(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜12のいずれかに記載のカチオン性脂質と核酸との複合粒子、または該カチオン性脂質に中性脂質および/または高分子を組み合わせたものと核酸との複合粒子を含有する医薬組成物。
請求項1〜12のいずれかに記載のカチオン性脂質と核酸との複合粒子、または該カチオン性脂質に中性脂質および/または高分子を組み合わせたものと核酸との複合粒子および該複合粒子を封入する脂質膜から構成された脂質微粒子を含有する医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
【化2】
(式中、R
1およびR
2は同一または異なって炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニルまたはアルキニルであるか、またはR
1およびR
2が一緒になってジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレン、ジアルキニルメチレンもしくはアルキルアルケニルメチレンを形成し、
X
1およびX
2は水素原子であるか、または一緒になって単結合もしくはアルキレンを形成し、
X
3は存在しないか、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数3〜6のアルケニルであり、
X
3が存在しない場合には、
Yも存在せず、aおよびbは0であり、L
3は単結合であり、R
3は炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであり、L
1およびL
2は-O-であるか、
Yも存在せず、aおよびbは、同一または異なって0〜3であり、かつaとbがともに0ではなく、L
3は単結合であり、R
3は炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであり、L
1およびL
2は同一または異なって-O-、-CO-O-または-O-CO-であるか、
Yも存在せず、aおよびbは、同一または異なって0〜3であり、L
3は単結合であり、R
3は水素原子であり、L
1およびL
2は同一または異なって-O-、-CO-O-または-O-CO-であるか、または
Yも存在せず、aおよびbは、同一または異なって0〜3であり、L
3は-CO-または-CO-O-であり、R
3はピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであり、該置換基の少なくとも1つは、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ピロリジニル、ピペリジルまたはモルホリニルであり、L
1およびL
2は同一または異なって-O-、-CO-O-または-O-CO-であり、
X
3が炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数3〜6のアルケニルの場合には、
Yは製薬上許容し得る陰イオンであり、aおよびbは、同一または異なって0〜3であり、L
3は単結合であり、R
3は炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであり、L
1およびL
2は同一または異なって-O-、-CO-O-または-O-CO-である)で表される。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)ということもある。他の式番号の化合物についても同様である。
【0011】
式(I)の各基の定義において、炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキルとしては、例えばドデシル、トリデシル、テトラデシル、2,6,10-トリメチルウンデシル、ペンタデシル、3,7,11-トリメチルドデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、6,10,14-トリメチルペンタデカン-2-イル、ノナデシル、2,6,10,14-テトラメチルペンタデシル、イコシル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル等があげられる
【0012】
炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルケニルとしては、1〜3つの2重結合を含む炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルケニルであればよく、例えば(Z)-トリデカ-8-エニル、(Z)-テトラデカ-9-エニル、(Z)-ペンタデカ-8-エニル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-ヘプタデカ-5-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-ヘプタデカ-8-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(E)-ヘプタデカ-8-エニル、(E)-オクタデカ-9-エニル、(Z)-ヘプタデカ-10-エニル、(Z)-オクタデカ-11-エニル、(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル、(8Z,11Z,14Z)-オクタデカ-8,11,14-トリエニル、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエニル、(Z)-ノナデカ-10-エニル、(Z)-イコサ-11-エニル、(10Z,13Z)-ノナデカ-10,13-ジエニル、(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル、2,6,10-トリメチルウンデカ-1,5,9-トリエニル、3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエニル、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ-1-エニル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エニル、好ましくは(Z)-ペンタデカ-8-エニル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-ヘプタデカ-5-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-ヘプタデカ-8-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル等があげられる。
【0013】
炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキニルとしては、1〜3つの3重結合を含む炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキニルであればよく、例えばドデカ-11-イニル、トリデカ-12-イニル、ペンタデカ-6-イニル、ヘキサデカ-7-イニル、ペンタデカ-4,6-ジイニル、ヘキサデカ-5,7-ジイニル、ヘプタデカ-8-イニル、オクタデカ-9-イニル等があげられる。
【0014】
アルキレンとしては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン等があげられる。
【0015】
炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等があげられ、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等があげられ、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル等があげられる。
【0016】
炭素数3〜6のアルケニルとしては、例えばアリル、1-プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等があげられ、好ましくはアリル等があげられる。
【0017】
置換された炭素数1〜6のアルキルにおけるアルキル部分および置換された炭素数3〜6のアルケニルにおけるアルケニル部分としては、それぞれ前記炭素数1〜6のアルキルおよび炭素数3〜6のアルケニルと同義である。
【0018】
ジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレン、ジアルキニルメチレンもしくはアルキルアルケニルメチレンにおけるアルキル、アルケニルおよびアルキニル部分は、それぞれ前記炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキル、炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルケニルおよび炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキニルと同義である。なお、ジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレンおよびジアルキニルメチレンにおけるアルキル、アルケニルおよびアルキニル部分は、それぞれ同一であることがさらに好ましい。
【0019】
本発明において、製薬上許容し得る陰イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどの無機イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、安息香酸イオン、メタンスルホン酸イオンなどの有機酸イオン等があげられる。
【0020】
本発明において、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イルおよびモルホリン-3-イルは、それぞれ、環中の窒素原子上に結合した水素原子が、メチルまたはエチルに変換されたものを包含する。
【0021】
モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノとしては、それぞれ1および同一もしくは異なって2つの、炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)または、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)で置換されたアミノであればよく、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ブチルメチルアミノ、メチルペンチルアミノ、ヘキシルメチルアミノ、アミノエチルアミノ、アミノプロピルアミノ、(アミノエチル)メチルアミノ、ビス(アミノエチル)アミノ等があげられ、好ましくはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アミノプロピルアミノ、ビス(アミノエチル)アミノ等があげられる。
本発明において、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノは、それぞれ、窒素原子上の孤立電子対に、水素イオンが配位して、アンモニオ、モノアルキルアンモニオおよびジアルキルアンモニオを形成していてもよく、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノは、それぞれアンモニオ、モノアルキルアンモニオおよびジアルキルアンモニオを包含する。
【0022】
トリアルキルアンモニオとしては、同一または異なって3つの、炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)または、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)で置換されたアンモニオであればよく、例えばトリメチルアンモニオ、エチルジメチルアンモニオ、ジエチルメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、トリプロピルアンモニオ、トリブチルアンモニオ、トリペンチルアンモニオ、トリヘキシルアンモニオ、トリス(アミノエチル)アンモニオ、(アミノエチル)ジメチルアンモニオ、ビス(アミノエチル)メチルアンモニオ等があげられ、好ましくはトリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、トリス(アミノエチル)アンモニオ、(アミノエチル)ジメチルアンモニオ、ビス(アミノエチル)メチルアンモニオ等があげられる。
本発明において、アミノ、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノの窒素原子上の孤立電子対に、水素イオンが配位したアンモニオ、モノアルキルアンモニオおよびジアルキルアンモニオ、ならびにトリアルキルアンモニオは、製薬上許容し得る陰イオン(前記と同義)と塩を形成していてもよい。
【0023】
アルコキシとしては、炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)または、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)で置換されたヒドロキシであればよく、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、アミノエトキシ、メチルアミノエトキシ等があげられ、好ましくはメトキシ、エトキシ、アミノエトキシ、メチルアミノエトキシ等があげられる。
【0024】
モノアルキルカルバモイルおよびジアルキルカルバモイルとしては、それぞれ1つおよび同一もしくは異なって2つの、炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)または、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキル(前記と同義)で置換されたカルバモイルであればよく、例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル、メチルプロピルカルバモイル、ブチルメチルカルバモイル、メチルペンチルカルバモイル、ヘキシルメチルカルバモイル、アミノエチルカルバモイル、アミノプロピルカルバモイル、(アミノエチル)メチルカルバモイル、ビス(アミノエチル)カルバモイル等があげられ、好ましくはメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル等があげられる。
【0025】
なお、式(I)において、R
1およびR
2は、同一の炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニルまたはアルキニルであることがより好ましい。また、R
1およびR
2がいずれの場合も、炭素数12〜24の直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニルがより好ましい。
【0026】
また、L
1およびL
2は、同一の-O-、-CO-O-または-O-CO-であることがより好ましい。
また、L
1およびL
2の少なくとも1つが-O-である場合には、-O-に結合するR
1およびR
2は同一もしくは異なってドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、(Z)-テトラデカ-9-エニル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(E)-オクタデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-11-エニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエニル、(Z)-イコサ-11-エニル、(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル、3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエニル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エニルであるか、またはR
1およびR
2が一緒になってジアルキルメチレンもしくはジアルケニルメチレンを形成することがより好ましく、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルであるか、またはR
1およびR
2が一緒になってジ(テトラデシル)メチレン、ジ(ヘキサデシル)メチレン、ジ(オクタデシル)メチレン、ジ((Z)-ヘキサデカ-9-エニル)メチレン、ジ((Z)-オクタデカ-6-エニル)メチレン、ジ((Z)-オクタデカ-9-エニル)メチレン、ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)メチレンを形成することがさらに好ましい。なお、いずれの場合も、R
1およびR
2は、同一であるか、またはR
1およびR
2が一緒になって、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル部分が同一であるジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレンもしくはジアルキニルメチレンを形成することがさらに好ましい。
【0027】
また、L
1およびL
2の少なくとも1つがO-CO-である場合には、-O-CO-に結合するR
1およびR
2は同一もしくは異なってドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、(Z)-テトラデカ-9-エニル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(E)-オクタデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-11-エニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエニル、(Z)-イコサ-11-エニル、(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル、3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエニル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エニルであることがより好ましく、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルであることがさらに好ましい。なお、いずれの場合も、R
1およびR
2は、同一であることがさらに好ましい。
【0028】
また、L
1およびL
2の少なくとも1つが-CO-O-である場合には、-CO-O-に結合するR
1およびR
2は同一もしくは異なってトリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、ノナデシル、ヘニコシル、トリコシル、(Z)-トリデカ-8-エニル、(Z)-ペンタデカ-8-エニル、(Z)-ヘプタデカ-5-エニル、(Z)-ヘプタデカ-8-エニル、(E)-ヘプタデカ-8-エニル、(Z)-ヘプタデカ-10-エニル、(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニル、(8Z,11Z,14Z)-オクタデカ-8,11,14-トリエニル、(Z)-ノナデカ-10-エニル、(10Z,13Z)-ノナデカ-10,13-ジエニル、(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル、2,6,10-トリメチルウンデカ-1,5,9-トリエニル、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ-1-エニルであるか、またはR
1およびR
2が一緒になってジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレン、ジアルキニルメチレンもしくはアルキルアルケニルメチレンを形成することがより好ましく、トリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、(Z)-ペンタデカ-8-エニル、(Z)-ヘプタデカ-5-エニル、(Z)-ヘプタデカ-8-エニル、(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニルであることがさらに好ましい。なお、いずれの場合も、R
1およびR
2は、同一であるか、またはR
1およびR
2が一緒になって、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル部分が同一であるジアルキルメチレン、ジアルケニルメチレンもしくはジアルキニルメチレンを形成することがさらに好ましい。
【0029】
また、aおよびbは、同時に0または1であることがより好ましい。
なお、aおよびbが、同時に1である場合には、X
1およびX
2は、一緒になって単結合もしくはアルキレンを形成することがより好ましい。
【0030】
また、X
1およびX
2は、一緒になって単結合もしくはアルキレンを形成することがより好ましい。なお、X
1およびX
2が、一緒になって単結合もしくはアルキレンを形成する場合には、R
3が水素原子、メチル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルがより好ましく、水素原子、メチルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、ヒドロキシもしくはカルバモイルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルがさらに好ましく、水素原子、メチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、アミノメチル、1,2-ジアミノエチル、2-アミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、5-アミノペンチル、2-カルバモイルエチル等が最も好ましい。 また、X
1およびX
2が、一緒になって単結合を形成する場合に、L
3が-CO-または-CO-O-、好ましくは-CO-であることも、本発明のより好ましい形態の1つである。この場合には、R
3がアミノメチル、1,2-ジアミノエチル、2-アミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、5-アミノペンチル等がさらに好ましく、1,2-ジアミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、1,5-ジアミノペンチルであることが最も好ましい。
また、X
1およびX
2が、一緒になって単結合を形成する場合に、aおよびbは、同一または異なって1〜3、好ましくは1であることも、本発明のより好ましい形態の1つである。この場合に、L
1およびL
2が同一の-CO-O-または-O-CO-、好ましくは-CO-O-であり、R
3がメチルであることも、本発明のさらに好ましい形態の1つであり、その場合には、R
1およびR
2は同一もしくは異なって(Z)-ヘプタデカ-8-エニルまたは(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニルであることがより好ましく、同一に(Z)-ヘプタデカ-8-エニルまたは(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニルであることが最も好ましい。
また、X
1およびX
2が、一緒になって単結合を形成する場合に、X
3が炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数3〜6のアルケニル、好ましくはメチルであることも、本発明のより好ましい形態の1つである、この場合、L
1およびL
2は同一の-CO-O-または-O-CO-であることがさらに好ましく、-CO-O-であることが最も好ましい。
【0031】
なお、X
1およびX
2が、水素原子である場合には、R
3が水素原子、メチル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルがより好ましく、水素原子、メチルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、ヒドロキシもしくはカルバモイルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルがさらに好ましく、水素原子、メチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、アミノメチル、1,2-ジアミノエチル、2-アミノエチル、1-アミノ-2-ヒドロキシエチル、1,3-ジアミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、5-アミノペンチル、2-カルバモイルエチル等が最も好ましい。
【0032】
また、L
3は単結合であることがより好ましい。なお、L
3が単結合の場合には、L
1およびL
2は-O-であることがより好ましい。
また、L
3が単結合の場合には、R
3は水素原子、メチル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであることがより好ましく、水素原子、メチル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル、アミノメチル、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、5-アミノペンチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル、2-カルバモイルエチル、2-ジメチルカルバモイルエチル、1-メチルピペリジン-4-イル等がさらに好ましく、水素原子、メチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、4-アミノブチル、5-アミノペンチル、2-カルバモイルエチル等が最も好ましく、いずれの場合も、L
1およびL
2は-O-であることがより好ましい。
なお、X
3が存在せず、Yも存在せず、L
3が単結合で、R
3が水素原子の場合には、L
1およびL
2が同一の-CO-O-または-O-CO-、好ましくは-CO-O-であることも、本発明のより好ましい形態の1つである。この場合には、R
1およびR
2は同一もしくは異なって(Z)-ヘプタデカ-5-エニルまたは(Z)-ヘプタデカ-8-エニルであることがより好ましく、同一に(Z)-ヘプタデカ-5-エニルまたは(Z)-ヘプタデカ-8-エニルであることが最も好ましい。
【0033】
なお、L
3が-CO-または-CO-O-の場合には、L
1およびL
2は同一の-CO-O-または-O-CO-であることがより好ましく、-CO-O-であることがさらに好ましい。
また、L
3が-CO-または-CO-O-の場合には、R
3はピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜6のアルキルもしくは炭素数3〜6のアルケニルであり、該置換基の少なくとも1つは、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルであることがより好ましく、R
3はアミノメチル、1,2-ジアミノエチル、2-アミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、3-アミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、4-アミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、5-アミノペンチル、(N,N-ジメチルアミノ)メチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル、1-アミノ-2-ヒドロキシエチル等がさらに好ましく、1,2-ジアミノエチル、2-アミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、3-アミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、4-アミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、5-アミノペンチル等が最も好ましい。
L
3が-CO-または-CO-O-の場合に、R
3がアミノメチル、1-ヒドロキシ-2-アミノエチル、2-アミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、3-アミノプロピル、1,4-ジアミノブチル、4-アミノブチル、1,5-ジアミノペンチル、5-アミノペンチルであり、L
1およびL
2は同一の-O-であることも、本発明のさらに好ましい形態の1つである。この場合には、R
1およびR
2は同一もしくは異なって(Z)-オクタデカ-9-エニルまたは(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルであることがより好ましく、同一に(Z)-オクタデカ-9-エニルまたは(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルであることが最も好ましい。
【0034】
また、X
3は存在しないか、メチルであることがより好ましい。X
3が、メチルである場合には、R
3はメチルであることがより好ましく、L
1およびL
2は同一の-CO-O-または-O-CO-であることがより好ましく、-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0035】
次に化合物(I)の製造法について説明する。なお、以下に示す製造法において、定義した基が該製造法の条件下で変化するかまたは該製造法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)などに記載の方法]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
【0036】
製造法1
化合物(I)のうち、L
1およびL
2が-O-であり、L
3は単結合であり、X
3およびYは存在しない、化合物(Ia)は以下の方法によって製造することができる。
【0037】
【化3】
(式中、R
1、R
2、R
3、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ等の脱離基を表す)
【0038】
工程1および2
化合物(IIb)は、化合物(IIa)と化合物(IIIa)を溶媒中、室温と150℃の間の温度で、1〜30当量の塩基存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。さらに、化合物(Ia)は、化合物(IIb)と化合物(IIIb)を溶媒中、室温と150℃の間の温度で、1〜30当量の塩基存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。
溶媒としては、例えばトルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等があげられ、これらは単独または混合して用いることができる。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウム tert-ブトキシド等があげられる。
【0039】
化合物(IIa)は、市販品または公知の方法(例えば、“ケミカル&ファーマシューティカル・ブレチン(Chem. Pharm. Bull)”, 1991年, 第39巻, p.2219、国際公開第2006/10036号パンフレット)もしくはそれぞれに準じた方法または参考例に記載の方法で得ることができる。
化合物(IIIa)および化合物(IIIb)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座13 有機化合物の合成I」、第5版、p.374、丸善(2005年))もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
R
1とR
2が同一の場合の化合物(Ia)は、工程1において、2当量以上の化合物(IIIa)を用いることで得ることができる。
【0040】
製造法2
化合物(I)のうち、L
1およびL
2が-CO-O-であり、L
3は単結合であり、X
3およびYは存在しない、化合物(Ib)は以下の方法によって製造することができる。
【0041】
【化4】
(式中、R
1、R
2、R
3、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0042】
工程3および4
化合物(IIc)は、化合物(IIa)と化合物(IVa)を溶媒中、-20℃と150℃の間の温度で、1〜30当量の縮合剤の存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。さらに、化合物(Ib)は、化合物(IIc)と化合物(IVb)を溶媒中、-20℃と150℃の間の温度で、1〜30当量の縮合剤の存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。工程3および4において、0.01〜30当量の添加剤および/または1当量〜大過剰量の塩基を加え、反応を促進させることもできる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等があげられ、これらは単独または混合して用いることができる。
縮合剤としては、例えば1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルホロホスファート、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、ヨウ化 2-クロロ-1-メチルピリジニウム等があげられる。
添加剤としては、例えば1-ヒドロキシベンズトリアゾール、4-ジメチルアミノピリジン等があげられる。
塩基としては、例えば酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等があげられる。
【0043】
化合物(IVa)および化合物(IVb)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座16 有機化合物の合成IV」、第5版、p.1、丸善(2005年))もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
R
1とR
2が同一の場合の化合物(Ib)は、工程3において、2当量以上の化合物(IVa)を用いることで得ることができる。
【0044】
製造法3
化合物(I)のうち、L
1およびL
2が-O-CO-であり、L
3は単結合であり、X
3およびYは存在しない、化合物(Ic)は以下の方法によって製造することができる。
【0045】
【化5】
(式中、R
1、R
2、R
3、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0046】
工程5および6
化合物(IIe)は、化合物(IId)と化合物(Va)を溶媒中、-20℃と150℃の間の温度で、1〜30当量の縮合剤の存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。さらに、化合物(Ic)は、化合物(IIe)と化合物(Vb)を溶媒中、-20℃と150℃の間の温度で、1〜30当量の縮合剤の存在下、5分間から100時間処理し、単離することにより製造することができる。工程5および6において、0.01〜30当量の添加剤および/または1当量〜大過剰量の塩基を加え、反応を促進させることもできる。
溶媒、縮合剤、添加剤および塩基としては、それぞれ製造法2と同じものがあげられる。
【0047】
化合物(IId)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座16 有機化合物の合成IV」、第5版、p.1、丸善(2005年))もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
化合物(Va)および化合物(Vb)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座14 有機化合物の合成II」、第5版、p.1、丸善(2005年))もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
R
1とR
2が同一の場合の化合物(Ic)は、工程5において、2当量以上の化合物(Va)を用いることで得ることができる。
【0048】
製造法4
化合物(I)のうち、L
3は単結合であり、R
3は水素原子であり、X
3およびYが存在しない、化合物(Id)は以下の方法によって製造することができる。
【0049】
【化6】
(式中、R
1、R
2、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0050】
工程7
化合物(Id)は、化合物(VI)とクロロぎ酸1-クロロエチルを不活性溶媒中で、-20℃と230 ℃の間の温度で、5分間から100時間処理し、続いて1〜大過剰量のアルコールを加えて-20℃と230 ℃の間の温度で、5分間から100時間処理することにより製造することができる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
【0051】
化合物(VI)は、製造法1、製造法2または製造法3の方法に準じた方法で得ることができる。
【0052】
製造法5
化合物(I)のうち、L
3は単結合であり、R
3は-CHR
AR
B(R
AおよびR
Bは同一または異なって水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数3〜5のアルケニル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは同一もしくは異なって1〜3つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜5のアルキルもしくは炭素数3〜5のアルケニルであるか、または隣接する炭素原子と一緒になってピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イルもしくはピペリジン-4-イルを形成し、R
AおよびR
Bがともに水素原子である場合を除き、R
AおよびR
Bのアルキル、置換されたアルキルのアルキル部分、アルケニルおよび置換されたアルケニルのアルケニル部分の炭素数の総和は1〜5であり、R
AおよびR
Bのいずれかがピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イルまたはモルホリン-3-イルである場合には、該R
AおよびR
Bのもう一方は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数3〜5のアルケニル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは同一もしくは異なって1つもしくは2つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜5のアルキルもしくは炭素数3〜5のアルケニルであり、R
AおよびR
Bが置換されたアルキルまたはアルケニルである場合には、該置換基の総数は2または3である)であり、X
3およびYが存在しない、化合物(Ie)は以下の方法によって製造することができる。
【0053】
【化7】
(式中、R
1、R
2、R
A、R
B、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0054】
工程8
化合物(Ie)は、化合物(Id)を好ましくは1〜10当量の化合物(VII)と、溶媒中、好ましくは1〜大過剰量の還元剤および必要により好ましくは1〜10当量の酸の存在下、-20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、水等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
還元剤としては、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム等があげられる。
酸としては、例えば塩酸、酢酸等があげられる。
【0055】
化合物(VII)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座15 有機化合物の合成III」、第5版、p.1、丸善(2005年)、第5版実験化学講座15 有機化合物の合成III」、第5版、p.153、丸善(2005年))もしくはそれに準じて得ることができる。
【0056】
製造法6
化合物(I)のうち、L
3が単結合で、X
3およびYが存在しない、化合物(If)は以下の方法によって製造することができる。
【0057】
【化8】
(式中、R
1、R
2、R
3、L
1、L
2、X
1、X
2、a、bおよびZはそれぞれ前記と同義である)
【0058】
工程9
化合物(If)は、化合物(Id)を、化合物(VIII)と、無溶媒でまたは溶媒中、必要により好ましくは1〜10当量の添加剤の存在下、および/または必要により好ましくは1〜10当量の塩基の存在下、-20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ピリジン、水等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert-ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)等があげられる。
添加剤としては、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラn-ブチルアンモニウム等があげられる。
【0059】
化合物(VIII)は、市販品として得られるか、または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座13 有機化合物の合成I」、第5版、p.374、丸善(2005年))もしくはそれに準じて得ることができる。
【0060】
製造法7
化合物(I)のうち、L
3が-CO-で、X
3およびYが存在しない、化合物(Ig)は以下の方法によって製造することができる。
【0061】
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
3、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0062】
工程10
化合物(Ig)は、化合物(Id)と化合物(IX)とを溶媒中で、-20℃と150℃の間の温度で、1当量〜大過剰量の縮合剤で5分間から100時間処理することにより製造することができる。このとき、必要により好ましくは0.01〜10当量の添加剤の存在下、および/または必要により好ましくは1〜大過剰量の塩基を加え、反応を促進させることもできる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
縮合剤、添加剤および塩基としては、それぞれ製造法2と同じものがあげられる。
【0063】
化合物(IX)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座16 有機化合物の合成IV」、第5版、p.1、丸善(2005年))もしくはそれに準じて得ることができる。
【0064】
製造法8
化合物(I)のうち、L
3が-CO-O-で、X
3およびYが存在しない、化合物(Ih)は以下の方法によって製造することができる。
【0065】
【化10】
(式中、R
1、R
2、R
3、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0066】
工程11
化合物(Ih)は、化合物(Id)を、化合物(X)と、無溶媒でまたは溶媒中、必要により好ましくは1〜10当量の添加剤の存在下、および/または必要により好ましくは1〜10当量の塩基の存在下、-20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒および添加剤としては、製造法2と同じものがあげられる。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等があげられる。
【0067】
化合物(X)は、市販品または公知の方法(例えば、“ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)”,1981年,第103巻,p.4194-4199)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
【0068】
製造法9
化合物(I)のうち、L
3は単結合であり、R
3は-CH
2-C(OH)R
CR
D(R
CおよびR
Dは同一または異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数3〜4のアルケニル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは同一もしくは異なって1つもしくは2つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜4のアルキルもしくは炭素数3〜4のアルケニルであり、R
CおよびR
Dがともに水素原子である場合を除き、R
CおよびR
Dのアルキル、置換されたアルキルのアルキル部分、アルケニルおよび置換されたアルケニルのアルケニル部分の炭素数の総和は1〜4であり、R
CおよびR
Dのいずれかがピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イルまたはモルホリン-3-イルである場合には、該R
CおよびR
Dのもう一方は水素原子、炭素数1〜4のアルキル、炭素数3〜4のアルケニル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルまたは1つのアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニオ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、ピロリジニル、ピペリジルもしくはモルホリニルで置換された炭素数1〜4のアルキルもしくは炭素数3〜4のアルケニルであり、R
CおよびR
Dが置換されたアルキルまたはアルケニルである場合には、該置換基の総数は2である)であり、X
3およびYが存在しない、化合物(Ii)は以下の方法によって製造することができる。
【0069】
【化11】
(式中、R
1、R
2、R
C、R
D、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0070】
工程12
化合物(Ii)は、化合物(Id)と化合物(XI)を溶媒中または無溶媒で、0℃と230 ℃の間の温度で、5分間から100時間処理することにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
【0071】
化合物(XI)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座17 有機化合物の合成V」、第5版、p.186、丸善(2005年))もしくはそれに準じて得ることができる。
【0072】
製造法10
化合物(I)のうち、L
3が単結合であり、X
3が炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数3〜6のアルケニルであり、Yが製薬上許容し得る陰イオンである化合物(Ij)は以下の方法によって製造することができる。
【0073】
【化12】
(式中、R
1、R
2、R
3、L
1、L
2、X
1、X
2、X
3、Y、a、bおよびZはそれぞれ前記と同義である)
【0074】
工程13および14
化合物(Ij-A)は、化合物(If)と化合物(XII)を溶媒中または無溶媒で、0℃と230 ℃の間の温度で、5分間から100時間処理することにより製造することができる。化合物(Ij)は、化合物(Ij-A)をY型の陰イオン交換樹脂で処理することにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ピリジン等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
【0075】
化合物(XII)は、市販品または公知の方法(例えば、第5版実験化学講座13 有機化合物の合成I」、第5版、p.374、丸善(2005年))もしくはそれに準じて得ることができる。
また、ZとYが同一の場合には、工程14を省略することにより(Ij)を製造することができる。
【0076】
製造法11
化合物(I)のうち、L
3は単結合であり、R
3は水素原子であり、X
3およびYが存在しない、化合物(Id)は以下の方法によっても製造することができる。
【0077】
【化13】
(式中、R
1、R
2、L
1、L
2、X
1、X
2、aおよびbはそれぞれ前記と同義である)
【0078】
工程15
化合物(Id)は、化合物(XIII)を、無溶媒でまたは溶媒中、好ましくは1〜大過剰量の酸の存在下、-20℃と150℃の間の温度で、5分間から100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、製造法2と同じものがあげられる。
酸としては、例えばトリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸があげられる。
【0079】
化合物(XIII)は、製造法1、製造法2または製造法3の方法に準じた方法で得ることができる。
【0080】
化合物(I)におけるR
1、R
2またはR
3に含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ 第2版(Comprehensive Organic Transformations 2nd edition)、R.C.ラロック(Larock)著、Vch Verlagsgesellschaft Mbh(1999年)等に記載の方法]でまたはそれらに準じて行うこともできる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
【0081】
化合物(I)において、構造中の窒素原子上の孤立電子対に水素イオンが配位してもよく、該窒素原子は、製薬上許容し得る陰イオン(前記と同義)と塩を形成していてもよく、化合物(I)には、該窒素原子上に孤立電子対に水素イオンが配位した化合物も包含する。なお、本発明において、X
3が存在しない場合とは、水素イオンが配位している場合も包含する。
化合物(I)の中には、幾何異性体、光学異性体等の立体異性体、互変異性体等が存在し得るものもあるが、化合物(I)には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
化合物(I)中の各原子の一部またはすべては、それぞれ対応する同位体原子で置き換わっていてもよく、化合物(I)には、これら同位体原子で置き換わった化合物も包含する。例えば、化合物(I)中の水素原子の一部またはすべては、原子量2の水素原子(重水素原子)であってもよい。
化合物(I)中の各原子の一部またはすべてが、それぞれ対応する同位体原子で置き換わった化合物は、市販のビルディングブロックを用いて、上記各製造法と同様な方法で製造することができる。また、化合物(I)中の水素原子の一部またはすべてが重水素原子で置き換わった化合物は、例えば、1)過酸化重水素を用い、塩基性条件下にカルボン酸などを重水素化する方法(米国特許第3849458号明細書参照)、2)イリジウム錯体を触媒として用い、重水を重水素源として用いてアルコール、カルボン酸などを重水素化する方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.), Vol.124,No.10,2092(2002)参照]、3)パラジウムカーボンを触媒として用い、重水素源として重水素ガスのみを用いて脂肪酸を重水素化する方法[リピッズ(LIPIDS),Vol.9,No.11, 913(1974)参照]、4)白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムなどの金属を触媒として用い、重水または重水および重水素ガスを重水素源として用いてアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特公平5-19536号公報、特開昭61-277648号公報および特開昭61-275241号公報参照)、5)パラジウム、ニッケル、銅または亜クロム酸銅などの触媒を用い、重水を重水素源として用いて、アクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特開昭63-198638号公報参照)などを用いて合成することもできる。
【0082】
本発明によって得られる化合物(I)の具体例を表1〜17に示す。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
【0100】
また、本発明で用いられる核酸としては、ヌクレオチドおよび/または該ヌクレオチドと同等の機能を有する分子が重合した分子であれば、いかなる分子であってもよく、例えばリボヌクレオチドの重合体であるRNA、デオキシリボヌクレオチドの重合体であるDNA、RNAとDNAとからなるキメラ核酸、およびこれらの核酸の少なくとも一つのヌクレオチドが該ヌクレオチドと同等の機能を有する分子で置換されたヌクレオチド重合体があげられる。また、ヌクレオチドおよび/または該ヌクレオチドと同等の機能を有する分子が重合した分子を少なくとも一つ含む誘導体も、本発明の核酸に含まれる。なお、本発明において、RNA中のウリジンUと、DNAにおいてはチミンTとは、それぞれ読み替えることができる。
【0101】
ヌクレオチドと同等の機能を有する分子としては、例えばヌクレオチド誘導体等があげられる。
ヌクレオチド誘導体としては、ヌクレオチドに修飾を施した分子であればいかなる分子であってもよいが、例えばRNAまたはDNAと比較して、ヌクレアーゼ耐性を向上させるかもしくはその他の分解因子から安定化させるため、相補鎖核酸とのアフィニティーをあげるため、細胞透過性をあげるため、または可視化させるために、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドに修飾を施した分子等が好適に用いられる。
ヌクレオチド誘導体としては、例えば糖部修飾ヌクレオチド、リン酸ジエステル結合修飾ヌクレオチド、塩基修飾ヌクレオチド等があげられる。
糖部修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドの糖の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよいが、2’-修飾ヌクレオチドが好ましく用いられる。
【0102】
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基としては、例えば、2’-シアノ、2’-アルキル、2’-置換アルキル、2’-アルケニル、2’-置換アルケニル、2’-ハロゲン、2’-O-シアノ、2’-O-アルキル、2’-O-置換アルキル、2’-O-アルケニル、2’-O-置換アルケニル、2’-S-アルキル、2’-S-置換アルキル、2’-S-アルケニル、2’-S-置換アルケニル、2’-アミノ、2’-NH-アルキル、2’-NH-置換アルキル、2’-NH-アルケニル、2’-NH-置換アルケニル、2’-SO-アルキル、2’-SO-置換アルキル、2’-カルボキシ、2’-CO-アルキル、2’-CO-置換アルキル、2’-Se-アルキル、2’-Se-置換アルキル、2’-SiH
2-アルキル、2’-SiH
2-置換アルキル、2’-ONO
2、2’-NO
2、2’-N
3、2’-アミノ酸残基(アミノ酸のカルボン酸から水酸基が除去されたもの)、2’-O-アミノ酸残基(前記アミノ酸残基と同義)があげられ、さらにペプチド核酸(PNA)[Acc. Chem. Res., 32, 624(1999)]、オキシペプチド核酸(OPNA)[J. Am. Chem. Soc., 123, 4653(2001)]、ペプチドリボ核酸(PRNA)[J. Am. Chem. Soc., 122, 6900(2000)]等もあげられる。また、2’位の修飾基が4’位の炭素原子に架橋した構造を有する架橋構造型人工核酸(Bridged Nucleic Acid)(BNA)、より具体的には、2’位の酸素原子と4’位の炭素原子がメチレンを介して架橋したロックト人工核酸(Locked Nucleic Acid)(LNA)、およびエチレン架橋構造型人工核酸(Ethylene bridged nucleic acid)(ENA)[Nucleic Acid Research, 32, e175(2004)]等も本発明における2’位において修飾基で置換されたリボースに含まれる。
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基として、2’-シアノ、2’-ハロゲン、2’-O-シアノ、2’-アルキル、2’-置換アルキル、2’-O-アルキル、2’-O-置換アルキル、2’-O-アルケニル、2’-O-置換アルケニル、2’-Se-アルキル、2’-Se-置換アルキルが好ましく、2’-シアノ、2’-フルオロ、2’-クロロ、2’-ブロモ、2’-トリフルオロメチル、2’-O-メチル、2’-O-エチル、2’-O-イソプロピル、2’-O-トリフルオロメチル、2'-O-[2-(メトキシ)エチル]、2'-O-(3-アミノプロピル)、2'-O-[2-(N,N-ジメチル)アミノオキシ]エチル、2'-O-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]、2'-O-{2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル}、2'-O-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]、2’-Se-メチル等がより好ましく、2’-O-メチル、2’-O-エチル、2’-フルオロ等がさらに好ましく、2’-O-メチル、2’-O-エチルがもっとも好ましい。
また、糖部修飾ヌクレオチドの修飾基は、その大きさから好ましい範囲を定義することもでき、フルオロの大きさから-O-ブチルの大きさに相当するものが好ましく、-O-メチルの大きさから-O-エチルの大きさに相当する大きさのものがより好ましい。
【0103】
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基におけるアルキルは、本発明のカチオン性脂質における炭素数1〜6のアルキルと同義である。
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基におけるアルケニルは、本発明のカチオン性脂質における炭素数3〜6のアルケニルと同義である。
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基におけるハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
アミノ酸残基におけるアミノ酸としては、例えば脂肪族アミノ酸(具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等)、ヒドロキシアミノ酸(具体的には、セリン、トレオニン等)、酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸等)、酸性アミノ酸アミド(具体的には、アスパラギン、グルタミン等)、塩基性アミノ酸(具体的には、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン等)、含硫アミノ酸(具体的には、システイン、シスチン、メチオニン等)、イミノ酸(具体的には、プロリン、4-ヒドロキシプロリン等)等があげられる。
糖部修飾ヌクレオチドの修飾基における置換アルキルおよび置換アルケニルの置換基としては、例えば、ハロゲン(前記と同義)、ヒドロキシ、スルファニル、アミノ、オキソ、-O-アルキル(該-O-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、-S-アルキル(該-S-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、-NH-アルキル(該-NH-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノオキシ(該ジアルキルアミノオキシの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノ(該ジアルキルアミノの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノアルキレンオキシ(該ジアルキルアミノアルキレンオキシの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義であり、アルキレン部分は前記アルキルから水素原子が1つ除かれたものを意味する)等があげられ、置換数は好ましくは1〜3である。
【0104】
リン酸ジエステル結合修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドのリン酸ジエステル結合の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよく、例えば、リン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がホスホロジチオエート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がアルキルホスホネート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がホスホロアミデート結合に置換されたヌクレオチド等があげられる。
塩基修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドの塩基の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよく、例えば、塩基内の酸素原子が硫黄原子で置換されたもの、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基で置換されたもの、メチル基が水素原子もしくは炭素数2〜6のアルキル基で置換されたもの、アミノ基が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカノイル基等の保護基で保護されたものがあげられる。
さらに、ヌクレオチド誘導体として、ヌクレオチドまたは糖部、リン酸ジエステル結合もしくは塩基の少なくとも一つが修飾されたヌクレオチド誘導体に脂質、リン脂質、フェナジン、フォレート、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、色素など、別の化学物質を付加したものもあげられ、具体的には、5’-ポリアミン付加ヌクレオチド誘導体、コレステロール付加ヌクレオチド誘導体、ステロイド付加ヌクレオチド誘導体、胆汁酸付加ヌクレオチド誘導体、ビタミン付加ヌクレオチド誘導体、Cy5付加ヌクレオチド誘導体、Cy3付加ヌクレオチド誘導体、6-FAM付加ヌクレオチド誘導体、およびビオチン付加ヌクレオチド誘導体等があげられる。
また、ヌクレオチド誘導体は、核酸内の他のヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体とアルキレン構造、ペプチド構造、ヌクレオチド構造、エーテル構造、エステル構造、およびこれらの少なくとも一つを組み合わせた構造等の架橋構造を形成してもよい。
【0105】
本発明で用いられる核酸としては、好ましくは標的遺伝子の発現を抑制する核酸があげられ、より好ましくはRNA干渉(RNAi)を利用した標的遺伝子の発現抑制作用を有する核酸があげられる。
【0106】
本発明で用いられる標的遺伝子としては、mRNAを産生して発現する遺伝子であれば特に限定されないが、例えば、腫瘍または炎症に関連する遺伝子が好ましく、例えば血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor、以下VEGFと略す)、血管内皮増殖因子受容体(vascular endothelial growth factor receptor、以下VEGFRと略す)、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子(Kruppel-like factor、以下KLFと略す)、Ets転写因子、核因子、低酸素誘導因子等のタンパク質をコードする遺伝子等があげられ、具体的にはVEGF遺伝子、VEGFR遺伝子、線維芽細胞増殖因子遺伝子、線維芽細胞増殖因子受容体遺伝子、血小板由来増殖因子遺伝子、血小板由来増殖因子受容体遺伝子、肝細胞増殖因子遺伝子、肝細胞増殖因子受容体遺伝子、KLF遺伝子、Ets転写因子遺伝子、核因子遺伝子、低酸素誘導因子遺伝子等が挙げられる。
【0107】
また、本発明で用いられる標的遺伝子としては、例えば、肝臓、肺、腎臓または脾臓において発現する遺伝子が好ましく、例えば前記の腫瘍または炎症に関連する遺伝子、B型肝炎ウイルスゲノム、C型肝炎ウイルスゲノム、アポリポタンパク質(APO)、ヒドロキシメチルグルタリル(HMG)CoA還元酵素、ケキシン 9 型セリンプロテアーゼ(PCSK9)、第12因子、グルカゴン受容体、グルココルチコイド受容体、ロイコトリエン受容体、トロンボキサンA2受容体、ヒスタミンH1受容体、炭酸脱水酵素、アンギオテンシン変換酵素、レニン、p53、チロシンホスファターゼ(PTP)、ナトリウム依存性グルコース輸送担体、腫瘍壊死因子、インターロイキン等のタンパク質をコードする遺伝子等があげられる。
【0108】
標的遺伝子の発現を抑制する核酸としては、例えば蛋白質等をコードする遺伝子(標的遺伝子)のmRNAの一部の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含み、かつ標的遺伝子の発現を抑制する核酸であれば、例えばsiRNA(short interference RNA)、miRNA(micro RNA)等の二本鎖核酸、shRNA(short hairpin RNA)等の、アンチセンス核酸、リボザイム一本鎖核酸等、いずれの核酸を用いてもよいが、二本鎖核酸が好適に用いられる。
標的遺伝子のmRNAの一部の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む核酸をアンチセンス鎖核酸といい、アンチセンス鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む核酸をセンス鎖核酸ともいう。センス鎖核酸は、標的遺伝子の一部の塩基配列からなる核酸そのもの等、アンチセンス鎖核酸と対合して二重鎖形成部ができる核酸をいう。
二本鎖核酸とは、二本の鎖が対合し二重鎖形成部を有する核酸をいう。二重鎖形成部とは、二本鎖核酸を構成するヌクレオチドまたはその誘導体が塩基対を構成して二重鎖を形成している部分をいう。二重鎖形成部を構成する塩基対は、通常15〜27塩基対であり、15〜25塩基対が好ましく、15〜23塩基対がより好ましく、15〜21塩基対がさらに好ましく、15〜19塩基対が特に好ましい。
【0109】
二重鎖形成部のアンチセンス鎖核酸としては、標的遺伝子のmRNAの一部配列からなる核酸、または該核酸において1〜3塩基、好ましくは1〜2塩基、より好ましくは1塩基が置換、欠失もしくは付加され、かつ標的蛋白質の発現抑制活性を有する核酸が好適に用いられる。二本鎖核酸を構成する一本鎖の核酸長は、通常15〜30塩基からなるが、15〜29塩基が好ましく、15〜27塩基がより好ましく、15〜25塩基がさらに好ましく、17〜23塩基が特に好ましく、19〜21塩基が最も好ましい。
二本鎖核酸を構成するアンチセンス鎖、センス鎖のいずれか一方、または両方の核酸は、二重鎖形成部に続く3’側または5’側に二重鎖を形成しない追加の核酸を有してもよい。この二重鎖を形成しない部分を突出部(オーバーハング)ともいう。
突出部を有する二本鎖核酸としては、少なくとも一方の鎖の3’末端または5’末端に1〜4塩基、通常は1〜3塩基からなる突出部を有するものが用いられるが、2塩基からなる突出部を有するものが好ましく用いられ、dTdTまたはUUからなる突出部を有するものがより好ましく用いられる。突出部は、アンチセンス鎖のみ、センス鎖のみ、およびアンチセンス鎖とセンス鎖の両方に有することができるが、アンチセンス鎖とセンス鎖の両方に突出部を有する二本鎖核酸が好ましく用いられる。
また、二重鎖形成部に続いて標的遺伝子のmRNAと一部または全てが一致する配列、または、二重鎖形成部に続いて標的遺伝子のmRNAの相補鎖の塩基配列と一致する配列を用いてもよい。さらに、標的遺伝子の発現を抑制する核酸としては、例えばDicer等のリボヌクレアーゼの作用により前記の二本鎖核酸を生成する核酸分子(国際公開第2005/089287号パンフレット)や、3’末端や5’末端の突出部を有していない二本鎖核酸などを用いることもできる。
【0110】
また、前記の二本鎖核酸がsiRNAである場合、アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って少なくとも1〜17番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列であり、好ましくは、該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜19番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する19塩基の配列と相補的な塩基の配列であるか、1〜21番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する21塩基の配列と相補的な塩基の配列であるか、1〜25番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する25塩基の配列と相補的な塩基の配列である。
【0111】
さらに、本発明で用いられる核酸がsiRNAである場合、好ましくは該核酸中の糖の10〜70%、より好ましくは15〜60%、さらに好ましくは20〜50%が、2’位において修飾基で置換されたリボースである。本発明におけるリボースの2’位において修飾基で置換されたとは、2’位の水酸基が修飾基に置換されているものを意味し、リボースの2’位の水酸基と立体配置が同じであっても異なっていてもよいが、好ましくはリボースの2’位の水酸基と立体配置が同じである。2’位において修飾基で置換されたリボースは、糖部修飾ヌクレオチドにおける2’-修飾ヌクレオチドに包含され、2’位において修飾基で置換されたリボースの修飾基は、2’-修飾ヌクレオチドの修飾基と同義である。
【0112】
本発明で用いられる核酸には、核酸の構造中のリン酸部、エステル部等に含まれる酸素原子等が、例えば硫黄原子等の他の原子に置換された誘導体を包含する。
【0113】
また、アンチセンス鎖およびセンス鎖の5’末端の塩基に結合する糖は、それぞれ5’位の水酸基が、リン酸基もしくは前記の修飾基、または生体内の核酸分解酵素等でリン酸基もしくは前記の修飾基に変換される基によって修飾されていてもよい。
また、アンチセンス鎖およびセンス鎖の3’末端の塩基に結合する糖は、それぞれ3’位の水酸基が、リン酸基もしくは前記の修飾基、または生体内の核酸分解酵素等でリン酸基もしくは前記の修飾基に変換される基によって修飾されていてもよい。
【0114】
一本鎖の核酸としては、標的遺伝子の連続する15〜27塩基、好ましくは15〜25塩基、より好ましくは15〜23塩基、さらに好ましくは15〜21塩基、特に好ましくは15〜19塩基からなる配列の相補配列からなる核酸、または該核酸において1〜3塩基、好ましくは1〜2塩基、より好ましくは1塩基が置換、欠失もしくは付加され、かつ標的蛋白質の発現抑制活性を有する核酸であればいずれでもよいが、15〜30塩基以下、好ましくは15〜29塩基、より好ましくは15〜27塩基、さらに好ましくは15〜25塩基、特に好ましくは15〜23塩基の一本鎖核酸が好適に用いられる。
一本鎖核酸として、上記の二本鎖核酸を構成するアンチセンス鎖およびセンス鎖を、スペーサー配列を介して連結してしたものを用いてもよい。スペーサーオリゴヌクレオチドとしては6〜12塩基の一本鎖核酸分子が好ましく、その5’末端側の配列は2個のUであるのが好ましい。スペーサーオリゴヌクレオチドの例として、UUCAAGAGAの配列からなる核酸があげられる。スペーサーオリゴヌクレオチドによってつながれるアンチセンス鎖およびセンス鎖の順番はどちらが5’側になってもよい。該一本鎖核酸としては、ステムループ構造によって二重鎖形成部を有するshRNA等の一本鎖核酸であることが好ましい。shRNA等の一本鎖核酸は、通常50〜70塩基長である。
リボヌクレアーゼ等の作用により、上記の一本鎖核酸または二本鎖核酸を生成するように設計した、70塩基長以下、好ましくは50塩基長以下、さらに好ましくは30塩基長以下の核酸を用いてもよい。
【0115】
なお、本発明で用いられる核酸は、既知のRNAまたはDNA合成法およびRNAまたはDNA修飾法を用いて製造すればよい。例えば北海道システムサイエンス株式会社等に化学合成を依頼して得ることができる。
【0116】
本発明の組成物としては、例えば本発明のカチオン性脂質と核酸との複合粒子、または本発明のカチオン性脂質に中性脂質および/または高分子を組み合わせたものと核酸との複合粒子を含有する組成物、該複合粒子および該複合粒子を封入する脂質膜から構成された脂質微粒子等があげられる。該脂質微粒子としては、該複合粒子および該複合粒子を封入する脂質二重膜から構成されたリポソームを含有する組成物等があげられる。該複合粒子としては、核酸と脂質二重層からなる膜との複合体、核酸とリポソームとの複合体、核酸とミセルとの複合体等があげられ、好ましくは核酸とミセルとの複合体または核酸とリポソームとの複合体があげられる。
【0117】
本発明における組成物は、公知の製造方法またはそれに準じて製造することができ、いかなる製造方法で製造されたものであってよい。例えば、組成物の1つであるリポソームの製造には、公知のリポソームの調製方法が適用できる。公知のリポソームの調製方法としては、例えばバンガム(Bangham)らのリポソーム調製法[“ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)”,1965年,第13巻,p.238-252参照]、エタノール注入法[“ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(J.Cell Biol.)”,1975年,第66巻,p.621-634参照]、フレンチプレス法[“エフイービーエス・レターズ(FEBS Lett.)”,1979年,第99巻,p.210-214参照]、凍結融解法[“アーカイブス・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch.Biochem.Biophys.)”,1981年,第212巻,p.186-194参照]、逆相蒸発法[“プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)”,1978年,第75巻, p.4194-4198参照]またはpH勾配法(例えば特許第2572554号公報、特許第2659136号公報等参照)等があげられる。リポソームの製造の際にリポソームを分散させる溶液としては、例えば水、酸、アルカリ、種々の緩衝液、生理的食塩液またはアミノ酸輸液等を用いることができる。また、リポソームの製造の際には、例えばクエン酸、アスコルビン酸、システインまたはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等の抗酸化剤、例えばグリセリン、ブドウ糖または塩化ナトリウム等の等張化剤等の添加も可能である。また、脂質等を例えばエタノール等の有機溶媒に溶解し、溶媒を留去した後、生理食塩水等を添加、振とう撹拌し、リポソームを形成させることによってもリポソームを製造することができる。
【0118】
また、本発明の組成物は、例えば、本発明のカチオン性脂質をクロロホルムに予め溶解し、次いで核酸の水溶液とメタノールを加えて混合してカチオン性脂質/核酸の複合体を形成させ、さらにクロロホルム層を取り出し、これにポリエチレングリコール化リン脂質と中性の脂質と水を加えて油中水型(W/O)エマルジョンを形成し、逆相蒸発法で処理して製造する方法(特表2002-508765号公報参照)や、核酸を、酸性の電解質水溶液に溶解し、脂質(エタノール中)を加え、エタノール濃度を20v/v%まで下げて前記核酸内包リポソームを調製し、サイジングろ過し、透析によって、過剰のエタノールを除去した後、試料をさらにpHを上げて透析してリポソーム表面に付着した核酸を除去して製造する方法(特表2002-501511号公報およびバイオキミカ・エト・バイオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta),2001年,第1510巻,p.152-166参照)等によって製造することができる。
本発明の組成物のうち、本発明のカチオン性脂質と核酸との複合粒子、または本発明のカチオン性脂質に中性脂質および/または高分子を組み合わせたものと核酸との複合粒子および該複合粒子を封入した脂質二重膜から構成されたリポソームは、例えば、国際公開第02/28367号パンフレットおよび国際公開第2006/080118号パンフレット参照等に記載の製造方法に従って製造することができる。
【0119】
中性脂質としては、単純脂質、複合脂質または誘導脂質のいかなるものであってもよく、例えばリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴイドまたはステロール等があげられるがこれらに限定されない。
【0120】
中性脂質におけるリン脂質としては、例えばホスファチジルコリン(具体的には大豆ホスファチジルコリン、卵黄ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)等)、ホスファチジルエタノールアミン(具体的にはジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、16-0-モノメチルPE、16-0-ジメチルPE、18-1-トランスPE、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、1 -ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(SOPE)等)、グリセロリン脂質(具体的にはホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、リゾホスファチジルコリン等)、スフィンゴリン脂質(具体的にはスフィンゴミエリン、セラミドホスホエタノールアミン、セラミドホスホグリセロール、セラミドホスホグリセロリン酸等)、グリセロホスホノ脂質、スフィンゴホスホノ脂質、天然レシチン(具体的には卵黄レシチン、大豆レシチン等)または水素添加リン脂質(具体的には水素添加大豆ホスファチジルコリン等)等の天然または合成のリン脂質があげられる。
【0121】
中性脂質におけるグリセロ糖脂質としては、例えばスルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリドまたはグリコシルジグリセリド等があげられる。
【0122】
中性脂質におけるスフィンゴ糖脂質としては、例えばガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシドまたはガングリオシド等があげられる。
【0123】
中性脂質におけるスフィンゴイドとしては、例えばスフィンガン、イコサスフィンガン、スフィンゴシンまたはそれらの誘導体等があげられる。誘導体としては、例えばスフィンガン、イコサスフィンガンまたはスフィンゴシン等の-NH
2を-NHCO(CH
2)xCH
3(式中、xは0〜18の整数であり、中でも6、12または18が好ましい)に変換したもの等があげられる。
【0124】
中性脂質におけるステロールとしては、例えばコレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴカステロール、フコステロールまたは3β-[N-(N',N'-ジメチルアミノエチル)カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)等があげられる。
【0125】
高分子としては、例えばタンパク質、アルブミン、デキストラン、ポリフェクト(polyfect)、キトサン、デキストラン硫酸、例えばポリ-L-リジン、ポリエチレンイミン、ポリアスパラギン酸、スチレンマレイン酸共重合体、イソプロピルアクリルアミド-アクリルピロリドン共重合体、ポリエチレングリコール修飾デンドリマー、ポリ乳酸、ポリ乳酸ポリグリコール酸またはポリエチレングリコール化ポリ乳酸等の高分子またはそれらの塩の1以上からなるミセルがあげられる。
【0126】
ここで、高分子における塩は、例えば金属塩、アンモニウム塩、酸付加塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。金属塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩または亜鉛塩等があげられる。アンモニウム塩としては、例えばアンモニウムまたはテトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩等の無機酸塩、および酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩またはクエン酸塩等の有機酸塩があげられる。有機アミン付加塩としては、例えばモルホリンまたはピペリジン等の付加塩があげられる。アミノ酸付加塩としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはリジン等の付加塩があげられる。
【0127】
また、本発明における組成物は、例えば糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤等を含有することができる。糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤は、複合粒子に含有されてもよく、複合粒子外に加えて用いてもよい。
【0128】
糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤としては、好ましくは、糖脂質、または水溶性高分子の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体があげられ、より好ましくは、水溶性高分子の脂質誘導体または脂肪酸誘導体があげられる。糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤は、分子の一部が組成物の他の構成成分と例えば疎水性親和力、静電的相互作用等で結合する性質をもち、他の部分が組成物の製造時の溶媒と例えば親水性親和力、静電的相互作用等で結合する性質をもつ、2面性をもつ物質であるのが好ましい。
【0129】
糖、ペプチドまたは核酸の脂質誘導体または脂肪酸誘導体としては、例えばショ糖、ソルビトール、乳糖等の糖、例えばカゼイン由来ペプチド、卵白由来ペプチド、大豆由来ペプチド、グルタチオン等のペプチド、または例えばDNA、RNA、プラスミド、siRNA、ODN等の核酸と、前記組成物の定義の中であげた中性脂質もしくは本発明のカチオン性脂質または例えばステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸とが結合してなるもの等があげられる。
【0130】
また、糖の脂質誘導体または脂肪酸誘導体としては、例えば前記組成物の定義の中であげたグリセロ糖脂質またはスフィンゴ糖脂質等も含まれる。
【0131】
水溶性高分子の脂質誘導体または脂肪酸誘導体としては、例えばポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、オリゴ糖、デキストリン、水溶性セルロース、デキストラン、コンドロイチン硫酸、ポリグリセリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、ポリアスパラギン酸アミド、ポリ-L-リジン、マンナン、プルラン、オリゴグリセロール等またはそれらの誘導体と、前記組成物の定義の中であげた中性脂質もしくは本発明のカチオン性脂質、または例えばステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸またはラウリン酸等の脂肪酸とが結合してなるもの等があげられ、より好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体、ポリグリセリン誘導体等の脂質誘導体または脂肪酸誘導体があげられ、さらに好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体の脂質誘導体または脂肪酸誘導体があげられる。
【0132】
ポリエチレングリコール誘導体の脂質誘導体または脂肪酸誘導体としては、例えばポリエチレングリコール化脂質(具体的にはポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミン(より具体的には1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](PEG-DSPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](PEG-DMPE)等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、クレモフォアイーエル(CREMOPHOR EL)等)、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル類(具体的にはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)またはポリエチレングリコール脂肪酸エステル類等があげられ、より好ましくは、ポリエチレングリコール化脂質があげられる。
【0133】
ポリグリセリン誘導体の脂質誘導体または脂肪酸誘導体としては、例えばポリグリセリン化脂質(具体的にはポリグリセリン-ホスファチジルエタノールアミン等)またはポリグリセリン脂肪酸エステル類等があげられ、より好ましくは、ポリグリセリン化脂質があげられる。
【0134】
界面活性剤としては、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(具体的にはポリソルベート80等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(具体的にはプルロニックF68等)、ソルビタン脂肪酸エステル(具体的にはソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート等)、ポリオキシエチレン誘導体(具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンラウリルアルコール等)、グリセリン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコールアルキルエーテル等があげられ、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコールアルキルエーテル等があげられる。
【0135】
また、本発明における組成物がリポソームである場合、例えば高分子、ポリオキシエチレン誘導体等によるリポソーム等の組成物の表面改質も任意に行うことができる[ラジック(D.D.Lasic)、マーティン(F.Martin)編,“ステルス・リポソームズ(Stealth Liposomes)”(米国),シーアールシー・プレス・インク(CRC Press Inc),1995年,p.93-102参照]。表面改質に使用し得る高分子としては、例えばデキストラン、プルラン、マンナン、アミロペクチンまたはヒドロキシエチルデンプン等があげられる。ポリオキシエチレン誘導体としては、例えばポリソルベート80、プルロニックF68、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンラウリルアルコールまたはPEG-DSPE等があげられる。リポソーム等の組成物の表面改質によって、組成物に糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤を含有させることができる。
【0136】
本発明における組成物の平均粒子径は、所望により自由に選択できるが、下記する組成物径とするのが好ましい。リポソームの平均粒子径を調節する方法としては、例えばエクストルージョン法、大きな多重膜リポソーム(MLV)を機械的に粉砕(具体的にはマントンゴウリン、マイクロフルイダイザー等を使用)する方法[ミュラー(R.H.Muller)、ベニタ(S.Benita)、ボーム(B.Bohm)編著,“エマルジョン・アンド・ナノサスペンジョンズ・フォー・ザ・フォーミュレーション・オブ・ポアリー・ソラブル・ドラッグズ(Emulsion and Nanosuspensions for the Formulation of Poorly Soluble Drugs)”,ドイツ,サイエンティフィック・パブリッシャーズ・スチュットガルト(Scientific Publishers Stuttgart),1998年,p.267-294参照]等があげられる。
【0137】
また、組成物である、例えば脂質集合体、リポソーム、高分子ミセル等から選ばれる2つ以上を組み合わせた複合体の製造方法は、例えば水中で脂質、高分子等を混合するだけでもよく、所望によりさらに整粒工程や無菌化工程等を加えることもできる。また、前記複合体の製造は例えばアセトンまたはエーテル等の種々の溶媒中で行うことも可能である。
【0138】
本発明における組成物の大きさは、平均粒子径が約10nm〜1000nmであるのが好ましく、約30nm〜300nmであるのがより好ましく、約50nm〜200nmであるのがさらに好ましい。
【0139】
本発明の組成物を、ほ乳類の細胞に投与することで、本発明の組成物中の核酸を細胞内に導入することができる。
インビトロで本発明の組成物を、ほ乳類の細胞に投与する方法は、インビトロにおいて行うことのできる公知のトランスフェクションの手順に従って行えばよい。
【0140】
インビボで本発明の組成物を、ほ乳類の細胞に投与する方法は、インビボにおいて行うことのできる公知のトランスフェクションの手順に従って行えばよい。例えば、本発明の組成物を、人を含む哺乳動物に静脈内投与することで、例えば癌または炎症の生じた臓器または部位へ送達され、送達臓器または部位の細胞内に本発明の組成物中の核酸を導入することができる。癌または炎症の生じた臓器または部位としては、特に限定されないが、例えば胃、大腸、肝臓、肺、脾臓、膵臓、腎臓、膀胱、皮膚、血管、眼球等があげられる。また、本発明の組成物を、人を含む哺乳動物に静脈内投与することで、例えば血管、肝臓、肺、脾臓および/または腎臓へ送達され、送達臓器または部位の細胞内に本発明の組成物中の核酸を導入することができる。肝臓、肺、脾臓および/または腎臓の細胞は、正常細胞、癌もしくは炎症に関連した細胞またはその他の疾患に関連した細胞のいずれでもよい。
本発明の組成物中の核酸が、RNA干渉(RNAi)を利用した標的遺伝子の発現抑制作用を有する核酸であれば、インビボでほ乳類の細胞内に、遺伝子の発現を抑制するRNA等を導入することができ、遺伝子等の発現の抑制ができる。投与対象は、人であることが好ましい。
また、本発明の組成物における標的遺伝子が、例えば腫瘍または炎症に関連する遺伝子であれば、本発明の組成物を、癌または炎症疾患の治療剤または予防剤、好ましくは固形癌または血管もしくは血管近傍の炎症の治療剤または予防剤として使用することができる。具体的には、本発明の組成物における標的遺伝子が、血管新生に関連する遺伝子等であれば、血管平滑筋の増殖や血管新生等を抑制できるので、本発明の組成物を、例えば血管平滑筋の増殖や血管新生を伴う癌または炎症疾患の治療剤または予防剤として使用することができる。
即ち、本発明は、上記説明した本発明の組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法も提供する。投与対象は、人であることが好ましく、癌または炎症疾患に罹患している人がより好ましい。
また、本発明の組成物は、癌または炎症疾患の治療剤または予防剤に関するインビボのスクリーニング系においてピーオーシー[POC(Proof of concept)]取得のツールとして使用することもできる。
【0141】
本発明の組成物は、例えば血液成分等の生体成分(例えば血液、消化管等)中での前記核酸の安定化、副作用の低減または標的遺伝子の発現部位を含む組織または臓器への薬剤集積性の増大等を目的とする製剤としても使用できる。
【0142】
本発明の組成物を、医薬品の癌または炎症疾患等の治療剤または予防剤として使用する場合、投与経路としては、治療に際し最も効果的な投与経路を使用するのが望ましく、口腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内または静脈内等の非経口投与または経口投与をあげることができ、好ましくは静脈内投与または筋肉内投与をあげることができ、より好ましくは静脈内投与があげられる。
投与量は、投与対象の病状や年齢、投与経路などによって異なるが、例えば核酸に換算した1日投与量が約0.1μg〜1000mgとなるように投与すればよい。
【0143】
静脈内投与または筋肉内投与に適当な製剤としては、例えば注射剤があげられ、上述の方法により調製した組成物の分散液をそのまま例えば注射剤等の形態として用いることも可能であるが、該分散液から例えば濾過、遠心分離等によって溶媒を除去して使用することも、該分散液を凍結乾燥して使用する、および/または例えばマンニトール、ラクトース、トレハロース、マルトースもしくはグリシン等の賦形剤を加えた分散液を凍結乾燥して使用することもできる。
注射剤の場合、前記の組成物の分散液または前記の溶媒を除去または凍結乾燥した組成物に、例えば水、酸、アルカリ、種々の緩衝液、生理的食塩液またはアミノ酸輸液等を混合して注射剤を調製することが好ましい。また、例えばクエン酸、アスコルビン酸、システインもしくはEDTA等の抗酸化剤またはグリセリン、ブドウ糖もしくは塩化ナトリウム等の等張化剤等を添加して注射剤を調製することも可能である。また、例えばグリセリン等の凍結保存剤を加えて凍結保存することもできる。
【0144】
次に、実施例および試験例により、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例および試験例に限定されるものではない。
なお、実施例および参考例に示されたプロトン核磁気共鳴スペクトル(
1H NMR)は、270MHz、300MHzまたは400MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いているが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
【0145】
参考例1 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-1)
水素化ナトリウム(油性, 60%, 5.80 g, 145 mmol)のトルエン(100 mL)懸濁液に、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(ダイバーキン(Diverchim S.A.)社製、3.50 g, 18.1 mmol)のトルエン(70 mL)溶液を撹拌しながらゆっくりと添加した後、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(ニューチェック・プレップ(Nu-Chek Prep,Inc)社製, 15.6 g, 45.3 mmol)のトルエン(30 mL)溶液を滴下した。得られた混合物を加熱還流下終夜撹拌した。室温まで冷却後、反応を飽和塩化アンモニウム水溶液で停止させた。得られた混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を併せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/100〜2/98)で精製することにより化合物VI-1(6.96 g, 55.7 %)を得た。
ESI-MS m/z: 691(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.26-1.38(m, 30H), 1.52-1.62(m, 6H), 2.05(q, J = 6.3 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.3 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 2.85(dd, J = 9.6, 5.9 Hz, 2H), 3.37-3.45(m, 4H), 3.52-3.66(m, 2H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H), 7.23-7.33(m, 5H).
【0146】
参考例2 (3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノアート)(化合物VI-2)
(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、350 mg, 1.81 mmol)をジクロロメタン(18 mL)に溶解させ、リノール酸(アルドリッチ(Aldrich)社製、1.24 mL, 3.98 mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(国産化学社製、860 mg, 4.17 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(東京化成工業社製、55.3 mg, 0.453 mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応液にヘキサン(18 mL)を加え、ろ過後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=40/60〜20/80)で精製することにより化合物VI-2(1.21 g, 93.0 %)を得た。
ESI-MS m/z: 719(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.30-1.40(m, 28H), 1.55-1.64(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.30(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.50(dd, J = 10.3, 4.0 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.06(dd, J = 10.3, 6.1 Hz, 2H), 3.62(q, J = 13.8 Hz, 2H), 5.12(dd, J = 5.3, 4.0 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H), 7.23-7.34(m, 5H).
【0147】
参考例3 (3R,4S)-1-ベンジル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-3)
参考例1と同様の方法で、(3R,4S)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、274 mg, 1.42mmol)および(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製, 1.22 g, 3.54 mmol)を原料として用い、化合物VI-3(398 mg, 40.7 %)を得た。
ESI-MS m/z: 691(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.29-1.40(m, 30H), 1.56(dd, J = 13.0, 7.1 Hz, 6H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.46(dd, J = 9.5, 6.0 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.08(dd, J = 9.5, 6.0 Hz, 2H), 3.37-3.53(m, 4H), 3.63(s, 2H), 3.85-3.92(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H), 7.20-7.30(m, 5H).
【0148】
参考例4 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-4)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、250 mg, 1.29 mmol)および(Z)-オクタデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製,1.79 g, 5.17 mmol)を用い、化合物VI-4(507 mg, 56.4 %)を得た。
ESI-MS m/z: 695(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.36(m, 44H), 1.53-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.7 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.9, 6.1 Hz, 2H), 3.34-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.6 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.7 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.23-7.32(m, 5H).
【0149】
参考例5 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス(テトラデシルオキシ)ピロリジン(化合物VI-5)
(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、150 mg, 0.776 mmol)をジメチルスルホキシド(4 mL)に溶解させ、水酸化カリウム(348 mg, 6.21 mmol)を加え、100℃で15分間撹拌した。反応溶液にテトラデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、568 mg, 1.94 mmol)のジメチルスルホキシド(4 mL)溶液を加え、100℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後、水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム100%)で精製することにより化合物VI-5(449 mg, 98.6 %)を得た。
ESI-MS m/z: 587(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25-1.33(m, 44H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.7 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.9, 6.0 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.7 Hz, 2H), 7.21-7.33(m, 5H).
【0150】
参考例6 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-6)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、146 mg, 0.753 mmol)および(Z)-ヘキサデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、600 mg, 1.88 mmol)を用い、化合物VI-6(231 mg, 48.0 %)を得た。
ESI-MS m/z: 639(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.37(m, 36H), 1.50-1.60(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 9.8, 4.6 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.8, 5.9 Hz, 2H), 3.34-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.6 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.20-7.34(m, 5H).
【0151】
参考例7 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-6-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-7)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、134 mg, 0.693 mmol)および(Z)-オクタデカ-6-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、600 mg, 1.73 mmol)を用い、化合物VI-7(196 mg, 40.7 %)を得た。
ESI-MS m/z: 695(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.37(m, 44H), 1.52-1.61(m, 4H), 1.97-2.05(m, 8H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.6 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.9, 5.9 Hz, 2H), 3.34-3.48(m, 4H), 3.59(q, J = 11.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.28-5.41(m, 4H), 7.22-7.34(m, 5H).
【0152】
参考例8 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-8)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、124 mg, 0.644 mmol)および(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、600 mg, 1.61 mmol)を用い、化合物VI-8(210 mg, 43.7 %)を得た。
ESI-MS m/z: 747(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.40(m, 40H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 10.0, 4.5 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.1 Hz, 4H), 2.85(dd, J = 10.0, 6.1 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.5 Hz, 2H), 5.29-5.43(m, 8H), 7.22-7.33(m, 5H).
【0153】
参考例9 (3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル ジ((Z)-オクタデカ-9-エノアート)(化合物VI-9)
参考例2と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、500 mg, 2.59 mmol)およびオレイン酸(東京化成工業社製、1.61 g, 5.69 mmol)を用い、化合物VI-9(1.85 g, 98.8 %)を得た。
ESI-MS m/z: 723(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.55-1.65(m, 4H), 2.01(q, J = 5.6 Hz, 8H), 2.30(t, J = 7.4 Hz, 4H), 2.50(dd, J = 10.2, 4.1 Hz, 2H), 3.06(dd, J = 10.2, 6.3 Hz, 2H), 3.63(q, J = 12.9 Hz, 2H), 5.12(dd, J = 5.1, 4.1 Hz, 2H), 5.28-5.40(m, 4H), 7.23-7.34(m, 5H).
【0154】
参考例10 (3S,4S)-1-ベンジル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-10)
参考例1と同様の方法で、(3S,4S)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、500 mg, 2.59 mmol)および(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、2.23 g, 6.47 mmol)を用い、化合物VI-10(966 mg, 54.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 691(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.4 Hz, 6H), 1.28-1.38(m, 32H), 1.50-1.60(m, 4H), 2.04(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.49(dd, J = 10.0, 4.1 Hz, 2H), 2.75-2.88(m, 6H), 3.34-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 11.2 Hz, 2H), 3.82(t, J = 4.9 Hz, 2H), 5.27-5.43(m, 8H), 7.21-7.31(m, 5H).
【0155】
参考例11 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス(ヘキサデシルオキシ)ピロリジン(化合物VI-11)
参考例5と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、100 mg, 0.517 mmol)およびヘキサデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、415 mg, 1.29 mmol)を用い、化合物VI-11(324 mg, 97.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 643(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.33(m, 52H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.8 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.9, 6.0 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.8 Hz, 2H), 7.20-7.33(m, 5H).
【0156】
参考例12 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス(オクタデシルオキシ)ピロリジン(化合物VI-12)
参考例5と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、100 mg, 0.517 mmol)およびオクタデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、451 mg, 1.29 mmol)を用い、化合物VI-12(319 mg, 88.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 699(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.33(m, 60H), 1.51-1.59(m, 4H), 2.50(dd, J = 9.8, 4.5 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.8, 6.2 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.7 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.5 Hz, 2H), 7.21-7.33(m, 5H).
【0157】
参考例13 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-13)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、80.0 mg, 0.414 mmol)および(Z)-テトラデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、301 mg, 1.04 mmol)を用い、化合物VI-13(119 mg, 49.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 583(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.28-1.37(m, 28H), 1.51-1.60(m, 4H), 1.98-2.05(m, 8H), 2.50(dd, J = 9.8, 4.6 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.8, 6.0 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.6 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.21-7.34(m, 5H).
【0158】
参考例14 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-11-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-14)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、112 mg, 0.577 mmol)および(Z)-オクタデカ-11-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、500 mg, 1.44 mmol)を用い、化合物VI-14(244 mg, 60.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 695(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 44H), 1.51-1.59(m, 4H), 2.01(q, J = 6.1 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 9.9, 4.6 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.9, 6.0 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H), 7.21-7.34(m, 5H).
【0159】
参考例15 (3R,4R)-1-ベンジル-3,4-ビス((Z)-イコサ-11-エニルオキシ)ピロリジン(化合物VI-15)
参考例1と同様の方法で、(3R,4R)-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジオール(Diverchim S.A.社製、103 mg, 0.534 mmol)および(Z)-イコサ-11-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、500 mg, 1.34 mmol)を用い、化合物VI-15(251 mg, 62.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 751(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 52H), 1.50-1.60(m, 4H), 2.01(q, J = 6.0 Hz, 8H), 2.50(dd, J = 9.8, 4.4 Hz, 2H), 2.85(dd, J = 9.8, 6.2 Hz, 2H), 3.35-3.47(m, 4H), 3.59(q, J = 12.8 Hz, 2H), 3.83(t, J = 4.4 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H), 7.21-7.34(m, 5H).
【0160】
参考例16 (trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール
国際公開第2009/027820号パンフレットを参考にして合成したtrans-ジエチル 1-ベンジルピロリジン-3,4-ジカルボキシレート(830 mg, 2.72 mmol)をTHF(24 mL)に溶解させ、0℃で水素化アルミニウムリチウム(206 mg, 5.44 mmol)を加え、室温で1.3時間撹拌した。反応混合物に硫酸ナトリウム十水和物、クロロホルム、セライトを加え、室温でさらに撹拌した。無水硫酸マグネシウムを加えた後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。ヘキサンを加え固体をろ取することで(trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(565 mg, 93.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 222(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 2.17-2.28(m, 2H), 2.35(dd, J = 9.0, 5.1 Hz, 2H), 2.77(dd, J = 9.0, 7.1 Hz, 2H), 3.56-3.68(m, 6H), 7.22-7.34(m, 5H).
【0161】
参考例17 trans-1-ベンジル-3,4-ビス(((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物VI-16)
参考例1と同様の方法で、参考例16で得られた(trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(150 mg, 0.678 mmol)および(Z)-ヘキサデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、540 mg, 1.70 mmol)を用い、化合物VI-16(372 mg, 82.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 667(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.35(m, 36H), 1.49-1.57(m, 4H), 1.95-2.10(m, 10H), 2.37(dd, J = 9.2, 5.5 Hz, 2H), 2.67(dd, J = 9.2, 7.0 Hz, 2H), 3.31-3.44(m, 8H), 3.57(dd, J = 18.1, 13.0 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.19-7.32(m, 5H).
【0162】
参考例18 N-ベンジルジエタノールアミン
ジエタノールアミン(1.80 g, 17.1 mmol)のクロロホルム(46 mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(2.99 mL, 17.1 mmol)とベンジル ブロミド(1.36 mL, 11.4 mmol)を添加し、加熱還流下5時間撹拌した。反応溶液を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、エバポレートした。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/100〜12/88)で精製することによりN-ベンジルジエタノールアミン(1.77 g, 79.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 196(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 2.29(br s, 2H), 2.73(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.63(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 7.24-7.37(m, 5H).
【0163】
参考例19 N-ベンジル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-17)
参考例1と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(149 mg, 0.763 mmol)および(Z)-オクタデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、661 mg, 1.91 mmol)を用い、化合物VI-17(257 mg, 48.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 697(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27(br s, 44H), 1.50-1.58(m, 4H), 1.97-2.04(m, 8H), 2.74(t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.21-7.35(m, 5H).
【0164】
参考例20 N-ベンジル-N,N-ビス(2-((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-18)
参考例1と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(171 mg, 0.876 mmol)および(Z)-テトラデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、636 mg, 2.19 mmol)を用い、化合物VI-18(424 mg, 82.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 585(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.1 Hz, 6H), 1.25-1.35(m, 28H), 1.50-1.57(m, 4H), 1.97-2.05(m, 8H), 2.74(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.19-7.36(m, 5H).
【0165】
参考例21 N-ベンジル-N,N-ビス(2-(テトラデシルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-19)
参考例5と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(171 mg, 0.876 mmol)およびテトラデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、640 mg, 2.19 mmol)を用い、化合物VI-19(173 mg, 33.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 589(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25(br s, 44H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.74(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 7.21-7.36(m, 5H).
【0166】
参考例22 N-ベンジル-N,N-ビス(2-(ヘキサデシルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-20)
参考例5と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(171 mg, 0.876 mmol)およびヘキサデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、702 mg, 2.19 mmol)を用い、化合物VI-20(411 mg, 72.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 645(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25(br s, 52H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.74(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 7.21-7.36(m, 5H).
【0167】
参考例23 N-ベンジル-N,N-ビス(2-(オクタデシルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-21)
参考例5と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(171 mg, 0.876 mmol)およびオクタデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、763 mg, 2.19 mmol)を用い、化合物VI-21(421 mg, 68.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 701(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25(br s, 60H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.74(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.3 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 7.19-7.35(m, 5H).
【0168】
参考例24 N-ベンジル-N,N-ビス(2-((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物VI-22)
参考例1と同様の方法で、参考例18で得られたN-ベンジルジエタノールアミン(277 mg, 1.42 mmol)および(Z)-ヘキサデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、1.13 g, 3.55 mmol)を用い、化合物VI-22(739 mg, 81.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 641(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.28-1.35(m, 36H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.74(t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.37(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50(t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.71(s, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.19-7.35(m, 5H).
【0169】
参考例25 trans-1-ベンジル-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物VI-23)
参考例1と同様の方法で、参考例16で得られた(trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(150 mg, 0.678 mmol)および(Z)-オクタデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、597 mg, 1.70 mmol)を用い、化合物VI-23(359 mg, 73.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 723(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 44H), 1.48-1.57(m, 4H), 1.98-2.08(m, 10H), 2.37(dd, J = 9.0, 5.1 Hz, 2H), 2.67(dd, J = 9.0, 7.2 Hz, 2H), 3.31-3.43(m, 8H), 3.52-3.63(m, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 7.21-7.31(m, 5H).
【0170】
参考例26 trans-1-ベンジル-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物VI-24)
参考例1と同様の方法で、参考例16で得られた(trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(150 mg, 0.678 mmol)および(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、584 mg, 1.70 mmol)を用い、化合物VI-24(384 mg, 78.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 719(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.4 Hz, 6H), 1.28-1.40(m, 32H), 1.48-1.57(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 10H), 2.37(dd, J = 9.0, 4.9 Hz, 2H), 2.67(dd, J = 9.0, 7.1 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.30-3.43(m, 8H), 3.51-3.63(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H), 7.20-7.31(m, 5H).
【0171】
参考例27 trans-1-ベンジル-3,4-ビス(((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物VI-25)
参考例1と同様の方法で、参考例16で得られた(trans-1-ベンジルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(150 mg, 0.678 mmol)および(11Z,14Z)-イコサ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、631 mg, 1.70 mmol)を用い、化合物VI-25(423 mg, 80.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 775(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.38(m, 40H), 1.49-1.57(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 10H), 2.37(dd, J = 9.2, 5.1 Hz, 2H), 2.67(dd, J = 9.1, 7.1 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.31-3.43(m, 8H), 3.52-3.62(m, 2H), 5.29-5.43(m, 8H), 7.21-7.31(m, 5H).
【0172】
参考例28 trans-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物XIII-1)
参考例2と同様の方法で、国際公開第2006/100036号パンフレットを参考にして合成したtrans-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(156 mg, 0.674 mmol)およびオレイン酸(東京化成工業社製、419 mg, 1.48 mmol)を用い、化合物XIII-1(280 mg, 54.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 761(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25-1.46(m, 36H), 1.46(s, 9H), 1.46-1.66(m, 8H), 1.97-2.04(m, 8H), 2.27-2.38(m, 6H), 3.10-3.23(m, 2H), 3.53-3.66(m, 2H), 4.03(dd, J = 10.8, 6.0 Hz, 2H), 4.14(dd, J = 10.8, 6.0 Hz, 2H), 5.28-5.40(m, 4H).
【0173】
参考例29 trans-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物XIII-2)
参考例2と同様の方法で、国際公開第2006/100036号パンフレットを参考にして合成したtrans-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(150 mg, 0.674 mmol)およびリノール酸(アルドリッチ社製、400 mg, 1.48 mmol)を用い、化合物XIII-2(351 mg, 71.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 757(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.21-1.45(m, 26H), 1.46(s, 9H), 1.47-1.68(m, 6H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.26-2.38(m, 6H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.10-3.23(m, 2H), 3.53-3.66(m, 2H), 4.03(dd, J = 11.0, 6.0 Hz, 2H), 4.14(dd, J = 11.0, 6.0 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例1】
【0174】
(3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物1)
参考例1で得られた化合物VI-1(6.96 g, 10.1 mmol))を1,2-ジクロロエタン(100mL)に溶解させ、クロロぎ酸1-クロロエチル(東京化成工業社製、3.30 mL, 30.3 mmol)を加え130℃で1時間撹拌した。反応溶液にメタノール(100 mL)を加え、130℃でさらに1時間撹拌した。室温まで冷却後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜92/8)で精製した。化合物を含むフラクションを集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮することで化合物1(5.56 g, 92.0 %)を得た。
ESI-MS m/z: 601(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.29-1.41(m, 30H), 1.49-1.60(m, 4H), 1.67(br s, 3H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.75-2.85(m, 6H), 3.09(dd, J = 12.4, 5.1 Hz, 2H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 3.3 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例2】
【0175】
(3R,4R)-ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノアート)(化合物2)
実施例1と同様の方法で、参考例2で得られる化合物VI-2(1.51 g, 2.10 mmol)を用い、化合物2(1.20 g, 90.9 %)を得た。
ESI-MS m/z: 629(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.41(m, 29H), 1.56-1.68(m, 4H), 2.05(q, J = 6.4 Hz, 8H), 2.30(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 2.87(dd, J = 13.0, 3.0 Hz, 2H), 3.32(dd, J = 13.0, 5.0 Hz, 2H), 5.08(dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 2H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例3】
【0176】
(3R,4S)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物3)
実施例1と同様の方法で、参考例3で得られた化合物VI-3(346 mg, 0.501 mmol)を用い、化合物3(245 mg, 81.3 %)を得た。
ESI-MS m/z: 601(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.30-1.40(m, 30H), 1.54-1.68(m, 8H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.00(d, J = 5.0 Hz, 3H), 3.41-3.55(m, 4H), 3.83(t, J = 3.8 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例4】
【0177】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物4)
実施例1と同様の方法で、参考例4で得られる化合物VI-4(455 mg, 0.655 mmol)を用い、化合物4(333 mg, 84.1 %)を得た。
ESI-MS m/z: 605(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3)
δ: 0.88(t, J = 6.5 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 38H), 1.50-1.58(m, 11H), 2.01(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.82(dd, J = 12.4, 3.0 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.4, 5.0 Hz, 2H), 3.43(td, J = 6.5, 1.3 Hz, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例5】
【0178】
(3R,4R)-3,4-ビス(テトラデシルオキシ)ピロリジン(化合物5)
実施例1と同様の方法で、参考例5で得られる化合物VI-5(454 mg, 0.775 mmol)を用い、化合物5(331 mg, 86.1 %)を得た。
ESI-MS m/z: 497(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.34(m, 41H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.66(br s, 4H), 2.82(dd, J = 12.6, 3.0 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.6, 5.0 Hz, 2H), 3.40-3.46(m, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 2H).
【実施例6】
【0179】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物6)
実施例1と同様の方法で、参考例6で得られた化合物VI-6(208 mg, 0.326 mmol)を用い、化合物6(160 mg, 89.2 %)を得た。
ESI-MS m/z: 549(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 34H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.82(br s, 3H), 2.01(q, J = 6.2 Hz, 8H), 2.84(dd, J = 12.5, 3.0 Hz, 2H), 3.10(dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 2H), 3.43(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.77(dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例7】
【0180】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-6-エニルオキシ)ピロリジン(化合物7)
実施例1と同様の方法で、参考例7で得られた化合物VI-7(171 mg, 0.246 mmol)を用い、化合物7(123 mg, 82.2 %)を得た。
ESI-MS m/z: 605(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.38(m, 40H), 1.51-1.61(m, 4H), 1.64(s, 5H), 1.97-2.06(m, 8H), 2.82(dd, J = 12.5, 3.3 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.5, 5.1 Hz, 2H), 3.41-3.46(m, 4H), 3.76(dd, J = 4.6, 3.3 Hz, 2H), 5.29-5.41(m, 4H).
【実施例8】
【0181】
(3R,4R)-3,4-ビス((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物8)
実施例1と同様の方法で、参考例8で得られた化合物VI-8(186 mg, 0.249 mmol)を用い、化合物8(144 mg, 87.5 %)を得た。
ESI-MS m/z: 657(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.40(m, 36H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.64(s, 5H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.75-2.85(m, 6H), 3.09(dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 2H), 3.43(td, J = 6.7, 1.3 Hz, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 2.9 Hz, 2H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例9】
【0182】
(3R,4R)-ピロリジン-3,4-ジイル ジ((Z)-オクタデカ-9-エノアート)(化合物9)
実施例1と同様の方法で、参考例9で得られた化合物VI-9(1.79 g, 2.48 mmol)を用い、化合物9(965 mg, 61.6 %)を得た。
ESI-MS m/z: 633(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 38H), 1.56-1.64(m, 7H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.30(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.87(dd, J = 13.1, 2.8 Hz, 2H), 3.32(dd, J = 13.1, 5.1 Hz, 2H), 5.09(dd, J = 5.1, 2.8 Hz, 2H), 5.28-5.41(m, 4H).
【実施例10】
【0183】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物10)
実施例1で得られた化合物1(4.00 g, 6.67 mmol)を1,2-ジクロロエタン(50 mL)、メタノール(50 mL)に溶解させ、ホルムアルデヒド(4.96 mL, 66.7 mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(アクロス・オーガニクス(Acros Organics)社製、7.06 g, 33.3 mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応混合物にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(Acros Organics社製、7.06 g, 33.3 mmol)を加え室温でさらに2.5時間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5)で精製することで化合物10(3.99 g, 97.4 %)を得た。
ESI-MS m/z: 615(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.30-1.41(m, 30H), 1.52-1.62(m, 4H), 1.70(br s, 2H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.47(dd, J = 9.9, 4.0 Hz, 2H), 2.75-2.86(m, 6H), 3.36-3.49(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.5, 4.5 Hz, 2H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例11】
【0184】
(3R,4S)-1-メチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物11)
実施例10と同様の方法で、実施例3で得られた化合物3(194 mg, 0.323 mmol)を用い、化合物11(129 mg, 64.6 %)を得た。
ESI-MS m/z: 615(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.30-1.40(m, 28H), 1.54-1.62(m, 4H), 1.76(br s, 4H), 2.05(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.38(s, 3H), 2.46-2.51(m, 2H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.06-3.11(m, 2H), 3.39-3.55(m, 4H), 3.90(t, J = 3.8 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例12】
【0185】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物12)
実施例10と同様の方法で、実施例4で得られた化合物4(100 mg, 0.166 mmol)を用い、化合物12(81.0 mg, 79.4 %)を得た。
ESI-MS m/z: 619(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.23-1.35(m, 44H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.01(q, J = 5.8 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.8, 4.4 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.8, 5.8 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(t, J = 4.4 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例13】
【0186】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス(テトラデシルオキシ)ピロリジン(化合物13)
実施例10と同様の方法で、実施例5で得られた化合物5(74.0 mg, 0.149 mmol)を用い、化合物13(73.6 mg, 96.8 %)を得た。
ESI-MS m/z: 511(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 44H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.31(s, 3H), 2.47(dd, J = 9.8, 4.2 Hz, 2H), 2.83(dd, J = 9.8, 5.5 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.5, 4.2 Hz, 2H).
【実施例14】
【0187】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)-1-メチルピロリジン(化合物14)
実施例10と同様の方法で、実施例6で得られた化合物6(107 mg, 0.195 mmol)を用い、化合物14(107 mg, 97.4 %)を得た。
ESI-MS m/z: 563(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.38(m, 34H), 1.52-1.62(m, 4H), 1.67(br s, 2H), 2.01(q, J = 6.1 Hz, 8H), 2.32(s, 3H), 2.47(dd, J = 9.8, 4.4 Hz, 2H), 2.83(dd, J = 9.8, 5.8 Hz, 2H), 3.36-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.4 Hz, 2H), 5.29-5.41(m, 4H).
【実施例15】
【0188】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-6-エニルオキシ)ピロリジン(化合物15)
実施例10と同様の方法で、実施例7で得られた化合物7(80.0 mg, 0.132 mmol)を用い、化合物14(75.3 mg, 91.8 %)を得た。
ESI-MS m/z: 619(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.41(m, 44H), 1.53-1.63(m, 4H), 1.97-2.06(m, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.6, 4.2 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.6, 5.6 Hz, 2H), 3.36-3.49(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.6, 4.2 Hz, 2H), 5.28-5.41(m, 4H).
【実施例16】
【0189】
(3R,4R)-3,4-ビス((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)-1-メチルピロリジン(化合物16)
実施例10と同様の方法で、実施例8で得られた化合物8(90.0 mg, 0.137 mmol)を用い、化合物16(87.4 mg, 95.0 %)を得た。
ESI-MS m/z: 671(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.41(m, 40H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 10.0, 4.5 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.7 Hz, 4H), 2.82(dd, J = 10.0, 5.7 Hz, 2H), 3.36-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.5 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例17】
【0190】
(3R,4R)-1-エチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物17)
実施例1で得られた化合物1(70.0 mg, 0.117 mmol)をエタノール(2 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(32.2 mg, 0.233 mmol)、ヨードエタン(0.0104 mL, 0.128 mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜96/4)で精製することにより化合物17(33.3 mg, 45.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 629(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.11(t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.30-1.38(m, 29H), 1.55(br s, 10H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.53(br s, 2H), 2.77(t, J = 5.6 Hz, 4H), 2.88(br s, 2H), 3.44(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.83(t, J = 4.6 Hz, 2H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例18】
【0191】
(3R,4R)-1-エチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物18)
実施例17と同様の方法で、実施例4で得られた化合物4(40.0 mg, 0.066 mmol)を用い化合物18(13.4 mg, 32.0 %)を得た。
ESI-MS m/z: 633(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.08(t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23-1.35(m, 44H), 1.52-1.59(m, 4H), 2.01(q, J = 6.2 Hz, 8H), 2.37-2.52(m, 4H), 2.84(dd, J = 9.5, 6.2 Hz, 2H), 3.41-3.45(m, 4H), 3.81(t, J = 4.9 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例19】
【0192】
(3R,4R)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物19)
実施例10で得られた化合物10(24.6 mg, 0.0401 mmol)にヨードメタン(1 mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を陰イオン交換樹脂(Dowex 1x-200 塩化物型(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)社製)、0.5 mL、水とメタノールでプレ洗浄したもの)にロードし、メタノールで溶出した。溶出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/100〜25/75)で精製することにより化合物19(24.9 mg, 93.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 629 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29(s, 32H), 1.50-1.57(m, 4H), 1.58(s, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.44-3.57(m, 4H), 3.67(s, 6H), 3.86(dd, J = 13.4, 3.8 Hz, 2H), 4.04-4.13(m, 4H), 5.29-5.42(m, 8H).
【実施例20】
【0193】
(3R,4R)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物20)
実施例19と同様の方法で、参考例30で得られた化合物A-3(1.16 g, 1.81 mmol)を用い、化合物20(1.21 g, 96.4 %)を得た。
ESI-MS m/z: 657 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.38(m, 26H), 1.57-1.67(m, 4H), 1.78(s, 2H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.39(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.78(s, 6H), 4.15(dd, J = 14.0, 3.0 Hz, 2H), 4.38(dd, J = 14.0, 5.8 Hz, 2H), 5.27-5.46(m, 10H).
【実施例21】
【0194】
(3R,4S)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物21)
実施例19と同様の方法で、実施例11で得られた化合物11(76.0 mg, 0.124 mmol)を用い、化合物21(62.8 mg, 76.6 %)を得た。
ESI-MS m/z: 629 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.23-1.41(m, 30H), 1.52-1.61(m, 4H), 1.93-2.17(m, 2H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.41(s, 3H), 3.47-3.64(m, 9H), 4.43-4.50(m, 2H), 4.58(br s, 2H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例22】
【0195】
(3R,4R)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物22)
実施例4で得られた化合物4(135 mg, 0.223 mmol) をメタノール(2 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(154 mg, 1.12 mmol)、ヨードメタン(0.699 mL, 11.2 mmol)を加え室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、残渣を陰イオン交換樹脂(Dowex 1x-200 塩化物型(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)社製)、1 mL、水とメタノールでプレ洗浄したもの)にロードし、メタノールで溶出した。溶出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/100〜70/30)で精製することにより化合物22(27.8 mg, 18.6 %)を得た。
ESI-MS m/z: 633 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.36(m, 40H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.62(s, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 3.44-3.58(m, 4H), 3.66(s, 6H), 3.86(dd, J = 13.2, 4.0 Hz, 2H), 4.02-4.13(m, 4H), 5.29-5.41(m, 4H).
【実施例23】
【0196】
(3R,4R)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物23)
実施例19と同様の方法で、参考例31で得られた化合物A-4(430 mg, 0.666 mmol)を用い、化合物23(442 mg, 95.2 %)を得た。
ESI-MS m/z: 661 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 38H), 1.58-1.67(m, 4H), 1.76(br s, 2H), 2.01(q, J = 5.1 Hz, 8H), 2.38(t, J = 7.5 Hz, 4H), 3.78(s, 6H), 4.15(dd, J = 13.6, 2.6 Hz, 2H), 4.37(dd, J = 13.6, 5.7 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H), 5.43-5.46(m, 2H).
【実施例24】
【0197】
3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,2-ジオール(化合物24)
実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)を1-プロパノール(1 mL)に溶解させ、グリシドール(0.111 mL, 1.67 mmol)を加え、マイクロウェーブ照射(300W, 100℃, 2時間)を行った。反応溶液に水を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜87/13)で精製することにより化合物24(30.4 mg, 27.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 675(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 3.0H), 0.93(t, J = 7.3 Hz, 3.0H), 1.26-1.38(m, 22.0H), 1.51-1.67(m, 8.0H), 2.05(q, J = 6.4 Hz, 8.0H), 2.33-2.42(m, 1.0H), 2.54(dd, J = 10.2, 4.3 Hz, 1.0H), 2.66-2.90(m, 7.0H), 3.04(dd, J = 9.9, 5.9 Hz, 1.0H), 3.40-3.58(m, 9.5H), 3.63-3.88(m, 7.5H), 5.28-5.44(m, 8.0H).
【実施例25】
【0198】
(3R,4R)-1-(2-(ジメチルアミノ)アセチル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物25)
実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)をクロロホルム(2 mL)に溶解させ、N,N-ジメチルグリシン塩酸塩(東京化成工業社製、46.5 mg, 0.333 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.146 mL, 0.833 mmol)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(渡辺化学工業社製、217 mg, 0.417 mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5)で精製することで化合物25(98.9 mg, 86.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 686(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.41(m, 32H), 1.49-1.57(m, 4H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.31(s, 6H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.06(s, 2H), 3.37-3.70(m, 8H), 3.84-3.91(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例26】
【0199】
(3R,4R)-1-(2-(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノアート)(化合物26)
実施例25と同様の方法で、実施例2で得られる化合物2(300 mg, 0.478 mmol)およびN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(東京化成工業社製、133 mg, 0.955 mmol)を用い、化合物26(297 mg, 87.2 %)を得た。
ESI-MS m/z: 714(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.40(m, 28H), 1.56-1.64(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.27-2.35(m, 10H), 2.77(t, J = 5.7 Hz, 4H), 3.06(s, 2H), 3.66-3.91(m, 4H), 5.18(d, J = 4.0 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例27】
【0200】
(3R,4R)-1-(2-(ジメチルアミノ)アセチル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((Z)-オクタデカ-9-エノアート)(化合物27)
実施例25と同様の方法で、実施例9で得られた化合物9(200 mg, 0.316 mmol) およびN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(東京化成工業社製、88 mg, 0.633 mmol)を用い、化合物27(210 mg, 92.5 %)を得た。
ESI-MS m/z: 718(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.64(m, 4H), 2.01(q, J = 6.2 Hz, 8H), 2.27-2.34(m, 10H), 3.06(s, 2H), 3.66-3.91(m, 4H), 5.18(d, J = 3.7 Hz, 2H), 5.34(tt, J = 11.2, 4.6 Hz, 4H).
【実施例28】
【0201】
(3R,4R)-1-(3-(ジメチルアミノ)プロパノイル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物28)
実施例25と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(63.0 mg, 0.105 mmol)および3-(ジメチルアミノ)プロピオン酸(メイトリクス・サイエンティフィック(MATRIX Scientific)社製、24.6 mg, 0.210 mmol)を用い、化合物28(43.2 mg, 58.8 %)を得た。
ESI-MS m/z: 700(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.38(m, 32H), 1.48-1.57(m, 4H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.75-2.85(m, 6H), 2.95(s, 6H), 3.42-3.53(m, 8H), 3.59-3.66(m, 2H), 3.86-3.95(m, 2H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例29】
【0202】
(3R,4R)-1-(3-(ジメチルアミノ)プロパノイル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノアート)(化合物29)
実施例25と同様の方法で、実施例2で得られる化合物2(60.0 mg, 0.096 mmol)および3-(ジメチルアミノ)プロピオン酸(MATRIX Scientific社製、22.4 mg, 0.191 mmol)を用い、化合物29(57.6 mg, 82.9 %)を得た。
ESI-MS m/z: 728(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 28H), 1.55-1.63(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.27-2.34(m, 10H), 2.44(t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.68(t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.7 Hz, 4H), 3.55(d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.64-3.78(m, 2H), 3.82(dd, J = 12.1, 4.0 Hz, 1H), 5.18(d, J = 4.0 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例30】
【0203】
(3R,4R)-1-(3-(ジメチルアミノ)プロパノイル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((Z)-オクタデカ-9-エノアート)(化合物30)
実施例25と同様の方法で、実施例9で得られた化合物9(200 mg, 0.316 mmol)および3-(ジメチルアミノ)プロピオン酸(MATRIX Scientific社製、74.1 mg, 0.633 mmol)を用い、化合物35(209 mg, 90.3 %)を得た。
ESI-MS m/z: 732(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 38H), 1.56-1.65(m, 4H), 1.74(br s, 2H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.28-2.34(m, 10H), 2.46(t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.72(t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.55(d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.67-3.85(m, 3H), 5.19(d, J = 3.7 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例31】
【0204】
(3R,4R)-1-((S)-2,6-ジアミノヘキサノイル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物31)
Nε-(tert-ブトキシカルボニル)-Nα-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン(東京化成工業社製、125 mg, 0.267 mmol)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(渡辺化学工業社製、146 mg, 0.280 mmol)をクロロホルム(1 mL)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。反応溶液に実施例1で得られた化合物1(80.0 mg, 0.133 mmol)のクロロホルム(2 mL)溶液を加え、室温で7時間撹拌した。反応混合物にNε-(tert-ブトキシカルボニル)-Nα-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン(東京化成工業社製、187 mg, 0.400 mmol)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(渡辺化学工業社製、222 mg, 0.427 mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物にNε-(tert-ブトキシカルボニル)-Nα-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-リジン(東京化成工業社製、156 mg, 0.333 mmol)、O-(7-アザベンソトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(Aldrich社製、152 mg, 0.400 mmol)を加え、室温で終夜、80℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルパッドに通すことで、(5S)-5-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-6-(3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-6-オキソヘキシルカルバミン酸 tert-ブチルエステルの粗生成物を得た。
得られた粗生成物をジクロロメタン(2 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.103 mL, 1.33 mmol)を加え室温で4時間撹拌した。反応混合物にトリフルオロ酢酸(0.205 mL, 2.67 mmol)を加え、室温で4.5時間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜87/13)で精製することで(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2S)-6-アミノ-1-(3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-1-オキソヘキサン-2-イルカルバメート(66.1 mg, 52.2 % in 2 steps)を得た。
得られた(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2S)-6-アミノ-1-(3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-1-オキソヘキサン-2-イルカルバメート(65 mg, 0.068 mmol)をテトラヒドロフラン(2 mL)に溶解させ、ピロリジン(0.5 mL)を加え室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜60/40)で精製することで化合物31(24.0 mg, 48.2 %)を得た。
ESI-MS m/z: 729(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.26-1.38(m, 32H), 1.50-1.74(m, 10H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.01(br s, 2H), 3.32-3.72(m, 8H), 3.86(br s, 2H), 3.93(br s, 1H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例32】
【0205】
N-メチル-N,N-ビス(2-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)エチル)アミン(化合物32)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、119 mg, 0.999 mmol)および(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、861 mg, 2.50 mmol)を用い、化合物32(68.3 mg, 11.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 617(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.29(br s, 32H), 1.50-1.61(m, 4H), 2.00-2.09(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.27-5.44(m, 8H).
【実施例33】
【0206】
N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物33)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、119 mg, 0.999 mmol)および(Z)-オクタデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、865 mg, 2.50 mmol)を用い、化合物33(156 mg, 25.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 621(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.25-1.34(m, 44H), 1.51-1.60(m, 4H), 1.97-2.04(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.63(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.28-5.40(m, 4H).
【実施例34】
【0207】
N-メチル-N,N-ビス(2-(テトラデシルオキシ)エチル)アミン(化合物34)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、119 mg, 0.999 mmol)およびテトラデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、731 mg, 2.50 mmol)を用い、化合物34(99.3 mg, 0.194 mmol)を得た。
ESI-MS m/z: 513(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26(br s, 44H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 5.9 Hz, 4H).
【実施例35】
【0208】
N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物35)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、82.6 mg, 0.693 mmol)および(Z)-ヘキサデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、530 mg, 1.66 mmol)を用い、化合物35(199 mg, 50.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 565(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29(br s, 36H), 1.51-1.56(m, 4H), 1.97-2.04(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.28-5.40(m, 4H).
【実施例36】
【0209】
N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-6-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物36)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、66.3 mg, 0.557 mmol)および(Z)-オクタデカ-6-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、463 mg, 1.34 mmol)を用い、化合物36(205 mg, 59.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 621(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.24-1.37(m, 44H), 1.52-1.63(m, 4H), 1.97-2.06(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例37】
【0210】
N-メチル-N,N-ビス(2-(オクタデシルオキシ)エチル)アミン(化合物37)
参考例5と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、179 mg, 1.50 mmol)および1-ブロモオクタデカン(東京化成工業社製、1.20 g, 3.60 mmol)を用い、化合物37(218 mg, 23.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 625(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26(s, 60H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H).
【実施例38】
【0211】
(3R,4R)-3,4-ビス(ヘキサデシルオキシ)ピロリジン(化合物38)
実施例1と同様の方法で、参考例11で得られた化合物VI-11(288 mg, 0.449 mmol)を用い、化合物38(210 mg, 84.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 553(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.34(m, 50H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.66-1.68(m, 3H), 2.82(dd, J = 12.5, 3.0 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 2H), 3.43(td, J = 6.6, 0.7 Hz, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 2H).
【実施例39】
【0212】
(3R,4R)-3,4-ビス(オクタデシルオキシ)ピロリジン(化合物39)
実施例1と同様の方法で、参考例12で得られた化合物VI-12(290 mg, 0.415 mmol)を用い、化合物39(209 mg, 82.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 609(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.34(m, 58H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.64(br s, 3H), 2.82(dd, J = 12.3, 3.1 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.3, 5.0 Hz, 2H), 3.43(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.77(dd, J = 5.0, 3.1 Hz, 2H).
【実施例40】
【0213】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物40)
実施例1と同様の方法で、参考例13で得られた化合物VI-13(100 mg, 0.172 mmol)を用い、化合物40(71.4 mg, 84.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 492(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.87-0.92(m, 6H), 1.29-1.35(m, 26H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.64(br s, 3H), 2.02(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.82(dd, J = 12.5, 2.9 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.5, 4.9 Hz, 2H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.76(dd, J = 4.9, 2.9 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例41】
【0214】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-11-エニルオキシ)ピロリジン(化合物41)
実施例1と同様の方法で、参考例14で得られた化合物VI-14(220 mg, 0.317 mmol)を用い、化合物41(157 mg, 82.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 605(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.37(m, 42H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.87(br s, 2H), 2.01(q, J = 6.1 Hz, 8H), 2.83(dd, J = 12.5, 2.9 Hz, 2H), 3.10(dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 2H), 3.43(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.77(dd, J = 5.0, 2.9 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例42】
【0215】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-イコサ-11-エニルオキシ)ピロリジン(化合物42)
実施例1と同様の方法で、参考例15で得られた化合物VI-15(225 mg, 0.300 mmol)を用い、化合物42(168 mg, 84.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 661(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 50H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.78(br s, 2H), 2.01(q, J = 6.2 Hz, 8H), 2.82(dd, J = 12.5, 2.9 Hz, 2H), 3.09(dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 2H), 3.43(td, J = 6.7, 0.9 Hz, 4H), 3.76(dd, J = 5.0, 2.9 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例43】
【0216】
(3S,4S)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物43)
実施例1と同様の方法で、参考例10で得られた化合物VI-10(929 mg, 1.35 mmol)を用い、化合物43(728 mg, 90.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 601(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.30-1.41(m, 30H), 1.50-1.60(m, 4H), 1.65(br s, 3H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.75-2.85(m, 6H), 3.09(dd, J = 12.5, 5.3 Hz, 2H), 3.43(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.75-3.78(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例44】
【0217】
trans-3,4-ビス(((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物44)
実施例1と同様の方法で、参考例17で得られた化合物VI-16(335 mg, 0.503 mmol)を用い、化合物44(260 mg, 89.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 577(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.35(m, 36H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.96-2.07(m, 10H), 2.70(dd, J = 11.1, 5.7 Hz, 2H), 3.06(dd, J = 11.1, 7.3 Hz, 2H), 3.28-3.46(m, 8H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例45】
【0218】
(3R,4R)-3,4-ビス(ヘキサデシルオキシ)-1-メチルピロリジン(化合物45)
実施例10と同様の方法で、実施例38で得られた化合物38(175 mg, 0.317 mmol)を用い、化合物45(182 mg)を得た。
ESI-MS m/z: 567(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 52H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.6, 4.3 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.6, 5.5 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.5, 4.3 Hz, 2H).
【実施例46】
【0219】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス(オクタデシルオキシ)ピロリジン(化合物46)
実施例10と同様の方法で、実施例39で得られた化合物39(174 mg, 0.286 mmol)を用い、化合物46(169 mg, 95.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 623(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 60H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.9, 4.3 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.9, 5.6 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.6, 4.3 Hz, 2H).
【実施例47】
【0220】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)ピロリジン(化合物47)
実施例10と同様の方法で、実施例40で得られた化合物40(55 mg, 0.112 mmol)を用い、化合物47(53.4 mg, 93.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 507(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.87-0.92(m, 6H), 1.26-1.35(m, 28H), 1.52-1.61(m, 4H), 1.98-2.05(m, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.9, 4.2 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.9, 5.6 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(dd, J = 5.6, 4.2 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例48】
【0221】
(3R,4R)-1-メチル-3,4-ビス((Z)-オクタデカ-11-エニルオキシ)ピロリジン(化合物48)
実施例10と同様の方法で、実施例41で得られた化合物41(130 mg, 0.215 mmol)を用い、化合物48(125 mg, 94.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 619(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 44H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.01(q, J = 6.1 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 9.9, 4.0 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 9.9, 5.9 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(t, J = 4.9 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例49】
【0222】
(3R,4R)-3,4-ビス((Z)-イコサ-11-エニルオキシ)-1-メチルピロリジン(化合物49)
実施例10と同様の方法で、実施例42で得られた化合物42(141 mg, 0.214 mmol)を用い、化合物49(132 mg, 91.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 675(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 52H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.01(q, J = 6.1 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 10.0, 4.2 Hz, 2H), 2.82(dd, J = 10.0, 5.9 Hz, 2H), 3.37-3.48(m, 4H), 3.81(t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例50】
【0223】
(3S,4S)-1-メチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物50)
実施例10と同様の方法で、実施例43で得られた化合物43(325 mg, 0.542 mmol)を用い、化合物50(330 mg, 99.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 615(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.29-1.38(m, 30H), 1.51-1.62(m, 4H), 1.71(br s, 2H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.31(s, 3H), 2.46(dd, J = 10.0, 4.5 Hz, 2H), 2.75-2.86(m, 6H), 3.36-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.5 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例51】
【0224】
trans-3,4-ビス(((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)メチル)-1-メチルピロリジン(化合物51)
実施例10と同様の方法で、実施例44で得られた化合物44(175 mg, 0.304 mmol)を用い、化合物51(174 mg, 97.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 591(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 36H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.98-2.11(m, 10H), 2.33(s, 3H), 2.39(dd, J = 9.2, 5.3 Hz, 2H), 2.67(dd, J = 9.2, 7.3 Hz, 2H), 3.31-3.45(m, 8H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例52】
【0225】
(3S,4S)-1,1-ジメチル-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジニウムクロリド(化合物52)
実施例19と同様の方法で、実施例50で得られた化合物50(125 mg, 0.204 mmol)を用い、化合物52(135 mg, 99.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 629 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.29-1.38(m, 30H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.72(br s, 2H), 2.05(q, J = 6.5 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.43-3.57(m, 4H), 3.68(s, 6H), 3.87(dd, J = 13.2, 3.6 Hz, 2H), 4.03-4.13(m, 4H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例53】
【0226】
(3R,4R)-1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-エノアート)(化合物53)
実施例10と同様の方法で、実施例2で得られた化合物2(100 mg, 0.159 mmol)、DL-2,3-ジヒドロキシプロパナール(アルドリッチ社製、143 mg, 1.59 mmol)を用い、化合物53(95.4 mg, 85.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 703(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.40(m, 28H), 1.56-1.66(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.31(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.39-2.48(m, 1H), 2.56(dd, J = 10.8, 3.8 Hz, 1H), 2.67-2.85(m, 6H), 3.09(dd, J = 10.3, 5.9 Hz, 1H), 3.24(dd, J = 10.3, 5.9 Hz, 1H), 3.50-3.56(m, 1H), 3.72-3.80(m, 2H), 5.11(dd, J = 8.8, 5.1 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例54】
【0227】
1-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール(化合物54)
実施例24と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)、1,2-エポキシプロパン(0.023 mL, 0.333 mmol)を用い、化合物54(94.7 mg, 86.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 659(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.12(d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.26-1.40(m, 28H), 1.52-1.61(m, 8H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.22-2.30(m, 1H), 2.41-2.52(m, 2H), 2.67(dd, J = 10.1, 4.6 Hz, 1H), 2.75-2.85(m, 5H), 3.03(dd, J = 9.5, 5.9 Hz, 1H), 3.38-3.49(m, 4H), 3.73-3.85(m, 3H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例55】
【0228】
1-(3R,4R)-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-3-メトキシプロパン-2-オール(化合物55)
実施例24と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)、2-(メトキシメチル)オキシラン(0.035 mL, 0.333 mmol)を用い、化合物55(92.9 mg, 80.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 689(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.30-1.38(m, 28H), 1.52-1.60(m, 8H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.33-2.43(m, 1H), 2.50-2.56(m, 1H), 2.59-2.68(m, 2H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 2.86(dd, J = 9.7, 6.0 Hz, 1H), 3.01(dd, J = 9.7, 6.0 Hz, 1H), 3.33-3.49(m, 9H), 3.79-3.87(m, 3H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例56】
【0229】
3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オール(化合物56)
実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)をエタノール(2 mL)に溶解させ、アクリル酸エチル(0.181 mL, 1.67 mmol)、ナトリウムエトキシド(5.7 mg, 0.083 mmol)を加え、加熱還流下5.5時間撹拌した。反応溶液を冷却した後に減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製することでエチル 3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノアート(107 mg, 91.2%)を得た。
得られたエチル 3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノアート(220 mg, 0.314 mmol)をTHF(4 mL)に溶解させ、-78℃で1.0 mol/L水素化ジイソブチルアルミニウムトルエン溶液(0.943 mL, 0.943mmol)を加えた。-78℃から0℃まで徐々に昇温しながら2時間撹拌し、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/3〜93/7)で精製することで化合物56(113 mg, 54.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 659(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(dd, J = 7.5, 6.0 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 32H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.66-1.73(m, 2H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.56-2.79(m, 8H), 2.90(dd, J = 9.7, 5.7 Hz, 2H), 3.41(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.76-3.81(m, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例57】
【0230】
3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパナミド(化合物57)
実施例56で得られたエチル 3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノアート(180 mg, 0.257 mmol)をエタノール(2 mL)に溶解させ、2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液に1 mol/L塩酸水溶液を加えてpH 4とした後、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮することで3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノイック アシッド(148 mg, 85.8%)を得た。
得られた3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノイック アシッド(64 mg, 0.095 mmol)をクロロホルム(2 mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU、アルドリッチ社製、72 mg, 0.190 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.083 mL, 0.476 mmol)、2 mol/Lアンモニアメタノール溶液(0.238 mL, 0.476 mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製することで化合物57(46.1 mg, 72.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 672(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 32H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.39(t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.56(dd, J = 9.7, 4.2 Hz, 2H), 2.63-2.80(m, 6H), 2.90(dd, J = 9.7, 5.9 Hz, 2H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.2 Hz, 2H), 5.24(br s, 1H), 5.28-5.43(m, 8H), 8.07(br s, 1H).
【実施例58】
【0231】
3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-N,N-ジメチルプロパナミド(化合物58)
実施例57で得られた3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロパノイック アシッド(63 mg, 0.094 mmol)をクロロホルム(2 mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU、アルドリッチ社製、71 mg, 0.187 mmol)、2 mol/LジメチルアミンTHF溶液(0.234 mL, 0.469 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.082 mL, 0.469 mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5)で精製することで化合物58(60.7 mg, 92.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 700(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 32H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.51-2.56(m, 4H), 2.70-2.83(m, 6H), 2.87-2.95(m, 2H), 2.93(s, 3H), 3.00(s, 3H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例59】
【0232】
(3R,4R)-1-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物59)
実施例56で得られた化合物56(110 mg, 0.167 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.082 mL, 0.585 mmol)、無水メタンスルホン酸(58 mg, 0.334 mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮することで3-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)プロピル メタンスルホナートの粗生成物を得た。
得られた粗生成物をTHF(1 mL)に溶解させ、2.0 mol/LジメチルアミンTHF溶液(0.835 mL, 1.67 mmol)を加え、マイクロウェーブ照射(300W, 100℃, 1時間)を行った。反応溶液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜75/25)で精製することで化合物59(96.6 mg, 84.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 686(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 32H), 1.52-1.62(m, 4H), 1.63-1.76(m, 2H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.23(s, 6H), 2.29-2.52(m, 6H), 2.75-2.87(m, 6H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例60】
【0233】
4-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物60)
実施例10と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)、1-メチルピペリジン-4-オン(Aldrich社製、 0.205 mL, 1.67 mmol)を用い、化合物60(72.0 mg, 62.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 698(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.40(m, 32H), 1.52-1.62(m, 6H), 1.77-1.83(m, 2H), 1.89-2.08(m, 11H), 2.24(s, 3H), 2.53(dd, J = 9.6, 4.7 Hz, 2H), 2.75-2.85(m, 6H), 2.92(dd, J = 9.6, 6.2 Hz, 2H), 3.37-3.49(m, 4H), 3.81(t, J = 4.7 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例61】
【0234】
(3R,4R)-1-(2-アミノアセチル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物61)
実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)をクロロホルム(2 mL)に溶解させ、N-(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(東京化成工業社製、55 mg, 0.250 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.146 mL, 0.833 mmol)、HATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)(アルドリッチ社製、127 mg, 0.333 mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製することでtert-ブチル 2-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチルカルバマートを得た。
得られたtert-ブチル 2-((3R,4R)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチルカルバマートをジクロロメタン(2 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.256 mL, 3.33 mmol)を加え室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜85/15)で精製することで化合物61(60.5 mg, 55.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 658(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.40(m, 32H), 1.49-1.58(m, 6H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.30-3.56(m, 9H), 3.69(d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.86(d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.92(d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例62】
【0235】
(3R,4R)-1-(3-アミノプロパノイル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物62)
実施例61と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(96 mg, 0.160 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)-ベータ-アラニン(東京化成工業社製、45 mg, 0.240 mmol)を用い、化合物62(52.5 mg, 49.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 672(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.26-1.38(m, 32H), 1.49-1.57(m, 4H), 1.88(br s, 2H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.43(td, J = 6.0, 1.5 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.03(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.37-3.67(m, 8H), 3.85-3.91(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例63】
【0236】
(3R,4R)-1-((S)-2,5-ジアミノペンタノイル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物63)
実施例61と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)、(S)-2,5-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノイック アシッド(渡辺化学工業社製、83 mg, 0.250 mmol)を用い、化合物63(70.5 mg, 59.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 715(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.29-1.68(m, 40H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.69-2.79(m, 6H), 3.37-3.56(m, 7H), 3.64-3.69(m, 2H), 3.85-3.92(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例64】
【0237】
(3R,4R)-1-(6-アミノヘキサノイル)-3,4-ビス((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)ピロリジン(化合物64)
実施例61と同様の方法で、実施例1で得られた化合物1(100 mg, 0.167 mmol)、6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、58 mg, 0.250 mmol)を用い、化合物64(85.5 mg, 71.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 714(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.71(m, 42H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.25(t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.70-2.79(m, 6H), 3.37-3.65(m, 8H), 3.84-3.90(m, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例65】
【0238】
(3R,4R)-1-(2-アミノアセチル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-エノアート)(化合物65)
実施例61と同様の方法で、実施例2で得られた化合物2(100 mg, 0.159 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(東京化成工業社製、41.8 mg, 0.239 mmol)を用い、化合物65(73.4 mg, 67.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 686(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 28H), 1.56-1.65(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.27-2.34(m, 4H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.38-3.53(m, 3H), 3.68-3.81(m, 3H), 5.20(br s, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例66】
【0239】
(3R,4R)-1-((S)-2,6-ジアミノヘキサノイル)ピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-エノアート)(化合物66)
実施例61と同様の方法で、実施例2で得られた化合物2(100 mg, 0.159 mmol)、(S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、87 mg, 0.239 mmol)を用い、化合物66(73.0 mg, 60.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 757(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.65(m, 38H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.28-2.34(m, 4H), 2.70(t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.43(dd, J = 7.3, 4.8 Hz, 1H), 3.54(d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.74(br s, 2H), 3.88(dd, J = 11.9, 4.0 Hz, 1H), 5.20-5.21(m, 2H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例67】
【0240】
ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物67)
実施例1と同様の方法で、参考例19で得られた化合物VI-17(243 mg, 0.349 mmol)を用い、化合物67(212 mg, 69.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 607(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.35(m, 44H), 1.54-1.59(m, 4H), 1.65(s, 1H), 1.98-2.05(m, 8H), 2.80(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.42(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.53(t, J = 5.3 Hz, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例68】
【0241】
ビス(2-((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物68)
実施例1と同様の方法で、参考例20で得られた化合物VI-18(402 mg, 0.688 mmol)を用い、化合物68(291 mg, 85.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 494(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.90(t, J = 7.1 Hz, 6H), 1.29(br s, 28H), 1.53-1.62(m, 4H), 1.97-2.06(m, 9H), 2.81(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.42(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.53(t, J = 5.4 Hz, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例69】
【0242】
ビス(2-(テトラデシルオキシ)エチル)アミン(化合物69)
実施例1と同様の方法で、参考例21で得られた化合物VI-19(150 mg, 0.255 mmol)を用い、化合物69(79.2 mg, 62.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 499(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26(br s, 44H), 1.52-1.60(m, 4H), 1.89(br s, 1H), 2.81(t, J = 5.4 Hz, 4H), 3.43(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.54(t, J = 5.3 Hz, 4H).
【実施例70】
【0243】
ビス(2-(ヘキサデシルオキシ)エチル)アミン(化合物70)
実施例1と同様の方法で、参考例22で得られた化合物VI-20(389 mg, 0.604 mmol)を用い、化合物70(244 mg, 72.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 555(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26(br s, 52H), 1.52-1.61(m, 4H), 1.91(br s, 1H), 2.82(t, J = 5.4 Hz, 4H), 3.43(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.54(t, J = 5.4 Hz, 4H).
【実施例71】
【0244】
ビス(2-(オクタデシルオキシ)エチル)アミン(化合物71)
実施例1と同様の方法で、参考例23で得られた化合物VI-21(399 mg, 0.570 mmol)を用い、化合物71(151 mg, 43.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 611(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.25(br s, 60H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.08(br s, 1H), 2.84(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.43(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.55(t, J = 5.4 Hz, 4H).
【実施例72】
【0245】
ビス(2-((Z)-ヘキサデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物72)
実施例1と同様の方法で、参考例24で得られた化合物VI-22(700 mg, 1.09 mmol)を用い、化合物72(516 mg, 85.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 550(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 36H), 1.52-1.63(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.80(t, J = 5.3 Hz, 4H), 3.42(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.53(t, J = 5.3 Hz, 4H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例73】
【0246】
N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)アミン(化合物73)
tert-ブチル ビス(2-ヒドロキシエチル)カルバマート(アルドリッチ社製、600 mg, 2.92 mmol)をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、オレイン酸(東京化成工業社製、1.82 g, 6.43 mmol)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(1.29 g, 6.72 mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(89 mg, 0.731 mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=50/50〜0/100)で精製し、tert-ブチル N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)カルバマート(1.26 g, 58.7%)を得た。
得られたtert-ブチル N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)カルバマート(1.22 g, 1.66 mmol)をジクロロメタン(30 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2.56 mL, 33.2 mmol)を加え室温で3.5時間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜96/4)で精製することで化合物73(998 mg, 94.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 635(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.58-1.67(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.32(t, J = 7.7 Hz, 4H), 2.89(t, J = 5.5 Hz, 4H), 4.18(t, J = 5.5 Hz, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例74】
【0247】
N,N-ビス(2-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)エチル)アミン(化合物74)
実施例73と同様の方法で、tert-ブチル ビス(2-ヒドロキシエチル)カルバマート(アルドリッチ社製、415 mg, 2.02 mmol)、リノール酸(アルドリッチ社製、1.25 g, 4.45 mmol)を用い、化合物74(494 mg, 82.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 631(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.31(br s, 28H), 1.54(br s, 1H), 1.58-1.66(m, 4H), 2.00-2.09(m, 8H), 2.32(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 2.89(t, J = 5.4 Hz, 4H), 4.17(t, J = 5.6 Hz, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例75】
【0248】
N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-テトラデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物75)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、25.0 mg, 0.210 mmol)および(Z)-テトラデカ-9-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、152 mg, 0.524 mmol)を用い、化合物75(25.5 mg, 23.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 509(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.90(t, J = 7.1 Hz, 6H), 1.25-1.37(m, 28H), 1.51-1.62(m, 4H), 1.98-2.06(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.29-5.41(m, 4H).
【実施例76】
【0249】
N,N-ビス(2-(ヘキサデシルオキシ)エチル)-N-メチルアミン(化合物76)
参考例5と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、60.0 mg, 0.504 mmol)およびヘキサデシル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、403 mg, 1.26 mmol)を用い、化合物76(135 mg, 47.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 569(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26(br s, 52H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.0 Hz, 4H).
【実施例77】
【0250】
N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-11-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物77)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、80 mg, 0.671 mmol)および(Z)-オクタデカ-11-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、582 mg, 1.68 mmol)を用い、化合物77(198 mg, 47.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 621(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 44H), 1.56(dd, J = 16.9, 10.3 Hz, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.0 Hz, 4H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例78】
【0251】
N,N-ビス(2-((Z)-イコサ-11-エニルオキシ)エチル)-N-メチルアミン(化合物78)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、64.1 mg, 0.538 mmol)および(Z)-イコサ-11-エニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、504 mg, 1.35 mmol)を用い、化合物78(164 mg, 45.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 677(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.27(br s, 52H), 1.50-1.61(m, 4H), 1.96-2.06(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例79】
【0252】
N,N-ビス(2-((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)エチル)-N-メチルアミン(化合物79)
参考例1と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、58.0 mg, 0.487 mmol)および(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル メタンスルホナート(Nu-Chek Prep,Inc社製、453 mg, 1.22 mmol)を用い、化合物79(204 mg, 62.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 673(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.7 Hz, 6H), 1.29(br s, 40H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.01-2.09(m, 8H), 2.33(s, 3H), 2.64(t, J = 6.1 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.41(t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.52(t, J = 6.1 Hz, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例80】
【0253】
N,N-ジメチル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミニウムクロリド(化合物80)
実施例22と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(104 mg, 0.172 mmol)を用い、化合物80(114 mg, 99.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 635 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.51-1.60(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 3.44(s, 6H), 3.46(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.87-3.91(m, 4H), 3.97-4.01(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例81】
【0254】
N,N-ジメチル-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)アミニウムクロリド(化合物81)
実施例22と同様の方法で、実施例73で得られた化合物73(100 mg, 0.158 mmol)を用い、化合物81(86.9 mg, 79.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 663 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 40H), 1.56-1.65(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.35(t, J = 7.7 Hz, 4H), 3.53(s, 6H), 4.12-4.15(m, 4H), 4.58-4.62(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例82】
【0255】
3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパン-1,2-ジオール(化合物82)
実施例10と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(150 mg, 0.247 mmol)、DL-2,3-ジヒドロキシプロパナール(アルドリッチ社製、223 mg, 2.48 mmol)を用い、化合物82(24.2 mg, 14.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 681(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 44H), 1.52-1.61(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.67-2.69(m, 2H), 2.73-2.88(m, 4H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.45-3.54(m, 5H), 3.64-3.74(m, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例83】
【0256】
3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)アミノ)プロパン-1,2-ジオール(化合物83)
実施例10と同様の方法で、実施例73で得られた化合物73(150 mg, 0.246 mmol)、DL-2,3-ジヒドロキシプロパナール(アルドリッチ社製、222 mg, 2.46 mmol)を用い、化合物83(42.2 mg, 24.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 709(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.66(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.31(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.59-2.72(m, 2H), 2.76-2.93(m, 4H), 3.45-3.52(m, 1H), 3.66-3.78(m, 2H), 4.09-4.21(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例84】
【0257】
3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパナミド(化合物84)
実施例67で得られた化合物67(400 mg, 0.660 mmol)をエタノール(8 mL)に溶解させ、アクリル酸エチル(3.59 mL, 33.0 mmol)、ナトリウムエトキシド(22.5 mg, 0.330 mmol)を加え、加熱還流下終夜撹拌した。反応溶液を冷却した後に減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜98/2)で精製することでエチル 3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパノアート(399 mg, 85.6%)を得た。
得られたエチル 3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパノアート(200 mg, 0.283 mmol)をエタノール(4 mL)に溶解させ、2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3 mL)を加え、室温で6時間撹拌した。反応溶液に1 mol/L塩酸水溶液を加えてpH 6とした後、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮することで3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパノイック アシッド(188 mg, 98.0%)を得た。
得られた3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパノイック アシッド(85 mg, 0.125 mmol)をクロロホルム(3 mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU、アルドリッチ社製、95 mg, 0.251 mmol)、7 mol/Lアンモニアメタノール溶液(0.090 mL, 0.627 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.109 mL, 0.627 mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜88/12)で精製することで化合物84(72.3 mg, 85.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 678(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.48-1.57(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.36(t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.72-2.80(m, 6H), 3.39(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.48(t, J = 5.7 Hz, 4H), 5.18(br s, 1H), 5.29-5.40(m, 4H), 8.22(br s, 1H).
【実施例85】
【0258】
3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)-N,N-ジメチルプロパナミド(化合物85)
実施例84中の3-(ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミノ)プロパノイック アシッド(80 mg, 0.118 mmol)をクロロホルム(3 mL)に溶解させ、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU、アルドリッチ社製、90 mg, 0.236 mmol)、2 mol/LジメチルアミンTHF溶液(0.295 mL, 0.590 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.103 mL, 0.590 mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜94/6)で精製することで化合物85(71.1 mg, 85.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 706(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.51-1.59(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.56(br s, 2H), 2.79-2.96(m, 6H), 2.94(s, 3H), 3.02(s, 3H), 3.41(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.53(br s, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例86】
【0259】
2-アミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アセタミド(化合物89)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(東京化成工業社製、43 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物86(83.0 mg, 76.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 664(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.49-1.57(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 3.39(td, J = 6.6, 2.2 Hz, 4H), 3.48-3.51(m, 4H), 3.53(s, 2H), 3.56(s, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例87】
【0260】
3-アミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)プロパナミド(化合物87)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)-ベータ-アラニン(東京化成工業社製、47 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物87(84.2 mg, 75.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 678(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.55(t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.99(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.39(t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.51-3.57(m, 8H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例88】
【0261】
6-アミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)ヘキサナミド(化合物88)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、57 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物88(87.8 mg, 74.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 720(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.38(m, 44H), 1.41-1.56(m, 8H), 1.60-1.70(m, 2H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.39(t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.69(t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.39(t, J = 6.4 Hz, 4H), 3.49-3.56(m, 8H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例89】
【0262】
2-(ジメチルアミノ)-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アセタミド(化合物89)
実施例25と同様の方法で、実施例67で得られる化合物67(100 mg, 0.165 mmol)およびN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(東京化成工業社製、26 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物89(92.1 mg, 80.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 692(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.29(s, 6H), 3.20(s, 2H), 3.39(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50-3.57(m, 6H), 3.68(t, J = 5.5 Hz, 2H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例90】
【0263】
3-(ジメチルアミノ)-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)プロパナミド(化合物90)
実施例25と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、3-(ジメチルアミノ)プロピオン酸(メイトリクス・サイエンティフィック(MATRIX Scientific)社製、29 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物90(53.7 mg, 46.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 706(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.26(s, 6H), 2.55-2.68(m, 4H), 3.39(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.50-3.59(m, 8H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例91】
【0264】
(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)プロパナミド(化合物91)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、(S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノイック アシッド(渡辺化学工業社製、51 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物91(31.0 mg, 27.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 694(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.49-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 3.37-3.45(m, 5H), 3.49-3.77(m, 9H), 3.92(dd, J = 6.4, 4.9 Hz, 1H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例92】
【0265】
(S)-2,3-ジアミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)プロパナミド(化合物92)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、(S)-2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイック アシッド・ジシクロヘキシルアミン塩(渡辺化学工業社製、120 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物92(91.3 mg, 80.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 693(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.28-1.35(m, 44H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.70(dd, J = 12.6, 7.3 Hz, 1H), 2.86(dd, J = 12.6, 5.1 Hz, 1H), 3.32-3.43(m, 5H), 3.47-3.58(m, 5H), 3.71-3.81(m, 3H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例93】
【0266】
(S)-2,5-ジアミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)ペンタナミド(化合物93)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、(S)-2,5-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノイック アシッド(渡辺化学工業社製、82 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物93(57.5 mg, 48.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 721(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.43-1.70(m, 8H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.68-2.73(m, 2H), 3.29-3.57(m, 10H), 3.65-3.81(m, 3H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例94】
【0267】
(S)-2,6-ジアミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)ヘキサナミド(化合物94)
実施例61と同様の方法で、実施例67で得られた化合物67(100 mg, 0.165 mmol)、(S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、90 mg, 0.247 mmol)を用い、化合物94(55.7 mg, 46.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 735(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.38(m, 46H), 1.41-1.62(m, 8H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.69(t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.28-3.57(m, 10H), 3.65-3.82(m, 3H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例95】
【0268】
2-アミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)アセタミド(化合物95)
実施例61と同様の方法で、実施例73で得られた化合物73(100 mg, 0.158 mmol)、N-(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(東京化成工業社製、41.4 mg, 0.237 mmol)を用い、化合物95(72.8 mg, 66.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 692(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.55-1.64(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.30(td, J = 7.7, 2.6 Hz, 4H), 3.51(s, 2H), 3.53(t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.63(t, J = 5.7 Hz, 2H), 4.17-4.25(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例96】
【0269】
2-アミノ-N,N-ビス(2-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)エチル)アセタミド(化合物96)
実施例61と同様の方法で、実施例74で得られた化合物74(100 mg, 0.159 mmol)を用い、化合物96(36.3 mg, 33.3%)を得た。
ESI-MS m/z: 688(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.30(br s, 28H), 1.55-1.65(m, 4H), 2.01-2.08(m, 8H), 2.27-2.34(m, 4H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.50-3.66(m, 6H), 4.16-4.27(m, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例97】
【0270】
(S)-2,6-ジアミノ-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)ヘキサナミド(化合物97)
実施例61と同様の方法で、実施例73で得られた化合物73(100 mg, 0.158 mmol)、(S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、86 mg, 0.237 mmol)を用い、化合物97(49.1 mg, 40.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 763(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.65(m, 50H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.27-2.33(m, 4H), 2.70(t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.37-3.56(m, 2H), 3.64-3.87(m, 3H), 4.18-4.24(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例98】
【0271】
2-(ジメチルアミノ)-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)アセタミド(化合物98)
実施例25と同様の方法で、実施例73で得られる化合物73(105 mg, 0.166 mmol)およびN,N-ジメチルグリシン塩酸塩(東京化成工業社製、25.6 mg, 0.248 mmol)を用い、化合物98(72.1 mg, 60.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 720(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.34(m, 40H), 1.57-1.64(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.27-2.35(m, 10H), 3.15(s, 2H), 3.61(t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.78(t, J = 5.9 Hz, 2H), 4.22(q, J = 5.5 Hz, 4H), 5.30-5.39(m, 4H).
【実施例99】
【0272】
3-(ジメチルアミノ)-N,N-ビス(2-((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)エチル)プロパナミド(化合物99)
実施例25と同様の方法で、実施例73で得られた化合物73(100 mg, 0.158 mmol)、3-(ジメチルアミノ)プロピオン酸(メイトリクス・サイエンティフィック(MATRIX Scientific)社製、36.2 mg, 0.309 mmol)を用い、化合物99(25.3 mg, 21.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 734(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.63(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.27-2.33(m, 10H), 2.52-2.68(m, 4H), 3.59-3.64(m, 4H), 4.18-4.23(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例100】
【0273】
(S)-2,6-ジアミノ-N,N-ビス(2-((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)エチル)ヘキサナミド(化合物100)
実施例61と同様の方法で、実施例74で得られた化合物74(100 mg, 0.159 mmol)、(S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、87 mg, 0.238 mmol)を用い、化合物100(85.1 mg, 70.8%)を得た。
ESI-MS m/z: 759(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.65(m, 38H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.30(td, J = 7.4, 6.0 Hz, 4H), 2.70(t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.7 Hz, 4H), 3.37-3.57(m, 2H), 3.64-3.87(m, 3H), 4.21(q, J = 5.7 Hz, 4H), 5.28-5.44(m, 8H).
【実施例101】
【0274】
trans-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物101)
実施例1と同様の方法で、参考例25で得られた化合物VI-23(357 mg, 0.494 mmol)を用い、化合物101(252 mg, 80.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 633(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 44H), 1.50-1.59(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 10H), 2.69(dd, J = 11.3, 5.5 Hz, 2H), 3.06(dd, J = 11.3, 7.1 Hz, 2H), 3.28-3.46(m, 8H), 5.30-5.40(m, 4H).
【実施例102】
【0275】
trans-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物102)
実施例1と同様の方法で、参考例26で得られた化合物VI-24(382 mg, 0.532 mmol)を用い、化合物102(276 mg, 82.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 629(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.40(m, 32H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.97-2.08(m, 10H), 2.69(dd, J = 11.2, 5.7 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.06(dd, J = 11.2, 7.1 Hz, 2H), 3.28-3.46(m, 8H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例103】
【0276】
trans-3,4-ビス(((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物103)
実施例1と同様の方法で、参考例27で得られた化合物VI-25(420 mg, 0.542 mmol)を用い、化合物103(316 mg, 85.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 685(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.40(m, 40H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.97-2.08(m, 10H), 2.69(dd, J = 11.1, 5.8 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.06(dd, J = 11.1, 7.3 Hz, 2H), 3.28-3.46(m, 8H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例104】
【0277】
trans-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物104)
参考例28で得られた化合物XIII-1(278 mg, 0.366 mmol)をジクロロメタン(6 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.563 mL, 7.31 mmol)を加え室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣を少量のメタノールに溶解し、プラスチックカラムに充填したBONDESIL-SCX(ヴァリアン(VARIAN)社製、6 g)の上部に吸着させ、メタノールで洗浄し、次いでアンモニア・メタノール溶液(東京化成工業社製、2 mol/L)で目的物を溶出させた。目的物を含むフラクションを減圧下濃縮することで化合物104(162 mg, 67.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 661(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.64(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.09-2.16(m, 2H), 2.30(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.72(dd, J = 11.3, 5.5 Hz, 2H), 3.11(dd, J = 11.3, 7.1 Hz, 2H), 3.99-4.12(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例105】
【0278】
trans-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物105)
実施例104と同様の方法で、参考例29で得られた化合物XIII-2(350 mg, 0.463 mmol)を用い、化合物105(224 mg, 73.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 657(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 28H), 1.57-1.66(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.09-2.17(m, 2H), 2.31(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.72(dd, J = 11.3, 6.0 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.11(dd, J = 11.3, 7.3 Hz, 2H), 3.99-4.13(m, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例106】
【0279】
trans-1-メチル-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物106)
実施例10と同様の方法で、実施例101で得られた化合物101(107 mg, 0.169 mmol)を用い、化合物106(87.3 mg, 79.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 647(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.36(m, 44H), 1.50-1.59(m, 4H), 1.98-2.09(m, 10H), 2.31(s, 3H), 2.36(dd, J = 9.2, 5.3 Hz, 2H), 2.64(dd, J = 9.2, 7.0 Hz, 2H), 3.30-3.45(m, 8H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例107】
【0280】
trans-1-メチル-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物107)
実施例10と同様の方法で、実施例102で得られた化合物102(123 mg, 0.196 mmol)を用い、化合物107(109 mg, 86.7%)を得た。
ESI-MS m/z: 643(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 32H), 1.50-1.60(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 10H), 2.31(s, 3H), 2.36(dd, J = 9.2, 5.5 Hz, 2H), 2.64(dd, J = 9.2, 7.0 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.30-3.45(m, 8H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例108】
【0281】
trans-3,4-ビス(((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)メチル)-1メチルピロリジン(化合物108)
実施例10と同様の方法で、実施例103で得られた化合物103(165 mg, 0.241 mmol)を用い、化合物108(145 mg, 85.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 699(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.40(m, 40H), 1.50-1.60(m, 4H), 2.05(q, J = 6.2 Hz, 10H), 2.31(s, 3H), 2.36(dd, J = 9.2, 5.8 Hz, 2H), 2.64(dd, J = 9.2, 7.3 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.31-3.45(m, 8H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例109】
【0282】
trans-1-メチル-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物109)
実施例10と同様の方法で、実施例104で得られた化合物104(50 mg, 0.076 mmol)を用い、化合物109(47 mg, 92%)を得た。
ESI-MS m/z: 675(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.26-1.35(m, 40H), 1.56-1.65(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.15-2.24(m, 2H), 2.27-2.37(m, 9H), 2.67(dd, J = 9.3, 7.1 Hz, 2H), 3.99-4.12(m, 4H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例110】
【0283】
trans-1-メチル-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物110)
実施例10と同様の方法で、実施例105で得られた化合物105(80 mg, 0.12 mmol)を用い、化合物110(66 mg, 81%)を得た。
ESI-MS m/z: 671(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.40(m, 28H), 1.57-1.66(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.13-2.24(m, 2H), 2.27-2.37(m, 9H), 2.66(dd, J = 9.2, 7.3 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.7 Hz, 4H), 3.99-4.12(m, 4H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例111】
【0284】
trans-1,1-ジメチル-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エニルオキシ)メチル)ピロリジニウムクロリド(化合物111)
実施例22と同様の方法で、実施例101で得られた化合物101(90.0 mg, 0.142 mmol)を用い、化合物111(85.9 mg, 86.6%)を得た。
ESI-MS m/z: 661 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.37(m, 44H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.01(q, J = 5.9 Hz, 8H), 2.82-2.87(m, 2H), 3.43(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.48(s, 6H), 3.49-3.56(m, 4H), 3.75(dd, J = 11.6, 8.2 Hz, 2H), 4.10(dd, J = 11.6, 8.1 Hz, 2H), 5.29-5.41(m, 4H).
【実施例112】
【0285】
trans-1,1-ジメチル-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジニウムクロリド(化合物112)
実施例22と同様の方法で、実施例102で得られた化合物102(100 mg, 0.159 mmol)を用い、化合物112(107 mg, 96.9%)を得た。
ESI-MS m/z: 657 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.29-1.40(m, 32H), 1.50-1.58(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 2.80-2.87(m, 2H), 3.43(t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.48(s, 6H), 3.49-3.56(m, 4H), 3.74(dd, J = 11.6, 8.1 Hz, 2H), 4.09(dd, J = 11.6, 8.1 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例113】
【0286】
trans-1,1-ジメチル-3,4-ビス(((Z)-オクタデカ-9-エノイルオキシ)メチル)ピロリジニウムクロリド(化合物113)
実施例22と同様の方法で、実施例104で得られた化合物104(77.0 mg, 0.117 mmol)を用い、化合物113(69.5 mg, 82.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 689 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.65(m, 4H), 2.01(q, J = 5.5 Hz, 8H), 2.33(t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.93(br s, 2H), 3.57(s, 6H), 3.86(dd, J = 11.9, 8.6 Hz, 2H), 4.19-4.27(m, 6H), 5.29-5.40(m, 4H).
【実施例114】
【0287】
trans-1,1-ジメチル-3,4-ビス(((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシ)メチル)ピロリジニウムクロリド(化合物114)
実施例22と同様の方法で、実施例105で得られた化合物105(105 mg, 0.160 mmol)を用い、化合物114(74.3 mg, 64.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 685 M
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.26-1.40(m, 28H), 1.57-1.65(m, 4H), 2.05(q, J = 6.7 Hz, 8H), 2.33(t, J = 7.7 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.9 Hz, 4H), 2.93(br s, 2H), 3.56(s, 6H), 3.86(dd, J = 12.1, 8.4 Hz, 2H), 4.19-4.27(m, 6H), 5.28-5.43(m, 8H).
【実施例115】
【0288】
trans-1-((S)-2,6-ジアミノヘキサノイル)-3,4-ビス(((11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物115)
実施例61と同様の方法で、実施例103で得られた化合物103(100 mg, 0.146 mmol)、(S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイック アシッド(渡辺化学工業社製、80 mg, 0.219 mmol)を用い、化合物115(72.6 mg, 61.2%)を得た。
ESI-MS m/z: 813(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.27-1.59(m, 50H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.17-2.26(m, 1H), 2.35-2.43(m, 1H), 2.70(t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.77(t, J = 6.0 Hz, 4H), 3.21-3.55(m, 11H), 3.58-3.80(m, 2H), 5.29-5.43(m, 8H).
【実施例116】
【0289】
3-(ジメチルアミノ)プロピル ビス(2-((Z)-1-オキソオクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)カルバマート(化合物116)
実施例73で得られた化合物73(160 mg, 0.252 mmol)をクロロホルム(2.5 mL)に溶解させ、“ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)”,1981年,第103巻,p.4194-4199記載の方法で合成した3-(ジメチルアミノ)プロピル 4-ニトロフェニル カルボナート塩酸塩(115 mg, 0.379 mmol)およびトリエチルアミン(0.141 mL, 1.01 mmol)を加え、マイクロ波反応装置を用いて110℃で30分間加熱撹拌した。反応液に3-(ジメチルアミノ)プロピル 4-ニトロフェニル カルボナート塩酸塩(38.4 mg, 0.126 mmol)を加え、マイクロ波反応装置を用いて110℃で30分間加熱撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、ついで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5)で精製することで化合物116(42.6 mg, 22.1%)を得た。
ESI-MS m/z: 764(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.24-1.37(m, 40H), 1.54-1.65(m, 4H), 1.78-1.89(m, 2H), 1.97-2.05(m, 8H), 2.23(s, 6H), 2.25-2.38(m, 6H), 3.48-3.58(m, 2H), 3.62(q, J = 5.2 Hz, 2H), 4.11-4.30(m, 6H), 5.28-5.41(m, 4H).
【実施例117】
【0290】
3-(ジメチルアミノ)プロピル ビス(2-((9Z,12Z)-1-オキソオクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)エチル)カルバマート(化合物117)
実施例116と同様の方法で、実施例74で得られた化合物74(159 mg, 0.252 mmol)を用い、化合物117(60.3 mg, 31.5%)を得た。
ESI-MS m/z: 760(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.26-1.38(m, 28H), 1.58-1.69(m, 4H), 1.78-1.89(m, 2H), 2.00-2.09(m, 8H), 2.23(s, 6H), 2.26-2.38(m, 6H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.48-3.57(m, 2H), 3.62(q, J = 5.3 Hz, 2H), 4.12-4.30(m, 6H), 5.28-5.44(m, 8H).
【0291】
化合物118〜136は、実施例1〜117と同様の方法で得ることができるか、または国際公開第2009/086558号パンフレットと同様の方法で得ることができる。
【0292】
参考例30 (3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノアート)(化合物A-3)
実施例10と同様の方法で、実施例2で得られた化合物2(1.20 g, 1.90 mmol)を用い、化合物A-3(1.17 g, 95.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 643(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.31-1.41(m, 28H), 1.56-1.66(m, 4H), 2.05(q, J = 6.6 Hz, 8H), 2.29-2.35(m, 7H), 2.48(dd, J = 10.3, 4.2 Hz, 2H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 3.04(dd, J = 10.3, 5.8 Hz, 2H), 5.11(dd, J = 5.8, 4.2 Hz, 2H), 5.28-5.43(m, 8H).
【0293】
参考例31 (3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル ジ((Z)-オクタデカ-9-エノアート)(化合物A-4)
実施例10と同様の方法で、実施例9で得られた化合物9(500 mg, 0.791 mmol)を用い、化合物A-4(481 mg, 94.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 647(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.27-1.35(m, 40H), 1.56-1.66(m, 4H), 2.01(q, J = 6.2 Hz, 8H), 2.32(t, J = 7.7 Hz, 4H), 2.35(s, 3H), 2.48(dd, J = 10.5, 4.0 Hz, 2H), 3.04(dd, J = 10.5, 5.7 Hz, 2H), 5.10(dd, J = 5.7, 4.0 Hz, 2H), 5.29-5.40(m, 4H).
【0294】
参考例32 N-メチル-N,N-ビス(2-((9Z,12Z)-1-オキソオクタデカ-9,12-ジエニルオキシ)エチル)アミン(化合物A-5)
参考例2と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、119 mg, 1.00 mmol)およびリノール酸(Aldrich社製、617 mg, 2.20 mmol)を用い、化合物A-5(348 mg, 54.0%)を得た。
ESI-MS m/z: 645(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.89(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.27-1.38(m, 28H), 1.56-1.66(m, 4H), 2.00-2.09(m, 8H), 2.31(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.35(s, 3H), 2.70(t, J = 5.9 Hz, 4H), 2.77(t, J = 5.8 Hz, 4H), 4.16(t, J = 5.9 Hz, 4H), 5.28-5.42(m, 8H).
【0295】
参考例33 N-メチル-N,N-ビス(2-((Z)-1-オキソオクタデカ-9-エニルオキシ)エチル)アミン(化合物A-6)
参考例2と同様の方法で、N-メチルジエタノールアミン(東京化成工業社製、119 mg, 1.00 mmol)およびオレイン酸(東京化成工業社製、621 mg, 2.20 mmol)を用い、化合物A-6(333 mg, 51.4%)を得た。
ESI-MS m/z: 649(M + H)
+;
1H-NMR(CDCl
3) δ: 0.88(t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.25-1.36(m, 40H), 1.56-1.67(m, 4H), 1.97-2.04(m, 8H), 2.30(t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.35(s, 3H), 2.70(t, J = 5.9 Hz, 4H), 4.16(t, J = 5.9 Hz, 4H), 5.28-5.39(m, 4H).
【0296】
次に、本発明の組成物について、実施例および試験例により、具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例および試験例に限定されるものではない。
【実施例118】
【0297】
実施例1〜117で得られた化合物を用いて、以下のように製剤を製造した。用いた核酸は、センス鎖[5'-GmUCAmUCACACmUGAAmUACCAAmU-3'(mが付された塩基に結合する糖は、2’-O-メチルで置換されているリボースである)]と、アンチセンス鎖[5'-AUUGGUAUUCAGUGUGAUGACAC-3'(5’末端をリン酸化してある)]の塩基配列からなる、アポリポプロテインB(Apolipoprotein-B、以下apo-bと表す) 遺伝子の発現を抑制する抗APO-B siRNAであり、センス鎖およびアンチセンス鎖それぞれをニッポンイージーティー社、または北海道システムサイエンス社から入手し、アニーリングさせることにより調製した(以下apo-b siRNAという)。
実施例1〜117のそれぞれで得られた化合物1〜117/1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000)(PEG-DMPE、N-(カルボニルメトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン=ナトリウム塩、日油社製)/ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、日油社製)/コレステロール(アヴァンチ・ポーラーリピッド(Avanti Polar Lipids)社製)=8.947/1.059/5.708/13.697 mmol/Lとなるように、各試料を秤量し90 vol%エタノールに溶解させ、脂質膜の構成成分の溶液を調製した。一方、apo-b siRNA/蒸留水(24 mg/mL)をTris-EDTA緩衝液(200 mM Tris-HCl, 20 mM EDTA、インヴィトロジェン(Invitrogen)製)および、20 mMクエン酸緩衝液(pH5.0)で希釈し、1.5 mg/mLのapo-b siRNA水溶液(2 mM Tris-EDTA緩衝液, pH5.0)を調製した。
得られた脂質溶液を37℃に加温した後、100 μLを製剤調製用の容器に移し、得られたapo-b siRNA水溶液100 μLを攪拌下で加えた。得られた脂質核酸混合懸濁液200 μLに、20 mM クエン酸緩衝液(300 mM NaCl含有, pH6.0)200 μLを攪拌下で加え、さらにダルベッコリン酸バッファー(DPBS、インビトロジェン(Invitrogen)製)662 μLを滴下してsiRNA濃度を10 μMとし、製剤(化合物1〜117および核酸を含有する組成物)を得た。
粒子径測定装置(マルバーン(Zetasizer Nano ZS)社製)で製剤中のリポソームの平均粒子径を測定した。結果を表18に示す。
【0298】
【表18】
【0299】
比較例1
化合物1を、DOTAP(化合物A-1、 Avanti Polar Lipids製)にした以外、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は104.0 nmであった。
【0300】
比較例2
化合物1を、DLinDMA(化合物A-2)にした以外、実施例118と同様にして製剤を得た。なお、化合物A-2は国際公開第2005/121348号パンフレット記載の方法に従い合成した。
該製剤中のリポソームの平均粒子径は131.6 nmであった。
【0301】
比較例3
参考例30の化合物A-3を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は141.0 nmであった。
【0302】
比較例4
参考例31の化合物A-4を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は131.1 nmであった。
【0303】
比較例5
参考例32の化合物A-5を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は136.4 nmであった。
【0304】
比較例6
参考例33の化合物A-6を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は139.5 nmであった。
【0305】
比較例7
参考例3の化合物VI-3を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は167.8 nmであった。
【0306】
比較例8
参考例4の化合物VI-4を用いて、実施例118と同様にして製剤を得た。該製剤中のリポソームの平均粒子径は157.8 nmであった。
【0307】
比較例で用いた化合物A-1〜6および化合物VI-3〜4の構造式を表19に示す。
【0308】
【表19】
【0309】
試験例1
実施例118で得られた各製剤(化合物1〜115および核酸を含有する組成物)および比較例1〜8で得られた各製剤を、それぞれ以下の方法により、ヒト肝がん由来細胞株HepG2細胞(HB-8065)に導入した。
核酸の最終濃度が3-100nMとなるように、オプティメム(Opti-MEM、ギブコ(GIBCO)社、31985)で希釈した各製剤を、96ウェルの培養プレートに、20μLずつ分注した後、1.25%ウシ胎仔血清(FBS、SAFCバイオサイエンス(SAFC Biosciences)社、12203C)を含むMEMに懸濁させたHepG2細胞を、細胞数6250/80μL/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO
2条件下で培養することで、各製剤をHepG2細胞内に導入した。また陰性対照の群として何も処理しない細胞を播種した。
各製剤を導入した細胞を37℃の5%CO
2インキュベーター内で24時間培養し、氷冷したリン酸緩衝化生理食塩水(PBS、GIBCO社、14190)で洗浄し、Cells-to-Ct Kit(アプライドバイオサイエンス(ABI)社、AM1728)を用いて、製品に添付された説明書に記載された方法に従い、全RNAの回収と、得られた全RNAを鋳型とする逆転写反応によるcDNAの作製とを行った。
得られたcDNAを鋳型とし、ユニバーサルプローブライブラリ(Universal Probe Library、ロシュ アプライドサイエンス(Roche Applied Science)社、04683633001)をプローブとして、ABI7900HT Fast(ABI社製)を用い、添付された使用説明書に記載された方法に従ってPCR反応させることにより、apo-b遺伝子および構成的発現遺伝子であるグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase、以下gapdhと表す)遺伝子をPCR反応させてmRNA増幅量をそれぞれ測定し、gapdhのmRNA増幅量を内部対照として、apo-bのmRNAの準定量値を算出した。また、陰性対照の群における、apo-bのmRNA量およびgapdhのmRNA増幅量を同様にそれぞれ測定し、gapdhのmRNA増幅量を内部対照として、apo-bのmRNAの準定量値を算出した。
算出されたapo-bのmRNAの準定量値を、陰性対照におけるapo-bのmRNAの準定量値を1として求めたapo-bのmRNAの発現率の結果を、実施例118については
図1〜12に、比較例1〜8については
図13に示す。なお、縦軸は陰性対照を1とした場合の標的遺伝子のmRNAの発現率を表し、横軸は核酸濃度(nM)、使用したカチオン性脂質の化合物番号および実施例番号を示す。
【0310】
図1〜12から明らかなように、実施例118で得られた製剤(apo-b遺伝子の発現を抑制する抗APO-B siRNAと、化合物1〜115のそれぞれとを含有する組成物)を、ヒト肝がん由来細胞株HepG2細胞内に導入後の、apo-b遺伝子のmRNAの発現率は抑制されている。一方、
図13から明らかなように、比較例3〜8で得られた製剤(apo-b遺伝子の発現を抑制する抗APO-B siRNAと、化合物A-3〜6、VI-3およびVI-4のそれぞれとを含有する組成物)は、ヒト肝がん由来細胞株HepG2細胞内に導入後の、apo-b遺伝子のmRNAの発現率は抑制されていない。
よって、本発明の組成物は、核酸を細胞内等に導入することができ、本発明のカチオン性脂質は、細胞内に導入することを容易にする新規なカチオン性脂質であることが明らかとなった。