(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を説明するに当たって、各基板、層、膜、または電極などが、各基板、層、膜、または電極などの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の構成要素を介して(indirectly)”形成されるものを全て含む。また、各構成要素の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。図面において、各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0012】
図1は本発明の実施形態に従う太陽電池を示す断面図であり、
図2は
図1でAの部分拡大図である。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、実施形態に従う太陽電池は、支持基板100、透明電極層200、バッファ層300、光吸収層400、及び裏面電極層500を含む。
【0014】
前記支持基板100はプレート形状を有し、前記透明電極層200、バッファ層300、光吸収層400、及び裏面電極層500を支持する。
【0015】
前記支持基板100は絶縁体でありうる。前記支持基板100はガラス基板(Glass Substrate)、プラスチック基板、または金属基板でありうる。より詳しくは、前記支持基板100はソーダライムガラス(soda lime glass)基板でありうる。
【0016】
前記支持基板100がソーダライムガラスに使われる場合、ソーダライムガラスに含まれたナトリウム(Na)が太陽電池の製造工程中にCIGSで形成された光吸収層400に拡散できるが、これによって光吸収層400の電荷濃度が増加するようになることができる。これは、太陽電池の光電変換効率を増加させることができる要因となることができる。
【0017】
以外に、支持基板100の材質にアルミナのようなセラミック基板、ステンレススチール、柔軟性のある高分子などが使われることもできる。前記支持基板100は透明であることがあり、リジッドであるか、またはフレキシブルであることができる。
【0018】
前記支持基板100の上には透明電極層200が形成できる。前記透明電極層200は透明であり、導電層であって、ウィンドウ層として作用することができる。前記透明電極層200は酸化物を含む。例えば、前記透明電極層200は、In
2O
3、ITO(indium-tin oxide)、IGZO(indium-gallium-zinc oxide)、ZnO、AZO(Aluminium-zinc oxide;ZnO:Al)、SnO
2、FTO(Fluorine-doped tin oxide;SnO
2:F)、ATO(Aluminium-tin oxide;SnO
2:Al)などを含むことができる。
【0019】
また、前記酸化物はアルミニウム(Al)、アルミナ(Al
2O
3)、マグネシウム(Mg)、またはガリウム(Ga)などの導電性不純物を含むことができる。より詳しくは、前記透明電極層200はアルミニウムドーピングされたジンクオキサイド(Al doped zinc oxide;AZO)またはガリウムドーピングされたジンクオキサイド(Ga doped zinc oxide;GZO)などを含むことができる。
【0020】
前記透明電極層200の上面には複数のリセス250が形成される。前記複数のリセス250は前記透明電極層200の一部がエッチングされて形成できる。
【0021】
前記複数のリセス250により透明電極層200及び光吸収層300の面積が増加して太陽入射角が経時変化する時、太陽光の入射角度によって光を吸収することができる有効面積が増加するので、発電時間が増加する効果がある。
【0022】
前記複数のリセス250の間の間隔(d)は1μm乃至2μmの範囲に形成されることが好ましい。
【0023】
前記透明電極層200の厚さ(h)があまり厚ければ、太陽電池の透過率が低下することがあるので、このような点を考慮して前記透明電極層200の厚さ(h)は0.5μm乃至1μmの範囲に形成することが好ましい。
【0024】
前記複数のリセス250は前記範囲内で各々異なる形成長さを有することができる。前記複数のリセス250が形成される厚さは前記透明電極層200厚さの10%乃至70%の範囲を有することができる。
【0025】
前記複数のリセス250により透明電極層200が突出し、前記透明電極層200の上に積層されるバッファ層300、光吸収層400、及び裏面電極層500が前記複数のリセス250が形成された位置に対応して連続的に突出してワッフル(waffle)構造を形成するようになる。この際、断面は四角形に形成できるが、これに対して限定するものではない。
【0026】
前記複数のリセス250により透明電極層200は上部へ行くほど幅が狭くなる突出構造を有するように形成できる。また、これと反対に上部へ行くほど幅が広くなる形状に形成されることもできる。
【0027】
結果的に、前記複数のリセス250により光を吸収する光吸収層400の面積が増加するので、外部の太陽光を効率的に吸収し、向上した光−電変換効率を有する。
【0028】
前記バッファ層300は前記透明電極層200の上に配置される。本発明のように、CIGS化合物を光吸収層400に有する太陽電池は、p型半導体であるCIGS化合物薄膜とn型半導体である透明電極層200の薄膜との間にpn接合を形成する。しかしながら、2物質は格子定数とバンドギャップエネルギーの差が大きいため、良好な接合を形成するためにはバンドギャップが2物質の中間に位置するバッファ層が必要である。
【0029】
このようなバッファ層300用の材料には硫化カドミウム(CdS)が利用できるが、重金属であるCdを使用しないZnS、MnS、Zn(O、S)、ZnSe、(Zn、In)Se、In(OH、S)、In
2S
2などが利用できる。バッファ層300を形成するための方法には、化学浴蒸着(chemical bath deposition)方式やILGAR(ion layer gas reaction)方式、あるいは真空下で蒸着させる方法が用いられることができ、10〜500nmの厚さでありうる。このようなバッファ層300は効率向上の面で助けになるが、太陽電池が作動するに当たって必ず必要なものではない。
【0030】
前記バッファ層300の上には光吸収層400が形成できる。前記光吸収層400はp型半導体化合物を含む。より詳しくは、前記光吸収層400はI−III−VI族系化合物を含む。例えば、前記光吸収層400は銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In、Ga)Se
2;CIGS系)結晶構造、銅−インジウム−セレナイド系、または銅−ガリウム−セレナイド系結晶構造を有することができる。前記光吸収層400のエネルギーバンドギャップ(band gap)は約1eV乃至1.8eVでありうる。
【0031】
前記光吸収層400の上には裏面電極層500が形成できる。前記裏面電極層500は導電層である。前記裏面電極層500は太陽電池のうち、前記光吸収層400で生成された電荷が移動するようにして太陽電池の外部に電流を流れるようにすることができる。前記裏面電極層500は、このような機能を遂行するために電気伝導度が高く、比抵抗が小さくなければならない。
【0032】
また、前記裏面電極層500は、CIGS化合物形成時に伴われる硫黄(S)またはセレニウム(Se)雰囲気下での熱処理時、高温安全性が維持されなければならない。
【0033】
このような裏面電極層500は、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、及び銅(Cu)のうち、いずれか1つで形成できる。そのうち、特にモリブデン(Mo)は前述した裏面電極層500に要求される特性を全般的に満たすことができる。
【0034】
前記裏面電極層500は2つ以上の層を含むことができる。この際、各々の層は同一な金属で形成されるか、互いに異なる金属で形成できる。
【0035】
本発明の実施形態に従う太陽電池によれば、屈曲を有する光吸収層を形成することによって、太陽光発電装置に入射される光の量を効果的に吸収して光−電変換効率が向上できる。
【0036】
また、既存の薄膜太陽電池構造とは反対に、ウィンドウ層が透明な基板と接するように形成されるため、空気/ガラス/透明電極層の屈折率の差が緩やかな構造で形成されるので、太陽電池に入射された光の反射損失が少なくて、向上した光−電変換効率を有し、ウィンドウ層が水(H
2O)または酸素(O
2)などにより酸化されて電気的特性が悪化することを防止できるので、信頼性が向上した太陽電池を提供することができる。
【0037】
図3乃至
図6は、本発明の実施形態に従う太陽電池の製造方法を示す断面図である。本製造方法に関する説明は前述した太陽電池に対する説明を参考にする。前述した太陽電池に対する説明は本製造方法に関する説明に本質的に結合できる。
【0038】
図3に示すように、支持基板100の上にウィンドウ層200を形成することができる。前記ウィンドウ層200はCVD工程またはスパッタリング工程により蒸着して形成できる。
【0039】
図2及び
図4を参照すると、前記ウィンドウ層200の一部をエッチングして複数のリセス250を形成することができる。
【0040】
例えば、前記ウィンドウ層200の上にマスクパターンが形成される。前記マスクパターンはフォトリソグラフィ工程により形成できる。例えば、前記ウィンドウ層200の上に感光性樹脂がコーティングされて、フォトレジストフィルムが形成される。前記フォトレジストフィルムの一部が露光され、エッチングされて、前記マスクパターンが形成できる。
【0041】
前記マスクパターンは島(island)形状を有する。即ち、前記マスクパターンは島形状を有する多数個のマスクを含む。この際、前記マスクは互いに離隔する。また、前記マスクはマトリックス形態に配置できる。
【0042】
前記複数のリセス250は、例えば、エッチング工程により形成できる。エッチング溶液は、フッ酸、硫酸、窒酸を混合して作ることができ、フッ素の濃度は10〜25wt%にし、ここに硫酸15wt%、窒酸15wt%などの酸を添加した混酸溶液を製造して、約10分位常温でエッチングして形成できる。
【0043】
前記複数のリセス250が形成される深さ(h’)は前記ウィンドウ層200の厚さ(h)の半分以下に形成することが好ましいが、これに対して限定するものではない。
【0044】
前記複数のリセス250は第1斜面210と第2斜面220とを含むことができる。前記支持基板100の法線と前記第1斜面210とがなす角(θ)は1
°<θ<45゜の範囲に形成できる。
【0045】
また、前記支持基板100の法線と前記第1斜面210とがなす角(θ)を複数のリセス250と関連して見ると、θの値が必要以上に大きくなれば、有効面積の増加に制限的であるので、1
°<θ<tan
−1(d/h)の範囲に形成することが好ましい。
【0046】
前記リセス250の形成過程で第1斜面210及び第2斜面220と傾斜をなす折曲面面lが形成できる。前記折曲面lの幅はθの値が増加するにつれて減少することがあり、第1斜面210及び第2斜面220が接する臨界角度で前記折曲面は形成されない。前記折曲面は前記支持基板100と平行することができる。
【0047】
前記第1斜面210及び第2斜面220は断面を眺めた状況での斜面であって、前記第1斜面210及び第2斜面220に隣接するように第3斜面及び第4斜面(図示せず)が形成できる。
【0048】
即ち、第1斜面210及び第2斜面220が互いに対向し、第3斜面及び第4斜面が互いに対向するように形成できる。第3斜面及び第4斜面の角度は第1斜面210及び第2斜面220と同一に形成できる。
【0049】
前記第1乃至第4斜面によりリセスが形成されることができ、これにより形成される複数の突起は錐台形状を有することができる。より詳しくは、前記複数の突起は多角錐台形状を有することができる。より詳しくは、前記複数の突起は四角錐台形状を有することができる。また、前記第1乃至第4斜面により形成される突起の上面は四角形状を有することができる。
【0050】
図5を参照すると、前記ウィンドウ層200の上にバッファ層300が形成できる。前記バッファ層300は硫化カドミウムがスパッタリング工程または溶液成長法(chemical bath deposition;CBD)などにより蒸着して形成できる。
【0051】
図6を参照すると、前記バッファ層300の上に光吸収層400及び裏面電極層500が形成される。
【0052】
前記光吸収層400は、例えば、銅、インジウム、ガリウム、セレニウムを同時または区分して蒸発させながら銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In、Ga)Se2;CIGS系)の光吸収層400を形成する方法と金属プリカーソル膜を形成させた後、セレニゼーション(Selenization)工程により形成させる方法が幅広く使われている。
【0053】
これとは異なり、銅ターゲット及びインジウムターゲットのみを使用したり、銅ターゲット及びガリウムターゲットを使用するスパッタリング工程及びセレニゼーション工程によりCIS系またはCIG系光吸収層400が形成されることもできる。
【0054】
次に、光吸収層400の上に裏面電極層500が形成できる。前記裏面電極層500はモリブデンを使用してPVD(Physical Vapor Deposition)またはメッキの方法により形成できる。
【0055】
本発明の実施形態によれば、向上した光吸収率を有する太陽電池が提供できる。
【0056】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0057】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。