(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
縮径した縮径部を先端部に有する注射器本体と、前記縮径部に螺合し、針体および該針体を保持するハブを有する注射針とを備える注射器の前記注射器本体から前記注射針を取り外し、該注射針を廃棄する際に用いられる廃棄容器であって、
前記注射器本体から取り外された前記注射針を収納する容器と、
前記容器に設置され、前記注射器本体から前記注射針を取り外す際、前記注射器が着脱自在に装着される装着部とを有し、
前記装着部は、前記注射器が前記装着部に装着された状態で、前記注射器の軸方向の位置を規制する位置規制手段と、
前記注射器が前記装着部に装着された状態で、前記注射針の回転を阻止する回転阻止手段と、
前記注射器本体から前記注射針を取り外す際、前記ハブの基端に係合可能な第1の突部と、該第1の突部よりも先端側に位置し、前記ハブの基端の外周部に係合可能な第2の突部とを有し、
前記注射器本体から前記注射針を取り外す際、前記第1の突部と前記第2の突部とのいずれか一方が前記ハブの基端に係合するよう構成されていることを特徴とする廃棄容器。
前記注射針と前記縮径部とが螺合した状態における前記ハブの基端と前記注射器本体の先端部との間の隙間に対して、前記第2の突部は、前記注射器が前記装着部に装着された状態で、前記隙間に挿入可能である請求項1に記載の廃棄容器。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の廃棄容器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の廃棄容器の第1実施形態を示す断面図である。
図2は、ペン型注射器の構成例を示す側面図である。
図3は、
図2に示すペン型注射器の注射器本体の先端部の側面図および注射針の断面図である。
図4は、
図1に示す廃棄容器の装着部を示す平面図である。
図5は、
図1に示す廃棄容器の装着部の突出片の
図4中のA−A線での断面図である。
図6は、
図1に示す廃棄容器の作用を説明するため断面図である。
【0024】
なお、以下では、廃棄容器については、
図1、
図6中の上側を「上」、下側を「下」とし、ペン型注射器については、
図1〜
図3、
図6中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明を行う。
【0025】
これらの図に示す廃棄容器1は、ペン型注射器の注射器本体に着脱自在に装着、すなわち、螺合している注射針をその注射器本体から取り外し、廃棄する際に用いられる器具である。この廃棄容器1を説明する前に、まず、ペン型注射器の一例について説明する。
【0026】
図2および
図3に示すように、ペン型注射器(注射器)10は、長手形状をなす注射器本体11と、注射器本体11に着脱自在に装着される注射針14とを有している。注射針14は、使用時に、注射器本体11に装着され、使用後に、注射器本体11から取り外され、廃棄される。
【0027】
注射針14は、両頭針である針体12と、針体12を保持する有底筒状のハブ13とを有している。なお、ハブ13の側壁は、本実施形態では、円筒状をなしている。
【0028】
ハブ13の内周面には、雌ネジ131が形成されている。また、ハブ13の外周面には、複数の溝(凹部)132が形成されている。各溝132は、軸方向に沿って延在し、ハブ13の先端側に開放している。また、各溝132は、ハブ13の外周面の周方向に沿って等角度間隔に配置されている。なお、溝132の数は、特に限定されないが、本実施形態では、16である。
【0029】
注射器本体11は、その先端部に、拡径した拡径部111と、拡径部111の先端部に形成され、縮径した縮径部112とを有している。拡径部111の先端部の角部は、丸みを帯びている。
【0030】
また、縮径部112の外周面には、前記注射針14のハブ13の雌ネジ131と螺合する雄ネジ113が形成されている。また、縮径部112の内部には、針体12が刺通可能な図示しない栓体が設置されており、その栓体により、注射器本体11内の薬液が収納された空間が液密に封止されている。
【0031】
なお、前記薬液としては、特に限定されず、例えば、インスリン製剤、成長ホルモン等のホルモン製剤、アナフィラキシー補助治療剤等が挙げられる。
【0032】
ペン型注射器10の使用時には、注射器本体11の縮径部112の雄ネジ113と、注射針14のハブ13の雌ネジ131とを螺合させる。これにより、注射器本体11の先端部、すなわち、縮径部112に注射針14が装着される。この状態では、注射器本体11の先端部、すなわち、拡径部111の先端面と、注射針14のハブ13の基端との間に隙間15が形成される(
図2、
図6(a)参照)。
【0033】
次に、廃棄容器1について説明する。
図1および
図4に示すように、廃棄容器1は、ペン型注射器10の注射器本体11から取り外された注射針14が廃棄、すなわち収納される有底筒状をなす容器本体3と、容器本体3の上部に着脱自在に設置されたキャップ2とを有している。この容器本体3とキャップ2とで容器が構成される。なお、容器本体3の側壁は、本実施形態では、円筒状をなしている。また、容器本体3の上端部は、それよりも下側の部位に対して縮径しており、本実施形態では、その縮径した部位と、キャップ2の下部とが、互いに螺合している。なお、キャップ2と容器本体3との固定方法は、これに限らず、例えば、キャップ2と容器本体3との一方が他方に嵌合していてもよい。また、キャップ2と容器本体3とが固着されていてもよい。
【0034】
キャップ2の上板21には、開口22が形成されており、その開口22内には、注射器本体11から注射針14を取り外す際、ペン型注射器10が着脱自在に装着される装着部4が設けられている。なお、キャップ2と装着部4とは一体的に形成されていてもよく、また、別体であってもよい。
【0035】
装着部4は、注射器本体11から注射針14を取り外すための構造を有している。まず、装着部4は、有底筒状をなす本体部40を有している。なお、本体部40の側壁は、本実施形態では、円筒状をなしている。
【0036】
本体部40の底部401の中央部には、その底部401を貫通し、容器本体に連通する孔部41が形成されている。この孔部41は、注射器本体11から注射針14を取り外す際、そのハブ13が挿入、すなわち装着される部位である。なお、孔部41の形状は、ハブ13の外形形状に対応した形状、本実施形態では、平面視で円形状をなしている。
【0037】
孔部41の上端部の内周面には、弾性変形可能で、注射針14のハブ13の基端の端面に係合可能な複数の突出片(突部)43が装着部4の中心軸に向って突出するように形成されている。ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、各突出片43は、ペン型注射器10に向って突出し、そのペン型注射器10の隙間15に挿入される(
図6(b)参照)。なお、各突出片43は、板状をなしている。
【0038】
図5に示すように、各突出片43の上面は、その突出片43の厚さが装着部4の中心軸に向って漸減する傾斜面431になっている。これにより、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、容易に挿入することができる。また、突出片43の突出方向を「先端」、その突出方向と反対方向を「基端」としたとき、各突出片43の先端面は、平面視で、凹状に湾曲している。なお、各突出片43の基端の上端と、孔部41の上端とは、一致している。
【0039】
また、各突出片43は、孔部41の内周面の周方向に沿って等角度間隔に配置されている。なお、突出片43の数は、特に限定されないが、複数であることが好ましく、本実施形態では、4である。
【0040】
また、孔部41の下端部の内周面には、ハブ13の溝132内に挿入され、溝132と係合する複数のリブ(凸部)42が突出形成されている。各リブ42は、軸方向に沿って延在している。また、各リブ42は、孔部41の内周面の周方向に沿って配置されている。また、各リブ42の基端部は、丸みを帯びている。また、各リブ42は、平面視で、装着部4の中心軸を対称点として点対称に配置されている。
【0041】
なお、リブ42の数は、特に限定されないが、本実施形態では、8である。そして、各リブ42は、平面視で、隣り合う2つの突出片43の間に、2つずつ配置されている。
【0042】
ペン型注射器10が装着部4に装着された状態、すなわち、ハブ13が孔部41に挿入された状態では、各リブ42がそのペン型注射器10のハブ13の対応する各溝132内に挿入され、各リブ42と各溝132とが係合する。これにより、装着部4に対して注射針14の回転が阻止される。したがって、各リブ42により、注射針14の回転を阻止する回転阻止手段が構成される。また、各リブ42は、ハブ13が通過可能に設定される。注射針14は、ハブ13がペン型注射器10から取り外された後、自重により、あるいは注射針14の基端側から押圧されることにより、容器本体3内に収容される。
【0043】
また、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態、すなわち、ハブ13が孔部41に挿入された状態では、そのペン型注射器10の拡径部111の先端部が底部401の上面、すなわち、底部401の孔部41に臨む縁部に当接する。これにより、装着部4に対してペン型注射器10の先端方向への移動が阻止され、ペン型注射器10の軸方向の位置が規制される(
図6(b)参照)。したがって、底部401の孔部41に臨む縁部、すなわち、拡径部111の先端部が当接する当接部により、ペン型注射器10の軸方向の位置を規制する位置規制手段が構成される。
【0044】
次に、廃棄容器1の作用について説明する。
図6(a)に示すように、ペン型注射器10の注射器本体11から注射針14を取り外す際は、廃棄容器1の装着部4にペン型注射器10を装着する。すなわち、ペン型注射器10の先端側から注射針14のハブ13を装着部4の孔部41内に挿入する。
【0045】
この際、装着部4の各突出片43は、一旦、ハブ13の外周面に当接して弾性変形し、
図6(b)に示すように、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、ペン型注射器10とハブ13の端部との隙間15に挿入される。
【0046】
また、装着部4の各リブ42がハブ13の対応する溝132内に挿入され、各リブ42と各溝132とが係合する。これにより、装着部4に対して注射針14の回転が阻止される。また、ペン型注射器10の拡径部111の先端部が装着部4の底部401の上面、すなわち、底部401の孔部41に臨む縁部に当接する。これにより、装着部4に対してペン型注射器10の先端方向への移動が阻止され、ペン型注射器10の軸方向の位置が規制される。
【0047】
次に、注射器本体11を所定方向に回転させ、注射器本体11の縮径部112の雄ネジ113と注射針14のハブ13の雌ネジ131との螺合を解除する。この際、注射針14の軸方向の位置はほとんど変わらず、注射器本体11が基端方向に移動する。
【0048】
次に、
図6(c)に示すように、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突出片43が注射針14のハブ13の基端の端面に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。このようにして、注射器本体11から注射針14が取り外され、その注射針は、廃棄容器1の容器本体3内に収納される。
【0049】
以上説明したように、この廃棄容器1によれば、注射針14に直接手を触れずに、その注射針14を注射器本体11から容易かつ確実に取り外し、廃棄することができる。
【0050】
すなわち、装着部4の各リブ42と注射針14のハブ13の対応する各溝132とが係合することにより、装着部4に対して注射針14の回転が阻止され、これにより、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合を確実に解除することができる。また、装着部4の各突出片43が注射針14のハブ13の基端に係合することにより、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、これにより、注射器本体11から注射針14を確実に離脱させることができる。
【0051】
また、この廃棄容器1は、その構成も簡易である。
なお、本実施形態では、各突出片43は、底部401に固定されているが、これに限らず、例えば、各突出片43は、底部401に対して変位可能に設けられ、各突出片43を装着部4の中心軸に向けて付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0052】
また、装着部4の各突出片43は、注射針14のハブ13の基端において、その端面に係合する場合のほか、ハブ13の基端の外周部に係合するようにするようにしてもよい。
【0053】
<第2実施形態>
図7は、本発明の廃棄容器の第2実施形態における装着部を示す断面図である。
図8は、
図7に示す廃棄容器の装着部にペン型注射器を装着した状態を示す断面図である。
図9は、
図7に示す廃棄容器の装着部を示す平面図である。
【0054】
なお、以下では、廃棄容器については、
図7、
図8中の上側を「上」、下側を「下」とし、ペン型注射器については、
図8中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明を行う。
【0055】
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0056】
図7〜
図9に示すように、第2実施形態の廃棄容器1では、装着部4は、その中心軸を介して互いに対向するように配置された1対の突出片(第2の突部)43を有している。各突出片43は、後述する各
突起45よりも
先端側に位置している。
【0057】
また、装着部4は、その中心軸を介して互いに対向するように配置され、弾性変形可能な1対の腕部44を有している。各腕部44は、装着部4の底部401の上面の孔部41の近傍に配置されており、底部401の上面から上方に延びる長手形状をなしている。なお、腕部44と突出片43とは、装着部4の中心軸の回りに、交互に、等角度間隔に配置されている。
【0058】
各腕部44の上端部には、それぞれ、注射針14のハブ13の基端に係合可能な突起(第1の突部)45が装着部4の中心軸に向って突出するように形成されている。各突起45の上面は、その突起45の厚さが装着部4の中心軸に向って漸減する傾斜面451になっている。これにより、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、各腕部44が容易に湾曲し、ハブ13を容易に挿入することができる。
【0059】
なお、傾斜面451の傾斜角度θ1は、特に限定されないが、45°以上であることが好ましい。これにより、ハブ13をより容易に挿入することができる。
【0060】
各突起45は、各腕部44が弾性変形することにより、ハブ13の基端の端面に係合可能な
図7に示す第1の位置と、第1の位置から外方に退避した
図8に示す第2の位置とに変位可能に構成されている。本実施形態では、各突起45が第1の位置に位置しているときは、各腕部44は、自然状態にある。また、各突起45が第2の位置に位置しているときは、各腕部44は、弾性変形し、突起45を装着部4の中心軸に向けて付勢している。したがって、各腕部44により、それぞれ、付勢手段が構成される。
【0061】
ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、各突起45は、前記第2の位置に位置し、また、そのペン型注射器10の注射器本体11の外周側、本実施形態では拡径部111の外周側であって、ハブ13の基端の外周部よりも基端側(上側)に位置している(
図8参照)。なお、各突起45の先端は、注射器本体11の外周面、本実施形態では拡径部111の外周面に当接している。
【0062】
この廃棄容器1では、前述した第1実施形態と同様に、ペン型注射器10の注射器本体11から注射針14を取り外す際は、ペン型注射器10を装着部4に装着し、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合を解除した後、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突出片43が注射針14のハブ13の基端の端面に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。
【0063】
また、この廃棄容器1では、ペン型注射器10の隙間15が非常に小さく、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態で、装着部4の各突出片43がその隙間15に挿入されない場合や、隙間15がない場合、すなわち、各突出片43がハブ13の基端の端面に係合しない場合でも、注射器本体11から注射針14を取り外すことができる。すなわち、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合が解除された後、注射器本体11を基端方向に移動させると、装着部4の各突起45が注射針14のハブ13の基端の端面に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。
この廃棄容器1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
なお、突出片43の数は、2つに限定されないが、複数であることが好ましい。
また、腕部44および突起45の数は、それぞれ、2つに限定されないが、複数であることが好ましい。また、装着部4の各突起45は、注射針14のハブ13の基端において、その端面に係合する場合のほか、ハブ13の基端の外周部に係合するようにするようにしてもよい。
【0065】
<第3実施形態>
図10は、本発明の廃棄容器の第3実施形態における装着部を示す斜視図である。
【0066】
なお、以下では、廃棄容器については、
図10中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0067】
以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0068】
図10に示すように、第3実施形態の廃棄容器1では、装着部4は、弾性変形可能な4つの腕部44を有している。各腕部44は、装着部4の底部401の孔部41の近傍に配置されており、底部401の下部から上方に延びる長手形状をなしている。なお、各腕部44は、装着部4の中心軸の回りに等角度間隔に配置されている。
【0069】
各腕部44の上端部には、それぞれ、注射針14のハブ13の基端の端面に係合可能な突起(突部)45が装着部4の中心軸に向って突出するように形成されている。各突起45の上面は、その突起45の厚さが装着部4の中心軸に向って漸減する傾斜面451になっている。これにより、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、各腕部44が容易に湾曲し、ハブ13を容易に挿入することができる。なお、各突起45は、底部401の上面よりも若干上側に位置している。なお、傾斜面451の傾斜角度θ2は、特に限定されないが、45°以上であることが好ましい。これにより、ハブ13をより容易に挿入することができる。
【0070】
ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、各突起45は、そのペン型注射器10の注射器本体11の外周側、本実施形態では拡径部111の外周側であって、ハブ13の基端の端面よりも基端側に位置している。なお、各突起45の先端は、注射器本体11の外周面、本実施形態では拡径部111の外周面に当接している。
【0071】
この廃棄容器1では、ペン型注射器10の注射器本体11から注射針14を取り外す際は、ペン型注射器10を装着部4に装着し、注射器本体11を所定方向に回転させ、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合を解除する。この際、注射針14の軸方向の位置はほとんど変わらず、注射器本体11が基端方向に移動し、これにより、ペン型注射器10の隙間15が大きくなり、その隙間15に各突起45が挿入される。
【0072】
そして、この後、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突起45が注射針14のハブ13の基端の外周部に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。
【0073】
このため、この廃棄容器1では、ペン型注射器10の隙間15が非常に小さい場合や、隙間15がない場合でも、注射器本体11から注射針14を取り外すことができる。
この廃棄容器1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】
なお、腕部44および突起45の数は、それぞれ、4つに限定されないが、複数であることが好ましい。また、装着部4の各突起45は、注射針14のハブ13の基端において、その端面に係合する場合のほか、ハブ13の基端の外周面に係合するようにしてもよい。
【0075】
<第4実施形態>
図11は、本発明の廃棄容器の第4実施形態における装着部を示す斜視図である。
【0076】
なお、以下では、廃棄容器については、
図11中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
【0077】
以下、第4実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0078】
図11に示すように、第4実施形態の廃棄容器1では、装着部4は、その中心軸を介して互いに対向するように配置された1対の突出片(第2の突部)43を有している。各突出片43は、後述する各突起47よりも基端側に位置している。
【0079】
また、装着部4は、その中心軸を介して互いに対向するように配置され、弾性変形可能な1対の腕部46を有しており、各腕部46には、それぞれ、突起(第1の突部)47が形成されている。以下、前記1対の腕部46および1対の突起47について説明する。なお、各腕部46および各突起47の構成は同様であり、すなわち、各腕部46および各突起47は、平面視で、装着部4の中心軸を対称点として点対称であるので、以下では、代表的に、一方の腕部46および突起47について説明する。
【0080】
まず、装着部4の側壁402の内周面および底部401の孔部41の内周面には、1対の凹部48が形成されている。各凹部48は、装着部4の上面および下面にそれぞれ開放している。また、各凹部48は、装着部4の中心軸を介して互いに対向するように配置されている。なお、凹部48と突出片43とは、装着部4の中心軸の回りに、交互に、等角度間隔に配置されている。この凹部48は、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、腕部46および突起47が退避する空間を構成する。
【0081】
腕部46は、前記凹部48内の一方の側面481から側方に延び、凹状に湾曲した長手形状をなしている。また、腕部46は、側面481の上端部でかつ内周側から突出している。なお、腕部46と突出片43とは、装着部4の中心軸の回りに、交互に、等角度間隔に配置されている。
【0082】
そして、腕部46の先端部には、注射針14のハブ13の基端の端面に係合可能な突起47が装着部4の中心軸に向って突出するように形成されている。また、突起47の上面には、その突起47の厚さが装着部4の中心軸に向って漸減する第1の傾斜面471と、第2の傾斜面472とが形成されている。なお、第1の傾斜面471と、第2の傾斜面472とは、装着部4の中心軸に向ってこの順序で配置されている。この第1の傾斜面471および第2の傾斜面472により、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、腕部46が容易に湾曲し、ハブ13を容易に挿入することができる。なお、突起47は、底部401の上面よりも若干上側に位置している。
【0083】
ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、各突起47は、そのペン型注射器10の注射器本体11の外周側、本実施形態では拡径部111の外周側であって、ハブ13の基端の外周部よりも基端側に位置している。なお、各突起47の先端は、注射器本体11の外周面、本実施形態では拡径部111の外周面に当接している。
【0084】
この廃棄容器1では、前述した第1実施形態と同様に、ペン型注射器10の注射器本体11から注射針14を取り外す際は、ペン型注射器10を装着部4に装着し、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合を解除した後、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突出片43が注射針14のハブ13の基端の外周部に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。
【0085】
また、この廃棄容器1では、ペン型注射器10の拡径部の先端部とハブ13基端の端面との隙間15が非常に小さく、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態で、装着部4の各突出片43がその隙間15に挿入されない場合や、隙間15がない場合すなわち、各突出片43がハブ13の基端の端面に係合しない場合でも、注射器本体11から注射針14を取り外すことができる。
【0086】
すなわち、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態で、装着部4の各突出片43がその隙間15に挿入されない場合や、隙間15がない場合は、注射器本体11の雄ネジ113と注射針14の雌ネジ131との螺合を解除する際、注射針14の軸方向の位置はほとんど変わらず、注射器本体11が基端方向に移動し、これにより、ペン型注射器10の隙間15が大きくなり、その隙間15に各突起47が挿入される。
【0087】
そして、この後、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突起47が注射針14のハブ13の基端の端面に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。
【0088】
この廃棄容器1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、突出片43の数は、2つに限定されないが、複数であることが好ましい。
【0089】
また、腕部46および突起47の数は、それぞれ、2つに限定されないが、複数であることが好ましい。また、装着部4の各突起47は、注射針14のハブ13の基端において、その端面に係合する場合のほか、ハブ13の基端の外周部に係合するようにしてもよい。
【0090】
<第5実施形態>
図12は、本発明の廃棄容器の第5実施形態における装着部を示す斜視図である。
図13は、
図12に示す廃棄容器の装着部を示す平面図である。
図14は、
図12に示す廃棄容器の作用を説明するための断面図である。
【0091】
なお、以下では、廃棄容器については、
図12〜
図14中の上側を「上」、下側を「下」とし、ペン型注射器については、
図14中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明を行う。
【0092】
以下、第5実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0093】
図12および
図13に示すように、第3実施形態の廃棄容器1では、装着部4は、弾性変形可能な1対の腕部51を有している。各腕部51は、装着部4の側壁402に形成された凹部内に配置されており、側壁402の上部から下方に延びる長手形状をなしている。なお、各腕部51は、装着部4の中心軸を介して対向するように配置されている。
【0094】
各腕部51の下端部には、それぞれ、注射針14のハブ13の基端の端面に係合可能な突起(突部)52が装着部4の中心軸に向って突出するように形成されている。各突起52の上面は、その突起52の厚さが装着部4の中心軸に向って漸減する傾斜面521になっている。これにより、注射針14のハブ13を孔部41内に挿入する際、各腕部51が容易に湾曲し、ハブ13を容易に挿入することができる。なお、各突起52は、底部401の上面付近に位置している。
また、底部401の上端部の内周面には、傾斜面403が形成されている。
【0095】
次に、廃棄容器1の作用について説明する。
図14(a)に示すように、ペン型注射器10の注射器本体11から注射針14を取り外す際は、廃棄容器1の装着部4にペン型注射器10を装着する。すなわち、ペン型注射器10の先端側から注射針14のハブ13を装着部4の孔部41内に挿入する。
【0096】
この際、装着部4の各腕部51は、ハブ13の外周面に当接して弾性変形し、
図14(b)に示すように、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、各突起52は、そのペン型注射器10の注射器本体11の外周側、本実施形態ではテーパ部114の外周側であって、ハブ13の基端の端面よりも基端側に位置している。なお、各突起45の先端は、注射器本体11の外周面、本実施形態ではテーパ部114の外周面に当接している。なお、ペン型注射器10の構成によっては、各突起45は、ペン型注射器10とハブ13の基端の端面との間の隙間15に挿入される。
【0097】
また、
図14(b)に示すように、ペン型注射器10が装着部4に装着された状態では、そのペン型注射器10の拡径部111と縮径部112との間のテーパ部114の先端部が底部401の傾斜面403に当接する。これにより、装着部4に対してペン型注射器10の先端方向への移動が阻止され、ペン型注射器10の軸方向の位置が規制される。したがって、底部401の傾斜面403により、ペン型注射器10の軸方向の位置を規制する位置規制手段が構成される。
【0098】
次に、注射器本体11を所定方向に回転させ、注射器本体11の縮径部112の雄ネジ113と注射針14のハブ13の雌ネジ131との螺合を解除する。この際、注射針14の軸方向の位置はほとんど変わらず、注射器本体11が基端方向に移動し、これにより、ペン型注射器10の隙間15が大きくなり、その隙間15に各突起52が挿入される。このため、この廃棄容器1では、ペン型注射器10の隙間15が非常に小さい場合や、隙間15がない場合でも、注射器本体11から注射針14を取り外すことができる。
【0099】
次に、
図14(c)に示すように、注射器本体11を基端方向に移動させる。この際、装着部4の各突起52が注射針14のハブ13の基端の端面に当接、すなわち係合し、装着部4に対して注射針14の基端方向への移動が阻止され、注射器本体11から注射針14が離脱する。このようにして、注射器本体11から注射針14が取り外され、その注射針は、廃棄容器1の容器本体3内に収納される。
この廃棄容器1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0100】
なお、腕部51および突起52の数は、それぞれ、2つに限定されないが、複数であることが好ましい。また、装着部4の各突起52は、注射針14のハブ13の基端において、その端面に係合する場合のほか、ハブ13の基端の外周面に係合するようにしてもよい。
【0101】
以上、本発明の廃棄容器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【0102】
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。