(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1 実施形態1>
<1.1 充電器1>
図1は、本発明の一実施形態に係る充電器1の構成を概略的に示す。充電器1は、商用交流電源からの電力が入力される電源回路30と、電源回路30からの充電端子23に対する電流量を制御する充電装置10とを備える。電源回路30は、充電端子23に対し、充電装置10による充電制御を介して電力を供給する。充電端子23は、充電される二次電池25が接続される。充電端子23はまた、分圧回路24を介して、充電装置10に電圧値を入力する。充電装置10は、この入力された電圧値に応じて電源回路30からの電流量を制御して、充電端子23に接続された二次電池25の充電を行う。
【0013】
二次電池25は、ニッケル水素二次電池やニカド電池等の急速充電に適した蓄電式電池である。二次電池25は、ワイヤレスマイクや携帯電話等のワイヤレス機器に内蔵され、或いは取り外し可能に設置される。ワイヤレス機器を充電器に設置したとき、充電端子23と二次電池25とが接続され、充電可能な状態となる。
【0014】
<1.2 充電装置10の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る充電装置10は、電圧検知部12(検出手段又は電圧検知手段の一例)、タイマー13(計時手段の一例)、充電制御部14(制御手段の一例)、トリクル充電部15、急速充電部16、及び充電切換部17を有する。
電圧検知部12は、分圧回路24から入力される電圧に基づき、A/D変換等を介してデジタル化された電圧を検知する。タイマー13は、後述するトリクル充電や急速充電の時間等を計測する。充電制御部14は、電圧検知部12により検知された電圧やタイマー13により計測された時間に応じて、充電端子23に対する充電を制御する。なお、電圧検知部12、タイマー13、及び充電制御部14の各機能は、プロセッサPがメモリM(記憶手段の一例)等に格納されたプログラムを読み込み、実行することにより実現される。プロセッサは、DSPやFPGA、或いはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデジタル回路で実現することが可能である。
【0015】
トリクル充電部15は、充電端子23を介して二次電池25に対しトリクル充電を行う。急速充電部16は、充電端子23を介して二次電池25に対し急速充電を行う。充電切換部17は、充電制御部14からの指令に応じて、トリクル充電部15か、急速充電部16かに切り換える。なお、充電切換部17はマイク装着後の初期状態ではトリクル充電部15に接続されている。
【0016】
トリクル充電部15、急速充電部16、及び充電切換部17は充電調整部19として機能する。トリクル充電部15、急速充電部16、及び充電切換部17はそれぞれ回路で構成されていてもよいが、これに限定されない。充電調整部19として、充電制御部14からの指令に応じて充電端子23に対する電流量を変化させてトリクル充電と急速充電に切り換える機能を実行する構成を有していればどうような回路構成であってもよい。
急速充電とは、二次電池25に大きな電流を流して短時間で充電する動作を示し、例えば、定格放電電流値Itに対し略1/2It以上で充電することをいう。またトリクル充電とは、微弱な電流を継続的に与える充電であり、例えば1/30It〜1/20It程度で充電することをいう。
【0017】
<1.3 充電装置10の動作>
図2及び
図3は、本実施形態に係る充電装置10による制御を示すフローチャートである。なお、このフローチャートでは、ワイヤレス機器としてワイヤレスマイクを例に挙げて説明する。
【0018】
ステップS101:電圧検知部12は、所定の電圧を検知することにより、ワイヤレスマイクが充電器1に装着されたかどうかを判定する。具体的には、ワイヤレスマイクが充電器1に装着されると、ワイヤレスマイクの二次電池25と充電器1の充電端子23とが接続状態となる。これにより、所定の電圧が充電端子23にかかり、分圧回路24を介して、電圧検知部12により検知される。このように、所定の電圧が検知された場合には、ステップS102に進む。
【0019】
なお、本ステップにおいて検知された電圧が異常である場合、つまりマイク装着時の電圧として予め設定されている所定の電圧とは異なる電圧の場合、エラーとして処理を終了するようにしてもよい。接続された二次電池が充電対象の種類でない可能性があるからである。
【0020】
ステップS102:電圧検知部12は、ステップS101においてマイクの装着を検知した場合、検知した電圧が、後述する第3電圧値(例えば、1.5V)未満かどうかを判定する。第3電圧値未満であればステップS103に進み、第3電圧値以上であればステップS112に進む。
【0021】
なお、従来の技術においては、充電器に設置した時の二次電池の初期電圧が、例えば1.1V未満であればトリクル充電を行い、1.1V以上であれば急速充電を行っていた。これは、初期電圧が1.1V未満の電池は、電池内部の物質が不活性な状態であり、このような不活性な二次電池に対し急速充電を行うと、二次電池を傷め、電池寿命を縮めてしまう恐れがあるからである。しかし、本実施形態においては、二次電池の初期電圧が1.1V以上か未満であるかに関わらず、急速充電は行わず、次のステップS103においてトリクル充電を行う。
【0022】
ステップS103:充電制御部14は、充電切換部17に対して指令してトリクル充電部15を選択する。これにより、充電端子23に対しトリクル充電が行われる。なお、充電切換部17はマイク装着後の初期状態ではトリクル充電部15に接続されている。
【0023】
このときのトリクル充電は、予備的なトリクル充電(以下、予備トリクル充電と呼ぶ)であり、例えば約5分間行われ、タイマー13により時間の計測が行われる。この予備トリクル充電時間は、電池の活性化や、ユーザによるワイヤレス機器の充電器に対する設置・取り外しの頻度等を考慮しすぐに急速充電を行わないように設定される。従って、約5分間よりも短くても長くてもよい場合がある。多くの場合、3分間以上の予備トリクル充電時間をとることが望ましい。
【0024】
この予備トリクル充電時間をとることによって、従来の充電制御方法に比して、あらゆる状態の二次電池に対しても急速充電による負荷を軽減し、電池寿命を延ばすことができる。具体的には、次のような効果がある。
(1)放電しきった電池(つまり、終止電圧以下の電池)が挿入された場合、この予備トリクル充電時間により電池の内部物質を活性化させることができる。
(2)劣化した電池の場合、この予備トリクル充電時間により内部抵抗を低下させ安定化を図ることができる。
(3)電池の温度を要因とする、急速充電による電池の負荷を防ぐことができる。例えば、急速充電直後で温度が高い電池の場合(例えば、約60℃以上)、この予備トリクル充電により粗熱をとることができる。なお、この予備トリクル充電により電池が急速充電に適さなくなるほど電池温度が上昇することはない。
(4)満充電状態で電池が短時間に繰り返し挿抜される場合、不要な急速充電を回避することができる。
【0025】
なお、放電しきった電池の場合満充電まで約2時間かかるが、これに約5分間のトリクル充電を適用することは、電池寿命の保護という観点から考えれば、とりわけユーザに不便を強いることはない。
【0026】
ステップS104:ステップS103において開始された予備トリクル充電の間、電圧検知部12は、ワイヤレスマイクの取り外しがあったかどうかを検知する。具体的には、ワイヤレスマイクが充電器1から取り外されると、ワイヤレスマイクの二次電池25と充電器1の充電端子23とが非接続状態となり、充電端子23にかかる電圧が例えば略0になる。この電圧の降下が、分圧回路24を介して、電圧検知部12により検知される。この電圧の降下が検知されなかった場合は、ステップS105に進み、電圧の降下が検知された場合は、処理を終了する。
【0027】
ステップS105:タイマー13により予備トリクル充電開始から約5分間の経過を検知すると、充電制御部14は、電圧検知部12を介して充電端子23の電圧を検知する。充電制御部14は、電圧検知部12からの電圧を判定する。検知された電圧が第1電圧値(例えば、1.0V)未満であれば、二次電池がショートしている等の異常状態か、充電対象でない二次電池が装着されている可能性があるので、ステップS106に進んでエラー処理する。検知された電圧が第1電圧値以上で満充電未満である第3電圧値(例えば、1.5V)未満の電圧であれば、ステップS107に進む。検知された電圧が第3電圧値以上の電圧であれば、ステップS112(
図3)に進む。なお、検知された電圧が高すぎる場合(例えば、1.6V以上)であれば、充電対象の種類でない二次電池が接続されている可能性があるので、ステップS106に進んでエラー処理をしてもよい。
【0028】
ステップS106:ステップS105において、検知された電圧が第1電圧値未満であれば、エラー表示し、充電を中止する。なお、エラー表示は、充電器1に設けたLEDランプの点灯や、所定の音声出力手段によるアラーム、或いはLCDによる表示手段により表示するようにしてもよい。
【0029】
ステップS107:ステップS105において検知された電圧が第1電圧値以上第3電圧値未満の場合、更に、検知された電圧が第3電圧値未満である第2電圧値(例えば、1.4V)以上であるかどうかを判定する。検知された電圧が第2電圧値以上であれば、ステップS108(
図3)に進む。検知された電圧が第2電圧値未満であれば、ステップS111(
図3)に進む。
【0030】
ステップS108:ステップS107において検知された電圧が第2電圧値以上である場合、充電制御部14は、充電切換部17をそのままにしてトリクル充電部15を選択し、引き続き充電端子23に対しトリクル充電を行う。このときのトリクル充電は、例えば約55分間行われ、タイマー13により時間の計測が行われる。
【0031】
ここで検知された電圧が第2電圧値以上であることは、換言すると、二次電池25は満充電状態ではないものの急速充電を必要としない状態にある。このような二次電池25に対し、トリクル充電を引き続き行うことによって、満充電状態の頻発による電池の負荷をより確実に軽減することができる。
【0032】
ステップS109:ステップS108におけるトリクル充電の間、電圧検知部12は、ワイヤレスマイクの取り外しがあったかどうかを検知する。具体的には、ワイヤレスマイクが充電器1から取り外されると、ワイヤレスマイクの二次電池25と充電器1の充電端子23とが非接続状態となり、充電端子23にかかる電圧が例えば略0になる。この電圧の降下が、分圧回路24を介して、電圧検知部12により検知される。この電圧の降下が検知されなかった場合は、ステップS110に進み、電圧の降下が検知された場合は、処理を終了する。
【0033】
ステップS110:タイマー13によりトリクル充電開始から約55分間の経過を検知すると、充電制御部14は、電圧検知部12を介して充電端子23の電圧を検知する。充電制御部14は、電圧検知部12からの電圧を判定する。検知された電圧が第3電圧値(例えば、1.5V)未満であればステップS111に進む。検知された電圧が第3電圧値以上であれば、ステップS112に進む。
【0034】
ステップS111:充電制御部14は、充電切換部17に対して指令して急速充電部16を選択して、充電端子23に対し急速充電を行う。
なお、電圧検知部12は、急速充電中にワイヤレスマイクの取り外しがあったかどうかを、ステップS109と同様に検知するようにしてもよい。この場合、マイクの取り外しが検知された場合は、トリクル充電部15に切り換え、処理を終了する。
【0035】
ステップS112:充電制御部14は、−ΔV検出等により二次電池25の満充電を判定することにより、充電切換部17に対して指令してトリクル充電部15を選択し、急速充電を終了させ、補充電の状態にする。なお、急速充電の完了は、充電器1に設けたLEDランプの点灯や、所定の音声出力手段によるアラーム、或いはLCDによる表示手段により表示するようにしてもよい。
なお、上記処理において、タイマー13の計時途中で処理が終了した場合、タイマー13のカウントはリセットされる。
上記処理において、その手順やタイミング等は上記のものに限定されない。例えば、上記ステップS101〜S110までの処理においては、ワイヤレス機器の装着を検出してから所定時間のトリクル充電を実行し、その所定時間経過後、電圧を検知して、急速充電を行うかどうかを決定するようにしてもよい。
【0036】
<1.4 充電器1の使用例>
図4(a)、
図4(b)、及び
図4(c)は、充電器1の使用例を示す。充電器1は、ワイヤレスマイク等のワイヤレス機器を設置する枠体2内に設けられる。枠体2は、複数のワイヤレス機器の差込口3を有する。充電器1は、差込口3の数に応じて複数設けられている。枠体2や差込口3の形状はワイヤレス機器の形状に合わせたものである。
ワイヤレス機器は、いずれかの差込口3から挿入され、ワイヤレス機器の二次電池25と充電器1の充電端子23とが接続されるようにセットされる。
【0037】
<1.5 実施形態1の特徴>
実施形態1においては、充電装置10の充電制御部14は、所定時間の予備トリクル充電を行った後、電圧検知部12により検知された電圧に応じて急速充電を行うかどうかを決定する。このため、ワイヤレス機器に対して急速充電を必要以上に行わないようにすることができ、二次電池25の負荷を軽減し、過充電を防止できる。これにより、ワイヤレス機器に使用される二次電池25のサイクル寿命を長くすることができる。
【0038】
特に、ワイヤレスマイクのように充電装置10に対する設置と取り外しとを短時間に頻繁に行う使用形態をもつワイヤレス機器では、急速充電の繰り返しによる弊害が大きい。つまり、急速充電によるピーク電圧時には、電池の容量は100%を超え、上述した降下電圧(−ΔV)を検出する時点では、充電電流は電気エネルギーにならず熱エネルギーになる。このような状態に電池を頻繁におくことは、電池への負荷を大きくしてその寿命を縮めることになる。上記実施形態による充電装置10においては、二次電池25に対する急速充電の頻度を抑えることができるため、ワイヤレス機器としての利便性を維持しつつ、二次電池25の寿命を延ばすことができる。
【0039】
実施形態1においては、また、充電制御部14は、電圧検知部12により検知された電圧が、0Vより高い第1電圧値以上第3電圧値未満であるとき、更に第1電圧値より高い第2電圧値以上であるかどうかを判定し、同電圧が第2電圧値以上であるとき、更に所定時間のトリクル充電を行う。このため、急速充電による二次電池の満充電の頻度を更に抑えることができる。
【0040】
実施形態1においては、また、充電装置10に設けたタイマー13によりトリクル充電時間及び急速充電時間を計測しているが、ワイヤレス機器の充電端子23が非接続状態になると処理を終了し、計測した時間をリセットする。本実施形態は充電装置側のみの設計によって実施できるため、ワイヤレス機器側にタイマーを設ける必要がなく、また急速充電後の時間を計測・記憶する必要がなく、ワイヤレス機器側の設計が不要となる。よって、一つの充電器1を複数のワイヤレス機器で共用できるため、メモリ資源を節約でき、設計も容易となる。
実施形態1においては、また、急速充電の可否を判断するために電池の温度情報を得る必要がない。よって、サーミスタ等の電池の温度検知手段を設けなくともよい。
【0041】
<2 その他実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。例えば、以下のような実施形態においても、上記実施形態1と同様又はそれ以上の効果を得ることができる。
<2.1>
実施形態1に係る充電装置10においては、
図2のステップS105で検知された電圧が第1電圧値(例えば、1.0V)以上第3電圧値(例えば、1.5V以上)未満であれば、更にステップS107において検知された電圧が第2電圧値(例えば、1.4V)以上であるかどうかを判定しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステップS105において検知された電圧が第1電圧値以上第3電圧値未満であれば、ステップS107の判定は行わず、
図3のステップS108のトリクル充電を行うようにしてもよい。この場合、ステップS108のトリクル充電の時間は、上記実施形態1の時間(例えば、55分)より短めにしてもよい。
【0042】
<2.2>
上記実施形態1における
図3のステップS108〜ステップS110を所定回数繰り返してもよい。つまり、充電制御部14は、急速充電の可否について否定的な決定をした回数をカウントし、所定回数以上否定的な決定を行った場合は、急速充電を行う。例えば、次の通りである。
図5は、
図3のステップS108〜ステップS110に代わる処理を示す。
ステップS208:ステップS107において検知された電圧が第2電圧値以上である場合、充電制御部14は、充電切換部17をそのままにしてトリクル充電部15を選択し、引き続き充電端子23に対しトリクル充電を行う。このときのトリクル充電は、例えば約20分間行われ、タイマー13により時間の計測が行われる。
【0043】
ステップS209:ステップS208におけるトリクル充電の間、電圧検知部12は、ワイヤレスマイクの取り外しがあったかどうかを検知する。具体的には、ワイヤレスマイクが充電器1から取り外されると、ワイヤレスマイクの二次電池25と充電器1の充電端子23とが非接続状態となり、充電端子23にかかる電圧が例えば略0になる。この電圧の降下が、分圧回路24を介して、電圧検知部12により検知される。この電圧の降下が検知されなかった場合は、ステップS210に進み、電圧の降下が検知された場合は、処理を終了する。
【0044】
ステップS210:タイマー13によりトリクル充電開始から約20分間の経過を検知すると、充電制御部14は、電圧検知部12を介して充電端子23の電圧を検知する。充電制御部14は、電圧検知部12からの電圧を判定する。検知された電圧が第3電圧値(例えば、1.5V)未満であればステップS211に進む。検知された電圧が第3電圧値以上であれば、ステップS112(
図3)に進む。
【0045】
ステップS211:充電制御部14は、ステップS208からステップS210の処理を所定回数(例えば、3回)繰り返したかどうかを判定する。所定回数繰り返していない場合は、ステップS208に戻り、所定回数繰り返した場合はステップS111(
図3)へ進んで急速充電を行う。
なお、上記トリクル充電の時間は固定であってもよいし、処理を繰り返す毎に短くしていってもよい。
【0046】
<2.3>
上記実施形態1においては、
図2のステップS101においてワイヤレスマイクを装着し、ステップS103において所定時間の予備トリクル充電を行った後、ステップS105で電圧検知を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステップS103の予備トリクル充電時間の間に所定時間毎に電圧検知を行い、第3電圧値以上になったときステップS112に進み、第1電圧値以上になったときステップS107に進むようにしてもよい。
<2.4>
上記実施形態1においては、ステップS105の電圧検知において第1電圧値未満の場合はエラー表示としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、検知された電圧が1.1V未満である場合は、引き続きトリクル充電を約15分間行ってから、ステップS105の判定処理から再度行うようにしてもよい。
このように、更にトリクル充電を行うことにより、予備トリクル充電では充分に活性化されなかった電池を活性化させることができる。
【0047】
<2.5>
上記実施形態1においては、充電装置10のプロセッサPは、各充電器1に対して設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、一つのプロセッサPで複数の充電器1の制御を兼ねることも可能である。
<2.6>
上記実施形態1においては、
図2のステップS105及びステップS107等の第1電圧値、第2電圧値、第3電圧値の電圧値は、上記実施形態1に挙げられた電圧値に限定されない。充電の対象となる機器や電池等に応じてそれぞれの電圧値が予め設定されていてもよい。
また、トリクル充電時間も上記実施形態に限定されず、充電の対象となる機器や電池等に応じて予め設定されていてもよい。
【0048】
<2.7>
上記実施形態1においては、ワイヤレス機器の例としてワイヤレスマイクを挙げたが、その他の送信機、受信機(イヤホン等を含む)であってもよい。また、携帯電話等の携帯機器であってもよい。
<2.8>
上記実施形態1においては、二次電池25としてニッケル水素二次電池やニカド電池を例に挙げているが、リチウム二次電池やリチウムイオン電池を用いてもよい。
<2.9>
上記実施形態1においては、充電端子23から分圧回路24を介して電圧を充電装置10に伝送しているが、充電する電池電圧の値によっては分圧回路は設けなくともよい。
<2.10>
上記実施形態1においては、二次電池25と充電端子23とが非接続状態(或いは電力が伝送できない状態)となった場合、充電端子23にかかる電圧が略0になるとしているが、本発明はこれに限定されない。充電装置10の回路の構成によっては電圧が上昇する場合もあり、この電圧上昇を検知することにより二次電池25と充電端子23とが非接続状態(或いは電力が伝送できない状態)が検知されるようにしてもよい。
【0049】
<2.11>
充電装置10は、充電調整部19を含まず、充電制御部14及びその機能を実行するための要素を含む装置であってもよい。この場合、充電装置は、ワイヤレス機器側に設けられてもよい。例えば、
図1の構成要素のうち、電源回路30以外の構成要素がワイヤレス機器に設けられていてもよい。また、この場合、充電装置はワイヤレス機器に設けられることに限定されず、その他の電子機器に設けられてもよい。
<2.12>
上記実施形態1においては、二次電池25は充電端子23に接触することにより充電されているが、金属接点やコネクタ等を介さずに電力を伝送することも可能である。例えば、充電装置10がワイヤレス機器側に設けられている場合において、充電を行う充電端部を介して電磁誘導、電波、電磁界共鳴等による無接点又は非接触電力伝送により充電を行ってもよい。
以上のように、二次電池と充電端部とは、接触、非接触を問わず、電気的に接続可能であればよい。
<2.13>
上記実施形態1は、ワイヤレス機器用の充電装置10及び充電器1について説明しているが、本発明は、充電制御部14を含む電子機器(ワイヤレス機器に限定されない)や充電制御方法としても実現できる。
また、充電装置10及び充電器1が充電を行う対象はワイヤレス機器に限定されず、その他の電子機器を対象としてもよい。
【0050】
<2.14>
上記実施形態1においては、電圧検知部12は、所定の電圧を検知することによりワイヤレス機器が充電器1に装着されたかどうかを判定しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、充電装置10に電池温度検出用端子を設け、ワイヤレス機器内に設けた温度サーミスタに同端子を接続させて電圧情報を取得することにより、ワイヤレス機器の装着を判断してもよい。或いは、充電器1の枠体2の差込口3内にスイッチを設け、ワイヤレス機器が差込口3内に設置されたとき、スイッチを作動させることによりワイヤレス機器の装着を判断してもよい。
<2.15>
上記実施形態1においては、急速充電の可否を決定する前に所定時間のトリクル充電を実行しているが、トリクル充電に限定されない。急速充電の可否を決定する前に所定時間急速充電を行わない状態があればよい。