(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902313
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】ブームスウィング型掘削機の油圧配管固定装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
E02F9/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-544633(P2014-544633)
(86)(22)【出願日】2011年11月30日
(65)【公表番号】特表2015-500407(P2015-500407A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】KR2011009204
(87)【国際公開番号】WO2013081212
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2014年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】502032378
【氏名又は名称】ボルボ コンストラクション イクイップメント アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジンユン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンジン
【審査官】
桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−060976(JP,A)
【文献】
特開2005−344301(JP,A)
【文献】
実開平04−076282(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 3/32−3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体に搭載される上部フレームと、前記上部フレームの先端部に旋回自在に取り付けられ、ブーム及びブームシリンダが取り付けられるブームサポータと、前記ブームサポータを前記上部フレームに対して旋回させるブームスイングシリンダを備える、ブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、
前記ブームを含む作業装置用油圧ホース及び追加されるオプション装置用油圧ホースを前記ブームサポータの内側において、予め定められた位置に配列できるように、前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースが載置される載置溝が形成されるクランプと、
前記載置溝から油圧ホースの離脱を防止し、前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースへの作動油供給時に、ブームシリンダ側に遊動する前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースとブームシリンダ固定部材の相互接触を遮断できるように、締結部材によって前記クランプに着脱可能に固定される油圧ホース固定用カバーと、を含み、
前記クランプは、前記ブームサポータ内でクイックフィットオプション装置や、ドレイン及び安全弁を含む前記オプション装置用油圧ホースの指定位置を提供するように上面に形成される多数の載置溝と、前記作業装置用油圧ホースの指定位置を提供するように底面に形成される多数の載置溝を備えることを特徴とするブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置。
【請求項2】
前記油圧ホース固定用カバーは、前記締結部材のヘッド部が嵌る第1貫通孔と、前記第1貫通孔より相対的に小さいサイズで前記第1貫通孔に連通するように形成される第2貫通孔と、からなる組付孔を有することを特徴とする請求項1に記載のブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置。
【請求項3】
前記ブームサポータの底部に、締結部材によって着脱可能に固定され、前記ブームサポータの底に露出する前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースを外部の衝撃から保護する油圧ホース保護用カバーを備えることを特徴とする請求項1に記載のブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置。
【請求項4】
前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースは、前記ブームが左側または右側方向に設定された最大角度で旋回されるとき、前記作業装置用油圧ホース及び前記オプション装置用油圧ホースの撓みが最小化するように、前記上部フレームの前面下端部に形成された貫通孔及び前記ブームサポータの底面に形成されたガイド部を経由して、前記ブームサポータのクランプに載置して配列されることを特徴とする請求項1に記載のブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置。
【請求項5】
前記油圧ホース固定用カバーは、前記締結部材によって前記クランプに固定されて前記クランプの載置溝から前記油圧ホースの離脱を防止する第1加圧部と、前記第1加圧部の下方に延設され、前記クランプの下側に位置する油圧ホースを前記ブームサポータ側に加圧して前記油圧ホースとブームシリンダ固定部材との接触を遮断する第2加圧部と、からなることを特徴とする請求項1に記載のブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブームスウィング型掘削機の油圧配管固定装置に係り、さらに詳しくは、上部フレームの先端部にブームサポータが旋回自在に取り付けられたブームスウィング型掘削機において、アーム等の作業装置用油圧ホース及び追加されるローテータ等の様々なオプション装置用油圧ホースが、ブームサポータ内の予め定められた位置に配列されるようにして、これら油圧ホースの配列及び組立の作業性を向上させることができるようにしたブームスウィング型掘削機の油圧配管固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び
図2に示すように、従来技術によるブームスウィング型掘削機の油圧配管固定装置は、上部フレーム1の先端部に上部ピン2及び下部ピン3によって旋回自在に取り付けられたブームサポータ4(boom supporter)と、
固定ピン5、5aによってブームサポータ4にそれぞれ回動自在に取り付けられたブーム6及びブームシリンダ7と、
上部フレーム1に一端が固定され、ブームサポータ4に他端が取り付けられ、駆動時、上部ピン2及び下部ピン3を中心軸にしてブームサポータ4を旋回させるブームスイングシリンダ8と、
上部フレーム1に取り付けられたメインコントロールバルブ(図示せず)(MCV)からの作動油をアームシリンダ(図示せず)等に供給する作業装置用油圧ホース9及びクイックフィット(quick fit、2pcs boom、hammer)等のオプション装置に供給するオプション装置用油圧ホース10と、を備える。
【0003】
このとき、オプション装置用油圧ホース10は、ブームサポータ4の側面に露出した状態で配設され、作業装置用油圧ホース9は上部ピン2及び下部ピン3の間の空間を通過するように配設される。これによって、ユーザが所望するハンマー等の様々な種類のオプション装置が追加されるとき、これらオプション装置に作動油を供給する油圧ホースをブームサポータ4に対して配列及び組付けをする作業が難しくなり、作業性が低下する。
【0004】
また、
図2に示すように、ブームスイングシリンダ8の駆動に応じて、ブーム6が左側方向または右側方向に設定された最大角度で旋回するとき、油圧ホース9、10のもつれの発生だけでなく、ブーム6の旋回角度に応じて、その撓む角度が大きくなる。このことから、周辺の部品との頻繁な摩擦接触によって油圧ホース9、10の破損を招くことになる。すなわち、反復的なブーム6の旋回によって油圧ホース9、10の外観の整列状態がもつれや撓みによって不良になり、掘削機の短い作動時間に破損を招くおそれがある。
【0005】
また、ユーザが所望する様々な種類のオプション装置の追加による該当油圧ホースを整列させる難しさから、掘削機に追加で取り付けられるオプション装置の数が制限されるおそれがある。一方、油圧ホース9、10がブームサポータ4の外側に配置されて露出するため、走行または作業時に外部の衝撃によって油圧ホース9、10を保護するにおいて限界に直面しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、ブームスイング型掘削機において、作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースが、ブームサポータの下端部を経由して内部に取り付けられるクランプの予め定められた位置へ配列されることによって、追加されるオプション装置による油圧ホースの良好な外観状態を保持し、油圧ホースのより大きな撓み角度の確保によって、ブームが最大角度で旋回するときでも、油圧ホースの破損の防止を可能にしたブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置を提供することを課題とする。
【0007】
また、本発明は、様々な種類のオプション装置が追加されるときにも、ブームサポータの定められた位置に該当油圧ホースを配列でき、ユーザが所望する仕様のオプション装置を取り付けられるようにしたブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置を提供することを課題とする。
【0008】
さらに、本発明は、ブームサポータに固定されるクランプの上部及び下部の定められた位置に油圧ホースを配列するとき、締結部が2段型になる油圧ホース固定用カバーによって油圧ホースを加圧することになるため、これによって整備及び組立の作業性を向上させることができるようにしたブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置は、
下部走行体に搭載する上部フレームと、上部フレームの先端部に旋回自在に取り付けられ、ブーム及びブームシリンダが取り付けられたブームサポータと、ブームサポータを上部フレームに対して旋回させるブームシリンダとを備えるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、
ブームを含む作業装置用油圧ホース及び追加されるオプション装置用油圧ホースをブームサポータの内側に予め定められた位置に配列できるように、作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースを載置するための載置溝が形成されるクランプと、
載置溝から油圧ホースの離脱を防止し、作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースへの作動油の供給時、ブームシリンダ側に遊動する作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースとブームシリンダ固定部材との相互接触を遮断できるように締結部材によってクランプに着脱可能に固定される油圧ホース固定用カバーを備える。
【0010】
さらに、本発明の好適な実施形態によれば、前記油圧ホース固定用カバーは、締結部材のヘッド部が嵌る第1貫通孔と、該第1貫通孔より相対的に小さいサイズで第1貫通孔に連通するように形成された第2貫通孔と、からなる組付孔を有する。
【0011】
前記ブームサポータの底部に締結部材によって着脱可能に固定され、ブームサポータの底に露出する作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースを外部の衝撃から保護する油圧ホース保護用カバーを備える。
【0012】
前記作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースは、ブームが左側または右側方向に設定された最大角度で旋回するとき、作業装置用油圧ホース及びオプション用油圧ホースの撓みが最小化するように、上部フレームの前面下端部に形成された貫通孔及びブームサポータの底面に形成されたガイド部を経由してブームサポータのクランプに載置して配列される。
【0013】
前記オプション装置がクイックフィット、ドレイン、安全弁であれば、これら油圧ホースが載置される載置溝がクランプの上面に形成される。
【0014】
前記油圧ホース固定用カバーは、締結部材によってクランプに固定され、クランプの載置溝から作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースの離脱を防止する第1加圧部と、第1加圧部の下方に延設され、クランプの下側に位置する作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースをブームサポータ側に加圧して、作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースとブームシリンダ固定部材の接触を遮断する第2加圧部とからなる。
【発明の効果】
【0015】
上述したように構成される本発明の一実施形態に係るブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置は、下記のメリットを有する。
【0016】
ブームスイング型掘削機の作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースが、ブームサポータの下端部を経由して内部に取り付けられるクランプの予め定められた位置に配列されることによって、追加するオプション装置による油圧ホースの良好な外観状態が維持でき、ブームが最大角度で旋回するときでも、油圧ホースの撓み角度が緩やかなため、油圧ホースの破損を防止することができる。
【0017】
また、様々な種類のオプション装置が追加された場合でも、ブームサポータの定められた位置に該当の油圧ホースを配列でき、ユーザが所望する仕様のオプション装置を取り付けることにより、掘削機を利用する作業範囲を拡大することができる。
【0018】
また、ブームサポータ内に固定されるクランプの上部及び下部の定められた位置に油圧ホースを配列するとき、締結部が2段型になったホース固定用カバーの迅速な取り付けによって、油圧ホースの整備及び組立の作業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の技術によるブームスイング型掘削機の要部抜粋図である。
【
図2】一般的なブームスイング型掘削機の平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置の要部抜粋側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータ内に取り付けられ、油圧ホースを所定の位置に配列するクランプの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、クランプから油圧ホースの離脱を防止する油圧ホース固定用カバーの斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータの下端部に露出する油圧ホースを外部の衝撃から保護する油圧ホース保護用カバーの斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、油圧ホース保護用カバーの使用状態図である。
【
図8a】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータの中立及び旋回時、油圧ホースの撓みを示す図である。
【
図8b】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータの中立及び旋回時、油圧ホースの撓みを示す図である。
【
図8c】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータの中立及び旋回時、油圧ホースの撓みを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブームサポータに取り付けられたクランプによって配列され、ブームに固定される油圧ホースを示す図である。
【
図10a】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、油圧ホース固定用カバーの取り付けの手順を示す図である。
【
図10b】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、油圧ホース固定用カバーの取り付けの手順を示す図である。
【
図10c】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、油圧ホース固定用カバーの取り付けの手順を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、クランプに油圧ホースが載置されることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳述するが、これは本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が発明を容易に実施できる程度に詳細に説明するためのものであり、これにより本発明の技術的な思想及び範疇が限定されることはない。
【0021】
図3乃至
図11に示す本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置は、下部走行体に搭載される上部フレーム1と、上部フレーム1の先端部に固定ピン21を中心軸として旋回自在に取り付けられ、ブーム6及びブームシリンダ7が取り付けられるブームサポータ4と、ブームサポータ4を上部フレーム1に対して旋回させるブームスイングシリンダ8と、を備えるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置において、ブーム6、アーム等を含む作業装置用油圧ホース9(折曲可能なフレキシブルなホースをいう)及びローテータ、シャー(shear)等の追加のオプション装置用油圧ホース10(折曲可能なフレキシブルなホースをいう)をブームサポータ4の内側に予め定められた位置に配列できるように、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が載置される載置溝11a〜11jが繰り返し形成されるクランプ12と、載置溝11から作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の離脱を防止し、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10とブームシリンダ固定部材13(ブームシリンダ用固定ピン及びボス等をいう)との相互接触を遮断することができるように、締結部材14によってクランプ12に着脱可能に固定される油圧ホース固定用カバー15を備える。
【0022】
ここで、前記油圧ホース固定用カバー15は、締結部材14のヘッド部が嵌る第1貫通孔16aと、第1貫通孔16aより相対的に小さいサイズで第1貫通孔16aに連通するように形成される第2貫通孔16bとからなる組付孔16を有する。
【0023】
前記ブームサポータ4の底部に締結部材17によって着脱可能に固定され、ブームサポータ4の底に露出する作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10を外部の衝撃から保護する油圧ホース保護用カバー18を備える。
【0024】
前記作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10は、ブーム6がブームスイングシリンダ8の駆動により、左側または右側方向に設定された最大角度で旋回するときに作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の撓みを最小化できるように、上部フレーム1の前面下端部に形成された貫通孔19及びブームサポータ4の底面に形成されたガイド部20を経由してブームサポータ4のクランプ12に載置して配列される。
【0025】
前記オプション装置がクイックフィット、ドレイン、安全弁であれば、これら油圧ホース10aが載置される載置溝11、11k〜pがクランプ12の上面に形成される。
【0026】
前記油圧ホース固定用カバー15は、締結部材14によってクランプ12に固定され、クランプ12の載置溝11から作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の離脱を防止する第1加圧部15aと、第1加圧部15aの下方に延設され、クランプ12の下側に位置する作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10をブームサポータ4側に加圧して作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10とブームシリンダ固定部材13との接触を遮断する第2加圧部15bとからなる。
【0027】
一方、前記ブームスイングシリンダ8の駆動に応じて、ブームサポータ4を上部フレーム1に対して旋回させ、上部フレーム1に取り付けられたメインコントロールバルブからの作動油によってブーム等の作業装置とシャー等のオプション装置を駆動させる構成は、ブームスイング型掘削機の当該分野において使用される技術内容であるため、これら構成及び作動の詳細な説明は省略する。
【0028】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施形態によるブームスイング型掘削機の油圧配管固定装置の使用例について詳細に説明する。
【0029】
図8a、
図8b、
図8c、
図9、
図10a、
図10b、
図10cに示すように、前記上部フレーム1に取り付けられたメインコントロールバルブ(図示せず)からの作動油をアームシリンダ等の作業装置と、追加されるローテータ等のオプション装置にそれぞれ供給する作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10を、ブームサポータ4内部に取り付けられたクランプ12によって予め定められた位置に配列することができる。このとき、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10は、ブーム6の構造物の外側面に取り付けれらた作業装置用及びオプション装置用の金属材の油圧パイプ25に接続する。
【0030】
図9に示すように、前記メインコントロールバルブに入口側が繋がった作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10は、上部フレーム1の前面下端部に形成された貫通孔19と、ブームサポータ4の底面に形成されたガイド部(ブームサポータ4を上部フレーム1に旋回自在に固定した固定ピン21の下方に位置する)20を順に経由して、ブームサポータ4内に取り付けられたクランプ12に形成された載置溝11にそれぞれ載置される。
【0031】
図4、
図11に示すように、前記ブームサポータ4内に取り付けられたクランプ12の底面に連続的に形成された載置溝11a〜jに、2pcsブーム、シャー、アーム、バケット、バケット、アーム、シャー、2pcsブーム、ローテータ、ローテータに該当する油圧ホースa〜jをそれぞれ載置して配列する。
【0032】
図11に示すように、前記クランプ12の上面に形成された載置溝11k〜pにそれぞれドレイン、クイックフィット、クイックフィット、安全弁、ランプに該当する油圧ホースk〜pを載置して配列する。
【0033】
図5、
図10a、
図10b、
図10cに示すように、前記クランプ12に油圧ホース固定用カバー15を締結部材14によって着脱可能に固定する(
図10aに示す)。
【0034】
図5、
図10bに示すように、ブームサポータ4にクランプ12を固定させた締結部材14(このとき、締結部材14は完全に締結されず、仮組立される)のヘッド部に対して、油圧ホース固定用カバー15に形成された組付孔16をなす第1貫通孔16aを嵌める。
【0035】
図5、
図10cに示すように、油圧固定用カバー15をクランプ12に密着させた状態で地面側に下げると、第1貫通孔16aに連通した第2貫通孔16bに締結部材14が位置することになる。このとき、締結部材14を完全に締結して固定する。
【0036】
前記作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10に作動油を供給するときに形成される内部圧力によりブームシリンダ7側に遊動することになるが、これはクランプ12に固定された油圧ホース固定用カバー15の第1加圧部15aによって、載置溝11から作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の離脱を防止することができる。また、油圧ホース固定用カバー15の第2加圧部15bによって、ブームシリンダ7側に遊動される作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10とブームシリンダ固定部材13(ブームシリンダ用固定ピン及びボス等をいう)との接触を遮断することができる。これによって、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10がブームシリンダ用固定ピンに引っかかって、もつれることを防止することができる。また、油圧ホース固定用カバー15によって、ブームサポータ4の上方に露出する作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10を外部の衝撃から保護することができる。
【0037】
図6、7に示すように、前記ブームサポータ4の底面に作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が通過するように形成されたガイド部20に油圧ホース保護用カバー18を締結部材17によって固定する。これによって、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が上部フレーム1の前面に形成された貫通孔19を通過してブームサポータ4のガイド部20を経由することによって、ブームサポータ4の下方に露出する作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10を外部の衝撃から保護することができる。
【0038】
図11に示すように、ブーム、アーム等の作業装置用油圧ホース9を備えて、追加されるオプション装置用油圧ホース10をブームサポータ4内の指定された位置に配列することができるため、ユーザの所望に応じて様々な種類のオプション装置が追加されても、追加のオプション装置用油圧ホースを配列するにおいて、所要作業時間を短縮することができる。
【0039】
図8aに示すように、前記ブームスイングシリンダ8の駆動初期状態において、ブーム6が掘削機の前後方向と同じ方向に位置するとき、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が上部フレーム1の貫通孔19を通過した後、撓みのない状態でブームサポータ4のガイド部20に沿ってブームサポータ4に流入することになる。
【0040】
図8bに示すように、前記ブームスイングシリンダ8の伸長駆動によって、ブーム6が掘削機の右側方向(掘削機の正面を基準にする)に最大角度で旋回する。このとき、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が上部フレーム1の貫通孔19を通過後、図において右側方向に撓んだ状態でブームサポータ4のガイド部20に沿ってブームサポータ4内に流入する。これによって、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の撓みが緩和する。
【0041】
図8cに示すように、前記ブームスイングシリンダ8の収縮駆動によって、ブーム6が掘削機の左側方向(掘削機の正面を基準にする)に最大角度で旋回する。このとき、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10が上部フレーム1の貫通孔19を通過後、図において左側方向に撓んだ状態でブームサポータ4のガイド部20に沿ってブームサポータ4内に流入する。これによって、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の撓みが緩和する。
【0042】
図8a、b、cに示すように、前記作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10を、ブームサポータ4内に取り付けられたクランプ12によって予め定められた位置に配列させることにより、ブーム6をブームスイングシリンダ8の駆動により左側または右側方向に設定された最大角度で旋回させるときにも、作業装置用油圧ホース9及びオプション装置用油圧ホース10の緩やかな遊動を誘導して、過度な撓みを防止することができる。
【0043】
上述したような構成を有する本発明によれば、作業装置用油圧ホース及びオプション装置用油圧ホースがブームサポータの下端部を経由して、この内部に取り付けられたクランプの予め定められた位置に配列されることにより、追加のオプション装置による油圧ホースの配列が良好になる。また、ブームが設定された最大角度で旋回するときにも、油圧ホースが緩やかに遊動する。ユーザが所望する様々な種類のオプション装置が追加されるときにも、ブームサポータの定められた位置に該当油圧ホースを配列することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 上部フレーム
4 ブームサポータ
5、21 固定ピン
6 ブーム
7 ブームシリンダ
8 ブームスイングシリンダ
9 作業装置用油圧ホース
10 オプション装置用油圧ホース
11 載置溝
12 クランプ
13 ブームシリンダ固定部材
14、17 締結部材
15 油圧ホース固定用カバー
16 組付孔
18 油圧ホース保護用カバー
19 貫通孔
20 ガイド部