特許第5902213号(P5902213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5902213動的なしきい値を使用した信号の検出のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902213
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】動的なしきい値を使用した信号の検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/00 20090101AFI20160331BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20160331BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   H04W68/00
   H04W52/02 110
   H04M1/00 R
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-24608(P2014-24608)
(22)【出願日】2014年2月12日
(62)【分割の表示】特願2012-543164(P2012-543164)の分割
【原出願日】2010年12月2日
(65)【公開番号】特開2014-131316(P2014-131316A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年3月10日
(31)【優先権主張番号】12/632,729
(32)【優先日】2009年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゲン・エヌ.・デシュパンデ
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−140611(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0076643(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04M1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信信号を検出する方法であって、
電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかを示す、前記電子デバイスの充電状態を判定することと、
前記電子デバイスの充電状態にづいてしきい値を選択することと、
無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号に基づいて値を決定することと、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出することと
を備える方法。
【請求項2】
前記無線通信信号を復号することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記しきい値を選択することは、前記電子デバイスが前記電力を受けている場合、第1のしきい値を選択することと、前記電子デバイスが前記電力を受けていない場合、第2のしきい値を選択することとを備え、前記第1のしきい値は、前記第2のしきい値とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記充電状態は、バッテリ充電レベルを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記しきい値は、複数の所定の候補しきい値から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記無線通信信号を受信することは、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)をモニタすることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出に応答してページング・チャネル(PCH)をモニタすることをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
電子デバイスであって、
無線通信信号を受信するように構成された受信機と、
プロセッサであって、
前記電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかを示す、前記電子デバイスの充電状態を判定し、
前記電子デバイスの充電状態にづいてしきい値を選択し、
前記無線通信信号に基づいて値を決定し、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出する
ように構成されたプロセッサと
を備える電子デバイス。
【請求項9】
前記電子デバイスを外部電源に接続するためのジャックをさらに備える、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記電子デバイスが前記外部電源から前記電力を受けている場合、第1のしきい値を選択し、前記電子デバイスが前記外部電源から前記電力を受けていない場合、第2のしきい値を選択するように構成され、前記第1のしきい値は、前記第2のしきい値とは異なる、請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
外部電源から電磁波を介して無線で電力を受けるための電力インタフェースをさらに備える、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項12】
バッテリをさらに備え、前記プロセッサは、バッテリ充電レベルに基づいて前記電子デバイスの充電状態を判定するように構成される、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項13】
複数の候補しきい値を記憶するように構成されたメモリをさらに備え、前記プロセッサは、前記複数の候補しきい値からしきい値を選択するように構成される、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項14】
電子デバイスであって、
前記電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかを示す、前記電子デバイスの充電状態を判定する手段と、
前記電子デバイスの充電状態にづいてしきい値を選択する手段と、
無線通信信号を受信する手段と、
前記無線通信信号に基づいて値を決定する手段と、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出する手段と
を備える電子デバイス。
【請求項15】
1つ以上のプロセッサによって実行されると、無線通信信号を検出する方法をコンピュータに実行させる命令を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記方法は、
電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかを示す、前記電子デバイスの充電状態を判定することと、
前記電子デバイスの充電状態にづいてしきい値を選択することと、
無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号に基づいて値を決定することと、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出することと
記憶した、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、信号の検出に関し、特に、動的なしきい値を使用した信号の検出に関する。
【技術分野】
【0002】
送信された信号の検出を試みる場合、2種類のエラー、すなわち、(1)信号が送信されなかった場合に信号が検出されたと判定される、フォールス・ポジティブ(false positive)と、(2)信号が送信された場合に信号が検出されなかったと判定される、フォールス・ネガティブ(false negative)とが起こり得る。これらのエラーの各々に関連する不利益は、特定の用途に依存する。
【0003】
WCDMA(登録商標)システムは、2つの異なる符号チャネル、すなわち、(1)ページング・インジケータ・チャネル(PICH:Paging Indicator Channel)と、(2)ページング・チャネル(PCH:Paging Channel)とを使用して、2つのステップで、モバイル・フォンのようなユーザ機器(UE)をページングする。ページング・メッセージがPCHで送られる場合、ネットワークは、その上、UEによってモニタされるPICHでページング・インジケータを送信する。PICHでページング・インジケータを検出すると、UEは、ページング・メッセージを受信するためにPCHを読み取る。ページング・インジケータの検出におけるフォールス・ポジティブは、PCHを読み取ることがPICHだけを読み取ることと比較してより多くの電力を消費するので、電力が浪費されるという結果をもたらす。しかしながら、ページング・インジケータの検出におけるフォールス・ネガティブは、ページング・メッセージが見逃されるという結果をもたらす。一般的に、ネットワークは、ページング・メッセージが見逃されるのを回避するために、2〜4回にわたって、ページング・インジケータとページング・メッセージとを再送する。
【発明の概要】
【0004】
本発明のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの態様を有するが、そのうちのどれ1つとして、その所望の特性を単独で担うものはない。付属の特許請求の範囲によって示された本発明の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴が、ここで簡潔に説明される。この説明を考慮した後、特に、「発明を実施するための形態」と題するセクションを読むと、本発明の特徴がどのようにして信号の検出のための動的なしきい値を提供するかが理解されるだろう。
【0005】
本開示の一態様は、無線通信信号を検出する方法であって、この方法は、第1の無線通信信号を受信することと、第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定することと、第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定することと、第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第3のしきい値を選択することと、第2の無線通信信号を受信することと、第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定することと、第2の値と選択されたしきい値との比較に基づいて第2の無線通信信号を検出することと、を備える。
【0006】
本開示の別の態様は、第2の無線通信信号を受信する前に少なくとも第1の無線通信信号を受信するように構成された受信機と、第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定し、第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定し、第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定し、第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第3のしきい値を選択し、第2の値と選択されたしきい値との比較に基づいて第2の無線通信信号を検出するように構成されたプロセッサと、を備える電子デバイスである。
【0007】
本開示の別の態様は、第1の無線通信信号を受信する手段と、第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定する手段と、第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定する手段と、第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第3のしきい値を選択する手段と、第2の無線通信信号を受信する手段と、第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定する手段と、第2の値と選択されたしきい値との比較に基づいて第2の無線通信信号を検出する手段と、を備える電子デバイスである。
【0008】
本開示の別の態様は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、無線通信信号を検出する方法をコンピュータに実行させる命令を記憶したコンピュータ読取可能な媒体であって、その方法は、第1の無線通信信号を受信することと、第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定することと、第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定することと、第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて第3のしきい値を選択することと、第2の無線通信信号を受信することと、第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定することと、第2の値と選択されたしきい値との比較に基づいて第2の無線通信信号を検出することと、を備える。
【0009】
本開示の一態様は、無線通信信号を検出する方法であって、この方法は、電子デバイスの充電状態を判定することと、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択することと、無線通信信号を受信することと、無線通信信号に基づいて値を決定することと、その値と上記しきい値との比較に基づいて無線通信信号を検出することと、を備える。
【0010】
本開示の別の態様は、無線通信信号を受信するように構成された受信機と、電子デバイスの充電状態を判定し、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択し、無線通信信号に基づいて値を決定し、その値と上記しきい値との比較に基づいて無線通信信号を検出するように構成されたプロセッサと、を備える電子デバイスである。
【0011】
本開示の別の態様は、電子デバイスの充電状態を判定する手段と、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択する手段と、無線通信信号を受信する手段と、無線通信信号に基づいて値を決定する手段と、その値と上記しきい値との比較に基づいて無線通信信号を検出する手段と、を備える電子デバイスである。
【0012】
本開示の別の態様は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、無線通信信号を検出する方法をコンピュータに実行させる命令を記憶したコンピュータ読取可能な媒体であって、その方法は、電子デバイスの充電状態を判定することと、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択することと、無線通信信号を受信することと、無線通信信号に基づいて値を決定することと、その値と上記しきい値との比較に基づいて無線通信信号を検出することと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、無線通信デバイスの機能ブロック図である。
図2図2は、サイクル数に対するPICH信号レベルおよび検出しきい値の例示的なグラフである。
図3図3は、サイクル数に対するPICH信号レベルおよび検出しきい値の別の例示的なグラフである。
図4図4は、信号を検出する方法を示すフローチャートである。
図5図5は、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいて信号を検出する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、無線通信デバイスの機能ブロック図である。無線通信デバイス100は、メモリ120、入力デバイス130、および出力デバイス140とデータ通信するプロセッサ110を含む。プロセッサは、さらに、モデム150およびトランシーバ160とデータ通信する。トランシーバ160も、また、モデム150およびアンテナ170とデータ通信する。無線通信デバイス100およびそのコンポーネントは、バッテリ180および/または外部電源によって電力供給される。いくつかの実施形態において、バッテリ180、またはその一部は、電力インタフェース190を介して外部電源により充電可能である。無線通信デバイス100に関して説明される機能ブロックは、別々に説明されるが、別個の構造要素である必要はないことが理解されるべきである。たとえば、プロセッサ110およびメモリ120は、1つのチップに統合され得る。同様に、プロセッサ110、モデム150、およびトランシーバ160のうちの2つ以上は、1つのチップに統合され得る。
【0015】
プロセッサ110は、ここに説明される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア・コンポーネント、または、それらの任意の適切な組み合わせであることができる。プロセッサは、コンピューティング・デバイスの組み合わせ、たとえば、DSPと、1つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに連結された1つ以上のマイクロプロセッサとの組み合わせ、または、任意の他のそのような構成として実現されることもできる。
【0016】
プロセッサ110は、メモリ120から情報を読み取り、またはメモリ120に情報を書き込むために、1つ以上のバスを介して、結合されることができる。さらに、または、あるいは、プロセッサは、プロセッサ・レジスタのようなメモリを含むことができる。メモリ120は、異なるレベルが異なる容量とアクセス・スピードを有する、マルチレベルの階層化キャッシュを含む、プロセッサ・キャッシュを含むことができる。メモリ120は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、他の揮発性記憶デバイス、または不揮発性記憶デバイスを含むこともできる。記憶装置は、ハード・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)またはデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)といった光学ディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、およびZipドライブを含むことができる。
【0017】
プロセッサ110は、また、無線通信デバイス100のユーザから入力を受信し、無線通信デバイス100のユーザに出力を供給するために、それぞれ、入力デバイス130および出力デバイス140に結合される。適切な入力デバイスは、キーボード、ボタン、キー、スイッチ、ポインティング・デバイス、マウス、ジョイスティック、リモート・コントロール、赤外線検出器、(たとえば手のジェスチャまたは顔のジェスチャを検出するためにビデオ処理ソフトウェアに結合され得る)ビデオカメラ、動作検出器、または、(たとえば音声命令を検出するためにオーディオ処理ソフトウェアに結合され得る)マイクロフォンを含むが、これらに限定されない。適切な出力デバイスは、ディスプレイおよびプリンタを含むビジュアル出力デバイスと、スピーカ、ヘッドフォン、イヤフォン、およびアラームを含むオーディオ出力デバイスと、フォース・フィードバック・ゲーム・コントローラおよびバイブレーティング・デバイスを含む触力覚出力デバイスとを含むが、これらに限定されない。
【0018】
プロセッサ110は、さらに、モデム150およびトランシーバ160に結合される。モデム150およびトランシーバ160は、1つ以上のエア・インタフェース規格によるアンテナ170を介した無線送信のためにプロセッサ110によって生成されたデータを調整する。モデム150およびトランシーバ160は、また、1つ以上のエア・インタフェース規格によってアンテナ170を介して受信されたデータを復調する。トランシーバは、送信機162、受信機164、またはその両方を含むことができる。他の実施形態において、送信機および受信機は、2つの別個のコンポーネントである。モデム150およびトランシーバ160は、ここに説明される機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア・コンポーネント、または、それらの任意の適切な組み合わせとして具現化されることができる。
【0019】
無線通信デバイス100およびそのコンポーネントは、バッテリ180および/または外部電源によって電力供給される。バッテリ180は、エネルギーを蓄積する任意のデバイス、特に、化学エネルギーを蓄積し、それを電気エネルギーとして供給する任意のデバイスであることができる。バッテリ180は、リチウム・ポリマー電池、リチウム・イオン電池、ニッケル水素電池、またはニッケル・カドミウム電池を含む1つ以上の二次電池、または、アルカリ電池、リチウム電池、酸化銀電池、または亜鉛炭素電池を含む1つ以上の一次電池を含むことができる。外部電源は、壁面コンセント、乗り物用のシガー・ライター・レセプタクル、無線エネルギー伝達プラットフォーム、または太陽を含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、バッテリ180、またはその一部は、電力インタフェース190を介して外部電源により充電可能である。電力インタフェース190は、バッテリ充電器を接続するためのジャック、近距離場無線エネルギー伝達のためのインダクタ、または、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための光電池パネルを含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、無線通信デバイス100は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルド・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、無線データ・アクセス・カード、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレイヤ、カムコーダ、ゲーム機器、腕時計、時計、またはテレビである。
【0022】
一実施形態において、図1に示したような無線通信デバイスは、アイドル・モードである場合、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)のある特定のフレームを定期的にモニタする。各期間は、不連続受信(DRX)サイクルと呼ばれる。このデバイスは、ページング・インジケータ・ビットの間に受信されたデジタル信号を積分する(integrate)ことによりページング・インジケータを検出するように構成される。基地局は、ページング・チャネル(PCH)にデバイスのためのページング・メッセージがない場合、PICHで正のページング・インジケータ・ビットを送り、PCHにデバイスのためのページング・メッセージがある場合、負のページング・インジケータ・ビットを送る。
【0023】
一実施形態において、ページング・インジケータの検出のためのしきい値はゼロである。したがって、積分和(integration sum)が正である場合、デバイスは、ページング・メッセージがないと判定する一方で、積分和が負である場合、デバイスは、ページング・メッセージがあると判定し、ページング・メッセージを受信するためにページング・チャネル(PCH)を読み取る。チャネルの障害、たとえば雑音のせいで、到来する信号が損なわれている場合があり、明らかに負である積分和が、わずかに正である値として受信され得る。そのようなケースにおいて、デバイスがデフォルトのしきい値を使用している場合、デバイスは、ページング・メッセージがないと判定するだろう。ページング・メッセージがある場合、基地局は、一般的に、多数のDRXサイクル、たとえば、2〜4サイクルにわたって、負のページング・インジケータ・ビットの送信を繰返す。信号が再び損なわれている場合、デバイスは、ページング・メッセージを受信しないだろう。しかしながら、デバイスがPICHでページング・インジケータを誤って検出し、到来する呼がないのにPCHをモニタすれば、電力が浪費される。
【0024】
別の実施形態において、ページング・インジケータの検出のためのしきい値は、動的である。積分和が、しきい値より上である場合、デバイスは、ページング・メッセージがないと判定する一方で、積分和が、しきい値より下である場合、デバイスは、ページング・メッセージがあると判定し、ページング・メッセージを受信するためにページング・チャネル(PCH)を読み取る。特定のサイクルの間に、積分和が、しきい値より上であるが、しきい値に近い場合、デバイスは、和がしきい値より上であるため、ページング・メッセージがないと判定するが、多数の後続のサイクルのために、しきい値を変更する。ページング・メッセージがある場合、基地局は、多数の後続のサイクルにわたって、負のページング・インジケータ・ビットの送信を繰返す。信号が再び損なわれ、積分和が、前のしきい値より上であるが、前のしきい値に十分に近いので、調節されたしきい値より下とされた場合、デバイスは、ページング・メッセージがあると判定し、メッセージを受信するためにPCHを読み取るだろう。
【0025】
図2は、サイクル数に対するPICH信号レベルおよび検出しきい値の例示的なグラフ200である。図2は、動的なしきい値を有する実施形態を示す。図2において、しきい値はゼロで始まる。第1の信号が第1のDRXサイクルの間にPICHで受信された場合、デバイスは、第1の信号に関する積分和221を決定する。図2において、この第1の積分和221はしきい値211より下ではないため、検出は行われない。さらに、第1の積分和221は第1のしきい値211に近くないので、しきい値は、後続のサイクルのために変更されない。積分和がしきい値に「近い」かどうかを判定するために、無線通信デバイスは、積分和がしきい値から所定の程度内にあるかどうかを判定し得る。
【0026】
第2の信号が第2のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第2の信号に関する積分和222を決定する。ここでも、第2の積分和222はしきい値212より下ではないので、検出は行われない。第2の積分和222はしきい値212に近くないので、しきい値は、後続のサイクルのために変更されない。第3の積分和223も同様に、しきい値213より下でもなく、しきい値213に近くもない。
【0027】
第4の信号が第4のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第4の信号に関する積分和224を決定する。第4の積分和224はしきい値214より下ではないので、検出は行われない。しかしながら、第4の積分和224は、しきい値214に近い。特に、第4の積分和224は、検出しきい値214から1単位以内である。したがって、調節されたしきい値が、多数の続くサイクルにおいて選択される。図2において、しきい値は、少なくとも2サイクルの間、1だけ上に調節される。
【0028】
第5の信号が第5のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第5の信号に関する積分和225を決定する。第5の積分和225は、選択されたしきい値215(このケースでは、調節されたしきい値である1)より下ではないので、検出は行われない。第6のDRXサイクルの間に受信された第6の信号に関する第6の積分和226は、もとのしきい値であるゼロより下ではないが、選択されたしきい値216である1より下である。したがって、検出が行われ、無線通信デバイスは、ページング・メッセージを受信するためにPCHを読み取る。
【0029】
前述したように、基地局は、ページング・インジケーションを送る場合、多数のDRXサイクルにおいて、そのインジケーションを再送する。したがって、積分和は、多数のサイクルの間、負であることが見込まれ、または損なわれている場合にはわずかに正であることが見込まれる。しきい値が、動的でないが、単により大きな値に調節されていたのなら、これは、より多くのフォールス・ポジティブおよび電力浪費という結果をもたらすだろう。しかしながら、しきい値が調節されなければ、これは、より多くのフォールス・ネガティブおよび見逃されるページング・メッセージという結果をもたらすだろう。しきい値を動的に調節することにより、不利益を被るこれらの2つのイベント間でバランスを保つことができる。
【0030】
図2に関し前述した検出スキームは、フォールス・ネガティブを回避するようにしきい値を動的に調節することにより、ページング・インジケータの繰返しを利用する。図3に関し下記において説明される検出スキームは、フォールス・ポジティブを回避するようにしきい値を動的に調節することにより、ページング・インジケータの繰返しを利用する。
【0031】
図3は、サイクル数に対するPICH信号レベルおよび検出しきい値の別の例示的なグラフ300である。図3もまた、動的なしきい値を有する実施形態を示す。図3においても、しきい値は、ゼロで始まる。第1の信号が第1のDRXサイクルの間にPICHで受信された場合、デバイスは、第1の信号に関する積分和321を決定する。図3において、この第1の積分和321はしきい値311より下ではないため、検出は行われない。さらに、第1の積分和321は第1のしきい値311に近くないので、しきい値は、後続のサイクルのために変更されない。
【0032】
第2の信号が第2のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第2の信号に関する積分和322を決定する。ここでも、第2の積分和322はデフォルトのしきい値312より下ではないので、検出は行われない。第2の積分和322はしきい値312に近くないので、しきい値は、後続のサイクルのために変更されない。第3の積分和323も同様に、しきい値313より下でもなく、しきい値313に近くもない。
【0033】
第4の信号が第4のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第4の信号に関する積分和324を決定する。第4の積分和324はしきい値314より下であるため、検出が行われ、デバイスは、ページング・メッセージを受信するためにPCHを読み取る。さらに、第4の積分和324は、しきい値314に近い。特に、第4の積分和324は、検出しきい値314から1単位以内である。したがって、調節されたしきい値が、多数の続くサイクルにおいて選択される。図3において、しきい値は、少なくとも2サイクルの間、1だけ下に調節される。一実施形態において、しきい値は、積分和324に対応するページング・メッセージがPCHにない場合、すなわち、検出がフォールス・ポジティブだった場合、下方に調節されるだけである。
【0034】
第5の信号が第5のDRXサイクルの間に受信された場合、デバイスは、第5の信号に関する積分和325を決定する。第5の積分和325は、前のしきい値314(ゼロ)より下であるが、調節されたしきい値315(1)より下ではないので、検出は行われない。第6のDRXサイクルの間に受信された第6の信号に関する第6の積分和326は、もとのしきい値であるゼロと調節されたしきい値316である1より下である。したがって、検出が行われ、無線通信デバイスは、ページング・メッセージを受信するためにPCHを読み取る。
【0035】
図2に関する説明は、一実施形態において、決定された値がしきい値に近い場合にしきい値を増加させる方法を示し、図3に関する説明は、一実施形態において、決定された値がしきい値に近い場合および/またはフォールス・ポジティブが検出された場合にしきい値を減少させる方法を示しているが、これらの実施形態の両方は、決定された値がしきい値に近く、検出がフォールス・ポジティブでない場合にしきい値を増加させ、決定された値がしきい値に近く、検出がフォールス・ポジティブである場合にしきい値を減少させるように、組み合わせられることができる。
【0036】
図2および図3に関して前述した検出スキームは、より一般的な検出方法に該当する。図4は、信号を検出する方法400を示すフローチャートである。方法400は、ブロック410において、第1の無線通信信号を受信することにより開始される。信号は、たとえば、図1の無線通信デバイス100によって、特に、アンテナ170、トランシーバ160、およびモデム150のうちの1つ以上を介し、プロセッサ110によって受信されることができる。無線通信信号は、単なる雑音または雑音に埋め込まれた送信された信号であることができ、それは、本当に無線信号が送信されたのか、または、単なる雑音が受信されたのかを判定することを困難にする。
【0037】
次に、ブロック420において、第1の信号に基づいた第1の値が決定される。トランシーバ160、モデム150、およびプロセッサ110のうちの1つ以上が、この値を決定することができる。一実施形態において、この値は、所定の時間期間にわたり、無線通信信号によってアンテナ170に誘起された電圧の積分和である。別の実施形態において、この値は、信号によってアンテナ170に誘起された最大電圧である。さらなる別の実施形態において、この値は、第1の信号の受信信号電力またはこの信号の位相である。
【0038】
続いて、判定ブロック430において、第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあるかどうかが判定される。この判定は、たとえば、プロセッサ110によって実行されることができる。第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にないと判定された場合、方法400は、ブロック410へと戻る。第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあると判定された場合、方法400は、ブロック440へと続き、第3のしきい値が選択される。
【0039】
一実施形態において、第1の値が、第1のしきい値と第2のしきい値とのうちの小さいほうより下であると判定された場合、第1の信号が検出され、方法400は終了する。図2および図3は、そのような実施形態の例を示している。別の実施形態において、第1の値が、第1のしきい値と第2のしきい値とのうちの大きいほうより上であると判定された場合、第1の信号が検出され、方法400は終了する。そのような実施形態の例は、図2および図3を180度回転させることによってイメージされ得る。
【0040】
ブロック440において、第1の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第3のしきい値が選択される。一実施形態において、プロセッサ110が、しきい値を選択する。しきい値は、メモリ120に記憶されたルックアップ・テーブルを使用してプロセッサ110によって選択されることができ、ここで、所定の第3のしきい値は、ポジティブな判定に基づいて選択される。「第3のしきい値」という用語を使用したが、選択されたしきい値は、第1のしきい値または第2のしきい値と同一であることもでき、または、第1のしきい値および第2のしきい値とは異なることもできるということが理解されるべきである。特定の一実施形態において、第3のしきい値は、第1のしきい値の大きさと、第2のしきい値の大きさとのうちの大きいほうよりも小さい大きさを有する。
【0041】
ブロック440から、処理400は、ブロック450および460へと続き、第2の信号が受信され、第2の値が決定される。これらのブロックに関連づけられるステップは、それぞれ、ブロック410および420に関して前述されたように、実行されることができる。
【0042】
次に、判定ブロック470において、第2の値は、選択されたしきい値と比較される。この比較は、たとえば、プロセッサ110によって実行されることができる。第2の値がしきい値よりも小さい場合、方法400はブロック480へと続き、第2の信号が検出される。一実施形態において、第2の信号の有(または無)は、メモリ120に1ビット・フラグとして記憶される。第2の値がしきい値よりも大きい場合、信号は検出されず、方法400はブロック491へと続き、ゼロで始まり、リセットされてゼロになるカウンタが、1だけインクリメントされる。ブロック491から、方法400は、判定ブロック492へと続き、カウンタがカウンタしきい値より大きいかどうかが判定される。カウンタがカウンタしきい値よりも大きい場合、方法400は、ブロック493へと進み、カウンタは、ブロック410へと戻る前にリセットされる一方で、カウンタがカウンタしきい値以下である場合、方法400は、ブロック450へと戻る。図4には示されていない別の実施形態において、第2の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間にある場合、カウンタは、ブロック491においてインクリメントされず、リセットされる。
【0043】
別の実施形態において、判定ブロック470の出力は、第2の値がしきい値の大きさよりも大きい場合に方法がブロック480へと続く一方で、第2の値がしきい値の大きさ以下である場合に方法がブロック491へと続くように、変えられる。
【0044】
ブロック480において信号が検出されると、処理はブロック490へと続き、さまざまな動作が検出に応答して実行されることができる。一実施形態において、検出は、出力デバイス140を介してユーザに示される。別の実施形態において、無線通信信号は、第1の無線チャネルで受信され、検出は、無線通信デバイス100に第2の無線チャネルを読み取るように促す。たとえば、一実施形態において、無線通信信号は、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)で受信されたページング・インジケータであり、それに応答して、無線通信デバイス100は、ページング・メッセージを受信するためにページング・チャネル(PCH)を読み取る。
【0045】
前述したように、異なる用途において、フォールス・ポジティブおよびフォールス・ネガティブに関連づけられる異なる不利益がある。たとえば、WCDMAにおいて、PICHでのページング・インジケーションの検出におけるフォールス・ポジティブに関連づけられる不利益は、PCHを読み取る際に浪費される電力である一方で、PICHでのページング・インジケーションの検出におけるフォールス・ネガティブに関連づけられる不利益は、見逃されるページング・メッセージである。フォールス・ネガティブに関連づけられる不利益(見逃されるページング・メッセージ)は、フォールス・ポジティブに関連づけられる不利益(浪費される電力)よりはるかに影響力があるように見えるが、必ずしもそうとは言えない。というのも、ユーザ機器は、一日に何千回とPICHの信号検出を実行しなくてはならないからである。フォールス・ポジティブが頻発すると、フォールス・ポジティブにより浪費される電力は、瞬く間に大きな量となり得る。しかしながら、デバイスが、フル・バッテリ充電を有するか、または、外部電源によって充電されている場合、フォールス・ポジティブに関連づけられた浪費される電力に関連づけられる不利益はより少なくなる。一実施形態において、無線通信デバイスは、デバイスの充電状態に基づいて、検出しきい値を選択する。
【0046】
図5は、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいて信号を検出する方法500を示すフローチャートである。処理500は、ブロック510において、電子デバイスの充電状態を判定することによって始まる。電子デバイスは、たとえば、図1の無線通信デバイス100であることができ、充電状態は、プロセッサ110によって判定されることができる。一実施形態において、充電状態は、たとえば、真または偽のいずれかであるブーリアン条件である。たとえば、一実施形態において、充電状態は、電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受信しているかどうかを示す。たとえば、図1の無線通信デバイス100が、バッテリ充電器を介して、壁面コンセントまたはシガー・ライター・レセプタクルに接続されている場合、充電状態は、この接続を示すことができる。一実施形態において、充電状態は、無線通信デバイス100が外部電源から所定のしきい値量の電力を受けている場合には「1」、または受けていない場合には「0」と示される1ビット・フラグとしてメモリ120に記憶される。
【0047】
別の実施形態において、充電状態は、3つ以上の離散値または連続値のいずれかをとることができる、非ブーリアン条件である。たとえば、一実施形態において、充電状態は、無線通信デバイス100のバッテリ180のバッテリ充電レベルを示す。バッテリ充電レベル、すなわち、充電状態は、25%、50%、75%、および100%といった多数の離散値のうちの1つによって表されることができる。別の実施形態において、充電状態は、バッテリ充電レベルを示すが、ブーリアンであり、バッテリ充電レベルが所定のしきい値より高い場合には真であり、バッテリ充電レベルがそのしきい値より低い場合には偽である。
【0048】
次に、ブロック520において、しきい値が、電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいて選択される。一実施形態において、プロセッサ110が、しきい値を選択する。しきい値は、メモリに記憶されたルックアップ・テーブルを使用してプロセッサによって選択されることができる。たとえば、第1のしきい値は、充電状態が真の場合に選択されることができ、第2のしきい値は、充電状態が偽の場合に選択されることができる。別の実施形態において、プロセッサは、充電状態を入力変数として含む式を使用してしきい値を選択する。たとえば、しきい値は、バッテリ180の充電レベルに比例して、増減されることができる。
【0049】
続いて、ブロック530において、無線通信信号が受信される。この信号は、たとえば、アンテナ170、トランシーバ160、およびモデム150のうちの1つ以上を介して、無線通信デバイス100またはプロセッサ110によって受信されることができる。無線通信信号は、単なる雑音または雑音に埋め込まれた送信された信号であることができ、それは、本当に無線信号が送信されたのか、または、単なる雑音が受信されたのかを判定することを困難にする。
【0050】
次に、ブロック540において、無線通信信号に基づいた値が決定される。トランシーバ160、モデム150、およびプロセッサ110のうちの1つ以上がこの値を決定することができる。一実施形態において、この値は、所定の時間期間にわたり、無線通信信号によってアンテナ170に誘起された電圧の積分和である。別の実施形態において、この値は、信号によってアンテナ170に誘起された最大電圧である。さらなる別の実施形態において、この値は、無線通信信号の受信電力またはその信号の位相である。
【0051】
続いて、判定ブロック550において、決定された値が選択されたしきい値と比較される。この比較は、たとえば、プロセッサ110によって実行されることができる。この値がしきい値より小さい場合、方法500は、ブロック560へと続き、信号が検出される。一実施形態において、信号の有(または無)は、メモリ120に1ビット・フラグとして記憶される。その値がしきい値以上である場合、信号は検出されず、方法500はブロック530へと戻る。別の実施形態において、判定ブロック550の出力は、その値がしきい値よりも大きい場合に方法がブロック560へと続く一方で、その値がしきい値の大きさ以下である場合に方法がブロック530へと戻るように、変えられる。
【0052】
ブロック560において信号が検出されると、処理はブロック570へと続き、さまざまな動作が検出に応答して実行されることができる。一実施形態において、検出は、出力デバイス140を介してユーザに示される。別の実施形態において、無線通信信号は、第1の無線チャネルで受信され、検出は、無線通信デバイス100に第2の無線チャネルをモニタするように促す。たとえば、一実施形態において、無線通信信号は、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)で受信されたインジケータであり、それに応答して、無線通信デバイス100は、到来するページまたは呼を求めてページング・チャネル(PCH)をモニタする。
【0053】
本明細書は本発明の特定の例を説明しているが、当業者は、発明のコンセプトから逸脱せずに本発明の変形例を考案することができる。当業者は、情報および信号が、さまざまな異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するだろう。たとえば、上記説明を通して言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されることができる。信号およびしきい値という用語は、信号変調技術に依存し得る。パルス振幅変調(PAM:Pulse Amplitude Modulation )が使用される場合には、信号の電圧の振幅または電力がその値を表す。その場合、しきい値は、単に電力値である。位相変調が使用される場合には、受信信号電圧の符号に変換され得る信号の位相が、信号値を表すことができる。この場合、信号が、複数のシンボルにわたって積分される場合には、受信された信号の符号および振幅が、ともに信号値を示す。
【0054】
当業者は、ここに開示された例に関連して説明されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、方法、およびアルゴリズムが、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、またはその両者の組み合わせとして実現され得ることを、さらに理解するだろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、方法、およびアルゴリズムが、それらの機能の観点で一般的に上述されている。そのような機能がハードウェアとして実現されるか、ソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課された特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定の用途ごとにさまざまな手法で、説明された機能を実現することができるが、そのような実現の決定は、本発明の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0055】
ここで開示された例に関連して説明された、さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、ここで説明された機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア・コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせを用いて、実現または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであることができるが、その代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または順序回路であることができる。プロセッサは、また、コンピューティング・デバイスの組み合わせ、たとえば、DSPと、1つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサとの組み合わせ、または任意の他のそのような構成として、実現されることもできる。
【0056】
ここで開示された例に関連して説明された方法またはアルゴリズムは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで、または両者の組み合わせで、具現化されることができる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、または当該技術で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に存在することができる。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されることができる。その代わりに、記憶媒体は、プロセッサに組み込まれることができる。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC中に存在することができる。
【0057】
1つ以上の例示的な実施形態において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実現されることができる。ソフトウェアで実現される場合、機能は、1つ以上の命令またはコードとして、コンピュータ読取可能な媒体で記憶されることも、伝送されることもできる。コンピュータ読取可能な媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされることができる任意の入手可能な媒体であることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読取可能な媒体は、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラム・コード手段を搬送または記憶するために使用されることができ、かつ、汎用コンピュータまたは専用コンピュータ、または汎用プロセッサまたは専用プロセッサによってアクセスされることができる、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または任意の他の媒体を含むことができる。また、どの接続も、適切にコンピュータ読取可能な媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または他のリモート・ソースから、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線技術を使用して伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、ここで使用される場合、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザー・ディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上述したものの組み合わせも、また、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0058】
開示された例の先の説明は、本発明を製造または使用することをいずれの当業者にも可能にさせるために提供されている。これらの例に対するさまざまな変更は、当業者に容易に理解され、ここで定義された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、他の例に適用されることができる。このように、本発明は、ここに示された例に限定されることは意図しておらず、ここに開示された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が付与されるべきである。
以下に本願出願当初の特許請求の範囲を付記する。
[C1] 電子デバイスを用いて無線通信信号を処理する方法であって、
第1の無線通信信号を受信することと、
前記第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定することと、
前記第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定することと、
前記第1の値が前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第3のしきい値を選択することと、
第2の無線通信信号を受信することと、
前記第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定することと、
前記第2の値を前記選択されたしきい値と比較することと
を備える方法。
[C2] 前記選択されたしきい値は、前記第2のしきい値である、C1に記載の方法。
[C3] 前記第1の無線通信チャネルを受信することと、前記第2の無線通信チャネルを受信することは、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)をモニタすることを備える、C1に記載の方法。
[C4] 前記比較に基づいて前記第2の無線通信信号が検出されたと判定することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C5] 前記検出に応答してページング・チャネル(PCH)をモニタすることをさらに備える、C4に記載の方法。
[C6] 電子デバイスであって、
第2の無線通信信号を受信する前に少なくとも第1の無線通信信号を受信するように構成された受信機と、
プロセッサであって、
前記第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定し、
前記第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定し、
前記第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定し、
前記第1の値が前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第3のしきい値を選択し、
前記第2の値を前記選択されたしきい値と比較する
ように構成されたプロセッサと
を備える電子デバイス。
[C7] 前記プロセッサは、前記比較に基づいて前記第2の無線通信信号が検出されたと判定するようにさらに構成される、C6に記載の電子デバイス。
[C8] 前記受信機は、ページング・インジケーション・チャネル(PICH)で、前記第1の無線通信信号と、前記第2の無線通信信号とを受信するように構成される、C7に記載の電子デバイス。
[C9] 前記受信機は、前記PICHで受信された前記第2の無線通信信号の検出に応答して、ページング・チャネル(PCH)でページを受信するように構成される、C8に記載の電子デバイス。
[C10] 電子デバイスであって、
第1の無線通信信号を受信する手段と、
前記第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定する手段と、
前記第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定する手段と、
前記第1の値が前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第3のしきい値を選択する手段と、
第2の無線通信信号を受信する手段と、
前記第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定する手段と、
前記第2の値を前記選択されたしきい値と比較する手段と
を備える電子デバイス。
[C11] 前記比較に基づいて前記第2の無線通信信号が検出されたと判定する手段をさらに備える、C10に記載の電子デバイス。
[C12] 1つ以上のプロセッサによって実行されると、無線通信信号を検出する方法をコンピュータに実行させる命令を記憶したコンピュータ読取可能な媒体であって、前記方法は、
第1の無線通信信号を受信することと、
前記第1の無線通信信号に基づいて第1の値を決定することと、
前記第1の値が所定の第1のしきい値と所定の第2のしきい値との間にあると判定することと、
前記第1の値が前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間にあるとの判定に少なくとも部分的に基づいて、第3のしきい値を選択することと、
第2の無線通信信号を受信することと、
前記第2の無線通信信号に基づいて第2の値を決定することと、
前記第2の値を前記選択されたしきい値と比較することと
を備える、コンピュータ読取可能な媒体。
[C13] 前記方法は、前記比較に基づいて前記第2の無線通信信号が検出されたと判定することをさらに備える、C12に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
[C14] 無線通信信号を検出する方法であって、
電子デバイスの充電状態を判定することと、
前記電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択することと、
無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号に基づいて値を決定することと、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出することと
を備える方法。
[C15] 前記無線通信信号を復号することをさらに備える、C14に記載の方法。
[C16] 前記充電状態は、前記電子デバイスが外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかを示す、C14に記載の方法。
[C17] 前記しきい値を選択することは、前記電子デバイスが前記電力を受けている場合、第1のしきい値を選択することと、前記電子デバイスが前記電力を受けていない場合、第2のしきい値を選択することとを備え、前記第1のしきい値は、前記第2のしきい値とは異なる、C16に記載の方法。
[C18] 前記充電状態は、バッテリ充電レベルを示す、C14に記載の方法。
[C19] 前記しきい値は、複数の所定の候補しきい値から選択される、C14に記載の方法。
[C20] 前記無線通信信号を受信することは、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)をモニタすることを備える、C14に記載の方法。
[C21] 前記検出に応答してページング・チャネル(PCH)をモニタすることをさらに備える、C20に記載の方法。
[C22] 電子デバイスであって、
無線通信信号を受信するように構成された受信機と、
プロセッサであって、
前記電子デバイスの充電状態を判定し、
前記電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択し、
前記無線通信信号に基づいて値を決定し、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出する
ように構成されたプロセッサと
を備える電子デバイス。
[C23] 前記電子デバイスを外部電源に接続するためのジャックをさらに備え、前記プロセッサは、前記電子デバイスが前記外部電源から少なくとも所定のしきい値量の電力を受けているかどうかに基づいて、前記電子デバイスの充電状態を判定するように構成される、C22に記載の電子デバイス。
[C24] 前記プロセッサは、前記電子デバイスが前記外部電源から前記電力を受けている場合、第1のしきい値を選択し、前記電子デバイスが前記外部電源から前記電力を受けていない場合、第2のしきい値を選択するように構成され、前記第1のしきい値は、前記第2のしきい値とは異なる、C23に記載の電子デバイス。
[C25] 外部電源から電磁波を介して無線で電力を受けるための電力インタフェースをさらに備え、前記プロセッサは、前記電子デバイスが前記外部電源から少なくともしきい値量の電力を受けているかどうかに基づいて、前記電子デバイスの充電状態を判定するように構成される、C22に記載の電子デバイス。
[C26] バッテリをさらに備え、前記プロセッサは、バッテリ充電レベルに基づいて前記電子デバイスの充電状態を判定するように構成される、C22に記載の電子デバイス。
[C27] 複数の候補しきい値を記憶するように構成されたメモリをさらに備え、前記プロセッサは、前記複数の候補しきい値からしきい値を選択するように構成される、C22に記載の電子デバイス。
[C28] 電子デバイスであって、
前記電子デバイスの充電状態を判定する手段と、
前記電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択する手段と、
無線通信信号を受信する手段と、
前記無線通信信号に基づいて値を決定する手段と、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出する手段と
を備える電子デバイス。
[C29] 1つ以上のプロセッサによって実行されると、無線通信信号を検出する方法をコンピュータに実行させる命令を記憶したコンピュータ読取可能な媒体であって、前記方法は、
電子デバイスの充電状態を判定することと、
前記電子デバイスの充電状態に少なくとも部分的に基づいてしきい値を選択することと、
無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号に基づいて値を決定することと、
前記値と前記しきい値との比較に基づいて前記無線通信信号を検出することと
を備える、コンピュータ読取可能な媒体。
図1
図2
図3
図4
図5