(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定部が、ほぼ楕円形の断面を有する、前記挿入端部における細長い要素を有し、この楕円形断面の主軸が前記装置の前記長手方向軸と実質的に垂直である、請求項4に記載の膣内装置。
前記固定部が、ほぼ楕円形の断面を有する、前記挿入端部における細長い要素を有し、この楕円形断面の主軸が前記装置の前記長手方向軸と実質的に垂直である、請求項13に記載の膣内装置送達システム。
【背景技術】
【0002】
腹圧性尿失禁は多くの女性にとって問題である。これは、咳、又はくしゃみなどの、腹圧事象の間に、尿が漏れることにより特徴付けられる。多くの装置が、腹圧性尿失禁を低減するか又は防ぐように設計されてきた。Tutrone,Jr.の米国特許第5,603,685号は、膨脹可能な装置、及び膣内に挿入するために小さく、尿失禁を低減するか又は防ぐために、必要とされる形状及び圧力をもたらすように大きくなる、装置を提供する手段に関する。Zunker et al.の米国特許第6,090,098号は、タンポン状の装置に関連し、それぞれは、吸収性及び/又は非吸収性繊維材料の組み合わせで作製される。Ulmsten et al.の米国特許第6,645,137号は、泌尿器系を支持するために、膣内で拡大するコイルに関する。Biswasの米国特許第5,036,867号は、圧縮可能な弾力的なペッサリーに関する。Jamesの米国特許第6,460,542号は、特定の形状の剛性ペッサリーに関する。
【0003】
より最近の開発では、膣内に展開するために、ステント状の支持体を提供することが試みられてきた。例えば、Bartning et al.の米国特許出願公開第2008/0033230号、及び同第2008/0009662号は、固定部及び機能部を有する、膣内尿失禁装置に関する。これらの文献はまた、生体適合性材料で構造を被覆することを開示する。加えて、身体経路を維持するように設計された、小さく、適切な大きさのステントの使用に関する、多くの特許が存在する。
【0004】
Sinai et al.の米国特許出願公開第2008/0281149号は、失禁装置のアームを付勢する、内部及び/又は外部弾性支持部材を有する、失禁装置に関する。
【0005】
最後に、Ziv et al.の国際公開第2008/010214号は、支持区分及び固定区分を接続するノードを有する、尿失禁処理のための、膣内装置に関する。これは、シリコーン、ナイロン、ポリウレタン、フォームポリスチレン、金属、又は2つの材料のオーバーモールドから作製される、支持及び/又は固定区分のための、アームの使用を開示する。
【0006】
これらの文献のいくつかは、支持構造が膣組織を刺激する可能性を認識し始めており、管又は他の外層内の構造要素を包含する。あるいは、又はこれに加えて、袋状のカバーが提示されている。残念ながら、これらの開発は、緩衝、快適性及び製品の安全性に関する全ての問題に完全に対処しているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明者らは、当該技術分野において開示される、より柔軟な材料で、膣内失禁装置の構造要素を保護する方法の記載は、ユーザーに快適性をもたらす、商業的な量の安価な装置を製造する方法を示していないことを見出した。まず、不必要なバルクを生じず、必要とされる箇所に緩衝を提供するために、プロセスの十分な制御により、プロセスをオーバーモールドする方法を見出してない。不必要なバルクにより、関連する泌尿器系に必要な支持を提供するために、十分に拡大しながら、膣内に快適に挿入するために、膣内失禁装置のために十分に小さいアプリケータを提供することは、困難及び/又は不可能なものとなり得る。
【0013】
本発明の開発中、発明者らはまた、膣内失禁装置内の低費用の射出成形した構成要素は、成形部分の周辺部において、荒い縁部又は分割線を有し得ることを見出した。これは、膣を刺激する可能性を有する。この装置をバッグ内に被覆することは、この問題を十分に解決しなかったが、これはこれらの荒い縁部が製品をアプリケータ内にパッケージングする間に、及び/又は膣内に展開するためにこの装置を排出する間に、バッグを単純に割いてしまうためである。
【0014】
それゆえ、これらの問題のいくつかに応えるために、一部がオーバーモールドされた装置を開発した。このような一部がオーバーモールドされた材料は、これが被覆する構造的要素の周囲で非均一であり得る。例えば、オーバーモールドされた材料は、構造的要素が、オーバーモールドされた材料の中央に位置しないような方法で、付勢されてもよい。これは以下でより詳細に記載される。
【0015】
膣内失禁装置の構成要素のオーバーモールドにより、装置と、これが係合し得るユーザーの身体組織との間の接触領域が増加し、圧力(面積当たりの力)を低減することが認識される。これは、挿入、使用、又は除去中における膣の刺激を低減又は最小化することを助ける。
【0016】
本発明の膣内失禁装置は、関連する泌尿器系に支持を提供する機能部、及び使用中に装置を最適な位置に保持するために固定部を有する。これらの構造要素は、適切な位置において更に被覆され、身体への刺激を和らげる。
【0017】
本願(明細書及び請求項)において使用されるとき、用語「ステント」及びその変形は、身体開口部、空洞、血管などを支持するために使用される装置に関する。ステントは、弾力的で、可撓性であり、形状記憶式に折り畳み可能である。ステントは、スカフォード、スロット付き管、又はワイヤーフォームが挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
本願(明細書及び請求項)で使用されるとき、用語「ワイヤーフォーム」及びその変形は、所望の三次元構造において操作され、任意により固定される(例えば、溶接、及び/又は成形)、少なくとも1つのワイヤー、又はワイヤー状材料から形成された構造に関する。
【0019】
本願において使用されるとき、用語「支持表面」及びその変形は、挿入、使用、及び除去中に、膣上皮を圧迫し、圧力を加える、装置のある部分に関する。支持表面の存在は重要であるがこれは、設計が悪い装置は、膣及び/又は周囲の身体組織を損傷し得る、危険な支持表面を有し得るためである。この損傷は、炎症、紅斑、及び弱化、又は更に、膣組織の壊死を含み得る。したがって、実際の及び潜在的な支持表面の緩衝により、膣上皮を保護することが重要である。
【0020】
本願において使用されるとき、用語「主要支持表面」及びその変形は、挿入、使用及び除去中に、膣上皮に最も大きな圧力をかける、支持表面の一定の部分に関する。特に、主要支持表面は、挿入中における先端表面と、引き出し中の先端表面、及び装置内部(以下に定義される)から離れるように付勢され使用中にその適切な位置に装置を維持するために膣上皮を圧迫する、固定部の表面と、尿道及び/又は膀胱頸部に直接支持を提供するように、装置内部から離れるように付勢され、膣上皮を圧迫する、固定部の表面とを有する。
【0021】
本願において使用されるとき、用語「装置内部」及びその変形は、長手方向軸の方に向けられ、膣上皮と接触することができる、支持表面から離れるように向けられる、装置の内部に関する。装置内部はまた、以下で、図に関連して説明される。
【0022】
本願において使用されるとき、用語「オーバーモールディング」及びその変形は、緩衝材が装置フレーム(すなわち、ワイヤー又はステント)上に成形される、射出成形プロセスに関する。オーバーモールディングは、緩衝材がその位置において装置フレームを完全に囲むような方法で行われる。装置フレーム又は構成要素と、オーバーレイ緩衝材との間の最適な結合を達成するため、プライマー又は接着剤の使用は必要とされない。
【0023】
本願において使用されるとき、用語「緩衝材」及びその変形は、柔軟な性質であるいずれかの材料に関し、装置の緩衝部分は柔軟性及び快適性を提供し、挿入、使用、又は除去中に、膣上皮に接する装置により生じる膣への刺激、及び圧力を低減又は最小化することを助ける。
【0024】
本発明の膣内失禁装置は、作用部及び固定部を含む。これらの部分は、装置の構成要素(又は「装置フレーム」とも称される)である。機能部は、関連する泌尿器系への支持を提供し、固定部は、この支持のために、機能部を最適位置に維持する。オーバーレイ緩衝材は、ユーザーへの快適性を提供する。装置フレームを形成する成形型の分割線から生じるいずれかの荒い縁部を平滑化し、かつ圧力を低減するためにユーザーの身体組織と接触する、装置の表面積を増加させることができる。
【0025】
本発明による装置の好適な形状は、米国特許出願公開第2008/0009664号及び同第2008/0033230号及び同第2008/0009662号内に教示されており、これらの開示は本願において参照によりその全体が組み込まれる。
図1〜2を参照し、本発明による装置10が示される。装置10は、挿入端部12,引き出し端部14、及び装置内部15を有する。固定部16は挿入端部12の付近に配置され、機能部18は引き出し端部14の付近に配置される。機能部18は、対向する表面20a及び20bを有する。
【0026】
機能部18は、圧迫に対して抵抗力を提供し、所望の失禁支持力を提供するために十分な力で圧迫から回復する、第1構造材料から形成された、装置フレーム22を含む。有用な構造材料は、弾性又は更に超弾性の材料である。これらの構造材料としては、金属(金属合金を含むがこれに限定されない)、ポリマー(形状記憶ポリマー及び高弾性ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない)、1つ以上のポリマーの合成、及び/又は充填若しくは補強されたポリマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。形状記憶材料としては、米国特許出願公開第2008/0009664号及び同第2008/0033230号及び同第2008/0009662号において開示されているものが挙げられる。高弾性ポリマーとしては、2009年12月23日に出願された、同時係属中の出願番号第12/645800号、表題「Intravaginal Incontinence Device」に開示されているものが挙げられる。
【0027】
好ましい高弾性ポリマーは、少なくとも3%の降伏点伸び及び少なくとも2Gpaの弾性率の伸長を有する。代表的な、好適な高弾性ポリマーの非限定的な一覧には、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、コポリマー、特殊及び/又は変性プラスチック、充填されたプラスチックなどが挙げられ、これらの高弾性特性をもたらし得る。好ましい高弾性ポリマーとしては、ポリエーテルイミド及びポリエーテルケトンが挙げられる。これらの材料は、2009年12月23日に出願された、上記の同時係属中の出願番号第12/645800号に更に記載されており、これらの内容は本願において参照により組み込まれる。
【0028】
装置フレーム22の一部分は、緩衝材24でオーバーモールドされ、緩衝材の量は、装置の挿入、使用又は除去中に支持表面を形成する装置の面積よりも大きい。
【0029】
図3〜6は、緩衝材を有さない装置フレーム22を示す。装置フレーム22の機能部18は、複数の接続された細長い要素26で形成される。機能部を構成する細長い要素26は、固定部16を構成する細長い要素26に直接的に又は間接的に接続してもよい。機能部18により働く機能圧力は、装置フレーム22のために選択される材料により、及び、この装置フレーム22を構成する細長い要素26の寸法及び構成により、決定される。より厚い細長い要素及び/又はより短い細長い要素は、装置が圧迫されるか、断面が縮小する際に、これらが装置の変形に対してより大きな抵抗力を、ひいては、より大きな拡張力を提供することができるため、一般的により大きな機能圧力を提供することができる。加えて、細長い要素の間の角度はまた、機能圧力に影響する。
【0030】
細長い要素26は、送達アプリケータ内に適合し、ユーザーにとって快適であるように、小さな断面を有する。細長い要素は、約5mm未満、好ましくは約4mm未満、最も好ましくは約3mm未満の最大断面を有するべきである。細長い要素26は、丸、楕円、三角形、矩形などが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な断面形状を有することができる。当業者であれば、断面形状の変更が、様々な所望の弾性、所与の断面のためのより小さい表面積、材料応力などをもたらし得ることを理解する。
【0031】
固定部は、機能部と同じ材料で形成されてもよく、好ましい実施形態において、機能部及び固定部の両方が、一体構成において同じ材料で形成される。
【0032】
図6に示されるように、装置フレーム22の上面図において、装置内部15は好ましくは開いており、装置フレーム22がこの空洞又は中空をおおまかに画定している。支持表面は一般的に、装置フレーム22の外側に向く表面25上に配置されている。
【0033】
以下でより詳細に説明されるように、装置の挿入、使用、及び引き出し中に、膣上皮に最大の力を加え得る支持表面は、好ましくは緩衝材24(
図1及び
図2に示される)でオーバーモールドされる。これは装置に有用な特性を付与する。緩衝材は、膣内失禁装置に、以下の特性の1つ以上の提供し得る:弾力性、衝撃吸収、柔軟性、弾性、破断耐性、化学分解からのフレームの保護(例えば、特に高応力部分における、酸化又は他の化学的変化)など。加えて、緩衝材は、医薬品、ローション、香料、消臭剤、潤滑油などのためのキャリアとしての作用を含む他の機能を提供し得る。緩衝材は特に、失禁装置が可視である場合に、装置の審美性を改善する場合があり、かつこれは、質感及び/又はより適合性のある表面を付与することにより、装置の適所に留まる能力を改善し得る。
【0034】
弾力性、衝撃吸収、柔軟性、弾性、可撓性などの特性は、膣組織に対する過度の圧力を最小化するために、柔軟性及び緩衝をもたらし得る。弾性及び破断耐性などの特性は、装置フレームの破断の事象における更なる安全性を提供し得る。緩衝材は、このような破断した要素を収容するように機能し得る。加えて、比較的柔軟、弾性及び/又は可撓性の材料は、装置の挿入、使用、及び引き出し中に、膣組織の刺激の原因となるほど成形部品の分割線が鋭くなる可能性を減少させる。
【0035】
緩衝材は、熱可塑性エラストマーなど、所望の特性を提供する、射出成形、及び/又は浸漬成形プロセスにおいて有用ないずれかの柔軟及び/又は可撓性の材料から形成されてもよい。緩衝材などの有用な材料としては、ウレタン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンジエンモノマーなどを含む)、コポリマー(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、例えば、Kraton PolymersからのKRATON(登録商標)熱可塑性エラストマー)、スチレンアクリレートコポリマー、シリコーン、ゴム、ラテックス、繊維などが挙げられるがこれらに限定されない。加えて、ExxonMobil ChemicalからのSantoprene(商標)熱可塑性エラストマーが挙げられるがこれらに限定されない、材料の混合及びブレンドもまた使用され得る。
【0036】
緩衝材の適切性の1つの尺度は、ショアA硬度の測定である。好ましくは緩衝材は、約0〜約120のショアA硬度、好ましくは約20〜約100の範囲、より好ましくは約40〜約90の範囲のショアA硬度を有する。
【0037】
図7に示されるように、装置10はまた、可撓性バッグ28、又は他の比較的緩いカバー内に包含され得る。バッグは、1つ以上の有益な特性を有し得る。これは、展開中に、膣内失禁装置と、そのアプリケータ及び/又は膣組織との間の摩擦を低減し得る。可撓性バッグ28は、より許容可能な消費者用装置とするために、装置フレームの外観を隠すか、又は変更し得る。可撓性バッグ28は、挿入及び除去時の装置の制御を助ける。これは、装置が適所に留まるのを助け得る。可撓性バッグ28は、座薬物質などの他の任意の構成要素を収容し得る。最後に、可撓性バッグ28は、膀胱頸部に圧力を印加するための接触面積を増加させてもよい。カバーはまた、使用中に装置が適所に留まるのを助けるために、膣上皮に対して摩擦の増加を提供してもよい。所望の最終用途により、バッグを形成するために任意の医療用の好適な材料が使用されてもよく、これは不透明で軽く、及び/又は通気性であり得る。有用なバッグ材料は、不織布、及び有孔フィルムを含むプラスチックフィルムなど、タンポンの製造に使用されるものを含む。バッグ自体も有孔であり得る。
【0038】
膣内失禁装置は好ましくは、取り出し用紐30などの、引き出し要素を含む。これは、装置フレームの細長い要素の間で十字型に交差し、「締め付けサック」機構を形成してもよい。衛生保護技術分野において既知のいずれかの紐又はコードが、この目的のために有用であり得る。取り出し中に紐が引かれると、細長い要素が集まり、取り出し中により小さい直径の装置を形成する。その基部において装置を締め付けることは、これが装置の直径をより小さくし、導きやすい形状とし、取り出しを容易にするために、装置の取り出しをより快適かつ容易にし得る。
【0039】
膣内失禁装置は、タンポン及び座薬の送達に使用に関して既知であるものと同様の、アプリケータ32(
図8の破線で示される)内に収容されてもよい。アプリケータは、押出タイプのアプリケータ、又は格納可能なアプリケータであり得る。好ましい送達アプリケータは、約24mm未満、より好ましくは約19mm未満、最も好ましくは16mm未満の最大内径を有する。挿入深さを制御するために、カラーが追加されてもよい。
【0040】
好ましい実施形態は、緩衝材は、これが被覆する装置フレーム22の周囲で不均一である。発明者らは、緩衝材を装置フレームの外面に対して付勢することにより、より有用な緩衝がもたらされる一方で、装置に対して単にバルクを追加する緩衝材の体積が最小化されることを見出した。
【0041】
図1及び
図2を再び参照し、装置10は、使用中の装置10と膣上皮との間の接触領域において、緩衝材24でオーバーモールドされる。
図1に見られるように、装置10の主要支持表面(最大圧力で膣上皮を圧迫する)は、例えば、機能部18の各面20a及び20bの「W字型」の下部の細長い要素交差部34a〜34dに、並びに、固定部16の「耳区分」の上部屈曲部36a、36bに、位置し得る。これらの主要支持表面は、装置の挿入、使用及び引き出し中に、膣上皮に最大力を印加してもよく、これらは好ましくは緩衝材24でオーバーモールドされる。
【0042】
以下で
図9A〜9Bに見られるように、緩衝は、装置20の主要支持表面においてより大きく、装置内部15の方を向く緩衝材24においてより小さい厚さをもたらすような方法で行われる。好ましくは、緩衝材の厚さの比(主要支持表面上の厚さ:装置内部の方を向く細長い要素の対向する表面上の厚さ)は少なくとも1.1:1である。より好ましくは、緩衝材の厚さの比は、少なくとも1.5:1であり、最も好ましくはこれは少なくとも2:1であ
る。
【0043】
図9A〜9Bにみられるように、本発明の一実施形態において、装置10は2つの工程プロセスによりオーバーモールドされる。プラスチック装置フレームは、第1成形半体104及び第2成形半体106を有し、第1成形空洞108を提供する、第1成形要素102内に形成される。生じる成形装置フレーム22(例えば、
図3〜5に示される)は、第1成形半体112及び第2成形半体114を有し、第2成形空洞116を提供する、第2成形要素110に移送される。第2成形要素110の一部は、装置フレーム22を、これを適所に固定して、成形空洞内に空隙体積をもたらさないように、しっかりと保持するような寸法である。これらの部分は緩衝材でオーバーモールドされず、
図1及び
図2に示される装置10の露出部と対応する。オーバーモールドされる装置フレームの一部分は、装置フレーム22の周囲をオーバーモールドするための、空隙体積を有する、第2成形空洞116内に位置する。装置フレーム22のこれらの部分は、中央位置合わせピン118により適所に維持される。これらの中央位置合わせピン118は、緩衝材が第2成形空洞116内へと注入される際に、偏向しないように装置フレーム22を安定化させるように機能する。オーバーモールディングが完了した後、成形型が開かれ、必要によりピンが格納され、生じたオーバーモールドされた装置が、第2成形空洞116から排出される。
【0044】
上記の明細書及び実施形態は、本願において開示される発明の完全かつ非限定的な理解を補助するために提示される。本発明の多くの変形及び実施形態が、その趣旨及び範囲から逸脱せずに作製され得、本発明は以下に添付される請求項に示される。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) 挿入端部、引き出し端部、長手方向軸、及び装置内部を有する膣内装置であって、前記装置は、
a.前記引き出し端部に近接するように配置される機能部、及びそこから延び、前記挿入端部に近接するように配置される固定部を含む、装置フレームに形成される第1構成材料であって、前記装置フレームは、約5mm未満の最大断面を有する相互接続された細長い要素を含む、第1構成材料と、
b.前記装置フレームの一部分を囲む厚さを有する、第2緩衝材とを含み、
前記装置フレームは、挿入及び使用中に、膣組織を圧迫するように配置及び構成された複数の主要支持表面を有し、前記装置フレーム上の前記緩衝材の前記厚さは、前記装置内部に向けて配置される前記装置フレームの表面におけるよりも前記主要支持表面において大きく、引き出し要素が前記機能部に動作可能に接続されている、膣内装置。
(2) 前記装置フレームの前記細長い要素がほぼ円形の断面を有する、実施態様1に記載の膣内装置。
(3) 前記装置フレームの前記細長い要素が可変の断面を有する、実施態様1に記載の膣内装置。
(4) 前記固定部の前記細長い要素の少なくとも一部が非円形の断面を有する、実施態様3に記載の膣内装置。
(5) 前記固定部が、ほぼ楕円形の断面を有する、前記挿入端部における細長い要素を有し、この楕円形断面の主軸が前記装置の前記長手方向軸と実質的に垂直である、実施態様4に記載の膣内装置。
【0046】
(6) 前記第1構成材料が、少なくとも3%の降伏点伸び及び少なくとも2Gpaの弾性率を有する高弾性ポリマー材料を含む、実施態様1に記載の膣内装置。
(7) 前記第1構成材料が複合材料を含む、実施態様1に記載の膣内装置。
(8) 前記第2緩衝材が熱可塑性エラストマーを含む、実施態様1に記載の膣内装置。
(9) 前記第2緩衝材が、約0〜約120のショアA硬度を有するポリマー材料を含む、実施態様1に記載の膣内装置。
(10) 前記第2緩衝材が、約40〜約90のショアA硬度を有するポリマー材料を含む、実施態様9に記載の膣内装置。
【0047】
(11) 前記引き出し要素が前記機能部に直接接続されている、実施態様1に記載の膣内装置。
(12) 膣内装置送達システムであって、
a.挿入端部、引き出し端部、長手方向軸、及び装置内部を有する膣内装置であって、
i.前記引き出し端部に近接するように配置される機能部、及びそこから延び、前記挿入端部に近接するように配置される固定部を含む、装置フレームに形成される第1構成材料であって、前記装置フレームは、約5mm未満の最大断面を有する相互接続された細長い要素、及び長手方向軸を含む、第1構成材料、及び
ii.前記装置フレームの一部分を囲む(可変の)厚さを有する、第2緩衝材を含み、
前記装置フレームは、挿入及び使用中に、膣組織を圧迫するように配置及び構成された複数の主要支持表面を有し、前記装置フレーム上の前記緩衝材の前記厚さは、前記装置内部に向けて配置される前記装置フレームの表面におけるよりも前記主要支持表面において大きく、引き出し要素が前記機能部に動作可能に接続されている、膣内装置と、
b.前記膣内装置を収容するように配置及び構成された送達アプリケータであって、前記送達アプリケータは、内面及び約24mm未満の最大内径を有する、送達アプリケータと、を含む、膣内装置送達システム。
(13) 前記装置フレームの前記細長い要素が可変の断面を有し、前記固定部の前記細長い要素の少なくとも一部が、非円形の断面を有する、実施態様12に記載の膣内装置送達システム。
(14) 前記固定部が、ほぼ楕円形の断面を有する、前記挿入端部における細長い要素を有し、この楕円形断面の主軸が前記装置の前記長手方向軸と実質的に垂直である、実施態様13に記載の膣内装置送達システム。
(15) 前記第1構成材料が、少なくとも3%の降伏点伸び及び少なくとも2Gpaの弾性率を有する高弾性ポリマー材料を含む、実施態様12に記載の膣内装置送達システム。
【0048】
(16) 前記第2緩衝材が、約0〜約120のショアA硬度を有する熱可塑性エラストマーを含む、実施態様12に記載の膣内装置送達システム。
(17) 前記引き出し要素が前記機能部に直接接続されている、実施態様12に記載の膣内装置送達システム。