特許第5902232号(P5902232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5902232連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材およびこれを用いた連棟型ビニルハウス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902232
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材およびこれを用いた連棟型ビニルハウス
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
   A01G9/14 C
   A01G9/14 G
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-116889(P2014-116889)
(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公開番号】特開2015-228831(P2015-228831A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2015年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】597088591
【氏名又は名称】佐藤産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503423317
【氏名又は名称】直木 武之介
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】直木 武之介
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−106525(JP,A)
【文献】 実開昭51−67249(JP,U)
【文献】 実開昭59−36960(JP,U)
【文献】 実公昭37−29322(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に設けられる梁材にボルトを用いて固定される連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材であって、
前記梁材の上面に載置される土台部であり、前記ボルトが貫通する第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔の外側に立設され、前記第1の貫通孔に挿通されるボルトの頭部の回転を拘束するリブとを備える土台部と、
前記ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材を支持するアーチ支持部であり、前記土台部を挟む位置の両側に斜め上方へ向かって延設されたアーチ支持部と
を有する連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材。
【請求項2】
前記土台部のリブは、前記第1の貫通孔を挟む両側に備えたものである請求項1記載の連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材と、
前記ボルトが貫通する第2の貫通孔を備える前記梁材と
を含む連棟型ビニルハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に設けられて、ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材を支持する連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材およびこれを用いた連棟型ビニルハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の連棟型ビニルハウスとして、例えば特許文献1には、圃場に複数の支柱を設立し、同支柱の上端に梁材を設け、同梁材の両側面に等間隔に設けた突起にアーチ部材の下端部をそれぞれ嵌合して同アーチ部材を等間隔に支持するとともに、上記梁材の上面に集水樋を設け、かつ上記多数のアーチ部材の上面を透明のシートで被覆して形成したビニルハウスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−202150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記梁材の両側面に等間隔に設けられる突起は、通常、梁材に溶接することによって設けられる。そのため、工数が嵩み、コスト高の要因となっている。また、梁材の両側面に突起が溶接された状態で、工場から出荷されるため、荷姿が大きくなり、運送費も高くなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明においては、施工が容易であり、かつ運送時に嵩張らない連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材およびこれを用いた連棟型ビニルハウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材は、連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に設けられる梁材にボルトを用いて固定される連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材であって、梁材の上面に載置される土台部であり、ボルトが貫通する第1の貫通孔と、第1の貫通孔の外側に立設され、第1の貫通孔に挿通されるボルトの頭部の回転を拘束するリブとを備える土台部と、ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材を支持するアーチ支持部であり、土台部を挟む位置の両側に斜め上方へ向かって延設されたアーチ支持部とを有するものである。
【0007】
本発明の連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材は、梁材の上面に土台部を載置し、土台部の第1の貫通孔にボルトを挿通して梁材にボルトを用いて固定する際、土台部に備えられたリブによってボルトの頭部の回転が拘束されるので、このボルトに対してナットを一方から締め付けることにより、梁材にアーチ受け部材を容易に固定することができる。なお、梁材には、第1の貫通孔に挿通するボルトが貫通する第2の貫通孔を備えれば良い。
【0008】
ここで、土台部のリブは、第1の貫通孔を挟む両側に備えたものであることが望ましい。土台部のリブは、ボルトの頭部が回転しないように拘束できれば良く、頭部の一面を拘束するものであれば良いが、この土台部のリブを第1の貫通孔を挟む両側に備えて、ボルトの頭部を挟み込むように拘束することで、より確実にボルトの頭部の回転を防止することが可能となる。
【0009】
また、土台部およびアーチ支持部は、中空パイプを曲げ加工することにより形成されたものであり、土台部は、中空パイプをリブが形成されるようにプレス加工することにより形成されたものであることが望ましい。これにより、中空パイプから曲げ加工およびプレス加工することによって、本発明のアーチ受け部材を容易に製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
(1)梁材の上面に載置される土台部であり、ボルトが貫通する第1の貫通孔と、第1の貫通孔の外側に立設され、第1の貫通孔に挿通されるボルトの頭部の回転を拘束するリブとを備える土台部と、ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材を支持するアーチ支持部であり、土台部を挟む位置の両側に斜め上方へ向かって延設されたアーチ支持部とを有する構成により、梁材の上面に土台部を載置し、土台部の第1の貫通孔にボルトを挿通してナットを一方から締め付けることにより、梁材にアーチ受け部材を容易に固定することができ、連棟型ビニルハウスを容易に施工することが可能となる。また、梁材には、第1の貫通孔に挿通するボルトが貫通する第2の貫通孔を備えるだけで良く、アーチ受け部材は土台部およびその両側に延設されたアーチ支持部からなるため、運送時に嵩張らず、荷姿が小さくなるため、運送費が安価となる。
【0011】
(2)土台部のリブが第1の貫通孔を挟む両側に備えたものであることにより、より確実にボルトの頭部の回転を防止することが可能となり、施工性が向上する。
【0012】
(3)土台部およびアーチ支持部が、中空パイプを曲げ加工することにより形成されたものであり、土台部が、中空パイプをリブが形成されるようにプレス加工することにより形成されたものであることにより、中空パイプから曲げ加工およびプレス加工することによって、アーチ受け部材を低コストで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態におけるアーチ受け部材の斜視図である。
図2図1のアーチ受け部材を連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に配設した状態を示す説明図である。
図3図1のアーチ受け部材を梁材上にボルトを用いて固定した状態を示す正面図である。
図4図3の平面図である。
図5図3のX−X断面図である。
図6】連棟型ビニルハウスの平面配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明の実施の形態におけるアーチ受け部材の斜視図、図2図1のアーチ受け部材を連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に配設した状態を示す説明図、図3図1のアーチ受け部材を梁材上にボルトを用いて固定した状態を示す正面図、図4図3の平面図、図5図3のX−X断面図である。
【0015】
図2に示すように、本発明の実施の形態におけるアーチ受け部材1は、連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に設けられる梁材Bにボルト4を用いて固定されるものである。梁材Bはボルト4が貫通する貫通孔H(図5参照。)を備えている。
【0016】
アーチ受け部材1は、図1および図3に示すように、梁材Bの上面に載置される土台部2と、ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材Aを支持するアーチ支持部3とから構成される。土台部2およびアーチ支持部3は、スチール製の中空パイプを曲げ加工することにより形成されている。梁材Bは、所定の間隔(例えば3〜4mの間隔)で複数立設された支柱Cの上端に設けられている。
【0017】
土台部2は、図4および図5に示すように、ボルト4が貫通する貫通孔10と、貫通孔10の外側に立設され、貫通孔10に挿入されるボルト4の頭部4aの回転を拘束するリブ11とを備える。リブ11は、貫通孔10を挟む両側に備えられている。土台部2は、図5に示すように、中空パイプをリブ11が形成されるように断面凹状にプレス加工することにより形成されている。なお、本実施形態において使用されるボルト4は六角ボルトであり、リブ11の間隔はボルト4の二面幅に応じて設定される。
【0018】
アーチ支持部3は、土台部2を挟む位置の両側に斜め上方へ向かって延設されている。本実施形態においてアーチ部材Aは、中空パイプからなり、アーチ支持部3は、アーチ部材Aの中空部に差し込み可能な形状となっている。なお、アーチ部材Aは、アーチ支持部3の中空部に差し込む構成としても良い。
【0019】
上記構成のアーチ受け部材1は、梁材Bの上面に土台部2を載置し、土台部2の貫通孔10にボルト4を挿通してナット5を下方から締め付ける。このとき、土台部2に備えられたリブ11によってボルト4の頭部4aの回転が拘束されるので、このボルト4に対してナット5を一方から締め付けることが可能である。したがって、梁材Bにアーチ受け部材1を容易に固定することができ、連棟型ビニルハウスを容易に施工することが可能となる。
【0020】
また、上記構成のアーチ受け部材1では、梁材Bには、アーチ受け部材1の貫通孔10に挿通するボルト4が貫通する貫通孔Hを備えるだけで良く、アーチ受け部材1は土台部2およびその両側に延設されたアーチ支持部3からなるため、運送時に嵩張らない。したがって、梁材Bおよびアーチ受け部材1の荷姿が小さくなり、運送費が安価である。
【0021】
なお、図6に示すように、連棟型ビニルハウスDは、土地Lを最大限に有効活用するため、土地Lの形状に合わせて設置することがある。このとき、本実施形態におけるアーチ受け部材1では、ボルト4の回転軸周りに自在に回転させることが可能であるため、図6に示すように梁材Bに対して直角だけでなく、斜めに配設することが可能であり、連棟型ビニルハウスDを土地Lの形状に容易に合わせて設置することが可能である。また、梁材Bの貫通孔Hは設置現場で開けることが可能であるため、アーチ受け部材1の間隔も設置現場に応じて自在に設定することが可能である。
【0022】
また、本実施形態におけるアーチ受け部材1では、土台部2のリブ11が貫通孔10を挟む両側に備えられているので、ボルト4の頭部4aが挟み込むように拘束されている。そのため、確実にボルト4の頭部4aの回転が防止され、施工性が向上している。なお、リブ11はボルト4の頭部4aが回転しないように拘束できれば良く、ボルト4の頭部4aの一面を拘束する構成とすることも可能である。
【0023】
また、本実施形態におけるアーチ受け部材1では、土台部2およびアーチ支持部3は、中空パイプを曲げ加工することにより形成されたものであり、土台部2は、中空パイプをリブ11が形成されるようにプレス加工することにより形成されたものであるため、低コストで製造することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の連棟型ビニルハウスのアーチ受け部材は、連棟型ビニルハウスの隣接するビニルハウス間に設けられて、ビニルハウスの屋根部を構成するためのアーチ部材を支持する部材として有用である。
【符号の説明】
【0025】
1 アーチ受け部材
2 土台部
3 アーチ支持部
4 ボルト
4a 頭部
5 ナット
10 貫通孔
11 リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6