特許第5902690号(P5902690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5902690
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】固体の化粧的メイクアップ組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20160331BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20160331BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20160331BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20160331BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61K8/891
   A61Q1/12
   A61Q1/10
   A61K8/25
【請求項の数】21
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-528817(P2013-528817)
(86)(22)【出願日】2011年9月16日
(65)【公表番号】特表2013-540742(P2013-540742A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】IB2011054047
(87)【国際公開番号】WO2012035512
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】61/390,297
(32)【優先日】2010年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1057469
(32)【優先日】2010年9月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】595100370
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】マク ダーモット,パドレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ル ガル,グウェノラ
(72)【発明者】
【氏名】ソウテル,カトリーヌ
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−131635(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0053859(US,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02918272(FR,A1)
【文献】 特表平11−510167(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02924929(FR,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02881643(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に受容可能な媒体中に、
− 少なくとも1のシリコーンポリアミド及び少なくとも1のシリコーン樹脂を含む脂肪相、及び
− 少なくともパーライトを含む少なくとも1の粉末相
を少なくとも含む、粉末の形の固体化粧的メイクアップ及び/又はケア組成物。
【請求項2】
ルースパウダー又は圧縮成形されたパウダーの形である、請求項1の組成物。
【請求項3】
組成物の総重量に対して5重量%未満の水を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物の総重量に対して0.5重量%〜45重量%を占める合計シリコーンポリアミド含有量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
該シリコーンポリアミドが、以下の一般式I、
1)ここで、Gが−C(O)−NH−Y−NH−を表わす時は、G´は、C(O)をあらわし、Gが−NH−C(O)−Y−C(O)−を表わすときは、G´は−NH−を表わし、
2)R、R,R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
− 直鎖、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和の、C〜C40炭化水素をベースとする基、該基はその鎖の中に1以上の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含み、または含まず、部分的又は全体的にフッ素原子で置換されている、または置換されていない
− C〜C10のアリール基、該基は1以上のC〜Cアルキル基で置換されている、または置換されていない
− ポリオルガノシロキサン鎖、該鎖は1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を含む、または含まない
から選択された基を表し、
3)基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐状のC〜C30のアルキレンジイル基を表し、該基はその鎖の中に1以上の酸素及び/又は窒素原子を含む、または含まない
4)Yは飽和又は不飽和の、C〜C50の直鎖又は分岐状のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレンの2価の基であり、該基は、1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を含み得、及び/又は以下の原子又は原子の群、すなわちフッ素、ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルキル、C〜C40のアルキル、C〜C10のアリール、1〜3のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル、C〜Cのヒドロキシアルキル及びC〜Cのアミノアルキル基の1つを置換基として有し得る、又は
5)Yは、下記式に対応する基を表す、
ここで
− Tは、直鎖又は分岐状の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表し、該基はポリオルガノシロキサン鎖で任意的に置換されていてもよく、該基はO,N及びSから選択された1以上の原子を含む、または含まない、又はTはN,P及びAlから選択された3価の基を表し、かつ
− Rは直鎖又は不飽和のC〜C50アルキル基、又はポリオルガノシロキサン鎖を表し、該鎖はポリマーの別の鎖に結合されている、または結合されていないところの1以上のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、ウレア、チオウレア、及び/又はスルホンアミド基を含み、または含まない
6)nは、2〜500の範囲の整数であり、mは1〜1,000の範囲の整数である、
に対応する少なくとも1の単位を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
X及び/又はYはアルキレン基を表わし、該基は以下の要素:
1)1〜5のアミド、ウレア、ウレタン又はカルバメート基
2)C又はCのシクロアルキル基、及び
3)1〜3の同じ又は異なるC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニレン基
の少なくとも1をそのアルキレン部分に含み、
− ヒドロキシル基
− C〜Cシクロアルキル基
− 1〜3のC〜C40アルキル基、
− 1〜3のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基、
− C〜Cヒドロキシアルキル基、及び
− C〜Cアミノアルキル基、
から形成される群から選択された少なくとも1の要素で任意的に置換されていてもよい、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
、R,R及びRが、直鎖又は分岐状のC〜C40アルキル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又は1〜3のメチル又はエチル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基を独立して表わす、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
50より大きい指数mを有する一般式(I)の少なくとも1のポリマーを含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
シリコーン樹脂がシロキシシリケート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
該シリコーン樹脂が、組成物の総重量に対して、0.5〜30重量%を占めることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
該シリコーンポリアミド/シリコーン樹脂の質量割合が、0.25〜1であるような比で該シリコーン樹脂が存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
該シリコーンポリアミドがナイロン−611/ジメチコーンコポリマーであること及び該シリコーン樹脂がトリメチルシロキシシリケート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
該組成物の総重量に対して0.1重量%〜15重量%のパーライトを含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
パーライトが、粉末相の総重量に対して、5重量%〜25重量%の範囲の含有量で存在することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
該粉末相が、組成物の総重量に対して少なくとも35重量%の割合で存在することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
該粉末相が、55/45〜70/30の範囲の粉末相/脂肪相の重量比で脂肪相と混合されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
該粉末相が、パーライト以外に少なくとも1の追加のフィラーを含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
1.8より大きい屈折率を有するフィラーを含まないことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
フィラーとしてパーライト以外にポリウレタン粉末及び/又はマイカを含み得る、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
該組成物が、室温(25℃)において水と混和性であるポリオールを含む水性相を含むことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物が施与されるところのケラチン物質をメイクアップする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体の化粧的ケア及び/又はメイクアップ組成物の分野に関する。
【0002】
固体組成物のために慣用的に採用される剤形は、一般的には、ルースパウダー、圧縮成形されたパウダー又はコンパクトなパウダーである。メイクアップの分野においてより特に考えられる該固体剤形の非制限的な例示として、緩い、圧縮成形されたパウダー又はコンパクトなパウダー、例えばファンデーション、フェースパウダー及びアイシャドウが挙げられ得る。
【背景技術】
【0003】
上記のパウダー類の機能は、主に、色、マット性を与えることであり、そして、より特に顔の皮膚に対して意図されているものの場合、ファンデーションの装着性を改良することでさえあり、又は、もし単独で使用されるならば、隠蔽を与える(パウダーファンデーション)ことでさえある。
【0004】
これらの剤形は、その軽さ、柔らかさ、べたつきなしの特徴又は脂っぽくない感触に関してユーザーにより特に評価される。
【0005】
一般に、これらの組成物は、通常、液状脂肪相を特徴とするバインダー相と共に一般的に優勢である粉末相を併せ持つ。粉末相は、顔料と混合されたフィラーから本質的に形成され、これらの顔料の量は所望されるメイクアップ効果、一般的に色効果、を与えるように調節される。フィラーとして、組み合わされるバインダー相に関して吸収及び/又は吸着容量を示すことのできる物質を選択することが一般的に好ましい。この目的のために、多孔性又はラメラ構造の物質、例えばタルク、真珠層粉末、酸化チタン又は酸化亜鉛が特に有利であることが分かった。
【0006】
しかし、これらの物質は一般的に白色であり、この点に関して、バインダー相との相互作用に正確に関してそれらを含む組成物の保持力に影響を及ぼしがちである。今、経時的には不完全な保持力は、特に経時的な、色の乏しい定着により反射され得る。すなわち、乏しい持続力は、一般的にはこれらのフィラーのバインダー相との相互作用、又は皮膚により分泌される皮脂及び/又は汗との相互作用さえに続く、色の変更(色の変化又は色あせ)を特徴とし得る。これらの吸収及び/又は吸着現象はこれらのフィラーが大量に存在するとき、なおさら、明白である。
【0007】
その上、これらのフィラーが少なくとも部分的に、かなりな量の真珠層粉末を特徴とするとき、この物質の自然な輝きは、対応するメイクアップ組成物でのマット効果の創出にとって有害である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
即ち、本発明の一つの目的は、消費者の感覚的な期待、即ち、特に経時的な色に関して良好な保持力を与えられており、マットなメイクアップ効果を与えるのに適切であることが分かっているところの、快適性の観点において明るさ及び感触の柔らかさを満足させる化粧的ケア及び/又はメイクアップ組成物を提案することである。
【0009】
本発明の目的のために、用語「持続力」は、経時的な色の定着を意味し、また縞の不存在(即ち、皮膚の上の製品の持続力)を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、意外なことに、特定のフィラーの使用がこれらの点において満足できる組成物を得ることを可能にすることを見出した。
【0011】
意外なことに、本発明者らは、特定のフィラーの使用が、これらの点において満足を与える組成物を得ることを可能にすることを見出した。
【0012】
従って、第一の特徴に従うと、本発明は、生理学的に受容可能な媒体中に、
− 少なくとも1のシリコーンポリアミド及び少なくとも1のシリコーン樹脂を含む脂肪相、及び
− 少なくともパーライトを含む粉末相
を少なくとも含む、固体の化粧的メイクアップ及び/又はケア組成物に関する。
【0013】
より特に、本発明に従って考慮される組成物は、粉末の形である。この粉末は、ルースであり、圧縮成形されているか又は圧縮成形されている。好ましくは、それはルースパウダー又は圧縮成型された粉末であり得る。
【0014】
パーライトは、火山起源の天然のガラスであり、それは明るい灰色又はつやのある黒色であり、溶岩の急速な冷却から得られ、真珠に似た小さな粒子の形をとる。パーライトは800℃超に加熱されると、それが含んでいる水を失い、多孔質の膨張された形(初期の体積の4〜20倍になる)をとり、パーライトが大量のオイルを吸収することを可能にするという特定の特徴を有している。
【0015】
その軽量性及びその良好な断熱性から派生する建築材料における慣用の用途以外に、パーライトを化粧料分野において使用することは既に提案されている。
【0016】
即ち、そのオイル吸収性は、皮膚の剥離を意図された顆粒を製造するための粉末において利用されてきた(国際公開第99/31184号パンフレット、国際公開第97/30126号パンフレット、及び国際公開第97/30126号パンフレット)。これらの剥離性組成物は、皮膚の上にパーライトを残さないように、洗い流されることが意図された組成物である。
【0017】
より最近、より小さなパーライト粒子が化粧的ケア及び/又はメイクアップ組成物において使用されてきた。即ち、フランス国特許出願公開第2881643号明細書は、粒子の少なくとも50%が25μmよりサイズが小さいような粒子サイズ分布を有するパーライト粒子を水に基づく化粧料配合物においてマット化剤として使用する方法を記載している。
【0018】
他方、本発明者らの知る限り、固体化粧料組成物、特に粉末タイプの配合物、のための、本発明に従う、パーライトと脂肪相との組み合わせはまだ記載されたことがない。
【0019】
一つの特定の実施態様に従うと、該粉末相は、組成物の総重量に対して少なくとも35重量%の割合において存在する。
【0020】
別の実施態様に従うと、この粉末相は、55/45〜70/30の範囲の粉末相/脂肪相の重量比で脂肪相と混合される。
【0021】
好ましくは、シリコーンポリアミド(SPA)及びシリコーン樹脂が、0.25〜1、よりよくは0.4〜0.8、好ましくは0.5〜0.6、の範囲又は特に0.56に等しいSPA/シリコーン樹脂で使用される。
【0022】
より優先的には、これらの2つの化合物は、組成物の総重量に対して0.1〜15重量%、よりよくは2重量%〜10重量%、より特に4重量%〜8重量%のパーライトと共に使用される。
【0023】
別の実施態様の変形に従うと、本発明の組成物を形成する粉末相はパーライト以外に追加のフィラーを含み得る。
【0024】
好ましくは、少なくとも1のシリコーンポリアミドを含む脂肪相を含む本発明に従う組成物は、新規なテクスチャの化粧料組成物、即ち、良好な弾性を有する、柔らかい又はチップの形のペーストを与える特定の方法により得られる。このテクスチャは、滑らかで、均一なフィルムがケラチン物質に施与されることを許し、良好な装着性を有する。
【0025】
本発明の課題は、また、ケラチン物質、特に瞼、を、特に化粧料において、メイクアップする又はケアするための方法において上記の組成物が該ケラチン物質に施与される該方法である。
【0026】
上記から分かるように、本発明に従って考慮される組成物は固体である。
【0027】
用語、「固体」は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)における組成物の状態を特徴づける。
【0028】
好ましくは、本発明に従う組成物は、総重量に対して5重量%未満、好ましくは3重量%未満の水を含み、好ましくは該組成物は水を含まない。
【0029】
好ましくは、該組成物は、アイシャドウ、眉毛組成物、アイライナー、ほほ紅又はフェースパウダーである。さらにより優先的には、該組成物はファンデーション、アイシャドウ、又はほほ紅である。該組成物は、より特にファンデーションである。
【0030】
パーライト
一つの有利な実施態様に従うと、本発明に従って使用されるパーライト粒子は小さな粒子サイズを有する。
【0031】
即ち、パーライト粒子は、粒子の少なくとも50%がサイズにおいて25μmより小さいような粒子サイズ分布を好ましくは有し得る。
【0032】
好ましくは、本発明に従うパーライト粒子は、粒子の少なくとも50%がサイズにおいて20μmより小さいような粒子サイズ分布を有し得る。
【0033】
さらに、該粒子は、優先的には、粒子の少なくとも90重量%がサイズにおいて55μmより小さい、好ましくは40μmより小さい、ような粒子サイズ分布を有する。
【0034】
本発明に従って使用されるパーライト粒子の量は、有利には、該組成物の総重量に対して0.1重量%〜15重量%、例えば2重量%〜10重量%、例えば4重量%〜8重量%を占め得る。
【0035】
本発明に従って使用されるパーライト粒子は、Perlite P1430, Perlite P2550 又は Perlite P2040の商標名でワールドミネラルズヨーロッパ社から特に市販入手可能である。これらの粒子は塗料のためにマット化剤として販売されている。該粒子は、0.1重量%未満の結晶性シリカ含有量を有する白色粉末の形である。
【0036】
上に述べたように、パーライトは、該組成物の粉末相の全部又は一部を形成する。
【0037】
粉末相
本発明に従う固体組成物は有利には、その総重量に対して、35重量%以上、特に40重量%以上、より特に45重量%〜80重量%の範囲の粉末相の含有量を有する。
【0038】
一つの好ましい変形に従うと、パーライトは、フィラーの総重量に対して5重量%〜40重量%、よりよくは7重量%〜15重量%、より特に10重量%〜13重量%で存在する。
【0039】
一つの変形に従うと、パーライトは粉末相の総重量に対して、5重量%〜25重量%、よりよくは5重量%〜12重量%、より特に6重量%〜11重量%の範囲の含有量で存在する。
【0040】
パーライト以外に、この粉末相は、1以上の追加のフィラーを、そして有利には、本発明に従うメイクアップ組成物の場合特に少なくとも1の染料を含み得る。
【0041】
しかし、追加のフィラーの存在はパーライトの存在により正確に求められる性質にとって有害でないように調節される。
【0042】
フィラー
用語「フィラー」は、無色又は白色の、鉱物又は合成の任意の形状の粒子であって、該組成物が製造されるところの温度にかかわらず、該組成物の媒体に不溶である粒子を意味すると理解されるべきである。
【0043】
該追加のフィラーは、フィラー、例えば
− シリカミクロスフィア、特に開放型の孔性のもの又は好ましくは中空シリカミクロスフィア、例えば、Maprecos社製の製品Silica Beads SB 700/HA又はSilica Beads SB 700、これらのミクロスフィアは化粧的に活性な剤で含浸されていてもよい;
− ミクロ多孔性ポリマーミクロスフィア、該ミクロスフィアは、スポンジの構造に類似する構造を有する;それらは一般的に少なくとも0.5m/g、特に少なくとも1m/g、の比表面積を有し、該比表面積は、非常に高い多孔性のミクロスフィアを製造する実際的な可能性から生じる上限以外には上限を有しない;比表面積は例えば1000m/gまで、又はさらに上でさえあり得る。挙げられ得るミクロスフィアは、アクリルポリマーミクロスフィア、例えばRP Scherer社製の、架橋されたアクリレートコポリマーであるPolytrap 6603 Adsorberから製造されたもの、及びSEPPIC社製の、ポリメチルメタクリレートであるマイクロパールM100から製造されたものを含む;
− ポリウレタンパウダー、例えばトーシキ社によりPlastic Powder D−400及びT−7の名前で販売されているヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのコポリマーの粉末;
− 単一の閉じられた空洞を含み、貯蔵部を形成するポリマーミクロスフィア、該ミクロスフィアは液体、特に化粧的に活性な剤を含み得る;それらは公知の方法、例えば米国特許第3615972号明細書及び欧州特許出願公開第056219号明細書に記載された方法、により製造される。それらは、例えばエチレン性不飽和酸、アミン、又はエステルモノマーのポリマー若しくはコポリマー、ウレア−ホルムアルデヒドポリマー、又は塩化ビニリデンポリマー若しくはコポリマーから製造され得る。例として、メチルアクリレート若しくはメタクリレートポリマー若しくはコポリマー又は塩化ビニリデン及びアクリロニトリルのコポリマーから作られたマイクロカプセルが挙げられ得る;これらのポリマーの中で、塩化ビニリデンから由来する単位20〜60重量%、アクリルニトリルから由来する単位20〜60重量%及び0〜40重量%の他の単位例えばアクリル及び/又はスチレンモノマーから由来する単位を含むものが挙げられ得る;架橋されたアクリルポリマー又はコポリマーもまた使用され得る;
− エラストマー状の架橋されたオルガノポリシロキサン球状パウダー、特に特開平02−243 612号明細書に記載されているもの、例えばダウ・コーニング社によりTrefil Powder E−506Cの名称で販売されているもの;
− ミクロパウダーズ社によりMicrocare 350(商標)で販売されているカルナウバワックスミクロビーズ及びミクロパウダーズ社によりMicroease 114S(商標)の名前で販売されているパラフィンワックスミクロビーズ;
− パウダーの形の金属石鹸、これらの金属石鹸の中で、12〜22、特に12〜18、の炭素原子を含む脂肪酸の金属石鹸が挙げられ得る。金属石鹸の金属は、特に亜鉛又はマグネシウムであり得る。脂肪酸は特に、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸から選択され得る。使用され得る金属石鹸はラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、及びこれらの混合物を含む;
− タルク又は水和されたケイ酸マグネシウム、特に一般的にサイズにおいて40μm未満である粒子の形におけるもの;
− 種々の組成のマイカ又はアルミノシリケート、特にサイズにおいて2〜200μm、好ましくは5〜70μm及び厚さにおいて0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μmのフレークの形であるもの、これらのマイカはおそらく天然起源のものであるか(例えば白雲母、マーガライト、ロスケライト、レピドライト又は黒雲母)又は合成起源のものである;
− 粘土、例えば白雲母と同じ化学的及び結晶学的分類に属するセリサイト;
− カオリン又は水和されたケイ酸アルミニウム、特に、一般的に、サイズにおいて30μm未満である等方性の形の粒子の形である;
− チッカホウ素;
− テトラフルオロエチレンポリマーのパウダー、例えばクラリアント社製のCeridust 9205F
− 沈殿された炭酸カルシウム、特に、サイズにおいて10μm超の粒子の形のもの;
− 炭酸マグネシウム及び炭酸水素マグネシウム;
− ハイドロキシアパタイト;
− 膨張されていない合成ポリマーのパウダー、例えばポリエチレン、ポリエステル(例えばポリエチレンイソフタレート又はテレフタレート)及びポリアミド(例えばナイロン)、サイズにおいて50μm未満の粒子の形のもの;
− 丸められ、架橋若しくは非架橋された合成ポリマーのパウダー、例えばポリアミド粉末例えばポリ−Pアラニン粉末又はナイロン粉末、例えばアトケム社製のOrgasol粉末、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸粉末、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンの粉末及びシリコーン樹脂粉末、及び
− オキシ塩化ビスマス粉末:
− 天然起源の有機物質の粉末、例えば澱粉、特にトウモロコシの澱粉、小麦の澱粉、又は米の澱粉;
− 及びそれらの混合物、
から選択され得る。
【0044】
有利には、本発明に従う組成物は、1.8超である屈折率を有するフィラーを完全に含まない。
【0045】
そのようなフィラーの代表として、酸化チタン、酸化亜鉛、及びオキシ塩化ビスマス粉末が挙げられ得る。
【0046】
追加のフィラーは、組成物の総重量に対して0.1重量%〜60重量%、好ましくは1重量%〜55重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0047】
一つの有利な変形に従うと、本発明に従う組成物はフィラーとしてパーライト以外にポリウレタン粉末及び/又は磨以下を含み得る。好ましくは、本発明の組成物はパーライト、ポリウレタン粉末及び任意的にマイカを含む。
【0048】
有利には、本発明に従う組成物は、該組成物の総重量に対して、10重量%〜60重量%、好ましくは12重量%〜60重量%、優先的には15重量%〜60重量%の範囲のフィラーの総含有量を含み得る。
【0049】
上記のように、本発明に従う組成物は、その粉末相に、着色剤をもまた含み得る。
【0050】
本発明に従う着色剤又は染料は顔料、真珠層、及び反射性粒子、及びそれらの混合物から選択される。
【0051】
一つの実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、大量の、例えば35重量%超、又は40%さえの着色剤から形成され、顔料及び/又は真珠層を特徴とする粉末相を含み得る。そのような実施態様においては、パーライトを含む、組み合わされたフィラーの量は、組成物の総重量に対して10重量%〜35重量%、又は10重量%〜25重量%の範囲でさえあり得る。
【0052】
顔料
用語「顔料」は、生理学的な媒体に不溶であり、組成物を着色することを意図された、白又は着色された、任意の形態の鉱物性又は有機性粒子を意味すると理解されるべきである。
【0053】
顔料は、白又は着色されており、鉱物性及び/又は有機性であり得る。
【0054】
挙げられ得る鉱物顔料の中には、任意的に表面処理されていてもよい酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化亜鉛も、酸化鉄(黒、黄色、又は赤)又は酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー及び金属粉末、例えばアルミニウム粉末及び銅粉末がある。
【0055】
有機顔料は、下記の物質、及びそれらの混合物から選択され得る。
−コチニールカーマイン、
−アゾ色素の有機顔料、アントラキノン染料、インジゴ染料、キサンテン染料、ピレン染料、キノリン染料、トリフェニルメタン染料及びフルオラン染料。
【0056】
有機顔料の中では、以下の名前で公知のD&C認証顔料が特に挙げられ得る:D&CブルーNo.4,D&CブラウンNo.1,D&CグリーンNo.5,D&CグリーンNo.6,D&CオレンジNo.4,D&CオレンジNo.5,D&CオレンジNo.10,D&CオレンジNo.11,D&CレッドNo.6,D&CレッドNo.7,D&CレッドNo.17,D&CレッドNo.21,D&CレッドNo.22,D&CレッドNo.27,D&CレッドNo.28,D&CレッドNo.30,D&CレッドNo.31,D&CレッドNo.33,D&CレッドNo.34,D&CレッドNo.36,D&CバイオレットNo.2,D&CイエローNo.7,D&CイエローNo.8,D&CイエローNo.10,D&CイエローNo.11,FD&CブルーNo.1,FD&CグリーンNo.3,FD&CレッドNo.40,FD&CイエローNo.5,FD&CイエローNo.6。
【0057】
上記の有機染料のそれぞれに対応する化学物質は、化粧料、トイレタリー、及び香料協会(The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association)により発行された刊行物「国際化粧料成分の辞典とハンドブック」1997年版、第371頁〜386頁及び524頁〜528頁に挙げられている。
【0058】
好ましい変形に従うと、本発明に従う組成物は組成物の総重量に対して0.1重量%〜70重量%、好ましくは0.5重量%〜65重量%、優先的には1重量%〜60重量%の範囲の顔料の総含有量を含み得る。
【0059】
それがメイクアップ製品であるときは、該組成物の総重量に対して1重量%〜40重量%、好ましくは5重量%〜30重量%、特に10重量%〜25重量%の範囲の顔料含有量が一般的に使用される。
【0060】
別の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は顔料を含まなくてもよい。
【0061】
本発明に従う粉末相は、真珠層及び/又は反射性粒子を含んでいてもよいか又は真珠層及び/又は反射性粒子から形成されてさえいてもよい。
【0062】
用語「真珠層」は、虹色であってもなくてもよく、特にある種の軟体動物によりその殻の中で製造されるか又は合成され、光学干渉による色効果を有する任意の形態の着色された粒子を意味すると理解されるべきである。
【0063】
挙げられ得る真珠層の例は、真珠層顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層の顔料もまた含む。それらはその表面において金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2の連続層が重ねられているマイカ粒子である。
【0064】
真珠層は、より特に黄色、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、ブラウン、ゴールド及び/又は銅の色又は色合いを有し得る。
【0065】
第一の組成物に干渉顔料として導入され得る真珠層の例として特に、金色の真珠層、特にエンゲルハード社によりBrilliant gold 212G(Timica),Gold 222C(Cloisonne),Sparkle gold(Timica),Gold 4504(Chromalite)及びMonarch gold 233X(Cloisonne)の名前で販売されているもの;ブロンズ真珠層、特にメルク社によりBronze fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名前で、及びエンゲルハード社によりSuper bronze(Cloisonne)の名前で販売されているもの;オレンジ真珠層、特にエンゲルハード社によりOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR101(Cosmica)の名前で、及びメルク社によりPassion orange(Colorona)及びMatte oragne(17449)(Microna)の名前で販売されているもの;褐色真珠層、特にエンゲルハード社によりNu−antique copper 340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名前で販売されているもの;エンゲルハード社によりCopper 340A(Timica)の名前で販売されている銅色を有する真珠層、メルク社によりSienna fine(17386)(Colorona)の名前で販売されている赤色を有する真珠層;特にエンゲルハード社によりYellow(4502)(Chromalite)の名前で販売されている黄色を有する真珠層;特にエンゲルハード社によりSunstone G012(Gemtone)の名前で販売されているゴールド色を有する赤色の真珠層;エンゲルハード社によりTan opale G005(Gemtone)の名前で販売されているピンクの真珠層;特にエンゲルハード社によりNu antique bronze 240AB(Timica)の名前で販売されている黄金の光沢を有する黒色の真珠層;特にメルク社によりMatte blue(17433)(Microna)の名前で販売されている青色の真珠層、メルク社によりXirona Silverの名前で販売されている銀色の光沢を有する白色真珠層、及び特にメルク社によりIndian summer(Xirona)の名前で販売されているゴールド〜緑のピンク〜オレンジ色の真珠層;及びそれらの混合物、が挙げられ得る。
【0066】
真珠層の例としてさらに、酸化チタンで被覆されたボロシリケート基質を含む粒子もまた挙げられ得る。
【0067】
酸化チタンで被覆されたガラス基質を有する粒子は、Toyal社によりMetashine MC1080RYの名前で特に販売されている。
【0068】
最後に、挙げられ得る真珠層の例は、ポリエチレンテレフタレートフレーク、特に。シルバー1P0.004X0.004(シルバーフレーク)の名前でメドウブルック・インベンションズ社により販売されているものを含む。
【0069】
一つの特定の変形に従うと、本発明に従う組成物は、0〜65重量%、例えば30重量%〜65重量%、よりよくは40重量%〜60重量%の真珠層を含み得る。より優先的に、それらは70重量%未満の真珠層を含む。一つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は真珠層を含まない。
【0070】
最後に、本発明に従う着色剤は反射性粒子から選択され得る。
【0071】
用語「反射性粒子」は、そのサイズ、構造、特に該粒子を構成する層の厚さ、それらの物理的及び化学的性質、及び表面の状態が、それらが入射光を反射することを許す粒子を意味する。この反射は、適切であれば、組成物又は混合物がメイクアップされるべき支持体に施与されるとき、該組成物又は混合物の表面において裸眼に見える輝きの点、即ち、光っているように見えることにより環境と対照をなす、より明るい点、を作り出すのに十分な強度を有する。
【0072】
反射粒子は、それらが一緒にされる着色剤により生み出される着色効果を有意に変化させないように、より特に、色収率の観点においてこの効果を最適化するように選択され得る。それらはより特に黄色、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、褐色、ゴールド及び/又は銅の色又は色合いを有し得る。
【0073】
これらの粒子は変化された形態を有し得、特に小板状又は球状の形、特に球、であり得る。
【0074】
それらの形に拘わらず、反射性粒子は多層構造を、多層構造の場合、例えば、均一な厚さの少なくとも1の層を、特に反射物質を有していてもいなくてもよい。
【0075】
反射性粒子が多層構造を有しないときには、それらは例えば金属酸化物、特に合成的に得られた酸化チタン又は酸化鉄、からなっていてもよい。
【0076】
反射性粒子が多層構造を有するときは、それらは例えば天然又は合成の基質、特に、反射性物質、特に少なくとも1の金属又は金属性物質、の少なくとも1の層で少なくとも部分的に被覆された合成基質、を含み得る。基質は、単物質、多物質、有機及び/又は鉱物基質であり得る。
【0077】
より特に、それはガラス、セラミックス、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート、合成マイカ及びそれらの混合物から選択され得、このリストは制限的ではない。
【0078】
反射性物質は金属の層又は金属性物質の層を含み得る。
【0079】
反射性物質は、特に特開平09−188830号公報,特開平10−158450号公報,特開平10−158541号公報,特開平07−258460号公報及び特開平05−017710号公報に記載されている。
【0080】
再び、金属の層で被覆された鉱物の基質を含む反射性粒子の例として、銀で被覆されたボロシリケート基質を含む粒子もまた挙げられ得る。
【0081】
銀で被覆されたガラス基質を有する、小板の形の粒子は、Toyal社によりMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名前で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス基質を有する粒子はこの同じ会社によりCrystal Star GF 550及びGF 2525の名前で販売されている。
【0082】
金属基質、例えば銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マンガン、スチール、銅又はチタン、を含む粒子もまた使用され得、該基質は少なくとも1の金属酸化物、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム又は酸化ケイ素、及びこれらの混合物の少なくとも1の層で被覆されている。
【0083】
挙げられ得る例は、アルミニウム粉末、青銅粉末又はエッカート社によりビジョネールの名前で販売されている、SiOで被覆された銅粉末を含む。
【0084】
好ましくは、粉末相は以下から選択された少なくとも1の化合物を含む:
有機顔料、例えば:
− CTFAの「着色添加剤−アメリカ食品医薬品局により保証されたバッチ」の章に列挙されているアメリカ食品医薬品局による保証された顔料D&C;特にBlue 1及び4、Brown 1、Ext.Violet 2、Ext.Yellow 7、Green 3,5,6、及び8、Orange 4,5、10、及び11、Red 4,6、7,17,21,22,27,28,30,36及び40,Violet 2,Yellow 5,6,7,8,10及び11が挙げられ得る、
鉱物性顔料、例えば:
− 酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄又は酸化クロム、
− フェリックブルー、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、ピンク又はバイオレット、クロム水和物又は水酸化クロム、
真珠層例えば:
− 酸化チタンで被覆されたマイカ、酸化チタン及び酸化鉄で被覆されたマイカ、及びアミノ酸、例えばラウロイルリシンで被覆されたマイカ、
− ポリエチレンテレフタレートフレーク、
− セリサイト
− 及びそれらの混合物
反射性粒子例えば:
− 金属性の層で被覆されたボロシリケート基質を含む粒子。
【0085】
脂肪相
上記から分かるように、本発明に従う化粧料組成物は少なくとも1の脂肪相をバインダーとして含む。
【0086】
この液状脂肪相は、有利には、該組成物の総重量に対して少なくとも15重量%の割合、好ましくは組成物の総重量に対して30重量%〜45重量%、特に35重量%〜42重量%の割合で存在する。
【0087】
この脂肪相は本発明に従って要求されるシリコーンポリアミド及びシリコーン樹脂から部分的に又は全体的に形成され得る。
【0088】
シリコーンポリアミド
上記のように、本発明に従う組成物は、少なくとも1のシリコーンポリアミドを含む。
【0089】
該組成物のシリコーンポリアミドは、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)において好ましくは固体である。
【0090】
本発明の目的のために、用語「ポリマー」は、少なくとも2つの繰り返し単位、好ましくは少なくとも3つの繰り返し単位、よりよくは少なくとも10個の繰り返し単位を含む化合物を意味する。
【0091】
本発明の組成物のシリコーンポリアミドは、ポリオルガノシロキサンタイプのポリマー、例えば米国特許第5874069号明細書,米国特許第5919441号明細書,米国特許第6051216号明細書及び米国特許第5981680号明細書に記載されたものであり得る。本発明に従うと、シリコーンポリマーは以下の2つのファミリーに属し得る。
(1)少なくとも2つのアミド基を含むポリオルガノシロキサンであって、該2つの基はポリマー鎖中に配置されているもの、及び/又は
(2)少なくとも2のアミド基を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2つの基はグラフト又は分岐に配置されているもの。
【0092】
A)第一の変形に従うと、シリコーンポリマーは、アミド単位がポリマー鎖中に配置されている、上で定義されたポリオルガノシロキサンである。
【0093】
シリコーンポリアミドは、より特に、一般式I、
1)ここで、Gが−C(O)−NH−Y−NH−を表わす時は、G´は、C(O)をあらわし、Gが−NH−C(O)−Y−C(O)−を表わすときは、G´は−NH−を表わし、
2)R、R,R及びRは、同じであるか又は異なっていてもよく、
− 直鎖、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和の、C〜C40炭化水素をベースとする基であって、その鎖の中に、1以上の酸素、硫黄及び/又は窒素原子を含んでいてもよく、部分的又は全体的にフッ素原子で置換されていてもよい、
− C〜C10のアリール基、該基は1以上のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよい、
− ポリオルガノシロキサン鎖、該鎖は1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を任意的に含んでいてもよい、
から選択された基を表し、
3)基Xは、同じであるか又は異なっていてもよく、直鎖又は分岐状のC〜C30のアルキレンジイル基を表し、該基はその鎖の中に1以上の酸素及び/又は窒素原子を任意的に含んでいてもよい、
4)Yは飽和又は不飽和の、C〜C50の直鎖又は分岐状の2価の、アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、又はアリールアルキレン基であり、該基は、1以上の酸素、硫黄、及び/又は窒素原子を含み得、及び/又は以下の原子又は原子の群、すなわちフッ素、ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルキル、C〜C40のアルキル、C〜C10のアリール、1〜3のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル、C〜Cのヒドロキシアルキル及びC〜Cアミノアルキル基の1つを置換基として有し得る、又は
5)Yは、下記式に対応する基を表す、
ここで
− Tは、直鎖又は分岐状の、飽和又は不飽和のC〜C24の3価又は4価の炭化水素に基づく基を表し、該基はポリオルガノシロキサン鎖で任意的に置換されていてもよく、該基はO,N及びSから選択された1以上の原子を任意的に含んでいてもよく、又はTはN,P及びAlから選択された3価の基を表し、かつ
− Rは直鎖又は不飽和のC〜C50アルキル基、又はポリオルガノシロキサン鎖を表し、該鎖はポリマーの別の鎖に任意的に結合されていてもよいところの1以上のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、ウレア、チオウレア、及び/又はスルホンアミド基を含み得、
6)nは、2〜500の範囲、好ましくは2〜200の範囲の整数であり、mは1〜1,000の範囲、好ましくは1〜700、よりよくは6〜200の範囲の整数である、
に対応する少なくとも1の単位を含むポリマーであり得る。
【0094】
本発明に従うと、ポリマーの基R、R,R及びRの80%は、好ましくはメチル、エチル、フェニル、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択される。別の実施態様に従うと、ポリマーの基R、R,R及びRの80%はメチル基である。
【0095】
本発明に従うと、Yは、種々の2価の基を表わし、該基は、1又は2のフリーな結合価をさらに任意的に含み、ポリマー又はコポリマーの他の部分と結合を確立してもよい。好ましくはYは以下から選択される基を表わす。
a)直鎖のC〜C20、好ましくはC〜C10アルキレン基、
b)分岐状のC30〜C56アルキレン基、該基は環及び非共役不飽和を任意的に含んでいてもよい、
c)C〜Cシクロアルキレン基、
d)フェニレン基、該基は1以上のC〜C40アルキル基で任意的に置換されていてもよい、
e)C〜C20アルキレン基、該基は1〜5のアミド基を含んでいてもよい
f)C〜C20アルキレン基、該基は、ヒドロキシル、C〜Cシクロアルカン、C〜Cヒドロキシアルキル及びC〜Cアルキルアミン基から選択される1以上の置換基を含む、
g)下記式のポリオルガノシロキサン鎖


ここでR、R,R及びR、T及びmは上記の通りである。
【0096】
B)第二の実施態様に従うと、シリコーンポリアミドは、下記式(II)に相当する少なくとも1の単位を含むポリマーであり得る。
ここで、
− R及びRは同じ又は異なっていてもよく、式(I)について上で定義した通りであり、
− R10は、R及びRについて上で定義した基を表わすか又は式−X−G´´−R12の基を表わし、ここで、Xは式(I)のために上で定義された通りであり、R12は水素原子又は直鎖、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和のC〜C50の炭化水素をベースとする基であって、その鎖の中に、O,S及びNから選択された1以上の原子を任意的に含んでいてもよく、1以上のフッ素原子及び/又は1以上のヒドロキシル基又は1以上のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基で任意的に置換されていてもよく、
G´´は、−C(O)NH− 及び−HN−C(O)−を表わし、
− R11は、式−X−G´´−R12の基を表わし、ここでX,G´´及びR12は上記の通りであり、
− mは1〜998の範囲の整数であり、かつ
− mは2〜500の範囲の整数である。
【0097】
本発明に従うと、シリコーンポリマーはホモポリマー、即ちいくつかの同じ単位、特に式(I)又は式(II)の単位を含むポリマーであり得る。
【0098】
本発明に従うと、式(I)のいくつかの異なる単位を含むコポリマーからなるポリマー、すなわち基R、R,R及びR、X、G,Y、m及びnの少なくとも1が、複数の単位の1つにおいて異なるポリマーを使用することもまた可能である。コポリマーもまた式(II)のいくつかの単位から形成され得、ここで基R、R、R10、R11、m及びmの少なくとも1つは複数の単位の少なくとも1において異なる。
【0099】
式(I)の少なくとも1の単位及び式(II)の少なくとも1の単位を含むポリマーを使用することも可能である。ここで、式(I)の単位及び式(II)の単位は、互いに同じ又は異なっていてもよい。
【0100】
本発明の一つの変形に従うと、エステル、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、ウレア、ウレタン、チオウレア、オキサミド、グアニジノ、及びバイグアニジノ基、及びそれらの組み合わせから選択された、水素結合を確立することのできる2つの基を含む少なくとも1の炭化水素に基づく単位をさらに含むシリコーンポリアミドを使用することもまた可能である。
【0101】
これらのコポリマーは、ブロックポリマー又はグラフトポリマーであり得る。
【0102】
式(I)及び(II)において、X又はYを表わすアルキレン基は、そのアルキレン部分に少なくとも1の以下、
1)1〜5のアミド、ウレア、ウレタン又はカルバメート基
2)C又はCのシクロアルキル基、及び
3)1〜3の同じ又は異なるC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニレン基
の成分を任意的に含むことができる。
【0103】
式(I)及び(II)において、アルキレン基もまた、
− ヒドロキシル基
− C〜Cシクロアルキル基
− 1〜3のC〜C40アルキル基、
− 1〜3のC〜Cアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基、
− C〜Cヒドロキシアルキル基、及び
− C〜Cアミノアルキル基、
から形成される群から選択された少なくとも1の成分で置換されていてもよい。
【0104】
これらの式(I)及び(II)において、Yは、下記式を表わしてもよい。
ここでRはポリオルガノシロキサン鎖を表わし、Tは下記式の基
を表わし、ここで、a,b及びcは、独立して1〜10の範囲の整数であり、R13は水素原子又は基、例えばR、R,R及びR、について定義された基である。
【0105】
式(I)及び(II)においてR、R,R及びRは、好ましくは独立して直鎖又は分岐状のC〜C40アルキル基、好ましくはCH,C,n−C又はイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、又は1〜3のメチル又はエチル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基を表わす。
【0106】
上記のように、該ポリマーは式(I)又は(II)の同じ又は異なる単位を含み得る。
【0107】
即ち、該ポリマーは種々の長さの式(I)又は(II)の複数の単位を含むポリアミド、即ち式(III)に対応するポリアミドであり得る。
ここでX,Y,n及びR〜Rは上に与えられた意味を有し、m及びm,これらは異なっており、1〜1000の範囲から選択され、pは2〜300の範囲の整数である。
【0108】
この式において、該単位は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマー又は交互コポリマーのいずれかを形成するように構造化され得る。このコポリマーにおいて、該単位は長さが異なるばかりでなく、化学的構造が異なり、例えば異なる基Yを含む。この場合、該ポリマーは式(IV)に対応し得る。
ここでR〜R,X,Y,m,m,n及びpは、上で与えられた意味を有し、YはYとは異なるが、Yについて定義された基から選択される。前のように、種々の単位が構造化されて、ブロックコポリマー又はランダムコポリマー又は交互コポリマーのいずれかを形成し得る。
【0109】
本発明の第一の実施態様において、シリコーンポリマーはグラフトコポリマーからなっていてもよい。すなわち、シリコーン単位を含むポリアミドがグラフト化され得、アミド基を含むシリコーン鎖で任意的に架橋されてもよい。そのようなポリマーは、3官能性アミンで合成され得る。
【0110】
本発明に従うと、前に見られたように、シロキサン単位はポリマーの主鎖中又は骨格中にあってもよいが、グラフト化された鎖又はペンダント鎖中に存在していてもよい。主鎖において、シロキサン単位は、上述のセグメントの形であり得る。ペンダント又はグラフト化された鎖において、シロキサン単位は個々に又はセグメントであるように見える。
【0111】
本発明の一つの実施態様の変形に従うと、シリコーンポリアミドと炭化水素をベースとするポリアミドとのコポリマー又は式(I)又は(II)の単位及び炭化水素をベースとするポリアミド単位を含むコポリマーが使用され得る。この場合、ポリアミド−シリコーン単位は、炭化水素をベースとするポリアミドの末端に配置され得る。
【0112】
有利には、該組成物は、少なくとも1のポリアミド/ポリジメチルシロキサンポリマー、特に、50超、特に75超、特に約100の指標mを有する一般式(I)のポリマーを含む。
【0113】
有利には、式(I)のシリコーンポリアミドは、10000〜500000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
【0114】
より好ましくは、X及びYは、直鎖のC〜C20,好ましくはC〜C10アルキレン基から選択された基を独立して表わす。
【0115】
使用され得るポリマーの例として、米国特許第5981680号明細書の実施例1〜3に従って得られたシリコーンポリアミドの1つが挙げられ得る。
【0116】
好ましくは、ダウ・コーニングにより参照DC2−8179で販売されているナイロン−611/ジメチコーンコポリマーがシリコーンポリアミドとして使用される。
【0117】
本発明の組成物において使用されるポリマー及びコポリマーは、有利には45℃〜190℃の範囲の固体状態から液体状態への遷移の温度を有する。好ましくは、それらは70℃〜130℃、よりよくは80℃〜105℃の範囲の固体状態から液体状態への遷移の温度を有する。
【0118】
シリコーンポリアミドは、該組成物の総重量に対して0.5〜45重量%の範囲の、好ましくは該組成物の総重量に対して1重量%〜30重量%の、よりよくは2重量%〜20重量%の範囲の総含有量で本組成物中に存在し得る。
【0119】
シリコーン樹脂
挙げられ得るこれらのシリコーン樹脂の例は
− シロキシシリケート、式[(CHSiO](SiO4/2)y(単位MQ)、ここでx及びyは50〜80の整数である、のトリメチルシリケートであり得る、
− 式(CHSiO3/2 (単位 T)のポリシルセスキオサン、ここでxは100より大きく、メチル基の少なくとも1は上記の基Rにより置換されていてもよい、
− ポリメチルシルセスキオサン、これはいずれのメチル基も他の基で置換されていないポリシルセスキオサンである、
を含む。そのようなポリメチルシルセスキオサンは米国特許第5246694号明細書に記載されている。
【0120】
市販のポリメチルシルセスキオサン樹脂の例として、
− ワッカー社によりResin MKの参照で販売されているもの、例えば、Belsil PMS MK、これはCHSiO3/2 繰り返し単位(単位T)を含み、該繰り返し単位は1重量%までの(CHSiO2/2単位(単位D)を含んでいてもよく、約10000g/モルの平均分子量を有する、又は
− 信越社によりKR−220Lの参照で販売されているもの、これは式CHSiOの単位Tからなり、Si−OH(シラノール)末端基を含む、KR−242Aの参照で販売されているもの、これは98%の単位T及び2%のジメチル単位Dを含み、Si−OH末端基を含む、又はKR−251の参照で販売されているもの、これは88%の単位T及び12%のジメチル単位Dを含み、Si−OH末端基を含む、
が挙げられ得る。
【0121】
挙げられ得るシロキシシリケートは、任意的に粉末の形態であってもよいトリメチルシロキシシリケート樹脂を含む。そのような樹脂はモメンティブパフォーマンスマテリアルズ社により参照SRI 000で、又はワッカー社により参照TMS803で販売されている。信越社によりKF−7312Jの名前で及びダウ・コーニング社によりDC 593の名前で販売されている、溶媒例えばシクロメチコーン中で販売されているトリメチルシロキシシリケート樹脂もまた挙げられ得る。
【0122】
より特に、シロキシシリケート樹脂、好ましくはトリメチルシロキシシリケート樹脂、がシリコーン樹脂として使用される。
【0123】
有利には、シリコーン樹脂、例えばトリメチルシロキシシロキシシリケート樹脂、は組成物の総重量に対して0.5〜30重量%、又はよりよくは1重量%〜25重量%、又はさらによりよくは5重量%〜25重量%の範囲の含有量で存在する。
【0124】
好ましくは、シリコーン樹脂、及び特にトリメチルシロキシシリケート樹脂、はシリコーンポリアミド/シリコーン樹脂の量の割合が0.25〜1、好ましくは0.33〜1であるような比で存在する。
【0125】
好ましくは、ナイロン−611/ジメチコーンがシリコーンポリアミドとして使用され、トリメチルシロキシシリケート樹脂がシリコーン樹脂として使用される。
【0126】
本発明に従う組成物の脂肪相は少なくとも1のオイルをもまた含み得る。
【0127】
好ましい変形に従うと、本発明に従う組成物は少なくとも1のシリコーンオイルを含む。
【0128】
一つの好ましい実施態様において、本発明に従う組成物は少なくとも1の揮発性オイルを含む。
【0129】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う組成物は少なくとも1のシリコーンオイル、特にシクロヘキサジメチルシロキサン、を含む。
【0130】
該組成物は、少なくとも1の非揮発性のオイルをもまた含み得る。一つの実施態様に従うと、本発明に従う組成物は非揮発性のオイルを含まない。
【0131】
オイルは、組成物の総重量に対して、1重量%〜45重量%、好ましくは5重量%〜40重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0132】
本発明の目的のために、用語「揮発性のオイル」は、皮膚又はケラチン繊維と接触すると室温及び大気圧において1時間未満内に、蒸発することのできるオイルを意味する。揮発性有機溶媒及び本発明の揮発性オイルは、室温及び大気圧において0.13Pa〜40000Pa(10−3〜300mmHg)の範囲,特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲,より特に1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲である非ゼロの蒸気圧を有する、室温において液状である揮発性有機溶媒及び化粧用オイルである。
【0133】
用語“非揮発性オイル”とは、ケラチン物質の上で室温及び大気圧において少なくとも数時間残るオイル、特に10−3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有するオイルを意味する。
【0134】
これらのオイルは、炭化水素をベースとするオイル、シリコーンオイル、フルオロオイル又はそれらの混合物であり得る。
【0135】
用語「炭化水素をベースとするオイル」とは主に水素及び炭素原子を含み、任意的に酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を含んでいてもよいオイルを意味する。
揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、8〜16の炭素原子を含む炭化水素をベースとするオイル、特に分岐状のC〜C16アルカン、例えば石油起源のC〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、例えば商標名Isopar(商標)又はPermetyls(商標)の下で販売されているオイル、分岐状のC〜C16エステル及びネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物から選択され得る。他の揮発性の炭化水素をベースとするオイル、例えば石油の留出物、特にShell社によりShell Solt(商標)の名前の下に販売されているものもまた使用され得る。揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、直鎖のC〜C16アルカンからもまた選択され得る。挙げられ得る直鎖のC〜C16アルカンの例はn―ノナデカン(C)、n−デカン(C10),n−ウンデカン(C11),n−ドデカン(C12),n−トリデカン(C13),n−テトラデカン(C14),n−ペンタデカン(C15)及びn−ヘキサデカン(C16),及びそれらの混合物、特にコグニス社により参照CetiolUTで販売されているn−ウンデカン(C11)とn−トリデカン(C13)との混合物を含む。
【0136】
また使用され得る揮発性オイルは、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環状シリコーンオイル、特に≦8センチストーク(8×10−6/s)の粘度を有しかつ特に2〜7の珪素原子を含むもの、これらのシリコーンは1〜10の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を任意的に含んでいてもよい、を含む。本発明において使用され得る揮発性オイルとして特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0137】
一つの実施態様の変形に従うと、本発明に従う組成物は、少なくとも1の揮発性シリコーンオイルであって、特に環状のもの、特にオイル例えばシクロヘキサジメチルシロキサンを含む。
【0138】
一般式(I)の直鎖の揮発性アルキルトリシロキサンオイルもまた挙げられ得る。

ここでRは2〜4の炭素原子を含むアルキル基を表わし、その1以上の水素原子はフッ素又は塩素原子で置換されていてもよい。
【0139】
挙げられ得る一般式(I)のオイルの中には、Rはそれぞれブチル基、プロピル基、又はエチル基である式(I)のオイルに相当するところの
− 3−ブチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、
− 3−プロピル−l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン及び
− 3−エチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、
がある。
【0140】
揮発性フルオロ溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン、パーフルオロメチルシクロペンタンもまた使用され得る。
【0141】
好ましくは、該組成物は、該組成物の総重量に対して1重量%〜45重量%、好ましくは5重量%〜40重量%の範囲の揮発性オイルの含有量を含む
【0142】
有利には、本発明に従う組成物は少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%又は少なくとも15重量%さえの揮発性シリコーンオイルを含み得る。
【0143】
該組成物は、特に非揮発性の炭化水素をベースとするオイル及び/又はシリコーンオイル及び/又はフルオロオイルから選択される、少なくとも1の非揮発性のオイルをもまた含み得る。
【0144】
特に挙げられ得る非揮発性の炭化水素をベースとするオイルは、以下を含む。
− 植物起源の炭化水素をベースとするオイル、例えばグリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、その脂肪酸はC〜C24の変化する鎖の長さを有し得、これらの差は直鎖又は分岐状であってもよく、そして飽和又は不飽和であってもよい;これらのオイルは特に小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ種油、トウモロコシ油、アプリコット油、ひまし油、シア油、アボガド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシの実油、かぼちゃ油、ゴマ種油、マロウオイル、菜種油、黒スグリ油、月見草油、キビ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、及びジャコウバラ油;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されるもの、またDynamit Nobel社によりMiglyol 810、812、及び818の名前で販売されているもの、
− 10〜40の炭素原子を含む合成エーテル、
− 鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化されたポリイソブテン例えばパーレアム(parleam)、及びスクワラン、及びそれらの混合物、
− 合成エステル、例えば式RCOORのオイル、ここでRは1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐の脂肪酸残基を表し、RはR+R≧10の条件で1〜40の炭素原子を含む、特に分岐状の炭化水素をベースとする鎖を表し、例えばプルセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸のC12〜C15のアルキルエステル、ラウリル酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸、又はリシノール酸のアルキル又はポリアルキルエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、水酸化エステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル及びペンタエリスリトールエステル、
− 12〜26の炭素原子を含む分岐状及び/又は不飽和の炭素をベースとする鎖を有する、室温において液体であるところの脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール又は2−ウンデシルペンタデカノール、
− 高級脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸、
− カーボネート、
− アセタール、
− クエン酸エステル、
及びそれらの混合物。
【0145】
本発明に従う組成物において使用され得るところの非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS),ペンダント状であり及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル又はアルコキシ基、これらの基はそれぞれ2〜24の炭素原子を含む、を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートであり得る。
【0146】
本発明の組成物において使用され得るフルオロオイルは特に、欧州特許出願公開第847752号公報に記載されているフルオロシリコーンオイル、フルオロポリエーテル、又はフルオロシリコーンである。
【0147】
本発明に従う組成物は水性相を含み得る。しかし、この水性相は本発明に従って必要とされる粉末の剤形と両立する量において使用されなければならない。
【0148】
該水はフローラルウォーター例えばコーンフラワー水及び/又はミネラルウォーター、例えばVittel水、Lucas水又はLa Roche Posay水及び/又は湧水であり得る。
【0149】
該水性相は、室温(25℃)において水と混和性であり、特に2〜20の炭素原子、好ましくは2〜10の炭素原子、優先的に2〜6の炭素原子を含むポリオールから選択されるポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコール;グリコールエーテル(特に3〜16の炭素原子を含むもの)、例えばモノ−、ジ−又はトリプロピレングリコールのC〜Cアルキルエーテル、モノ−、ジ−又はトリエチレングリコールのC〜Cアルキルエーテル及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0150】
グリセロールはポリオールとしての使用に最も特に適する。
【0151】
本発明に従う組成物は、室温において水と混和性であるポリオールをもまた、組成物の総重量に対して1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%の範囲の含有量において含み得る。そのようなポリオールは、該組成物が施与される皮膚の表面の湿潤化を促進し得る。
【0152】
その上、本発明に従う組成物は、2〜6の炭素原子を含むモノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノールを、特に組成物の総重量に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜7重量%の範囲の含有量で含み得る。
【0153】
好ましくは、本発明に従う組成物は総重量に対して5重量%未満、好ましくは3重量%未満の水を含み、好ましくは該組成物は水を含まない。
【0154】
該組成物は、化粧料において通常使用される他の成分(助剤)、例えば保存剤、化粧的活性剤、湿潤化剤、UVスクリーニング剤、増粘剤、界面活性剤、及び香料を含み得る。
【0155】
言うまでもなく、本発明の組成物と本質的に関連する有利な性質が想定されている添加により悪影響を及ぼされないように、あるいは実質的に及ぼされないように、本発明に従う組成物に添加される任意的な助剤を選択するように、当業者は気をつける。
【0156】
別の特徴に従うと、本発明は
i)一の区画を画定する容器、該区画は閉鎖部材により閉鎖されている;及び
ii)該区画に入れられた本発明に従う組成物
を含む化粧用アセンブリーにもまた関する。
【0157】
該容器は、任意の適切な形であり得る。特に、瓶、チューブ、ジャー、ケース、缶、サッシェ、又は箱であり得る。
【0158】
閉鎖部材は取り外し可能なストッパー、蓋、キャップ、剥ぎ取り式の細片又はカプセル、特に容器に接続された本体及び該本体に統合されたカバーキャップを含むタイプ、の形であってもよい。それは、容器を選択的に閉鎖する部材の形、特にポンプ又はバルブ、例えばクラッパー(clapper)、であってもよい。
【0159】
好ましくは、該組成物は漏れない容器の中にある。
【0160】
製造方法
本発明に従う組成物は、好ましくは以下の手順に従って製造される。
【0161】
シリコーンポリアミドを含む配合物ベース及びシリコーン樹脂が容易される。このベースは1以上のオイル、特に揮発性オイル、を含み得、ゲル化剤をもまた含み得る。
【0162】
この配合物ベースは、次に脂肪相、特に揮発性又は非揮発性のシリコーンオイルと、ブレンダー又は押出機を使用して混合される。
【0163】
好ましくは、該方法は、組成物の成分の全ての制御されたせん断、有利にはシリコーンポリマーの固体−液体遷移温度以上の温度におけるせん断、の少なくとも1の段階を含む。
【0164】
製品が徐々に製造されるにつれて該製品を撹拌する機械的作用を制御するために装置又は装置の組み合わせ、例えば擦られた表面の交換タイプの、又は好ましくはブレンダー/双軸押出機(本明細書の残りにおいて、単純に「押出機」という)タイプの、連続的に機能するプロセス、が本発明に従う方法における使用に適切である。
【0165】
ブレンダー/双軸押出機タイプの押出機が好ましくは使用され、これらの押出機は以下の要素からなる。
− 10℃〜300℃の範囲の温度に独立して温度制御された少なくとも2のジャケット
− 複数のスクリュー要素からなる2つの共回転する軸、各要素は対応する温度領域において所望される混合機能を提供する形状を有する、
− 種々の相を計量しかつ導入するためのデバイス、
− せん断の強度をスクリューの回転速度の関数として調節するための変化可能な速度のモーター。
【0166】
本発明に従う方法がブレンダー/押出機において行われるときに、種々の成分は、冷却中のブレンディングにおいて、種々の温度において、それらの安定性と両立する温度において、取り込まれ得る。
【0167】
本発明を実施するための装置として、特に、本発明を以下の機械に制限することなく、Clextral社製のモデル、BC−21及びBC−45、又はThermoRheo社製のモデルPrism Eurolabが挙げられ得る。
【0168】
以下の実施例は、本発明の非制限的な例として与えられる。百分率は重量百分率である。
【0169】
実施例1〜4:アイシャドウ
配合ベース:
【0170】
【0171】
樹脂はイソドデカンと混合され、該混合物は膨潤することを許される。
【0172】
次に、Moritzブレンダーを使用して撹拌する間又はレイネリブレンダーでの激しい撹拌下、シリコーンポリアミド(相B)は相Aと混合される。
【0173】
配合ベースはこのようにして得られた。
【0174】
アイシャドウ:
【0175】
実施例1〜4の組成物は以下のプロトコルに従って得られる:
− 配合ベースがシリコーンオイルと混合される;
− 最後に、粉末相を形成する組成物が添加され、該混合物は押出機に入れられる。
【0176】
実施例5:健康的な肌色の配合物
実施例5の組成物は上に示されたプロトコルに従って得られる