で大気中から吸収した二酸化炭素と同量(カーボンニュートラル)と考えられ、差し引きすると、バイオマス由来のアルコールを使用することにより新たに発生する二酸化炭素の量はゼロとみなされる。
上記バイオマス由来のアルコールとしては、例えば、さとうきび、トウモロコシ等の穀物や木材等から得られる植物由来のアルコールが挙げられる。
【0024】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物において、上記炭素数1〜4の低級アルコールの含有量の好ましい下限は15質量%、好ましい上限は40質量%である。上記炭素数1〜4の低級アルコールの含有量が15質量%未満であると、印刷物に印刷抜けやざらつき感が生じることがある。上記炭素数1〜4の低級アルコールの含有量が40質量%を超えると、VOCや二酸化炭素の大気中への放出が増加するので好ましくない。なお、上記炭素数1〜4の低級アルコールとしてバイオマス由来のアルコールを使用する場合は、含有量が40質量%を超える場合でも、上述したように新たに発生する二酸化炭素の量はゼロとみなされるが、VOCや二酸化炭素の大気中への放出量が増加するので好ましくない。上記炭素数1〜4の低級アルコールの含有量のより好ましい上限は30質量%である。
【0025】
なお、通常の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物に使用される、多価アルコールやその誘導体等のその他の有機溶剤については、本発明の効果を阻害しない範囲で含有してもよいが、VOCや二酸化炭素の大気中への放出を防止するという目的から、極力、その他の有機溶剤を含まないことが好ましい。
【0026】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、アルカリ可溶型水溶性樹脂を含有する。
上記アルカリ可溶型水溶性樹脂としては、例えば、分子内にカルボキシル基等の酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有する単量体を必須成分とする単量体混合物を重合させて得られる樹脂等が挙げられる。具体的には例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、スチレン−マレイン酸系、及び、スチレン−アクリル−マレイン酸系等のアルカリ可溶型水溶性樹脂が挙げられる。
【0027】
上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価は、好ましい下限が30mgKOH/g、好ましい上限が300mgKOH/gである。上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価が30mgKOH/g未満であると、上述した水性媒体中での溶解性に劣ることがある。上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価が300mgKOH/gを超えると、得られる印刷物の耐水性が低下することがある。
なお、本明細書において、上記「酸価」は、共重合体1gを得るために理論上必要な各単量体の量に対して、KOHの理論上の中和量を求め、その中和量の総和のmg数を共重合体の酸価(理論酸価)とみなすことにより求めることができる。
【0028】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物において、上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の含有量の好ましい下限は1質量%、好ましい上限は25質量%である。上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の含有量が1質量%未満であると、顔料の分散性が低下することがある。上記アルカリ可溶型水溶性樹脂の含有量が25質量%を超えると、紙器用水性グラビア印刷インキ組成物の設計が困難となることがある。
【0029】
上記アルカリ可溶型水溶性樹脂は、通常、塩基性化合物の存在下で水中に溶解させて水溶性樹脂ワニスとして使用する。
上記塩基性化合物としては、例えば、有機アミン、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。上記有機アミンとしては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。なかでも乾燥性を向上させるために、常温あるいはわずかの加温で容易に揮発するものが望ましい。
【0030】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、上記アルカリ可溶型水溶性樹脂以外の他の水性バインダー樹脂ワニス、例えば、水性シェラックワニス、水性カゼインワニス、水性ロジンマレイン酸樹脂ワニス、水性ポリエステル樹脂ワニス、水溶性セルロースワニス等を含有してもよい。
【0031】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、エマルジョン型の水性樹脂を含有する。
上記エマルジョン型の水性樹脂としては、例えば、スチレン系単量体とエチレン性不飽和単量体とを含有する単量体混合物を、高分子乳化剤の存在下で、乳化重合して得られた樹脂、スチレン−アクリル系水性樹脂、スチレン−マレイン酸系水性樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸系水性樹脂等が挙げられる。
【0032】
上記エマルジョン型の水性樹脂の酸価の好ましい下限は10mgKOH/g、好ましい上限は100mgKOH/gである。上記エマルジョン型の水性樹脂の酸価が10mgKOH/g未満であると、再溶解性が低下することがある。上記エマルジョン型の水性樹脂の酸価が100mgKOH/gより大きいと、得られる紙器用水性グラビア印刷インキ組成物が乾燥性に劣るものとなることがある。上記エマルジョン型の水性樹脂の酸価のより好ましい下限は30mgKOH/g、より好ましい上限は50mgKOH/gである。
なお、上記エマルジョン型の水性樹脂の酸価は、高分子乳化剤に由来するものであり、例えば、酸価100mgKOH/gの高分子乳化剤が、水性樹脂の固形分比率として10質量%含まれているときの酸価は酸価10mgKOH/gとなる。
【0033】
上記エマルジョン型の水性樹脂のガラス転移温度の好ましい下限は15℃、好ましい上限は100℃である。また、上記エマルジョン型の水性樹脂のガラス転移温度が15℃未満であると、印刷物のブロッキング性が低下することがある。上記エマルジョン型の水性樹脂のガラス転移温度が100℃を超えると、印刷物の耐摩性が低下することがある。
なお、上記エマルジョン型の水性樹脂のガラス転移温度とは、乳化重合に利用される全ての単量体を、コア部、シェル部と分けずに1度に共重合した時に得られる共重合体のガラス転移温度を表す。
上記ガラス転移温度は、下記のwoodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
1/Tg=W
1/Tg
1+W
2/Tg
2+W
3/Tg
3+・・・・・+W
x/Tg
x
上式woodの中、Tg
1〜Tg
xは共重合体を構成する単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W
1〜W
xは単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。
【0034】
上記エマルジョン型の水性樹脂の含有量は、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物に含まれる固形分中において、好ましい下限が10質量%、好ましい上限が60質量%である。固形分中における上記エマルジョン型の水性樹脂の含有量のより好ましい下限は30質量%である。
【0035】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、印刷改質剤を含有する。上記バイオマス由来の炭素数1〜4の低級アルコールを含有する水性媒体と、上記印刷改質剤とを組み合わせて用いることにより、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、印刷により発生する揮発性有機化合物や二酸化炭素の排出量を低減でき、かつ、良好な乾燥性と印刷適性とを有するものとなる。
【0036】
上記印刷改質剤は、上記式(1)で表わされる化合物、上記式(2)で表わされる化合物、トリエチレングリコールジメチルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、及び、イソアミルアセテートからなる群より選択される少なくとも1種である。
なかでも、印刷物の印刷抜けやざらつき感を抑制する効果に特に優れることから、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルへキシルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、イソアミルアセテートの群より選択される少なくとも1種が好適である。
【0037】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物において、上記印刷改質剤の含有量は、印刷時において、好ましい下限が0.5質量%、好ましい上限が5質量%である。印刷時における上記印刷改質剤の含有量が0.5質量%未満であると、印刷物に印刷抜けやざらつき感が生じることがある。印刷時における上記印刷改質剤の含有量が5質量%を超えると、得られる紙器用水性グラビア印刷インキ組成物が乾燥性に劣るものとなることがある。
【0038】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、使用用途に応じて、任意成分を適宜含有してもよい。上記任意成分としては、ワックス、湿潤剤、消泡剤、pH調整剤、粘度調整剤、乾燥調整剤、光沢剤、架橋剤等、種々の添加剤が挙げられる。
【0039】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を製造する方法を説明する。
まず、着色剤、アルカリ可溶型水溶性樹脂、及び、必要に応じて添加する分散剤等を混合し、通常のインキ製造装置(例えば、ボールミル、アトライター、サンドミル等)を用いて攪拌、混練した後、アルカリ可溶型水溶性樹脂、エマルジョン型の水性樹脂、印刷改質剤、水とバイオマス由来の炭素数1〜4の低級アルコールを含有する水性媒体、必要に応じて、消泡剤等の添加剤を添加混合して製造する方法が挙げられる。
【0040】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物の固形分の含有量の好ましい下限は15質量%、好ましい上限は30質量%である。上記固形分の含有量が15質量%未満であると、乾燥性が低下することがある。上記固形分の含有量が30質量%を超えると、粘度が高くなりすぎることがある。
なお、本明細書において、上記固形分とは、グラビア印刷されるときの固形分を意味する。
【0041】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物の印刷方法について説明する。
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、コート紙等の紙基材に、グラビア印刷方式で印刷することができる。
印刷物の製造効率を考慮すると、印刷スピードは150m/分以上が好ましい。また、印刷スピードを150m/分以上とするために、印刷後に、各種加熱乾燥装置を利用した乾燥工程を行ってもよい。
なお、印刷時、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物の粘度としては、ザーンカップNo.3の流出秒数が15〜19秒程度であることが好ましい。上記流出秒数が15秒未満であると、レベリング性が低下することがある。上記流出秒数が19秒を超えると、印刷適性が低下することがある。
【0042】
また、通常、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、印刷時に希釈剤により希釈される。上記希釈剤による希釈は、印刷時の本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物中の固形分の含有量が、15〜30質量%となる範囲となるようになされることが好ましい。ただし、浅版化した刷版を使用する場合は、印刷適性及び印刷性能の観点から、印刷時の本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物中の固形分の含有量が、20〜30質量%となるようになされることが好ましく、25〜30質量%となるようになされることがより好ましい。
【0043】
更に、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を用いて印刷した印刷物には、紙器用水性オーバープリントニス組成物を塗工してもよい。上記紙器用水性オーバープリントニス組成物としては、従来公知の紙器用ものが使用できるが、水性媒体、エマルジョン型の水性樹脂、及び、上述した印刷改質剤を含有するものが好ましい。
上記水性オーバープリントニス組成物に用いる水性媒体は、VOCや二酸化炭素の排出量を削減するために、炭素数1〜4の低級アルコール等の有機溶媒を極力少なくすることが好ましく、有機溶剤を使用しない水がより好ましい。
【0044】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を印刷する工程、及び、上記紙器用水性オーバープリントニス組成物を塗工する工程は、一連の工程で行われてもよいし、別々の機会に工程を分けて行われてもよい。
また、例えば、6缶パックのパッケージ等では、印刷物を製造後、打ち抜き加工等の後加工が行われるが、この後加工は、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を印刷する工程や、上記水性オーバープリントニス組成物を塗工する工程と一連の工程で行われてもよいし、別々の機会に工程を分けて行われてもよい。
グラビア印刷、塗工、後加工を一度に行える装置としては、例えば、ボブストチャンプレンレマニックグラビア輪転打抜機等が挙げられる。
具体的には、コート紙等の紙基材を給紙部に供給し、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物をグラビア印刷方式によって印刷した後、上記紙器用水性オーバープリントニス組成物の塗工による被覆を、150〜200m/minの印刷・塗工スピードで行い、その後、打ち抜き工程を経て、目的の印刷物を得ることができる。
【0045】
更に、本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物を印刷後、及び、上記紙器用水性オーバープリントニス組成物を塗工した後、乾燥にあたっては熱風乾燥装置を利用することにより、印刷効率、塗工効率、全体の印刷物の製造効率を高くすることができる。
【0046】
本発明の紙器用水性グラビア印刷インキ組成物は、紙器カートンのグラビア印刷に特に好適に用いられる。