【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は請求項1に記載のダンパ装置で達成されるが、それは、磁性ループは、第1のギャップに起因する第1の磁気抵抗、および磁性ループの残りに起因する第2の磁気抵抗を有し、第2の磁気抵抗は、少なくともガイド部材に向かう閉鎖部材の移動の一部において増大するように、磁性ループは構成されることにおいて特徴付けられる。
【0010】
公知のダンパはある動作条件の下では不安定になる可能性を有することが分かった。慎重な研究の後、これらの不安定性は磁界対閉鎖部材位置の特性により生じることが分かった。これらの特性の一例が
図1に示される。この図においては、ニュートンでの閉鎖部材上の磁力が、電気的なコイルを通る電流の3つの電流値について、ミリメートルでの閉鎖部材の位置に対して示される。ここで、2mmの位置は十分に開いたバイパスチャネルに対応し、0mmの位置は十分に閉じたバイパスチャネルに対応する。同じ図において、曲線が、ばねによって閉鎖部材にかけられたばね力を示して示される。ばね力が磁力に等しいとき、均衡が達成される。
【0011】
図1から分かるように、いくつかの電流値について、単一の曲線上にこの均衡が生じる1つより多い点を識別することが可能である。これは、ピストンが不安定な挙動を示すことを意味する。通常の使用中においては、ダンパは振動を経験し、その結果、ダンパは、ばね力が磁力に等しい異なる点の間を移動するかもしれない。
【0012】
図1のさらなる検討は、ばね力曲線および磁力曲線上の複数の交差する点の問題は閉鎖部材位置に対する高い値での磁力曲線の強い上向きの傾向に関係することを示す。これらの位置は、閉鎖部材とガイド部材との間のギャップが非常に小さい状況に対応する。これらの小さいギャップのため、磁性ループの磁気抵抗は劇的に低減し、非常に高い磁界が生成されることを可能にする。一般に、磁界は閉鎖部材の位置とともに線形により多く増大し、一方、ばね力曲線はおおよそ線形である。結果的に、いくつかの電流値に対して、複数の交点が可能である。
【0013】
コイルユニットによって生成される磁界の強度は、磁性ループの磁気抵抗に依存する。磁気抵抗は、透磁率は低く、磁気抵抗は高い、ギャップに帰することが可能である部分と、閉鎖部材およびガイド部材を含む、ループの残りに帰することが可能である別の部分とを有する。この後者の部分は通常低い磁気抵抗を有し、なぜならば、閉鎖部材およびガイド部材のために用いられる材料は高い透磁率を有するからである。
【0014】
この発明によれば、ダンパ装置の不安定性の問題が解決可能であるのは、磁性ループが、磁性ループの残りの磁気抵抗が、少なくともガイド部材に向かう閉鎖部材の移動の一部において増大するようである場合である。ここで、閉鎖部材がガイド部材に接触するか当接する点に閉鎖部材があるか、またはその点で近いとき、磁気抵抗における増大が通常必要であることが注目される。磁気抵抗における増大は、ギャップの長さを減少させることによって引起された磁気抵抗における減少を部分的に補償する。結果的に、
図2に示されるように磁力およびばね力の曲線を得ることが可能である。この図から、磁力に対応する曲線が、
図1における対応する曲線が示すように上向きの曲げを示さないことは明らかである。結果的に、単一の交点を各電流レベルに対して識別することが可能である。公知のダンパに比較して、この発明に従うダンパ装置は、閉鎖部材の位置決めのよりよい制御、およびしたがってダンパ装置によって提供される減衰力のよりよい制御を有する。
【0015】
一般に、磁力曲線とばね力曲線との間の増大した角度は、平衡点(つまり交点)の安定性および精度を決定する、と言える。ギャップが大きいときの相対的に高い磁力を、大きなギャップのためのそれよりは高いが、ギャップが小さいときの相対的に低い磁力と組合せると、平衡状態の安定性が改善される。
【0016】
ある実施例においては、磁性ループの残りの磁気抵抗における増大は、閉鎖部材とガイド部材との間にさらなるギャップを含む磁性ループによって達成される。このさらなるギャップは、少なくともガイド部材に向かう閉鎖部材の移動の一部において増大する。さらなる実施例においては、閉鎖部材は第1の方向に先細りの形式を有する。次いで、さらなるギャップは第1の方向に垂直な方向に形成される。先細りの形式のために、閉鎖部材がガイド部材に向かって移動するとき、さらなるギャップは増大する。エアギャップにおける増大のために、磁気抵抗は上がることになる。
【0017】
別の、またはさらなる実施例では、磁性ループが、少なくともガイド部材に向かう閉鎖部材の移動の一部において磁気的に飽和するように構成される場合に、磁気抵抗における増大を得ることができる。ここで、磁気飽和は、磁気誘導がもはや磁界に比例して増大しないという現象として解釈されるべきである。このプロセスは、有効透磁率の低下によって記載することが可能である。磁気抵抗は透磁率に反比例するので、磁気抵抗は磁気飽和のため増大することになる。
【0018】
ある実施例においては、動作中において、コイルユニットを通る電流が予め規定された最小のレベルと等しい場合に、閉鎖部材はガイド部材に関して第1の位置に丁度達し、閉鎖部材およびガイド部材は各々第1のギャップに近接して端部領域を有する。閉鎖部材および/またはガイド部材の端部領域は、アーチ形または先の尖った形状を有し、動作中において、閉鎖部材が第1の位置にあるかまたはその位置に近く、電流レベルが予め規定された最小のレベルにあるかまたはそのレベルに近いとき、端部領域は磁気飽和を示す。さらなる実施例においては、第1の位置は、閉鎖部材およびガイド部材が非磁性スペーサを介して当接される位置に対応する。
【0019】
閉鎖部材および/またはガイド部材の端部領域を形状化することによって、2つの効果が得られる。まず、磁界のための端部領域の有効断面積は、径方向において測定されたとき、下げられ、それによって、磁気抵抗を増大させる。第2に、より高い磁界は端部領域に存在し、それによって、磁気飽和のプロセスを加速することになる。
【0020】
当業者は、上に記載された両方の手段、つまり、さらなるギャップを増大することおよび磁気飽和を誘導することは、同時にまたは個々に適用することが可能であることを理解する。
【0021】
ある実施例においては、電流が前記予め規定された最小のレベルにあるとき、第1の位置またはその位置の近くで閉鎖部材に作用するばね力は、閉鎖部材に作用する磁力をおよそ補償するように、ばね装置のばね定数および磁性ループの透磁率は構成される。
【0022】
迅速に所望の減衰レベルを設定できるためには、閉鎖部材は、コイルユニットを通る電流の新しい電流設定に迅速に反応する必要がある。その目的のために、閉鎖部材はそれ自体低い質量を有する必要がある。さらに、閉鎖部材にかけられ得る力は高くあるべきである。結果的に、ばね定数およびループの磁気特性の両方は、これを可能にすべきである。これは十分に高いばね定数を伴うばねおよび十分に高い透磁率を伴う磁性材料の選択によって達成することが可能である。
【0023】
ある実施例においては、閉鎖部材の端部領域およびガイド部材の端部領域は、対を規定し、一方の端部領域はアーチ形の突起を有し、別の端部領域は対応するアーチ形の窪みを有し、または一方の端部領域は先の尖った構造を有し、別の端部領域は先の尖った構造を少なくとも部分的に受けるために好適なV型溝を有し、または一方の端部領域は第1の針状形状を有し、別の端部領域は第1の針状形状に対してずれて置かれる第2の針状形状を有し、第1の位置に移動するときに、端部領域が少なくとも部分的に互いを通過することを可能にする。当業者は、磁界が混んでいるために磁気飽和が生じることを促進するために好適な形状を含む複数の他の構成が可能であることを理解するだろう。関連する端部領域の相補的な形状を有することによって、対称な挙動を得ることが可能である。さらに、相補的な形状は、閉鎖部材およびガイド部材の相互の変位に関してより寛容である。
【0024】
ある実施例においては、端部領域の形状は、端部領域間の最短距離が第1の方向における端部領域間の最小距離より有意に小さいような状態である。第1の方向における距離は閉鎖部材の機械的な移行または運動、つまりバイパスチャネルが開閉されることを可能にするよう交差されるよう必要とする距離に関係付けられる。しかしながら、最短距離は、磁気抵抗、およびしたがってコイルユニットによって生成され得る磁界強度に対して関連する距離である。これらの距離が大いに異なるように端部領域の形状を構成することによって、より高い磁界を、第1の方向に沿って測定された同様の距離で達成することが可能である。先に言及されたように、より高い磁界は、閉鎖部材がより迅速に反応することを可能にする。もちろん、好適なばね装置が用いられなければならない。
【0025】
ある実施例においては、シリンダは、ピストンが配置される主な細長いチャンバを含む。主なチャンバは、第1および第2の開口部を設けられた壁を有し、第1および第2の開口部は、第1および第2のチャンバにそれぞれ接続される。この場合、バイパスチャネルは、好ましくは主なチャンバに平行に延在し第1および第2の開口部を接続する補助の細長いチャンバとして形成される。補助チャンバは主なチャンバの壁に接続された小さな管の形式であってもよい。
【0026】
さらなる実施例においては、第1または第2の開口部に固定的に接続され、補助チャンバにおいて延在する補助パイプ部材によって、バイパスチャネルが少なくとも部分的に形成される。
【0027】
代替的実施例においては、バイパスチャネルはピストンを通って延在するチャネルとして形成される。さらなる実施例においては、ピストンに固定的に接続されるかまたはピストンと一体的に形成され、シリンダの長手方向軸に平行な軸方向において延在するパイプ部材によって、バイパスチャネルが少なくとも部分的に形成される。パイプ部材は、第1のチャンバとの流体流通を可能にする貫通穴、好ましくは放射状の貫通穴を有する。ある実施例においては、複数の貫通穴がパイプ部材の周囲に沿って配置される。
【0028】
さらなる実施例においては、閉鎖部材は、パイプ部材または補助パイプ部材の内側に配置されたスリーブを含む。この場合、ダンパ装置は、ばね装置を案内して閉鎖部材をばね付勢下に置くための、軸方向に細長いばねガイドをさらに含む。異なるさらなる実施例においては、閉鎖部材は、パイプ部材または補助パイプ部材のまわりに配置されたスリーブを含む。
【0029】
閉鎖部材が、貫通穴に垂直な方向に、例えばパイプ部材または補助パイプ部材上を摺動することによって、パイプ部材または補助パイプ部材に関して入れ子式に摺動するスリーブの形式である場合、貫通穴を通って流れる作動液によってスリーブの対称的な装填を得ることが可能である。放射状の貫通穴がスリーブにおいて設けられることも可能である。そのような場合においては、バイパスチャネルの開口部は、スリーブにおける穴およびパイプ部材における貫通穴を整列させることを伴う。貫通穴がパイプ部材の周囲のまわりで均一に分布される場合、対称な力が閉鎖部材にかけられる。それによって、スリーブがパイプ部材に一方的に押圧され、それによってパイプ部材と閉鎖部材との間の摩擦抵抗を増大する状況を、回避することが可能である。
【0030】
さらなる実施例においては、パイプ部材は、ピストンロッドに固定的に接続されるか、またはピストンロッドの一部を形成する。さらなる実施例においては、パイプ部材はピストンロッドの端部に接続される。ピストンロッドは、コイルユニットのために電気配線を担持するためのチャネルを含んでもよい。
【0031】
ある実施例においては、可変な減衰力を得るよう閉鎖部材および/またはバイパスチャネルとそれぞれ協働するバイパスチャネルおよび/または閉鎖部材の開口部または複数個の開口部は、使用中においてダンパ装置によって提供される減衰力が、コイルユニットを通る電流の予め規定された関数、好ましくは実質的に線形関数であるように、形状化または分布される。ここで、開口部または複数個の開口部は、バイパスチャネルを開くようにバイパスチャネルの1つ以上の開口部に沿って持って来ることが可能である、第1のチャンバへのバイパスチャネルの開口部または閉鎖部材における開口部を指す。この開口部またはこれらの開口部は、閉鎖部材によって、部分的にまたは十分に覆うことが可能である。バイパスチャネルの有効開口を変動させることによって、流動抵抗対閉鎖部材位置特性を修正することが可能である。次いで、閉鎖部材の位置は、磁力とばね力との間の均衡に依存する。従って、所与の電流掃引に対して、閉鎖部材の結果的な位置が予測可能である。ダンパ装置の減衰力は電流レベルに比例すべきであると述べることによって、所望の流動抵抗を各電流レベルに対して計算することが可能である。計算された流動抵抗から、有効開口を計算することが可能である。この有効開口は、第1の方向において変動する形状を伴う単一の開口部、または密度が第1の方向において変動するが、好ましくは第1の方向に垂直な方向において均一に分布する複数個の開口部として実現することが可能であるが。1つの例は、上述のパイプ部材、補助パイプ部材および/または閉鎖部材の周囲に沿った開口部の分布である。この分布は均一であるが、開口部の密度は第1の方向において変動する。例えば、閉鎖部材の所与の位置に対して、10個の開口部の列が閉鎖部材によって覆われてもよいが、わずかな上方向変位によって、すべてパイプ部材または補助パイプ部材の周囲に沿って均一に分布する12個の開口部を伴う列をさらに覆う結果となるかもしれない。特性において、第1の方向における閉鎖部材の運動が異なる流動抵抗を結果として生じないであろう死点を防ぐために、開口部の分布は互い違いに配列されてもよい。
【0032】
ある実施例においては、コイルユニットはソレノイドを含む。このことは、他の形状またはコイルの使用を排除しはしない。複数のコイルの組合せも、永久磁石と電気的なコイルとの組合せも、排除されない。
【0033】
さらなる実施例においては、ソレノイドは第1の方向に沿って延在する長手方向軸を有して、本質的に円筒状に形状化される。第1のギャップが第1の方向においてソレノイドのおおよそ半ばに位置するように、閉鎖部材およびガイド部材は構成され得る。この位置は、ギャップの他の位置と比較して、高磁界強度を達成することが可能であることが分かった。
【0034】
この発明は、コイルユニットが十分に駆動されるとき、つまり、相対的に高い電流を用いて、閉鎖部材がバイパスチャネルを十分に開くように、ダンパ装置が構成されることを可能にする。そのようなシステムは高い電流で相対的に低い減衰レベルを可能にする。しかしながら、ほとんどのダンパは、車両においては、高い快適なレベルが重要である状況下で用いられるので、コイルユニットが十分に駆動されるとき、閉鎖部材がバイパスチャネルを閉じれば、よりエネルギー効率がよい。
【0035】
さらなる実施例においては、緊急状況下で、利用可能な電流源または電圧源がないとき、バイパスチャネルが十分に開かれるのを防ぐ手段が取られる。そのような状況では、より大きな減衰を有することが通常必要とされるかまたは所望され、なぜならば車両は極限状況にあるかもしれないからである。その目的のために、ばね装置は、低いばね定数を有する第1のばね、たとえば波ばねと、より高いばね定数を有する第2のばねとを含んでもよく、それによって、ばね装置の力距離特性においてニーポイントを得てもよい。このニーポイントは、流体通路が十分に開いている閉鎖部材の位置に対応するようにされ得る。コイルユニットが駆動されないとき閉鎖部材はばね付勢により流体通路を部分的に閉じるように、閉鎖部材およびばね装置は構成され得る。これは、極端な条件下においていくらかの減衰を可能にする。ニーポイントに対応する位置に閉鎖部材を移動するためには、より低いばね定数のために、適度な電流レベルが必要である。しかしながら、その点、つまり閉鎖部材がバイパスチャネルを部分的に閉じ始めるところを越えて移動するとき、より多くの電流が必要であり、なぜならば、その領域においては、より高いばね定数を有するばねが支配的になるからである。
【0036】
このフェールセーフ機構は、さらに、単一のばね定数を有する一つのばねで作動する。しかしながら、そのようなシステムは、バイパスチャネルを十分に開く必要があるとき、常に相対的に高い電流レベルを必要とするだろう。
【0037】
閉鎖部材がパイプ部材または補助パイプ部材に配置される実施例においては、第1のばねはパイプ部材に関して固定的に取り付けられてもよく、第2のばねはばねガイドに結合されてもよい。ばねガイドが、ニーポイントを調整するようパイプ部材または補助パイプ部材に関して軸方向において可動であれば、有利である。例えば、ツールを用いてばねガイドを回転させることによってばねガイドが軸方向に移動することを可能にするねじ筋接続を用いて、バルブのハウジングにばねガイドを取り付けることができるかもしれない。
【0038】
ある実施例においては、ピストンは、開かれたバイパスチャネルより有意に高い流動抵抗を有する、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の流体流通のためのさらなるバイパスチャネルを含む。従って、バイパスチャネルが十分に閉じられているとき、減衰はさらなるバイパスチャネルによって決定される。バイパスチャネルが部分的または十分に開いたとき、減衰は主にバイパスチャネルによって決定される。そのような構成は、バイパスチャネルのための相対的に大きな断面、およびさらなるバイパスチャネルのための相対的に小さな断面を有することによって達成することが可能である。
【0039】
減衰挙動は、ピストンがシリンダに対して移動する速度に依存する。車両が平坦な地形上を移動するとき、または車両が非常にゆっくり移動する場合、ピストンは衝撃を吸収するために非常に速く移動する必要はない。これらの状況においては、バイパスチャネルの影響は無視できる。しかしながら、車両が速く移動するとき、および/または地形が粗いとき、ピストンの迅速な反応および高い吸収が必要である。そのような状況の下では、バイパスチャネルの相対的に大きな断面さえ、減衰作用に有意な寄与を有する。減衰挙動がこれらの種類の挙動間で切り換わる点は、バイパスチャネルの開口部を閉鎖部材で変動させることによって設定することが可能である。さらに、低速速度または滑らかな地形では、より大きな減衰を達成することが望ましいかもしれない。
【0040】
この要求を満たすために、ダンパ装置は、バイパスチャネルと第1または第2のチャンバとの間に配置された制限装置を含んでもよい。制限装置は、開かれたバイパスチャネルより有意に高い流動抵抗を有する。これは非常に適度な条件下であっても減衰することを可能にする。
【0041】
ある実施例においては、制限装置は、制限チャネルと、制限チャネルの端部に接続された弾性的に変形可能なクロージャとを含む。クロージャは、流体が、第1のピストン方向におけるピストンの運動に対応して、クロージャに向かって制限チャネルを通って第1の制限方向に流れるとき、制限チャネルを少なくとも部分的に開き、流体が、第1のピストン方向の反対の第2のピストン方向におけるピストンの運動に対応して、第1の制限方向の反対の方向に流れるとき、制限チャネルを閉じるように構成される。そのような制限装置は、減衰がシリンダの行程の種類に依存して異なることを可能にする。一方の方向においては、制限装置が減衰を決定し、他方の方向においては、制限チャネルが遮断されるので、減衰は、ピストンにおけるさらなるバイパスチャネルによって決定される。その制限はピストンの運動、例えばリバウンド行程または圧縮行程に依存する。これらの運動の1つにおいては、制限チャネルは閉じられ、別の運動中においては、それは少なくとも部分的に開かれる。
【0042】
さらなる実施例においては、流体がクロージャに向かって制限チャネルを通って第1の制限方向に流れるとき、クロージャは流体によって遠ざかるように曲げられるかまたは押されるように構成される。
【0043】
さらなる実施例においては、制限装置は、さらなる制限チャネルと、さらなる制限チャネルの端部に接続されたさらなる弾性的に変形可能なクロージャとを含む。ここでも、さらなるクロージャは、流体が、第2のピストン方向におけるピストンの運動に対応して、さらなるクロージャに向かってさらなる制限チャネルを通って第2の制限方向に流れるとき、さらなる制限チャネルを少なくとも部分的に開き、流体が、第1のピストン方向におけるピストンの運動に対応して、第2の制限方向の反対の方向に流れるとき、さらなる制限チャネルを閉じるように構成される。
【0044】
さらなる実施例においては、さらなるクロージャは、流体がさらなるクロージャに向かってさらなる制限チャネルを通って第2の制限方向に流れるとき、流体によって遠ざかるように曲げられるかまたは押されるように構成される。ある実施例においては、第1および第2の制限方向は反対方向である。
【0045】
制限チャネルは、制限装置が減衰レベルをピストンの両方の移動方向において決定することを可能にする。
【0046】
さらなる実施例においては、制限装置は、制限チャネルまたはさらなる制限チャネルに向かってある方向にそれぞれクロージャまたはさらなるクロージャに張力および/または予荷重をかけるように、スペーサのようなある要素を含む。スペーサ、またはクロージャに張力および/または予荷重をかける他の手段は、クロージャの変形挙動が変更されることを可能にする。例えば、使用に先立って、スペーサは、クロージャに異なるように予荷重をかける異なるスペーサと置換されてもよい。その結果、同様の油圧の下でクロージャの弾性変形は異なることになる。結果的に、制限装置の流動抵抗は変更され、それによって、低速速度および/または滑らかな地形で、より多いまたはより少ない減衰を提供する。
【0047】
制限装置はバルブ部材に組入れられることが可能であり、またはそれは第2のチャンバ内においてバイパスチャネルに接続されることが可能である。
【0048】
次に、この発明を、添付の図面を参照して、より詳細に記載する。