(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コア部、及び前記コア部を覆って設けられ前記コア部よりも融点が低い被覆部を有する結束部材を用いて複数本の光ファイバが束ねられ、且つ互いに分離された複数本の光ファイバユニットと、
前記複数本の光ファイバユニットの周囲を被覆し、前記結束部材の前記被覆部よりも低融点を有する第1の外被と、
前記第1の外被の周囲を被覆し、前記第1の外被よりも高融点を有する第2の外被と、
を備え、
前記光ファイバユニットのそれぞれにおいて、前記結束部材を複数本用いて前記複数本の光ファイバが束ねられ、前記結束部材同士の交差部が熱融着されており、
前記第2の外被の融点が、前記被覆部の融点以上であることを特徴とする光ファイバケーブル。
コア部、及び前記コア部を覆って設けられ前記コア部よりも融点が低い被覆部を有する結束部材を用いて前記複数本の光ファイバを束ねて、光ファイバユニットを作製するステップと、
前記光ファイバユニットを複数本集合するステップと、
前記被覆部よりも低融点を有する第1の樹脂を用いて、押出成形により前記第1の樹脂の融点以上且つ前記被覆部の融点未満の第1の温度で前記複数本の光ファイバユニットの周囲を被覆することにより第1の外被を形成するステップと、
前記第1の樹脂よりも高融点を有する第2の樹脂を用いて、押出成形により前記第2の樹脂の融点以上の第2の温度で前記前記第1の外被を被覆することにより第2の外被を形成するステップと、
を含み、
前記光ファイバユニットを作製するステップは、
前記結束部材同士が交差部を有するように前記結束部材を複数本用いて前記複数本の光ファイバを束ね、
前記被覆部の融点以上且つ前記コア部の融点未満の温度で加熱することにより前記交差部を熱融着し、
前記第2の樹脂の融点が、前記被覆部の融点以上であることを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の光ファイバケーブルにおいて、光ファイバを束ねた結束部材が容易に解け易く、中間分岐作業時に不意に結束部材が解けることにより取り出し性及び識別性が劣化する場合がある。
【0006】
これを改善するため、熱接着材料からなる複数の結束部材を用いて複数本の光ファイバに巻き付け、結束部材同士の交点を熱融着した光ファイバユニットが考えられる。この光ファイバユニットによれば、結束部材が不意に解け難くし、中間分岐作業時の識別性を向上させることができる。
【0007】
しかしながら、熱接着材料からなる複数の結束部材を用いた光ファイバケーブルの製造工程において、ケーブル外被として多く用いられているポリエチレン材料を用いた場合、押出成形時の樹脂温度は140℃〜220℃程度となる。この熱により結束部材がその融点以上に加熱され、隣接した光ファイバユニットの結束部材同士が接着される場合がある。この結果、中間後分岐作業において光ファイバの取り出し性(取り扱い性)が悪くなるという問題がある。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、熱接着材料からなる結束部材を用いて光ファイバユニットを形成した場合に、隣接した光ファイバユニット同士が互いに分離しており、中間後分岐作業における光ファイバの良好な取り出し性を維持することができる光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、コア部、及びコア部を覆って設けられコア部よりも融点が低い被覆部を有する結束部材を用いて複数本の光ファイバが束ねられ、且つ互いに分離された複数本の光ファイバユニットと、複数本の光ファイバユニットの周囲を被覆し、結束部材の被覆部よりも低融点を有する第1の外被と、第1の外被の周囲を被覆し、第1の外被よりも高融点を有する第2の外被とを備える光ファイバケーブルが提供される。
【0010】
本発明の一態様において、第1の外被の融点が80℃〜120℃であり、第2の外被の融点が120℃〜130℃であっても良い。
【0011】
本発明の一態様において、光ファイバユニットのそれぞれにおいて、1本の結束部材を用いて複数本の光ファイバが束ねられていても良く、この束ねられた光ファイバユニットを複数本撚り合わせた構造でも良い。
【0012】
本発明の一態様において、光ファイバユニットのそれぞれにおいて、結束部材を複数本用いて複数本の光ファイバが束ねられ、結束部材同士の交差部が熱融着されていても良い。
【0013】
本発明の一態様において、第2の外被の融点が、被覆部の融点以上であっても良い。
【0014】
本発明の他の態様によれば、コア部、及びコア部を覆って設けられコア部よりも融点が低い被覆部を有する結束部材を用いて複数本の光ファイバを束ねて、光ファイバユニットを作製するステップと、光ファイバユニットを複数本集合するステップと、被覆部よりも低融点を有する第1の樹脂を用いて、押出成形により第1の樹脂の融点以上且つ被覆部の融点未満の第1の温度で複数本の光ファイバユニットの周囲を被覆することにより第1の外被を形成するステップと、第1の樹脂よりも高融点を有する第2の樹脂を用いて、押出成形により第2の樹脂の融点以上の第2の温度で第1の外被を被覆することにより第2の外被を形成するステップとを含む光ファイバケーブルの製造方法が提供される。
【0015】
本発明の他の態様において、光ファイバユニットを作製するステップは、1本の結束部材を用いて複数本の光ファイバを束ねても良い。
【0016】
本発明の他の態様において、光ファイバユニットを作製するステップは、結束部材同士が交差部を有するように結束部材を複数本用いて複数本の光ファイバを束ね、被覆部の融点以上且つコア部の融点未満の温度で加熱することにより交差部を熱融着しても良い。
【0017】
本発明の他の態様において、第1の樹脂の融点が80℃〜120℃であり、第2の樹脂の融点が120℃〜130℃であっても良い。
【0018】
本発明の他の態様において、第2の樹脂の融点が、被覆部の融点以上であっても良い。
【0019】
本発明の他の態様において、第1の外被を形成するステップと、第2の外被を形成するステップは、共押出により同時に行われても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、熱接着材料からなる結束部材を用いて光ファイバユニットを形成した場合に、隣接した光ファイバユニット同士が互いに分離しており、中間後分岐作業における光ファイバの良好な取り出し性を維持することができる光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0023】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
(光ファイバケーブルの構造)
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルは、
図1に示すように、互いに接着せず分離した状態にある複数の光ファイバユニット10a,10bと、複数の光ファイバユニット10a,10bの周囲を被覆した第1の外被(シース)1と、第1の外被1の周囲を被覆した第2の外被(シース)2とを備える。
【0025】
第1の外被1及び第2の外被2の材料としては、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)又はポリプロピレン(PP)等の樹脂が使用可能である。第1の外被1及び第2の外被2の厚さはそれぞれ1mm程度である。
【0026】
複数の光ファイバユニット10a,10bと第1の外被1との間には押え巻きテープ3が配置されている。押え巻きテープ3の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)若しくはナイロン(登録商標)等の熱可塑性樹脂、又はエポキシ等の熱硬化性樹脂が使用可能である。
【0027】
第1の外被1には、一対の引き裂き紐(リップコード)5a,5bが埋設されている。リップコード5a,5bとしては、ポリエステルからなる撚り糸や、アラミド繊維又はガラス繊維等の繊維紐等が使用可能である。
【0028】
第2の外被2には、リップコード5a,5bを結ぶ直線と直交する方向に一対の抗張力体(テンションメンバ)4a,4bが埋設されている。抗張力体4a,4bとしては鋼線等の金属線又は繊維強化プラスチック(FRP)等が使用可能である。また、抗張力体4a,4bとしては、線状体に限らず、帯状体であっても良い。帯状体とは、断面が偏平形状、楕円形状、あるいは長方形などの矩形状で、長尺の帯状のものをいう。
【0029】
光ファイバユニット10aは、
図2に示すように、光ファイバ11aの束と、光ファイバ11aの束に巻き付けられた1本の結束部材12a、若しくは
図3に示すように複数本(ここでは2本)の結束部材12a,12bを有する。
【0030】
光ファイバ11aの束は、例えば直径0.25mmの光ファイバ心線を20本集合させたものである。光ファイバ11aとしては、光ファイバ素線、光ファイバ心線又は光ファイバテープ心線等の心線を採用可能である。本発明の実施の形態において、光ファイバ11aの本数及び光ファイバ11aの種類は特に限定されない。
【0031】
図2に示すように1本の結束部材12aが巻き付けられた場合には、他の光ファイバユニット10bと識別可能なように固有の色彩が付されている。
【0032】
一方、
図3に示したように複数本の結束部材12a,12bが巻き付けられた場合には、他の光ファイバユニット10bと識別可能なように互いに同じ色彩又は異なる色彩が付されても良い。
【0033】
図3において、結束部材12a,12bは光ファイバ11aの束に互いに逆向きに螺旋状に巻き付けられており、結束部材12a,12bの交差部(クロスバインド部)Tは熱融着することにより接着されている。結束部材12a,12b同士の交差部Tにおける接着強度は、結束部材12a,12bが不意に解けず、外したいときは手で容易に外せる程度である。よって、結束部材12a,12bが不意に解けて光ファイバユニット10aの他の光ファイバユニット10bとの識別性を損なうことを防止することができる。更に、中間後分岐作業時には結束部材12a,12bの交差部Tを手で外して取り出し部位を広げることができ、光ファイバ11aを容易に取り出すことができる。
【0034】
結束部材12a,12bの交差部T間のピッチは、中間後分岐における識別性を向上するために等間隔であることが好ましく、例えば40mm〜200mmが好ましい。ピッチが80mm未満で狭くなるほど、中間分岐作業時に光ファイバ11aを取り出し難くなる。一方、ピッチが200mmを超え広くなるほど結束部材12a,12bの視認性が悪くなる。
【0035】
結束部材12a,12bは、
図4に示すように、ケーブル長手方向にそれぞれ延伸する複数本のコア部122と、コア部122の外周を被覆し、コア部122の融点より低い融点を有する被覆部121とを含む。コア部122の融点と被覆部121の融点の差は20℃程度以上あることが好ましい。コア部122の融点は160℃程度が好ましく、被覆部121の融点は90℃〜130℃程度が好ましい。また、被覆部121には、加熱して溶けても光ファイバ11aと接着しないか或いは接着してもその接着力が低く、しかも光ファイバ11aの外被層を劣化させないことが要求される。
【0036】
コア部122及び被覆部121のそれぞれには、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高融点樹脂、またはポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維(登録商標であるナイロン等)、ポリエステル繊維(PET繊維等)等の高融点繊維、またはPET、PP等の高融点テープ或いはフィルムに対して加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)のような低融点を有するもの、または熱可塑性樹脂やゴムをベースとし、加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な、いわゆる加熱融解型(ホットメルト)の接着剤で覆ったもの等が使用できる。
【0037】
図1に示した光ファイバユニット10bは、光ファイバユニット10aと同様に、光ファイバ11bの束に1本又は複数本の結束部材12c,12dを巻き付けて交差部Tを熱融着することにより一束化されている。複数の光ファイバユニット10a,10bは互いに撚り合わせていても良く、撚らずに集合させたものであっても良い。
【0038】
ここで、第1の外被1は、光ファイバユニット10a,10bの結束部材12a〜12dの被覆部121の融点(90℃〜130℃程度)よりも低い融点(例えば80℃〜120℃程度)を有する。
【0039】
また、第2の外被2は、第1の外被1の融点(80℃〜120℃程度)より高い融点(例えば120℃〜130℃程度)を有する。更に、第2の外被2の融点は、光ファイバユニット10a,10bの結束部材12a〜12dの被覆部121の融点以上であっても良く、被覆部121の融点未満であっても良い。
【0040】
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルに対する中間後分岐作業においては、リップコード5a,5bを引っ張ることにより第1の外被1及び第2の外被2を所定の長さで引き裂き、剥ぎ取る。そして、露出した光ファイバユニット10a,10bの結束部材12a〜12dの交差部Tを剥がして光ファイバ11a,11bを取り出すことができる。
【0041】
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルによれば、光ファイバユニット10a,10b同士が接着することなく互いに分離しているので、中間後分岐作業時における光ファイバ11a,11bの取り出し性を良好に維持することができる。
【0042】
(光ファイバケーブルの製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの製造方法の一例を説明する。なお、以下に示す光ファイバケーブルの製造方法は一例であり、これに特に限定されるものではない。
【0043】
(イ)コア部122、及びコア部122を覆って設けられコア部122よりも融点が低い被覆部121をそれぞれ有する複数本の結束部材12a,12bを用意する。そして、
図3に示すように、複数の結束部材12a,12bを複数本の光ファイバ11aの束に螺旋状に交差部Tを有するように巻き付ける。
【0044】
(ロ)次に、結束部材12a,12bが巻き付けられた光ファイバ11aの束は、図示を省略したカンタル炉等の電気炉、電熱ヒータ又は温風加熱炉等の加熱装置に搬入され、結束部材12a,12bを構成する被覆部121の融点以上且つコア部122の融点未満の温度(例えば130℃〜140℃程度)で加熱される。この結果、結束部材12a,12bの被覆部121が溶融し、結束部材12a,12b同士が交差部Tにおいて熱融着により接着される。一方、コア部122は溶融しないため、結束部材12a,12bの形状は保持される。
【0045】
(ハ)結束部材12a,12bが巻き付けられた光ファイバユニット10aは、加熱装置から搬出された後に自然冷却される。これにより、被覆部121が固化し、結束部材12a,12bの交差部Tの接着状態は保持される。このようにして、光ファイバユニット10aが作製される。なお、
図2に示すように光ファイバユニット10aに1本の結束部材12aを巻き付ける場合、上述した加熱及び冷却工程は省略可能である。更に、光ファイバユニット10aと同様にして、
図1に示した光ファイバユニット10bが作製される。なお、光ファイバユニット10bは、光ファイバユニット10aと並列して同時に作製することも可能である。
【0046】
(ニ)
図1に示すように、光ファイバユニット10a,10bを複数本集合する。この複数本の光ファイバユニット10a,10bの周囲を押え巻きテープ3で押え、リップコード5a,5bとともに図示を省略した押出機に導入する。
【0047】
(ホ)そして、結束部材12a,12bを構成する被覆部121の融点(例えば90℃〜130℃程度)よりも低融点(例えば80℃〜120℃程度)を有する樹脂を用いて、押出成形により光ファイバユニット10a,10bの周囲を押え巻きテープ3を介して被覆することにより第1の外被1を形成する。押出成形時の樹脂の温度は、この樹脂の融点以上且つ結束部材12a,12bを構成する被覆部121の融点未満の温度(例えば100℃)に設定される。このため、光ファイバユニット10a,10bの結束部材12a〜12dの被覆部121は溶融せず、結束部材12a〜12dが交差部T以外で融着することを防止することができる。
【0048】
(ヘ)次に、第1の外被1で被覆した光ファイバユニット10a,10bを、抗張力体4a,4bとともに図示を省略した押出機に導入する。そして、第1の外被1を構成する樹脂の融点よりも高融点(例えば120℃〜130℃程度)の樹脂を用いて、押出成形により第1の外被1の周囲を被覆することにより第2の外被2を形成する。押出成形時の樹脂の温度は、この樹脂の融点以上の温度(例えば140℃〜220℃程度)に設定される。なお、押出成形時の樹脂の温度は、結束部材12a,12bを構成する被覆部121の融点以上であっても良く、被覆部121の融点未満の温度であっても良い。光ファイバユニット10a,10bと第2の外被2の間には第1の外被1が介在しているので、第2の外被2の押出成形時の熱が光ファイバユニット10a,10bへ伝導することを抑制することができる。このため、光ファイバユニット10a,10bの結束部材12a〜12dの被覆部121は溶融せず、結束部材12a〜12dが交差部T以外で融着することを防止することができる。
【0049】
(ト)その後、水冷等により冷却し、
図1に示した光ファイバケーブルが完成する。
【0050】
このように、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの製造方法によれば、被覆部121の融点未満の融点を有する第1の外被1を被覆部121の融点未満の温度で被覆し、第1の外被の融点よりも高い融点を有する第2の外被2を第2の外被2の融点以上の温度で被覆することにより、第1の外被1及び第2の外被2のそれぞれの押出成形時における結束部材12a〜12d同士の熱融着を防止することができる。この結果、光ファイバユニット10a,10b同士が接着することなく分離した状態の光ファイバケーブルを製造可能となる。
【0051】
更に、第2の外被2として、第1の外被1よりも高融点の材料を使用することができるので、光ファイバケーブルの表面を粗さの少ない均一な表面とすることができる。
【0052】
なお、第1の外被1及び第2の外被2の押出成形を個別に行う場合を説明したが、第1の外被1及び第2の外被2は、共押出可能な押出機を用いて、共押出により同時に形成しても良い。この場合、第1の外被1及び第2の外被2の押出成形を個別に行う場合と比較して工数を少なくすることができる。
【0053】
(実施例)
本発明の実施の形態の第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブルと、比較例に係る光ファイバケーブルとして、
図1に示すように複数本の光ファイバ11a,11bの束に2本の結束部材12a〜12dをそれぞれ巻き付けて光ファイバユニット10a,10bとし、光ファイバユニット10a,10bの周囲に、共押出により第1の外被1及び第2の外被2を同時に形成して試作した。
【0054】
第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブル並びに比較例に係る光ファイバケーブルのいずれも、押え巻きテープ3はポリエステルテープ、第1の外被1は厚さ1mmのEasy Processing Polyethylene(EPPE)(登録商標)、第2の外被2は厚さ1mmの直鎖状低密度ポリエチレンを使用した。結束部材12a〜12dの被覆部121の融点は125℃とした。
【0055】
第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブル並びに比較例に係る光ファイバケーブルにおいて、
図5に示すように、第1の外被1の融点はそれぞれ82℃、102℃、124℃であり、第2の外被2の融点はいずれも124℃である。
【0056】
なお、第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブル並びに比較例に係る光ファイバケーブルにおいて、第1の外被1の押出成形時の樹脂の温度はそれぞれの融点より20℃程度高い100℃程度、120℃程度、140℃程度であり、第2の外被2の押出成形時の樹脂の温度はいずれも140℃程度である。
【0057】
第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブル並びに比較例に係る光ファイバケーブルについて、ケーブル伝送特性及び光ファイバユニット10a,10b同士の融着についての評価した結果を
図4に示す。ケーブル伝送特性は、損失変動が0.1dB/km以下であれば白抜きの丸(○)とした。第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブル並びに比較例に係る光ファイバケーブルのいずれも損失変動は0.1dB/km以下であり良好であった。
【0058】
次に、光ファイバユニット10a,10b同士の融着については、融着が全くなければ白抜きの丸(○)とし、若干融着している場合に白抜きの三角(△)とした。第1及び第2の実施例に係る光ファイバケーブルでは、光ファイバユニット10a,10b同士が全く融着していないことがそれぞれ確認された。一方、比較例に係る光ファイバケーブルでは、光ファイバユニット10a,10b同士が若干融着していることが確認された。
【0059】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0060】
本発明の実施の形態において、
図1に示すようにスロットレス型光ファイバケーブルを示したが、光ファイバユニットを有するものであれば光ファイバケーブルの種類は特に限定されない。例えば、SZスロット型光ファイバケーブル又はテープスロット型光ファイバケーブル等のスロット型光ファイバケーブルにも適用可能である。
【0061】
また、本発明の実施の形態において、
図1に示すように2つの光ファイバユニット10a,10bを有する構造を説明したが、光ファイバユニットの数は特に限定されるものではない。更に、各光ファイバユニットが有する光ファイバの本数や種類は互いに同じでも良く、異なっていても良い。
【0062】
また、本発明の実施の形態において、光ファイバユニット10a,10bに巻き付ける結束部材の本数及び交差部の有無は特に限定されるものではない。例えば
図2に示すように1本の結束部材12aが交差部を形成することなく巻き付けられていても良く、
図3に示すように2本の結束部材12a,12bが交差部Tを有して巻き付けられていても良く、3本以上の結束部材が巻き付けられていても良い。
【0063】
また、本発明の実施の形態において、結束部材12a,12bとして、
図4に示すように複数本のコア部122を被覆部121で一括被覆した紐状の構造を説明したが、これに特に限定されない。例えば、1本のコア部の外周を被覆部で被覆した二重構造であっても良い。また、コア部をテープ形状又はフィルム形状とし、このコア部を被覆部で被覆した構造であっても良い。また、コア部の外周を被覆部で被覆した二重構造のものを複数本撚り合わせた構造であっても良い。
【0064】
また、本発明の実施の形態において、
図3に示すように、2本の結束部材12a,12bを逆向きに螺旋状に光ファイバ11aの束に巻き付ける場合を説明したが、結束部材12a,12bの本数及び巻き付け方は、交差部Tを有するように巻き付けることができれば特に限定されない。例えば、1本の結束部材12aを螺旋状に巻き付けるとともに、もう1本の結束部材12bを直線的に縦添えしても良い。また、2本の結束部材12a,12bを逆向きに螺旋状に巻き付けるとともに、更に別な1本の結束部材を直線的に縦添えしても良い。
【0065】
また、本発明の実施の形態において、
図1に示すように抗張力体4a,4bが第1の外被1に埋設された構造を説明したが、
図6に示すように、抗張力体4a,4bが第2の外被2に埋設されていても良い。
【0066】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。