特許第5902669号(P5902669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5902669液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902669
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20160331BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20160331BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20160331BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20160331BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20160331BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20160331BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20160331BHJP
   B08B 1/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   C11D3/37
   C11D7/22
   C11D17/04
   A61K8/87
   A61Q11/00
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   B08B1/00
【請求項の数】6
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2013-506200(P2013-506200)
(86)(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公表番号】特表2013-525544(P2013-525544A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011032813
(87)【国際公開番号】WO2011133438
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2012年12月20日
(31)【優先権主張番号】61/424,852
(32)【優先日】2010年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/326,290
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘールト アンドレ デリアスニーダー
(72)【発明者】
【氏名】デニス アルフレッド ゴンザレス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン イアン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ マリア プレ−プラット ビヌエサ
【審査官】 磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−154410(JP,A)
【文献】 特開昭51−044649(JP,A)
【文献】 特表平09−511011(JP,A)
【文献】 特開昭60−110793(JP,A)
【文献】 特開平02−080497(JP,A)
【文献】 特表平06−504763(JP,A)
【文献】 特表2001−521884(JP,A)
【文献】 特表2003−512413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
A61K 8/00− 8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)研磨剤としての生分解性ポリウレタンフォーム粒子と、
b)懸濁助剤と、
を含む液体クリーニング又はクレンジング組成物であって、
前記生分解性ポリウレタンフォーム粒子が、前記組成物の0.5重量%〜5重量%の量で含まれ、
前記生分解性ポリウレタンフォームが、高分子ジイソシアネート及びポリオールから形成され、
前記高分子ジイソシアネートが、高分子トルエンジイソシアネート(TDI)、高分子メチレンジアニリンジイソシアネート(MDI)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
前記高分子ジイソシアネートは、TDI及び/又はMDIモノマーを含まず、
前記ポリオールが、ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
但し、ポリオールとしてポリエチレングリコールが選択される場合、
(a)ポリカプロラクトンジオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1のポリオールとの混合物として用いるか、及び/又は
(b)ポリウレタンフォームの発泡プロセス中に、リグニン、糖蜜、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、及びアミノ酸からなる群から選択される少なくとも1の材料が添加され、
前記生分解性ポリウレタンフォーム粒子が、
(i)非球状で、0.6以下の形状因子を有し、
(ii)5〜15kg/mm2のHVビッカース硬さを有し、
(iii)ISO9276−6に従った150〜250μmの平均粒径を有し、
前記形状因子(FF)は、ASTM F1877−05(2009年6月)11.3.6章に基づいて、
FF=4π×(面積)÷(外周)
の式で定義され、
式中の面積及び外周とは、それぞれ、粒子の2次元画像に現れる形状についての面積及び外側輪郭の外周であり、
前記生分解性ポリウレタンフォームが、50kg/m3〜5kg/m3の密度を有し、
前記懸濁助剤が、ポリカルボキシレートポリマー増粘剤、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びスクシノグリカンからなる群から選択され、
前記組成物のpHが6〜8である、液体クリーニング又はクレンジング組成物。
【請求項2】
前記組成物が6.5〜7.5のpHを有する、
請求項1に記載の液体クリーニング又はクレンジング組成物。
【請求項3】
前記ポリウレタンフォームが、開放セル構造を有し、
ポリウレタンフォーム粒子がセル構造を有さない、
請求項1に記載の液体クリーニング又はクレンジング組成物。
【請求項4】
前記ポリウレタンフォームが、検出不能なガラス相温度又は使用温度よりも少なくとも40℃高い相転移温度を有する、
請求項3に記載の液体クリーニング又はクレンジング組成物。
【請求項5】
前記クリーニング組成物が、洗浄基材上に添着され、前記基材が紙若しくは不織布の、タオル又は拭き取り布、あるいはスポンジである、
請求項1に記載の液体クリーニング又はクレンジング組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の液体クリーニング又はクレンジング組成物で表面をクリーニング又はクレンジングする方法であって、
前記表面が前記組成物に接触される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家の中及び周りの硬質表面、皿表面、歯、ヒトの及び動物の皮膚、自動車及び車両表面などの様々な無生物及び生物表面をクリーニング及び/又はクレンジングするための液体組成物に関する。より具体的には、本発明は、クリーニング及び/又はクレンジングに好適な粒子を含む液体磨き用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子組成物などの磨き用組成物又は研磨性成分を含有する液体(ゲル、ペースト型を含む)組成物は当業界では周知である。このような組成物は、いろいろな表面、特に、しみ及び汚れの除去が困難な汚染を受ける傾向のある表面をクリーニング及び/又はクレンジングするのに使用される。
【0003】
現時点で既知の磨き用組成物の中で、最も好評な磨き用組成物は、球状から不規則なものまでの様々な形状の研磨性粒子をベースとするものである。最も一般的なの研磨性粒子は、炭酸塩、粘土、シリカ、ケイ酸塩、シェールアッシュ、パーライト及び珪砂のような無機物質、あるいは、ポリプロピレン、PVC、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアクリレート及び誘導体のような有機高分子ビーズのいずれかであり、研磨性粒子を懸濁させたクリームのような稠度を有する液体組成物の形態である。
【0004】
このような現時点で既知の磨き用組成物の表面安全プロフィールは不適切なものであり、あるいは適切な表面安全プロフィールの組成物に関しては劣ったクリーニング性能が示される。実際、極めて硬い研磨性粒子が存在することにより、これらの組成物は、塗布した表面を損傷、すなわち擦傷する可能性がある。配合者は、激しい表面損傷を示すがクリーニング/クレンジング性能が良好であるか、又は許容可能な表面安全プロフィールを示すがクリーニング/クレンジング性能の点で妥協するかの間で選択する必要がある。加えて、消費者は、少なくともある適用分野(例えば、硬質表面クリーニング)におけるこのような現時点で既知の磨き用組成物が時代遅れであると感じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、家の中及び家の周りの硬質表面、皿表面、例えば歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質の組織表面、ヒトの及び動物の皮膚などの様々な無生物及び生物表面などの表面をクリーニング及び/又はクレンジングするのに好適な液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物であって、良好な表面安全プロフィールをもたらすと同時に、良好なクリーニング/クレンジング性能をもたらす、組成物を提供することである。
【0006】
上記目的は、本発明に記述の組成によって達成可能であることが見出された。
【0007】
釉薬加工済及び非釉薬加工セラミックタイル、エナメル、ステンレススチール、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)、ビニル、非ワックスビニル、リノリューム、メラミン、ガラス、プラスチック、塗装表面、ヒトの及び動物の皮膚、毛髪、例えば歯、歯ぐき、舌及び口腔表面などの口腔の硬質及び軟質の組織表面などの様々な材料からできている無生物及び生物表面のクリーニング及び/又はクレンジングに使用し得るということが、本発明による組成物の利点である。
【0008】
本発明の更なる利点は、本明細書での組成物では、上記のメリットをなお提供しながら、粒子を極めて低濃度で配合することができるということである。実際、良好なクリーニング/クレンジング性能に到達するためには、他の技術に関しては一般に、高濃度の研磨性粒子が必要とされ、高い配合及び加工のコスト、困難なリンス、及び最終クリーニングプロフィール、並びにクリーニング/クレンジング組成物の審美性及び気持ちのよい手触りに対する限界をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、研磨剤としてのポリウレタンフォーム粒子と懸濁助剤とを含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物に関し、ポリウレタンフォームが、ジイソシアネートモノマー及びポリオールから形成され、ジイソシアネートモノマーが芳香族ジイソシアネートモノマーであり、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジアニリンジイソシアネート(MDI)、MDIのポリマー形態、TDIのポリマー形態、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0010】
本発明は、研磨性クリーニング粒子を含む液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物で表面をクリーニング及び/又はクレンジングする方法であって、前記表面が前記組成物に接触され、好ましくは前記組成物が前記表面上に塗布される方法を更に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明によるポリウレタン粒子A(密度60kg/m3)研磨性クリーニング粒子を示す電子顕微鏡画像。
図1b】本発明によるポリウレタン粒子B(密度33kg/m3)研磨性クリーニング粒子を示す電子顕微鏡画像。
図2】先端の丸みの図。
図3a】壁膜を有する独立気泡ポリウレタンフォームを示す電子画像であり、並びに
図3b】本発明による壁膜不在の連続気泡ポリウレタンフォームを示す電子顕微鏡画像。
【発明を実施するための形態】
【0012】
液体クリーニング/クレンジング組成物
本発明による組成物は、様々な無生物及び生物表面用のクリーナー/クレンザーとして設計される。好ましくは、本明細書での組成物は、無生物表面、生物表面からなる群から選択される表面のクリーニング/クレンジングに好適である。
【0013】
好ましい実施形態では、本明細書での組成物は、家庭用硬質表面;皿表面;皮革又は合成皮革のような表面;及び自動車車両の表面からなる群から選択される無生物表面のクリーニング/クレンジングに好適である。
【0014】
極めて好ましい実施形態では、本明細書での組成物は家庭用硬質表面のクリーニングに好適である。
【0015】
「家庭用硬質表面」とは、本明細書では、例えば、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リノリューム、メラミン、ガラス、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)、任意のプラスチック、プラスチック化木材、金属又は任意の塗装若しくはワニス仕上げ若しくは密封表面などのような異なる材料からできている、床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワープラスチック化カーテン、洗面台、WC、什器及び付属品等などの、キッチン、バスルームのような家の中及び家の周りで見られる任意の種類の表面を意味する。家庭用硬質表面には、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機などが挙げられるがこれらに限定されない家庭用電化製品も包含される。このような硬質表面は、個人の家庭用、並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見られる。
【0016】
「皿表面」とは、本明細書では、皿、食事用器具、まな板、鍋などのような、皿の洗浄で見られる任意の種類の表面を意味する。このような皿表面は、個人の家庭用、並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見られ得る。
【0017】
別の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、ヒトの皮膚、動物の皮膚、ヒトの毛髪、動物の体毛、及び歯からなる群から選択される生物表面のクリーニング及び/又はクレンジングに好適である。
【0018】
本発明による組成物は、固体又は気体とは対照的に、液体組成物である。液体組成物は、水のような粘度を有する組成物、並びにゲル及びペーストなどの増粘された組成物を含む。
【0019】
本明細書中の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は水性組成物である。したがって、組成物は、組成物全体の65重量%〜99.5重量%、好ましくは75重量%〜98重量%、より好ましくは80重量%〜95重量%の水を含み得る。
【0020】
本明細書における別の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は、ほとんど非水性組成物であるが、組成物全体の0重量%〜10重量%の水、好ましくは組成物全体の0重量%〜5重量%、より好ましくは0重量%〜1重量%、最も好ましくは0重量%の水を含んでもよい。
【0021】
本明細書での好ましい実施形態では、本明細書での組成物は中性の組成物であり、したがって25℃で測定して、6〜8、より好ましくは6.5〜7.5、更により好ましくは7のpHを有する。
【0022】
別の好ましい実施形態では、組成物は、好ましくはpH 4超のpHを有し、あるいは好ましくはpH 9未満のpHを有する。
【0023】
したがって、本明細書での組成物は、pHの調整のために好適な塩基及び酸を含んでもよい。
【0024】
本明細書で使用される好適な塩基は、有機及び/又は無機塩基である。本明細書での使用に好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び/又は水酸化リチウムのような苛性アルカリ、並びに/又は酸化ナトリウム及び/又は酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物、又はこれらの混合物である。好ましい塩基は、苛性アルカリ、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである。
【0025】
他の好適な塩基としては、アンモニウム、炭酸アンモニウム、全ての利用可能な炭酸塩、例えば、K2CO3、Na2CO3、Ca2CO3、Mg2CO3など、アルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン)、尿素及び尿素誘導体、ポリアミンなどが挙げられる。
【0026】
存在する場合、このような塩基の典型的な濃度は、組成物全体の0.01重量%〜5.0重量%、好ましくは0.05重量%〜3.0重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜0.6重量%である。
【0027】
本明細書の組成物は、必要とされる程度にまでpHを減少させるための酸を含み得、酸が存在する場合はそれにも関わらず、本明細書の組成物は、中性のpHからアルカリ性のpH、好ましくは上述のようなアルカリ性のpHを維持する。本明細書での使用に好適な酸は、有機及び/又は無機酸である。本明細書での使用に好ましい有機酸は、6未満のpKaを有する。好適な有機酸は、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。前記酸の混合物は、商品名Sokalan(登録商標)DCSでBASFから市販されている。好適な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
存在する場合、このような酸の典型的な濃度は、組成物全体の0.01重量%〜5.0重量%、好ましくは0.04重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜1.5重量%である。
【0029】
本発明による好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、増粘組成物である。好ましくは、本明細書の液体組成物は、ステンレス鋼製の4cm円錐形スピンドル、角度2°(最大8分で0.1〜100秒-1の直線的な増分)を有するレオメーターモデルAR 1000(TA Instrumentsにより供給)で測定した場合、20s-1において7500cpsまで、より好ましくは50cps〜5000cps、更により好ましくは50cps〜2000cps、最も好ましくは20s-1及び20℃において300cps〜1500cpsの粘度を有する。
【0030】
本明細書による別の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は水のような粘度を有する。「水のような粘度」とは、本明細書では水の粘度に近い粘度を意味する。好ましくは、本明細書の液体組成物は、60rpmで最大50cpsの粘度を有し、60rpm及び20℃で、Brookfieldデジタル粘度計DV II型を、スピンドル2で使用して測定するとき、より好ましくは0cps〜30cps、更により好ましくは0cps〜20cps、最も好ましくは、0cps〜10cpsの粘度を有する。
【0031】
研磨性クリーニング粒子
本明細書の液体クリーニング及び/又はクレンジング組成物は、ポリウレタンフォームをせん断変換及び/又は粒状にすることによって形成された研磨性クリーニング粒子を含む。
【0032】
驚くべきことには、本発明の研磨性クリーニング粒子は、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、更により好ましくは0.5重量%〜2重量%の前記研磨性クリーニング粒子などの比較的低濃度でも良好なクリーニング性能を示すということが判った。
【0033】
本発明で使用される粒子は、白色及び/又は透明であることが好ましい。粒子の色は、好適な染料及び/又は顔料を使用することで変化させることができる。加えて、好適な色安定化剤を使用して、所望の色を安定化することができる。
【0034】
好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子は、好ましくは非転がり性である。あるいは、別の好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子は、好ましくは鋭利である。
【0035】
本出願人は、非転がり性及び/又は鋭利な研磨性クリーニング粒子が、良好なよごれ除去をもたらすということを見出した。
【0036】
本明細書での研磨性クリーニング粒子は非球状である。
【0037】
「非球状」とは、本明細書では球と異なる形状を有し、0.75以下の形状因子(FF)を有することを意味する。好ましくは、本明細書での研磨性クリーニング粒子は、0.6以下、最も好ましくは0.50以下の形状因子(FF)を有する。
【0038】
「形状因子(FF)」とは、本明細書ではASTM F1877−05(2009年6月)11.3.6章により定義される不規則な表面トポロジー(例えば,表面粗さ)を特に強調する、所定の粒子が球の規則的な形からどのように異なるかを定義する寸法の指示子を意味し、FF=4π面積÷外周2の式中、式中の「面積」及び「外周」、それぞれ、粒子の2次元画像に現れる形状についての面積及び外側輪郭の外周を意味する。
【0039】
本明細書の非球状粒子は、好ましくは鋭利な縁部を有し、各粒子は、凹状の湾曲を有する少なくとも1つの縁部又は表面を有する。より好ましくは、本明細書での非球状粒子は多数の鋭利な縁部を有し、各粒子は、凹状の湾曲を有する少なくとも1つの縁部又は表面を有する。非球状粒子の鋭利な縁部は、20μm未満、好ましくは8μm未満、最も好ましくは5μm未満の先端の丸みを有する縁部により定義される。先端の丸みは、縁部の先端の湾曲に適合する仮想円の直径により定義される。
【0040】
図1aは、本発明によるポリウレタン粒子A(密度60kg/m3)研磨性クリーニング粒子を示す電子顕微鏡画像であり、図1bは、本発明によるポリウレタン粒子B(密度33kg/m3)研磨性クリーニング粒子を示す電子顕微鏡画像である。
【0041】
図2は、先端の丸みの図である。
【0042】
好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子は、10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜500μm、より好ましくは100μm〜350μm、最も好ましくは150μm〜250μmの平均ECDを有する。
【0043】
小さい粒径は効率的なクリーニング性能を達成するのにも極めて重要であり得るが、例えば、典型的には10マイクロメートル未満の過剰に研磨性の小粒径の集団は、小さい粒径に固有のクリーナー中の粒子装填量当たりの高い粒子数を示すにも拘わらず、クリーニングに対して研磨作用を示す。一方、過度に大きい粒径、例えば1000マイクロメートルを超える研磨性集団は、大粒径に固有なこととしてクリーナー中の粒子装填量当たりの粒子数が著しく減少するので、最適でないクリーニング効率を与える。加えて、実際に多数の小粒子は、様々な表面形態からの除去が難しいことがしばしばあり、目視可能な粒子残渣を表面に残さずには、使用者が除去に過度の努力を要求されるので、過度に小さい粒径は、クリーナー中で/クリーニング作業には望ましくない。一方、過度に大きい粒子は、目視での検出が容易過ぎるか、又はクリーナーの取扱い又は使用時に悪い触覚体験をもたらす。それゆえ、本出願人らは、最適なクリーニング性能及び使用体験の両方をもたらす最適な粒径範囲を本明細書中で定義する。
【0044】
研磨粒子は、等価円直径ECD(ASTM F1877−05第11.3.2項)とも呼ばれる、面積等価直径(ISO 9276−6:2008(E)第7項)により定義される粒径を有する。粒子集団の平均ECDは、10マイクロメートル未満の面積等価直径(ECD)を有する粒子のデータを測定及び計算から排除した後、少なくとも10 000粒子、好ましくは50 000粒子超、より好ましくは100 000粒子超の粒子集団の各粒子のそれぞれのECDの平均として計算される。平均データは、数を基準にした測定と比較して体積を基準にした測定から抽出される。
【0045】
好ましい実施形態では、研磨性クリーニング粒子は、ジイソシアネートモノマーとポリオールとの間の反応で形成される、ポリウレタンフォームから生成され、このジイソシアネートモノマーは、触媒、セル構造を制御するための材料及び界面活性剤の存在下で脂肪族及び/又は芳香族であり得る。ポリウレタンフォームは、ジイソシアネートモノマー及びポリオールのタイプを変化させることによって、並びにそれらの特性を変更するための他の物質を添加することによって、種々の密度及び硬度で作られ得る。ポリウレタンフォームの安定性及びポリウレタンフォームのその他の特性を改良するために、他の添加剤が使用され得る。本発明のために使用されるポリウレタンフォーム粒子は、この組成物が塗布された表面を損傷することなく、良好なクリーニング特性をもたらすのに十分に硬いことが必要とされる。
【0046】
1つの好ましい例では、本発明で使用される研磨性クリーニング粒子の粒径は、特に著しい粒径低下を受ける使用時に変性される。したがって、粒子は、液体組成物中及び使用プロセスの開始時に目視又は触覚で検出可能なままで、有効なクリーニングを提供する。クリーニングプロセスが進行するにしたがって、研磨粒子はより小粒子に分散又は破砕し、肉眼で目視不能又は触覚で検出不能となる。
【0047】
ポリウレタンフォームの特性は、ポリオールの選択によって主に決定されるが、ジイソシアネートもいくらかの影響を及ぼす。芳香族ジイソシアネートから作製されたポリウレタンフォームは、光への曝露で黄変するが、一方、脂肪族ジイソシアネートから作製されたものは、色安定性である。芳香族ジイソシアネートを含有するポリウレタンフォームの変色のために、Ti22のような色安定化剤の使用が好ましい。しかしながら、出願者は、脂肪族ジイソシアネートモノマーと芳香族ジイソシアネートモノマーを混合し、芳香族ジイソシアネートモノマーの濃度を、ジイソシアネートの60重量%未満、好ましくは50重量%未満、より好ましくはでジイソシアネートの40重量%未満に維持することによって、色安定性ポリウレタンフォーム粒子が、本発明でのクリーニング研磨剤としての用途で提供され得ることを発見した。
【0048】
本明細書で使用される好適なジイソシイアネートモノマーは、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジアニリンジイソシアネート(MDI)、MDAのポリマー形態、TDIのポリマー形態、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される芳香族ジイソシアネートモノマーが好ましい。
【0049】
ポリオールの選択は、フォームの色安定性には大きな影響を及ぼさないが、フォームの硬度及び生分解性に対してより影響する。
【0050】
本明細書で使用される好適なポリオールの例としては、ヒマシ油及び/又は大豆油(硫酸化油を含む、エトキシル化又はプロポキシル化油を含む)、グルコース、スクロース、デキストロース、ラクトース、フルクトース、デンプン、セルロースのような糖及び多糖、グリコール、グリセロール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、ポリグリシトール及びトリメチロールプロパンのような糖アルコールからなる群から選択されるものが好ましい。
【0051】
一般的な有用なポリオールは、先のポリオール(トルエンジアニリンからの誘導体を含む)のジエタノールアミンとプロピレンオキシド(非包括的例としては、「スクロース」プロポキシレート)との反応によっても得られる。
【0052】
本明細書で使用されるべき他の好適なポリオールとしては、エチレングリコール及びポリエチレングリコールのような高分子誘導体、プロピレングリコール及びポリプロピレングリコールのような高分子誘導体、テトラメチレングリコール及びポリテトラメチレングリコールのような高分子誘導体である。
【0053】
ポリエステルポリオールも好適なポリオールであり、ポリエステルポリオールは、酸(アジピン酸、コハク酸、ドデカンジオン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)とアルコール(エチレングリコール、1,2プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、2−CH3−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン)との反応から得られる。非包括的例は、ポリエチレンジオールアジペート、ポリプロピレンジオールアジペート、ポリブタンジオールアジペートである。
【0054】
他の好適なポリオールは、ポリエチレンテレフタレート及びコポリマー誘導体、例えばポリエチレンテレフタレートグリコール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオールと反応したジメチルカーボネートから誘導されたポリオール、例えばヘキサンジオール、マンニッヒポリオール及びアミン末端ポリオール及びポリカプロラクトンポリオール並びにこれらの混合物などの疎水性タイプのポリオールである。ポリウレタンフォームの適切な化学的及び機械的特性を得るためには、先のアルコールの混合物が望ましいことがある。
【0055】
本明細書で使用される好ましいポリオールは、ポリプロピレングリコール、400〜4000の分子量を有するポリテトラメチレングリコール、大豆油及びヒマシ油並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0056】
最も好ましいポリオールは、エチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール、ヒマシ油、大豆油、糖及びポリ糖並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
ポリオールの選択は、ポリウレタンフォームの生分解性及び硬度に影響を及ぼす。例えば、生分解性フォームの製造を達成するために、ポリオールの好ましい選択は、エチレングリコール系ポリオール若しくはカプロラクトン系ポリオール及び/又はアジペート系ポリオールのような開裂可能なエステル若しくは無水カルボン酸官能基を含有するポリオールのような親水性ポリオールであり、必要に応じて、糖及び糖アルコール誘導体、ヒマシ油並びにこれらの混合物のような天然ポリオールと混合される。
【0058】
好ましい一実施形態において、生分解性ポリウレタンフォームは、400〜4000の分子量を有し、かつポリカプロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを使用することによって調製される。
【0059】
別の好ましい実施形態では、生分解性ポリウレタンフォームは、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを、高分子MDIと反応させることによって調製され、この高分子MDIはMDIモノマーを含有せずに、研磨剤粒子の分解の結果として得られる、例えばメチレンジアニリンモノマー(MDA)のような有害なモノマーの産生を最小化する。生分解性ポリウレタンフォームを調製するための別の好ましい方法は、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びこれらの混合物から選択されるポリオールを、高分子TDIと反応させることであり、この高分子TDIはTDIモノマーを含有せずに、研磨剤粒子の分解の結果として得られる、例えばトルエンジアミン(TDA)のような有害なモノマーの産生を最小化する。
【0060】
生分解性ポリウレタンフォームを調製するための別の好ましい方法は、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びこれらの混合物から選択されるポリオールを、ウレタン化/カルボジイミド化MDI又は高分子MDIと反応させることであり、これはMDIモノマーを含有せずに、例えばメチレンジアニリンモノマー(MDA)のような有害なモノマーの産生を最小化する。生分解性ポリウレタンフォームを調製するための別の好ましい方法は、ポリカプロラクトンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール及びこれらの混合物から選択されるポリオールを、ウレタン化/カルボジイミド化高分子TDIとに反応させることであり、これはTDIモノマーを含有せずに、例えばトルエンジアミン(TDA)のような有害なモノマーの産生を最小化する。
【0061】
用語MDIのポリマー形態及びTDIのポリマー形態とは、本明細書では2.4超、より好ましくは2.7超、最も好ましくは3超のイソシアネート官能性を有するMDI及びTDIジイソシアネートのポリマー形態を意味する。更に、MDI及びTDIジイソシアネートのポリマー形態は、標準Brookfield法で、25℃にて、好ましくは200cps超、より好ましくは400cps超、最も好ましくは700cps超の粘度を有し、一方ジイソシアネートのポリマー形態は、MDI又はTDIのモノマーを含有しない。
【0062】
別の好ましい実施形態では、生分解性ポリウレタンフォームは、疎水性のプレポリマー化されたジイソシアネート、例えば予備反応させたMDI及び/若しくは予備反応させたTDI又はポリマーMDI及び/若しくはポリマーTDIを疎水性のポリオールと反応させることによって、並びにプレポリマー化ジイソシアネートを親水性及び/又は生分解性のポリオールと反応させることによって調製される。
【0063】
用語プレポリマー化ジイソシアネートとは、本明細書では、ポリオールが過剰のジイソシアネーと反応した反応の産物を意味する。あるいは、これらプレポリマーは、続いてウレタン化及び/又はカルボジイミド化されてもよい。
【0064】
プレポリマー化ジイソシアネートの例は、ポリエチレンテレフタレート及びコポリマー誘導体、例えばポリエチレンテレフタレートグリコール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオールと反応したジメチルカーボネートから誘導されたポリオール、例えばヘキサンジオール、マンニッヒポリオール及びアミン末端ポリオール及びポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール又はポリデカメチレングリコールと予備反応されたMDI又はポリマー化MDIである。好ましい親水性又は生分解性ポリオールの例は、エチレングリコール系ポリオール若しくはカプロラクトン系ポリオール及び/又はアジペート系ポリオールのような開裂可能なエステル若しくは無水カルボン酸官能基を含有するポリオールのような親水性ポリオールであり、必要に応じて、糖及び糖アルコール誘導体、セルロース誘導体、ヒマシ油並びにこれらの混合物のような天然ポリオールと混合される。
【0065】
あるいは、堅い分子構造を有する低分子量ポリオールを使用すると、ポリウレタンフォームの全体の硬度が増大する。硬質ポリウレタンフォームを製造するために典型的に有用なポリオールは、2000未満、好ましくは1500未満及びより好ましくは1000未満の平均分子量(Mw)を有する。特に、スクロース、エチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール(Mw<400)及びこれらの混合物の使用が好ましい。
【0066】
別の方法としては、発泡プロセス中の生理活性又は生分解性材料の添加もまた、得られるポリウレタンフォームの十分な生分解性を達成するための手段である。特に、リグニン、糖蜜、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、又はアミノ酸の添加が、特に好ましい。
【0067】
同様に、ポリウレタンフォームの硬度を増大させるために、高アルコール(又はアミン)官能基含有量を伴うポリオールの使用が好ましい。1mg KOH/gポリオール中のOH数によって定義されるポリオール官能性は、150超、好ましくは200超、最も好ましくは300超である。
【0068】
組成物がpH 4未満及びpH 9超で製剤化される場合、加水分解安定性はポリウレタンフォームの好ましい特性である。好ましくは、加水分解安定性をもたらすポリオールは、ポリカーボネートである。
【0069】
更に、研磨性クリーニング粒子は、ポリウレタンフォームから製造され得、このポリウレタンフォームは、芳香族ジイソシアネートモノマーと脂肪族ジイソシアネートモノマーとの混合物及びポリオールから形成され得る。好適な脂肪族ジイソシアネートモノマーは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPI)、リジン又はリジンエステルジイソシアネート(LDI)、先のトリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0070】
2つの主なポリウレタンフォーム変異型が存在し、その1つは、フォームセルのほとんどが閉じた状態であり、気体が捕捉されたままであり、他方は主に連続気泡を有する系である。本発明においては、最小の未処理壁膜が残存する連続気泡が好ましいフォーム変異型である。望ましいセル構造は、用途に従って要求される最適粒径に直接結びつき、例えば、より大きなセルサイズは、より大きな粒径を得るためにより好適であり、逆もまた同様である。
【0071】
図3aは、壁膜を有する独立気泡ポリウレタンフォームを示す電子顕微鏡画像であり、図3bは、本発明による壁膜不在の連続気泡ポリウレタンフォームを示す電子顕微鏡画像である。
【0072】
本出願人は、100kg/m3超、更には500kg/m3までの密度を有するポリウレタンフォームから作製された研磨性粒子により良好なクリーニング効率が得られるということを見出した。しかしながら、本出願人は、驚くべきことに100kg/m3未満、より好ましくは50kg/m3〜100kg/m3、最も好ましくは5kg/m3〜50kg/m3のポリウレタンフォーム密度で、著しくより良好なクリーニング効果を得ることができるということを見出した。
【0073】
本明細書での使用に好適な好ましい研磨性クリーニング粒子は、良好な表面安全プロフィールをもたらすと同時に、良好なクリーニング/クレンジング性能をもたらすのに充分に硬いものである。
【0074】
本発明における好ましい研磨性クリーニング粒子は、HVビッカース硬さで3〜50kg/mm2、好ましくは4〜25kg/mm2、最も好ましくは5〜15kg/mm2の硬さを有する。
【0075】
ビッカース硬度試験方法:
ビッカース硬さHVは、標準的な方法ISO 14577−1、ISO 14577−2、ISO 14577−3に従い、23℃で測定される。ビッカース硬さは、少なくとも2mm厚の原材料の中実ブロックで測定される。ビッカース硬さ微小押し込み測定は、CSM Instruments SA(Peseux,Switzerland)製の微小硬さ試験機(MHT)を用いて行われる。
【0076】
ISO 14577の指示に従い、試験表面は、最大圧子貫入深さの5%未満の粗さ(Ra)値を有し、平坦かつ平滑でなければならない。200μmの最大深さに関しては、これは10μm未満のRa値に等しい。ISO 14577に従い、試験材料のブロックを新しい鋭利なミクロトーム又は外科用メスの刃で切断し、研削、研磨することを含み得る任意の好適な手段によって、このような表面を調製してもよく、又は溶融材料を平坦かつ平滑なキャスト型上にキャストし、試験に先立って充分に固化させることにより、調製してもよい。
【0077】
微小硬さ試験機(MHT)に対する好適な一般的な設定は次の通りである。
制御モード:変位、連続
最大変位:200μm
接近速度:20nm/s
ゼロ点決定:接触時
接触時に温度ドリフトを測定するための保持期間:60秒
力印加時間:30秒
データロギングの頻度:少なくとも毎秒
最大力における保持時間:30秒
力除去時間:30秒
圧子チップの形状/材料:ビッカースピラミッド形状/ダイヤモンドチップ
【0078】
あるいは、本発明の硬さの研磨性クリーニング粒子を、MOHS硬さスケールで適宜表してもよい。好ましくは、MOHS硬さは0.5〜3.5、最も好ましくは1〜3で構成される。MOHS硬さのスケールは、既知の硬さの化合物と比較して化合物の硬さを測定するための国際的に認定されたスケールである。Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer,4 th Edition Vol 1,page 18又はLide,D.R(ed)CRC Handbook of Chemistry and Physics,73 rd edition,Boca Raton,Fla.:The Rubber Company,1992〜1993を参照のこと。既知のMOHS硬さの材料を含む多数のMOHS試験キットが市販されている。形状粒子のMOHS測定は誤った結果をもたらすので、選択されたMOHS硬さの研磨性材料を測定及び選択するためには、MOHS硬さ測定を非成形粒子、例えば球状又は顆粒状の形の研磨性材料で行うことが推奨される。
【0079】
好ましいフォーム硬度は、好ましくは低MWの反応体、特に低MWのポリオールを選択することによって、高官能性ポリオールを使用することで架橋密度を増加させることによって、過剰のジイソシアネートの使用及び/又はジイソシアネートの反応を導くための適切な触媒の使用によって得られる。
【0080】
本発明に使用されるポリウレタンフォームは、好ましくは検出不能な相転移(例えば、ガラス転移又は融解温度)又は使用温度よりも著しく高い相転移温度を有する。好ましくは、相転移温度は、使用温度より少なくとも20℃、好ましくは40℃高い。
【0081】
その後、得られたフォーム粒子は、任意の好適な手段によって、研磨性クリーニング粒子が少なくとも10μmの平均ECDを有する、本発明に記載の研磨性クリーニング粒子に縮小される。
【0082】
フォームを粒子へと縮小することを補助するために、フォームは、例えば応力がかけられた際に望ましい十分な脆性を有し、変形する傾向を殆ど有さず、破砕しやすい。典型的には、架橋の増大、ポリオールのMW重量の減少、及び/又はポリウレタン結晶化度の増加が、非常に脆性のフォームを産み出す。
【0083】
好ましい一実施例では、本発明で使用される研磨性ポリウレタン粒子は、液体組成物が容器内に保存される場合、可視のまま維持されるものの、有効な洗浄プロセス時には、研磨性粒子は分散するか又はより小さい粒子へと砕けて、肉眼では不可視になる。
【0084】
フォームを本明細書での研磨性クリーニング粒子に縮小する1つの好適な方法は、フォームを磨砕又はミル掛けすることである。他の好適な手段としては、ホイールの表面がパターンを彫刻されているか、又は研磨性サンドペーパーなどにより被覆されて、フォームが本明細書中の研磨性クリーニング粒子を形成するのを促進する、ダストコレクター付きの高速摩減ホイールなどの摩減ツールの使用が挙げられる。
【0085】
代替として、及び本明細書での極めて好ましい実施形態では、フォームをいくつかの段階で粒子に縮小してもよい。最初に、バルクフォームを、手で切り刻む又は切断することにより、あるいは砕塊機、例えばS Howes,Inc.(Silver Creek,NY)からのモデル2036などの機械的な器具を用いて数cmの寸法の片に破砕することができる。第2の段階では、塊は、プロペラ又は鋸歯状円板分散ツールを用いて揺動され、それにより発泡体は捕捉した水を放出し、水性相中に分散されたポリマー粒子の液体スラリーを形成する。第3の段階では、高剪断ミキサー(Ultra Turraxローターステーターミキサー(IKA Works,Inc.(Wilmington,NC)など))を使用して、一次スラリーの粒径をクリーニング粒子に対して要求されるものまで縮小することができる。
【0086】
好ましくは、磨砕又はミル掛け操作により得られる研磨性クリーニング粒子は、セル構造を持たない単一の粒子である。
【0087】
懸濁助剤
本発明の組成物中に存在する研磨性クリーニング粒子は、液体組成物中の固体粒子である。前記研磨性クリーニング粒子は、液体組成物中に懸濁していてもよい。しかしながら、このような研磨性クリーニング粒子が、組成物内で不安定な懸濁であったり、沈降又は組成物の最上部で浮遊するということは、充分本発明の範囲内のことである。この場合には、使用者は、使用前に組成物を揺動(例えば、振盪又は撹拌)することにより、研磨性クリーニング粒子を一時的に懸濁させなければならないこともある。
【0088】
しかしながら、本明細書では、研磨性クリーニング粒子は、本明細書の液体組成物に安定に懸濁することが好ましい。したがって、本明細書の組成物は懸濁助剤を含む。
【0089】
本明細書中の懸濁助剤は、構造形成剤など、本発明の液体組成物中で研磨性クリーニング粒子の懸濁液をもたらすように特に選択された化合物であるか、あるいは、増粘剤又は界面活性剤(本明細書中で別箇所で述べるような)などの別の機能をもたらす化合物であってもよい。
【0090】
クリーニング/クレンジング組成物及び他の洗剤又は化粧用組成物中でゲル化剤、増粘剤又は懸濁剤として典型的に使用される、任意の好適な有機及び無機懸濁助剤を、本明細書で使用してもよい。好適な有機懸濁助剤は、多糖ポリマーを含む。加えて又は代替として、ポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤を本明細書で使用してもよい。また、加えて又は上述の代替として、層状ケイ酸塩小板、例えばヘクトライト、ベントナイト又はモンモリロナイトも使用することができる。
【0091】
好適な市販の層状ケイ酸塩は、Rockwood Additivesから入手可能な、Laponite RD(登録商標)又はOptigel CL(登録商標)である。
【0092】
好適なポリカルボキシレートポリマー増粘剤としては、(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートが挙げられる。特に好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤は、商品名Carbopol 674(登録商標)でLubrizolから市販されているCarbopolである。
【0093】
本明細書での使用に好適な多糖ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースのような置換セルロース材料、スクシノグリカン、及びキサンタンガム、ゲランガム、グアーガム、イナゴマメガム、トラガカントガムなどの天然の多糖ポリマー、若しくはこれらの誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。キサンタンガムは、商品名Kelzan TでKelcoから市販されている。
【0094】
好ましくは、本明細書の懸濁助剤はキサンタンガムである。代替の実施形態では、本明細書の懸濁助剤は、ポリカルボキシレートポリマー増粘剤、好ましくは(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートである。本明細書の極めて好ましい実施形態では、液体組成物は、多糖ポリマー又はこれらの混合物、好ましくはキサンタンガムと、ポリカルボキシレートポリマー又はこれらの混合物、好ましくは架橋ポリアクリレートとの組み合わせを含む。
【0095】
好ましい例として、キサンタンガムは、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%、更により好ましくは0.8重量%〜1.2重量%の濃度で存在する。
【0096】
任意成分
本発明の組成物は、目的とする技術的効果及び処理される表面に応じて、種々の任意成分を含んでもよい。
【0097】
本明細書で用いるのに好適な任意成分には、キレート剤、界面活性剤、ラジカルスカベンジャー、芳香剤、表面変性ポリマー、溶媒、ビルダー、緩衝剤、殺菌剤、向水性物質、着色剤、安定剤、漂白剤、漂白活性化剤、脂肪酸のような泡抑制剤、酵素、汚れ懸濁剤、増白剤、防塵剤、分散剤、顔料、及び染料が挙げられる。
【0098】
有機溶媒
任意ではあるが、極めて好ましい成分として、本明細書の組成物は有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0099】
本明細書の組成物は、組成物全体の0重量%〜30重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約20重量%、最も好ましくは約2重量%〜約15重量%の有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0100】
好適な溶媒は、脂肪族アルコール、約4〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約12個の炭素原子、より好ましくは約8〜約10個の炭素原子を有するエーテル及びジエーテル;グリコール又はアルコキシル化グリコール;グリコールエーテル;アルコキシル化芳香族アルコール;芳香族アルコール;テルペン;並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。脂肪族アルコール及びグリコールエーテル溶媒が最も好ましい。
【0101】
式中、Rが約1〜約20個、好ましくは約2〜約15個、より好ましくは約5〜約12個の炭素原子の直鎖又は分枝状の飽和又は不飽和アルキル基である式R−OHの脂肪族アルコールが好適な溶媒である。好適な脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合物である。脂肪族アルコールの中で、蒸気圧が高く、かつ残渣を残さない傾向があるために、エタノール及びイソプロパノールが最も好ましい。
【0102】
本明細書で使用される好適なグリコールは、式HO−CR12−OH(式中、R1及びR2は、独立してH又はC2〜C10飽和又は不飽和脂肪族炭化水素鎖及び/又は環状鎖である)に従う。本明細書での使用に好適なグリコールは、ドデカングリコール及び/又はプロパンジオールである。
【0103】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのグリコールエーテル溶媒が本発明の組成物に組み込まれる。特に好ましいグリコールエーテルは、結合された末端C3〜C6炭化水素を有して、1〜3個のエチレングリコール又はプロピレングリコール部分を形成し、適度な疎水性、及び好ましくは表面活性をもたらす。エチレングリコール化学物質をベースとする市販の有機洗浄溶媒の例としては、Dow Chemicalから入手可能な、モノ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル(Hexyl Cellosolve(登録商標))が挙げられる。エチレングリコール化学物質をベースとする市販の溶媒の例としては、商品名Arcosolv(登録商標)及びDowanol(登録商標)でArcoから入手可能な、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体が挙げられる。
【0104】
本発明の文脈では、好ましい溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;エチレングリコールモノ−ブチルエーテル;ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル並びにこれらの混合物からなる群から選択される。「ブチル」は、ノーマルブチル、イソブチル、及び第三級ブチル基を含む。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルが、最も好ましいクリーニング溶媒であり、商品名Dowanol DPnP(登録商標)及びDowanol DPnB(登録商標)で入手可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルは商品名Arcosolv PTB(登録商標)でArco Chemicalから市販されている。
【0105】
特に好ましい実施形態では、クリーニング溶媒は、不純物を最少化するために、精製される。このような不純物としてはアルデヒド、ダイマー、トリマー、オリゴマー及び他の副生成物が挙げられる。これらは、製品の臭い、芳香剤溶解性及び最終結果に悪影響を及ぼすことがわかっている。本発明者らは、低濃度のアルデヒドを含有する一般的な市販の溶媒が、特定の表面の不可逆的及び修復不能な黄化を生じさせる可能性があるということを見出した。クリーニング溶媒を精製して、このような不純物を最少化又は除去することにより、表面損傷が軽微化又は排除される。
【0106】
好ましくはないが、テルペンを本発明で使用することができる。本明細書で使用される好適なテルペンとしては、単環テルペン、双環テルペン及び/又は非環状テルペンが挙げられる。好適なテルペンは、D−リモネン;ピネン;パインオイル;テルピネン;メントール、テルピネオール、ゲラニオール、チモールなどのテルペン誘導体;及びシトロネラ又はシトロネロールタイプの成分である。
【0107】
本明細書で使用される好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R−(A)n−OH(式中、Rは、炭素原子が1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは2〜10個のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基であり、Aは、アルコキシ基、好ましくはブトキシ基、プロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは約1〜約5、好ましくは約1〜約2の整数である)に従う。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾキシエタノール及び/又はベンゾキシプロパノールである。
【0108】
本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、式R−OH(式中、Rは約1〜約20個、好ましくは約1〜約15個、より好ましくは約1〜約10個の炭素原子のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基である)に従う。例えば、本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。
【0109】
界面活性剤
本明細書の組成物は、非イオン性、アニオン性、双性イオン性、カチオン性及び両性界面活性剤又はこれらの混合物を含み得る。好適な界面活性剤は、8〜18個の炭素原子を含有する疎水性鎖を有する非イオン性、アニオン性、双性イオン性、カチオン性及び両性界面活性剤からなる群から選択されるものである。好適な界面活性剤の例は、McCutcheon’s Vol.1:Emulsifiers and Detergents,North American Ed.,McCutcheon Division,MC Publishing Co.,2002に記載されている。
【0110】
好ましくは、本明細書での組成物は、組成物全体の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%の界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0111】
非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物での使用に極めて好ましい。好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコールアルコキシレート、アルキル多糖、アミンオキシド、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、フルオロ界面活性剤及びケイ素系界面活性剤が挙げられる。好ましくは、この水性組成物は、組成物全体の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%の非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0112】
本発明に好適な好ましい類の非イオン性界面活性剤は、アルキルエトキシレートである。本発明のアルキルエトキシレートは、直鎖又は分枝状のいずれかであり、疎水性末端基中に8〜16個の炭素原子、及び親水性先端基中に3〜25個のエチレンオキシド単位を含有する。アルキルエトキシレートの例としては、Shell Corporation(P.O.Box 2463,1 Shell Plaza,Houston,Texas)により供給される、Neodol 91−6(登録商標)、Neodol 91−8(登録商標)、及びCondea Corporation(900 Threadneedle P.O.Box 19029,Houston,TX)により供給されている、Alfonic 810−60(登録商標)が挙げられる。より好ましいアルキルエトキシレートは、疎水性末端基中に9〜12個の炭素原子、及び親水性先端基中に4〜9個のオキシド単位を含む。最も好ましいアルキルエトキシレートは、商品名Neodol 91−5(登録商標)でShell Chemical Companyから入手可能な、C9〜11 EO5である。非イオン性エトキシレートは、分枝状アルコールからも誘導可能である。例えば、プロピレン又はブチレンなどの分枝状オレフィン原料からアルコールを作製することができる。好ましい実施形態では、分枝状アルコールは、2−プロピル−1−ヘプチルアルコール又は2−ブチル−1−オクチルアルコールのいずれかである。望ましい分枝状アルコールエトキシレートは、商品名Lutensol XP 79/XL 79(登録商標)でBASF Corporationにより製造及び販売されている2−プロピル−1−ヘプチルEO7/AO7である。
【0113】
本発明に好適な別の類の非イオン性界面活性剤は、アルキル多糖である。そのような界面活性剤は、米国特許第4,565,647号、同第5,776,872号、同第5,883,062号、及び同第5,906,973号に開示されている。アルキル多糖の中では、5及び/又は6炭素糖環を含むアルキルポリグリコシドが好ましく、6炭素糖環を含むものがより好ましく、並びに6炭素糖環がグルコースから誘導されるもの、すなわち、アルキルポリグリコシド(「APG」)が最も好ましい。APG鎖長中のアルキル置換基は、好ましくは、8〜16個の炭素原子を含有し、平均鎖長が10個の炭素原子である、飽和又は不飽和アルキル部分である。C8〜C16アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給者から市販されている(例えば、Seppic Corporation(75 Quai d’Orsay,75321 Paris,Cedex 7,France)からのSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにCognis Corporation(Postfach 13 01 64,D 40551,Dusseldorf,Germany)からのGlucopon 220(登録商標)、Glucopon 225(登録商標)、Glucopon 425(登録商標)、Plantaren 2000 N(登録商標)、及びPlantaren 2000 N UP(登録商標))。
【0114】
本発明に好適な別の類の非イオン性界面活性剤は、アミンオキシドである。アミンオキシド、特に疎水性末端基中に10〜16個の炭素原子を含むものは、0.10%未満の濃度でもクリーニングプロフィール及び有効性が強力であるために有益である。加えて、C10〜16アミンオキシド、特にC12〜C14アミンオキシドは、芳香剤の優れた可溶化剤である。本明細書で使用される別の非イオン性洗剤界面活性剤は、一般にアルコールの疎水性アルキル鎖中に通常約8〜約16個の炭素原子を含むアルコキシル化アルコールである。典型的なアルコキシル化基は、プロポキシ基、又はプロポキシ基と組み合わせることでアルキルエトキシプロポキシレートを生成するエトキシ基である。このような化合物は、商標名Antarox(登録商標)でRhodia(40 Rue de la Haie−Coq F−93306,Aubervilliers Cedex,France)から、及び商標名Nonidet(登録商標)でShell Chemicalから市販されている。
【0115】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性塩基と、エチレンオキシドとの縮合生成物も、本明細書での使用に好適である。これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは1500〜1800の分子量を有し、非水溶性を呈する。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の付加は、分子の水溶性を全体として増大させる傾向にあり、製品の液体性は、ポリオキシエチレン含有率が、縮合生成物の総重量の約50%であり、約40モルまでのエチレンオキシドの縮合に相当する点まで保持される。この種の化合物の例としては、BASFにより市販されている、Pluronic(登録商標)界面活性剤が挙げられる。化学的には、このような界面活性剤は、構造(EO)x(PO)y(EO)z又は(PO)x(EO)y(PO)z(式中、x、y、及びzは1〜100、好ましくは3〜50である)を有する。良好な湿潤性界面活性剤であることが知られているPluronic(登録商標)界面活性剤がより好ましい。Pluronic(登録商標)界面活性剤、及び湿潤特性を含むその特性の記述は、BASFから入手可能な、表題「BASF Performance Chemicals Plutonic(登録商標)& Tetronic(登録商標)Surfactants」のパンフレットに見出すことができる。
【0116】
好ましくはないが、その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルフェノール、例えば、6〜12個の炭素原子を直鎖又は分枝状構造のいずれかで含有するアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物とエチレンオキシドとのポリエチレンオキシド縮合物であって、エチレンオキシドがアルキルフェノール1モル当たり5〜25モルに等しい量で存在するものが挙げられる。このような化合物中のアルキル置換基は、オリゴマー化プロピレン、ジイソブチレン、又はイソ−オクタンn−オクタン、イソ−ノナン又はn−ノナンの他の供給源から誘導可能である。使用可能な他の非イオン性界面活性剤としては、糖のような天然供給源由来のものが挙げられ、更にC8〜C16 N−アルキルグルコースアミド界面活性剤が挙げられる。
【0117】
本明細書での使用に好適なアニオン性界面活性剤は、当業者には周知の、全てのアニオン性界面活性剤である。好ましくは、本明細書中での使用のためのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、C6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖若しくは分枝状ジフェニルオキシドジスルホン酸塩、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0118】
本明細書での使用に関して好適なアルキルスルホン酸塩としては、式RSO3Mの、水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C6〜C20直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、より好ましくはC10〜C16アルキル基であり、Mは、H、あるいはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びにテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオンなどの第四級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオン、並びにこれらの混合物など)である。
【0119】
本明細書での使用に関して好適なアルキルアリールスルホン酸塩としては、式RSO3Mの、水溶性の塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、C6〜C20直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、より好ましくはC10〜C16アルキル基によって置換された、アリール、好ましくはベンジルであり、Mは、H、あるいはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びにテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオンなどの第四級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオン、並びにこれらの混合物など)である。
【0120】
14〜C16アルキルスルホン酸塩の例は、Hoechstから入手可能なHostapur(登録商標)SASである。市販のアルキルアリールスルホネートの一例は、Su.Ma.製のラウリルアリールスルホン酸塩である。特に好ましいアルキルアリールスルホン酸塩は、Albright&Wilsonより入手可能な、商標名Nansa(登録商標)で市販の、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0121】
本明細書での使用に好適なアルキル硫酸塩界面活性剤は、式R1SO4M(式中、R1は、6〜20個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝状のアルキルラジカル、及びアルキル基中に6〜18個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択される、炭化水素基を表す)に従う。Mは、H又は例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えばメチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される四級アンモニウムカチオンなど等)などのカチオンである。
【0122】
本明細書で使用される特に好ましい分枝状アルキル硫酸塩は、Isalchem 123 AS(登録商標)のように10〜14個の全炭素原子を含有するものである。Enichemから市販されているIsalchem 123 AS(登録商標)は、94%分岐した、C12〜13界面活性剤である。この材料は、CH3−(CH2m−CH(CH2OSO3Na)−(CH2n−CH3(式中、n+m=8〜9である)と記述可能である。また、好ましいアルキル硫酸塩は、アルキル鎖が計12個の炭素原子を含むアルキル硫酸塩、すなわち、硫酸2−ブチルオクチルナトリウムである。このようなアルキル硫酸塩は、商品名Isofol(登録商標)12SでCondeaから市販されている。特に好適な直鎖(liner)アルキルスルホン酸塩としては、Hoechstから市販されているHostapur(登録商標)SASのようなC12〜C16パラフィンスルホン酸塩が挙げられる。
【0123】
本明細書での使用に関して好適なアルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤は、式RO(A)mSO3Mによるものであり、式中、Rは、非置換のC6〜C20アルキル又はヒドロキシアルキル基であって、C6〜C20アルキル構成要素、好ましくはC12〜C20アルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC12〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルを有し、Aは、エトキシ又はプロポキシ単位であり、mは、0よりも大きく、典型的には0.5〜6、より好ましくは0.5〜3であり、Mは、H又はカチオンであり、このカチオンは、例えば、金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム又は置換アンモニウムカチオンとすることができる。アルキルエトキシル化サルフェート並びにアルキルプロポキシル化サルフェートを、本明細書において考察する。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウム、及びテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウムなどの第四級アンモニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルカノールアミンから誘導されるカチオン、並びにこれらの混合物などが挙げられる。代表的な界面活性剤は、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(1.0)サルフェート(C12〜C18E(1.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(2.25)サルフェート(C12〜C18E(2.25)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェート(C12〜C18E(3.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェート(C12〜C18E(4.0)SM)であり、式中、Mは便宜的にナトリウム及びカリウムから選択される。
【0124】
本明細書での使用に関して好適なC6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖又は分枝状ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤は、以下の式によるものである。
【0125】
【化1】
式中、Rは、C6〜C20直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC12〜C18アルキル基、より好ましくはC14〜C16アルキル基であり、X+は、H、又はカチオン、例えば、アルキリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)である。本明細書で使用される特に好適なC6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖又は分枝状ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤は、C12分枝状ジフェニルオキシドジスルホン酸、及びC16直鎖ジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム塩であり、DOWにより、それぞれ商標名Dowfax 2A1(登録商標)及びDowfax 8390(登録商標)で市販されている。
【0126】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤としては、石鹸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、並びにモノ−、ジ−、及びトリエタノールアミン塩などの置換アンモニウム塩が挙げられる)、C8〜C24オレフィンスルホネート、例えば英国特許明細書第1,082,179号に記載されるようなクエン酸アルカリ土類金属の熱分解生成物のスルホン化によって調製されるスルホン化ポリカルボン酸、C8〜C24アルキルポリグリコールエーテルサルフェート(最大10モルのエチレンオキシドを含有する);C14〜C16メチルエステルスルホネートなどのアルキルエステルスルホネート;アシルグリセロールスルホネート、脂肪族オレイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート、アルキルホスフェート、アシルイセチオネートなどのイセチオネート、N−アシルタウレート、アルキルサクシナメート及びスルホサクシネート、スルホサクシネートのモノエステル(特に飽和及び不飽和C12〜C18モノエステル)、スルホサクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C6〜C14ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリグルコシドのサルフェートなどのアルキルポリグリコシドのサルフェート(後述の非イオン性非硫酸化化合物)、式RO(CH2CH2O)kCH2COO-+(式中、Rは、C8〜C22アルキルであり、kは、0〜10の整数であり、Mは、可溶性塩形成カチオンである)のものなどのアルキルポリエトキシカルボキシレートが挙げられる。ロジン、水素添加ロジン、並びにトール油中に存在するか又はトール油から誘導される樹脂酸及び水素添加樹脂酸などの、樹脂酸及び水素添加樹脂酸もまた好適である。更なる例は、「Surface Active Agent and Detergents」(I及びII巻、Schwartz、Perry及びBerchによる)に示されている。そのような種々の界面活性剤はまた、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)の第23欄58行目〜第29欄23行目にも概ね開示されている。
【0127】
双性イオン性界面活性剤は、本発明の文脈内の好ましい界面活性剤の別の部類である。
【0128】
双性イオン性界面活性剤は、幅広いpH範囲にわたって、同一分子上にカチオン性基とアニオン性基との両方を含有する。典型的なカチオン性基は、第四級アンモニウム基であるが、スルホニウム基及びホスホニウム基のような、他の陽性荷電基を使用することもできる。サルフェート、ホスフェートなどの他の基も使用できるが、典型的なアニオン基は、カルボキシレート及びスルホネートであり、好ましくはスルホネートである。これらの洗剤の一般的な例の一部は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号の特許文献に記載されている。
【0129】
双極性界面活性剤の具体例は、McIntyre Company(24601 Governors Highway,University Park,Illinois 60466,USA)より、商標名Mackam LHS(登録商標)で入手可能な、3−(N−ドデシル−N,N−ジメチル)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート(ラウリルヒドロキシルスルタイン)である。別の具体的な双極性界面活性剤は、McIntyreより、商標名Mackam 50−SB(登録商標)で入手可能な、C12〜14アシルアミドプロピレン(ヒドロキシプロピレン)スルホベタインである。その他の極めて有用な双極性界面活性剤としては、ヒドロカルビル、例えば、脂肪族アルキレンベタインが挙げられる。極めて好ましい双性イオン性界面活性剤は、Albright & Wilsonにより製造されている、Empigen BB(登録商標)であるココジメチルベタインである。別の同等に好ましい双性イオン性界面活性剤は、McIntyreにより製造されている、Mackam 35HP(登録商標)であるココアミドプロピルベタインである。
【0130】
別の部類の好ましい界面活性剤は、両性界面活性剤からなる群を含む。1つの好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレングリシネート界面活性剤(「アンホグリシネート」)である。別の好適な両性界面活性剤は、C8〜C16アミドアルキレンプロピオネート界面活性剤(「アンホプロピオネート」)である。他の好適な両性界面活性剤は、ドデシルβ−アラニン、N−アルキルタウリン(例えば、米国特許第2,658,072号の教示に従い、ドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることにより調製されるもの)、N−高級アルキルアスパラギン酸(例えば、米国特許第2,438,091号の教示に従い、調製されるもの)、及び商標名「Miranol(登録商標)」として販売され、米国特許第2,528,378号に記載されている製品のような界面活性剤により代表される。
【0131】
キレート剤
本明細書での使用のための1つの部類の任意の化合物としては、キレート剤又はこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、本明細書の組成物中に組成物全体の0.0重量%〜10.0重量%、好ましくは0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で組み込み可能である。
【0132】
本明細書での使用に好適なホスホン酸塩キレート剤としては、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)、アルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、並びにアミノアミノトリ(メチレンホスホン酸塩)(ATMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸塩(NTP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)を包含するアミノホスホン酸塩化合物を挙げることができる。ホスホン酸塩化合物は、その酸形として又は酸性官能基の一部若しくは全部で異なるカチオン塩として存在してよい。本明細書で用いるのに好ましいホスホン酸塩キレート剤は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)及びエタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)である。このようなホスホン酸塩キレート化剤は、Monsantoから商品名DEQUEST(登録商標)で市販されている。
【0133】
多官能性置換芳香族キレート剤もまた、本明細書での組成物において有用であり得る。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。この種の酸形態の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0134】
本明細書で用いるのに好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、又はこれらの混合物である。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、特に(S,S)異性体については、米国特許第4,704,233号(Hartman及びPerkins、1987年11月3日)に広く記載されている。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸は、例えば、ssEDDS(登録商標)の商品名でPalmer Research Laboratoriesから市販されている。
【0135】
本明細書での使用に好適なアミノカルボキシレートとしては、酸形態、又はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩の形態の両方での、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタノール−ジグリシン、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)が挙げられる。本明細書での使用に特に好適なアミノカルボキシレートは、ジエチレントリアミン五酢酸、例えばBASFから商品名Trilon FS(登録商標)で市販されているプロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)である。
【0136】
更に、本発明での使用のためのカルボキシレートキレート剤としては、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0137】
ラジカルスカベンジャー
本発明の組成物は更に、ラジカルスカベンジャー又はその混合物を含んでもよい。
【0138】
本明細書での使用に適したラジカルスカベンジャーとしては、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン並びにそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書での使用に好ましいこのようなラジカルスカベンジャーとしては、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−tert−ブチルヒドロキノン、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチル−ヒドロキシアニソール、安息香酸、トルイル酸、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、没食子酸n−プロピル、又はこれらの混合物が挙げられ、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンが極めて好ましい。没食子酸N−プロピルのようなラジカルスカベンジャーは、Nipa Laboratoriesから商標名Nipanox S1(登録商標)で市販されている。
【0139】
ラジカルスカベンジャーは、使用される場合、本明細書中では典型的に組成物全体の10重量%まで、好ましくは0.001重量%〜0.5重量%の量で存在してもよい。ラジカルスカベンジャーの存在は、本発明の組成物の化学的安定性に貢献し得る。
【0140】
香料
本明細書での使用に好適な香料化合物及び香料組成物は、例えば、欧州特許出願第0 957 156号の、13ページの表題「Perfume」の項に記載されているものである。本明細書の組成物は、香料成分、又はその混合物を、組成物全体の最大5.0重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜1.5重量%の量で含み得る。
【0141】
染料
本発明による液体組成物は着色していてもよい。したがって、それらの組成物は、染料、又はその混合物を含み得る。
【0142】
組成物の送達形状
本明細書の組成物は、液体組成物を注ぐためのプラスチック瓶、搾り出し式瓶又は液体組成物をスプレーするための引き金式噴霧器を備えた瓶など、当該技術分野では既知の様々な好適なパッケージングに包装され得る。あるいは、本発明によるペースト様組成物をチューブに包装してもよい。
【0143】
本発明の代替的な実施形態では、本明細書の液体組成物を基材上に含浸させ、好ましくは基材は、スポンジなどの、材料の可撓性の薄いシート又はブロックの形態である。
【0144】
好適な基材は、織布シート又は不織布シート、セルロース材料をベースとしたシート、連続気泡構造のスポンジ又はフォーム、例えば、ポリウレタンフォーム、セルロースフォーム、メラミンフォームなどである。
【0145】
表面のクリーニング方法
本発明は、表面を本発明による液体組成物でクリーニング及び/又はクレンジングする方法を包含する。本明細書中の好適な表面は、見出し「液体クリーニング/クレンジング組成物」で本明細書では上述されている。
【0146】
好ましい実施形態では、前記表面は本発明による組成物と接触し、好ましくはその場合、前記組成物は前記表面に塗布される。
【0147】
別の好ましい実施形態では、本発明中の方法は、本発明による液体組成物を該液体組成物を入れた容器から(例えば、スプレーする、注ぐ、搾り出すことにより)分注し、その後、前記表面をクリーニング及び/又はクレンジングする工程を含む。
【0148】
本明細書での組成物は、未希釈の形態であっても希釈された形態であってもよい。
【0149】
「未希釈の形態」により、前記液体組成物が、いかなる希釈も受けずに処理対象の表面上に直接塗布されること、すなわち、本明細書での液体組成物が、本明細書で述べられるように表面上に塗布されるということを理解すべきである。
【0150】
「希釈された形態」により、本明細書では、前記液体組成物を典型的には水によりユーザーが希釈することを意味する。液体組成物は、水の重量の10倍までの典型的な希釈レベルまで使用前に希釈される。通常の推奨希釈レベルは、水中での組成物の10%希釈である。
【0151】
本明細書での組成物は、本明細書中の希釈された又は未希釈の組成物中に浸けた、モップ、ペーパータオル、ブラシ(例えば、歯ブラシ)又は布などの適切な道具を用いて塗布してもよい。更には、前記表面上に塗布したならば、適切な器具を用いて前記組成物を前記表面上で揺動してもよい。実際、モップ、ペーパータオル、ブラシ又は布を用いて、前記表面を拭いてもよい。
【0152】
本明細書中の方法は、好ましくは前記組成物の塗布後、すすぎ工程を追加的に含んでもよい。本明細書では「すすぐ」により、本明細書の液体組成物を前記表面に塗布する工程の後、本発明に従う方法によりクリーニング/クレンジングされる表面と、相当量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「相当量」により、本明細書では表面1m2当たり0.01L〜1Lの水、より好ましくは表面1m2当たり0.1L〜1Lの水を意味する。
【0153】
本明細書の非常に好ましい実施形態では、洗浄/クレンジング方法は、本発明による液体組成物を使用して、家庭の硬質表面を洗浄する方法である。
【実施例】
【0154】
以下のこれらの組成物は、記載される成分を記載される比率(重量%)で含んで作製された。本明細書での実施例1〜43は、本発明を例示するためのものであるが、必ずしも本発明の範囲を限定又は別の方法で規定するために使用されるものではない。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
【表5】
【0160】
【表6】
【0161】
【表7】
【0162】
【表8】
【0163】
上記ワイプローション組成物を、70%ポリエステル及び30%レイヨンからなり、56グラムの坪量、ほぼ16.5cm(6.5インチ)幅×19.1cm(7.5インチ)長で、約0.80mmの厚さの、パターン化された水流絡合不織基材である、水不溶性基材上に装填する。所望により、この基材を、従来の基材コーティング技術を使用して、ジメチコン(Dow Corning 200 Fluid 5cst)で予備コーティングすることができる。ローション:ワイプ重量比は約2:1であり、慣用の基材被覆法を用いる。
【0164】
【表9】
【0165】
【表10】
【0166】
【表11】
* 供給元の使用指示書に従い、塩基をアクリレートコポリマーの活性化に使用する。
** 配合物を低pHに調整するために、酸を使用することができる。
1.Carbopol Aqua SF−1(登録商標)(Noveon(商標),Inc.)
2.Carbopol Ultrez 21(登録商標)(Noveon(商標),Inc.)
3.Miranol(登録商標)Ultra L32(Rhodia)
4.Glucamate LT(登録商標)(Chemron)
5.Crothix(登録商標)(Croda)
【0167】
実施例24〜27を次の方法で作製する:
Carbopol(登録商標)を配合物の脱イオン遊離水に添加する。カチオン性界面活性剤及びベタイン界面活性剤を除いて全ての界面活性剤を添加する。pHが6未満の場合には、中和剤(典型的には、塩基、例えばトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム)を添加して、6超のpHに調整する。必要ならば、穏やかに加熱して、粘度を低下させ、空気同伴の最少化を助ける。ベタイン及び/又はカチオン性界面活性剤を添加する。コンディショニング剤、追加のレオロジー変性剤、真珠光沢化剤、カプセル化材料、剥離剤、防腐剤、染料、芳香剤、研磨性粒子及び他の所望の成分を添加する。最後に、所望ならば、pHを酸(すなわち、クエン酸)で低下させ、塩化ナトリウムを添加することにより粘度を増加する。
【0168】
【表12】
Zeodent 119、109及び165は、J.M.Huber Corporationにより販売されている沈降性シリカ材料である。
Gantrezは、マレイン酸無水物又はマレイン酸及びメチルビニルエーテルのコポリマーである。
CMC 7M8SFは、ナトリウムカルボキシメチルセルロースである。
Poloxamerは、一級ヒドロキシル基末端の2官能性ブロックポリマーである。
【0169】
【表13】
【0170】
【表14】
【0171】
【表15】
1 アクリルアミド(AM)及びTRIQUATのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq./グラム;Rhodia
2 Jaguar C500、MW−500,000、CD=0.7、Rhodia
3 Mirapol 100S、31.5%活性、Rhodia
4 ジメチコン流体、Viscasil 330M;30マイクロメートル粒径;Momentive Silicones
【0172】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b