(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902302
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】GTL環境における炭化水素燃料組成物のためのフィッシャー・トロプシュ法の改良
(51)【国際特許分類】
C10G 2/00 20060101AFI20160331BHJP
C01B 3/38 20060101ALI20160331BHJP
C01B 3/56 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
C10G2/00
C01B3/38
C01B3/56 Z
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-528809(P2014-528809)
(86)(22)【出願日】2011年9月8日
(65)【公表番号】特表2014-529670(P2014-529670A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】CA2011001017
(87)【国際公開番号】WO2013033812
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2014年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】514060341
【氏名又は名称】エキスパンダー エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EXPANDER ENERGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】クレスニヤク,スティーブ
【審査官】
村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】
カナダ国特許発明第02731376(CA,C)
【文献】
特開2007−297443(JP,A)
【文献】
特開2002−060762(JP,A)
【文献】
特開2003−183004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
C07B 31/00−63/04
C07C 1/00−409/44
C01B 3/00−6/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ディーゼルを合成するためのプロセスであって、以下のステップを備える:
(a)スチームメタン改質炉(SMR)または自己熱改質炉(ATR)を備える合成ガス発生器で水素リッチな流れを生成するステップ;
(b)前記水素リッチな流れを触媒によりフィッシャー‐トロプシュリアクタ内で変換し、少なくともナフサを含む炭化水素を生成するステップ;
(c)前記ナフサの少なくとも一部を前記合成ガス発生器へリサイクルして、強化された水素リッチな流れを形成するステップ;および
(d)ステップ(c)からの前記強化された水素リッチな流れをステップ(b)での転換のために供給して、前記合成ディーゼルの合成を強化するステップ。
【請求項2】
水素を含むガスの補助ソースが、前記合成ガス発生器に加えられる請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記ナフサに加えて、重質炭化水素、軽質炭化水素および/または精製燃料が生成される請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記精製燃料は、フィッシャー-トロプシュユニットからの排ガス、炭化水素アップグレーダーユニットからのオフガスまたはこれらの組合せから成る群より選択される請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ガスの補助ソースは、天然ガスを備える請求項2〜4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
前記ナフサから前記重質炭化水素の少なくとも一部を分離するステップをさらに備える請求項3〜5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
水素精製ユニット内で前記水素リッチな流れの部分を処理するステップをさらに備える請求項1〜6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記水素精製ユニットは、圧力スイング吸着法または膜ユニットを備える請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記合成ガス発生器からの前記水素リッチな流れは、触媒作用の転換の前に二酸化炭素除去操作で処理される請求項1〜8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
触媒により変換された前記流れは、炭化水素改質操作で処理される請求項1〜9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記合成ガス発生器から回収されるエネルギーは、電力の製造に用いられる請求項1〜10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記水素リッチな流れの触媒作用の転換から回収されるエネルギーは、電力の製造に用いられる請求項1〜11のいずれかに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的な手法での炭化水素燃料の生成用フィッシャー・トロプシュ法を含むフィッシャー・トロプシュの作業順序の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、炭化水素の配合に助力するため、フィッシャー・トロプシュ法が何十年も用いられてきた。ここ数年これは懸案となっており、公害に関する環境への懸念が大きくなっていると共に、炭化水素の調査および精製のコストを増加させている。この分野の主要な生産者は、多数の特許を受けた進歩的技術および出版物の形態での係属中の出願としてこの技術的分野の従来技術を大きく拡げてきた。
【0003】
従来技術では、フィッシャー・トロプシュ法用の前駆材料である原料に関してなされた進歩的技術には、例えば、石炭液化(CTL)、バイオ燃料液化(BTL)およびガス燃料液化(GTL)が含まれる。ガス燃料液化(GTL)技術の特に有益な特徴の一つに、さもなければ市場にもたらす商業的実行可能性のなかった、取り残された天然のガス埋蔵量から、より高価値で環境に有益な合成ディーゼル製品または合成ディーゼルを処方する可能性を示す事が挙げられる。一般に知られるように、フィッシャー・トロプシュ(FT)法は、水素および一酸化炭素を(一般に合成ガスとして既知の)液化炭化水素燃料に変換し、この例としては、合成ディーゼル、ナフサ、灯油、航空またはジェット燃料およびパラフィン系蝋を挙げることができる。先行ステップとして、触媒の存在下で熱および圧力を用いて天然ガスを熱的に変換し、水素および一酸化炭素を含む水素に富んだ合成ガスを生成する。フィッシャー・トロプシュ技術を受け、合成燃料は本来パラフィン系で実質的に汚染しないため、環境の視点から非常にアピールするものである。合成製品が、最適燃焼方式および仮想的に排気フリーな操作を可能にすることに加えて、非常に高いセタン価(>70)で、芳香族化合物および硫黄の含有量が無視できるほどであることを含む、ディーゼル機関のために理想的な性質を有しているディーゼル燃料合成の場合、これは当てはまる。合成ディーゼルまたは合成ディーゼル燃料は、石油ベースのディーゼル燃料と比較して亜酸化窒素および粉粒体を大きく低減する。
【0004】
この分野の技術でなされた最近の進捗の一例には、 2005年10月25日にEspinozaらへ付与された米国特許第6,958,363号で教示される特徴が含まれる。この特許文献では、Espinozaらは、GTLプラントでの水素使用を提供する。
【0005】
本質において、その特許は、最初に合成ガス発生器で合成ガス流が調整される、炭化水素を合成するためのプロセスを教示する。合成ガス流は、主に水素および一酸化炭素から成る。このプロセスでは、合成反応中の合成ガス流を触媒的に変換して炭化水素および水を生成し、次いで、水素発生器で水素に富んだ流れを発生させる。このプロセスでは、水素発生器は合成ガス発生器とは別個である(上記)ことが示され、水素発生器は、オレフィンに炭化水素を変換するためのプロセス、炭化水素を触媒的に脱水素するためのプロセス、または精製石油のためのプロセス、炭化水素を炭素フィラメントに変換するためのプロセスのいずれかを備えることが示される。プロセス中の最も広義な意味で最終のステップでは、一つ以上のプロセスで生成される水素に富んだ流れからの水素を消費し、これにより、以前の二番目に説明されたステップから炭化水素の値または炭化水素の転換の生産性を生じ増加させる。
【0006】
有益なプロセスであるものの、石油化学製品の使用のためのエチレンおよびプロピレン等のオレフィンを生成し、また、ガソリン生産のための芳香族化合物を生成する明白な意図があることが、Espinozaらの上記特許文献の開示からは明らかである。さらに、ナフサ供給原料を改質して正味の水素副生成物を生成させ、それはプロセスに再び結合されることを含むことを示す改質ステップがある。ナフサは、ハイオクガソリンのブレンド原料のために、その後芳香族化合物に変換される。具体的な熟考がなく、したがって、フィッシャー・トロプシュ法を強化する目的のために、ナフサを効果的に破壊する考察はなく、そのため炭化水素の合成が顕著に増加する。
【0007】
Espinozaらの上記特許文献のプロセスでは、ガソリン製品を製造するためのナフサ改質を用いて、天然ガスからガソリン生産への流動プロセスへリンクする優秀なガスである。この開示では、過剰な水素を用いて、転換の生産性を強化することが可能である。
【0008】
Bayleらにより、2007年5月8日発行の米国特許第7,214,720号において、この分野の技術における更に顕著な前進が教示される。この参考文献は、炭化水素供給原料の処理のためのプロセスの連結による液体燃料の生産に向けられる。
【0009】
この開示では、液体燃料は、有機材料、典型的には固体供給原料としてのバイオマスから開始することが示されている。このプロセスでは、固体供給原料のガス化のための段階、合成ガスの精製のための段階およびその後液体燃料への合成ガスの変換のための段階が関与する。
【0010】
特許権者は、第2段に技術の本質を示しており、そこには、「有機材料を含む固体供給原料から出発する、液体燃料の生産のためにプロセスが見いだされ、該プロセスは:a)一酸化炭素と水素から成る合成ガス変換するように、固体供給原料はガス化段階を経て、b)段階a)で得られた合成ガスは精製処理を受け、この処理は、水素対一酸化炭素のモル比H
2/COを所定の値、好ましくは1.8〜2.2までに、増加させるための調整操作を含み、c)段階b)で得られた精製合成ガスは、前記合成ガスを液体脱離液およびガス状の脱離液に変換するようにフィッシャー・トロプシュ型合成を実行することを含む転換段階を経て、d)ガス状留分、ナフサ留分、灯油留分およびガス油留分から成る群より選択される少なくとも2つの留分を得るように、段階c)で得られた液体脱離液が分別され、e)ナフサ留分の少なくとも一部がガス化段階でリサイクルされる。」と記載されている。
【0011】
価値がある手順であるものの、プロセス全体的としては、炭化水素の増産をもたらさない。このプロセスで発生するナフサリサイクル流が、ガス化段階に導入される。これを行っても、供給原料がプロセスに必要であるという事実を踏まえて、製造されるべき炭化水素の増量
をもたらしてフィッシャー・トロプシュリアクタ内の合成ガス容量を直接に増やすわけではない。Bayleらが教示したように、ガス化段階にナフサを導入することにより、水蒸気等の酸化剤および天然ガス等の炭化水素供給ガス原料を用いて、リサイクルナフサでガス化段階におけるH
2/CO割合を修正し、その間にガス化段階で一酸化炭素の質量速度を最大にし、タールおよび軽質炭化水素への転換を最大にするために1000℃〜1500℃以上の十分な温度を維持する。
【0012】
2004年2月24日にSchankeらに付与された米国特許第6,696,501号では、フィッシャー・トロブシュ合成および合成ガス生産のための最適の統合プロセスが開示されている。
【0013】
他の特徴の中で、このプロセスは、天然ガスまたは他の化石燃料を高級炭化水素に転換し、主に水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含む合成ガスを生成するために、天然のガスまたは化石燃料は、改質領域でスチームおよび酸素のガスと反応させる。次いで、合成ガスは、フィッシャー・トロプシュリアクタ内を通過し、低級炭化水素、水および未変換合成ガスを含む粗合成を生成する。その後、粗合成流は、回収領域の中で、より重い炭化水素を含む粗合成流、水流および残存成分を含む排ガス流にそれぞれ分離される。排ガス流は、別個のスチーム改質装置でスチームおよび天然ガスにより改質され、その後、フィッシャー・トロプシュリアクタに供給される前に、改質された排ガスが単体でガス流れに導入されることも教示される。
【0014】
この参考文献では、プロセス中の炭素の効率を最大にするために、高炭酸ガス流はATRへリサイクルされる。排ガスの改質およびリサイクルの第一の目的は、低級炭化水素を一酸化炭素および水素にスチーム改質することであり、軽質炭化水素に関してはほとんど何もないため、天然ガスを加えて炭素効率を増加させることが更に教示される。次のリサイクルで合成ガスの余剰体積を発生させて、炭化水素生産を最大にするためにナフサをSMRまたはATRで破壊することに関する教示は未だ無い。Schankeらの文献では、特許権者は、ATRを粗合成流として用いたGTL環境中での高炭素分合成ガス
を生産し、SMR内で合成排ガスを天然ガス添加により改質して、フィッシャー・トロプシュリアクタへ供給する最適条件を作ることに主に着目した。
【0015】
この技術分野での他の進展に関し、固体炭素供給のガス化だけでなく、合成ガスの調製の方法、GTLプラントでの水素および一酸化炭素の管理、フィッシャー・トロプシュリアクタでの水素管理、および、とりわけ、バイオマス供給原料の炭化水素液搬送燃料への転換等、従来技術には、顕著な進捗が多数ある。以下は、他のこの参考文献の代表的なリストである。米国特許7,776,114号;6,765,025号;6,512,018号;6,147,126号;6,133,328号;7,855,235号;7,846,979号;6,147,126号;7,004,985号;6,048,449号;7,208,530号;6,730,285号;6,872,753、ならびに、米国特許出願公開公報第2010/0113624号;2004/0181313号;2010/0036181号;2010/0216898号;2008/0021122号;2008/0115415号;および2010/0000153号。
【発明の概要】
【0016】
本発明の一つの目的は、実質的に増加した収率で炭化水素を合成するために、改良されたフィッシャー・トロプシュをベースにした合成プロセスを提供することにある。
【0017】
本発明の一実施形態では、
a)合成ガス発生器で水素に富んだ流れを調製することと、
b)触媒的に前記流れを変換して、少なくともナフサを含む炭化水素を生成することと、
c)前記ナフサの少なくとも一部を前記合成ガス発生器へリサイクルして強化された水素に富んだ流れを形成することと;
d)ステップ(b)の転換に対して、ステップ(c)から前記強化された水素に富んだ流れを再循環させて、炭化水素の合成を強化することと、を含む、炭化水素を合成するためのプロセスが提供される。
【0018】
本技術は、先行技術の参考文献で明示された欠点を改良するために、非常に素晴らしい解決策を提供するものである。特許公報、交付済み特許およびその他の学術出版物の形態での先行技術全てが、フィッシャー・トロプシュ法、スチームメタン改質、自己熱改質、ナフサリサイクルおよび他のプロセスの効用を認識している事実があるにもかかわらず、一例として、ディーゼル燃料または航空燃料の生産を強化する目的で、合成ガス発生器中およびフィッシャー・トロプシュまたは適切なリアクタにおける反応を水素に富んだ流れの合成に提供するプロセスには、先行技術を単独でまたは組み合わせて用いても、欠点が生じている。周知であるように、フィッシャー・トロプシュ法は、得られた合成燃料が「クリーン」燃料であり、同じ石油ベースの燃料と典型的には関連する汚染レベルを有していないので、特に有用である。
【0019】
未だに認識されていない組み合わせにおいて、本発明は一連の既知の単位操作を融合して、炭化水素燃料合成の生産のための大幅に改良された合成ルートを得る。このプロセスは、製造留分、すなわちナフサの除去といった、経験にそぐわないステップに関与し、すなわちナフサは、精製した製品であるにもかかわらず、効果的に破壊されて合成ガス発生器のための供給原料として利用され、その後、フィッシャー・トロプシュ法にリサイクルされる。この肝心な単位操作は、非常に有効な他の前駆操作の全てと、独自に連携して動作するので、好都合である。
【0020】
以下の実施例で示しかつ更に詳細に以下に検討するように、自己熱改質炉(ATR)またはスチームメタン改質炉(SMR)またはこれらの組合せの合成ガス発生器へのリサイクル供給原料としてナフサ製品留分を使用することにより、ディーゼル、あるいは従来技術でより効果的に合成ディーゼルと呼ばれるものの容量の増加をもたらすと発見されている。
【0021】
本方法論の実施形態に従って、プロセスは合成ガス発生器として自己熱改質ユニット(ATR)の操作を含んでもよい。当業者に周知であるように、合成ガスを形成するための天然のガスのような軽質炭化水素ガスとの反応において、自己熱改質は、二酸化炭素および酸素またはスチームを使用する。これは、酸化手順を考慮した発熱反応である。自己熱改質炉が二酸化炭素を使用する場合、生成される水素対一酸化炭素の比は1:1であり、自己熱改質炉がスチームを用いる場合は、生成される割合は約2.5:1である。ATRを用いるより顕著な利益の一つは、水素対一酸化炭素の比の変動性において実現される。
【0022】
自己熱改質炉で取り入れられる反応は、次の通りである:
2CH
4+O
2+CO
2→3H
3+3CO+H
2O+熱
【0023】
スチームが使用される場合は、反応式は次の通りである:
4CH
4+O
2+2H
2O+熱→10H
2+4CO
【0024】
本方法論のさらなる実施態様に従って、プロセスは合成ガス発生器としてのスチームメタン改質炉(SMR)の操作を含んでもよい。当業者に周知であるように、スチームメタン改質は、天然ガスのような軽質炭化水素ガスや事前に改質されたナフサとの反応にスチームを使用し、間接的な燃焼ヒータ構成で合成ガスを形成する。これは、反応を維持するために外部の熱エネルギーが必要な吸熱反応である。
【0025】
スチームメタン改質炉に取り入れられる第一の反応は、次の通りである:
天然ガス+ナフサ+スチーム+熱→CO+nH
2+CO
2
【0026】
スチームメタン改質炉では、水素対一酸化炭素の比は、3:1〜5:1の範囲である。SMRを用いることによるもっと有意な利益の一つに、水素対一酸化炭素の比を比較的高くさせることができることで実現され、炭化水素アップグレーダー等の過剰な水素が他の操作のために必要とされる場合に特に魅力的である。
【0027】
更に、例えば、フィッシャー・トロプシュ反応および炭化水素アップグレード処理からの副生成物として、一般にFT排ガスおよび改質オフガスとして知られている軽質炭化水素ガスを利用または共に組み合わせることにより、ナフサリサイクル供給原料と共に、ATR、SMRまたはこれらの組合せへのリサイクル供給原料としての精製燃料ガスを生成し、生成するシンディーゼル燃料の容量を顕著に増加させることが見出されている。一例のために、ナフサリサイクルとのSMRおよびATRの組合せ、およびリサイクルされた精製燃料ガスを使用して、プロセスは、従来のフィッシャー・トロプシュ操作と比較して合成ディーゼルおよび合成ジェット燃料の増産するが、炭化水素副生成物を生成しない合成ディーゼルへのプロセスに導入される全炭素の少なくとも50%以上を変換することができ
、これは、明らかに有意な経済的利益をもたらすものである。
【0028】
従って、更に、本発明の一実施形態の更なる目的としては、
少なくともナフサを含む炭化水素のソースを提供し、
合成ガス発生器へナフサをリサイクルさせて、水素に富んだ流れを生成し、および
水素に富んだ流れを触媒的に変換して、炭化水素を合成するステップを含む、炭化水素を合成するプロセスに提供する。
【0029】
本発明の実施形態の更なる目的に従い、改良されたガスから液体への回路を提供するものであり、この改良は
形成されたナフサを前記合成ガス発生器にリサイクルして、触媒的に水素に富んだ流れを変換し、炭化水素を合成することを含む。
【0030】
本出願の技術を行うことにより、多くの利点が生じ、その利点の典型は、
a)高品質なディーゼル製品または添加剤である、
b)硫黄を含まない高品質ディーゼルおよびジェット燃料である、
c)石油副生成物またはナフサ等の低価値供給原料を含まない、
d)低排出でクリーンな燃焼のディーゼルおよびジェット燃料である、
e)高性能化を伴う上昇セタン価である、
f)フィッシャー・トロプシュリアクタを用いる従来のプロセスと比較して、ディーゼル/ジェット燃料をかなりの量を産出する。
【0031】
一般に本発明を説明する次の図面を参照し、以下に、好適な具体例が、添付の図面を参照して例示される。
【0032】
図に用いられる破線は、任意の操作を示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、自己熱改質炉技術を用いる先行技術で既知の方法の工程系統図である。
【
図2】
図2は、スチームメタン改質炉技術を用いる先行技術で既知の方法の工程系統図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態を例示する、
図1と同様の工程系統図である。
【
図4】
図4は、本発明の変形例を例示する、
図2と同様の工程系統図である。
【
図5】
図5は、自己熱およびスチームメタン改質技術の組合せを示す、本発明のさらなる実施態様の工程系統図である。
【
図6】
図6は、自己熱およびスチームメタン技術の結合を示す、本方法のさらなる変形である工程系統図を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図の中に使用される同様の数字は、同様の素子を示す。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、炭化水素燃料合成産業に適応可能である。
【0036】
先行技術を例示する
図1には、ナフサおよび合成ディーゼルを製造するために、ガスを液体に変換する回路の工程系統図を示す。プロセスは、符号10によって一般に示され、供給原料が、未加工の分野ガスまたはパイプライン品質の処理ガスの形であってもよく、通常バルク硫黄および炭化水素液が除去される天然ガス供給12から始まり
、次に天然ガスは、前処理ユニット20で前処理され、その中には、スチーム14、水素18および任意に二酸化炭素19は、必要に応じて加えられてもよい。前処理ユニットは、当業者に周知であるように、供給ガスハイドロトリーター、硫黄除去およびガード操作およびプレ改質炉としてのこれらの単位操作を含んで、合成ガス発生器のためのクリーン蒸気供給流れ22を生成してもよく、これは自己熱改質炉(ATR)ユニット24として
図1に示した。ATR24は、あらゆる適切な触媒の部分的な酸化ユニットであってもよいが、一例として、このプロセスで有用であるATRは、Haldor Topsoe A/S社、Uhde GmbH社およびCB&I Lummus Company社のものが挙げられる。ATRプロセスおよび装置は、本発明の方法論に有効であることが見いだされ、これは以下に検討される。
【0037】
一般に、ATRプロセスから知られるように、部分的な酸素供給16を用いてあらかじめ調整された天然ガス供給を主に水素および一酸化炭素を含む合成ガス26に変換する熱触媒段階が効果的に関与する。
【0038】
このように生成された合成ガスが、この次に、冷却およびクリーニング操作28を受け、その後、スチーム32の製造および生成された水の除去を34で行う。先行技術で共通して行われていることは、フィッシャー・トロプシュユニット40のための最適条件として、クリーン合成ガス30における水性ガス転化反応(WGS)の使用を採用して水素対二酸化炭素の比をほぼ2.0:1までにするように条件づけることである。全ての炭素、主にCOとしての炭素が用いられて、合成液体製品の製造を最大にするので、WGS反応を含むことは、このプロセスにおいて好適ではない。プロセスは、合成ディーゼルへの転換を最大にするため、任意に水素42の補足的添加を用いてもよい。粗合成ガスは、当業者に周知であるように、ガス洗浄ユニットおよびガードユニットの各種ステップにおいて更に処理され、アンモニアおよび硫黄化合物を除去して、フィッシャー・トロプシュユニットのための適切な比較的純粋なクリーン合成ガス30を形成してもよい。二酸化炭素除去ユニット(図示されず)が、クリーン合成ガス流30の中に任意に含まれることにより、不活性の負荷を低減してフィッシャー・トロプシュユニット40への一酸化炭素濃度を最大にしてもよい。合成ガスは、炭化水素および水を生成するために、次にフィッシャー-トロプシュリアクタ40へ移される。生成された炭化水素は、一般に符号50で示され、炭化水素分解段階52、付加的な製品としてのディーゼル68の他に66にて生成される留分としてのナフサによる製品分別段階を一般に含む製品アップグレーダーに送られる。このプロセスで処方されるディーゼル68は、合成ディーゼルとして一般に知られている。一例として、このプロセスは、天然ガスが標準立方フィート/日(MSCFD)で10,000〜15,000であることを基に、1日当たり1000バレル(バレル/日)の配合をもたらす。フロー図に例示されているように、水素74のソースが炭化水素分解装置52に補われ、これは流れ54として示される。更に、合成ガス発生器24からのエネルギー32は典型的にはスチームの形であり、これを用いて電力を発生させ、これはエネルギー46を形成するフィッシャー・トロプシュリアクタ40に等しくあてはまる。
【0039】
表1は、FTディーゼルおよび従来の石油ベースのディーゼルの比較を示す。
【表1】
【0040】
更なる利益として、当業者に知られるように、
図1によって記載されるプロセスおよび本発明の全て構成は、段階60の分留を離れて側部ストリッパーコラム(図示されず)をさらに含んでもよく、シンディーゼル燃料の容量の約25%の新規の画分を生成(1日当たり200〜300バレル(バレル/日))し、FT−ジェット燃料と呼ばれる。表2は、FTジェット燃料の代表的特性を記載する。
【0041】
【表2】
【0042】
ナフサ66は一般に、フィッシャー・トロプシュFT炭化水素液を蒸留して得た留分として定義することができ、一例として、代表的な沸点範囲が30℃〜200℃、より好適には80℃〜120℃と分類される。具体的なナフサのスペックは、各用途に対して最適化されて、合成ディーゼルの生産を最大にし、プロパンおよびブタン等の軽質液化炭化水素留分の回収を最大にし、部分的にまたは完全にナフサ副生成物を排除する。
【0043】
FTリアクタの最適例は、例えば管型反応装置等の固定層型反応器、および静止触媒相を有する多相反応器、およびスラリー・気泡リアクタを含む。固定層型反応器内では、FT触媒は反応容器内の管または容器の中に含まれる固定床に保持される。反応容器内を流れる合成ガスは、固定床内に含まれるFT触媒と接触する。反応熱は、固定床を含む管または容器のまわりに冷却内媒体を通過させることによって除去される。スラリー・気泡リアクタに対して、FT触媒粒子は、リアクタの底面に散布される合成ガスの気泡の運動によって、例えば溶けた炭化水素蝋等の液体中で懸濁される。ガスの気泡がリアクタを通して上昇するにつれ、合成ガスは液体に吸収され、炭化水素への転換のための触媒に拡散する。ガス状の製品および未変換の合成ガスが、ガスの気泡に進入し、リアクタの最上位で収集される。液体製品は、セパレーター、濾過、沈殿、液体遠心分離機、磁気技術等の異なる技術を用いることにより、懸濁液から回収される。スラリーの中に浸される冷却コイルは、反応によって発生する熱を除去する。リアクタのための他の可能性は、当業者により理解されよう。
【0044】
FTプロセスでは、H
2およびCOは重合を介して結合し、炭素原子数の異なる炭化水素化合物を形成する。典型的には、FT液体への合成ガスの転換の70%が、FTリアクタユニットの単一パス内で起こる。直列および平行に複数のFTリアクタを配置することにより、90%以上の転換レベルを実現することは常識である。水素42の補足的供給をそれぞれ次のFTリアクタ段階に提供し、次のFT段階の転換性能を強化してもよい。FTリアクタの後、生成物は分離段階に送られ、未変換の合成ガスおよび軽質炭化水素(FT排ガスと呼ぶ)、FT水およびFT液体を転換させて、50で示される炭化水素アップグレーダーユニットに向けられる。FT排ガスは、次のFT段階のための供給流になり、または、最終のFT段階の精製燃料ガスに向けられる。アップグレーダーユニットは、典型的には水素化分解ステップ52および分留ステップ60を含む。
【0045】
ここで用いられ符号52で示される水素化分解とは有機分子を分割することをいい、得られた分子フラグメントへ水素を添加し、複数のより小さい炭化水素を生成する(例えば、C
10H
22+H
2→C
4H
10およびスケルトン異性体+C
6H
14)。水素化分解触媒が水素異性化においてアクティブであってもよいので、骨格異性化は、水素化分解ステップ中に生じることができる。従って、より小さい炭化水素の異性体を形成することができる。フィッシャー・トロプシュ合成から誘導される水素化分解炭化水素流が、好ましくは貴金属または少なくとも一つの卑金属を備える水素化分解触媒上で起こり、これら金属は、例えば白金、コバルト-モリブデン、コバルト-タングステン、ニッケル-モリブデンまたはニッケル-タングステン等であり、その温度は550°F〜750°F(約288℃〜約400℃)であり、水素分圧が約500psia〜約1,500psia(約3,400kPa〜約10,400kPa)である。
【0046】
水素添加分解装置から回収される炭化水素は、分留ユニット60内で更に分別され精製されて、従来技術で既知の混合物、例えばナフサ、ディーゼル、灯油、ジェット燃料、潤滑油およびパラフィン蝋等の構成部分として用いることができる材料を含む。水素添加分解装置52および炭化水素精留塔60からなる組み合わせユニットは、炭化水素アップグレーダー50として一般に知られている。当業者によって知られているように、所望の精製製品によっては、例えば付加的な水素処理法または水素異性化ステップ等の炭化水素処理方法が、アップグレーダーユニットの一部を成すことができる、炭化水素製品は、実質的に硫黄フリーである。ディーゼルは、そのままで用いることで、または石油ソースから形成される硫黄分のより高い燃料との混合により、環境にやさしい硫黄フリー燃料および/またはディーゼル燃料のためのブレンディング原料を製造することができる。
【0047】
未変換の蒸気流は、水素および一酸化炭素に富みでかつ二酸化炭素、窒素およびアルゴン等の不活性化合物を一般に含んでおり、FT排ガス44、水素添加分解装置(HC)オフガス56および分留装置(frac)オフガス62としてプロセスから排出される。これらの流れは精製燃料ガス64として一般に回収され、および炉およびボイラに対して燃料として用いることにより、外部からの天然ガスの必要性を相殺することができる。また、当業者に周知なように、これらの流れは分離され、固有の組成物に基づいて別々に配置されてもよい。
【0048】
水素74の補足的供給が、HCユニット54および天然ガスハイドロトリーター18のために必要な場合もある。この水素の供給は外部で発生してもよく、または任意で圧力スイング吸着法または膜ユニット(図示されず)を用いて合成ガス流30から提供されてもよいが、この特徴は合成ガス発生器24による発生が必要な合成ガスの容量を増加させる。
【0049】
更に、使用可能なエネルギーは符号32で示される合成ガス段階からスチームとして一般に発生され、電力を発生させるために用いられてもよい。反応が非常に発熱的であり、これが使用可能なエネルギーのソースを表す事実を示すので、これはフィッシャー・トロプシュユニットから引き出して使用可能なエネルギーに同じようにあてはまる。これは、符号46によって示される。
【0050】
次に、更に先行技術を例示する
図2は、ナフサおよび合成ディーゼルを製造するため、ガスを液体へ変換するための回路の代替工程系統図を示す。このプロセスの構成部分は一般に
図1で示したと同じものであり、共通の要素は同一の符号で示す。このプロセスにおいて、合成ガス発生器はスチームメタン改質炉(SMR)25におき変えられる。SMR25はあらゆる適切な触媒作用の転換ユニットであってもよいが、このプロセスに有用であるSMRは、一例として、Haldor Topsoe A/S社、Uhde GmbH社およびCB&I Lummus Company社、Lurgi GmbH社/Air Liquide Gruppe社, Technip Inc社, Foster Wheeler社その他のものが挙げられる。SMRプロセスおよび装置は、以下に検討される本発明の方法を実行することに対して有効であることが見出されている。一般に、SMRプロセスから知られるように、スチーム供給および熱エネルギーを用いてあらかじめ調整された天然ガス供給を主に水素および一酸化炭素を含む合成ガス27に変換する熱触媒作用の段階が効果的に関与する。
【0051】
SMR技術の利点としては、合成ガスは典型的に3.0:1より大きな水素対一酸化炭素の比を有し、非常に水素に富むことが挙げられる。これは、フィッシャートロプシュ法で通常好まれる代表的な合成ガス比2.0:1を超えるものである。このように、水素分離ユニット33はGTLプロセスのための水素要求74を提供するために用いられてもよい。前に検討したように、当業者によく知られるように、水素セパレーターは、圧力スイング吸着法または膜分離ユニットであってもよい。更に、SMRはATR技術と同様に酸素源を必要としないが、SMRプロセスは外部の熱エネルギーを必要とし、これは典型的には天然ガス13によって提供され、あるいは任意でFT排ガス44またはアップグレーダーオフガス56および62から得られる過剰精油ガス76を用いて提供される。
【0052】
SMR25は、炭化水素の水素H
2および一酸化炭素への転換を促進するために、適切な触媒を含んでもよく、適切な条件で操作されてよい。水素および一酸化炭素の所望の製造に合うよう、スチームおよび天然ガスの添加を最適化してもよい。一般に、SMR反応炉にエネルギーを提供するために、天然ガスまたはその他の適切な燃料を用いることができる。スチーム改質プロセスのために使用される触媒は、例えばパラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、クロム、コバルト、セリウム、ランタンまたはこれらの混合物等、一つ以上の触媒活性成分を含んでもよい。触媒活性成分は、セラミックペレットまたは高融点金属酸化物上で担持されてもよい。他の形態は、当業者にとって容易かつ明らかである。
【0053】
次に
図3は、本発明の技術の予備的な実施形態を示す。
図3に明示されているように、予備的なステップの多くは共通であり、それらは
図1に示される。より望ましくないFT製品の少なくとも一部として、ナフサ66は前処理ユニット20を通して供給ATR24としてリサイクルされ、完全に分解されて付加的な合成ガスに変換される。ナフサのフルリサイクルおよび変換に基づき、10%を超えるディーゼル製造の増加が、望ましくない副生成物流の排除と共に実現させることができる。
【0054】
キーとなる点として、本技術で最も有効な手順の一つは、一旦製品分留の段階が完了してナフサ66が処方されれば、ナフサのリサイクルおよび完全な変換により合成ディーゼル製造において有意な結果が実現できるという事実に関する。
【0055】
図3に示される実施形態では、合成ディーゼルの製造を強化するために、ナフサリサイクルに加えて他の任意的特徴を有することが望ましく、それらは
(i)FTユニット40および製品アップグレーダー50への供給の
ために強化された合成ガスから過剰水素を除去するために、水素分離ユニットを加える;
(ii)燃料としての使用に適さない水素も富んだ流れの一部を、単独でまたは全ての組み合わせで精製燃料64として、前処理ユニット20の方法でATR24にリサイクル102することができる;
(iii)炭素を逆移動およびリサイクルしてシンディーゼルの製造を強化する目的で、任意の二酸化炭素除去の段階21をFT合成ガス供給流れの上に設けて、FTユニット40への不活性蒸気導入を低減し、二酸化炭素の少なくとも一部12を前処理ユニット20の方法でATR24に再導入してもよい。
【0056】
ここで以前に検討されたように、水素に富んだ流れを発生させるため効果的にナフサを破壊することは普通でなくておよび最も直観に反していることであり、それは、ナフサがガソリン製造のための第一の供給原料として一般に所望されているからである。これが事例であるものの、
図3に示すように、特にプロセスで有益である。
【0057】
図4は、
図2および3に示す全体的なプロセスの更に興味深い変形を示す。
図4に明示されるように、図にに示した予備的なステップの多くは共通である。この変形および
図3に示す変形と同様に、SMR合成ガス発生器を用いて合成ディーゼルの製造を強化するため、プロセスはナフサ100の少なくとも一部のリサイクルを使用する。同様に、
図3に示される任意的な特徴は、
図4に等しく適用することができる。
【0058】
更に、ここで検討される技術によって受け入れられる全体的なプロセスの変形が、
図5に示される。本質において、
図5に示すプロセスフローはSMR25およびATR24の合成ガス発生器における単位操作を本発明の第一の実施形態、すなわちナフサの少なくとも一部のリサイクルに組み合わせたものであり、合成ディーゼルに炭素の最大転換を形成するものである。更に、ナフサリサイクルと組み合わせた、
図3および4に示す任意の特徴は、利用できない副生成物が発生しない合成ディーゼル製造を更なる改良するという更なる利益をもたらすことができる。ATRおよびSMR合成ガス発生器のサイズ、各供給気体の組成によって決まり、または合成ディーゼルの製造を最適化するためのサイト特有のパラメータである。更に、26および27で所望の具体的な合成ガス組成物に適合するよう、ATRおよびSMRのための供給流を前処理ユニット内に共通にまたは独自に調製してもよい。同様に、水素に富んだ合成ガス流またはこれらの一部を、SMRから水素分離ユニット33までの供給流れとして任意に提供することが好適である。一例として、ATRおよびSMRのための流れ22および23における好適な水蒸気対炭素の比は異なっており、そのため、別個の前処理ステップを必要としてもよい。
【0059】
図6には、本発明に従い
図3および4の利益を組み合わせる全体的なプロセスの別の変形例を示す。この実施形態では、SMRおよびATRの両方の単位操作をナフサリサイクルと組み合わせて一体化単位操作に合わせられるので、ATR24で形成される熱エネルギーは、SMRリアクタ管25によって要求される間接的な熱エネルギーになる。この実施形態は、最適のフィッシャー・トロプシュ40および供給水素セパレーター33の合成ガスを形成することによって、水素対一酸化炭素の比を最適にし、天然ガス、スチームおよび酸素の量を最小にし、利用できない副生成物を発生させずに、合成ディーゼル製造を最大にして、一体化されたATR/SMRユニットXTRを炭素の合成ディーゼルへの転換を最大にするように戦略的に設計することを可能にする。他の全ての任意の特徴は、
図3、4および5と同じである。ここで用いられる例では、ATR/SMR手段に関して「一体化する」とは、2つの異なった操作が一つに一体化される一体化ユニットのことをいう。