特許第5902284号(P5902284)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5902284力検出で拡張したユーザ・インタフェース要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902284
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】力検出で拡張したユーザ・インタフェース要素
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20160331BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20160331BHJP
   H04M 1/247 20060101ALI20160331BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   G06F3/0488
   G06F3/041 600
   H04M1/247
   H04M1/00 R
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-239769(P2014-239769)
(22)【出願日】2014年11月27日
(62)【分割の表示】特願2014-508192(P2014-508192)の分割
【原出願日】2012年5月1日
(65)【公開番号】特開2015-46192(P2015-46192A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2014年11月27日
(31)【優先権主張番号】61/488,072
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/416,731
(32)【優先日】2012年3月9日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・モメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・エム・ベックウィズ
【審査官】 浜岸 広明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−152716(JP,A)
【文献】 特開2011−053832(JP,A)
【文献】 特開2010−152737(JP,A)
【文献】 特開2011−048666(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0107212(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0026640(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01−3/153
H04M 1/00
H04M 1/247
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出するステップであって、前記選択可能なオブジェクトが第1のコマンドおよび第2のコマンドに関連付けられる、ステップと、
前記タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて前記タッチ・スクリーンとの前記接触の力レベルを決定するステップと、
前記力レベルが第1の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要としない前記第1のコマンドを開始してコンピューティング・デバイスを制御し、前記力レベルが前記第1の力レベルより大きい第2の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要とする前記第2のコマンドを開始するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記力レベルを前記第1の力レベルに対応する閾値と比較するステップをさらに含み、前記第1のコマンドは前記力レベルが前記閾値より高いときに開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記力レベルが前記第2の力レベルより大きいとき、前記第2のコマンドを開始する前に、前記二次的確認のためのダイアログ・ボックスが表示されない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
二次的確認を必要とする前記第2のコマンドは、異常な、非デフォルトの、不可逆な、または潜在的にシステムを危険に陥らせる動作を前記コンピューティング・デバイスに実施させるおそれがある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
二次的確認を必要とする前記第2のコマンドは、非デフォルトのオプション、システムのファイルまたはディレクトリを操作するためのコマンド、非デフォルトのアプリケーションにおけるコンテンツのオープン、または綴りの誤り、文法の誤り、攻撃的な内容、もしくは複数の受信者を有する電子メールの送信のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
筐体と、
ディスプレイ、前記ディスプレイに接続されたタッチ・センサ、ならびに前記筐体および前記ディスプレイの間で接続された少なくとも1つの力センサを備えたタッチ・スクリーン・ディスプレイと、
前記タッチ・センサと前記少なくとも1つの力センサからデータを受信するように接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を前記タッチ・センサからの前記データに基づいて検出することであって、前記選択可能なオブジェクトが第1のコマンドおよび第2のコマンドに関連付けられる、ことと、前記タッチ・スクリーンとの前記接触の力レベルを前記少なくとも1つの力センサからのデータに基づいて決定することと、前記力レベルが第1の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要としない前記第1のコマンドを開始してコンピューティング・デバイスを制御し、前記力レベルが前記第1の力レベルより大きい第2の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要とする前記第2のコマンドを開始することとを行うように構成されたプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項7】
前記プロセッサはさらに前記力レベルを前記第1の力レベルに対応する閾値と比較するように構成され、前記第1のコマンドは前記力レベルが前記閾値より高いときに開始される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサはさらに、前記第2の力レベルより大きいとき、前記第2のコマンドを開始する前に前記ディスプレイに前記二次的確認のためのダイアログ・ボックスを表示させないように構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
二次的確認を必要とする前記第2のコマンドは、異常な、非デフォルトの、不可逆な、または潜在的にシステムを危険に陥らせる動作を前記プロセッサに実施させるおそれがある、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
二次的確認を必要とする前記第2のコマンドは、非デフォルトのオプション、システムのファイルまたはディレクトリを操作するためのコマンド、非デフォルトのアプリケーションにおけるコンテンツのオープン、または綴りの誤り、文法の誤り、攻撃的な内容、もしく複数の受信者を有する電子メールの送信のうち少なくとも1つである、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出する手段であって、前記選択可能なオブジェクトが第1のコマンドおよび第2のコマンドに関連付けられる、手段と、
前記タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて前記タッチ・スクリーンとの前記接触の力レベルを決定する手段と、
前記力レベルが第1の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要としない前記第1のコマンドを開始してコンピューティング・デバイスを制御し、前記力レベルが前記第1の力レベルより大きい第2の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要とする前記第2のコマンドを開始する手段と、
を備える、装置。
【請求項12】
前記力レベルを前記第1の力レベルに対応する閾値と比較する手段をさらに含み、前記第1のコマンドは前記力レベルが前記閾値より高いときに開始される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
プログラム・コードを格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体であって、
タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出するためのプログラム・コードであって、前記選択可能なオブジェクトが第1のコマンドおよび第2のコマンドに関連付けられる、プログラム・コードと、
前記タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて前記タッチ・スクリーンとの前記接触の力レベルを決定するプログラム・コードと、
前記力レベルが第1の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要としない前記第1のコマンドを開始してコンピューティング・デバイスを制御し、前記力レベルが前記第1の力レベルより大きい第2の力レベルより大きいとき、二次的確認を必要とする前記第2のコマンドを開始するプログラム・コードと、
を備える、非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項14】
前記力レベルを前記第1の力レベルに対応する閾値と比較するためのプログラム・コードをさらに含み、前記第1のコマンドは前記力レベルが前記閾値より高いときに開始される、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の記載
本出願は、発明の名称を「力検出で拡張したユーザ・インタフェース要素」とした2012年3月9日出願の米国特許出願第13/416、731号の優先権を主張する。当該米国特許出願第13/416、731号は、米国特許法第119条により、発明の名称を「力検出で拡張したユーザ・インタフェース要素」とした2011年5月19日出願の米国仮特許出願第61/488、072号の優先権を主張する。これらの出願は両方ともその出願人が本出願の出願人であり、引用により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本明細書に記載した発明の要旨の諸態様は、一般にコンピューティング・システムのユーザ・インタフェースに関し、より詳細には、コンピューティング・システムのユーザ・インタフェースにおける力検出に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチ・スクリーン・ディスプレイは、スマート・フォンのようなモバイル・プラットフォーム・アプリケーションにおいて遍在するようになっている。タッチ・スクリーン・ディスプレイによりキーパッドの必要性が排除されている。1つの適合形態では、タッチ・スクリーン・ディスプレイは、キーパッドを置き換えるものとしてだけではなく、タッチ・スクリーン上のユーザのジェスチャを検出し当該ジェスチャを実行すべき所望のコマンドに変換するユーザ・インタフェースとしても利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、タッチ・スクリーン・ディスプレイは、LCD(liquid crystal display)技術、またはLPD(light emitting polymer display)技術である。スクリーンにはタッチ・センサが重ねられている。タッチ・センサは、静電容量技術、抵抗膜技術、赤外線技術、および表面弾性波技術といったタッチ・センシング技術を使用して、タッチ・スクリーンとの1つまたは複数の接触点を決定する。しかし、タッチ・センシング技術では情報をディスプレイ面において2次元で受信する。一部のタッチ・センシング技術では、静電容量センサのように、どれだけオブジェクトがタッチ・スクリーン・ディスプレイ12に近いかを検出できるが、最終的には検出されたパラメータ、例えば静電容量が規定の閾値内にあるときに当該オブジェクトが接触していると判定する。したがって、かかるタッチ・センシング技術では、まさに2次元情報、即ち、当該オブジェクトが接触していると考えられるほど十分に近いかどうかを検出し、十分に近い場合には、その接触の2次元位置を検出するにすぎない。したがって、従来の静電容量型のタッチ・スクリーンおよびユーザ・インタフェースでは力ではなく接触にしか応答しない。
【0005】
このように、従来のタッチ・スクリーン・ディスプレイは2次元のユーザ・インタフェースとして機能するので、ユーザの対話機会(interfacing opportunities)やそれに対する装置の応答は限られたものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コンピューティング・デバイスは、少なくとも1つの力センサを有するタッチ・スクリーン・ディスプレイを備える。当該力センサの各々は、タッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触に応答して信号を提供する。タッチ・スクリーンとの接触から生ずる少なくとも1つの力センサからの力信号を用いて、コンピューティング・デバイスの動作を制御して、例えば、複数の重なり合うインタフェース要素のうち1つを選択し、二次的確認を必要とする想定外のコマンド起動を防ぎ、拡張現実アプリケーションにおける現実のオブジェクトの力要件を模倣してもよい。
【0007】
1実施形態では、方法が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイ上で少なくとも部分的に重なり合っている複数の選択可能なオブジェクトを表示するステップと、タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いてタッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触の力レベルを決定するステップと、当該接触の力レベルを用いて複数の選択可能なオブジェクトからオブジェクトを選択するステップと、選択されたオブジェクトに基づいてコンピューティング・デバイスを制御するステップと、を含む。
【0008】
1実装形態では、装置が、筐体と、ディスプレイならびに当該筐体および当該ディスプレイの間で接続された少なくとも1つの力センサを備えるタッチ・スクリーン・ディスプレイと、当該少なくとも1つの力センサからデータを受信するように接続されたプロセッサであって、当該プロセッサは、少なくとも部分的に重複した複数の選択可能なオブジェクトを当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに表示させ、当該少なくとも1つの力センサからの当該データに基づいて当該タッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触の力レベルを決定し、当該接触の当該力レベルを用いてオブジェクトを当該複数の選択可能なオブジェクトから選択し、選択された当該オブジェクトに関連するコマンドを開始するように構成されたプロセッサと、を備える。
【0009】
1実装形態では、装置が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイ上で少なくとも部分的に重なり合っている複数の選択可能なオブジェクトを表示する手段と、タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いてタッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触の力レベルを決定する手段と、当該接触の力レベルを用いて複数の選択可能なオブジェクトからオブジェクトを選択する手段と、選択されたオブジェクトに基づいてコンピューティング・デバイスを制御する手段と、を備える。
【0010】
1実装形態では、プログラム・コードを格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイ上で少なくとも部分的に重なり合っている複数の選択可能なオブジェクトを表示するためのプログラム・コードと、タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いてタッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触の力レベルを決定するためのプログラム・コードと、当該接触の力レベルを用いて複数の選択可能なオブジェクトからオブジェクトを選択するためのプログラム・コードと、選択されたオブジェクトに基づいてコンピューティング・デバイスを制御するためのプログラム・コードと、を備える。
【0011】
1実装形態では、方法が、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出するステップであって、当該選択可能なオブジェクトがコンピューティング・デバイスを制御するためのコマンドに関連付けられるステップと、当該コンピューティング・デバイスを制御するための当該コマンドが二次的確認を必要とすると判定するステップと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定するステップと、当該選択可能なオブジェクトとの当該接触と前記力レベルに応答して前記コマンドを開始するステップと、を含む。
【0012】
1実装形態では、装置が、筐体と、ディスプレイ、当該ディスプレイに接続されたタッチ・センサ、ならびに当該筐体および当該ディスプレイの間で接続された少なくとも1つの力センサを備えたタッチ・スクリーン・ディスプレイと、当該タッチ・センサと当該少なくとも1つの力センサからデータを受信するように接続されたプロセッサであって、当該プロセッサは、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイ上のコマンドに関連付けられた選択可能なオブジェクトとの接触を当該タッチ・センサからの当該データに基づいて検出し、当該コマンドが二次的確認を必要とすると判定し、当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを当該少なくとも1つの力センサからのデータに基づいて決定し、当該選択可能なオブジェクトとの当該接触と当該力レベルに応答して当該コマンドを開始するように構成されたプロセッサと、を備える。
【0013】
1実装形態では、装置が、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出する手段であって、当該選択可能なオブジェクトがコンピューティング・デバイスを制御するためのコマンドに関連付けられる手段と、当該コンピューティング・デバイスを制御するための当該コマンドが二次的確認を必要とすると判定する手段と、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定する手段と、当該選択可能なオブジェクトとの当該接触と当該力レベルに応答して当該コマンドを開始する手段と、を備える。
【0014】
1実装形態では、プログラム・コードを格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体が、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトとの接触を検出するためのプログラム・コードであって、当該選択可能なオブジェクトがコンピューティング・デバイスを制御するためのコマンドに関連付けられるプログラム・コードと、当該コンピューティング・デバイスを制御するための当該コマンドが二次的確認を必要とすると判定するためのプログラム・コードと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定するためのプログラム・コードと、当該選択可能なオブジェクトとの当該接触と当該力レベルに応答して当該コマンドを開始するためのプログラム・コードと、を備える。
【0015】
1実装形態では、方法が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイに現実のデバイスの拡張現実表現を表示するステップであって、当該拡張現実表現は当該現実のデバイスの現実の選択可能なオブジェクトに関連付けられた選択可能なオブジェクトを含み、当該現実の選択可能なオブジェクトは選択すべき力要件を有するステップと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の当該選択可能なオブジェクトとの接触を検出するステップと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定するステップと、当該力レベルを当該力要件に関連付けられた力閾値と比較するステップと、当該力レベルが当該力閾値より高いとき、当該接触に応答して当該コンピューティング・デバイスを制御するステップと、を含む。
【0016】
1実装形態では、装置が、筐体と、選択すべき力要件を有する現実の選択可能なオブジェクトで現実のデバイスのイメージをキャプチャするためのカメラと、ディスプレイ、当該ディスプレイに接続されたタッチ・センサ、ならびに当該筐体および当該ディスプレイの間で接続された少なくとも1つの力センサを備えたタッチ・スクリーン・ディスプレイと、当該カメラから当該イメージを受信し当該タッチ・センサと当該少なくとも1つの力センサからデータを受信するように接続されたプロセッサであって、当該プロセッサは、当該ディスプレイに現実の選択可能なオブジェクトに関連付けられた選択可能なオブジェクトを含む当該現実のデバイスの拡張現実表現を当該ディスプレイ上に表示させ、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の当該選択可能なオブジェクトとの接触を当該タッチ・センサからの当該データに基づいて検出し、当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを当該少なくとも1つの力センサからのデータに基づいて決定し、当該力レベルを当該力要件に関連付けられた力閾値と比較し、当該力レベルが当該力閾値より高いときに当該接触に応答して当該選択可能なオブジェクトに関連付けられたコマンドを開始するように構成されたプロセッサと、を備える。
【0017】
1実装形態では、装置が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイに現実のデバイスの拡張現実表現を表示する手段であって、当該拡張現実表現は当該現実のデバイスの現実の選択可能なオブジェクトに関連付けられた選択可能なオブジェクトを含み、当該現実の選択可能なオブジェクトは選択すべき力要件を有する手段と、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の当該選択可能なオブジェクトとの接触を検出する手段と、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定する手段と、当該力レベルを当該力要件に関連付けられた力閾値と比較する手段と、当該力レベルが当該力閾値より高いとき、当該接触に応答して当該コンピューティング・デバイスを制御する手段と、を備える。
【0018】
1実装形態では、プログラム・コードを格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体が、コンピューティング・デバイスに動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイに現実のデバイスの拡張現実表現を表示するためのプログラム・コードであって、当該拡張現実表現は当該現実のデバイスの現実の選択可能なオブジェクトに関連付けられた選択可能なオブジェクトを含み、当該現実の選択可能なオブジェクトは選択すべき力要件を有するプログラム・コードと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の当該選択可能なオブジェクトとの接触を検出するためのプログラム・コードと、当該タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続された少なくとも1つの力センサを用いて当該タッチ・スクリーンとの当該接触の力レベルを決定するためのプログラム・コードと、当該力レベルを当該力要件に関連付けられた力閾値と比較するためのプログラム・コードと、当該力レベルが当該力閾値より高いとき、当該接触に応答して当該コンピューティング・デバイスを制御するためのプログラム・コードと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】3次元タッチ情報を検出するタッチ・スクリーン・ディスプレイを有するコンピューティング・デバイスを示す図である。
図2】3次元タッチ情報を検出するための力センサを有するタッチ・スクリーン・ディスプレイの斜視図である。
図3】力センサを伴うタッチ・スクリーン・ディスプレイを有し、3次元ユーザ・インタフェースが促すコマンドをサポートできるコンピューティング・デバイスのブロック図である。
図4】タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の少なくとも1つの力センサを利用して、検出された力を用いることによりコンピューティング・デバイスの動作を制御して複数の重なり合うインタフェース要素の1つを選択する1実施形態を示す流れ図である。
図5】ユーザが力を入れてコンピューティング・デバイスのタッチ・スクリーン・ディスプレイを触って複数の重なり合うインタフェース要素の1つを選択することを示す図である。
図6】タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の少なくとも1つの力センサを利用して、二次的確認を必要とする疑わしいコマンド、例えば異常な、不可逆な、非デフォルトの、または潜在的にシステムを危険に陥らせる動作に関連するコマンドの想定外の起動を防ぐことによりコンピューティング・デバイスの動作を制御する1実施形態を示す流れ図である。
図7】例として、ユーザがコンピューティング・デバイスのタッチ・スクリーン・ディスプレイを触ることを示し、より高い力レベルの接触を要求することにより、二次的確認を必要とする疑わしいコマンドの想定外の起動を防ぐことを示す図である。
図8】タッチ・スクリーン・ディスプレイの少なくとも1つの力センサを利用して、コンピューティング・デバイスの動作を制御して拡張現実アプリケーションにおける現実のオブジェクトの力要件を模倣する1実施形態を示す流れ図である。
図9】例として、現実のオブジェクトの力要件を模倣する拡張現実アプリケーションを含むコンピューティング・デバイスのタッチ・スクリーン・ディスプレイにユーザが触れることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、タッチ情報を3次元で、即ち、X軸、Y軸、およびZ軸に沿って検出するタッチ・スクリーン・ディスプレイ102を有するコンピューティング・デバイス100を示す。Z軸の情報を追加することにより、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102は3次元でのインタフェースを可能とし、タッチ・スクリーンの表面上の単純な2次元インタフェースに限定されなくなる。
【0021】
コンピューティング・デバイス100は、セルラ通信デバイスもしくは他の無線通信デバイス、PCS(personal communication system)デバイス、PND(personal navigation device)、PIM(Personal Information Manager)、PDA(Personal Digital Assistant)、ラップトップもしくは他の適切なモバイル・デバイスまたは、デスクトップ・コンピュータもしくは他の同様なデバイスを含む他の任意の適切な固定のコンピューティング・デバイスといった、モバイル・プラットフォームであってもよい。このように、「コンピューティング・デバイス」は全てのデバイスを含むことを意図したものであり、タッチ・スクリーン・ディスプレイを備えたユーザ・インタフェースを有する無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップ、等が含まれる。
【0022】
図2は、X、Y、およびZ軸を有するコンピュータ・デバイス100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102の斜視図を示す。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102は、LCDディスプレイ、LPDディスプレイまたは他の適切なディスプレイのようなディスプレイ要素104を、および少なくとも1つの力センサ106を備え、幾つかの実施形態では、例えば、コンピューティング・デバイス100のケースではディスプレイ要素104と筐体108のフレームの間にあるディスプレイ要素104の外周の周囲に配置した複数の力センサ106を備える。力センサ106を筐体108およびディスプレイ要素104に接着して取り付けてもよい。このように、ディスプレイ要素104は力センサ106を介して筐体108に接続される。図2に示すように、4つの力センサ106がディスプレイ要素104の左側と右側に配置され、3つの力センサ106がディスプレイ要素104の上側と下側に配置されている。必要ならば、図2に示したものよりも多いかまたは少ない力センサ106および図2に示したものと異なる配置構成を使用してもよい。例えば、4つの力センサ106を使用し、ディスプレイ要素104の各隅に1つずつ配置してもよい。必要ならば、外周の周囲に配置したものと反対にまたはそれに加えて、力センサ106をディスプレイ要素104の中心に配置してもよい。力センサ106は、PPS Touch Technology社製、Stantum社製、Peratech社製、またはArtificial Muscle社製のような静電容量力センサであってもよい。必要ならば、Interlink社製のような抵抗膜方式の力センサといった他の力センサを使用してもよい。さらに、Measurement Specialties社製のポリマー・タイプもしくはMurata社製のセラミック・タイプのような圧電力センサ、または他の任意の適切なタイプの力センサを使用してもよい。
【0023】
力センサ106は、センサに加えられた力または力の量を検出する。ディスプレイ要素104と筐体108の間に配置された複数の力センサ106により、力センサ106を一体的に使用してディスプレイ要素104に加えられたZ軸方向の力を求め、X軸とY軸に沿った当該力の重心を求めることができる。例えば、ディスプレイ要素104の左上隅への接触により、右下隅近傍の力センサ106よりも左上隅近傍の力センサ106の方が力の測定値は大きくなる。
【0024】
力を加えたときのディスプレイ要素104のガラスまたはプラスチックの変形を補償するために校正を行ってもよい。既知の力をディスプレイ要素104の特定の領域に加え、それにより生ずるZ軸に沿った力の測定値ならびにX軸およびY軸に沿った力の重心を調節して、既知の力と力が加えられた当該特定の領域と釣り合うようにすることによって、校正を行ってもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102はさらに、ディスプレイ要素104上に従来のタッチ・センサ110を備えてもよい。当該タッチ・センサ110は静電容量技術、抵抗膜技術、赤外線技術、および表面弾性波技術であってもよい。力センサ106により決定された力の重心が、タッチ・センサ110が特定したタッチ位置と近接して整列すること、例えば当該タッチ位置に集中することを保証することによって、タッチ・センサ110を力センサ106の校正に使用してもよい。
【0025】
図3は、コンピューティング・デバイス100に動作可能に接続され、3次元ユーザ・インタフェースが促すコマンドをサポートできる少なくとも1つの力センサ106を有するタッチ・スクリーン・ディスプレイ102のブロック図である。コンピューティング・デバイス100は、タッチ・スクリーン・ディスプレイとの接触に応答してタッチ・スクリーン・ディスプレイの複数の位置から力の測定値を受信する手段を備えるシステムである。当該タッチ・スクリーン・ディスプレイは、例えば、力センサ106および制御ユニット150を備えてもよい。制御ユニット150は、プロセッサ152および関連するメモリ154、ハードウェア156、ソフトウェア158、ならびにファームウェア157を備えてもよい。
【0026】
コンピューティング・デバイス100は、制御ユニット150と通信するユーザ・インタフェース160を備える。例えば、制御ユニット150はデータを受け取り、ユーザ・インタフェース160を制御する。デスクトップ・コンピュータのような一部のコンピューティング・デバイスでは、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102を物理的に制御ユニット150から分離してもよく、ケーブルを介してまたは無線で制御ユニット150に接続されることは理解される。ユーザ・インタフェース160はタッチ・スクリーン・ディスプレイ102を備え、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102はディスプレイ要素104を備える。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102はさらに、力センサ106を備え、タッチ・センサ110を備えてもよい。ディスプレイ要素104、力センサ106、およびタッチ・センサ110は、それぞれ、ディスプレイ・コントローラ192、力センサ・コントローラ196、およびタッチ・センサ・コントローラ194によって制御可能である。
【0027】
ユーザ・インタフェース160はさらに、キーパッド162または、ユーザがそれを介して情報をコンピューティング・デバイス100に入力できる他の入力デバイスを備えてもよい。必要ならば、仮想キーパッドをタッチ・スクリーン・ディスプレイ102に組み込むことによって、キーパッド162を取り除いてもよい。ユーザ・インタフェース160は、例えばコンピューティング・デバイス100が携帯電話であるときは、例えばマイクロフォン164とスピーカ166を備えてもよい。ユーザ・インタフェース160は、触覚フィードバックを提供するためのバイブレータ163を備えてもよい。
【0028】
コンピューティング・デバイス100はさらに、イメージをキャプチャするためのカメラ112を備えてもよい。当該カメラは、例えば拡張現実タイプのアプリケーションにおいて使用してもよい。コンピューティング・デバイス100はさらに、アンテナ172を介して中継塔、無線アクセス・ポイントまたは他の無線デバイスに対して通信を送受信できる、(送信機および受信機を含む)送受信機114、例えばセルラ・モデムまたはワイヤレス・ネットワーク無線受信機/送信機を備えてもよい。コンピューティング・デバイス100はさらに、3軸加速度計またはジャイロスコープのような動きセンサ180を備えてもよい。動きセンサ180をユーザ・インタフェース160の一部として使用して、例えば、ジェスチャがタッチ・スクリーン・ディスプレイ102により検出されたときに、ジェスチャをコンピューティング・デバイス100の動きまたはコンピューティング・デバイス100の方位の形で検出してもよい。動きセンサ180および/またはカメラ112を、拡張現実タイプのアプリケーションで使用できる位置判定に使用してもよい。
【0029】
制御ユニット150を、プロセッサ152および関連するメモリ154、ハードウェア156、ソフトウェア158、ならびにファームウェア157によって提供してもよい。制御ユニット150は、ディスプレイ要素104を制御するための手段と、タッチ・センサ110を制御するための手段と、力センサ106を制御するための手段とを備え、これらはそれぞれ、ディスプレイ・コントローラ192、タッチ・センサ・コントローラ194、および力センサ・コントローラ196として示されている。制御ユニット150は、拡張現実タイプのアプリケーションを実行する拡張現実(AR)コントローラ198を備えてもよい。ディスプレイ・コントローラ192、タッチ・センサ・コントローラ194、力センサ・コントローラ196、およびARコントローラ198を、プロセッサ152、ハードウェア156、ファームウェア157、またはソフトウェア158、即ち、メモリ154に格納されプロセッサ152により実行されるコンピュータ読取可能媒体、またはそれらの組合せに埋め込んでもよい。しかし、明確さのため、ディスプレイ・コントローラ192、タッチ・センサ・コントローラ194、力センサ・コントローラ196、およびARコントローラ198は別々に図示してある。例えば、Cypress社製のタッチ・スクリーンコントローラを、タッチ・センサ・コントローラ194として使用してもよく、力センサ・コントローラ196として使用してもよい。さらに、A/D変換器または他のインピーダンス測定回路を有する分圧器を抵抗膜方式の力センサ・コントローラ196と併用してもよい。
【0030】
本明細書で使用する際、プロセッサ152は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、組込みプロセッサ、コントローラ、ASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)等を含むことができるが必ずしもこれらを含まないことは理解される。プロセッサという用語は、特定のハードウェアではなくシステムにより実装される機能を説明することを意図したものである。さらに、本明細書で使用する際、「メモリ」という用語は、モバイル・プラットフォームに関連付けられた長期メモリ、短期メモリ、または他のメモリを含む任意の種類のコンピュータ記憶媒体を指し、どの特定のタイプもしくは数のメモリ、またはメモリが格納されるどのタイプの媒体にも限定されない。
【0031】
本明細書に記載の方法を、アプリケーションに応じて様々な手段により実装してもよい。例えば、これらの方法を、ハードウェア156、ファームウェア157、ソフトウェア158、またはそれらの任意の組合せで実装してもよい。ハードウェアの実装では、1つまたは複数のASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(プログラムmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に記載の機能を実施するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの内部で演算装置を実装してもよい。
【0032】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実装では、当該方法を、本明細書に記載の機能を実施するモジュール(例えば、プロシージャ、関数等)で実装してもよい。命令を実際に具体化する任意の機械読取可能媒体を用いて本明細書に記載の方法を実装してもよい。例えば、ソフトウェア・コードをメモリ154に格納し、プロセッサ152により実行してもよい。メモリを、プロセッサ・ユニット内部で実装してもよく、または、プロセッサ・ユニットの外部で実装してもよい。本明細書で使用する際、「メモリ」という用語は、任意の種類の長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリを指し、どの特定のタイプもしくは数のメモリ、またはメモリが格納されるどのタイプの媒体にも限定されない。
【0033】
コンピューティング・デバイス100は、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上で少なくとも部分的に重なり合う複数の選択可能なオブジェクトを表示するための手段を備えてもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102は、ディスプレイ・コントローラ192とディスプレイ要素104を備えてもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に加えられた力の大きさ(レベルまたは力レベルと称することもある)を決定するための手段は、力センサ106および力センサ・コントローラ196を備える。接触の力レベルを用いて複数の選択可能なオブジェクトからオブジェクトを選択するための手段および選択されたオブジェクトに基づいてコンピューティング・デバイスを制御するための手段が、プロセッサ152、ハードウェア156、ファームウェア157および関連するソフトウェア158を備えてもよい。コンピューティング・デバイスはさらに、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上のオブジェクトとの接触を検出するための手段を備えてもよい。当該タッチ・スクリーン・ディスプレイは、タッチ・センサおよびタッチ・センサ・コントローラ194を備えてもよい。コンピューティング・デバイスを制御するためのコマンドが二次的確認を必要とすると判定するための手段および当該コマンドを開始するための手段が、プロセッサ152、ハードウェア156、ファームウェア157、および関連するソフトウェア158を備えてもよい。コンピューティング・デバイス100が、現実のデバイスの拡張現実表現を表示するための手段を備えてもよく、当該手段がARコントローラ198、カメラ112、および動きセンサ180を備えてもよい。接触の力レベルを力閾値と比較するための手段が、プロセッサ152、ハードウェア156、ファームウェア157、および関連するソフトウェア158を備えてもよい。
【0034】
ソフトウェア158が、メモリ154のような非一時的なコンピュータ読取可能媒体に格納されプロセッサ152により実行されるプログラム・コードを備えてもよく、ソフトウェア158を用いて当該プロセッサを実行し本明細書で説明したようにコンピューティング・デバイスの動作100を制御してもよい。コンピュータ読取可能媒体に格納されたプログラム・コードがさらに、以下でさらに説明するようにプロセッサにコンピューティング・デバイス100の任意の動作を制御させるプログラム・コードを含んでもよい。
【0035】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装する場合は、上記機能を1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ読取可能媒体に格納してもよい。種々の例には、データ構造でエンコードされたコンピュータ読取可能媒体やコンピュータ・プログラムでエンコードされたコンピュータ読取可能媒体がある。コンピュータ読取可能媒体には物理的なコンピュータ記憶媒体が含まれる。記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、かかるコンピュータ読取可能媒体が、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望のプログラム・コードを命令もしくはデータ構造の形で格納するために使用できコンピュータによりアクセスできる他の任意の媒体を含むことができる。本明細書で使用する際、ディスクには、CD(compact disc)、レーザ・ディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc)、フロッピ・ディスクおよびブルーレイ・ディスクが含まれる。ディスクは通常、データを磁気的に再生し、レーザでデータを光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ読取可能媒体の範囲に含まれるべきである。
【0036】
図4は、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上の少なくとも1つの力センサ106を利用して、検出された力を用いることによりコンピューティング・デバイス100の動作を制御して複数の重なり合うインタフェース要素の1つを選択する1実施形態を示す流れ図である。力検出を用いてインタフェース要素を選択することは、例えば、ユーザが歩いていてオブジェクトを選択するための優れたモータ制御を利用できない場合に、特に有効であるかもしれない。図4に示すように、少なくとも部分的に重なり合う複数の選択可能なオブジェクトが、コンピューティング・デバイス100に動作可能に接続されたタッチ・スクリーン・ディスプレイに表示される(202)。当該選択可能なオブジェクトは、その下の選択可能なオブジェクトをユーザが見えるようにして選択可能なオプションをユーザに知らせることを目的として半透明であってもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触の力レベルを、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に接続された少なくとも1つの力センサ106を用いて決定する(204)。必要ならば、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上の接触位置を例えばタッチ・スクリーン・ディスプレイに接続されたタッチ・センサ110に基づいて検出してもよく、当該接触位置を使用して重なり合う選択可能なオブジェクトの幾つかのグループのうちどれが選択されているかを判定してもよい。接触の力レベルを用いてオブジェクトを複数の選択可能なオブジェクトから選択する(206)。例えば、下にあるオブジェクトを選択するために、その上のオブジェクトを選択するのに必要な力よりも強い力が必要であってもよい。力レベルに基づくオブジェクトの選択を、選択可能なオブジェクトの各々に関連付けられた力閾値と当該力レベルを比較することによって行ってもよい。この場合、例えば、選択可能なオブジェクトに関連付けられた力閾値を超えると下のオブジェクトが選択されることとなる。次いで、コンピューティング・デバイスは、例えば選択されたオブジェクトに関連付けられたコマンドを開始することによって、または、オブジェクトが選択されていることを示す触覚フィードバックを提供することによって、選択されたオブジェクトに基づいて適切に制御される(208)。例えば、バイブレータ163を用いてコンピューティング・デバイス100を振動させることによって、触覚フィードバックを提供してもよい。Artificial Muscle社製のような合成弾性アクティベータにより触覚フィードバックを提供してもよい。これらをフレーム内に設置し、円筒状に丸め、または他の構成の中に設置して適切な触覚フィードバックを提供してもよい。さらに、Senseg社のTixel電極により提供されるもののような、人間の皮膚への直接的な電気的刺激によって触覚フィードバックを提供してもよい。
【0037】
図5は、ユーザ101が力を入れてコンピューティング・デバイス100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102を触って複数の重なり合うインタフェース要素の1つを選択することを示す。コンピューティング・デバイス100はスピーカ166およびマイクロフォン164を含む携帯電話またはスマート・フォンとして示されているが、コンピューティング・デバイス100はそれに限られないことは理解される。図5は、例として、アドレス帳の中の選択可能なエントリ210A、210B、および210Cを表示するタッチ・スクリーン・ディスプレイ102を示す。各エントリは、重なり合うインタフェース要素を名前212、電話アイコン214およびテキスト・メッセージ・アイコン216の形で含む。ユーザ101のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触は図5において星形220で示されている。本明細書にわたって、示した星形の大きさが大きいほど、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に加えられている力は大きい。ユーザ101による接触は(図2に示す)力センサ106により検出されるように比較的弱い力を生み出すので、名前212が選択されることになる。これにより、コンピューティング・デバイス100に例えば所望のエントリに関する情報を表示させることができる。必要ならば、ボックス213で示すように、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102が、重なり合うインタフェース要素のうちどれが選択されるかを力の大きさに基づいて示してもよい。さらに、必要ならば、ユーザ201がタッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触をすぐに離すことによって、インタフェース要素の選択結果を受け入れてもよい。換言すれば、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触の終了を検出し、当該終了を用いて選択結果を受け入れる。さらに、ユーザがタッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触を維持し、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に加えられた力レベルの変化の検出結果を用いて別のインタフェース要素を選択してもよい。
【0038】
エントリ210B上の星形222で示すようにユーザ101がより強い力を加えた場合、そのエントリに対して電話アイコン214が選択されることになる。電話アイコン214が選択されたことにより、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102にアイコンの表示を半透明から不透明に変更することができる。これは、電話アイコン214を他のエントリより暗くすることによって、または、電話アイコン214の周囲に箱215を生成することもしくは他の任意の望ましい方式によって示される。電話アイコン214が選択されることによって、コンピューティング・デバイス100が当該エントリに関連付けられた電話番号に電話をかけるようにしてもよい。
【0039】
星形224により示すように、さらに強い力が加わった結果、テキスト・メッセージ・アイコン216が選択されてもよい。当該アイコンの表示を半透明から不透明に変更することによって、テキスト・アイコン216の周囲に箱217を生成することもしくは他の任意の望ましい方式によって、テキスト・メッセージ・アイコン216を表示してもよい。テキスト・アイコン216が選択されることによって、コンピューティング・デバイス100が当該エントリに関連付けられた番号に対してテキスト・メッセージを開始するようにしてもよい。
【0040】
図5から分かるように、星形220、222、および224で示すタッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触が、選択したい特定の要素に対して直接行われる必要はなく、当該接触の力の大きさを用いてどのインタフェース要素が選択されるかを判定する。しかし、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上の接触位置を使用してどの重なり合うインタフェース要素のグループ、例えばエントリ210A、210B、または210Cのうちどれが選択されているかを判定してもよいことに留意されたい。
【0041】
図6は、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上の少なくとも1つの力センサ106を利用して、二次的確認を必要とする疑わしいコマンド、例えば異常な、不可逆な、非デフォルトの、または潜在的にシステムを危険に陥らせる動作に関連するコマンドの想定外の起動を防ぐことによりコンピューティング・デバイス100の動作を制御する1実施形態を示す流れ図である。今日、システムは場合によっては二次的確認のための二次的なダイアログ・ボックスを用いてユーザが特定の動作を実施したいことを確かめる。例えば、ファイルを削除するときは、二次的なダイアログ・ボックスがユーザに当該動作の確認またはキャンセルを求めるのが一般的である。しかし、本実施形態では、疑わしくないコマンドに必要な力よりも大幅に強い力でユーザがタッチ・スクリーン・ディスプレイを触ることで、二次的確認を必要とする疑わしいコマンドを開始して想定外の起動を回避し、必要ならば、二次的なダイアログ・ボックスの必要性を回避してもよい。
【0042】
図6に示すように、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102上の選択可能なオブジェクトとの接触が検出され、当該選択可能なオブジェクトはコンピューティング・デバイス100を制御するためのコマンドに関連付けられている(252)。コンピューティング・デバイス100を制御するためのコマンドが二次的確認を必要とすると判定する(254)。例えばコマンドの実行が想定外の動作である可能性がありかつ/または異常な、不可逆な、非デフォルトの、または潜在的にシステムを危険に陥らせる動作を引き起こすおそれがある場合には、当該コマンドが二次的確認を必要とすると判定してもよい。二次的確認を必要とする疑わしいコマンドはアプリケーションに固有であるが、その例には、例えば、ファイルの削除、保存せずにアプリケーションを閉じること、大量のファイルの削除、システムのファイルまたは大規模なディレクトリの移動、コピー、または操作、非デフォルトのアプリケーション内でのファイルのオープン、不注意に全員に返信してしまうときのように、綴りの誤りを含むかまたはスペル訂正もしくは文法訂正を受けていない電子メール(email)の送信、攻撃的な内容、淫らな言葉を有する電子メールもしくは複数の受信者宛ての電子メールの送信、を含めてもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触の力レベルは、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に接続された少なくとも1つの力センサ106を用いて決定される(256)。選択可能なオブジェクトとの接触および力レベルに応答してコマンドを開始してもよい(260)。例えば、必要ならば、力レベルを閾値と比較してもよい(258)。この場合、力レベルが閾値を超えた場合にコマンドが開始される。例えば、第1の閾値を疑わしくないコマンドの選択に使用し、二次的確認を必要とするコマンドの選択に対してより強い第2の力を必要としてもよい。
【0043】
図7は、例として、ユーザ101がコンピューティング・デバイス100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102を触ることを示し、より高い力レベルの接触を要求することにより、二次的確認を必要とする疑わしいコマンドの想定外の起動を防ぐことを示す。本例では、コンピューティング・デバイス100が電子メール・メッセージを表示することが示されている。当該電子メール・メッセージは、メッセージの本文272に誤字を含む。さらに、当該電子メール・メッセージは、「everyone@xyzco.com」宛てであり(276)、当該アドレスは多数の人を含んでもよい。その結果、当該電子メール・メッセージを、メッセージの本文272の中の誤字およびアドレスに多数の人が含まれる可能性を理由として、二次的確認を必要とする疑わしい動作であると判定してもよい。そこで、当該動作が疑わしくないものであった場合よりも強い力で送信仮想ボタン274を触ることをユーザ101に要求してもよい。換言すると、星形282で示すユーザ101の送信仮想ボタン274との接触が送信機能を開始するのに不十分であってもよく、その場合、星形284で示すより強い力での接触が送信機能を開始するのに十分であるはずである。1実施形態では、必要ならば、星形282で示すより弱い力での接触により、二次的なダイアログ・ボックスを出現させて送信機能を確認またはキャンセルさせてもよく、星形284で示すより強い力での接触により二次的なダイアログ・ボックスなしに送信機能を開始してもよい。上述のように、力レベルの増加要件は電子メールアプリケーションに限られず、他の種類のアプリケーションおよび二次的確認を必要とする他の種類の疑わしいコマンドとともに使用してもよい。
【0044】
図8は、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102の少なくとも1つの力センサ106を利用して、コンピューティング・デバイス100の動作を制御して拡張現実(AR)アプリケーションにおける現実のオブジェクトの力要件を模倣する1実施形態を示す流れ図である。図8に示すように、現実のデバイスのAR表現がコンピューティング・デバイス100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102に表示される(300)。現実のデバイスのAR表現は、選択すべき力要件を有する現実のデバイス上の現実の選択可能なオブジェクトに関連付けられた選択可能なオブジェクトを含む。例えば、現実の選択可能なオブジェクトが押下に5Nの力を要するステレオの電源ボタンであってもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイ上の選択可能なオブジェクトを検出する(302)。タッチ・スクリーン・ディスプレイ102との接触の力レベルを、タッチ・スクリーン・ディスプレイ102に接続された少なくとも1つの力センサ106を用いて決定する(304)。力レベルを、現実の選択可能なオブジェクトの力要件と関連付けられた力閾値と比較する(306)。例えば、力閾値が現実の選択可能なオブジェクトの力要件と同一であってもよい。あるいは、現実のオブジェクトが複数の選択可能なオブジェクト、例えば、異なる力要件を有する電源ボタンと再生ボタンを含む場合、力閾値が現実の選択可能なオブジェクトの力要件の割合に基づいてもよい。力レベルが力閾値より高いとき、選択可能なオブジェクトに関連付けられたコマンドを開始することによって、接触に応答してコンピューティング・デバイス100を制御する。
【0045】
図9は、例として、現実のオブジェクトの力要件を模倣するARアプリケーションを含むコンピューティング・デバイス100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ102にユーザ101が触れることを示す図である。図9は、現実の選択可能なオブジェクトを電源ボタン352の形で含むステレオ350の形の現実のオブジェクトを示す。電源ボタン352には力要件の選択肢がある。例えば、電源ボタン352を押下するのに5Nの力が必要であってもよい。ボタン354で示すように、ステレオ350が他の選択可能なオブジェクトを含んでもよい。当該他の選択可能なオブジェクトが異なる力要件を有してもよい。コンピューティング・デバイス100は、ステレオ350のAR表現360をタッチ・スクリーン・ディスプレイ102に表示する。AR表現360は、カメラ112がキャプチャしたイメージまたは一連のイメージであり、選択可能なオブジェクトをステレオ350の電源ボタン352およびボタン354に関連付けられた仮想電源ボタン362および仮想ボタン36の形で含み、(仮想電源ボタン362およびボタン364の上の陰影により示す)重ねられたテキストまたはグラフィックのような拡張データを含んでもよい。現実のオブジェクトのAR表現の生成は当業界では周知である。仮想電源ボタン362は現実の電源ボタン352と同様なレベルの力に応答する。換言すると、星形372で示すようにユーザ101が仮想電源ボタン362を触ると、当該接触の力レベルが、(図2に示す)力センサ106により検出され、現実の電源ボタン352の力要件と関連付けられた力閾値と比較される。例えば、力閾値が電源ボタン352の力要件と同一であってもよい。あるいは、力閾値がステレオ350上の現実の選択可能なオブジェクトの割合に基づいてもよく、例えば、仮想電源ボタン362および仮想ボタン364に関連付けられた力閾値が、電源ボタン352および再生ボタン354の力要件と同じ割合を有してもよい。接触372の力レベルが力閾値より高いとき、仮想電源ボタン362を選択することによりコンピューティング・デバイス100を制御して例えばコンピューティング・デバイス100で音楽アプリケーションを起動してもよい。必要ならば、コンピューティング・デバイス100が、コンピューティング・デバイス100の送受信機114とステレオ350の受信機356との間の矢印374で示すようにステレオ350と無線通信してもよい。無線通信を、WiFi、Bluetooth(登録商標)、または他の任意の所望の無線プロトコルを通じて実現してもよい。仮想電源ボタン362を選択することにより、コンピューティング・デバイス100をステレオ350と無線通信させてステレオ350を制御し、例えばステレオ350の電源をオン(またはオフ)にしてもよい。図9ではステレオを含む具体的な実装形態を示したが、本実施形態では任意の現実のオブジェクトおよび拡張現実表現による力の模倣の利用を考慮している。
【0046】
本発明を教示の目的で具体的な実施形態と関連して説明したが、本発明はそれには限定されない。本発明の範囲から逸脱しない様々な適合および修正が可能である。したがって、添付の諸請求項の範囲と趣旨は以上の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0047】
102 タッチ・スクリーン・ディスプレイ
104 ディスプレイ
106 力センサ
110 タッチ・センサ
112 カメラ
150 制御ユニット
152 プロセッサ
154 メモリ
156 ハードウェア
157 ファームウェア
158 ソフトウェア
160 ユーザ・インタフェース
162 キーパッド
163 バイブレータ
164 マイクロフォン
166 スピーカ
180 動きセンサ
192 ディスプレイ・コントローラ
194 タッチ・センサ・コントローラ
196 力センサ・コントローラ
198 ARコントローラ
図1
図2
図3
図4
図6
図7
図8
図9
図5