(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902077
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】支持装置、および、搬送装置
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20160331BHJP
B62B 3/10 20060101ALI20160331BHJP
B21C 47/24 20060101ALI20160331BHJP
B65H 19/12 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
F16M13/00 S
B62B3/10 A
B21C47/24 A
B65H19/12 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-241797(P2012-241797)
(22)【出願日】2012年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-91365(P2014-91365A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】下津 利仁
【審査官】
畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】
実開平4−98305(JP,U)
【文献】
特開平10−119784(JP,A)
【文献】
特開2007−167898(JP,A)
【文献】
特開平2−63959(JP,A)
【文献】
実開昭61−150121(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 13/00
B21C 47/24
B62B 3/10
B65H 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の対象物を支持する支持装置において、
前記高温の対象物が配置される配置部と、
該配置部の下方に配される基部と、
該基部と前記配置部との間に配され、前記配置部から前記基部への熱伝達を遮断する断熱体と、を備え、
前記基部と前記配置部との少なくとも一方は、
前記断熱体の縁部との間に空間を形成して該縁部よりも前記断熱体の中央側の範囲で断熱体に当接する当接部を有することを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記配置部と前記基部との何れか一方に撓み変形可能に支持され、前記配置部と前記基部との何れか他方との間に前記断熱体が配される支持部を備え、
該支持部は、前記当接部を有する請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記断熱体を介して前記配置部と前記基部との何れか一方に撓み変形可能に支持される請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記支持部を板状として、該支持部と前記配置部との間に配置される断熱体と、前記支持部と前記基部との間に配置される断熱体とを、各断熱体の接触面積幅以上ずらして備える請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記当接部は、周囲に溝を備える請求項1から4の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の支持装置を備え、前記対象物を搬送することを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、支持装置、および、支持装置を備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所などおいては、高温で質量の大きな対象物を搬送する搬送台車が用いられている。このような搬送台車は、対象物の熱が車輪の軸受など走行機構に伝達されて過熱されると、走行性能に悪影響を及ぼす虞がある。そのため、対象物が載置されるコイル受面と、このコイル受面を支持する支持部との間に、十分な断熱性ならびに耐荷重性を備えたセラミックス製の断熱体のブロックを複数並べて介在させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−119784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したセラミックスや耐火煉瓦などの焼結体からなる断熱体は、焼き固めて形成されるため、高い寸法精度を出すことが困難である。そのため、複数の断熱体を並べて質量の大きな対象物を支持する場合、他よりも支持方向の寸法が大きい断熱体が存在すると、その断熱体に荷重が集中してしまう。とりわけ、断熱体の荷重が掛かる受圧側の面の縁部には応力集中が生じ易く、亀裂が生じたり破損したりしてしまう虞がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、焼結体からなる断熱体の破損を防止することが可能な支持装置、および、搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明に係る支持装置は、高温の対象物を支持する支持装置において、前記高温の対象物が配置される配置部と、該配置部の下方に配される基部と、該基部と前記配置部との間に配される断熱体と、を備え、前記基部と前記配置部との少なくとも一方は、前記断熱体の縁部との間に空間を形成して該縁部よりも前記断熱体の中央側の範囲で断熱体に当接する当接部を有することを特徴としている。
このように構成することで、当接部によって、断熱体の荷重が掛かる面の縁部と基部または配置部との間に空間が形成されて、縁部に応力集中が生じることを防止することができる。
【0006】
さらに、この発明に係る支持装置は、上記支持装置において、前記配置部と前記基部との何れか一方に撓み変形可能に支持され、前記配置部と前記基部との何れか他方との間に前記断熱体が配される支持部を備え、該支持部が、前記当接部を有するようにしてもよい。
このように構成することで、支持部が撓み変形するので、断熱体の大きさのばらつきに起因する荷重の集中を緩和することができる。その結果、より確実に断熱体の破損を防止することができる。
【0007】
さらに、この発明に係る支持装置は、上記支持装置において、前記支持部が、前記断熱体を介して前記配置部と前記基部との何れか一方に撓み変形可能に支持されていてもよい。
このように構成することで、支持部を断熱体で挟み込むように配置することができるので、断熱性能の向上を図ることができる。
【0008】
さらに、この発明に係る支持装置は、上記支持装置において、前記支持部を板状として、前記支持部と前記配置部との間に配置される断熱体と、前記支持部と前記基部との間に配置される断熱体とを、各断熱体の接触面積幅以上ずらして備えても良い。
このように構成することで支持部を板バネとして容易に撓み変形させることができるとともに、伝熱距離が長くなるため断熱性能を向上できる。
【0009】
さらに、この発明に係る支持装置は、上記支持装置において、前記当接部は、周囲に溝を備えてもよい。
このように構成することで、溝を形成するだけで断熱体の縁部と、基部または配置部の少なくとも一方との間に空間を形成することができる。
【0010】
さらに、この発明に係る搬送装置は、上記支持装置の何れか一つを備え、前記対象物を搬送することを特徴としている。
このように構成することで、対象物の熱が走行機構へ伝達されることにより生じる不具合を防止することができるとともに、搬送台車に対象物を載置する際の衝撃等により、断熱体が破損することを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る支持装置および搬送装置によれば、焼結体からなる断熱体の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の実施形態における搬送台車の概略構成を示す側面図である。
【
図3】上記搬送台車の断熱体の配列を示す図である。
【
図5】上記実施形態の第一変形例における
図4に相当する図である。
【
図6】上記実施形態の第二変形例における
図3に相当する側面図である。
【
図7】上記実施形態の第三変形例における
図1に相当する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、この発明の実施形態における支持装置、および、支持装置を備える搬送装置について図面に基づき説明する。なお、この実施形態の搬送装置は、製鉄所で熱延された高温の鋼板コイル(以下、単に高温コイルと称する)を搬送する搬送台車であり、この搬送台車が、高温コイルを支持する支持装置を備えている。
【0014】
図1、
図2は、この実施形態における搬送装置の概略構成を示す図である。
図1、
図2に示すように、搬送台車1は、走行用の4つの車輪2を回動可能に支持する下部フレーム3を備えている。この下部フレーム3には、車輪2を回転駆動するためのモータ等の駆動源(図示せず)が設けられており、外部からの制御指令に基づき所定の軌道上を走行可能となっている。また、下部フレーム3には、車輪2を軸支するためのラジアルベアリング等を備える軸受機構4が設けられている。なお、駆動源がモータの場合には、車載バッテリまたは、軌道に沿って敷設されるトロリー線などから電力が供給される。また、以下の説明においては、
図1の紙面左右方向を走行方向と称する。
【0015】
下部フレーム3には、その走行方向の両端部に、支持脚5a,5bが立設されている。これら支持脚5a,5bは、それぞれ車幅方向の両側に離間配置される一対の脚部6を有している。脚部6は、柱状に形成され、下部フレーム3の走行方向内側に向かって僅かに傾斜している。支持脚5aには、車幅方向に離間配置された各脚部6の上側端面の間を渡るようにしてベースプレート(基部)7aが固定されている。同様に、支持脚5bにも、車幅方向に離間配置された各脚部6の上側端面の間を渡るようにしてベースプレート7bが固定されている。これらベースプレート7a,7bは、搬送台車1の走行方向に所定距離だけ離間して配置され、高温コイル9の搬送時に撓まないように十分な剛性を有している。ここで、上述した下部フレーム3、支持脚5a,5b、および、ベースプレート7a,7bは、鉄などの金属材料を用いて形成されている。
【0016】
ベースプレート7aの上面には、熱伝達を遮断する断熱機構8aを介して、高温コイル9を支持するコイル受面10aが載置されている。同様に、ベースプレート7bの上面には、断熱機構8bを介して、高温コイル9を支持するコイル受面10bが載置されている。これらコイル受面10a,10bは、高温コイル9が載置された際に撓まないように十分な剛性を有しており、これらコイル受面10a,10bの間に跨るようにして上記高温コイル9が載置されるようになっている。コイル受面10a,10bの走行方向の内側の角部、すなわち高温コイル9に当接する部分には、高温コイル9の損傷を防止するために外側に向かって凸となる曲面又は斜面が形成されている。
【0017】
コイル受面10a,10bは、ベースプレート7a,7bと同様に所定距離だけ走行方向に離間して配置されている。同様に、断熱機構8a,8bも、上記所定距離だけ走行方向に離間して配置されている。このように離間配置されていることで、下部フレーム3上に上方に開放する空間部11が形成され、搬送台車1に対して高温コイル9を載せる際や、降ろす際に、高温コイル9を下側から支持可能な図示しないリフト装置のアームを上記空間部11に挿入して昇降させることが可能となる。
【0018】
より具体的には、上記アームに高温コイル9を載せた状態で、空間部11内をアームが下降することで、コイル受面10a,10b間に跨るように高温コイル9を載置することができる。一方で、コイル受面10a,10b間に跨るように高温コイル9が載置された状態で、空間部11内をアームが上昇することで、高温コイル9を持ち上げることができる。なお、上述した上記ベースプレート7a、断熱機構8a、および、コイル受面10aの組立体や、ベースプレート7b、断熱機構8b、および、コイル受面10bの組立体が、この発明の支持装置に相当する。
【0019】
次に、断熱機構8a,8bについて説明する。なお、断熱機構8a,8bは、走行方向で対称な構造であるため、以下、断熱機構8aについてのみ説明し、
図3,4については断熱機構8bの符号だけを付してその説明は省略する。
図1〜
図4に示すように、断熱機構8aは、焼き固めて形成されるセラミックスや耐熱煉瓦などからなる複数の断熱体12を備えている。これら断熱体12は、上下端面がそれぞれ平行に形成されてなる一対の支持面12aを備え、上下方向に所定厚さを有する形状とされている。
図1〜4においては、断熱体12が立方体状に形成される一例を示しているが、この形状に限られず、例えば、円柱状や多角柱状などであっても良く、また円錐台状や多角錐状であってもよい。
【0020】
さらに、断熱機構8aは、断熱体12を介して、コイル受面10aおよび、ベースプレート7aに対して撓み変形可能に支持された略平板状の支持部13を備えている。
図3、
図4に示すように、支持部13とコイル受面10aとの間に配置される断熱体12(以下、単にコイル受面側の断熱体12と称する)は、車幅方向で隣り合う断熱体12同士が、断熱体12の幅寸法L1よりも十分に大きな間隔L2をあけて配列されている。同様に、支持部13とベースプレート7aとの間に配置される断熱体12(以下、単にベース側の断熱体12と称する)も、車幅方向で隣り合う断熱体12同士が、断熱体12の幅寸法L1よりも十分に大きな間隔L2をあけて配列されている。また、コイル受面側の断熱体12とベース側の断熱体12とは、走行方向に幅寸法L1と同等の間隔L3をあけて配列されるとともに、上下方向および車幅方向で重ならないように、平面視(
図4参照)で千鳥状に配列されている。つまり、ベース側の断熱体12とコイル受面側の断熱体12とは、断熱体12の接触面積幅以上ずらして配置されることとなり、これにより、コイル受面側の断熱体12を介して荷重を受けた支持部13が板ばねと同様な挙動をすることとなる。
【0021】
図3に示すように、支持部13には、断熱体12の支持面12aの縁部12bとの間に空間を形成して縁部12bよりも断熱体12の中央側の範囲で断熱体12に当接する当接部15を有している。当接部15は、平面視で断熱体12の支持面12aの外郭よりもやや内側に縁部が形成され、支持部13の外面と略面一に形成される当接面15aと、その周囲に全周に亘って形成される溝15bとを備えている。つまり、当接部15は、当接面15aと、その周囲の溝15bとによって、支持部13と断熱体12の縁部12bとの間に空間を形成する。
【0022】
さらに、上記支持面12aが当接するベースプレート7aの上面、および、コイル受面10aの下面にも、上述した当接面15a,溝15bを備える当接部15がそれぞれ形成されている。これにより、ベースプレート7aと断熱体12の縁部12bとの間、および、コイル受面10aと断熱体12の縁部12bとの間にも空間が形成される。つまり、断熱体12の支持面12aの全ての縁部12bは、溝15b内の空間に臨むように配置される。
【0023】
したがって、上述した実施形態の支持装置によれば、当接部15によって、断熱体12の荷重が掛かる支持面12aの縁部12bとベースプレート7a,7bとの間、および縁部12bとコイル受面10a,10bとの間に空間を形成することができるため、縁部12bへの応力集中を防止することができる。その結果、焼結体からなる断熱体12の破損を防止することが可能となる。
【0024】
さらに、支持部13が撓み変形可能に支持されるので、断熱体12の大きさのばらつきに起因する特定の断熱体12への荷重の集中を緩和することができる。その結果、より確実に断熱体12の破損を防止することができる。とりわけ、支持部13を撓み変形可能とした場合には、その撓みによって支持部13に当接する断熱体12の縁部12bに応力集中が生じやすくなるが、支持部13に当接部15を形成することによって、応力集中を防止できる。
【0025】
また、当接面15aの周囲に溝15bを形成することで、断熱体12の縁部12bとベースプレート7a,7bとの間、断熱体12の縁部12bとコイル受面10a,10bとの間、および、断熱体12の縁部12bと支持部13との間に空間を容易に形成することができる。
【0026】
また、上述した実施形態の搬送台車1によれば、高温コイル9の熱が車輪2や下部フレーム3の走行機構へ伝達されて不具合が生じることを防止することができる。さらに、搬送台車1に高温コイル9を載置する際の衝撃等により、断熱体12が破損することを防止できる。
【0027】
なお、この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、平面視で断熱体12を千鳥状に配置する場合について説明したが、支持部13が撓み変形可能であれば断熱体12の配列は、千鳥状に限られるものではない。例えば、第一変形例として
図5に示すように、平面視で正方配列として、コイル受面側の断熱体12と、ベース側の断熱体12とを、走行方向ならびに車幅方向で交互に配置するようにしてもよい。この場合も、ベース側の断熱体12とコイル受面側の断熱体12とが、断熱体12の接触面積幅以上ずれて配置され、支持部13が板ばねとして機能するため、寸法誤差等に起因する特定の断熱体12への荷重の集中を防止することができる。
【0028】
また、上述した実施形態では、当接部15が、当接面15aの周囲に溝15bを備える場合について説明したが、断熱体12の縁部12bに荷重の入力がなされない構成であれば、上記当接部15の構成に限られるものではない。例えば、第二変形例として
図6に示すように、当接部115を、支持部13の上下面、ベースプレート7a,7bの上面、および、コイル受面10a,10bの下面に突設するようにしてもよい。このようにすることで、断熱体12の荷重が掛かる支持面12aの縁部12bとベースプレート7a,7bとの間、縁部12bとコイル受面10a,10bとの間、および、縁部12bと支持部13との間に空間を形成することができる。
【0029】
また、上述した実施形態においては、走行可能な下部フレーム3よりも上方に支持装置を設ける一例を説明したが、
図7に示す第三変形例のように、下部フレーム3と走行機構Sが独立して設けられている場合には、下部フレーム3と走行機構Sとの間に上述した断熱機構8a,8bと同様な断熱機構108a,108bを設けるようにしてもよい。この場合、断熱機構8a,8bは適宜設ければよく省略してもよい。
【0030】
さらに、上述した実施形態においては、支持部13を上下に断熱体12を配置する場合について説明したが、支持部13の上下何れか一方のみ断熱体12を配置し、何れか他方には、断熱体12に代えて断熱性を有さない単なる突部を配置するようにしてもよい。これら突部は、支持部13と一体に形成してもよいし、コイル受面10a,10bまたはベースプレート7a,7bと一体に形成してもよい。また、上記突起は、支持部13、コイル受面10a,10b、および、ベースプレート7a,7bとは別体で形成するようにしてもよい。この際、上記突部が形成される箇所の当接部15は省略してもよい。このように断熱性を有さない突部を配置した場合であっても、支持部13の上下の何れかに配置された断熱体12によって断熱効果を得ることができる。
【0031】
さらに、上述した実施形態においては、支持部13を設ける場合について説明したが、支持部13を省略してもよい。支持部13を省略する場合には、コイル受面10a,10bとベースプレート7a,7bとの間に1段だけ断熱体12が配列されることとなる。この場合、複数の断熱体12の僅かな高さの違いによる荷重の集中が生じてしまう虞があるが、当接部15によって縁部12bへの応力集中を抑制できるため、縁部12bの破損を防止することができる。また、当接部15を断熱体12と当接する箇所全てに形成する場合を一例に説明したが、特に破損が生じやすい箇所にのみ選択的に当接部15を形成するようにしてもよい。
【0032】
さらに、上述した実施形態においては、支持装置が、搬送台車1の走行方向の両端部に分割して配置される場合について説明したが、搬送台車1に一つの支持装置を設けて、この支持装置によって一つの対象物を支持するようにしてもよい。また、搬送台車1の上に3つ以上の支持装置を配置して一つの対象物を支持するようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態においては、製鉄所の高温コイル9を搬送する場合を一例にして説明したが、支持する対象物は、製鉄所の高温コイル9に限られるものではない。また、搬送台車1に支持装置を設ける一例について説明したが、台車に限られず、走行しない架台などに上記支持装置を設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、断熱体12として、セラミックスや耐熱煉瓦などを一例に挙げたが、これらに限られるものではない。
【符号の説明】
【0034】
7a,7b ベースプレート(基部)
9 高温コイル(対象物)
10a,10b コイル受面(配置部)
12 断熱体
12b 縁部
13 支持部
15 当接部
15b 溝