(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902309
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】電子機器のための保管及び充電ステーション
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20160331BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
G06F1/18 E
G06F1/16 312K
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-540496(P2014-540496)
(86)(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公表番号】特表2014-533400(P2014-533400A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】EP2012072337
(87)【国際公開番号】WO2013068573
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2014年6月16日
(31)【優先権主張番号】202011107782.2
(32)【優先日】2011年11月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514116051
【氏名又は名称】クヒラー,マークス
【氏名又は名称原語表記】KUCHLER,Marcus
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】クヒラー,マークス
【審査官】
片岡 利延
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02060962(EP,A1)
【文献】
特開2001−312227(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0073642(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0273643(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/18
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のプロファイル(1)を含む、電子機器(10)のための支持体であって、前記中空プロファイル(1)が、前記支持体の長手方向に延在する、少なくとも1つの機器接続プラグ(5)を受け入れるように適合された第1のチャネル(4)を有する支持体において、前記第1のチャネル(4)が基本的なシリンダ形状を有し、前記シリンダの内径が、前記接続プラグ(5)の円筒状ベース要素(5c)の外径に対応し、且つ、前記接続プラグ(5)が前記シリンダの中心軸を中心として枢動可能であり、且つ、前記第1のチャネル(4)が、前記長手方向に延在する第1のスリット(4a)を有し、かつ、前記第1のチャネルが前記接続プラグ(5)に前記第1のスリット(4a)に沿って長手方向における線形のガイドを提供し、それにより、前記接続プラグ(5)が前記長手方向にスライド可能であり、且つ、予め決められた角度範囲内で、前記長手方向に対して垂直の方向に枢動可能である支持体。
【請求項2】
前記第1のチャネル(4)が、前記長手方向に第2のスリット(4b)を有する、
請求項1に記載の支持体。
【請求項3】
前記第1のチャネル(4)が、前記長手方向に対して垂直の断面に、C字状の部分(4c)、及び、このC字状部(4c)に対向して配置された保持部(4d)を含み、
前記第1のスリット(4a)及び前記第2のスリット(4b)が、各々、前記C字状部(4c)と前記保持部(4d)との間に配置されている、
請求項2に記載の支持体。
【請求項4】
前記接続プラグ(5)が、前記ベース要素(5c)から半径方向外側に延在する突出部(5b)を含み、前記突出部が前記第2のスリット(4b)内に突出して、前記接続プラグ(5)の前記枢動を予め決められた角度範囲に制限し、
前記突出部(5b)及び前記ベース要素(5c)は、内部が中空であり、且つ、電子ケーブル(9)をガイドするのに適している、
請求項2又は3に記載の支持体。
【請求項5】
前記接続プラグ(5)が、前記電子機器(10)との電気接続のために前記ベース要素(5c)から半径方向外側に突出している接続要素(5a)を含み、前記接続要素(5a)が第1のスリット(4a)を通って突出している、
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項6】
前記中空プロファイル(1)が、前記長手方向を横切る方向に上方に延在する支持リブ(3)を備え、前記接続プラグ(5)に接続された電子機器(10)が、前記支持リブに、鉛直軸に対して3度〜25度後方に傾斜したほぼ直立の位置で立て掛けられる、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項7】
前記中空プロファイル(1)が、互いに鋭角を成す2つの側壁(2a,2b)を有する基本構造物を有し、前記2つの側壁が、前記長手方向に対して垂直の断面において鋭角三角形の2つの長い辺を形成し、
前記支持リブ(3)が、前記側壁の一方(2b)から上方に直角に突出し、且つ、
前記2つの側壁(2a,2b)が、前記支持体の前記長手方向に延在する第2のチャネル(6)を前記支持体の前記長手方向に延在する第4のチャネル(7b)から分離する補強リブ(2d)により接続されている、
請求項6に記載の支持体。
【請求項8】
前記中空プロファイル(1)が、前記接続プラグ(5)に接続される電子ケーブル(9)をガイドするための、前記支持体の前記長手方向に延在する第2のチャネル(6)を備えている、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項9】
前記中空プロファイル(1)が、前記支持体の前記長手方向に延在する第3のチャネル(7a)、及び/又は、前記支持体の前記長手方向に延在する第4のチャネル(7b)を備え、前記第3のチャネル及び第4のチャネルが、各々、適切に形成されたプラグコネクタ(8a,8b)を受け入れるように適合されており、前記プラグコネクタ(8a,8b)により、さらなる中空プロファイル(1)を、前記支持体を前記長手方向に延長するために差し込むことができる、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項10】
前記第1のチャネル(4)、前記第2のチャネル(6)、前記第3のチャネル(7a)、及び/又は、前記第4のチャネル(7b)が、前記長手方向において前記チャネルの端面の少なくとも一方にて開放されている、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項11】
前記中空プロファイル(1)が金属及び/又はプラスチックから一体につくられている、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のための有用で容易に適用可能な保管及び充電ステーションとして機能する簡単な機械的支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
電池式電子機器のアキュムレータは、定期的な充電を必要とする。典型的に、これは、一般的に利用可能な線電流を、アキュムレータの充電に必要な直流型電流に変換する充電ケーブルを介して実行される。さらに、多くの電子機器、特には、移動端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、又はPDA(個人用携帯情報端末)は、ケーブルを介してデータをコンピュータと交換するためのインタフェースを有する。いずれの場合においても、ケーブルを提供して電子機器に接続することが必要である。充電ケーブルの場合、ケーブルは線電流に接続されることになり、データ伝送ケーブルの場合、コンピュータに接続されることになる。
【0003】
電池式電子機器、特にはスマートフォンが益々普及すると、このような機器を、機器に記憶されたデータを同期化するために頻繁に充電し又はコンピュータに接続しなければならないという課題が生じる。また、このような機器が1つの家庭で複数個使用される場合も多い。これにより、充電又はデータ交換のためのケーブルを、適切な機器に割り当てることができる前に探さなくてはならない場合もあり、或いは、ケーブルをしばらくの間見つけられない場合もある。
【0004】
そのシンプルな動作性により世界的に成功しているアップル社(Apple)製の多くの機器は、単一の接続端子を介して充電され、又は、データ送信のために接続されることができる。iPhone5(登録商標)の機器に関して、この接続端子は、9ポール(9−pole)「ライトニング」(“lightning”)端子であり、以前の世代のiPhone機器において、これは、30ポール(30−pole)「ドック」(“dock”)端子である。この統一規格端子により、対応するプラグを有する単一のケーブルを、対応する全ての電子機器の充電及び同期化のために用いることが可能である。充電ケーブルの他端に、アップル社のシステムは、通常、USBプラグを設けている。
【0005】
類似のプラグ接続システムが、その他のスマートフォン製造業者、例えば、サムスン社(Samsung)又はマイクロソフト社(Microsoft)により用いられている。本発明は、製造業者により個々に異なる種類の電子機器のための支持体として適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電池式電子機器、特には、モバイル端末(例えば、スマートフォン)のための、重要で、頑丈且つ有用な保管及び充電ステーションを提供することである。この保管及び充電ステーションは、特に、適切な記憶又はデータ通信ケーブルを探す煩雑さを回避し、また、前記電子機器を保持するための安全な且つ可変的に有用な場所を提供する。1つの家庭で使用される複数の電子機器を同時に保管することができる解決方法を提供することが特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明の請求項1について定義されている支持体により少なくとも部分的に定義されている。本発明の
請求項1の支持体は、中空のプロファイル(1)を含む、電子機器(10)のための支持体であって、前記中空プロファイル(1)が、前記支持体の長手方向に延在する、少なくとも1つの機器接続プラグ(5)を受け入れるように適合された第1のチャネル(4)を有する支持体において、前記第1
のチャネル(4)が基本的なシリンダ形状を有し、前記シリンダの内径が、前記接続プラグ(5)の円筒状ベース要素(5c)の外径に
対応し、且つ、前記接続プラグ(5)が前記シリンダの中心軸を中心として枢動可能であり、且つ、
前記第1のチャネル(4)が、前記長手方向に延在する第1のスリット(4a)を有し、かつ、前記第1
のチャネルが前記接続プラグ(5)に
前記第1のスリット(4a)に沿って長手方向における線形のガイドを提供し、それにより、前記接続プラグ(5)が前記長手方向にスライド可能であり、且つ、予め決められた角度範囲内で、前記長手方向に対して垂直の方向に枢動可能である。
【0008】
好ましい実施形態によれば、前記第1
のチャネルは、ほぼ円筒(シリンダ)状の基本形状を有し、前記機器接続プラグは、前記第1
のチャネルに嵌合するベース要素を有し、前記ベース要素の外径は前記第1
のチャネルの内径に適合されており、従って、前記接続プラグは、前記長手方向に延在する前記シリンダの中心軸を中心として枢動可能である。これにより、前記長手方向における並進スライドと、前記長手方向に対して垂直の枢動方向における回転セッティングとを簡単且つ確実に実行することが可能である。こうして、前記接続プラグを、接続されるべき電子機器の寸法、及び、電子機器のプラグ端子の正確な位置に応じて最適に配置することができる。
【0009】
前記第1
のチャネルは、好ましくは、そのシリンダ側の面に第1のスリットを含み、この第1
のスリットを通って前記接続プラグの電気接続要素が外側に突出している。また、前記第1
のチャネルは、第2のスリットを含み、この第2
のスリットを通って前記プラグケーブルが前記中空プロファイルの内部の第2のチャネル内にガイドされている。これらの2つのスリットは、前記中空プロファイルの全長にわたって延在し得るが、前記中空プロファイルの特定の部分のみにわたって延在してもよい。重要なことは、前記スリットが、前記接続プラグの前記長手方向における十分な並進スライドと、そしてそれにより、本発明の支持体に接続される様々な寸法の電子機器に対する前記支持体の適合可能性とをもたらすように、十分に長いことだけである。
【0010】
前記第1
のチャネルの壁部は、前記2つのスリットの他に、好ましくは、2つのさらなる部分を含む。これらの部分は、前記長手方向の断面において、ほぼC字状の部分と、この部分に対向する保持部とから構成される。前記C字状部は、前記接続プラグの前記円筒状ベース要素を、そのシリンダ側の面に沿ってガイドする。前記保持部は、前記ベース要素を対向側から安定化させ、こうして、前記C字状部と協働して、前記接続プラグの、前記長手方向と、前記長手方向に対して垂直の前記枢動方向との両方における確実なガイドを可能にする。
【0011】
好ましい実施形態によれば、好ましく中空である円筒(シリンダ)状ベース要素の側面は、当該側面と一体的に形成された、ほぼ矩形の、これもまた内側が中空の突出部を有する。この突出部は前記第2
のチャネル内に突出し、前記ベース要素がそのシリンダ軸を中心として枢動され得る角度範囲を画定する。第1の最端位置において、前記突出部の上側は前記第1
のチャネルの保持部に当接する。反対側の最端位置において、前記突出部は、その下側で、前記第1
のチャネルの前記C字状部に当接する。或いは、角度範囲は、電子接続要素により制限されることができ、この電子接続要素もまた、特定のスイベル角度にて、前記保持部に、又は、前記C字状部の他端に当接する。しかし、このような実施形態は、繊細な電子接続要素に機械的ストレスを与えるため、好ましさに欠ける。これは、前記接続要素が追加の保護層により覆われていて、前記第1
のスリット縁に、この保護層を介して間接的にしか当接しない場合でもあてはまる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、前記中空プロファイルは、重要な要素として、所定の傾斜角度で上方に延在する支持リブをさらに含む。前記電子機器は、本発明の支持体上に保管されているとき、後方に傾けられて支持体の支持リブに立て掛けられ得る。前記支持リブは、長手方向において前記第1
のスリットに対して平行に延在し、そして、電子機器が前記接続プラグに接続されて前記支持リブに立て掛けられるときに前記第1
のスリットの前後に前記長手方向に延在する2つのストライプ状部に配置されることができるように、所定の程度に後方に変位される。これにより、前記接続プラグに接続された前記電子機器は、前記支持体上に安定して保管されることができ、尚且つ、前記接続プラグとの前記電気接続部の繊細な領域が機械的ストレスを受けない。さらに、電子機器の直立位置における位置決めが、ディスプレイスクリーンでの良好な表示を可能にする。
【0013】
特定の実現可能な機構によれば、前記中空プロファイルは、鋭角を成す2つの側壁から形成された主要構造物から構成され、前記側壁は、さらに補強リブにより互いに接続されている。前記2つの側壁間に形成された前記鋭角は、約3度〜25度であり、好ましくは、約5度〜15度であり、好ましくは、約10度である。前記基本構造物は、前記長手方向に対して垂直の断面において鋭角三角形の形態を有するが、前記2つの長い側壁の上側にて前記第1のスリットにより中断されている。前記第1
のスリットよりも後ろ側に離れた変位位置にて、上述の支持リブが前記上側側壁から所定の傾斜角度で上方に延在している。
【0014】
前記補強リブとは別に、前記上側側壁と下側側壁とは、前記鋭角三角形の第3の短い側壁と、前記C字状部とにより、さらに互いに接続されている。前記短い側壁は、鋭角に対向した位置にある。これにより、本発明の中空プロファイルは、要求される安定性を有するだけでなく、前記第1
のチャネル、及び、前記C字状部と前記補強リブとの間に延在する前記第2のチャネルに加えて、前記三角形の基本構造物の前記短い側壁と前記C字状部との間の第3のチャネル、及び、前記基本構造物の鋭角にて接続された前記その他の2つの側壁と前記補強リブとにより形成された第4のチャネルを提供する。プラグコネクタが、これらの第3
のチャネル及び第4
のチャネル内に、チャネルから外部に所定の程度まで突出するように挿入されることができる。これは、同様に形成された第2の中空プロファイルの対応するチャネル内に挿入されるためである。これにより、本発明の中空プロファイルをモジュール式に延長することができる。これは、1以上のさらなる中空プロファイルを、保管されるべき電子機器の個数及び寸法に適合されることができるように接続することにより行われる。
【0015】
前記中空プロファイルを押出成形又は射出成形により一体的に製造することが特に好ましい。好ましい材料は、プラスチック、アルミニウム、又は、その他の軽量金属である。前記中空プロファイルが、好ましくはその2つの端面にて開放されているため、前記中空プロファイルは、製造プロセスの最後に切断又はカッティングにより所望の長さに容易にカットされることができる。従って、中空プロファイルは、適切な長さに容易に製造されることができ、次いで、適切な個数のプラグコネクタと共に梱包及び配送されることができる。また、顧客が前記中空プロファイルを、顧客の個人的ニーズに合うように自分で短くすることも可能である。
【0016】
ここで、好ましい実施形態を、図面に基づいてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明の支持体を、異なるスイベル角度位置における接続プラグと共に示す断面図である。
【
図3】異なる長さを有し、且つプラグコネクタにより互いに部分的に接続されている本発明の複数の支持体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の支持体の概略斜視図である。中空のプロファイル(hollow profile)1が、その端面が開放されて示されている。中空プロファイルを、長手方向プロファイル(longitudinal profile)とも称し得る。1以上の電子機器10が、それらの端面(充電又はデータ通信ケーブル9のための接続ソケットを通常その上に有する)を、支持体の長手方向に延在する第1のスリット4aの前後に長手方向に延在するストライプ部上に載せた状態で配置されている。これらの機器は、所定の傾斜角度で上方に延在する支持リブ3に、後方に傾けて立て掛けられている。
図1において、接続プラグ5が電子機器に差し込まれている。この接続プラグ5から、対応する電子ケーブル9が、第2のスリット4b、及び、ケーブルチャネルとして機能する第2のチャネル6を通して、外側に、線電流又はコンピュータへの接続のためにガイドされている。
【0019】
図1における手前側に、電子機器が接続されていない状態の接続プラグ5が示されている。この接続プラグ5を参照すると、接続プラグ5の、中空プロファイル1内でのスライド可能性が特に良好に理解されよう。円筒状の第1のチャネル4が、同様に円筒状に形成された接続プラグ5のベース要素5cに、長手方向における線形のガイドを提供している。これにより、ベース要素5cは、電子機器10を接続させるために、第1
のチャネル4に沿って、そして所望の位置へと並進的に移動されることができる。スライド移動中、電子接続要素5aが、長手方向に延在する第1
のスリット4aを通って中空プロファイル1の外部へ上方に突出している。
【0020】
同時に、ベース要素5cを円筒状の第1のチャネル4内に受け入れることは、接続プラグ5の、長手方向に対して垂直の枢動方向における、予め決められた角度範囲内での枢動運動も可能にする。これに関して、
図2に基づいて、より詳細に説明する。
図1においても見られる第3のチャネル7a及び第4のチャネル7bの機能は、
図3に基づいて、後に説明する。
【0021】
図2の断面図は、中空プロファイル1を、プラグ5の3つの異なるスイベル位置と共に示す。中央のスイベル位置は、電子機器10を差し込むために好ましい位置である。なぜなら、この位置は、接続要素5aの前後に、接続要素5aを電子機器10の接続ソケットに挿入するための十分な空間を残しているからである。その他の2つのスイベル位置は、スイベル角度のセッティングを示し、これらの位置を超える枢動運動は阻止される。これは、第2のスリット4bを通って第2
のチャネル6内に延在している突出部5bが、保持部4dに、又は、C字状外形部4cに突き当たり、それにより、機械的抵抗を生じるからである。従って、突出部5bは、回転制限ストッパとして機能する。
【0022】
図2は、3つの側壁2a,2b,2cによる中空プロファイル1のベース構造のほぼ三角形状のセットアップを明確に示す。三角形状のベース構造を、安定化アームとも称し得る。2つの長い側壁2a,2bは、約10度の鋭角を成し、補強リブ2dにより接続されている。下側の側壁2aは、使用中、地面に置かれるため、
図2において水平方向に示されている。2つの長い側壁の一方である上側2bは、その前方領域における第3の側壁2c付近にて第1
のスリット4aにより中断されており、このスリット4aを通って、接続プラグ5の電気接続要素5aが延在している。
【0023】
第1
のスリット4aの前で、C字状のプロファイル(外形部)4cが、上側側壁2bを下側の側壁2aに接続している。これにより、第3のチャネル7aがC字状部4cと第3の側壁2cとの間に形成されている。第1
のスリット4aの後ろで、上側側壁2bが後方に続いており、保持部4dが円弧の形態で傾斜している。さらにその後ろで、支持リブ3が上側の側壁2bから上方に矩形に延在している。2つのストライプ状部が、第1
のスリット4aにより分離され、上側側壁2aの前方領域にて、短い側壁2cにおけるそれらの前端から支持リブ3まで延在している。これらのストライプ状部が、電子接続要素5aに接続されるべき電子機器10の端面のための支持面を形成している。
【0024】
保持部4dの下で、円筒状の第1
のチャネル4の壁部も中断されている。この中断は第2のスリット4bによるものであり、第2
のスリット4b内に突出部5bが突出している。先に既に述べたように、保持部4dと、これに対向するC字状部4cの端部とが、それぞれ、接続プラグ5の前後方向への最大スイベル角度を画定する上側ストッパと下側ストッパとを形成している。第2
のスリット4bが第1
のチャネル4を第2
のチャネル6に接続しており、これにより、端子5aからのケーブル接続を第2
のチャネル6内にガイドすることを可能にしており、第2
のチャネル6から、ケーブル9が、第2
のチャネル6の開放前面を通して外側にガイドされている。
【0025】
図2は、さらに、補強リブ2dと、上側側面2b,下側側面2aとにより画成された、第4のチャネル7bを示す。この第4
のチャネル7bの機能を、第3
のチャネル7aの機能と共に、
図3を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0026】
図3は、本発明による中空プロファイル1の複数個の上に、複数の電子機器10(この場合、アップル社(Apple)のiPhone(登録商標)又はiPad(登録商標))が配置されている様子を示す。図面に見られるように、複数の電子機器10は、これらの寸法が異なるにも関わらず、プラグ5が長手方向にスライド可能であることにより、並べて容易に配置されることができる。機器のディスプレイの、鉛直方向軸に対して僅かに傾斜した位置により、ディスプレイを良好な角度で目視でき、これにより、ユーザが充電又は同期化プロセスをより容易に実行できる。
【0027】
このようなことから、本発明の支持体は、電子機器にビデオフィルムなどを表示するときの機器の載置台としても良好に用いられ得る。さらに、本発明の支持体を、販売場所での複数の機器のプレゼンテーションのために用いることもできる。なぜなら、機器を光学的に好ましいように並べて配置することができ、機器のディスプレイが全て、顧客に見易い同一方向に統一されるからである。
【0028】
また、一体的に形成された突出部5bを有する本発明の円筒状ベース要素5cに適合する2つのプラグ5、及び、これに対応する充電ケーブル9が示されている。図には、電子接続要素5aの例として30ポール(30−pole)ドック端子が示されている。しかし、接続される電子機器10のタイプ及びジェネレーションに応じて、その他の任意のタイプのプラグも用いられ得る。
【0029】
図3において手前に示されている、より短い2つの中空プロファイル1が、プラグコネクタ8a,8bにより長手方向にて互いに接続される。これらの後ろに、より長い中空プロファイル1が長手方向に配置されており、この中空プロファイル1は、中央の中空プロファイルに、対応するプラグコネクタ8a,8bにより接続されることが可能である。好ましい実施形態において、プラグコネクタ8a,8bは弾性プラスチック材料からつくられる。
【0030】
図3において、より右側に示されているように、第1のプラグコネクタ8aが、第3のチャネル7a内に長手方向に所定の程度まで挿入されることができるように形成されている。一方、楔形の第2のプラグコネクタ8bが、第4のチャネル7bに挿入され得るように形成されている。第1のプラグコネクタ8a、第2のプラグコネクタ8bの突出端部を、第2の中空プロファイル1の対応する第3のチャネル7a、第4のチャネル7bに挿入することにより、本発明の支持体の全長を、2つ以上の中空プロファイル1のモジュール式接続により、ほぼ任意に延長することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 中空のプロファイル
2a 下側の側壁
2b 上側の側壁
2c 短い側壁
2d 補強リブ
3 支持リブ
4 第1のチャネル
4a 第1のスリット
4b 第2
のスリット
4c C字状部
4d 保持部
5 接続プラグ
5a 接続要素
5b 突出部
5c ベース要素
6 第2のチャネル
7a 第3のチャネル
7b 第4のチャネル
8a 第1のプラグコネクタ
8b 楔形の第2のプラグコネクタ
9 充電ケーブル
10 電子機器