(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記液化ガス輸送用車両が、駆動力を有する牽引車と、この牽引車に牽引される、駆動力を有さない台車と、この台車に載置された、上記タンクを収容したコンテナとからなり、上記電動ポンプが上記台車に搭載され、上記電源が上記牽引車または上記コンテナに搭載されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液化ガス輸送用車両。
【背景技術】
【0002】
液体窒素,液体酸素,液体アルゴン,液化天然ガス(LNG),液化石油ガス(LPG)等の液化ガスは、その液化ガスを製造する製造所から、その液化ガスを必要とする企業等の需要者まで、様々な輸送手段で輸送される。その輸送手段の一つとして、例えば、タンクローリ等の液化ガス輸送用車両があげられる。その液化ガス輸送用車両は、
図15(a)に示すように、液化ガスを収容するタンクTと、このタンクT内の液化ガスを外部に送出する電動ポンプPとを備えている。その電動ポンプPは、ポンプ本体P
0 と、そのポンプ本体P
0 を駆動する駆動モータM
0 とからなっている。なお、
図15(a)において、符号Eは、駆動輪(タイヤ)Wに回転力を与えるエンジン、符号Gは、そのエンジンEの動力を利用して駆動する発電機(オルタネータ)、符号B
0 は、その発電機(オルタネータG)と電気的に接続され(図の破線1参照)、その発電機(オルタネータG)で発電した電気を蓄電する鉛蓄電池(バッテリ)である。
【0003】
また、このような、エンジンEのみで駆動する上記液化ガス輸送用車両の他に、最近では、
図15(b)に示すような、プラグインハイブリッドを採用する液化ガス輸送用車両も提案されている。このものは、エンジンEと動力モータM
1 とが直列に接続され、そのいずれかまたは両方の動力により、駆動輪(タイヤ)Wに回転力を与えるようになっている。上記動力モータM
1 は、リチウムイオン二次電池B
1 と電気的に接続され(図の破線2参照)、そのリチウムイオン二次電池B
1 からの電力により回転駆動するようになっている。また、上記動力モータM
1 が駆動輪(タイヤ)Wに回転力を与えていない状態でも、その動力モータM
1 は、エンジンEの回転を利用して回転しており、その回転により、発電するようになっている(発電機として作用する)。さらに、ブレーキ時でも、上記動力モータM
1 は、回生エネルギーを得るよう発電する(発電機として作用する)ようになっている。そして、それらにより発電した電気は、上記リチウムイオン二次電池B
1 に蓄電されるようになっている。なお、液化ガスを収容するタンクTおよびこのタンクT内の液化ガスを外部に送出する電動ポンプPは、
図15(a)に示す上記液化ガス輸送用車両と同様である。
【0004】
上記液化ガス輸送用車両による液化ガスの輸送は、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、上記製造所において、製造された液化ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクTに充填する。ついで、その液化ガス輸送用車両を上記需要者(企業等)が所有する貯蔵所まで走行させる。その後、その貯蔵所において、上記電動ポンプPの駆動モータM
0 と、その貯蔵所に備えられている電源(交流電源)20とを電気的に接続し〔
図15(a),(b)に示す一点鎖線21参照
〕、上記電動ポンプPを駆動させ(例えば、特許文献1の
図2参照)、上記液化ガス輸送用車両のタンクT内の液化ガスを送出し、上記貯蔵所の貯蔵タンクに移す。このようにして、液化ガスの輸送が完了する。
【0005】
一方、上記液化ガス輸送用車両として、上記電動ポンプPを備えていないもの(加圧式のもの)も、従来より用いられている。この液化ガス輸送用車両でのタンクT内の液化ガスの送出は、そのタンクT内の圧力を上げ、上記貯蔵所の貯蔵タンク内の圧力を下げ、両者の圧力差を利用して行われる。そして、その送出を終えた後は、液化ガス輸送用車両のタンクT内の圧力を元の状態(大気圧程度)に下げ、上記貯蔵所の貯蔵タンク内の圧力を元の状態に上げることが行われる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の液化ガス輸送用車両の第1
参考形態を示している。この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図15(a)に示す従来の液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源としてリチウムイオン二次電池B
2 を搭載し、既設の発電機(オルタネータG)に電気的に接続した(図の破線3参照)ものである。また、上記リチウムイオン二次電池B
2 は直流電源であるのに対し、上記既設の電動ポンプPの駆動モータM
0 は、交流電源用であるため、上記リチウムイオン二次電池B
2 と上記電動ポンプPの駆動モータM
0 との間に、インバータを含む制御装置Cを設け、その制御装置Cを上記リチウムイオン二次電池B
2 と上記電動ポンプPの駆動モータM
0 とに電気的に接続している(図の破線4,5参照)。それ以外の部分は、
図15(a)に示す従来の液化ガス輸送用車両と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。なお、この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、それ自体が、駆動力(駆動輪W)と、液化ガス収容タンクTを搭載した荷台Nとを有するものである。
【0017】
この第1
参考形態の液化ガス輸送用車両による液化ガスの輸送方法の一例について説明する。この例では、液化天然ガス等の液化ガスを製造する製造所に、予め、電気自動車用の充電器10を設置しておく。そして、まず、上記製造所において、製造された液化ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクTに充填するとともに、上記充電器10で上記リチウムイオン二次電池B
2 を充電する(図の二点鎖線11参照)。ついで、その液化ガス輸送用車両を上記液化ガスの需要者(企業等)が所有する貯蔵所まで走行させる。この走行中において、上記発電機(オルタネータG)で発電された電気を、上記既設の鉛蓄電池(バッテリ)B
0 および上記リチウムイオン二次電池B
2 に蓄電する。その後、その貯蔵所において、上記リチウムイオン二次電池B
2 の電力により上記電動ポンプPを駆動させ、上記液化ガス輸送用車両のタンクT内の液化ガスを送出し、上記貯蔵所の貯蔵タンクに移す。このようにして、液化ガスの輸送が完了する。
【0018】
このように、この第1
参考形態の液化ガス輸送用車両では、上記貯蔵所の電源20〔
図15(a)参照〕を利用することなく、この車両自体に搭載した上記リチウムイオン二次電池B
2 の電力を利用して、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。なお、上記リチウムイオン二次電池B
2 は、上記製造所での充電器10による充電と、走行中での発電機(オルタネータG)の発電による蓄電との両方により、充電率を100%にすることが好ましい。
【0019】
より詳しく説明すると、上記リチウムイオン二次電池B
2 としては、例えば、電気自動車用のもの(例えば、GSユアサ社製のLEV50)等があげられる。
【0020】
上記リチウムイオン二次電池B
2 を充電する充電器10としては、例えば、電気自動車用のもの等があげられ、急速充電器(例えば、高砂製作所社製のTQVC500M3またはTQVC200M3)でもよいし、普通の充電速度の普通充電器でもよい。
【0021】
上記制御装置Cのインバータとしては、例えば、一般産業用のもの等があげられる。
【0022】
上記既設の電動ポンプPの駆動モータM
0 は、上記液化ガス輸送用車両のタンクTの容量に応じて、7.5〜30kW程度のものが用いられており、例えば、東芝社製のFCKLW21等があげられる。
【0023】
図2は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
2参考形態を示している。この参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図1に示す第1
参考形態の液化ガス輸送用車両において、既設の鉛蓄電池(バッテリ)B
0 を取り外し、発電機(オルタネータG)で発電された電気を上記リチウムイオン二次電池B
2 のみに蓄電するようにしたものである。それ以外の部分は、上記第1
参考形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
そして、液化ガスの輸送については、この第
2参考形態においても、上記第1
参考形態と同様、上記貯蔵所において、上記電動ポンプPの駆動に上記リチウムイオン二次電池B
2 の電力が利用され、上記貯蔵所の電源20〔
図15(a)参照〕を利用することなく、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。
【0025】
図3は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
1の実施の形態を示している。この実施の形態の液化ガス輸送用車両は、
図15(b)に示すプラグインハイブリッドを採用する液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源として第2のリチウムイオン二次電池B
2 を搭載するとともに、その第2のリチウムイオン二次電池B
2 に既設の発電機(動力モータM
1 )を電気的に接続した(図の破線6参照)ものである。なお、駆動輪(タイヤ)Wに回転力を与える動力モータM
1 用の既設の(第1の)リチウムイオン二次電池B
1 も、上記電動ポンプP用の第2のリチウムイオン二次電池B
2 も、前記電気自動車用のもの(例えば、GSユアサ社製のLEV50)等が用いられる。
【0026】
そして、この第
1の実施の形態の液化ガス輸送用車両による液化ガスの輸送方法の一例としては、まず、上記製造所において、製造された液化ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクTに充填するとともに、上記充電器10で上記第1および第2のリチウムイオン二次電池B
1 ,B
2 を充電する(図の二点鎖線11参照)。ついで、その液化ガス輸送用車両を上記液化ガスの需要者(企業等)が所有する貯蔵所まで走行させ、この走行中に、上記発電機(動力モータM
1 )で発電された電気を、上記第1および第2のリチウムイオン二次電池B
1 ,B
2 に蓄電する。その後、その貯蔵所において、上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 からの電力により上記電動ポンプPを駆動させ、上記液化ガス輸送用車両のタンクT内の液化ガスを送出し、上記貯蔵所の貯蔵タンクに移す。このようにして、液化ガスの輸送が完了する。
【0027】
このように、この第
1の実施の形態においても、上記貯蔵所の電源20〔
図15(b)参照〕を利用することなく、搭載した上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 の電力を利用して、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。なお、上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 は、上記製造所での充電器10による充電と、走行中での発電機(動力モータM
1 )の発電による蓄電との両方により、充電率を100%にすることが好ましい。
【0028】
図4は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
3参考形態を示している。この参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図3に示す第
1の実施の形態の液化ガス輸送用車両において、既設の第1のリチウムイオン二次電池B
1 を取り外し、発電機(動力モータM
1 )で発電された電気を上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 のみに蓄電するようにしたものである。それ以外の部分は、上記第
1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0029】
そして、液化ガスの輸送については、この第
3参考形態においても、上記第
1の実施の形態と同様、上記貯蔵所において、上記電動ポンプPの駆動に上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 の電力が利用され、上記貯蔵所の電源20〔
図15(b)参照〕を利用することなく、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。
【0030】
図5は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
4参考形態を示している。この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、エンジンEおよび駆動力(駆動輪W)を有するトラクタヘッド(牽引車)Kと、このトラクタヘッドKに牽引される、駆動力を有さないトレーラシャシ(台車)Dと、このトレーラシャシDに載置された、上記タンクTおよび上記電動ポンプPを収容したコンテナSとを備えた従来の液化ガス輸送用車両に、その電動ポンプPの電源となる上記リチウムイオン二次電池B
2 を上記コンテナSに搭載したものである。それ以外の部分は、上記第1
参考形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第1
参考形態と同様の作用・効果を奏する。
【0031】
図6は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
5参考形態を示している。この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図5に示す第
4参考形態の液化ガス輸送用車両において、上記リチウムイオン二次電池B
2 を上記トラクタヘッドKに搭載したものである。それ以外の部分は、上記第
4参考形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第
4参考形態と同様の作用・効果を奏する。
【0032】
図7は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
6参考形態を示している。この参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図6に示す第
5参考形態の液化ガス輸送用車両において、既設の鉛蓄電池(バッテリ)B
0 を取り外し、発電機(オルタネータG)で発電された電気を上記リチウムイオン二次電池B
2 のみに蓄電するようにしたものである。それ以外の部分は、上記第
5参考形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0033】
図8は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
2の実施の形態を示している。この実施の形態の液化ガス輸送用車両は、プラグインハイブリッドを採用する液化ガス輸送用車両であり、エンジンE,動力モータM
1 ,動力モータM
1 用の既設の(第1の)リチウムイオン二次電池B
1 および駆動力(駆動輪W)を有するトラクタヘッドKと、このトラクタヘッドKに牽引される、駆動力を有さないトレーラシャシDと、このトレーラシャシDに載置された、上記タンクTおよび上記電動ポンプPを収容したコンテナSとを備えた液化ガス輸送用車両に、その電動ポンプPの電源となる(第2の)リチウムイオン二次電池B
2 を上記コンテナSに搭載するとともに、その第2のリチウムイオン二次電池B
2 に既設の発電機(動力モータM
1 )を電気的に接続したものである。それ以外の部分は、上記第
1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第
1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0034】
図9は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
3の実施の形態を示している。この実施の形態の液化ガス輸送用車両は、
図8に示す第
2の実施の形態の液化ガス輸送用車両において、上記リチウムイオン二次電池B
2 を上記トラクタヘッドKに搭載したものである。それ以外の部分は、上記第
2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第
2の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0035】
図10は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
7参考形態を示している。この参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図9に示す第
3の実施の形態の液化ガス輸送用車両において、既設の第1のリチウムイオン二次電池B
1 を取り外し、発電機(動力モータM
1 )で発電された電気を上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 のみに蓄電するようにしたものである。それ以外の部分は、上記第
3の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0036】
図11は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
8参考形態を示している。この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図15(a)に示す従来の液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源としてリチウムイオン二次電池B
2 を搭載したものである〔すなわち、
図1に示す第1
参考形態において、上記リチウムイオン二次電池B
2 と既設の発電機(オルタネータG)とを電気的に接続していないものである〕。それ以外の部分は、
図15(a)に示す従来の液化ガス輸送用車両と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0037】
そして、液化ガスの輸送については、まず、上記第1
参考形態と同様、上記製造所において、製造された液化ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクTに充填するとともに、上記充電器10で上記リチウムイオン二次電池B
2 を充電する(図の二点鎖線11参照)。そして、上記貯蔵所において、上記電動ポンプPの駆動に上記リチウムイオン二次電池B
2 の電力が利用され、上記貯蔵所の電源20〔
図15(a)参照〕を利用することなく、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。
【0038】
図12は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
4の実施の形態を示している。この実施の形態の液化ガス輸送用車両は、
図15(b)に示す従来の液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源として第2のリチウムイオン二次電池B
2 を搭載したものである〔すなわち、
図3に示す第
1の実施の形態において、上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 と既設の発電機(動力モータM
1 )とを電気的に接続していないものである〕。それ以外の部分は、
図15(b)に示す従来の液化ガス輸送用車両と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0039】
そして、液化ガスの輸送については、まず、上記第
1の実施の形態と同様、上記製造所において、製造された液化ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクTに充填するとともに、上記充電器10で上記第1および第2のリチウムイオン二次電池B
1 ,B
2 を充電する(図の二点鎖線11参照)。そして、上記貯蔵所において、上記電動ポンプPの駆動に上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 の電力が利用され、上記貯蔵所の電源20〔
図15(a)参照〕を利用することなく、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができる。
【0040】
図13は、本発明の液化ガス輸送用車両の第9
参考形態を示している。この
参考形態の液化ガス輸送用車両は、
図5に示す第
4参考形態において、リチウムイオン二次電池B
2 と既設の発電機(オルタネータG)とを電気的に接続していないものである(すなわち、従来のトレーラ型の液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源として上記リチウムイオン二次電池B
2 を搭載したものである)。それ以外の部分は、上記第
4参考形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第
8参考形態と同様にして、液化ガスの輸送を行うことができる。
【0041】
図14は、本発明の液化ガス輸送用車両の第
5の実施の形態を示している。この実施の形態の液化ガス輸送用車両は、
図8に示す第
2の実施の形態において、第2のリチウムイオン二次電池B
2 と既設の発電機(動力モータM
1 )とを電気的に接続していないものである(すなわち、プラグインハイブリッドを採用するトレーラ型の液化ガス輸送用車両に、既設の電動ポンプPを駆動させるための電源として上記第2のリチウムイオン二次電池B
2 を搭載したものである)。それ以外の部分は、上記第
2の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、上記第
4の実施の形態と同様にして、液化ガスの輸送を行うことができる。
【0042】
なお、上記各実施の形態
および各参考形態では、電動ポンプPの電源として、リチウムイオン二次電池B
2 を用いたが、充電も放電も可能なものであれば、他の電源でもよく、例えば、ニッケル水素二次電池を用いてもよいし、キャパシタを用いてもよいし、それら二次電池とキャパシタの両方を併用してもよい。
【0043】
また、上記各実施の形態
および各参考形態では、電動ポンプPの駆動モータM
0 として、既設の交流電源用のものを用いたが、その駆動モータM
0 の電源としてリチウムイオン二次電池(直流電源)B
2 を利用することから、その駆動モータM
0 を直流電源用のものに換えてもよい。この場合、駆動モータM
0 に電気的に接続されている制御装置Cに、交流・直流変換器は不要となる。そして、上記直流電源用の駆動モータM
0 としては、例えば、明電舎社製のYCD221/101,YCD221/231,またはピューズ社製のLW15等があげられる。
【0044】
さらに、上記各実施の形態
および各参考形態では、液化ガスの製造所に、リチウムイオン二次電池B
2 を充電するための充電器10を設置したが、設置しなくてもよい。その場合は、走行中における発電機(オルタネータG,動力モータM
1 )での発電により、上記リチウムイオン二次電池B
2 を充電するようにする。
【0045】
また、上記第
2の実施の形態
および第4参考形態では、電動ポンプPの電源となるリチウムイオン二次電池B
2 をコンテナSに搭載し、上記第
3の実施の形態および第
5,第6参考形態では、そのリチウムイオン二次電池B
2 をトラクタヘッドKに搭載したが、それら
第2,第3の実施の形態および第
4〜第6参考形態では、上記リチウムイオン二次電池B
2 をトレーラシャシDに搭載してもよい。
【0046】
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0047】
〔
参考例1〕
〔液化ガス輸送用車両〕
日野自動車社製のエンジン駆動のトラック(20トン車)に、容量13000リットルのタンクと、電動ポンプ(駆動モータ:東芝社製、FCKLW21)とを備えた従来の液化ガス輸送用車両に、
図1に示す第1
参考形態と同様にして、上記電動ポンプ用の電源としてリチウムイオン二次電池(GSユアサ社製、LEV50)およびインバータを含む制御装置を搭載した。
【0048】
〔液化ガスの輸送〕
液化天然ガスを製造する製造所において、製造された液化天然ガスを上記液化ガス輸送用車両のタンクに充填するとともに、急速充電器(高砂製作所社製、TQVC500M3)で上記リチウムイオン二次電池を、充電率が80%となるよう充電した。ついで、その液化ガス輸送用車両を需要者の貯蔵所まで300km走行させた。この走行中に、上記液化ガス輸送用車両に既設の発電機(オルタネータ)の発電により、上記リチウムイオン二次電池は充電され、充電率が100%となった。その後、上記貯蔵所において、上記リチウムイオン二次電池の電力により上記電動ポンプを駆動させ、上記液化ガス輸送用車両のタンク内の液化ガスを送出し、上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すことができた。この輸送完了時における上記リチウムイオン二次電池の充電率は20%であった。
【0049】
〔参考例
2〕
また、上記
参考例1において、既設の鉛蓄電池(バッテリ)を取り外し、上記発電機(オルタネータ)で発電された電気を上記リチウムイオン二次電池のみに蓄電するようにした(
図2に示す第
2参考形態参照)。このような液化ガス輸送用車両を用いて、上記
参考例1と同様にして液化ガスを輸送した。その結果、上記電動ポンプの駆動に、上記貯蔵所の電源を利用するのではなく、上記リチウムイオン二次電池の電力を利用して、輸送してきた液化ガスを上記貯蔵所のタンクに移すことができた。また、上記液化ガス輸送用車両のタンクから上記貯蔵所の貯蔵タンクに移すのに、約70分の時間を要したが、従来の加圧式の場合の約90分よりも時間を短縮できた。